株式会社フォーラムエンジニアリング
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回次 |
第39期 |
第40期 |
第41期 |
第42期 |
第43期 |
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決算年月 |
2019年3月 |
2020年3月 |
2021年3月 |
2022年3月 |
2023年3月 |
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売上高 |
(百万円) |
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経常利益 |
(百万円) |
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当期純利益 |
(百万円) |
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持分法を適用した場合の投資利益 |
(百万円) |
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資本金 |
(百万円) |
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発行済株式総数 |
(株) |
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純資産額 |
(百万円) |
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総資産額 |
(百万円) |
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1株当たり純資産額 |
(円) |
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1株当たり配当額 |
(円) |
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(うち1株当たり中間配当額) |
( |
( |
( |
( |
( |
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1株当たり当期純利益 |
(円) |
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潜在株式調整後 1株当たり当期純利益 |
(円) |
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自己資本比率 |
(%) |
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自己資本利益率 |
(%) |
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株価収益率 |
(倍) |
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配当性向 |
(%) |
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営業活動によるキャッシュ・フロー |
(百万円) |
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投資活動によるキャッシュ・フロー |
(百万円) |
△ |
△ |
△ |
△ |
△ |
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財務活動によるキャッシュ・フロー |
(百万円) |
△ |
△ |
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△ |
△ |
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現金及び現金同等物の期末残高 |
(百万円) |
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従業員数 |
(人) |
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株主総利回り |
(%) |
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(比較指標:配当込みTOPIX) |
(%) |
( |
( |
( |
( |
( |
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最高株価 |
(円) |
- |
1,048 |
1,155 |
1,104 |
998 |
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最低株価 |
(円) |
- |
583 |
580 |
795 |
802 |
(注)1.当社は連結財務諸表を作成しておりませんので、連結会計年度に係る主要な経営指標等の推移については記載しておりません。
2.第39期から第42期までの持分法を適用した場合の投資利益については、子会社及び関連会社が存在していないため、記載しておりません。第43期の持分法を適用した場合の投資利益については、非連結子会社は存在しておりますが、利益基準及び利益剰余金基準からみて重要性が乏しいため、記載を省略しております。
3.第39期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式は存在するものの、当社株式は非上場であり、期中平均株価が把握できないため記載しておりません。
4.第39期の株価収益率については、当社株式は非上場であるため、記載しておりません。
5.従業員数は、就業人員であります。なお、臨時雇用者(嘱託社員、契約社員、登録型社員)は従業員総数の100分の10未満であるため、記載を省略しております。
6.2020年3月9日付をもって東京証券取引所市場第一部に株式を上場いたしましたので、第39期から第40期までの株主総利回り及び比較指標については記載しておりません。
7.最高株価及び最低株価は、2022年4月4日より東京証券取引所(プライム市場)におけるものであり、それ以前は東京証券取引所(市場第一部)におけるものであります。なお、2020年3月9日付をもって同取引所に株式を上場いたしましたので、それ以前の株価については記載しておりません。
8.当社は、2018年10月18日付で普通株式1株につき300株の割合で株式分割を行っております。第39期の期首に当該株式分割が行われたと仮定し、1株当たり純資産額及び1株当たり当期純利益を算定しております。
9.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第42期の期首から適用しており、第42期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
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1981年4月 |
エンジニア派遣事業を目的として東京都千代田区に株式会社フォーラムエンジニアリング設立 |
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1985年7月 |
横浜営業所(現、横浜フォーラム)を開設 |
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1987年2月 |
大阪支社(現、大阪フォーラム)を開設 |
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1987年10月 |
福岡営業所(現、福岡フォーラム)を開設 |
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1988年2月 |
仙台営業所(現、仙台フォーラム)を開設 |
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1988年11月 |
名古屋支社(現、名古屋フォーラム)を開設 |
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1989年11月 |
金沢事業所(金沢フォーラム)を開設 |
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1990年8月 |
宇都宮事業所(現、宇都宮フォーラム)を開設 |
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1991年1月 |
広島営業所(現、広島フォーラム)を開設 |
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1993年8月 |
本社を東京都港区(城山トラストタワー)に移転 本社内に東京営業所(現、東京フォーラム)を開設 |
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1995年8月 |
横浜地区の拠点として設立されたフォーラムエンジニアリング株式会社を吸収合併 |
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1995年10月 |
八王子事業所(現、八王子フォーラム)を開設 |
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1997年2月 |
諏訪事業所(現、松本フォーラム)を開設 |
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2001年4月 |
厚木営業所(現、厚木フォーラム)を開設 |
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2001年7月 |
神戸営業所(現、神戸フォーラム)を開設 |
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2003年1月 |
京都営業所(現、京都フォーラム)を開設 |
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2003年2月 |
さいたま営業所(現、さいたまフォーラム)を開設 |
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2007年12月 |
浜松事業所(現、浜松フォーラム)、千葉営業所(現、つくばフォーラム)を開設 |
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2009年7月 |
一般派遣事業を行うフォーラム・スタッフ株式会社を吸収合併 |
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2009年8月 |
青山のオフィスビル竣工により、オフィスビル賃貸事業を開始 |
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2010年7月 |
エンジニア専門の自社専用人材採用サイト「エンジニアピット」(現「コグナビ 派遣」)を開設 |
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2013年2月
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100%子会社として株式会社フォーラムビルディング及び株式会社フォーラムビルディングホールディングスを設立 |
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2013年3月 |
会社分割し、オフィスビル賃貸事業及び不動産事業を株式会社フォーラムビルディングに譲渡 オフィスビル賃貸事業再編のため、株式会社フォーラムビルディングの株式全てを、株式会社フォーラムビルディングホールディングスに譲渡 |
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2013年6月 |
千葉営業所をつくば市に移転し、つくばフォーラムとして営業開始 |
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2014年12月 |
資本関係の整理のため、資産管理会社であった株式会社フォーラムを吸収合併 |
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2015年3月 |
エンジニア派遣事業に専念するため、株式会社フォーラムビルディングホールディングスの株式全てを株式会社ラテール・エンタプライズ(現、株式会社ラテールホールディングス)へ譲渡 |
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2016年4月 |
AIを活用した人材マッチングプラットフォームのサービスを開始し、エンジニア派遣における効率化を推進 |
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2018年7月 |
AIを活用した人材マッチングプラットフォームを基軸として、エンジニアのスキルを可視化した人材紹介サイト「コグナビ」(現「コグナビ 転職」)のサービスを開始 |
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2019年2月 |
企業のスキルアップ研修を近隣大学で実施し、エンジニアのスキルアップを支援する「コグナビ カレッジ」のサービスを開始 |
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2019年7月 |
AIを活用した人材マッチングプラットフォームを基軸として理工系学生の学びから就職を支援する新卒紹介サイト「コグナビ 新卒」のサービスを開始 |
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2019年10月 |
社内のエンジニア人材配置最適化を支援する「コグナビ タレントマネジメント」のサービスを開始 |
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2020年3月 |
東京証券取引所市場第一部に株式を上場 |
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2020年4月 |
本社を東京都港区(オークラプレステージタワー)に移転 |
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2020年7月 |
AIを活用し、ITエンジニアのスキルを可視化した人材紹介サイト「コグナビ 転職IT」のサービスを開始 |
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2021年9月 |
金沢フォーラムを閉鎖し、名古屋フォーラムに集約 |
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2022年4月 |
東京証券取引所プライム市場に移行 |
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2022年10月 |
インド法人 Cognavi India Private Limited を設立 |
当社は、1981年4月に主として人材派遣サービスを行う企業として設立されました。
エンジニア派遣サービスは、現在、当社の主業であり、2023年3月期売上高の99.1%を占めております。このエンジニア派遣サービスにおいて、2023年3月31日時点で1,348事業所に正社員として雇用しているエンジニアを4,019名派遣しております。また、当社は、その他に理工系新卒学生の就職支援から転職、教育、社内人材配置まで、エンジニアの全てのキャリアシーンを支援することを目的とした5つの「コグナビ」サービスを提供してまいりましたが、2023年3月31日をもって社内人材配置最適化サービス「コグナビ タレントマネジメント」をより顧客ニーズに合わせたサービス内容に刷新するために終了し、4つの「コグナビ」サービスを提供していくこととなりました。なお、当社はエンジニア派遣・紹介事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
(1)エンジニア派遣
当社エンジニア派遣サービスの主なターゲットは、機械・電機系(以下、「機電系」という。)主要8業種(自動車、輸送用機械、産業用機械、精密機器、電気機器、家電、電子部品、情報通信)に属しており、従業員数が100名以上の約3,200事業所と、それらに属する部署になります。特定の企業や案件に偏ることなく、多くの取引先から受注を獲得出来ているため、取引基盤が広く安定しております。
当社は、これらの顧客企業に対し、設計・開発、実験・評価、生産技術、品質保証等の各職種にエンジニアを派遣しております。当社は、派遣エンジニアを原則正社員として雇用し、通勤可能範囲内の就業先を選定することで、安定した就業環境を提供しております。また、ITエンジニアも派遣エンジニアとして雇用しており、ソフトウエアの開発、IT機器や通信回線の監視等の業務に派遣しております。
当社のエンジニア派遣サービスの特長として、以下の3点があげられます。
①部署単位での顧客企業管理
当社の顧客企業は複数県にまたがって事業所を設置していることが多く、派遣契約に関する決裁権限も各事業所に付与されているケースが一般的です。この点を踏まえ、当社による顧客企業管理も企業単位ではなく事業所単位としております。さらに当社は、顧客企業の各事業所に属する部署まで把握してその業務内容や必要とされるスキルなどの理解に努めております。このような部署単位での業務内容・人材ニーズ把握努力が、後述のエンジニア人材の人工知能(以下、「AI」という。)によるスキルをベースにしたダイレクトマッチングシステム「cognavi」(以下、「コグナビ」という。)開発の基となっております。
②「コグナビ」によるスキルをベースにしたダイレクトマッチング
当社は、顧客企業各部署の業務に必要なスキルをツリー構造で表した「テクニカルツリー」と、エンジニアが保有するスキルや経験をツリー構造で整理した「スキルツリー」をエンジニア派遣におけるマッチングにも利用しております。
当社は、顧客からの求人案件に対し、業務に必要なスキルの「テクニカルツリー」と当社派遣エンジニア社員の「スキルツリー」をマッチングさせ、それを可視化することで、求人企業から見ても求職人材から見ても主観に頼らないダイレクトマッチングシステムを提供しております。
③独自のルートによる人材採用
当社は、求人・求職情報サイトに広告を掲載して応募者を募る一般的な手法に加え、下記5つの派遣エンジニア人材採用ルートを構築しております。採用にあたっては、地域性を重視し、応募者の書類選考から採用に至るまで全てのプロセスを各営業拠点で行っております。通勤可能範囲や地域特性を考慮し、地元での就業を希望するエンジニア人材の意向に沿った就業機会の場を数多く、迅速に提案できる体制を整えております。
a.居住エリア内の求人案件への応募促進
当社は、自社専用人材採用サイトである「コグナビ 派遣」(旧エンジニアピット、2019年9月改称)を運用しておりましたが、2023年3月31日をもってサイトを閉鎖し、「コグナビ 派遣」の登録会員に向けて、会員が居住するエリアの当社顧客の派遣求人案件情報をメール配信し、応募を促すサービスへと変更いたしました。
b.カムバック採用
当社で派遣エンジニアとして就業経験のある退職者に対して、当該人材が居住するエリアの派遣求人案件
情報を定期的にメールで配信することで再応募を促進しております。
c.社員紹介制度
当社社員から紹介された人材を派遣エンジニアとして採用する制度です。紹介者と求職者それぞれに報奨
金を支払うことで応募を促進しております。
d.過去の就業辞退者
当社の派遣求人案件に応募されたものの選考過程で辞退された人材に対して、当該人材が居住するエリアの派遣求人案件情報を定期的にメール配信することで再応募を促進しております。
e.理工系大学からの紹介
当社は、理工系学生が将来エンジニアを目指すきっかけづくりとして、全国の大学でエンジニア経験者による「エンジニア職セミナー」を無料で開催しております。この取組みは、理工系学部の教授からも高く評価され、2023年3月期には理工系学部を持つ大学の過半数で同セミナーを実施いたしました。
当社は、通常の新卒採用に加え、このようにエンジニア職セミナーを通して当社の取組みを評価していただいた教授等から当社を推薦いただき、理工系学生を当社エンジニアとして採用しております。
(2)エンジニア紹介及びその他
当社は、設立以来エンジニア派遣サービスを主業としてきましたが、以下の3点に配慮し、市場動向を先取りした新しいビジネスモデルを追求しております。
・当社の顧客企業・エンジニアについて、明確な選択と集中を行う。
・人材派遣ビジネスで一般的な「求人企業の需要」に対する営業活動ではなく、「求職人材」を起点とした営業活動を推進する。
・採用活動における労働集約的な業務のあり方からの脱却を目指して、業務プロセスの効率化を追求する情報通信テクノロジー(以下、「ICT」という。)を活用し、これらの特長を具現化したものが、エンジニアのスキルをベースにしたダイレクトマッチングシステム「コグナビ」です。
「コグナビ」の主な特長は以下のとおりです。
①エンジニアのスキルをツリーで体系化
「コグナビ」では、AIを活用し、エンジニアのスキル、顧客企業の各部署における業務内容の双方を、わかりやすく可視化して把握するために、「技術・ツール」「製品・部品」「職種・工程」「学問」の4分野から構成された技術要素に係る用語を、ツリー構造で体系的に整理しております。「製品・部品」を例にとると、「自動車関連」⇒「自動車」⇒「ボディ」⇒「内装部品」⇒「エアバッグシステム」のように、ツリーの階層が深くなるほど細分化されます。選択肢となる技術用語は、2023年3月末時点で約178,000語が登録されております。
②「スキルツリー」と「テクニカルツリー」
エンジニアが保有するスキルや経験を、ツリー構造で登録したものを「スキルツリー」と称しております。登録したスキルにはそれぞれ5段階の習熟度を設定することで、保有スキルの幅と深さを体系化、可視化しております。ツリーを構成する技術用語は、それぞれ「関係線」で結ばれております。ひとつの技術用語を選択すると、その関係線が関係する他の技術用語にも結び付きます。これにより、「このスキルを持っていれば、この製品も扱えるのでは?」といった、業界や職種の枠にとらわれない、それまで見えていなかった新たな可能性を見出すことが可能です。
一方、顧客企業における各部署の業務内容や必要とするスキルを、ツリー構造で登録したものを「テクニカルツリー」と称しております。「スキルツリー」同様、選択した技術用語に対し、それぞれ5段階の重要度を設定することで、必要とするスキルの幅と深さを体系化、可視化しております。なお、エンジニアが選択する「スキルツリー」と、顧客企業が選択する「テクニカルツリー」の項目は、同一のものとなっております。
③ツリーの技術用語を結ぶ「関係線」
ツリーの技術用語は分野ごとに繋がり、体系化されておりますが、各技術用語はそれぞれの分野を超えて技術的、学術的に関連し合っております。当社では、これらの関係性を線で繋ぐ「関係線」によって、エンジニアが気づかなかった職種や製品分野で活躍する可能性を提案できるようになりました。また、顧客企業においても、他業種で活躍したエンジニアの採用や、ジョブローテーションのための自社エンジニアの異動部署選定などに活用できる仕組みを提供しております。2023年3月末時点で、約150,000本の関係線が登録されております。
ツリーの技術用語間を結ぶ関係線イメージ図
④「マッチングスコア」と「マッチングツリー」
顧客企業における各部署の「テクニカルツリー」と、エンジニアや理工系学生の「スキルツリー」を重ね合わせてマッチングを行い、それを数値化した結果(「100」を完全マッチングとした場合の比率)を「マッチングスコア」と称しております。「マッチングスコア」のスコアは、エンジニアの持つスキルと顧客企業が求めるスキルが多くマッチするほど高くなります。
スキルのマッチングに際し、「スキルツリー」と「テクニカルツリー」を重ね合わせ、マッチングした箇所をハイライトしたものを「マッチングツリー」と称しております。「マッチングスコア」での判断に加え、「マッチングツリー」では具体的にどの技術要素がマッチしているかを視覚的に判りやすく把握できるため、顧客企業の各部署が重要視するスキルをエンジニアがどの程度保有しているかなど、より双方のニーズに合致した、客観的な意思決定を可能としております。
テクニカルツリー・スキルツリー・マッチングツリー(例)
⑤「マッチングマップ」
上記の「マッチングスコア」は、「マッチングマップ」と称する地図上に表示されます。顧客企業側の画面には事業所を中心として、通勤圏内に居住するエンジニアとの「マッチングスコア」が表示されます。通勤可能範囲内にどのようなスキルを保有するエンジニアがいるのかを地図上で確認できます。一方、エンジニア人材側の画面には自宅を中心として、通勤圏内にある顧客企業における各部署との「マッチングスコア」が表示されます。通勤可能範囲内にどのような企業の求人があるのかを同様に地図上で確認し、応募することが可能です。
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顧客企業側のマッチングマップ(例) |
エンジニア人材側のマッチングマップ(例) |
⑥ダイレクトマッチング支援機能
顧客企業の担当者は、上記の「マッチングマップ」上の転職・就職希望者を確認したうえで、着目したエンジニア人材に対して応募を促すためのオファーメールを送信することが可能です。また、エンジニアは、「マッチングマップ」上の興味のある企業に対して、採用を働きかけるアピールメールを送信することが可能です。
応募やオファーメール、アピールメール送信後における、エンジニアと顧客企業担当者とのやりとりは、「コグナビ」上にてチャット形式で行います。書類選考から面接の設定、面接結果の連絡まで、全て「コグナビ」上で完結させることが可能です。
当社は、上記の「コグナビ」の6つの特長を活かした人材サービスとHRマネジメントサービスを提供しております。「コグナビ」をベースとして、エンジニア人材市場における全ての人材流動パターンを捕捉するため、以下の5つの「コグナビ」サービスをラインアップしております。これにより、当社は全てのエンジニア採用ルートを備えたビジネスモデルを構築しております。
(人材サービス)
a.コグナビ 派遣(エンジニア派遣サービス)
b.コグナビ 転職(機電系エンジニア人材紹介サービス)・コグナビ 転職IT(ITエンジニア人材紹介サービス)
c.コグナビ 新卒(新卒理工系学生就職紹介サービス)
(HRマネジメントサービス)
d.コグナビ タレントマネジメント(企業内人材最適化配置サービス、2023年3月31日サービス終了)
e.コグナビ カレッジ(企業内エンジニア向け研修仲介サービス)
これら「コグナビ」各サービスの概要は以下のとおりです。
a.コグナビ 派遣
上記(1)に記載のとおりです。
b.コグナビ 転職・コグナビ 転職IT
顧客企業と機電系エンジニアの転職希望者を「コグナビ」の根幹となるツリーと「マッチングマップ」によって結びつける人材紹介サービス「コグナビ 転職」を2018年7月に立ち上げました。このサイトは「エンジニアの転職はAIの時代へ。」をコンセプトとし、「コグナビ」の仕組みを活用して求人企業と求職人材をダイレクトマッチングする機能を有しております。
ターゲットとなる顧客企業と機電系エンジニアは「コグナビ 派遣」と共通であり、2023年3月末時点で、20,739名の登録会員を有し、1,592事業所の顧客にサービスを提供しております。
また、2020年7月から、ITエンジニアに特化した人材紹介サービス「コグナビ 転職IT」を立ち上げましたが、2023年6月30日をもちまして、機電系エンジニア人材紹介サービス「コグナビ 転職」に統合することとし、単独でのサービスを終了する予定です。
c.コグナビ 新卒
「コグナビ 転職」における、ツリーと「マッチングマップ」を核としたマッチングの仕組みを、顧客企業と新卒理工系大学・大学院学生の就職希望者とのマッチングに応用する理工系学生専門の就職支援サービス「コグナビ 新卒」を2019年7月に立ち上げました。このサービスは「好きな科目が仕事につながる」をコンセプトとし、「学生が自分にどんな仕事が合っているかよくわからないため、知名度のある企業に応募が集中してしまう」という従来型就職活動の課題を解決し、自分の学んだ科目を生かして就職先企業を見つけることができるサービスです。求人企業にとっても、大学名や成績で判断するのではなく、各部署に応じた業務に必要な知識を備えた学生の採用につながるものと考えております。
基本的な仕組みは「コグナビ 転職」と同じですが、「コグナビ 転職」における「スキルツリー」の代わりに、就職を希望する学生が大学で学んできた「履修科目」と「実験実習」に関する「履修ツリー」を作成して利用します。また、「コグナビ 転職」における5段階のスキル「習熟度」の代わりに3段階の実験実習「習得度」を設定し、さらに好きな履修科目に対して「好きな科目」マークを付すことができる仕組みになっております。
また、「コグナビ 新卒」は、文系・理工系双方の学生を対象としている既存の総合型求人・求職情報サイトと異なり、理工系学生が就職後の環境がイメージしやすい独自コンテンツを掲載しております。企業単位ではなく事業所単位でコンテンツを準備し、それぞれの事業所でどのような製品を扱い、どのような部門があるのかを紹介しております。また、実際のオフィスや実験設備、就業している若手エンジニアへのインタビュー等を、写真や動画、360度パノラマ動画にて掲載しております。
これらの企業紹介コンテンツは、当該企業が「コグナビ 新卒」の管理画面上で作成及び更新できるようになっております。この機能により、掲載企業は常に最新の情報を維持することができ、当社は掲載コンテンツの作成及び更新に関する工数負担を削減することが可能と考えております。なお更新にあたっては、当社管理担当者による内容確認を経て公開される流れとなっております。
なお、「コグナビ 新卒」のターゲットとなる顧客企業は、「コグナビ 派遣」のターゲットとほぼ同様となります。
d.コグナビ タレントマネジメント
「コグナビ タレントマネジメント」は、「コグナビ」の根幹となるツリーを核としたマッチングの仕組みを応用し、「テクニカルツリー」による部署ごとの業務に必要なスキル情報と、「スキルツリー」による在籍エンジニアの保有スキル情報を登録することで、顧客企業における在籍エンジニアの流動化を促進するような人材配置システムを実現できないかという発想から、2019年10月よりサービスを開始しておりましたが、2023年3月31日をもちましてサービスを終了いたしました。今後は、顧客企業のニーズを再検討し、サービスを刷新することを考えております。
e.コグナビ カレッジ
顧客企業内の各部署における不足したスキルをカバーするためには、人材を社内もしくは社外からの補充、又は在籍エンジニアへの教育が必要となります。教育の受け皿として、機電系製造業の自社エンジニア向けリスキリング研修を近隣の大学で実施するために両者の仲介を行うサービスを「コグナビ カレッジ」という名称で2019年2月より提供しております。
これまで企業の研修は、外部研修業者の施設で実施するか、企業内でのOJT、Off-JTという形が殆どでしたが、より専門的な知識の習得や、技術革新に伴う企業の業態変換等に対応するにあたっては、選択肢の少なさや講師の不在が課題となっていました。また採用環境が厳しい中、設計部門に理工系以外の学生を採用してから育成するといったニーズも発生しております。
一方、大学にとっては少子化に伴って学生の確保が年々困難となる中、施設や教授の稼働率向上、競合となる近隣大学との差別化、近隣企業との関係強化による就職率の向上等、様々な課題を抱えております。
専門知識を持った大学教授と充実した大学の設備を活用し、企業のニーズに沿った研修を当社がカスタマイズして提供することで、双方の課題を解決すると共に、企業と大学とのコミュニケーションが強化されることで、将来の新卒採用や共同研究の可能性を広げ、地域活性化にも貢献し得るサービスです。
2023年3月末時点で、11大学と基本契約を締結し、62社との講義実績があります。
以上のほか、当社から派遣されているエンジニアを顧客が直接雇用したい場合に、本人の希望を確認のうえ、一定の手数料を受け取り、雇用関係を変更する場合があり、これを「転籍」としております。
以上で述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりです。
[事業系統図]
該当事項はありません。
(1)提出会社の状況
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2023年3月31日現在 |
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従業員数(人) |
平均年齢(歳) |
平均勤続年数(年) |
平均年間給与(百万円) |
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当社は、エンジニア派遣・紹介事業の単一セグメントですが、技術社員と管理部門等のスタッフ社員に区分して記載しております。
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名称 |
従業員数(人) |
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技術社員 |
4,019 |
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スタッフ社員 |
358 |
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合計 |
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(注)1.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者(嘱託社員、契約社員)は従業員総数の100分の10未満であるため、記載を省略しております。
2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
3.技術社員とは当社の顧客企業の事業所に勤務する従業員であり、スタッフ社員とは当社事業所に勤務する従業員であります。
4.従業員数は前事業年度に比べ234名増加いたしました。これは主に技術社員の経験者採用数が増加したことによるものです。
(2)労働組合の状況
当社において労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。
(3)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
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当事業年度 |
補足説明 |
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管理職に占める女性労働者の割合(%) (注)1. |
男性労働者の育児休業取得率(%) (注)2. |
労働者の男女の賃金の差異(%) (注)1. |
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全労働者 |
うち正規雇用労働者 |
うち有期雇用労働者 |
|||
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5.6 |
86.7 |
87.2 |
88.1 |
62.5 |
- |
(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規
定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成
3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものです。
(1)経営方針
日本国内のエンジニア人材市場は、高齢化と人口減少を背景とした構造的な人材不足に直面しております。一方で、2020年に施行された改正労働者派遣法、所謂「同一労働同一賃金」や、新型コロナウイルス感染症拡大による景況感の悪化により、中小派遣事業者の淘汰の可能性が増すなど、国内エンジニア人材関連サービス業界は転換期を迎えているというのが当社の基本的な環境認識です。
このような認識のもと、当社は「エンジニア人材の流動性の向上」が求職人材と求人企業双方のニーズを満たす鍵となると考え、当社のミッション「スキルがつながる世界へ。」のもと、当社のビジョンとして「機電系エンジニア領域の総合化」と「テクノロジーによるマッチングの効率化」の2つを掲げております。
(2)経営戦略等
当社は、上述のミッション及びビジョンの実現を目指して、長期的な視点に立ってICTへの先行投資を行ってまいりました。その成果がAIを活用した独自のスキルマッチング機能を有するプラットフォーム「コグナビ」であり、2020年3月期にエンジニア人材の全ての流動局面を捕捉できる5つの「コグナビ」サービスが出揃いました(第一部 企業情報 第1 企業の概況 3 事業の内容 ご参照)。今後当社は、顧客企業に対してこれらの「コグナビ」サービスを提供することを通じて、エンジニア人材不足に悩む顧客企業のニーズを充足し、当社収益基盤を拡充する方針です。
従来当社は高い収益性と安定した需要の存在の双方を兼ね備えた機電系エンジニア人材サービスに加えて、機電系エンジニアと同様に樹形図によってスキルを可視化できるITエンジニア人材セグメントの開拓も進めてまいりましたが、今後は、収益成長を向上させるため、収益性の高いエンジニア派遣サービス及び理工系学生の就職支援サービス等、当社の専門である機電系エンジニア人材サービスに経営資源を集中してまいります。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、収益性を判断する指標として売上高や売上総利益・営業利益及びそれぞれが売上高に占める比率を重視しております。
また、当社の売上高と売上総利益の大半を占めるエンジニア派遣サービスの売上高に大きく影響する稼働人数を、収益目標の達成度を判断する指標として重視しております。
(4)経営環境
当社が特化する機電系エンジニアの需要は、新型コロナウイルス感染症拡大による行動制限が緩和され、景気は持ち直しの動きを見せており、顧客企業の機電系エンジニア人材採用意欲は堅調に推移しております。
また、わが国の15~64才までの労働力人口約6,000万人(出典:総務省統計局 2023年3月 労働力調査)の中で、機電系エンジニアは概ね64万人(出典:2020年国勢調査、当社が元データの「電気・電子・電気通信技術者(通信ネットワーク技術者を除く)、機械技術者、輸送機器技術者」合計人数から65歳以上の人数を除いて算出)であり、機電系エンジニアが労働力人口に占める割合は低い状況にあります。
さらに、少子化に伴う就労人口の減少や学生の理系離れなどを背景として、機電系エンジニアは正社員、非正規社員共に構造的な不足状態が続いております。
一方、世界的にカーボンニュートラルをはじめとした新たな技術的課題への対応が求められる中、当社はエンジニアに対するニーズが今後も拡大するものと見込んでおります。
このような環境のもと、近年機電系エンジニアの派遣単価は継続的な上昇傾向が続きました。2020年4月の所謂「同一労働同一賃金」の導入もその傾向を後押ししております。
また、一連の労働者派遣法の改正に伴い、人材派遣業界では中小派遣事業者の淘汰の可能性が増す一方で、近年のHRテック企業の台頭により、人材紹介サービスを取り巻く環境に変化が表れる可能性がございます。
当社は、国内エンジニア派遣業界大手の一角を占めておりますが、このような経営環境の動きを的確に捉えて事業機会を見出し、当社ミッションの達成と持続的成長の実現を図ってまいります。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
上述の経営方針、経営戦略等、経営環境を踏まえ、今後当社は主に以下の課題に対処いたします。
①エンジニア人材の確保
日本国内のエンジニア人材市場は社会の高齢化と人口減少を背景とした構造的な人材不足に直面していることから、今後もエンジニア人材の確保が難しい状況が継続するものと予想されます。従いまして、エンジニア人材を確保することは当社の重要な経営課題であると考えております。
このような環境下、当社はAIを活用したスキルマッチング機能を駆使することで機電系エンジニア人材のあらゆる流動局面を捕捉し得る「コグナビ」各サービスを有しております。今後当社が持続的に成長するためには、主業のエンジニア派遣サービス「コグナビ派遣」において、派遣エンジニア社員の採用に注力すると共に、エンジニア紹介サービスである「コグナビ新卒」、「コグナビ転職」の求人側利用者、求職側利用者の両方を増やし、AIマッチングを行うことで、エンジニア人材のあらゆる流動局面を捕捉し続けることが最重要課題であると考えます。
②テクノロジーとビジネスモデルによる競合優位性の確立
所謂「同一労働同一賃金」の実現を目的とした2020年4月の労働者派遣法改正や近年のHRテック企業の台頭等を背景として人材紹介サービスを取り巻く環境に変化が表れております。その一方で、様々なHRテックが登場しているものの、大きな変化を起こして市場を制覇する革新的なテクノロジーやビジネスモデルが業界内に見当たらないことも事実です。
AIを活用した独自のテクノロジーにより、スキルマッチング機能を駆使することで学生から経験者、正社員から派遣社員まで、全ての機電系エンジニア人材の流動局面を捕捉し得る当社のビジネスモデルは、業界内を見渡しても類例を見ない革新的なものになっております。当社は、この独自のスキルマッチング機能を特長、強みとした営業活動を展開し、ターゲット顧客である大手機電系製造業との取引拡大を目指してまいります。このように、「コグナビ」テクノロジー及び「コグナビ」ビジネスモデルは当社の差異化の源泉であり、これらを活用したテクノロジーとビジネスモデルで競争優位性を確立することは当社の重要な経営課題であると考えております。
③財務体質の強化と流動性資金の確保
当社は中長期的な収益の柱の一つとして、インドに子会社を設立し、システム開発・運営を支援しております。
今後も健全な財務体質を維持し、取引金融機関からの高い信用力のもと、流動性資金を適宜確保することが当社の重要な経営課題であると考えております。
④リスク管理の強化
当社はリスクを事前に回避すること及び万一リスクが顕在化した場合の被害最小化を図ることが重要であると考えております。
事業を進める上での様々なリスクの特定、リスク低減に向けた適切な対策の構築を目的に、リスクマネジメントの基本方針及び推進体制に関する基本的事項を定めたリスクマネジメント規程を定めております。
事業活動及びその他付随するリスク要因のうち、特に発生の可能性が高いと想定されたリスクについては、コンプライアンス委員会においてモニタリングを行うと共に、リスクとなる事象が発生した際には、総務担当部門、内部監査担当部門等の関係部門が連携・協議し、再発防止策等の対応を行います。
自然災害、新興感染症、サイバー攻撃等、経営資源に損害を与え、業務の停止・機能低下をもたらしかねない事象や緊急事態に迅速かつ一貫して対応するために、対策本部等の組織を設置し、危機管理体制の確立に努めております。
具体的な施策として、自然災害等不測の事態に備えたBCP(事業継続計画)の策定や情報セキュリティ基本規程等を定めると共に、社内教育や訓練の実施、備えるべきリスク項目の見直しやその対応策を検討する等、リスク管理を継続的に強化していくことは当社の重要な経営課題であると考えております。
⑤海外事業への取組み
当社は、今後飛躍的な経済成長が見込まれるインドにおいて、企業と学生をAIマッチングでつなぐジョブポー
タルサイトの開発・運営を行うCognavi India Private Limitedを主体に事業を展開してまいります。まずは、
インド学生のためのジョブポータルサイトをインドで開発し、インドの企業と学生をつなぐシステムをインド市
場において運営することが重要であると考えております。
(6)対処すべき課題に対する具体的な取組状況等
①エンジニア人材の確保のための取組み
当社のエンジニア派遣サービスにおいては、上述のとおり、顧客となる大手製造業からの需要が存在するものの、エンジニアの確保が難しい市場構造ができております。
このような環境下において、当社は、AIを活用した独自のスキルマッチング機能を有するプラットフォーム「コグナビ」システムを基盤として、全ての機電系エンジニア人材の流動局面を捕捉し得るサービスラインアップを2021年3月期までに整備し、理工系新卒学生の就職支援から転職、人材派遣、教育まで、エンジニアの全てのキャリアシーンを支援することが可能となりました。
今後当社がエンジニアを持続的に確保するためには、社員紹介制度やカムバック制度等の採用施策実施による派遣エンジニアの採用強化や、当社の元エンジニア社員が理工系学生にエンジニア職の魅力や、大学での学びがどのような職種・業種につながるかを伝える「エンジニア職セミナー」を通して、理工系学生就職支援サービス「コグナビ 新卒」の利用につなげること等を行ってまいります。
②テクノロジーとビジネスモデルによる競合優位性の確立のための取組み
当社は、これまで製造業のうち収益性の高い「主要8業種(自動車、輸送用機械、産業用機械、精密機器、電気機器、家電、電子部品、情報通信)」に集中し、同時にICTの活用による営業活動の効率化に取り組むことで、エンジニア派遣他社よりも高い売上高総利益率を実現してまいりました。
さらに当社は、独自のAIを活用した独自のスキルマッチング機能を有する「コグナビ」を構築し、この「コグナビ」テクノロジーを基盤として全ての機電系エンジニア人材の流動局面を捕捉し得るサービスラインアップを2021年3月期までに整備いたしました。「コグナビ」テクノロジーを基盤として全ての機電系エンジニア人材の流動局面を捕捉するという当社のビジネスモデルは、あまり類例を見ない革新的なものであり、国内エンジニア派遣企業他社のそれと明確に異なっております。従って、「コグナビ」テクノロジー及び「コグナビ」ビジネスモデルは当社の差異化・競合優位性の源泉であり、当社が求人企業・求職人材双方に対して独自の付加価値を提供する基盤となります。
今後当社は、「コグナビ」各サービスを本格展開することを通じて、競合優位性を顕在化させていく方針です。
③財務体質の強化と流動性資金の確保への取組み
当社は、取引金融機関とシンジケートローン方式のコミットメントライン契約及び当座貸越契約を締結しており、高い信用力のもと、適時に流動性資金を確保できる状況を整備しております。
④リスク管理の強化への取組み
当社は、これまでもリスクを事前に回避すること及び万一リスクが顕在化した場合の被害最小化を図ることに取り組んでまいりましたが、外部機関を利用したリスクの洗い出しを実施し、定期的な社内教育の実施や、BCPに基づいた訓練や情報セキュリティに関する社内教育を継続的に実施するなど、リスク管理の体制を強化してまいります。
⑤海外事業への取組み
当社は、今後飛躍的な成長が見込まれるインドにおいて、企業と学生をAIマッチングでつなぐジョブポータルサイトの自社開発・運営を行うCognavi India Private Limitedを主体に事業を展開してまいりますが、この事業をさらに加速させるために、現地人材の確保は急務と考え、採用と育成に努めてまいります。
当社の事業活動及びその他に係るリスク要因について、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には例えば以下のようなものが挙げられます。但し、これらは当社の事業活動全てのリスクを網羅したものではなく、従って当社業績に影響を与え得るリスク要因はこれらに限定されるものではありません。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものです。
(1)人材採用
エンジニア派遣サービスが売上高の大半を占めている当社にとって、十分な数のエンジニアを採用しこれを維持することは業容拡大の必須事項であります。当社は、機電系エンジニア人材市場全体を網羅し、AIを活用したマッチング機能を有する「コグナビ」により、派遣社員・正社員・理工系学生と、全ての求職者との直接的な接点を持つサービスを展開しており、今後もエンジニアの確保を目指す企業の役に立ちたいと考えております。
しかしながら、日本社会全体の人口減少による国内におけるエンジニア数の減少、派遣労働者としての就職を希望するエンジニアの減少、メーカーによるエンジニアの直接雇用の拡大や、同業者による採用競争の激化、エンジニア業界における当社のレピュテーションの低下等によりエンジニアの確保が困難となった場合や、エンジニアの採用競争の激化に伴うエンジニア人材の給与上昇等に対し、これに応じた派遣料金を設定できない場合などにおいて、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がございます。
さらに、日本国内における人口減少等に伴い、エンジニア人材市場の規模は今後縮小することが考えられるため、それを克服する施策が不十分である場合には、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がございます。
当社は、十分な数のエンジニアを採用し、在籍エンジニア数を維持・拡大することが重要であると認識しており、独自のAIを活用したエンジニアのスキルをベースにしたダイレクトマッチングシステム「コグナビ」によるエンジニア確保のためのインフラになるよう努めていく方針です。
(2)マクロ経済動向
大規模な自然災害等の事象、感染症の拡大、金融危機、国家間での貿易摩擦、地政学的リスクの顕在化などを契機として経済活動が長期間にわたって低迷し国内外の景気が悪化した場合、特に当社の主要顧客企業である機電系8業種の製造業の業績や景況感に悪影響を与える事象が発生した場合には、顧客企業における経費の削減や人事方針の転換、採用需要の減少等により、エンジニア派遣サービスにおける派遣エンジニア数の減少及び稼働率の低下、稼働時間の減少、契約条件の悪化、エンジニア紹介サービスにおける成約数の低迷や利用企業数の減少等が起こる可能性がございます。また、当社のエンジニア派遣に係る契約期間は多くの場合3ヶ月であるため、景気が急激に悪化した場合には比較的短期間のうちに多数の契約が終了する可能性がございます。これらの状況が起こった場合には、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がございます。
当社は、「コグナビ」のスキルマッチングの仕組みを活用し、顧客企業のニーズに即したエンジニアを抽出し、また、求職人材のニーズに即した就業先企業を抽出しております。当社は「コグナビ」のスキルマッチングを駆使することにより、厳しい外部環境の下でもその影響を最小限に留め、業績回復に努めてまいります。
(3)当社事業に関する許認可及び法的規制等
当社は、労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(労働者派遣法)、職業安定法に基づき、下記のとおり厚生労働大臣より労働者派遣事業、有料職業紹介事業の許可を取得しております。
|
許可事業 |
届出官庁 |
事業許可番号 |
許可年月日 |
有効期限 |
|
労働者派遣事業 |
厚生労働省 |
派13-304405 |
2009年7月1日 |
2027年6月30日 |
|
有料職業紹介事業 |
厚生労働省 |
13-ユ-304168 |
2009年7月1日 |
2027年6月30日 |
当社は、取得した事業許可に従い、エンジニア派遣及び有料職業紹介を行っておりますが、禁止業務への派遣や当局による是正指導に従わない等、関係諸法令に違反した場合には、事業の許可取消、事業停止等の処分を受け、又は違反の事実が公表されるなどのリスクがありますが、現時点でそのような問題はございません。当社では、社内規程の整備、運用の徹底により法令遵守の体制を構築しておりますが、関連諸法令に抵触する行為が発生した場合には、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がございます。
また、労働者派遣法をはじめとする関係諸法令は、経済環境、社会情勢の変化に伴い、その内容の見直しが行われており、当社事業に著しく不利な改正が実施された場合には、当該改正に対応するための追加的な支出が必要となり、また、顧客企業の派遣エンジニアに対する需要自体が減少する可能性もあり、これらの場合、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がございます。
労働者派遣法の改正により、2020年4月から、正規労働者と非正規労働者の待遇格差を是正するための所謂「同一労働同一賃金」が導入されました。「同一労働同一賃金」に係る規制を遵守するために、派遣元事業主において労働者の過半数代表者又は労働者の過半数により組織された労働組合との間で、派遣労働者の待遇に関し法令の要件を満たす労使協定を締結することが認められておりますが、当該労使協定においては、派遣エンジニアに支払う給与の金額が「同種の業務に従事する一般の労働者の平均的な賃金の額」と同等以上となることを定める必要があります。これにより、平均的な賃金の額が上昇した場合には、当社が支払う給与の金額がその分増加することになり、この増加に応じた派遣料金の改定を実施できない場合や派遣料金の改定により顧客企業の派遣エンジニアに対する需要自体が減少した場合には、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がございます。
当社は、社内規程の整備と適切な運用に努め、関連諸法令を遵守する体制を構築しております。今後も関連諸法令の改正動向を注視しながら、事業許可の維持と関連諸法令の遵守に注力する方針です。また「同一労働同一賃金」の導入に伴う派遣料金改定が完了していない顧客企業との交渉を継続し、適切な単価改定の実現に取り組む方針です。
(4)競争環境
当社が属するエンジニア派遣・紹介市場は、激しい競争にさらされており、その競争は近年激化しております。
エンジニア派遣サービスにおける競合企業は、規模、派遣料金、資金力、営業力、マーケティング力、ブランド力、顧客基盤、エンジニアへのアクセス及び技術力等の点において当社より優れている場合がございます。また、当社は、エンジニア紹介サービスにおいて、オンラインで求人情報を提供する企業とも競合しております。これらの競合企業が「コグナビ」と類似のマッチング機能を使用したサービスを導入する可能性もございます。さらに、労働者派遣法の改正による「同一労働同一賃金」の導入に伴う派遣エンジニアの人件費増加や市場成長の鈍化を背景として今後エンジニア派遣・紹介業界において寡占化や再編が起こる可能性がございます。
当社が競合企業やその他の競合するサービスに対する競争力を維持することができなかった場合、あるいはエンジニア派遣・紹介業界における寡占化や再編の動きに対応できなかった場合には、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がございます。
当社は「コグナビ」の技術的優位性の維持・向上、サービス認知度向上などによる人材獲得の強化、顧客企業のサービス利用度向上などによって競争力の維持・向上に努める方針です。また、業界動向を注視し、寡占化や再編の動きを当社にとって有利な形で活用するよう努めてまいります。
(5)技術革新
当社はAIを始めとする様々なICTを活用して事業を展開しておりますが、ICTに関する技術革新のスピードは極めて速く、また当社が属するエンジニア派遣・紹介市場における顧客ニーズも技術革新と連動しつつ様々に変化しております。
今後、技術革新や顧客ニーズの変化が世間一般の想定を超えたスピードと範囲で進んでいく可能性が考えられます。こういった動きに対する当社の対応が遅れた場合は、当社の技術的優位性が低下したり、あるいはその対応に多額の投資・費用が必要となったりする可能性がございます。これらの状況が起こった場合には、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がございます。
当社のスキルをベースにしたダイレクトマッチングシステム「コグナビ」は、ツリーによるスキルの構造的・体系的記述方式、AIに蓄積されている技術用語(約178,000語)、AIによる自然言語処理(文献の自動読み込み、技術用語の自動抽出、技術用語を相互に関連付ける「関係線」の自動設定など)、「スキルツリー」「テクニカルツリー」に基づくマッチングアルゴリズム、「マッチングスコア」の算出など、様々な付加価値の源泉の多重構造をその基盤としており、他社には容易に模倣されない知的財産であると自負しております。
(6)新規事業の成否
当社は、従来からの主業であり、現在の当社の売上高の大半を占めるエンジニア派遣サービス「コグナビ 派遣」に加えて、スキルをベースにしたダイレクトマッチングシステムを駆使した下記4つのサービスを提供しております。(詳細につきましては前記「第1 企業の概況 3 事業の内容」の記載をご参照ください。)
●コグナビ 転職(機電系エンジニア人材紹介サービス、2018年7月開始、ITエンジニア人材紹介サービス「コグナビ 転職IT」は2020年7月開始、2023年6月30日終了予定)
●コグナビ 新卒(理工系新卒学生向け就職紹介サービス、2019年7月開始)
●コグナビ タレントマネジメント(企業内エンジニア配置最適化サービス、2019年10月開始、2023年3月31
日終了)
●コグナビ カレッジ(企業内エンジニア向け研修仲介サービス、2019年2月開始)
しかしながら、これらのサービスで予定どおりの機能が実現できないなどにより計画どおりサービスを提供できない状況となった場合や、新規サービスの知名度を高めることを目的とした広告等がエンジニアや顧客の十分な獲得につながらなかった場合、サービスの開始に遅延又は障害が生じた場合などには、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がございます。
また、サービスに係る各分野における当社の経験不足や競合企業の存在、当社及び「コグナビ」の知名度や評判の低迷、その他、本「事業等のリスク」に記載のリスク要因の顕在化等により、サービスが計画どおりに普及しない場合などには、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がございます。
当社は、今後も全ての機電系エンジニアのキャリアシーンをサポートするために、「コグナビ」サービスを強化してまいります。
(7)エンジニア正社員雇用・労務
当社は2023年3月31日現在で4,019名の技術社員を正社員として雇用しております。
技術社員の解雇は法令上容易でなく、また、顧客企業に派遣されていない技術社員についても法令上一定割合の給与を支払う必要があります。そのため、エンジニア需要の減少、紛争、法規制の変化、経済危機などの急激な社会情勢の変化、他社との競合激化等によってエンジニアの派遣者数の減少、エンジニア派遣に係る契約期間の短縮、稼働率・稼働時間・稼働日数の低下などが発生した場合には、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がございます。
また、給与や就業時間をはじめとした雇用条件等に関して、当社技術社員やその他従業員との間で係争が発生する可能性がございます。このような場合、当社の社会的信用が失われ、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がございます。
当社は、「コグナビ」のスキルをベースにしたダイレクトマッチングシステムを活用して、求人企業のニーズに即したエンジニアと求職者のニーズに即した就業先企業をそれぞれマッチングすることで、常に当社技術社員の稼働率を最大化しながら最適な雇用条件を設定するように努めております。さらに、当社は、社員の労働環境に配慮した労務管理を実施しており、eラーニングを活用して各自の経験や技術に応じた教育研修を実施し、技術社員のスキルアップに努めております。
(8)コンプライアンス
当社が派遣する技術社員は一般的に顧客企業事業所内で業務に従事しておりますが、彼らが各種法規制や、顧客企業の規程、当社の規程等に違反して業務遂行の過程で取得した機密情報を漏洩するなどした場合、顧客企業との間に紛争等が発生する可能性がございます。
さらに、これらの紛争等が訴訟に発展すると、その推移によっては損害賠償義務が発生したり、社会的信用が失われたりする可能性があり、そのような場合には当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がございます。
また、コンプライアンスに反する行為が当社役職員により行われた場合、直接的な損害への賠償に加え、当社の社会的評価の悪化等によって顧客企業との取引が停止になったりエンジニアの採用が困難になったりするなどして、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がございます。
当社は、コンプライアンス規程を定め、社員に対して定期的に研修を行って、コンプライアンスの徹底を図っております。また、当社は、顧客企業に対しても、契約に基づく労働時間の管理や必要な手続きの徹底を要請し、法令遵守を働きかけております。
(9)情報の管理及びセキュリティ
①顧客情報の管理
当社は、技術社員である多数のエンジニアを顧客企業に派遣しております。当社が派遣したエンジニアは、当社の事業に係る情報のほか、顧客企業の機密情報に触れる機会が多く存在し、また、顧客企業の組織に関する情報も取り扱っております。特に開発部門等は機密性の高い業務に従事することが多く、就業規則やマニュアル等で機密情報の管理を周知徹底しておりますが、これらの情報について漏洩が発生した場合には、顧客企業からの信用を損なうリスクや法的責任を負う重大なリスクが発生することを認識しております。
②個人情報の管理
当社は、エンジニア派遣・紹介事業を主たる事業としており、エンジニア及び理工系学生を始めとした多くの個人情報を取り扱っております。これらの情報(当社の機密情報、個人情報等)を適正に管理・保管し、利用することが、特に重要であると考えております。
また、当社はプライバシーマークを取得し、個人情報の管理に関しては常に細心の注意を払っております。
これらの施策にも関わらず、顧客企業の機密情報や個人情報の外部流出が発生した場合やそれらの情報を違法又は不適切に管理又は利用したものとみなされた場合には、当社の社会的信用が失われるほか、損害賠償請求等により当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がございます。また、当社の情報システムにおけるデータ損失や漏洩により、当社の業務運営に支障が生じる可能性がございます。
さらに、将来的に機密情報や個人情報の取扱いに係る規制又はその運用が厳格化された場合、当社の提供するサービスの質や利便性の低下等をもたらし、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がございます。
当社は、当社が派遣したエンジニアが機密情報に触れる機会が存在し得る業務に関与することが多いことを踏まえて、就業規則やマニュアル等で情報管理の重要性の周知徹底に努めております。また、当社はプライバシーマークを取得し、個人情報の管理に関して常に細心の注意を払うように努めております。加えて、監視ソフトウェアを導入して情報漏洩の抑制にも取り組んでおります。
(10)ICTシステム障害
当社は、「コグナビ」の各サービスでICTを駆使したビジネスモデルを構築し、効率的に事業を推進しております。従って、情報システムの停止、ネットワークのトラブルや大規模な自然災害等によるシステム障害が発生した場合、それらの復旧作業による直接・間接コストの発生や業務の停滞、当社の社会的信用の低下や法的責任が生じる可能性がございます。当社は、システム障害リスクを検討し、障害を未然に防ぐ体制を整備しております。
しかしながら、当社の想定を超えた事態により、システム障害が発生した場合には、事業活動が停滞し、又は情報システムの整備に係る費用が増加することにより、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がございます。
また、当社は、「コグナビ」によるマッチング機能の開発及び管理の一部について、第三者が提供するシステムやソフトウェアを利用しております。そのほか、当社は、当社のサービスに関するデータの保存について、第三者が提供するクラウド等のサービスに依存しております。
従って、ネットワークのトラブルや自然災害等による情報システムの障害・停止などが発生した場合、それらの復旧・整備作業に伴う直接・間接コストの発生、当社業務の遅延・停滞、当社の社会的信用の低下、これらに関する法的責任などが生じる可能性がございます。また、当社が当該第三者のサービスを利用できなくなった場合には、当社のサービスの運営が困難となり、他の代替サービスを利用するための費用が生じるため、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がございます。
さらに、当社の情報システムにおいてデータの損失や漏洩が発生した場合、当社の業務運営に支障が生じる可能性や当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がございます。
当社は、これらのシステム障害リスクを検討し、障害の未然防止と損害の最小化に取り組む体制を整備しております。例えば、社内システムで保存しているデータについては、一定の頻度でバックアップ保存を行っております。また、第三者サービスの利用にあたっては当該サービス及び提供事業者の評価を行い、セキュリティの確保に努めております。
(11)知的財産権
当社は、「コグナビ」の基盤となっている技術等に関連した複数の特許を既に出願しておりますが、また今後も必要に応じて知的財産権の出願・登録などを行っていく方針です。但し、それらによって競合他社による当社の知的財産権の不適切な使用を完全に防止できる保証はなく、また、競合他社が独自に類似の技術を開発する可能性もございます。また、万一、当社が第三者の知的財産権を侵害した場合、当該第三者から訴訟等を提起され補償等の支出が必要となる可能性があるほか、社会的信用の低下や当該知的財産権を利用したサービスの停止等により、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がございます。
当社は、「コグナビ」の基盤技術等は他に例を見ないものであると自負しております。また、特許出願にあたって関連特許の調査を行っており、今のところ第三者特許侵害の可能性はございません。
出願済み特許は、他社による当社知的財産権の不適切利用に対する一定の抑制効果を有しており、さらに当社の知的財産が長年にわたって構築された重層的構造を有していることから、当社の知的財産は総体として他社が容易に模倣しにくいものであると考えております。
(12)自然災害・事故
当社は、国内に複数の事業拠点を有しておりますが、自然災害や事故については、全役職員の安否確認システムを導入するほか、損害保険等による被害の補填対策を講じております。
しかしながら、地震や風水害等の自然災害や予期せぬ事故等により、当社あるいは顧客企業の施設や設備が損壊する等の被害が発生した場合には、サービスの提供を継続することができなくなる等の可能性があり、そのような場合には、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がございます。
(13)疫病、感染症等の蔓延
新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大のような感染症や疫病の蔓延に対処するために、緊急事態宣言等の措置が取られることで、人や物の流れが滞って経済活動が停滞し、当社顧客企業の事業所が雇用調整や休業を余儀なくされる等の状況が発生した場合、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がございます。
さらに、感染症や疫病の感染を防止するため、在宅勤務等の勤務形態の多様化が進んだ場合、顧客企業への訪問機会が減少したり当社のエンジニア採用活動や業務活動に制約が発生したりする等、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がございます。
当社は、ICTの活用による顧客企業向けの営業活動やエンジニア採用活動の効率化に取り組んでまいりました。また、感染症や疾病の蔓延に対処するために、エンジニアとの面接や社内会議をリモート形式で実施するためのオンラインシステムを整備しております。
(1)経営成績等の状況の概要
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
①財政状態及び経営成績の状況
当事業年度(2022年4月1日~2023年3月31日)におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症拡大による行動制限が緩和され、景気は緩やかに持ち直しております。当社の主要顧客である大手製造業においては、不安定な世界情勢の影響による資源価格の高騰や半導体不足等による供給面での制約、世界的なインフレ懸念から進みつつある金融引締めによる影響等により先行きが不透明な状況が継続する中、当社が特化する機械・電気系エンジニアの求人需要は堅調に推移いたしました。
このような環境のもと、当事業年度において、主力のエンジニア派遣サービスは、派遣エンジニア求人広告の掲載内容見直しや当社社員によるエンジニア社員紹介制度、退職者のカムバック採用制度等の施策を講じた結果、派遣エンジニアの採用は当事業年度後半から好転し、当事業年度末時点の稼働人員数は前年同期を185名上回る3,918名となりました。また、当事業年度末時点の派遣単価も前年同期比で上昇したことにより、エンジニア派遣サービスの売上高は前事業年度を上回りました。紹介事業におきましては、クロスセリング方式による営業活動を強化したことにより、業績への寄与度はまだ小さいものの、理工系学生に特化した就職支援サービス「コグナビ 新卒」を筆頭に、機械・電気系エンジニアの採用メディアサービス「コグナビ 転職」、エンジニアの企業研修を大学で実施するために両者の連携をサポートするサービス「コグナビ カレッジ」、企業内エンジニア配置最適化サービス「コグナビ タレントマネジメント」が、全て前年同期比で増収となりました。
一方、当事業年度におけるエンジニア社員の平均有給取得日数は前年同期比で2.3日増加し、売上総利益を押し下げる要因となりました。また、マスプロモーションの実施等による販売費及び一般管理費が増加したことにより、当事業年度の営業利益は前事業年度を下回りました。
以上の結果、当事業年度の売上高は28,751百万円(前年同期比6.8%増)、営業利益は1,622百万円(同11.6%減)、経常利益は1,619百万円(同10.8%減)、当期純利益は1,163百万円(同6.9%減)となりました。
なお、当社はエンジニア派遣・紹介事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
(資産)
当事業年度末における流動資産は14,492百万円となり、前事業年度末に比べ2,866百万円減少いたしました。これは、主に短期借入金の返済により現金及び預金が3,294百万円減少したことによるものであります。固定資産は3,207百万円となり、前事業年度末に比べ201百万円の減少となりました。これは、主に満期日が1年以内に到来する投資有価証券200百万円を流動資産に振り替えたことによるものであります。
この結果、総資産は17,700百万円となり、前事業年度末に比べ3,067百万円減少いたしました。
(負債)
当事業年度末における流動負債は5,728百万円となり、前事業年度末に比べ3,065百万円減少いたしました。これは、主に短期借入金が3,000百万円減少したことによるものであります。
この結果、負債合計は5,728百万円となり、前事業年度末に比べ3,065百万円減少いたしました。
(純資産)
当事業年度末における純資産は11,972百万円となり、前事業年度末に比べ2百万円減少いたしました。これは、繰越利益剰余金が80百万円減少した一方で株式報酬制度に基づき自己株式を77百万円処分したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は67.6%(前事業年度末は57.7%)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ3,294百万円減少し10,395百万円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は1,515百万円(前年同期は1,456百万円の収入)となりました。
これは主に、税引前当期純利益1,619百万円計上されたことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は594百万円(前年同期は838百万円の支出)となりました。
これは主に、有形及び無形固定資産の取得による支出499百万円や子会社株式の取得による支出93百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果支出した資金は4,215百万円(前年同期は1,405百万円の支出)となりました。
これは主に、短期借入金の返済による支出3,000百万円や配当金の支払額1,234百万円によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社は、エンジニア派遣を中心とするサービスを提供しているため、該当事項はありません。
b.受注実績
当社は、エンジニア派遣を中心とするサービスを提供しているため、該当事項はありません。
c.販売実績
当社はエンジニア派遣・紹介事業の単一セグメントでありますが、エンジニア派遣とその他の二つのサービスがあります。当事業年度における販売実績は、次のとおりです。
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名称 |
当事業年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
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販売高(百万円) |
前年同期比(%) |
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エンジニア派遣サービス |
28,486 |
106.4 |
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その他 |
264 |
186.5 |
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合 計 |
28,751 |
106.8 |
(注)主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、販売実績の総販売実績に対する割合が10%以上の販売先がないため、省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定については、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 重要な会計上の見積り」に記載のとおりであります。
②経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等の分析
当社の当事業年度の経営環境としては、新型コロナウイルス感染症拡大による行動制限が緩和され、経済活動の正常化の兆しが見えると共に、景気は緩やかに持ち直しの動きが見られました。
このような環境の下、我が国が現在直面している構造的なエンジニア不足の環境において、AIを駆使した当社独自のスキルマッチング技術「コグナビ」各サービスの浸透と拡充に取り組んでおります。
エンジニア派遣サービス「コグナビ 派遣」は、回復基調にある顧客企業の需要に確実に応えるべく、中途採用の強化並びに翌事業年度に向けて新卒採用の拡大等による人材確保に取り組みました。
経験者採用向けエンジニア紹介サービス「コグナビ 転職/転職IT」は、企業の採用意欲が次第に回復し、正社員求人が増加する中、企業の求人獲得に向けた活動を強化いたしました。
理工系学生のための就職支援サービス「コグナビ 新卒」は、理工系大学で実施している「エンジニア職セミナー」によって学生会員を順調に獲得し、登録会員数は前年の1.6倍となる8,537名となりました。そして、サービスを利用して企業に採用された学生数は当事業年度末時点で前年度の年間採用者数の2.6倍に増加しました。
エンジニア育成の研修を大学で実施するために両者の連携をサポートするサービス「コグナビ カレッジ」は、当事業年度末時点において、新たに1大学と契約を締結しました。そして、企業の旺盛な研修需要に応え、当事業年度末の研修受講企業数は前年度末の1.9倍となりました。
企業内エンジニア配置最適化サービス「コグナビ タレントマネジメント」は、企業単位だけでなく、部署単位でもご利用いただけるサービス「部署マネ」を展開し、導入企業数を増やしておりましたが、お客様のご要望に応えるサービスに刷新すべく、2023年3月31日をもちましてサービスを終了いたしました。
以上の結果、当事業年度の売上高は28,751百万円(前年同期比6.8%増)、営業利益は1,622百万円(同11.6%減)、経常利益は1,619百万円(同10.8%減)、当期純利益は1,163百万円(同6.9%減)となりました。
なお、当社はエンジニア派遣・紹介事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの業績の記載は行っておりません。
また、財政状態及びキャッシュ・フローの分析については、(1)「経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。
b.経営成績に重要な影響を与える要因について
前記 3「事業等のリスク」に記載のとおりであります。
c.資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社の運転資金・設備資金については、主に自己資金により充当しております。当事業年度末の現金及び現金同等物は10,395百万円となり、将来に対して十分な財源及び流動性を確保しております。
また、不測の事態に備えた資金の流動性を確保する手段として、取引金融機関との間でコミットメントライン契約を締結しております。
今後の重要な資本的支出としては、第3「設備の状況」3「設備の新設、除却等の計画」に記載のとおり、基幹系情報システム(ERP)等の、ソフトウエア開発投資を予定しており、その調達源については、自己資金により実施しております。
d.経営者の問題認識と今後の方針について
当社の経営課題として、新型コロナウイルス感染拡大による行動制限が緩和され、経済活動が正常化することによるエンジニア需要拡大に対する対応が挙げられます。当社は、2023年3月期の売上高は前年を上回ったものの、利益が前事業年度より減少したことから、2024年3月期には次のような打ち手を実施いたします。
当社は、エンジニアのすべてのキャリアシーンを支援するために、理工系学生の就職支援から、転職、派遣、企業研修、社内異動の5つのサービスを展開しておりましたが、収益成長を加速するため、今後は、経営資源を既存の収益源であり、高利益率を維持している主業のエンジニア派遣サービス、理工系学生の登録会員数の増加に伴い、第二の収益源として成長が見込まれる理工系学生向け機電系エンジニア就職支援サービス、経験者採用向けエンジニア紹介サービス及び2022年10月に設立いたしましたインド法人Cognavi India Private Limitedを基点に、エンジニア需要の今後の飛躍的な増加と圧倒的な学生数を有するインドにおけるジョブポータルサイトの開発・運営サービスの4つの分野に集中してまいります。また、販売費及び一般管理費につきましては、今後はマスプロモーション費や情報システム費等を大幅に削減し、売上高販管費率を下げることにより、売上高の成長をより営業利益の成長に結びつけるための収益構造を追求してまいります。
なお、当社の中長期的経営課題とそれらへの取組状況につきましては「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しておりますので、ご参照ください。
該当事項はありません。
当社は、東京都港区に本社を構え、その他、2023年3月末時点で全国に16の営業拠点を構えております。
以上のうち、主要な設備は以下のとおりであります。
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2023年3月31日現在 |
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事業所名 (所在地) |
セグメントの名称 |
設備の内容 |
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帳簿価額 |
従業員数 (人) |
||||
|
建物 (百万円) |
工具、器具 及び備品 (百万円) |
ソフト ウエア (百万円) |
ソフトウエア仮勘定 (百万円) |
その他 (百万円) |
合計 (百万円) |
||||
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本社 (東京都港区) |
エンジニア派遣・紹介事業 |
事務所 設備 |
229 |
157 |
366 |
1,009 |
15 |
1,779 |
176 |
(注)1.帳簿価額のうち「その他」は電話加入権等であります。
2.上記の他、主な賃貸物件は次のとおりであります。
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2023年3月31日現在 |
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事業所名 (所在地) |
セグメントの名称 |
設備の内容 |
年間賃借料 (百万円) |
従業員数 (人) |
|
本社 (東京都港区) |
エンジニア派遣・紹介事業 |
事務所設備 (賃借) |
252 |
176 |
3.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者(嘱託社員、契約社員、登録型社員)は従業員総数の100分の10未満であるため、記載を省略しております。
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種類 |
発行可能株式総数(株) |
|
普通株式 |
98,400,000 |
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計 |
98,400,000 |
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種類 |
事業年度末現在発行数 (株) (2023年3月31日) |
提出日現在発行数 (株) (2023年6月28日) |
上場金融商品取引所名又は登録認可金融商品取引業協会名 |
内容 |
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東京証券取引所 プライム市場 |
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計 |
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- |
- |
(注)「提出日現在発行数」欄には、2023年6月1日からこの有価証券報告書提出日までの新株予約権の行使により発行された株式数は含まれておりません。
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第1回新株予約権 |
第2回新株予約権 |
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決議年月日 |
2017年3月22日 取締役会決議 |
2018年6月26日 取締役会決議 |
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付与対象者の区分及び人数(名) |
当社従業員 140 (注)7.8. |
当社従業員 46 (注)8. |
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新株予約権の数(個)※ |
1,902[1,872] |
500[470] |
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新株予約権の目的となる株式の種類、内容及び数(株)※ |
普通株式 570,600 [561,600] (注)1.6. |
普通株式 150,000 [141,000] (注)1.6. |
|
新株予約権の行使時の払込金額(円)※ |
667 (注)2.6. |
1,067 (注)2.6. |
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新株予約権の行使期間※ |
自 2019年3月24日 至 2027年3月22日 |
自 2020年6月28日 至 2028年6月26日 |
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新株予約権の行使により株式を発行する場合の株式の発行価格及び資本組入額(円)※ |
発行価格 667 資本組入額 333.5 (注)6. |
発行価格 1,067 資本組入額 533.5 (注)6. |
|
新株予約権の行使の条件※ |
(注)3. |
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新株予約権の譲渡に関する事項※ |
新株予約権の譲渡については、取締役会の承認を要するものとする。 |
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組織再編成行為に伴う新株予約権の交付に関する事項※ |
(注)5. |
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※当事業年度の末日(2023年3月31日)における内容を記載しております。当事業年度の末日から本書提出日の前月末現在(2023年5月31日)にかけて変更された事項については、本書提出日の前月末現在における内容を[ ]内に記載しており、その他の事項については当事業年度の末日における内容から変更はありません。
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第3回新株予約権 |
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決議年月日 |
2019年6月25日 取締役会決議 |
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付与対象者の区分及び人数(名) |
当社取締役 1 (注)9. 当社従業員 10 |
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新株予約権の数(個)※ |
170 |
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新株予約権の目的となる株式の種類、内容及び数(株)※ |
普通株式 51,000 (注)1. |
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新株予約権の行使時の払込金額(円)※ |
1,140 (注)2. |
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新株予約権の行使期間※ |
自 2021年6月27日 至 2029年6月25日 |
|
新株予約権の行使により株式を発行する場合の株式の発行価格及び資本組入額(円)※ |
発行価格 1,140 資本組入額 570 |
|
新株予約権の行使の条件※ |
(注)3. |
|
新株予約権の譲渡に関する事項※ |
新株予約権の譲渡については、取締役会の承認を要するものとする。 |
|
組織再編成行為に伴う新株予約権の交付に関する事項※ |
(注)5. |
※当事業年度の末日(2023年3月31日)における内容を記載しております。提出日の前月末現在(2023年5月31日)において、記載すべき内容が当事業年度の末日における内容から変更がないため、提出日の前月末現在に係る記載を省略しております。
(注)1.新株予約権の目的である株式の種類及び数
(1)本新株予約権1個当たりの目的である株式の種類及び数(以下「付与株式数」という。)は当社普通株式300株とする。
(2)本新株予約権の割当日後、当社が普通株式につき、株式分割、株式無償割当て又は株式併合を行う場合には、次の算式により目的となる株式の数を調整するものとする(以下、本項により調整された後の付与株式数を「調整後付与株式数」、調整される前の付与株式数を「調整前付与株式数」という。)。但し、かかる調整は、本新株予約権のうち、当該時点で行使されていない本新株予約権の目的である株式の数についてのみ行われ、調整の結果生じる1株未満の端数は切り捨てるものとする。
調整後付与株式数 = 調整前付与株式数 × 株式分割、株式無償割当て又は株式併合の比率
上記算式において、「株式分割、株式無償割当て又は株式併合の比率」とは、調整後付与株式数が適用される日における当社の発行済株式総数(但し、当社が保有する自己株式の数を控除した数をいう。以下本(2)において同じ。)を、調整後付与株式数が適用される前の日における当社の発行済株式総数で除した割合をいうものとする。
調整後付与株式数は、株式分割の場合は、当該株式分割の基準日の翌日以降、株式無償割当て又は株式併合の場合は、その効力発生日(基準日を定めたときは、その基準日の翌日)以降、これを適用する。但し、剰余金の額を減少して資本金又は準備金を増加する議案が当社株主総会において承認されることを条件として株式分割が行われる場合で、当該株主総会の終結の日以前の日を株式分割のための基準日とする場合は、調整後付与株式数は、当該株主総会の終結の日の翌日以降、当該基準日の翌日に遡及してこれを適用する。
(3)上記のほか、本新株予約権の割当日後、付与株式の数の調整を必要とする場合には、当社は、合理的な範囲で付与株式の数の調整を行うことができるものとする。
2.行使価額の調整
本新株予約権の割当日後に次の各号に定める事由が生じた場合には、それぞれ次に定めるところに従い行使価額をそれぞれ調整し(以下、本項により調整された後の行使価額を「調整後行使価額」、調整される前の行使価額を「調整前行使価額」という。)、適用時期についても、それぞれ次に定めるところに従うものとする。
(1)①当社が、当社普通株式の株式分割、株式無償割当て又は株式併合を行う場合は、次の算式により行使価額を調整し、調整により生じる1円未満の端数は切り上げるものとする。
|
調整後行使価額 |
= |
調整前行使価額 |
× |
1 |
|
株式分割、株式無償割当て又は株式併合の比率 |
上記算式において「株式分割、株式無償割当て又は株式併合の比率」とは、上記(注)1.(2)に定めるものをいう。
②調整後行使価額は、株式分割の場合は、当該株式分割の基準日の翌日以降、株式無償割当て又は株式併合の場合は、その効力発生日(基準日を定めたときは、その基準日の翌日)以降、これを適用する。但し、剰余金の額を減少して資本金又は準備金を増加する議案が当社株主総会において承認されることを条件として株式分割が行われる場合で、当該株主総会の終結の日以前の日を株式分割のための基準日とする場合は、調整後付与株式数は、当該株主総会の終結の日の翌日以降、当該基準日の翌日に遡及してこれを適用する。
(2)①当社が、当社普通株式につき時価を下回る価額で新株を発行、又は自己株式の処分を行う場合(但し、会社法第194条の規定(単元未満株主による単元未満株式売渡請求)に基づく自己株式の売渡し、当社普通株式の交付と引換えに当社に取得され、もしくは当社に対して取得を請求できる証券、又は当社普通株式の交付を請求できる新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを含む。)その他の証券又は権利の取得、転換又は行使による場合、並びに合併、株式交換、株式移転及び会社分割に伴って交付される場合を除く。)は、次の算式により行使価額を調整し、調整により生じる1円未満の端数は切り上げるものとする。
|
|
|
|
|
既発行株式数 |
+ |
新規発行株式数 |
× |
1株当たり払込金額 |
|
調整後行使価額 |
= |
調整前行使価額 |
× |
1株当たりの時価 |
||||
|
既発行株式数+新規発行株式数 |
||||||||
上記算式において「既発行株式数」とは、調整後行使価額が適用される日の前日における、当社の発行済株式総数から同日における当社が保有する自己株式数を控除した数とし、自己株式の処分を行う場合には、「新規発行株式数」を「処分株式数」に、「1株当たり払込金額」を「1株当たり処分金額」に読み替えるものとする。また、上記算式において「1株当たりの時価」とは、当社の取締役会が別途定める金額とする。
②当社普通株式につき時価を下回る価額で新株を発行又は自己株式の処分を行う場合には、調整後行使価額は、払込期日(募集に際して払込期間が設けられているときは、当該払込期間の最終日とする。)の翌日以降、募集又は割当てのための基準日がある場合はその日の翌日以降、これを適用する。
(3)上記のほか、行使価額の調整を必要とする場合には、当社は、合理的な範囲で行使価額を調整することができるものとする。
3.新株予約権の行使の条件
(1)本新株予約権の割当てを受けた者(以下「本新株予約権者」という。)は、割当日以降、本新株予約権の行使時までの間、継続して当社又は当社子会社の取締役、監査役、執行役員又は従業員であることを要する。但し、当社の取締役会が承認した場合は、この限りではない。
(2)本新株予約権者は、本新株予約権の行使時において、本新株予約権の目的である当社普通株式が日本国内の証券取引所に上場している場合に限り行使できるものとする。
(3)本新株予約権者が死亡した場合は、相続人はこれを行使できないものとする。
(4)本件新株予約権の質入れその他一切の処分は認めないものとする。
(5)その他権利行使の条件(上記(1)に関する詳細も含む。)は、当社と本新株予約権者との間で締結する新株予約権割当契約書に定めるところによる。
4.新株予約権の取得条項
(1)本新株予約権者が権利行使をする前に、上記「新株予約権の行使の条件」の定め又は新株予約権割当契約の定めにより本新株予約権を行使できなくなった場合、当社は当社の取締役会が別途定める日をもって当該新株予約権を無償で取得することができる。
(2)当社は、以下①から⑤の議案につき当社の株主総会で承認された場合(株主総会決議が不要の場合は当社の取締役会で承認された場合)は、当社の取締役会が別途定める日に、本新株予約権を無償で取得することができる。
①当社が消滅会社となる合併契約承認の議案
②当社が分割会社となる分割契約又は分割計画承認の議案
③当社が完全子会社となる株式交換契約又は株式移転計画承認の議案
④当社の発行する全部の株式の内容として譲渡による当該株式の取得について当社の承認を要することについての定めを設ける定款の変更承認の議案
⑤本新株予約権の目的である種類の株式の内容として譲渡による当該種類の株式の取得について当社の承認を要すること又は当該種類の株式について当社が株主総会の決議によってその全部を取得することについての定めを設ける定款の変更承認の議案
5.組織再編行為をする場合の取扱い
当社が、合併(当社が合併により消滅する場合に限る。)、吸収分割又は新設分割(それぞれ当社が分割会社となる場合に限る。)、株式交換又は株式移転(それぞれ当社が完全子会社となる場合に限る。)(以上を総称して以下「組織再編行為」という。)をする場合において、組織再編行為の効力発生の時点において残存する本新株予約権(以下「残存新株予約権」という。)の新株予約権者に対し、それぞれの場合につき、会社法第236条第1項第8号のイからホまでに掲げる株式会社(以下「再編対象会社」という。)の新株予約権を以下の条件に基づきそれぞれ交付することとする。この場合においては、残存新株予約権は消滅し、再編対象会社は新株予約権を新たに発行するものとする。但し、以下の条件に沿って再編対象会社の新株予約権を交付する旨を定めた吸収合併契約、新設合併契約、吸収分割契約、新設分割計画、株式交換契約又は株式移転計画が当社株主総会において承認された場合に限るものとする。
(1)交付する再編対象会社の新株予約権の数
残存新株予約権の新株予約権者が保有する新株予約権の数と同一の数をそれぞれ交付するものとする。
(2)新株予約権の目的である再編対象会社の株式の種類
再編対象会社の普通株式とする。
(3)新株予約権の目的である再編対象会社の株式の数
組織再編行為の条件等を勘案のうえ、上記(注)1.に準じて決定するものとする。
(4)新株予約権の行使に際して出資される財産の価額
交付される各新株予約権の行使に際して出資される財産の価額は、組織再編行為の条件等を勘案のうえ、上記(注)2.に準じて定められる行使価額を調整して得られる再編後払込金額に上記(3)に従って決定される当該新株予約権の目的である再編対象会社の株式の数を乗じて得られる金額とする。
(5)新株予約権を行使することができる期間
「新株予約権の行使期間」に定める新株予約権を行使することができる期間の初日と組織再編行為の効力発生日のうちいずれか遅い日から、「新株予約権の行使期間」に定める新株予約権を行使することができる期間の満了日までとする。
(6)新株予約権の行使により株式を発行する場合における増加する資本金及び資本準備金に関する事項
「新株予約権の行使により株式を発行する場合の株式の発行価格及び資本組入額」に準じて決定するものとする。
(7)譲渡による新株予約権の取得の制限
譲渡による新株予約権の取得については、再編対象会社の取締役会の承認を要するものとする。
(8)新株予約権の取得条項
上記(注)4.に準じて決定するものとする。
(9)その他新株予約権の行使の条件
上記(注)3.に準じて決定するものとする。
6.2018年10月18日付で普通株式1株につき300株の割合で株式分割を行っております。これにより第1回新株予約権及び第2回新株予約権に関する「新株予約権の目的となる株式の種類、内容及び数」、「新株予約権の行使時の払込金額」及び「新株予約権の行使により株式を発行する場合の発行価格及び資本組入額」が調整されております。
7.2017年3月22日取締役会決議の第1回新株予約権の付与対象者につきましては、該当従業員のうち1名が2018年6月開催の定時株主総会において取締役に選任されております。なお、当該取締役は2021年6月開催の定時株主総会の終結を以て、取締役を退任しております。
8.付与対象者の権利行使及び退職による権利の失効等により、本書提出日の前月末現在(2023年5月31日)の「付与対象者の区分及び人数」は、第1回新株予約権について当社取締役1名、当社従業員100名、第2回新株予約権について当社従業員37名となっております。なお、当該取締役は2021年6月開催の定時株主総会の終結を以て、取締役を退任しております。
9.2019年6月25日取締役会決議の第3回新株予約権の付与対象者につきましては、該当取締役が2021年6月開催の定時株主総会の終結を以て、取締役を退任しております。
該当事項はありません。
|
年月日 |
発行済株式総数増減数(株) |
発行済株式総数残高(株) |
資本金増減額 (百万円) |
資本金残高 (百万円) |
資本準備金増減額 (百万円) |
資本準備金残高(百万円) |
|
2018年10月18日 (注)1 |
26,538,491 |
26,627,700 |
- |
90 |
- |
102 |
|
2019年4月1日~ 2020年3月31日 (注)2 |
46,200 |
26,673,900 |
15 |
105 |
15 |
117 |
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2020年4月1日~ 2021年3月31日 (注)2 |
35,700 |
26,709,600 |
11 |
117 |
11 |
129 |
(注)1.2018年10月18日付で普通株式1株につき300株の割合で株式分割を行っております。
2.新株予約権の行使による増加であります。
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2023年3月31日現在 |
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区分 |
株式の状況(1単元の株式数 |
単元未満株式の状況 (株) |
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政府及び地方公共団体 |
金融機関 |
金融商品取引業者 |
その他の 法人 |
外国法人等 |
個人 その他 |
計 |
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個人以外 |
個人 |
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株主数 (人) |
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- |
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所有株式数(単元) |
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所有株式数の割合(%) |
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100.00 |
- |
(注)自己株式898,600株は、「個人その他」に8,986単元が含まれております。
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2023年3月31日現在 |
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氏名又は名称 |
住所 |
所有株式数 (千株) |
発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合(%) |
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東京都千代田区神田鍛冶町3丁目2-4
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NORTHERN TRUST CO.(AVFC) RE IEDU UCITS CLIENTS NON LENDING 15 PCT TREATY ACCOUNT (常任代理人 香港上海銀行東京支店 カストディ業務部)
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50 BANK STREET CANARY WHARF LONDON E14 5NT, UK (東京都中央区日本橋3丁目11番1号)
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THE HONGKONG AND SHANGHAI BANKING CORPORATION LTD-HONG KONG PRIVATE BANKING DIVISION-CLIENT ACCOUNT (常任代理人 香港上海銀行東京支店 カストディ業務部) |
LEVEL 13 HSBC MAIN BUILDING 1 QUEEN'S ROAD CENTRAL HONG KONG (東京都中央区日本橋3丁目11-1) |
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計 |
- |
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(注)1.上記のほか、当社保有の自己株式898千株があります。
2.株式会社sucreは、当社代表取締役である佐藤勉氏が全株式を保有する資産管理会社であります。
3.日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)の所有株式数のうち、信託業務に係る株式数は631千株であり、それらの内訳は、投資信託設定分602千株、年金信託設定分29千株となっております。
株式会社日本カストディ銀行(信託口)の所有株式数のうち、信託業務に係る株式数は311千株であり、それらの内訳は、投資信託設定分294千株、年金信託設定分16千株となっております。
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(単位:百万円) |
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前事業年度 (2022年3月31日) |
当事業年度 (2023年3月31日) |
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資産の部 |
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流動資産 |
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現金及び預金 |
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売掛金 |
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有価証券 |
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前払費用 |
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その他 |
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流動資産合計 |
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固定資産 |
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有形固定資産 |
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建物 |
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減価償却累計額 |
△ |
△ |
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建物(純額) |
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工具、器具及び備品 |
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減価償却累計額 |
△ |
△ |
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工具、器具及び備品(純額) |
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有形固定資産合計 |
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無形固定資産 |
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ソフトウエア |
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ソフトウエア仮勘定 |
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その他 |
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無形固定資産合計 |
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投資その他の資産 |
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投資有価証券 |
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関係会社株式 |
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繰延税金資産 |
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その他 |
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投資その他の資産合計 |
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固定資産合計 |
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資産合計 |
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(単位:百万円) |
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前事業年度 (2022年3月31日) |
当事業年度 (2023年3月31日) |
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負債の部 |
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流動負債 |
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短期借入金 |
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未払金 |
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未払費用 |
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未払法人税等 |
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預り金 |
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賞与引当金 |
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その他 |
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流動負債合計 |
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負債合計 |
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純資産の部 |
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株主資本 |
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資本金 |
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資本剰余金 |
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資本準備金 |
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資本剰余金合計 |
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利益剰余金 |
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利益準備金 |
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その他利益剰余金 |
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別途積立金 |
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繰越利益剰余金 |
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利益剰余金合計 |
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自己株式 |
△ |
△ |
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株主資本合計 |
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純資産合計 |
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負債純資産合計 |
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(単位:百万円) |
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前事業年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当事業年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
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売上高 |
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売上原価 |
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売上総利益 |
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販売費及び一般管理費 |
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営業利益 |
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営業外収益 |
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受取手数料 |
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助成金収入 |
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その他 |
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営業外収益合計 |
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営業外費用 |
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支払利息 |
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シンジケートローン手数料 |
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子会社設立費用 |
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自己株式取得費用 |
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その他 |
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営業外費用合計 |
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経常利益 |
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特別損失 |
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固定資産除売却損 |
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特別損失合計 |
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税引前当期純利益 |
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法人税、住民税及び事業税 |
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法人税等調整額 |
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法人税等合計 |
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当期純利益 |
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