木村工機株式会社
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回次 |
第72期 |
第73期 |
第74期 |
第75期 |
第76期 |
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決算年月 |
2019年3月 |
2020年3月 |
2021年3月 |
2022年3月 |
2023年3月 |
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売上高 |
(千円) |
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経常利益 |
(千円) |
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当期純利益 |
(千円) |
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持分法を適用した場合の投資利益 |
(千円) |
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資本金 |
(千円) |
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発行済株式総数 |
(株) |
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純資産額 |
(千円) |
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総資産額 |
(千円) |
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1株当たり純資産額 |
(円) |
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1株当たり配当額 |
(円) |
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(うち1株当たり中間配当額) |
( |
( |
( |
( |
( |
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1株当たり当期純利益 |
(円) |
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潜在株式調整後1株当たり当期純利益 |
(円) |
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自己資本比率 |
(%) |
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自己資本利益率 |
(%) |
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株価収益率 |
(倍) |
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配当性向 |
(%) |
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営業活動によるキャッシュ・フロー |
(千円) |
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投資活動によるキャッシュ・フロー |
(千円) |
△ |
△ |
△ |
△ |
△ |
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財務活動によるキャッシュ・フロー |
(千円) |
△ |
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現金及び現金同等物の期末残高 |
(千円) |
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従業員数 |
(人) |
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(外、平均臨時雇用者数) |
( |
( |
( |
( |
( |
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株主総利回り |
(%) |
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(比較指標:配当込みTOPIX) |
(%) |
( |
( |
( |
( |
( |
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最高株価 |
(円) |
- |
2,350 |
4,695 |
2,868 |
1,829 |
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最低株価 |
(円) |
- |
1,687 |
1,780 |
1,686 |
1,250 |
(注)1.当社は連結財務諸表を作成しておりませんので、連結会計年度に係る主要な経営指標等の推移については記載しておりません。
2.持分法を適用した場合の投資利益については、当社は関連会社を有していないため記載しておりません。
3.第73期の1株当たり配当額には、記念配当5円を含んでおります。
4.潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。
5.第72期の株価収益率については、当社株式は非上場であったため、記載しておりません。
6.従業員数は、就業人員であり、臨時従業員数は( )内に年間平均人数で記載しております。
7.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第75期の期首から適用しており、第75期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
8.2020年3月13日付をもって東京証券取引所市場第二部に株式を上場いたしましたので、第72期から第73期までの株主総利回り及び比較指標については記載しておりません。第74期以降の株主総利回り及び比較指標は、2020年3月末を基準として算定しております。
9.最高株価及び最低株価は、2022年4月3日以前は東京証券取引所市場第二部におけるものであり、2022年4月4日以降は東京証券取引所スタンダード市場におけるものであります。
なお、2020年3月13日付をもって同取引所に株式を上場いたしましたので、それ以前の株価については記載しておりません。
当社は、1945年8月に創業者である故木村悦造が、大阪市東区上町13番地(現 大阪市中央区上町A番23号)において伸銅品と機械工具類の販売を業とする「木村工機営業所」を開所したことに始まります。
2年後の1947年8月に木村工機株式会社を設立、その後、1952年12月にプレートフィンヒーター・クーラーの製法を確立したことを契機に、空調機器メーカーとして事業を拡大してまいりました。
なお、当社の変遷は次のとおりであります。
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1947年8月 |
大阪市東区(現 中央区)に木村工機株式会社を設立、伸銅品・機械工具販売事業を開始 |
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大阪営業所(現 大阪営業本部)を開設 |
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1953年1月 |
熱交換器と暖房機器(ベースボードヒーター、コンベクター等)の製作開始、空調事業に本格参入 |
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1958年1月 |
東京営業所(現 東京営業本部)を開設 |
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1960年7月 |
ファンコイルユニット(※1)(据置型)の製作開始 |
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1961年10月 |
大阪府八尾市に新工場(現 八尾製作所)を稼働 |
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エアハンドリングユニット(※2)(エアハン)の製作開始 |
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1964年5月 |
名古屋出張所(現 名古屋営業本部)を開設 |
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福岡出張所(現 福岡支店)を開設 |
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1977年8月 |
空調サービス課(現 大阪営業本部空調設備部)を開設 |
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1978年2月 |
2方向・4方向吹き出し天井カセット形ファンコイルユニットを開発 |
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個別分散型エアハン(ターミナル空調機)を開発 |
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1982年10月 |
広島出張所(現 広島支店)を開設 |
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1983年11月 |
超フラットパネルの天井カセット形ファンコイルユニットを発売、グッドデザイン賞を受賞 |
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工場用ターミナル形壁掛空調機を発売 |
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1986年4月 |
仙台営業所(現 仙台支店)を開設 |
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1986年7月 |
札幌事務所(現 札幌営業所)を開設 |
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1987年6月 |
金沢出張所(現 金沢営業所)を開設 |
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1988年10月 |
空調用制御システムの自社開発を開始(ファンコイルユニット用) |
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1990年12月 |
三重県河芸町(現 津市)に新工場(現 河芸製作所)を稼働 |
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1997年3月 |
創業の地にて、木村工機上町事務所ビル竣工、移転 |
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1998年8月 |
楕円管熱交換器「オーバルコイル(※3)」を開発し、製品に組み込み、販売開始 |
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1999年10月 |
ISO9001を認証取得 |
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2001年10月 |
空冷ヒートポンプ式(※4)「熱回収外調機ベストブレス」を開発 |
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2009年4月 |
全空気式放射整流ユニット「マイルド誘引エアビーム」を開発 |
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2014年1月 |
「みずエクセル」が省エネ大賞を受賞 |
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2015年1月 |
「高性能エアハンドリングユニット」が省エネ大賞を共同受賞 |
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2017年9月 |
冷温水式(※5)「調温・調湿空調システム」を開発 |
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2018年10月 |
空冷直膨式「調温・調湿空調システム」を開発 |
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2020年3月 |
東京証券取引所市場第二部に株式を上場 |
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2020年5月 |
大阪市中央区内で本社を移転 |
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2022年4月 |
東京証券取引所スタンダード市場に移行 |
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大阪府東大阪市に八尾製作所高井田工場を稼働 |
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2023年1月 |
潜顕分離式(※6)換気空調システム「ベストエア・コンビ」を開発 |
※1.ファンコイルユニット・・・・・「3 事業の内容(3)主な製品」参照
※2.エアハンドリングユニット・・・「3 事業の内容(3)主な製品」参照
※3.オーバルコイル・・・・・・・・熱交換器に挿入された銅管の形状を円形ではなく楕円管にしたもの。当社製品全般における最大の特徴で、空気の流れが剥離せず、効率が高くなるので、機器の軽量化、コンパクト化が可能になります。
※4.ヒートポンプ式・・・・・・・・冷媒ガスを圧縮・膨張させることで得た熱エネルギーを熱交換に利用する方式(HP式/直膨式)
※5.冷温水式・・・・・・・・・・・熱源で冷却・加熱された水を熱交換に利用する方式
※6.潜顕分離式・・・・・・・・・・外調機と空調機で潜熱(主として外気)と顕熱(主として還気)を別々に処理する空調方式
当社は、空調関連機器の製造、販売及び関連工事等、空調機器製造販売事業を営んでおり、その事業内容は以下のとおりです。
なお、当社は空調システム機器の開発・製造・販売の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
(1)事業の特徴
当社は、1945年に創業し、1952年にプレートフィンヒーター・クーラーの製法(※)を確立したことを契機に、約70年にわたり業務用空調の製造販売に特化して事業を営んでまいりました。
その間、社会全般の快適空間への欲求の高まりや地球環境・社会情勢の変化等により、空調に対する要求も大きく変化しており、オフィスビル、商業施設、工場、学校、病院など要求は多様です。
当社ではその要求に応えるべく以下の特徴を生かし事業を遂行しております。
○技術力
特許に裏付けられた技術により、独自性の高い製品を顧客に提案しております。また、当社は、お客様の利用環境および当社製品に合わせた制御システムを内製できる技術も持っております。
※特許取得済み件数185件、申請件数24件(国内海外合計 いずれも2023年3月末現在)
○生産力
当社の生産は、個別受注生産を基本としており、高い品質の製品を効率的に生産することができるよう設備および人材を配備することに取り組んでおります。
○営業力
当社の営業は、積算業務を自ら手掛けるなど、製品、技術に関する知識、経験を積み重ねております。さらに、迅速に技術的なサポートができるよう技術本部と密接につながった営業技術部門を主要営業拠点に配置しております。
○製品力
空気調和機の中でも、導入外気を冷却・加熱するほか、換気、除塵、除加湿などの空気質改善を主な目的とする空調機のことを外調機といいます。当社のヒートポンプ式の外調機は、細やかな調温調湿が可能です。
中でも、室内機と室外機とを一体化させた「ルーフトップ」シリーズは、フロンの使用量が非常に少なく、漏洩リスクを極力抑えることができるなど環境面でも考慮しており、当社の主力製品となっております。
また、当社の工場用ゾーン空調機は、除湿を重視した大空間空調が可能で、暑熱対策が必要な工場において有用です。
なお、これら含め当社製品は、営業部門が集約した年間約3千件のお客様のご意見、ご要望をもとに、開発、改良されております。
※プレートフィンヒーター・クーラーの製法
プレートフィンヒーター・クーラーとはアルミプレートに銅管を取り付けた熱交換機です。効率よく空気と水をプレートフィンで熱交換させるためには、銅管とアルミプレートを完全に密着させる必要があり、銅管を内部から円周上に広げる製造工法(いわゆる拡管)でこれを実現しました。当初は自動の拡管機がなく、手回しのウインチを使い、腕力に頼りながら製作していました。
(2)当社の取引先について
当社の製品が、最終需要者である施主・オーナーの各種建築物に設置されるまで、複数の段階を経ますが、当社の取引先は各段階における専門事業者および施主・オーナーの企業となります。
各段階における専門事業者とは、総合建設業者(ゼネコン)、設備工事業者(サブコン)などになります。
[事業系統図]
(参考)
※1 得意先:施主・オーナー、空調機器設置先等
※2 販売先:総合建設業者、設備工事業者
※3 提携工事会社:空調機器設置会社・設備工事業者等
(3)主な製品
冷温水式エアハンドリングユニット(AHU/エアハン)
冷却・加熱を行うために必要な熱源装置を別途設け、水を熱媒体として空気の冷却・加熱を行う装置のことです。
冷温水式FCU(ファンコイルユニット)
冷却・加熱を行うために必要な熱源装置を別途設け、冷水・温水・蒸気などを用いて冷暖房を行う装置のことで、主に室内側に装置を設置し、個別空調が必要とされる建物の熱負荷処理に用いられます。
エアハンドリングユニットとは異なり、外気を取り入れる機能を有していないため、別途外気を取り入れる機器を設置する必要があります。
空冷ヒートポンプ(HP)式空調機&外調機
冷却・加熱を行うために必要な熱源装置を別途設け、冷媒ガスを熱媒体として空気の冷却・加熱を行う装置のことです。その中でも外気の冷暖房のほか、換気、除塵、除加湿などの空気質改善を主な目的とする空調機のことを外調機といいます。
冷温水式&空冷ヒートポンプ(HP)式工場用ゾーン空調機
工場、ホールなどの比較的大空間を空調する機器のことであり、局所的な空調を目的とするスポット空調ではなく作業エリア全体をゾーン単位で冷暖房を行う機器のことです。冷温水式とヒートポンプ(HP)式があります。
該当事項はありません。
(1)提出会社の状況
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2023年3月31日現在 |
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従業員数(人) |
平均年齢(歳) |
平均勤続年数(年) |
平均年間給与(円) |
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( |
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当社は空調システム機器の開発・製造・販売の単一セグメントであるため、事業部門別に記載しております。
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事業部門の名称 |
従業員数(人) |
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営業部門 |
121 |
( 3) |
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製造部門 |
183 |
(43) |
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技術部門 |
18 |
(-) |
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管理部門 |
42 |
( 2) |
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合計 |
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( |
(注)1.従業員数は就業人員(使用人兼務役員を除く正社員)であり、臨時雇用者数(非常勤の顧問、短期アルバイトおよび人材会社からの派遣社員を除き、常勤の顧問および契約社員を含む。)は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。
2.平均年間給与は、賞与および基準外賃金(通勤手当を除く。)を含んでおります。
(2)労働組合の状況
当社の労働組合は、木村工機労働組合と称し、提出会社の八尾製作所に同組合本部が置かれ、2023年3月31日現在における組合員数は、262名で、上部団体ものづくり産業労働組合(JAM)に加盟しております。
なお、労使関係は安定しております。
(3)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
①管理職に占める女性労働者の割合
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2023年3月31日現在 |
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1.1% |
(注)「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
管理職に占める女性労働者の割合についての補足説明
当社において将来の管理職候補となる役職者(係長・主任)に占める女性労働者比率は、2023年3月31日現在22.3%で、女性活躍推進法に基づく行動計画(2021年10月~2024年9月末)の目標(22%)を達成しております。引き続き、正規雇用労働者の女性労働者比率を基準とし、役職者(係長・主任)に占める女性労働者比率を向上させ、管理職に占める女性労働者の割合の向上を図ります。
なお、2023年4月1日付人事異動により、管理職に占める女性労働者の割合は2.2%となりました。
②男性労働者の育児休業取得率
当社は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)および「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しております。
③労働者の男女の賃金の差異
当事業年度における労働者の男女の賃金の差異は次のとおりであります。
(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
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労働者の男女の賃金の差異 |
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全労働者 |
60.8% |
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正規雇用労働者 |
63.4% |
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非正規雇用労働者 |
73.2% |
(注)1.労働者の男女の賃金の差異は、女性の平均年間賃金÷男性の平均年間賃金×100%として算出しております。また、平均年間賃金は、総賃金(賞与及び基準外賃金(通勤手当を除く。)を含む。)÷人員数として算出しております。
2.非正規雇用労働者は、常勤の顧問、契約社員(フルタイマー・パートタイマー)、嘱託社員、アルバイトを対象に算出しております。なお、パートタイマー等については若干名のため、フルタイム換算せず実際に支給した賃金に基づき算出しております。
労働者の男女の賃金差異についての補足説明
a.差異の要因
差異要因の一つは、平均勤続年数の差によるものであり、具体的には次のとおりであります。
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2021年10月1日現在 |
2023年3月31日現在 |
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平均勤続年数 |
女性 |
7.7年 |
8.2年 |
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男性 |
13.6年 |
14.4年 |
女性活躍推進法に基づく行動計画(2021年10月~2024年9月末)において、女性労働者の平均勤続年数を7.7年から10年へ引き上げる目標を設定しております。引き続き、社内環境整備に関する方針に基づく職場環境の構築を進め、女性労働者の平均勤続年数の向上を図ります。
また、月平均時間外勤務時間(いわゆる残業時間)の差が、賃金差異の要因となっております。2023年3月31日までの一年間の月平均時間外勤務時間の差は次のとおりであります。
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月平均時間外勤務時間 |
女性 |
3時間44分 |
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男性 |
19時間2分 |
なお、時間外勤務時間の男女差を縮小するため、業務量の平準化を図り改善に努めます。
b.男女同等の賃金体系
当社の基本給は、給与の主体となるもので、「本人給」と「職能給」の合計額であります。「本人給」は労働者の年齢に応じて男女同等に設定しております。また、「職能給」は労働者の職位、職務能力に応じて設定しております。分布の偏りにもよりますが、同一職階・職級の賃金は、次のとおり概ね男女同等であります。
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職階・職級 |
男性の平均職能給に対する 女性の平均職能給の割合 |
|
10C~12A |
112.8% |
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7C~9A |
94.3% |
|
4C~6A |
92.5% |
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1C~3A |
106.6% |
|
総平均 |
100.5% |
(注)平均職能給は、2023年3月31日現在の各職階・職級における職能給総額(特殊要因を除く。)÷人員数として算出しております。
当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)経営方針
当社は「われわれは 知恵と汗を礎にして 社会に貢献する」を社是とし「柔軟な発想と技術で、環境にやさしい空調製品の開発に努め、あらゆる用途・空間に最適な空調を提供していくこと」を目指しております。
同時に、当社は、サステナビリティの視点を経営の中核に位置づけ、環境問題や社会課題の解決を通じて事業機会の創出を図ることを目指しております。
(2)目標とする経営指標
当社は、顧客の分野別に需要をとらえ、付加価値の高い製品を分野別に供給することで販売および収益につなげる経営戦略を掲げており、売上高営業利益率を主要経営指標の一つとしております。
(3)中長期的な会社の経営戦略
業務用空調においては、温度に加えて湿度・清浄度・気流などを用途に応じて最適にコントロールすることが求められます。
また、気候変動対応のため温室効果ガス排出量削減に取組むべく、新製品開発にも積極的に取組みます。
当社は、工場などの「産業分野」、オフィスビル、ショッピングセンターなどの「商業分野」、病院、学校などの「保健分野」の3つに類別し、「分野別最適空調」を推進しております。
・産業分野においては、生産される製品や取り扱う資材に応じた空気質の管理を行うことで、製品の信頼性の向上および品質の維持に貢献します。
・商業分野においては、省エネ、省コストによって競争力を高めていくことで、建築物の付加価値向上に貢献します。
・保健分野においては適切な温熱環境を保つことで、健康増進と知的生産性の向上に貢献します。
(4)経営環境並びに優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
わが国経済は、新型コロナウイルスが収束に向かい、徐々に社会経済活動が正常化してきた一方、原材料やエネルギー価格の上昇、電子部品や材料等の供給制約、急激な為替変動などが経営環境に大きな影響を与え、不透明な状況が続いています。
また、社会全体では、気候変動や人権・ダイバーシティなどサステナビリティに対する意識が高まり、これらが重要課題としてとらえられています。空調業界においては省エネや温室効果ガスの削減などの取り組みが求められています。
このような中、当社は以下の重点課題に取り組んでまいります。
① 事業活動を通した持続可能な社会への貢献
地球環境や社会へ配慮した企業経営がますます重要となる中で、当社は、サステナビリティの視点を経営の中核に位置づけ、持続可能な社会の実現に貢献するとともに、企業価値の最大化を目指します。特に、地球温暖化対策は地球規模で取り組むべき課題であり、空調業界においても、省エネや温室効果ガスの削減に取り組む必要があります。当社においても熱回収技術、熱源一体型製品等、環境配慮型製品を拡大し、持続可能な社会の実現に貢献します。また、2050年CO₂排出量実質ゼロ(SCOPE1・SCOPE2)を目指し、部門毎に目標を定め、全社挙げてこれに取り組みます。
② 従来型快適空調に健康・衛生志向を加えた空調システムへ
空調の世界においては、新型コロナウイルスの影響により、従来の快適性に加え、健康で衛生的な空間の実現が今まで以上に求められております。
当社では、すでに換気を主な目的とした空冷HP式による熱回収外調機やルーフトップ外調機を供給しております。それに加え、各分野にエコ&ウェルネスを目指した新たな空調を開発してまいります。
③ 部品力の強化と空調のシステム化の推進
最適部品の確保は空調のシステム化に必要であり、他社との連携や自社独自部品の開発を積極的に行い、今後も部品力の強化に努めます。
中でも新たに開発した「斜平形楕円管熱交換器」の量産体制を構築したことで、これを中核とした自然の力を活用した製品の開発が可能となりました。
このことで省エネ、省資源、省コスト、省スペースなどを実現し、脱炭素社会に貢献してまいります。
④生産力の増強と生産効率・省エネの推進
今後の当社の成長のためには、生産力増強が重要な課題であり、高井田新工場の稼働に加えて、八尾製作所の建て替え等を進めています。
これら工場では、新基幹システムの導入等の各種DXの推進による効率の改善および再エネ導入等による省エネの推進に取り組んでまいります。
⑤ 人財育成を通した企業体質の強化
全社員にサステナビリティの視点の浸透を図るとともに、「企業倫理規範」および「社員行動規範」の実践を通じて次の時代を生き抜く人財を育て、経営基盤を強化します。
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。また、以下の記載は当社株式への投資に関するリスクを全て網羅するものではありません。
リスク分類
当社は、想定されるリスクを3つのカテゴリーに大分類し、その大分類の中をリスクの性質に基づき、個別のリスクとして把握しております。
リスクの大分類としては、「外部要因リスク」、「内部要因リスク」、「特殊リスク」をあげております。
・外部要因リスクとは、そのリスクの原因が外部要因によるものです。
・内部要因リスクとは、そのリスクの原因が内部要因によるものです。
・特殊リスクとは、本来外部要因リスクまたは内部要因リスクに分類すべき事項ですが、投資判断上特に注目度が高いと思われるリスクについて、別のカテゴリーとして分類しているものです。
(1)外部要因リスク
①自然災害リスク
当社は、日本全国に本社・支店・営業所および3ケ所の工場を有しております。地震による被害、気候変動による台風等風水害の規模拡大による自然災害により、当社の施設および従業員が被害を受ける可能性があります。それに加え、当社ステークホルダーおよび日本国内全体にも被害が及ぶ可能性があります。
これにより、当社の事業遂行に直接的または間接的な影響が発生するだけでなく、日本国自体も影響を受けることは否めません。こうした事態となった場合のため、事業継続計画の策定、各拠点の整備改善および保険契約により、対策を講じております。
しかしながら、想定を超える被害が生じた場合、当社の事業遂行、経営成績および財政状態に影響が生じる可能性があります。
②外部調達リスク
当社の製品を製造するためのエネルギーや製品を構成する銅やアルミ等の主要原材料および室外機や圧縮機等の主要部品は、経済情勢、国際情勢や為替相場等の影響や調達先の生産状況等により、価格の大幅な上昇若しくは調達が困難になる可能性があります。これに伴い、生産・営業活動が停滞ないしは停止するリスクがあります。
また、当社は、生産性向上および外部企業が持つ高いスキルを活用するなどの目的で、外部企業への製造・加工の委託、物流、工事等の役務の提供を受けております。経済情勢等によるコストの上昇や人員の確保の困難等により、価格の大幅な上昇若しくは役務の提供が困難となるリスクがあります。
上記のリスクについて、サプライチェーンの見直し、原材料・主要部品の備蓄、設計の変更、新規外注先の開拓等の対策を講じております。
しかしながら、対策を超える事態が生じた場合には、当社の経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③経済環境リスク
当社は製造販売を全て国内で行っており、国内の経済情勢、日本の国際競争力の低下、DX等の情報インフラ整備の遅れなど、日本国自体の経済・政治状況に依拠しております。これに伴い、大幅な為替変動、大幅な金利上昇、国内の設備投資の減少およびエネルギーを始めとする原材料の調達困難等のリスクがあります。
このために、たゆまぬ業務改善、製品力の向上および財務体質の改善を図っております。
しかしながら、こうした企業努力で吸収出来ないような事態が生じた場合、当社の経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
④外部からの攻撃リスク
悪意に基づく当社事務所・工場を含む国内でのテロ等の破壊行為および機密情報を含む盗難行為、サイバーテロ等による当社を含む国内情報システムへの攻撃による当社の施設、情報資産を含む資産および従業員に対する被害、生産・業務システムが正常に稼働しないなどの可能性があります。
こうした事態となった場合のため、事業継続計画の策定、警備会社との契約、サイバーセキュリティに対する施策、サーバーの物理的安全管理措置の強化やクラウド化等により、対策を講じております。
しかしながら、想定を超える被害が生じた場合、当社の事業遂行、経営成績および財政状態に影響が生じる可能性があります。
⑤感染症等リスク
新型インフルエンザや新型コロナウイルス等に代表される感染症の拡大により、当社人員の確保、原材料等のサプライチェーンの混乱、その他感染症拡大のための措置により、当社業務運営に障害が発生するリスクがあります。
上記への対策として、在宅勤務・時差出勤の推進や衛生管理の徹底により、感染拡大防止を図る方針です。
しかしながら、想定以上の感染拡大が生じた場合、当社の経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑥法令等変更リスク
当社の展開する事業に関する法的規制としては、外注先を利用する場合の製品製造・保守等に関する「下請代金支払遅延等防止法」、許認可を要する空調設備設置工事に関する「建設業法」、工場等で排出する産業廃棄物に関する「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」、フロンガスの管理等に関する「フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律」等があります。関連法令の改正に加え、環境規制の強化が行われる可能性があり、製品開発や事業展開が制限されるなどのリスクが生じる可能性があります。また、法令違反の事象が発生した場合、許認可の取消を受けるなど事業上の問題が発生する可能性があります。
上記のリスクに対して、法改正や環境規制の強化については十分な情報収集を行い、前倒しに対応出来るように準備を行っております。加えて、法令遵守に関しては、当社内において周知徹底し、法務部門によるモニタリングを実施するとともに、内部監査による定期的な確認も実施し、法令違反が発生しないように努めております。
こうした対策が十分に機能しない場合、当社の経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑦知的財産権リスク
当社に対し、第三者より知的財産権の侵害についての提訴または通知を受けるリスクがあります。こうした提訴等への対応に伴い、訴訟に係る多額の費用の発生、権利侵害に伴う損害賠償および侵害の対象となった技術を利用出来ないなどの可能性があります。
こうした事態となった場合のため、専門部署を設置し、特許事務所とともに、特許権を含む知的財産権を管理しております。
しかしながら、対策を超える事態が発生した場合、当社の経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(2)内部要因リスク
①人的資本リスク
事業遂行にあたり、優秀な人材を採用し、確保し続けることは、当社の競争力を維持するために必要不可欠であると考えております。しかしながら、人口減少、少子高齢化およびそれに伴う人件費、派遣費等の上昇により、事業継続に必要な人員の確保が困難となることや処遇を含めて当社の魅力が低下した場合に人材流出が起きるリスクがあります。
これらのリスクについて、賃金等の適正な引上げ、労働環境の整備、業務プロセスの見直しによる効率化、教育・リスキリング等の教育投資の実施等の対策を講じる方針です。
しかしながら、対策が十分な効果を発揮しない場合、当社の経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
②製品競争力低下リスク
製品価格と性能との比較から見た割高感や研究開発の遅れによる競争力の低下により、製品(価格)競争力が低下するリスクがあります。
顧客の声を広く収集し製品開発に活かすマーケティング活動、コスト削減、生産性向上、研究開発投資の継続等の対策は講じております。
しかしながら、対策が十分な効果を発揮しない場合、当社の経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③情報システムリスク
当社は、販売、生産、経理、労務管理等において情報システムを利用しております。プログラミングミスや人為的ミスにより、システム障害による業務運営の障害や情報漏えいが発生するリスクがあります。これに加え、情報漏えいに伴い、第三者から損害賠償請求を受けるリスクがあります。
また、当社では、現在基幹システムを更新し、情報システムを刷新することによる業務の効率化、ひいてはDXによる全社的なプロセスの改善に取組んでおります。システム会社と連携の上、DX化を進めておりますが、適切なシステム構築が図れない場合や改善効果が乏しい場合等、当社の業務上の効率性が他社比劣後することが想定され、当社の市場における競争力が低下するリスクがあります。
上記のリスクについて、データ送信におけるセキュリティシステムの導入、内部統制の強化、情報漏えいに備えた保険契約を行っております。
しかしながら、対策が不十分な場合、当社の経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
④事務・業務リスク
製造ミス、設計ミスに起因する当社製品の不良や業務過誤により、損害賠償や当社信頼感の低下を招くリスクがあります。
上記のリスクについて、品質管理の徹底、設備等の更新・改良、内部統制の徹底および保険契約等による対策を講じております。
こうした対策を超える損害が発生した場合、当社の経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑤コンプライアンスリスク
セクハラ、パワハラ、社員による刑事事件、社員等による不正により、金品等の盗難、機密情報の持出、損害賠償請求、労働環境の悪化による人材流出、新規雇用への影響、株価への影響等のリスクがあります。
上記のリスクについて、内部統制の徹底、従業員教育、内部通報制度の整備等により、対策を講じております。
こうした対策を超える損害が発生した場合、当社の経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑥信用リスク
当社は、総合建設業者、設備工事業者、施主等と取引を行っております。これらの取引先に対し貸倒れ等の不良債権の発生による損失の発生や財務体質の悪化が生じる可能性があります。また、不良債権額が多額の場合、株価の下落、資金調達への影響が発生するリスクがあります。
上記のリスクについて、信用調査に基づく取引限度額の設定や定期的な取引状況の把握による信用リスクの低減に努めております。
現時点において当社の事業継続に影響を与える規模の不良債権の発生の可能性は低いと考えておりますが、仮にそうした事態となった場合、当社の経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑦減損リスク
当社は、事業用の資産として、有形・無形の固定資産を保有しております。事業に供しているこれらの資産については、業績が低迷し、事業から得られる将来のキャッシュ・フローの見積りが帳簿価額を大幅に下回った場合、減損処理が必要となる場合があります。
減損処理が発生した場合には、当社の経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(3)特殊リスク
①地政学リスク
世界各地における戦争・テロ(含むサイバーテロ)により、サプライチェーンの混乱、経済のブロック化、大国対立の先鋭化等の可能性があります。これにより、当社の事業遂行に直接的または間接的な影響が発生し、国内情勢も影響を受けることは否めません。
こうした事態となった場合のため、サプライチェーンの見直しや主要部品の備蓄等による、対策を講じております。
しかしながら、想定を超える事態が生じた場合、当社の経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
②気候変動への対応リスク
世界的に気候変動に対する意識は高まっており、特にCO2の削減を念頭においた「カーボンニュートラル」への取組みが企業行動の上で不可欠となってきております。
このため、カーボンニュートラル対応の遅れ、特に「温室効果ガス」対策への取り組みの遅れおよび環境適応力の劣後が、当社競争力の低下につながるリスクがあります。
上記のリスクについて、SDGs対応強化、温暖化係数の低い冷媒の仕様および機器のパッケージ化・システム化技術による温暖化ガスの使用量削減・漏洩策等による対策を講じる方針です。
しかしながら、対策が十分な効果を発揮しない場合、当社の経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当社は、空調システム機器の開発・製造・販売の単一セグメントであるため、セグメント情報に関連付けた記載は省略しております。
①財政状態の状況
当事業年度末における総資産は、前事業年度末より2,512,651千円増加し、17,670,032千円となりました。
当事業年度末における負債は、前事業年度末より1,731,458千円増加し、9,915,444千円となりました。
当事業年度末における純資産は、前事業年度末より781,193千円増加し、7,754,588千円となりました。
②経営成績の状況
当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症が社会経済全般に影響をもたらしましたが、行動制限の緩和等により、徐々に正常化に向かう動きが見られました。一方、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化、原材料や資源価格の高騰や半導体をはじめとする電子部品等の供給制約、急激な為替変動と世界金利の急上昇など、企業の経営環境は依然として不透明な状況が続いております。
このような中、当社は、斜平形楕円管熱交換器やそれを活用した新製品の開発を進めるとともに、生産力増強のため、高井田工場の稼働開始、八尾製作所の建て替えを進めてまいりました。また、基幹システムの再構築により業務の効率化を図ってまいりました。
売上高については、徐々に国内設備投資が活性化してきたことで産業分野を中心に伸長しました。
特に、製造現場の職場環境改善を目的とした工場用ゾーン空調機が好調でした。
また、商業分野では、換気ニーズの高まり等により大型ショッピングモールへの外調機導入が伸長しました。
利益面では、生産工程の見直しや部品調達の多様化、原材料価格高騰に対応した価格の改定等に取組み、営業利益率が徐々に改善してまいりました。
この結果、当期の経営成績は、売上高11,703,242千円(前年同期比14.7%増)、営業利益1,572,798千円(同44.5%増)、経常利益1,567,826千円(同17.8%増)、当期純利益1,037,141千円(同18.2%増)となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、税引前当期純利益が1,426,537千円、有形固定資産の取得による支出1,966,574千円、売上債権の増加額1,150,649千円、短期借入金の増加額630,000千円等により1,338,085千円(前事業年度末は2,249,627千円)となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は548,267千円(前事業年度は233,600千円の収入)となりました。これは主に、税引前当期純利益が1,426,537千円、売上債権の増加額1,150,649千円、棚卸資産の増加額669,882千円、仕入債務の増加額529,347千円、減価償却費373,803千円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は2,193,632千円(前事業年度は1,076,100千円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出1,966,574千円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は733,822千円(前事業年度は750,742千円の収入)となりました。これは主に、短期借入金の増加額630,000千円、長期借入れによる収入550,000千円、自己株式の取得による支出166,569千円、長期借入金の返済による支出147,632千円、配当金の支払額92,563千円等によるものであります。
④生産、受注及び販売の実績
当社は、空調システム機器の開発・製造・販売の単一セグメントであるため、生産、受注及び販売の実績につきましては、品目別に記載しております。
a.生産実績
当事業年度の生産実績を品目ごとに示すと、次のとおりであります。
|
品目の名称 |
当事業年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
冷温水式AHU(千円) |
1,927,249 |
98.9 |
|
冷温水式FCU(千円) |
916,114 |
142.4 |
|
空冷HP式空調機&外調機(千円) |
5,782,691 |
110.8 |
|
冷温水式&空冷HP式工場用ゾーン空調機(千円) |
1,242,158 |
180.1 |
|
その他(千円) |
2,180,901 |
137.9 |
|
合計(千円) |
12,049,115 |
119.5 |
(注)金額は販売価格によっております。
b.受注実績
当事業年度の受注実績を品目ごとに示すと、次のとおりであります。
|
品目の名称 |
受注高(千円) |
前年同期比(%) |
受注残高(千円) |
前年同期比(%) |
|
冷温水式AHU |
1,945,761 |
85.9 |
763,293 |
112.4 |
|
冷温水式FCU |
943,524 |
138.8 |
165,403 |
140.5 |
|
空冷HP式空調機&外調機 |
7,601,609 |
118.0 |
4,051,422 |
172.5 |
|
冷温水式&空冷HP式工場用ゾーン空調機 |
1,525,221 |
205.9 |
859,146 |
304.8 |
|
その他 |
2,369,060 |
132.0 |
680,434 |
165.6 |
|
合計 |
14,385,177 |
120.6 |
6,519,699 |
169.9 |
c.販売実績
当事業年度の販売実績を品目ごとに示すと、次のとおりであります。
|
品目の名称 |
当事業年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
冷温水式AHU(千円) |
1,861,537 |
97.1 |
|
冷温水式FCU(千円) |
895,854 |
137.1 |
|
空冷HP式空調機&外調機(千円) |
5,898,523 |
110.8 |
|
冷温水式&空冷HP式工場用ゾーン空調機(千円) |
947,907 |
131.1 |
|
その他(千円) |
2,099,419 |
132.7 |
|
合計(千円) |
11,703,242 |
114.7 |
(注)最近2事業年度の主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は特定の顧客への売上高が10%以上でないため、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社は空調システム機器の開発・製造・販売の単一セグメントであるため、セグメントごとの経営成績の状況の記載を省略しております。
a.財政状態
(資産)
当事業年度末における総資産は、17,670,032千円(前事業年度末15,157,381千円)となり、2,512,651千円増加いたしました。これは主に、有形固定資産の増加1,532,773千円、売上債権の増加1,150,649千円、棚卸資産の増加669,882千円、現金及び預金の減少911,542千円等によるものであります。
(負債)
当事業年度末における負債は、9,915,444千円(前事業年度末8,183,986千円)となり、1,731,458千円増加となりました。これは主に、借入金の増加1,032,368千円、仕入債務の増加529,347千円、退職給付引当金の増加140,685千円等によるものであります。
(純資産)
当事業年度末における純資産は、7,754,588千円(前事業年度末6,973,395千円)となり、781,193千円増加いたしました。これは主に、当期純利益の計上による増加1,037,141千円、自己株式の取得による減少166,071千円、剰余金の配当による減少92,609千円等によるものであります。
b.経営成績
(売上高)
新型コロナウイルス感染症が社会経済全般に影響をもたらしましたが、行動制限の緩和等により、徐々に正常化に向かう動きが見られました。売上につきましては、分野別において、特に産業分野で、国内設備投資案件の持ち直しや、換気をキーとした外調機ニーズの高まり、熱回収外調機や水冷ヒートポンプ式に代表される省エネ製品の需要の拡大などにより増加しました。製品別においては、当社の独自製品であるルーフトップ外調機や工場用ゾーン空調機が増加しました。この結果、売上高は11,703,242千円(前年同期比14.7%増)となりました。
(売上原価、売上総利益)
売上原価は、前事業年度に比べ753,481千円増加し、7,010,466千円となりました。これは主に、売上高の増加によるものであります。
以上の結果、売上総利益は前事業年度に比べ749,603千円増加し、4,692,776千円となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
販売費及び一般管理費は、前事業年度に比べ265,310千円増加し、3,119,977千円となりました。これは主に、人件費の増加および売上増加による荷造運搬費の増加によるものであります。
以上の結果、営業利益は前事業年度に比べ484,293千円増加し、1,572,798千円となりました。
(営業外損益、経常利益)
営業外収益は、前事業年度に比べ247,460千円減少し、34,768千円となりました。これは主に、前事業年度において、助成金収入および保険解約返戻金が発生したことによるものであります。また、営業外費用は、前事業年度に比べ272千円増加し39,739千円となりました。これは主に、支払利息の増加によるものであります。
以上の結果、経常利益は前事業年度に比べ236,560千円増加し、1,567,826千円となりました。
(特別損益、当期純利益)
特別損失は、前事業年度に比べ104,442千円増加し、141,289千円となりました。これは、固定資産除却損の増加によるものであります。
以上の結果、当期純利益は前事業年度に比べ159,600千円増加し、1,037,141千円となりました。
当社の経営成績に重要な影響を与える要因として、市場動向、資材価格の動向、災害・事故・感染症拡大等、様々なリスク要因があると認識しております。
当社の事業が関係する空調業界におきましては、従来の快適性に加え、健康で衛生的な空間の実現が求められると同時に、省エネや温室効果ガス削減等の環境対応、製造現場の暑さ対策等の労働環境改善など持続可能な社会の実現に向けての欲求が高まっております。
市場動向に対しては、分野・用途毎に多様性のある空調ニーズに応えるため、先進的で付加価値の高い空調システム機器の開発を進めることで対応します。
資材価格の動向に対しては、鋼材、非鉄金属、原油等の価格上昇への対応として、資材取引先と従来以上に密接な情報交換を行うことにより関係を強化し、更なるコスト削減に努めてまいります。
災害・事故・感染症拡大に対しては、事前の対応策の立案、現場作業に携わる作業員の意識改革等の継続的な現場管理活動により、事業継続へ影響を与えるような災害・事故・感染症拡大の抑制に努めます。
今後は、世界的に新型コロナウイルス感染症が終息しつつあり、経済活動も正常化に向かうものと思われます。一方で、資源価格の上昇等によるインフレ抑制のため、欧米を中心に金利の引上げが進行しており、世界景気の見通しは不透明感が出てきております。また、電気料金の上昇や部材調達の遅延は継続しており、引続き企業業績に影響を与えております。
このような中、当社は、製品開発については、斜平形楕円管熱交換器を搭載した省エネ・省スペース型の新製品に注力してまいります。主な開発内容については、第2「事業の状況」の5「研究開発活動」に記載のとおりであります。
生産活動については、八尾製作所の工場棟ならびに管理棟の建て替えによる生産力の増強および高井田新工場の隣地に建設中の倉庫を活用した物流の効率化にも取り組んでまいります。
販売面については、新型コロナウイルスの影響から「換気」の重要性が提唱されたものの、外気を直接取り入れることがもたらす結露やカビ等の問題が顕在化してきたことを受け、外調機の重要性の訴求を一層進めてまいります。さらには、省エネ性能の高い熱回収外調機や配管工事が不要で工事現場の人手不足対策に貢献する一体型製品などを提案してまいります。
当社はこれら空調技術の進歩発展を通して社会に貢献することにより、持続可能な社会の実現を目指してまいります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社の当事業年度のキャッシュ・フローは、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社の必要資金は、当社製品の製造販売に係る原材料費、経費、販売費及び一般管理費等の運転資金および設備投資に係る投資資金が主なものです。
財政状態は健全性を保っており、現金及び現金同等物等の流動性資産に加え、営業活動によるキャッシュ・フロー、借入金による資金調達により、事業拡大に必要な資金を十分に賄えると考えています。
また、金融市場の混乱等、緊急に資金が必要となる場合に備え、金融機関と当座貸越契約を締結し、資金流動性を確保しております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたって、資産・負債や収益・費用の報告数値に影響を与える見積りを行わなければなりません。これらの見積りおよび判断・評価は、過去の実績等を勘案し合理的と考えられる要因等に基づき行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。
財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5「経理の状況」の1「財務諸表等」の注記事項「重要な会計上の見積り」に記載のとおりであります。
④経営上の目標の達成状況について
当社は売上高営業利益率を重要な経営指標として位置付けております。当事業年度における売上高営業利益率は13.4%(前年同期比2.8ポイント改善)であります。引き続きこの指標について、改善されるよう取り組んでまいります。
該当事項はありません。
当社の主要な設備は、以下のとおりであります。
なお、当社は空調システム機器の開発・製造・販売の単一セグメントであるため、セグメント情報に関連付けた記載は省略しております。
|
2023年3月31日現在 |
|
事業所名 (所在地) |
設備の内容 |
帳簿価額(千円) |
従業員数 (人) |
|||||
|
建物及び構築物 |
機械装置及び運搬具 |
土地 (面積㎡) |
リース資産 |
その他 |
合計 |
|||
|
八尾製作所 (大阪府八尾市) |
生産設備 |
695,896 |
148,749 |
889,398 (11,516) |
- |
860,905 |
2,594,950 |
89 (15) |
|
八尾製作所 高井田工場 (大阪府東大阪市) |
生産設備 |
757,775 |
209,127 |
1,328,933 (5,299) |
- |
485,406 |
2,781,242 |
13 (4) |
|
河芸製作所 (三重県津市) |
生産設備 |
489,269 |
396,938 |
634,877 (31,416) |
435 |
95,067 |
1,616,588 |
81 (24) |
|
本店 (大阪市中央区) |
その他設備 |
101,504 |
- |
315,591 (254) |
- |
1,987 |
419,084 |
8 (-) |
(注)1.帳簿価額のうち「その他」は工具、器具及び備品、ソフトウエア、施設利用権、建設仮勘定、ソフトウェア仮勘定の合計であります。
2.建物及び土地の一部を賃借しております。年間賃借料は314,309千円であります。
3.従業員数の( )は、臨時雇用者数を外書しております。
|
種類 |
発行可能株式総数(株) |
|
普通株式 |
14,400,000 |
|
計 |
14,400,000 |
|
種類 |
事業年度末現在発行数 (株) (2023年3月31日) |
提出日現在発行数 (株) (2023年6月26日) |
上場金融商品取引所名または登録認可金融商品取引業協会名 |
内容 |
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|
|
|
東京証券取引所 スタンダード市場 |
|
|
計 |
|
|
- |
- |
該当事項はありません。
該当事項はありません。
|
年月日 |
発行済株式総数増減数(株) |
発行済株式総数残高(株) |
資本金増減額 (千円) |
資本金残高 (千円) |
資本準備金増減額(千円) |
資本準備金残高(千円) |
|
2020年3月12日 (注) |
249,000 |
3,849,000 |
274,896 |
744,896 |
274,896 |
637,896 |
(注)有償一般募集(ブックビルディング方式による募集)
発行価格 2,400円
資本組入額 1,104円
|
|
|
|
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2023年3月31日現在 |
||
|
区分 |
株式の状況(1単元の株式数 |
単元未満株式の状況(株) |
|||||||
|
政府および地方公共団体 |
金融機関 |
金融商品取引業者 |
その他の法人 |
外国法人等 |
個人その他 |
計 |
|||
|
個人以外 |
個人 |
||||||||
|
株主数(人) |
|
|
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|
- |
|
所有株式数 (単元) |
|
|
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|
所有株式数の割合(%) |
|
|
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|
100 |
- |
(注)自己株式261,625株は、「個人その他」に2,616単元、「単元未満株式の状況」に25株含まれております。
|
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2023年3月31日現在 |
|
|
氏名又は名称 |
住所 |
所有株式数 (千株) |
発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合(%) |
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|
NOMURA PB NOMINEES LIMITED OMNIBUS-MARGIN(CASHPB) (常任代理人 野村證券株式会社) |
1 ANGEL LANE, LONDON, EC4R 3AB, UNITED KINGDOM (東京都中央区日本橋一丁目13-1) |
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|
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|
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計 |
- |
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(単位:千円) |
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前事業年度 (2022年3月31日) |
当事業年度 (2023年3月31日) |
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資産の部 |
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流動資産 |
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|
現金及び預金 |
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受取手形 |
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電子記録債権 |
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売掛金 |
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製品 |
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仕掛品 |
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原材料及び貯蔵品 |
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前渡金 |
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前払費用 |
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その他 |
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貸倒引当金 |
△ |
△ |
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流動資産合計 |
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固定資産 |
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有形固定資産 |
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建物(純額) |
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構築物(純額) |
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機械及び装置(純額) |
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車両運搬具(純額) |
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工具、器具及び備品(純額) |
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土地 |
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リース資産(純額) |
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建設仮勘定 |
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有形固定資産合計 |
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無形固定資産 |
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ソフトウエア |
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リース資産 |
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ソフトウエア仮勘定 |
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その他 |
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無形固定資産合計 |
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投資その他の資産 |
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投資有価証券 |
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長期前払費用 |
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繰延税金資産 |
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その他 |
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貸倒引当金 |
△ |
△ |
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投資その他の資産合計 |
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固定資産合計 |
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資産合計 |
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(単位:千円) |
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前事業年度 (2022年3月31日) |
当事業年度 (2023年3月31日) |
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負債の部 |
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流動負債 |
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電子記録債務 |
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買掛金 |
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短期借入金 |
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1年内返済予定の長期借入金 |
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リース債務 |
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未払金 |
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未払費用 |
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未払法人税等 |
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未払消費税等 |
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契約負債 |
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預り金 |
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賞与引当金 |
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役員賞与引当金 |
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製品保証引当金 |
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流動負債合計 |
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固定負債 |
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長期借入金 |
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リース債務 |
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資産除去債務 |
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退職給付引当金 |
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役員退職慰労引当金 |
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その他 |
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固定負債合計 |
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負債合計 |
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純資産の部 |
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株主資本 |
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資本金 |
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資本剰余金 |
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資本準備金 |
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その他資本剰余金 |
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資本剰余金合計 |
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利益剰余金 |
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利益準備金 |
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その他利益剰余金 |
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別途積立金 |
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繰越利益剰余金 |
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利益剰余金合計 |
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自己株式 |
△ |
△ |
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株主資本合計 |
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評価・換算差額等 |
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その他有価証券評価差額金 |
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評価・換算差額等合計 |
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純資産合計 |
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負債純資産合計 |
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(単位:千円) |
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前事業年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当事業年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
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売上高 |
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売上原価 |
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製品期首棚卸高 |
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当期製品製造原価 |
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合計 |
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製品期末棚卸高 |
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製品売上原価 |
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売上総利益 |
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販売費及び一般管理費 |
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営業利益 |
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営業外収益 |
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保険解約返戻金 |
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助成金収入 |
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作業くず売却益 |
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その他 |
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営業外収益合計 |
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営業外費用 |
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支払利息 |
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債権売却損 |
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その他 |
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営業外費用合計 |
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経常利益 |
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特別損失 |
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固定資産除却損 |
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減損損失 |
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特別損失合計 |
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税引前当期純利益 |
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法人税、住民税及び事業税 |
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法人税等調整額 |
△ |
△ |
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法人税等合計 |
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当期純利益 |
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