ステラファーマ株式会社
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回次 |
第12期 |
第13期 |
第14期 |
第15期 |
第16期 |
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決算年月 |
2019年3月 |
2020年3月 |
2021年3月 |
2022年3月 |
2023年3月 |
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売上高 |
(千円) |
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経常損失(△) |
(千円) |
△ |
△ |
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△ |
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当期純損失(△) |
(千円) |
△ |
△ |
△ |
△ |
△ |
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持分法を適用した場合の投資利益 |
(千円) |
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資本金 |
(千円) |
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発行済株式総数 |
(株) |
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普通株式 |
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A種優先株式 |
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純資産額 |
(千円) |
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総資産額 |
(千円) |
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1株当たり純資産額 |
(円) |
△ |
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1株当たり配当額 |
(円) |
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(うち1株当たり中間配当額) |
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1株当たり当期純損失(△) |
(円) |
△ |
△ |
△ |
△ |
△ |
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潜在株式調整後1株当たり 当期純利益 |
(円) |
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自己資本比率 |
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自己資本利益率 |
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株価収益率 |
(倍) |
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配当性向 |
(%) |
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営業活動によるキャッシュ・フロー |
(千円) |
△ |
△ |
△ |
△ |
△ |
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投資活動によるキャッシュ・フロー |
(千円) |
△ |
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△ |
△ |
△ |
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財務活動によるキャッシュ・フロー |
(千円) |
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△ |
△ |
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現金及び現金同等物の期末残高 |
(千円) |
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従業員数 |
(人) |
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(外、平均臨時雇用者数) |
( |
( |
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( |
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株主総利回り |
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(比較指標:東証マザーズ指数) |
(%) |
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( |
( |
( |
( |
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最高株価 |
(円) |
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- |
- |
1,070 |
665 |
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最低株価 |
(円) |
- |
- |
- |
372 |
311 |
(注)1.当社は連結財務諸表を作成しておりませんので、連結会計年度に係る主要な経営指標等の推移については記載しておりません。
2.持分法を適用した場合の投資利益については、当社は関連会社を有していないため、記載しておりません。
3.1株当たり配当額については、配当を実施していないため、記載しておりません。
4.第12期、第13期、第14期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式は存在するものの、当社株式は非上場であったため、期中平均株価を把握できず、また、1株当たり当期純損失であるため、記載しておりません。第15期、第16期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式は存在するものの、1株当たり当期純損失を計上しているため、記載しておりません。
5.自己資本利益率については、当期純損失のため、記載しておりません。
6.第12期、第13期、第14期の株価収益率については、当社株式は非上場であったため、記載しておりません。第15期、第16期の株価収益率については、当期純損失のため、記載しておりません。
7.配当性向については、配当を実施していないため、記載しておりません。
8.従業員数は、就業人員であり、臨時雇用者数は、年間の平均人員を( )内に外数で記載しております。
9.当社は、2019年11月14日付で普通株式及びA種優先株式それぞれ1株につき100株の割合で株式分割を行っております。第12期の期首に当該株式分割が行われたと仮定し、1株当たり純資産額及び1株当たり当期純損失を算定しております。
10.2021年4月22日に東京証券取引所マザーズ(現、グロース市場)に上場したため、第12期、第13期、第14期、第15期の株主総利回り及び比較指標については記載しておりません。また、第16期の株主総利回り及び比較指標については、第15期の末日における株価又は株価指数を基準として算定しております。
11.最高株価及び最低株価は、東京証券取引所マザーズ(現、グロース市場)における株価を記載しております。なお、第12期、第13期、第14期の最高株価及び最低株価については、当社株式は非上場であったため、記載しておりません。
当社が開発を進めるホウ素中性子捕捉療法(以下「BNCT※」という。)は、中性子が発見された4年後の1936年には理論上は考案されていた治療法ですが、実現には、患部に高い選択性で集積し、かつ効果的な反応が得られるホウ素薬剤と高強度の中性子源が必要不可欠であり、永らく実用化が困難とされた治療法でした。
当社の代表取締役会長である浅野智之は、ステラケミファ株式会社在籍時に同社が持つホウ素同位体の高濃縮技術に着目し、がん治療におけるBNCTの活用に向けて、より効果的なホウ素薬剤の開発を進めてまいりました。また、高強度の中性子発生装置についても、従来は医療現場への設置が不可能な原子炉のみでしたが、住友重機械工業株式会社において、BNCTに適した中性子線を発生させる小型の加速器が開発されました。これによりBNCTの実用化における最大の障壁となっていた「効果的なホウ素薬剤」と医療現場への設置が可能な「高強度の中性子源」の2つの要件が揃ったことから、BNCTの事業化を目的にステラケミファ株式会社の子会社として当社は設立されました(本書提出日現在では関連会社となっております)。
※BNCT……Boron Neutron Capture Therapyの略称。
BNCTとは、放射線治療の一種であり、新しいがんの治療法です。ホウ素の安定同位体であるB-10(天然ホウ素に約20%含まれる)の原子核はエネルギーの低い低速の中性子(熱中性子)をよく吸収し、直ちにヘリウム原子核(4He核(α粒子))とリチウム原子核(7Li核)に分裂します。これら原子核は細胞を破壊する能力が非常に大きい一方で、影響を及ぼす範囲が4~9ミクロン(μm)と極めて短いことが特徴です。また、熱中性子自体の細胞破壊能力は小さいため、B-10を含む物質ががん細胞に選択的に集積し、そこに熱中性子が照射されると、そのがん細胞は選択的に破壊されます。この原理に基づいて考案された医療技術がBNCTです。
以降、提出日の前月末までの主な変遷は次のとおりであります。
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年月 |
事業の変遷 |
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2007年6月 |
ステラケミファ株式会社(大阪市中央区)の100%子会社として法人設立 |
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2008年7月 |
第一種医薬品製造販売業許可を取得(大阪府) |
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2009年1月 |
開発品SPM-011が、独立行政法人科学技術振興機構(現 国立研究開発法人科学技術振興機構)が支援する独創的シーズ展開事業の委託開発課題に採択 (現在は国立研究開発法人 日本医療研究開発機構が実施する医療分野研究成果展開事業に移管) |
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2012年11月 |
開発品SPM-011の日本における脳腫瘍 第Ⅰ相臨床試験を開始 (脳腫瘍の対象は、再発悪性神経膠腫患者) |
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2014年1月 |
研究開発業務の効率化を目的として、公立大学法人大阪府立大学(現 公立大学法人大阪)BNCT研究センター内に研究所(さかい創薬研究センター)を移設(堺市中区) |
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2014年4月 |
開発品SPM-011の日本における頭頸部癌 第Ⅰ相臨床試験を開始 (頭頸部癌の対象は、切除不能な局所再発頭頸部癌及び切除不能な局所進行頭頸部癌(非扁平上皮癌)患者) |
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2016年2月 |
開発品SPM-011の日本における脳腫瘍 第Ⅱ相臨床試験を開始 (脳腫瘍の対象は、再発悪性神経膠腫患者) |
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2016年3月 |
株式会社産業革新機構(現 株式会社INCJ)及び住友重機械工業株式会社を引受先として、第三者割当の方法により増資を実施 |
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2016年7月 |
開発品SPM-011の日本における頭頸部癌 第Ⅱ相臨床試験を開始 (頭頸部癌の対象は、切除不能な局所再発頭頸部癌及び切除不能な局所進行頭頸部癌(非扁平上皮癌)患者) |
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年月 |
事業の変遷 |
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2017年4月 |
開発品SPM-011が、厚生労働省が実施する先駆け審査指定制度の対象品目(医薬品)として指定 |
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2018年5月 |
東京事務所を開設(東京都中央区) |
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2019年11月 |
開発品SPM-011の日本における悪性黒色腫及び血管肉腫 第Ⅰ相臨床試験を開始 |
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2020年3月 |
日本において、切除不能な局所進行又は局所再発の頭頸部癌を効能・効果として、BNCT用ホウ素薬剤ステボロニン®点滴静注バッグ 9000 mg/300 mL(一般名:ボロファラン(10B)、開発品名:SPM-011 以下、「ステボロニン®」という)の製造販売承認を取得 |
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2020年5月 |
ステボロニン®の販売を開始 |
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2020年10月 |
株式会社スズケン及び株式会社ハイメディックを引受先として、第三者割当の方法により増資を実施 |
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2021年4月 |
東京証券取引所マザーズに上場 |
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2021年5月 |
みずほ証券株式会社を引受先として、第三者割当の方法により増資を実施 |
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2022年3月 |
ステラケミファ株式会社による当社株式の一部売却に伴い、同社の子会社から関連会社に変更 |
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2022年11月 |
血管肉腫 第Ⅱ相臨床試験を開始 |
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2022年12月 |
SMBC日興証券株式会社を割当先とする行使価額修正条項及び行使停止指定条項付新株予約権の発行を実施 |
当社は、企業理念として『ひとりのかけがえのない命のために、ステラファーマは世界の医療に新たな光を照らします。』を掲げ、「ひとりのかけがえのない命のために」それぞれの使命を実行することを行動指針の基盤とし、「世界の医療に新しい光を照らす」ことを経営目標の策定方針としております。
当社は、この企業理念に基づき、がん患者に対する新たな治療の選択肢としてBNCTを実用化するため、創業以来、BNCT用ホウ素薬剤の研究及び開発に取り組んでまいりました。
(1)事業の特徴
① BNCTの医療技術
BNCTは、ホウ素の安定同位体であるB-10(天然ホウ素に約20%含まれる)とエネルギーの小さな熱中性子の核分裂反応を利用して、がん細胞を選択的に破壊する放射線治療の一手法であります。
ホウ素の安定同位体であるB-10の原子核はエネルギーの低い低速の中性子(熱中性子)をよく吸収し、直ちにヘリウム原子核(4He核(α粒子))とリチウム原子核(7Li核)に分裂します。これら原子核は細胞を破壊する能力が非常に大きい一方で、影響を及ぼす範囲が4~9ミクロン(μm)と極めて短く、また、熱中性子自体の細胞破壊能力は小さいため、B-10を含む物質が、がん細胞に選択的に集積し、そこに熱中性子が照射されると、そのがん細胞は選択的に破壊されます。この原理に基づいて考案された医療技術がBNCTであります。
[BNCTの治療イメージ]
BNCTは、その特徴として、『がん細胞を選択的に破壊』することができる治療法であることから、がん細胞と入り組む正常組織への影響が少なく、術後のQOL(Quality Of Life/生活の質)も従来の治療に比べて良好であることが期待されます。
② ビジネスモデルについて
当社が、2020年3月に、切除不能な局所進行又は局所再発の頭頸部癌を効能・効果として、ステボロニン®の医薬品製造販売承認を取得したことに伴い、既に加速器を設置しております総合南東北病院、大阪医科薬科大学病院の2つの医療施設においてBNCTによる治療が開始されております。当社は国内において治療が開始されたことに伴い、医薬品卸売業者を介した自販モデルによる収益化を実現しております。
今後も加速器メーカーとの共同でステボロニン®の適応拡大に向けた研究開発及び臨床試験を継続していくと同時に、当社の製品は加速器メーカーとのコンビネーションプロダクトをベースとしていることから、BNCTの認知度向上と加速器の普及に向けた事業展開も並行的に進めることで、収益拡大を実現していくビジネスモデルであります。
(2)開発品の特徴
① 開発品の概要について
当社が、開発、製造及び販売するステボロニン®(開発品名:SPM-011)は、厚生労働省の実施する先駆け審査指定制度の対象品目に指定されており、2020年3月にBNCT用ホウ素薬剤として世界初となる薬事承認を取得しております。
BNCTは、その性質上、中性子の発生装置となる医療機器と医薬品を組み合わせた治療法であり、患部に高い選択性で集積し、かつ効果的な反応が得られるホウ素薬剤が必要となります。
[ステボロニン®点滴静注バッグ 9000 mg/300 mL]
② 開発品の作用機序について
天然ホウ素には、中性子数の異なるホウ素10(B-10)とホウ素11(B-11)の2種類が存在し、B-10は約20%の割合で存在しています。BNCTにおいて核分裂反応を起こすホウ素はB-10のみであるため、効果的なホウ素薬剤とするためには、B-10を高純度に濃縮し、より多く含有する製剤を作る必要があります。
当社の開発品であるステボロニン®は、この高純度(99%以上)B-10を含む「ボロファラン(10B)※1」を原薬として製造しております。ボロファラン(10B)は、必須アミノ酸であるフェニルアラニン※2又はチロシン※3と構造が似ているため、がん細胞特有のアミノ酸トランスポーターであるLAT-1※4を介してアミノ酸要求性の高いがん細胞に取り込まれます。これにより、がん細胞に選択的にB-10が集積し、かつ中性子線を照射した際により大きな効果を得ることが可能となります。
[ボロファラン(10B)の構造式とがん細胞への取込みの作用機序]

③ 開発品の競争優位性について
B-10を高純度(99%以上)に濃縮する技術は、ステラケミファ株式会社が国内で唯一(世界でも2社のみ)保有しているものと認識しております。
当社は、高純度(99%以上)まで濃縮されたB-10を原料として、原薬「ボロファラン(10B)」を製造し、さらにステボロニン®に製剤加工しております。原料についてはステラケミファ株式会社との間で独占期間を定めた取引基本契約を締結し、安定的に原料供給を受ける調達体制をとっております。また製剤処方にかかる特許権を複数取得しており、今後も周辺特許の申請を積極的に行っていく方針であります。ステボロニン®は臨床研究において従来使用されていたフルクトース製剤に比べ安定性に優れ、さらに36ヶ月という長期の品質有効期間を保ち、治療毎に製剤を調製する必要もなく、また「医薬品の製造管理及び品質管理の基準(GMPgrade)」に適合した製剤でもあります。
この特徴に加え、当社における長年の研究開発期間と相当程度の投資は後発事業者にとっては大きな参入障壁になると考えております。また当社の開発品であるBNCT用ホウ素薬剤「SPM-011」は、厚生労働省の実施する先駆け審査指定制度※5の対象品目に指定されておりましたが、2020年3月にステボロニン®として医薬品製造販売承認を取得したことは後発事業者にとっては、先駆け審査指定制度の対象品目に指定されるための要件の一つとして治療薬の画期性が求められることから、参入障壁となると考えられ、当社の競争優位性は一定程度維持できると認識しております。
この競争優位性を維持しながら、ステボロニン®を「世界初、日本発」の医薬品として、医療現場へ提供することを目標として事業を推進してまいります。
[ステボロニン®の製造フロー]
(3)開発パイプライン
当社は、BNCT用ホウ素薬剤の適応疾患の拡大を開発テーマとして、適応疾患別に開発パイプラインを構成しております。開発パイプライン並びにそのスケジュール及び当事業年度末現在までの進捗は次のとおりです。
国内における開発パイプラインは、頭頸部癌及び再発悪性神経膠腫を対象に、住友重機械工業株式会社と共同で第Ⅱ相臨床試験を実施してまいりました。上記2疾患を先行してパイプラインとした理由は、外科的手術が困難な場合があること、再発悪性神経膠腫においては再発リスク・悪性度が高いこと、またBNCTの特徴として正常組織への影響が少ないことが主な理由であり、特に重要な器官が集中する脳及び頭頸部における疾患を選定しております。
頭頸部癌の第Ⅱ相臨床試験における主要評価項目は、BNCT施術後90日における奏効率(腫瘍縮小効果)とし、安全性に問題のある事象はなく、有効性は期待値を達成いたしました。その試験結果に基づき、医薬品製造販売承認申請を行い、2020年3月に、切除不能な局所進行又は局所再発の頭頸部癌を効能・効果として、製造販売承認を取得し、同年5月にはステボロニン®の販売を開始しております。
また、再発悪性神経膠腫の第Ⅱ相臨床試験における主要評価項目は、BNCT施術後1年における生存割合とし、安全性及び有効性についての評価を行い、現在は目標症例数全例のBNCT施術を完了しております。第Ⅱ相臨床試験の結果は、再発膠芽腫24例の1年生存率が79.2%となり、試験開始前の設定期待値60%を超える結果となりました。当該試験結果をもって、先駆け審査指定制度の枠組みにおいて独立行政法人医薬品医療機器総合機構(以下「PMDA」という。)と一部変更申請に向けた協議を行っておりましたが、当該試験の主要評価項目である生存率は、年齢やがんの組織型(grade)、術前の全身状態等の患者背景因子が影響することから、PMDAからは当該因子の相違を排除した上で有効性を示す追加的な臨床データの必要性について指摘されました。
当該指摘に対して当社は、レトロスペクティブ調査※12により追加的に要求された臨床データの取得を計画し、PMDAと協議を継続してまいりましたが、同調査は中止し、今後の方向性については初発悪性神経膠腫への適応拡大も視野に入れ、再検討することとしております。
新たなパイプラインとしては、脳腫瘍の一種である再発高悪性度髄膜腫を対象に、大阪医科薬科大学病院において医師主導治験により第Ⅱ相臨床試験が実施されており、2021年9月には当該試験の被験者登録が終了しました。今後は、被験者の経過観察期間(最長3年間)を経て、評価、データ解析等が実施される予定です。なお、当社は、本試験で使用される治験薬の提供を行っております。
さらに、皮膚がんの一種である悪性黒色腫及び血管肉腫については、2022年9月に第Ⅰ相臨床試験の主要評価に関する90日間の観察期間が完了いたしました。また、同年11月には血管肉腫を対象とした国内第Ⅱ相臨床試験を開始し、2023年1月には最初の被験者への照射も実施されました。なお、血管肉腫に関しては、希少疾病医薬品の指定に向けて、厚生労働省と協議しております。今後、血管肉腫を優先的に開発することとしながら、悪性黒色腫の開発は第Ⅰ相臨床試験で対象とした疾患から適応を広げることも含めて引き続き検討していく予定です。
国内における新規パイプラインは、治験実績及び臨床研究データを吟味した上で、BNCTの効果が高いと想定される疾患を慎重に選定し、ステボロニン®の更なる適応拡大を図ります。
(4)事業戦略
当社は、BNCTの医療技術を軸に加速器メーカーと共同でステボロニン®の適応拡大に向けた研究開発及び臨床試験を実施し、開発パイプラインの拡充を進めてまいります。またステボロニン®の医薬品製造販売承認を取得したことに伴い、国内ではBNCTによる医療技術や治療実績の認知度向上と加速器の普及を目指し事業を展開してまいります。 認知度の向上には医療施設や大学等の研究機関への訪問活動を通じてステボロニン®の有効性や安全性に係る医療情報の提供を充実させていくとともに、学会や講演会を通じて、より効果的な事業活動を展開してまいります。
海外では日本で承認を得た疾患を対象に、米国、欧州及びアジアを中心に承認取得を目指すとともに、各国のレギュレーションに通じた製薬企業等との連携によるアライアンスモデルを計画しており、パートナー企業の選定に取り組んでまいります。そして特に成長が見込まれる海外のオンコロジー領域におけるステボロニン®の適応拡大は当社における重要な成長戦略と位置づけ、経営資源の重点配分を行ってまいります。
当社は医薬品開発事業のみの単一セグメントであり、事業の系統図は下記のとおりです。
(5)開発戦略
当社では、研究開発拠点であるさかい創薬研究センターでステボロニン®の適応拡大等に向けた研究開発に取り組んでおります。またBNCTの拡張戦略として、18F-FBPA-PET※13に使用するPET薬剤の開発についても加速器メーカーと共同で取り組んでおります。
18F-FBPA-PETは、核医学検査の一つで、BNCTの有効成分であるボロファラン(10B)をPET核種である18Fで標識化することで、腫瘍の位置や範囲を画像として得ることができるだけでなく、ホウ素薬剤が腫瘍にどの程度取り込まれているか、BNCTの有効性をあらかじめ確認することが期待できます。
今後、BNCTの適応疾患の拡大を図る上で、18F-FBPA-PETの開発は重要な役割を担っております。
<語句説明>
※1「ボロファラン(10B)」
「4-ボロノ-L-フェニルアラニン(L-BPA)」と呼ばれるホウ素化合物であり、分子内にホウ素原子を一つ持っています。
※2「フェニルアラニン」
タンパク質を構成するアミノ酸で、食品中のタンパク質に多く含まれている必須アミノ酸の一つです。
※3「チロシン」
タンパク質を構成するアミノ酸で、動物の体内ではフェニルアラニンから合成されます。
※4「LAT-1」
L-type amino acid transporter-1(L型アミノ酸トランスポーター1)の略称。
細胞の増殖等に必要なアミノ酸の輸送に関わるタンパク質をアミノ酸トランスポーターと呼びます。アミノ酸トランスポーターは正常細胞にも存在しますが、LAT-1は多くのがん細胞に選択的かつ高発現するアミノ酸トランスポーターであり、フェニルアラニンやチロシンを輸送します。
※5「先駆け審査指定制度」
一定の要件を満たす新薬等について、厚生労働省が、開発の比較的早期の段階から薬事承認に係る相談・審査等において優先的な取扱いを行う制度です。具体的には、「①治療薬の画期性、②対象疾患の重篤性、③対象疾患にかかる極めて高い有効性、④世界に先駆けて日本で早期開発・申請する意思」の4つの要件を満たす画期的な新薬等を開発段階で対象品目に指定し、新たに整備された相談の枠組みを優先的に適用し、かつ優先審査を適用することにより、審査期間を6ヶ月(通常は12ヶ月)まで短縮することを目指すものとされています。なお、先駆け審査指定制度においては、対象品目の指定時に予定される効能又は効果も指定されることから、製造販売承認取得後に適応疾患を拡大する際には同制度の対象外となります。
当社は、当事業年度末現在、再発悪性神経膠腫と切除不能な局所再発頭頸部癌並びに局所進行頭頸部癌(非扁平上皮癌)について、対象品目の指定を受けております。
※6「頭頸部癌」
頭頸部とは、脳の下側の顔面から鎖骨までの部分を示します。頭頸部癌とは、この範囲に含まれる、鼻、口、のど、上あご、下あご、耳等にできるがんのことです。頭頸部癌は、全てのがんの約5%程度と考えられており、がんが発生する部位の種類が多く、発生原因、治療法、予後が異なることが特徴とされています。頭頸部には人間が生きる上で必要な器官が集中しており、その機能を温存できる治療法の確立が求められています。
※7「悪性神経膠腫」
神経膠腫とは、脳に発生する悪性腫瘍で原発性脳腫瘍の約30%を占めます。神経膠腫は、その悪性度によって4段階(グレードⅠ~Ⅳ)に分類され、中でもグレードⅢ~Ⅳに分類される悪性度が高い神経膠腫を悪性神経膠腫と呼び、さらにグレードⅣの神経膠腫を膠芽腫と呼びます。膠芽腫を含む悪性神経膠腫は、現在なお治療が困難な疾患とされています。
※8「高悪性度髄膜腫」
髄膜とは、脳と脊髄を保護している薄い組織層で、髄膜腫とはその内側の層の一つにできるがんのことです。髄膜腫は良性であることが多く、高悪性度髄膜腫は希少疾患である一方で、再発や転移を起こしやすい、治りにくい腫瘍の一つです。
※9「血管肉腫」
血管肉腫とは、血管の内皮細胞から発生するがんのことです。体のいたるところにできる可能性があり、皮膚に生じることが多いがんです。
※10「悪性黒色腫」
悪性黒色腫は皮膚がんの一つで、単に黒色腫又はメラノーマと呼ばれることもあります。皮膚の色と関係するメラニン色素を産生する皮膚の細胞で、表皮の基底層に分布しているメラノサイト又は母斑細胞が悪性化した腫瘍と考えられています。
※11「医師主導治験」
医師主導治験とは、製薬企業等と同様に医師自ら治験を企画・立案し、治験計画届を提出して実施する治験を指します。大阪医科薬科大学において実施している再発高悪性度髄膜腫の臨床試験に使用されるホウ素薬剤は、当社から提供しています。
※12「レトロスペクティブ調査」
レトロスペクティブ調査とは、疫学調査で用いられる方法の一つで、調査を開始した時点から過去に遡って対象者の情報を集めることから、後ろ向き研究とも呼ばれます。
当該調査では、BNCT以外の治療を受けられた患者群のデータを収集し、第Ⅱ相臨床試験の結果と患者背景因子の相違を排除した比較を行うことを目的として検討しておりました。
※13「18F-FBPA-PET」
がんの画面診断技術であるPET診断において、現在使用されている18F-FDGに代わる新たなPET薬剤として18F-FBPAの開発を行っています。18F-FBPAはBNCTの施術において、ステボロニン®の分布状況を可視化し、治療前にBNCTの効果を予測することも可能と考えられており、BNCTの発展に貢献するものと期待されています。
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名称 |
住所 |
資本金 (千円) |
主要な事業の内容 |
議決権の所有割合又は被所有割合 (%) |
関係内容 |
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(その他の関係会社) ステラケミファ株式会社 (注) |
大阪市中央区 |
4,829,782 |
高純度薬品事業 |
被所有 38.21 |
当社医薬品の原材料を製造 |
(注)有価証券報告書を提出しております。
(1)提出会社の状況
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2023年3月31日 |
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従業員数(人) |
平均年齢(歳) |
平均勤続年数(年) |
平均年間給与(円) |
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( |
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事業部門の名称 |
従業員数(人) |
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創薬研究部 |
12 |
(1) |
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臨床開発部 |
3 |
(-) |
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その他 |
22 |
(2) |
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全社(共通) |
9 |
(-) |
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合計 |
|
( |
(注)1.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。
2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
3.当社は単一セグメントであるため、事業部門別の従業員数を記載しております。
4.全社(共通)として記載されている従業員数は、総務及び経理等の管理部門の従業員数であります。
(2)労働組合の状況
当社の従業員は、会社設立と同時にステラケミファ株式会社が結成した労働組合であるステラケミファユニオンに加入しております。2023年3月31日現在の組合員数は26人であり、所属上部団体は日本労働組合総連合会です。なお、労使関係については、円滑な関係にあり、特記すべき事項はありません。
(3)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
当社は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しております。
当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
企業理念『ひとりのかけがえのない命のために、ステラファーマは世界の医療に新たな光を照らします。』
当社は、「ひとりのかけがえのない命のために」それぞれの使命を実行することを行動指針の基盤とし、「世界の医療に新しい光を照らす」ことを経営目標の策定方針として企業理念に掲げております。
この企業理念を実現するため、当社は会社設立時よりBNCTの実用化に取り組んでおり、がん患者へ新たな医療の選択肢を提供することを、経営の基本方針としております。
(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、新規医薬品の上市を目指して研究開発を先行して行う、いわゆる創薬系ベンチャー企業であり、2020年3月に、切除不能な局所進行又は局所再発の頭頸部癌を効能・効果として、ステボロニン®の製造販売承認を取得いたしました。また同年5月からステボロニン®の販売を開始しております。
当面の経営上の目標は、新たな医療としてBNCTの認知度を向上させることによる上市後の安定的な収益の獲得及びそれに伴う事業基盤の確立であります。
従って、当社は、ROEのような利益を基準とした経営指標を目標とせず、売上高の増加割合すなわちBNCTの実施症例数の伸長を、目標の達成状況を判断するための主要な経営指標として事業活動を推進する計画であります。
(3)中長期的な会社の経営戦略
当社は、ステボロニン®を事業基盤とすべく国内では適応疾患の拡大を図り、さらに米国、欧州及びアジアを中心にグローバルに事業を展開していき、新たながん治療の選択肢として各国にステボロニン®を提供することを中長期の経営戦略としております。
適応拡大については、主にBNCTの臨床研究データが豊富な疾患や未だ有効な標準的治療法が見つかっていない疾患に対する医療ニーズ、いわゆる「Unmet Medical Needs」の分野での適応拡大を目指し、CSRの観点からも社会に貢献していく方針であります。
また、海外展開においては、グローバルの製薬企業等をパートナー企業として提携し、導出モデルをとることで上市までの期間短縮を図る方針であります。
(4)経営環境並びに優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社が属する製薬業界は、国内における市場規模は横ばいで推移しつつも、がん患者数はなだらかな増加傾向を示しております。高齢化社会を迎えている日本では、医療費の増加とともに今後も一定の市場規模を維持していくことが予測されます。
また、海外では当社が属するがん治療の分野においては、新薬承認及びオーファンドラッグ(希少疾病医薬品)の増加等により米国を始めとした主要な市場での伸長が予測されております。
がん治療の分野においては、新薬の研究開発が盛んに行われており、潜在的な競合相手に先行するためには、開発から承認に至るまで開発計画を遅延することなく迅速に進める必要があります。
このような経営環境の下、当社が対処すべき主な課題は、次のとおりであります。
① 適応疾患の拡大
当社は、2020年3月に、切除不能な局所進行又は局所再発の頭頸部癌を効能・効果として、ステボロニン®の製造販売承認を取得するに至りました。現在、頭頸部癌以外の疾患では、再発高悪性度髄膜腫(医師主導治験により実施)、血管肉腫を対象に臨床試験を実施しており、悪性黒色腫の開発は第Ⅰ相臨床試験で対象とした疾患から適応を広げることも含めて、今後検討していく予定です。再発高悪性度髄膜腫、悪性黒色腫及び血管肉腫も国内では同様に希少がんとされております。対象疾患については、過去の臨床研究等のデータを基に、安全かつ有効な評価が得られる可能性が高い疾患を慎重に選定することで、確度の高い開発計画を策定する方針であります。また、既に国内第Ⅱ相臨床試験を完了している再発悪性神経膠腫に対しては、その結果を用いて承認申請を行う当初方針を変更し、初発悪性神経膠腫への適応拡大も視野に入れ、再検討することとしております。
治験の実施においては、開発体制の強化と開発資金の獲得を滞りなく進め、スケジュール管理の徹底等によって開発計画を着実に実施していくことを目指してまいります。
② 海外展開の推進
日本で承認を得た疾患を対象に、米国、欧州及びアジアを中心とした海外市場への展開を計画しております。海外展開において、早期の上市を目指すには、地域ごとに異なる医薬品の製造販売承認に係るレギュレーションを熟知しているパートナー企業との提携が必要不可欠であると考えられます。当社は、海外展開において信頼できるパートナー企業をいち早く選定し、関係構築及び連携を推進してまいります。
③ 新規パイプラインの拡充
医薬品事業においては、開発パイプラインの充実度が将来の利益貢献に大きく影響することから、新規パイプラインの拡充が重要となります。この点、当社では、BNCTに関連する新規パイプラインの拡張策として、「18F-FBPA-PET」の開発に取り組んでおります。18F-FBPA-PETによる体内でのボロファラン(10B)分布の可視化により、BNCTへの適応の検討が容易になることから、BNCTとのシナジー効果が期待されます。当該開発以外にも、当社は、経営資源を有効に活用し、長期的な成長戦略に基づいた新規パイプラインの拡充を実施してまいります。
④ 財務体質の強化
当社のビジネスモデル上、開発パイプラインが上市され収益化する前に多額の研究開発費用が先行して必要となるため、当社においては、継続的に営業損失及び営業キャッシュ・フローのマイナスが発生する可能性があります。そのため、早期の黒字化とともに財務体質の強化が課題であると認識しております。今後は研究開発活動の適切なコントロールに加え、金融機関からの資金調達や新株発行等により、更なる財務体質の強化に努める方針であります。
⑤ 優秀な人材の獲得及び育成
当社は、現在、小規模の組織で事業運営を行っておりますが、今後のグローバル展開のためには、製薬業界に通じた経験や知見等を有する優秀な人材を採用し、営業体制、開発体制及び管理体制を整備していくことが重要であると認識しております。また、採用活動を進めるとともに、教育訓練も重視して取り組み、企業と従業員がともに成長していくことができる体制の構築に取り組んでまいります。
⑥ 安定供給の維持・確保
治療を必要とする患者のもとに高品質な医薬品を安定的に供給することは、医薬品メーカーにとって最も重要な使命の一つであります。当社は、厳格な基準による製造管理・品質管理を行うとともに、需要予測の精査及び適正在庫の確保を通じて、安定供給の維持・向上を図っておりますが、現状においては、特に原材料は代替品が無いものとなっていることから、災害時等にも安定供給を維持できるように、原材料のセカンドソース化や相当期間分の販売に対応できる在庫数量の確保等に取り組んでまいります。
当社の事業運営及び展開等について、リスク要因として考えられる主な事項を以下に記載しております。また、当社が必ずしも事業上の重要なリスクであると認識していない事項も含まれておりますが、投資判断上若しくは当社の事業活動を十分に理解する上で重要と考えられる事項については、投資家や株主に対する積極的な情報開示の観点から記載しております。
当社は、これらのリスクの発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の適切な対応に努める方針でありますが、その対策の成否には不確実性を伴うため、当社株式に関する投資判断は、以下の事項及び本項以外の記載も併せて、慎重に検討した上で行われる必要があると考えます。また、当社の事業は、これら以外にも様々なリスクを伴っており、下記の記載は投資判断のためのリスクを全て網羅するものではありません。
当社は、医薬品等の開発、製造及び販売を行っておりますが、医薬品等の開発には長い年月と多額の研究開発費用を要し、全ての開発が成功するとは限りません。特に研究開発段階のパイプラインを有する製造開発型バイオベンチャー企業は、事業のステージや状況によっては、一般投資者の投資対象として供するには相対的にリスクが高いと考えられており、当社への投資はこれに該当します。
なお、文中の将来に関する記載は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
Ⅰ.医薬品等の研究開発事業及び医薬品業界に関するリスク
(1)研究開発の不確実性について
適応疾患の拡大を含む医薬品等の研究開発は、一般的に基礎研究から承認取得まで長期間を要し、相当規模の研究開発投資が必要となります。その一方で、新規医薬品の安全性及び有効性の評価は臨床試験による検証を要し、その成功の可能性は、他の産業と比較して相対的に低いものとされております。
従って、新規医薬品の開発過程においては、臨床試験の結果等に起因して、開発が遅延し又は中止となる場合があることから、研究開発活動の将来性は不確実性を伴っております。
新規医薬品の開発は、製薬企業のほか、臨床試験を実施する医師及び医療機関、各国の薬事関連法規等に基づき承認権限を有する規制当局の三者によって実施されます。製薬企業が策定した臨床試験計画等について、臨床試験を実施する医師の見解あるいは医療機関における意思決定等の内容によっては、計画の変更を余儀なくされる場合があります。また、承認取得には厳格な審査を受ける必要があり、審査過程において規制当局からの要望又は指導等により、計画の変更を余儀なくされる場合があります。また、医薬品業界を規制する医薬品医療機器等法や他の関連法令の改定により、計画の変更を余儀なくされる場合があります。これらの要因により、開発が遅延し又は中止となる場合があり、当社の財政状態及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(2)副作用及び製造物責任について
医薬品は、臨床試験段階から上市後まで、予期せぬ副作用が発現する可能性があります。医薬品の安全性は、非臨床試験及び臨床試験において十分に検討されますが、少数例での臨床試験では検出されなかった発現頻度の低い副作用が、当該医薬品の上市後において検出される可能性があります。
当社では、これらの副作用発生による補償又は賠償に対応するために、想定し得る範囲で治験保険あるいは製造物責任保険に加入又は加入を予定しておりますが、保険契約でカバーされる補償の範囲を超えた賠償責任を問われる可能性は否定できません。また、重篤な副作用や死亡例の発現は、製品及び企業のイメージ・ブランドを損ねることとなり、当該製品以外の事業への影響が生じる可能性があります。重篤な副作用や死亡例の発現により、製品の回収、製造販売の中止、薬害訴訟の提起、製造物責任賠償及び他の事業への影響等が生じた場合は、当社の財政状態及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(3)医薬品業界特有の競合関係について
医薬品の開発は、国際的な巨大企業から創薬ベンチャー企業まで国内外の数多くの企業又は研究機関等により、激しい競争環境の下で行われております。当社の開発パイプラインは、特に競争が激しいとされるがん治療の分野であり、新薬等の研究成果あるいはその開発結果によっては、当社開発品の優位性が低下する可能性があります。従って、新薬等の開発、上市又は上市後の販売における競争結果により、当社の製品開発や販売計画等の事業計画が計画どおりに進捗しない場合は、当社の財政状態及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(4)薬事関連法規及び医療保険制度による規制について
当社の属する医薬品業界は、研究、開発、製造及び販売のそれぞれの事業活動において、各国の薬事関連法規、医療保険制度及びその他関係法令等により、様々な規制を受けており、国内における医薬品の製造販売に関しては、以下の許認可を取得しております。当社は、当該許認可を受けるための関連法規及び諸条件の遵守に努めており、当事業年度末現在において当該許認可が取り消しとなる事由は発生していないものと認識しておりま
す。しかし、法令違反等により当該許認可が取り消された場合には、医薬品の回収又は製造及び販売を中止することを求められる可能性があります。このような事象が生じた場合は、当社の財政状態及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
また、適応疾患の拡大を含む医薬品の開発には、相当規模の研究開発投資と長い歳月を必要としますが、安全性、有効性及び品質に関する十分なデータが得られず、規制当局が医薬品としての有用性を認めない場合には、承認が計画どおり取得できず上市が困難になる可能性があります。これは開発品を他社に導出する場合も同様であり、当初計画した条件での導出が行えない可能性、導出そのものが困難になる可能性、導出した場合にその契約内容が変更になる可能性若しくは導出契約が解消される可能性があります。また、日本国内では医療費の増加により、定期的な薬価引下げ等の医療費抑制のための施策が実施される傾向にあり、薬価改定等で想定している保険価格が付されない可能性があります。このような事象が生じた場合は、当社の財政状態及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(主たる許認可の状況)
|
許認可の名称 |
所轄官庁等 |
有効期限 |
主な許認可等の取消事由 |
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第一種医薬品製造販売業許可 (医薬品医療機器等法第12条) |
大阪府 |
2023年6月 (5年ごとの更新) |
薬事関連法規に関する法令若しくはこれに基づく処分等に違反する行為があったとき又は役員等が欠格条項に該当したときは許可の取り消し (医薬品医療機器等法第75条第1項) |
Ⅱ.事業遂行上のリスク
(1)販売体制及び販売計画について
当社は、国内では自社販売モデルを採用しておりますが、中性子発生装置の設置状況の進捗や想定する患者数の見積りの精度により実績と計画に相違が生じる可能性があります。また、BNCTは臨床研究として実施した症例数を含めても、その治療実績数は限定的であります。BNCTによる治療が適した症例の数及びその施術数は未知であることに起因し、販売計画が想定どおりに進捗しない可能性もあります。
これらの場合には、当社の棚卸資産及び固定資産の収益性の低下に伴う減損損失の計上等が検討され、当社の財政状態及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
また、当社はBNCTの適応疾患の拡大を計画しておりますが、適応疾患の拡大が想定どおりに進捗しない場合においても、当社の財政状態及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(2)BNCT事業の特異性について
当社が開発するBNCTは、ホウ素薬剤を投与した患者に中性子線を照射することで効果を得るものであり、医薬品と医療機器の双方を使用するコンビネーションプロダクトによる治療法となります。医療機器については、住友重機械工業株式会社において、医療機関に設置可能な小型加速器が開発され、当社と共同で世界初となるBNCTの臨床試験を実施し、2020年3月に製造販売承認を取得されております。また、同社以外においても中性子発生装置の研究開発が進められておりますが、将来、中性子発生装置の研究開発や製造販売の遅延又はその他の何らかの事由の発生により、医療機関への機器の設置が進まない場合や、医療機関に設置された中性子発生装置に不具合が生じた場合等においては、医療機関でのBNCTによる治療が制限され、当社の財政状態及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(3)仕入先に対する依存度について
当社開発品であるステボロニン®の原薬「ボロファラン(10B)」の製造には、その原材料となるホウ素の安定同位体であるB-10を高純度まで濃縮する必要があり、当社は、唯一その技術を国内で有しているステラケミファ株式会社から独占的に仕入れを行っております。
原材料の代替性の確保のため、新たな研究開発や相当期間分の販売に対応できる在庫数量を保有するなど検討して取り組んでおりますが、現状においては、当該原材料は代替性が無いものであり、将来、災害等を含む何らかの事由の発生により、同社との関係で取引や生産が停止した場合は、当社におけるステボロニン®の製造販売が困難となり、当社の財政状態及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
また、同社との原材料の仕入取引に関して、医療用途に限定した独占的取引基本契約を締結しておりますが、同契約の有効期間は医薬品製造販売承認取得日から10年間(以後、1年間ごとに特段の意思表示がない限りは自動的に継続)であります。10年経過以降、同契約の解除又は独占権が付与されない場合、当社の財政状態及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(4)製造委託について
当社開発品であるステボロニン®の製造については、外部の製造委託企業と良好な関係を保ちながら、品質管理及び安定供給に努めております。
しかしながら、万が一、製造委託企業が災害等に見舞われ、製造設備への被害等不測の事態が発生した場合や、製造委託企業の生産管理及び品質管理体制の不備を原因とした製造ラインの休止や法令違反に伴う営業停止処分がなされた場合は製品の品質や安定供給等に支障をきたし、当社の財政状態及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
また、製造委託企業の経営破綻や法令違反に伴う営業許可の取消処分がなされた場合は、当社は製造委託企業
の変更を余儀なくされ、代替企業の選定から製造、検証及び医薬品の一部変更承認申請まで一定の期間を要する
ことから、当社の財政状態及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(5)海外展開について
当社は、米国、欧州及びアジアを中心とした海外市場への展開を計画しております。海外市場への展開においては、適切なパートナー企業との提携が想定どおりに進まない可能性や、提携先での製造や販売に支障が生じる可能性があるほか、法令や規制の変更、政情不安、経済動向の不確実性、税制の変更や解釈の多様性、為替相場の変動、商習慣の相違等に直面する場合があり、これらに伴うコンプライアンスに関する問題の発生を含め、当社の財政状態及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(6)会社組織について
a.小規模組織及び少数の事業推進者への依存
当社は、当事業年度末現在、取締役8名及び従業員46名の小規模組織であり、現在の内部管理体制は組織規模に応じたものとなっております。今後、業容の拡大に応じて内部管理体制の拡充を図る方針ですが、体制の整備が予定どおり進捗しない可能性があります。
また、当社の事業活動は、現在の経営陣、事業を推進する各部門の責任者及び少数の研究開発人員に強く依存するところがあります。そのため、常に優秀な人材の確保と育成に努めていますが、人材確保及び育成が順調に進まない場合、並びに人材の流出が生じた場合には、当社の事業活動に支障が生じ、当社の財政状態及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
b.社歴について
当社は、2007年6月に設立された社歴の浅い企業であります。従って、当社の過去の業績から当社の将来の業績等を推測することは難しい状況にあります。また、企業として未経験のトラブル等が発生する可能性は否定できず、それへの組織としての対応能力については、未知のリスクがあります。
(7)知的財産権について
当社は、研究開発活動等において様々な知的財産権を使用しており、これらは当社所有の権利であるか、あるいは適法に使用許諾を受けた権利のみであると認識しております。当社は、製剤処方にかかる特許権を複数取得又は出願しており、今後も周辺特許の出願を積極的に行っていく方針であります。しかしながら、出願中の特許が登録に至らない、又はその一部のみしか登録に至らない可能性があります。また、当社が所有又は使用許諾を受けた知的財産権に比して優位な知的財産権が第三者によって産み出される可能性や、第三者の知的財産権の侵害に基づく将来の紛争の可能性を完全に回避することは困難であり、これらの事象が生じた場合は、当社の財政状態及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
また、当社では他社の知的財産権の侵害を未然に防止するため、当社として必要と考える特許の調査を実施しております。しかしながら、当社のような研究開発型企業にとって知的財産権侵害の問題を完全に回避することは困難であり、第三者との間で知的財産権に関する紛争が生じた場合には、当社の財政状態及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(8)訴訟等について
当社は、当事業年度末現在において提起されている訴訟はありません。しかしながら、将来何らかの事由の発生により、訴訟等による請求を受ける可能性を完全に回避することは困難であり、そのような事態が生じた場合は、当社の財政状態及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(9)経営上の重要な契約等について
当社の経営上の重要な契約等は、「5 経営上の重要な契約等」に記載のとおりです。事業環境の変化、契約の相手方の方針の変更等何らかの事由により契約が終了する場合、契約の履行に支障が生じる場合には、当社の財政状態及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(10)情報管理について
当社は、事業の過程において技術、営業に関しての機密情報を保持し、また一定の個人情報を有しています。これらの機密情報の外部への流出を防止するため、セキュリティシステムを継続的にアップデートするとともに、情報管理に関する社員教育を実施し、機密情報へのアクセス管理等の管理体制についても強化を図っております。しかしながら、何らかの事由により機密情報が流出する可能性は存在し、そのような事態が生じた場合は、社会的信用の失墜を招き、当社の財政状態及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
Ⅲ.業績等に関するリスク
(1)財務状況について
当社は、適応疾患の拡大を含む医薬品の研究開発を先行して行う、いわゆる創薬系ベンチャー企業であります。医薬品の研究開発には多額の先行投資を要し、その投資資金回収にかかる期間も他産業と比較して相対的に長期に及ぶため、創薬系バイオベンチャー企業が当該事業に取り組む場合は、当期純損失が先行して計上され、一般的に繰越利益剰余金がマイナスとなる傾向にあります。
当社は、開発パイプラインを進捗させるとともに、製品上市後の利益計上及び利益拡大を目指しております。しかしながら、開発計画及び販売計画が計画どおりに進捗しない場合には、将来において当期純利益を計上する時期が遅延する可能性もあります。また、計画どおりに当期純利益を計上できない場合には、繰越利益剰余金がプラスとなる時期も遅延し、配当による株主還元の実施時期が遅れる可能性があります。
(2)業績見通しについて
当社は、事業年度ごとに業績予想を公表しております。しかしながら、経営環境の変化及び上記の不確実性等に伴う予測不可能な要因により、業績予想や目標を期限内に達成すること、また目標を維持することが困難になる可能性があります。
(3)資金繰りについて
当社は、研究開発費用の負担により長期にわたって先行投資の期間が続きます。この先行投資期間においては、継続的に営業損失を計上し、営業活動によるキャッシュ・フローもマイナスとなる可能性があります。
このため、当社製品の上市後も安定的な収益源が確保されるまでの期間においては、必要に応じて適切な時期に資金調達等を実施し、財務基盤の強化を図る方針ですが、必要なタイミングで資金を確保できなかった場合は、当社事業の継続に重大な懸念が生じる可能性があります。
(4)有利子負債について
当社の借入金には、財務制限条項が設定されております。取引銀行との間では良好な関係を築いておりますが、同条項に抵触した場合には、期限の利益の喪失により、当社事業の継続に重大な懸念が生じる可能性があります。また、当社の総資産に対する有利子負債合計の構成は、2022年3月期26.6%、2023年3月期25.3%であり、有利子負債の構成比は減少しております。
今後、事業規模の拡大に伴い借入が増加する可能性があり、金利の急激な変動や金融情勢の変化等により、計画どおり資金調達ができない場合においても当社事業の継続に重大な懸念が生じる可能性があります。
借入金に係る財務制限条項についての詳細は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表」の注記事項をご参照下さい。
また、有利子負債合計の構成についての詳細は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 ①貸借対照表」をご参照下さい。
(5)調達資金の使途について
上場時の公募増資等により調達する予定の資金は、ステボロニン®の適応疾患の拡大のための国内外における研究開発資金、長期借入金の返済原資並びに事業運営及び開発のために必要な人件費等に充当する計画であります。ただし、研究開発活動等の成果が収益に結びつくには長期間を要する一方で、研究開発投資から期待した成果が得られる保証はなく、その結果、調達した資金が期待される利益には結びつかない可能性があります。
また、がん治療の分野においては、外部環境が急速に変化する可能性があります。新薬の上市の動向、法令等の改正、当社の研究開発活動の進捗状況及び結果によっては、上記の資金使途以外の事象に資金を充当する可能性があります。
(6)新株発行による資金調達について
当社は、医薬品の研究開発型企業であり、将来の研究開発活動の拡大に伴い、増資等の新株発行を伴う資金調達を機動的に実施していく可能性があります。その場合には、当社の発行済株式数が増加することにより、1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。
当事業年度末現在において行使価額修正条項付新株予約権を用いた資金調達を実施しております。当該新株予約権による潜在株式数は4,009,800株(発行済株式総数に対する割合13.38%)であり、これらの新株予約権の権利が行使された場合は、当社の1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。
(7)当社取締役及び従業員に対する新株予約権について
当社は、当社取締役及び従業員の業績向上に対する意欲や士気を高めるほか、優秀な人材を確保するための施策として、ストック・オプション制度を採用しております。会社法第236条、第238条及び第239条の規定に基づき、株主総会の承認を受け、当社取締役及び従業員に対して、新株予約権の付与を行っております。
当事業年度末現在における当社の発行済株式総数は29,966,300株、当社取締役及び従業員に対する新株予約権による潜在株式数は906,600株(発行済株式総数に対する割合3.03%)であり、これらの新株予約権の権利が行使された場合は、当社の1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。また、今後も優秀な人材の確保のため、同様のインセンティブ・プランを継続する可能性があります。従って、今後付与される新株予約権が行使された場合にも、当社の1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。
(8)配当政策
医薬品の研究開発には多額の先行投資が必要であり、その投資回収までの期間も長期に及ぶ傾向にあり、当社においても繰越利益剰余金がマイナスとなっております。
2023年3月期においては、会社法の規定上、配当可能額がありませんが、株主への利益還元については重要な経営課題と認識しており、製品上市後、医薬品事業の収益力が安定し、継続的に当期純利益が計上され、相当の財政状態になった場合は、配当による利益還元の実施を検討したいと考えておりますが、予測不可能な要因による経営環境の変化や研究開発計画の遅延等により想定どおりに配当を実施できない可能性があります。
Ⅳ.大株主(ステラケミファ株式会社)との関係について
(1)資本関係について
ステラケミファ株式会社(以下、「同社」という。)は、当事業年度末現在、当社議決権の38.21%を所有する大株主であります。当社は同社の100%子会社として設立されましたが、現在は同社の関連会社に該当しております。
(2)同社との取引関係について
当社が開発している医薬品の主となる原材料は、ホウ素の安定同位体であるB-10を高純度まで濃縮する必要があり、唯一その技術を国内で有している同社から独占的に仕入を行っております。当該原材料は代替品が無いものであり、取引の合理性及び取引条件の妥当性を慎重に検討した上で、今後も継続的に取引を行う方針であります。
(3)同社との取引条件について
当社と同社は「(2)同社との取引関係について」に記載しております原材料の仕入取引に関して、医療用途に限定した独占的取引基本契約を締結しております。同契約の有効期間は、医薬品製造販売承認の取得日から10年間(以後、1年間ごとに特段の意思表示がない限りは自動的に継続)であります。なお、同契約においては、①同契約又は同契約に基づく個別契約に定める個別の条項に違反し、催告しても是正されなかった場合、②反社会的勢力の排除に係る条項に違反した場合、③破産手続、民事再生手続又は会社更生手続開始の申し立てがあった場合、④手形や小切手の不渡り処分を受けた場合、⑤合併(存続会社となる場合を除く)、会社分割、事業全部若しくは重要な一部の譲渡又は解散を決議した場合、⑥監督官庁より営業許可若しくは営業登録の取消処分を受けた場合、⑦その他財政状態が著しく悪化したと認められる相当の事由がある場合は、相互に同契及び同契約に基づく個別契約の一部又は全部を解除できることとなっております。当社は、当事業年度末現在において同契約の継続に支障をきたす要因は存在しておりません。
同契約において定められている取引価格については、第三者間で通常行われる取引に準じ、製造原価に適正な利益率を付加して、取引価格を決定しております。取引価格の基礎となる製造原価(直接費)は、設備投資にかかる減価償却費及びメンテナンス費用等の固定費が大部分を占めております。同契約においては、経済情勢の変動又は製造原価の大幅な変動等があった場合には取引価格が変更できる旨定めておりますが、取引価格の改定時に同社の恣意性が働かないようにするため、取引価格の改定は大規模な設備投資が追加的に必要になった場合等に限定しており、その場合には当社に対し数値的根拠の開示及び改定後の取引価格についての当社の承諾が必要な旨を定めております。さらに、当社の業容拡大に応じ、取引量が増加した場合には、一定の値引きが行われる旨を定めております。なお、取引価格については、監査等委員会及び取締役会で慎重に検討の上、適切な水準で決定しております。
また、当社のホウ素製剤に使用している同社の原材料が売上原価に占める構成割合は相対的に低く、取引価格の改定が及ぼす影響は限定的であります。今後の取引においても第三者取引に準じた公正な取引価格及び取引条件を継続する旨、同社から意見表明を得ております。
(4)同社からの独立性の確保について
当社と同社との間に競合関係はなく、同社からの出向者はおらず、原材料取引及び債務保証以外に当社の事業活動に影響を与えるものはありません。
当社の経営判断については、同社の承認を必要とする事項はなく、当社が独自に検討した上で決定し、独立性は確保していると認識しております。
現在、同社との関係について大きな変更を想定しておりませんが、将来において、同社との関係に大きな変化が生じた場合は、当社の経営に影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態の状況
(資産)
当事業年度末における流動資産は3,792,734千円となり、前事業年度末に比べ382,451千円減少いたしました。これは、仕掛品が143,398千円、売掛金が42,348千円増加した一方で、現金及び預金が565,899千円減少したことが主な要因であります。
固定資産は536,318千円となり、前事業年度末に比べ7,144千円減少いたしました。これは、有形固定資産が10,850千円増加した一方で、投資その他の資産が11,213千円、無形固定資産が6,781千円減少したことが要因であります。
この結果、総資産は、4,329,053千円となり、前事業年度末に比べ389,596千円減少いたしました。
(負債)
当事業年度末における流動負債は421,585千円となり、前事業年度末に比べ113,499千円増加いたしました。これは、未払金が131,852千円、未払費用が2,916千円増加した一方で、未払法人税等が21,799千円減少したことが主な要因であります。
固定負債は1,154,965千円となり、前事業年度末に比べ175,974千円減少いたしました。これは、長期借入金が160,008千円、長期未払金が12,500千円、退職給付引当金が3,466千円減少したことが要因であります。
この結果、負債合計は、1,576,550千円となり、前事業年度末に比べ62,475千円減少いたしました。
(純資産)
当事業年度末における純資産は2,752,502千円となり、前事業年度末に比べ327,120千円減少いたしました。これは、減資による欠損填補として繰越利益剰余金が2,636,930千円、新株予約権の行使による新株の発行により資本金と資本準備金がそれぞれ220,794千円増加した一方で、減資による欠損填補として資本金が728,653千円、資本準備金が1,908,276千円減少し、当期純損失778,824千円を計上したことが主な要因であります。
この結果、自己資本比率は63.3%(前事業年度末は65.3%)となりました。
② 経営成績の状況
当事業年度における国内の医薬品業界は、新薬創出の難易度が高まる中、医療費を含む社会保障費の適正化政策の方針継続や薬価制度の改正の影響等により、厳しい事業環境の中で推移いたしました。
このような環境のもと、当社は新たに海外事業展開を図るべく、住友重機械工業株式会社と同社のBNCT用加速器の海外導入に向けてパートナーシップ契約を締結し、2022年6月には同社とともに中国・海南博鰲(ボアオ)楽城国際医療旅遊先行区へのBNCTの導入に向けて、中国生物科技服務控股有限公司及び同社傘下の鵬博(海南)硼中子医療科技有限公司と、当社製品である「ステボロニン®」の供給に関する基本契約を締結いたしました。当該契約の締結により、日本発の治療を初めて海外に展開することになりました。また、同年12月には欧米市場を対象とした当社製品の安定供給体制の確立のため、米国の医薬品受託製造会社であるBryllan LLCとの間で医薬品開発製造に関する基本契約を締結し、海外での生産体制構築に着手いたしました。
また、開発パイプラインの一つである悪性黒色腫及び血管肉腫を対象とした第Ⅰ相臨床試験の主要評価に関する観察期間が完了し、血管肉腫を対象とした国内第Ⅱ相臨床試験を開始するとともに、国内では再発悪性神経膠腫の治療に対するBNCTの有効性を、PET(陽電子放出断層撮影)検査を用いた新しい評価方法で、より正確に評価することを目的とした研究者主導の特定臨床研究への協力に関する契約を締結したほか、国内におけるBNCTの拡大への取り組みとして、国立大学法人岡山大学と悪性黒色腫を対象にBNCTの応用に向けた共同研究に関する契約を締結いたしました。
BNCT治療の認知度向上に向けた取り組みとしましては、IAEA(International Atomic Energy Agency, 国際原子力機関)総会サイドイベントにて、BNCT用薬剤に関する発表を行いました。同機関が掲げる原子力の平和利用や医療貢献の観点から、日本で治療が開始されたBNCTはIAEA内でも注目されており、当該サイドイベントには製薬企業としては当社が唯一参加し、BNCT及び当社の認知度向上につなげることができました。
これら海外事業展開の加速化や開発パイプラインのより一層の充実、BNCTの認知度向上に向けた様々な施策の実
行のため、行使価額修正条項付新株予約権を用いた追加的な資金調達も同時に実施しております。
国内のBNCTの症例数については、新型コロナウイルス感染症による医療機関への受診控えが落ち着きを示すとと
もに、各種学会や当社が主催するWebセミナーを積極的に開催し、BNCTの普及活動を全社一丸となって推進することで症例数は増加いたしました。その影響により売上高は伸長した一方、海外事業の展開に向けた先行投資等が発生することで販売費及び一般管理費は増加いたしました。
以上の結果、 当事業年度の売上高は229,067千円(前年同期比128.8%増)、営業損失は806,775千円(前事業年度は営業損失741,902千円)、経常損失は775,974千円(前事業年度は経常損失764,088千円)、当期純損失は778,824千円(前事業年度は当期純損失767,719千円)となりました。
なお、当社は医薬品開発事業のみの単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。
<創薬パイプラインの状況>
(ⅰ)SPM-011[対象疾患:再発悪性神経膠腫]
日本国内において、2015年12月に第Ⅱ相臨床試験の治験届を提出し、2017年4月には厚生労働省の「先駆け審査指定制度」の対象品目に指定され、2020年7月に治験終了届を提出いたしました。
当該治験の主要評価項目は、BNCT施術後1年後における生存割合とし、安全性及び有効性について評価しております。その結果、再発膠芽腫24例の1年生存率が79.2%となり、試験開始前の設定期待値60%を超える結果となりました。当該試験結果をもって、先駆け審査指定制度の枠組みにおいて独立行政法人医薬品医療機器総合機構と一部変更申請に向けた協議を行っておりましたが、当該試験の主要評価項目である生存率は、年齢やがんの組織型(grade)、術前の全身状態等の患者背景因子が影響することから、同機構からは、当該因子の相違を排除した上で有効性を示す追加的な臨床データの必要性について指摘されました。
当該指摘に対して当社は、レトロスペクティブ調査により、追加的に要求された臨床データの取得を計画し、同機構と協議を継続してまいりましたが、同調査は中止し、今後の方向性については再検討することとしております 。
(ⅱ)SPM-011[対象疾患:再発高悪性度髄膜腫]
大阪医科薬科大学病院において、医師主導治験として第Ⅱ相臨床試験を実施しており、2021年9月には当該試験の被験者登録が終了しました。今後は被験者の経過観察期間(最長3年間)を経て、評価、データ解析等の試験が実施される予定であり、当該試験の終了後はPMDAと申請に向けた協議を開始いたします。
なお、当該試験で使用された治験薬は当社が提供しております。
(ⅲ)SPM-011[対象疾患:悪性黒色腫及び血管肉腫]
日本国内において、2019年9月に治験届を提出し、2022年9月には第Ⅰ相臨床試験の主要評価に関する90日間の観察期間が完了いたしました。その結果、患者の組み入れ数において血管肉腫が多数を占めたため、より早く医療現場にBNCTを届ける可能性が高いと判断し、2022年11月には、血管肉腫を対象とした国内第Ⅱ相臨床試験を開始し、2023年1月には最初の被験者への照射も実施されました。なお、血管肉腫に関しては、希少疾病医薬品の指定に向けて、厚生労働省と協議しております。
今後、血管肉腫を優先的に開発することとしながら、悪性黒色腫の開発は第Ⅰ相臨床試験で対象とした疾患から適応を広げることも含めて引き続き検討していく予定です。
なお、本試験は株式会社CICSが開発した加速器中性子捕捉療法装置「CICS-1」を用い、国立研究開発法人国立がん研究センター中央病院において実施しております。
③ キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、2,669,727千円(前事業年度末は3,235,502千円)となり、前事業年度末に比べ565,775千円減少いたしました。
当事業年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において営業活動の結果使用した資金は827,669千円(前年同期は1,081,129千円の支出)となりました。これは主に、税引前当期純損失775,974千円を計上するとともに、棚卸資産が166,972千円増加、売上債権が42,348千円増加した一方で、未払金が108,584千円増加、減価償却費を35,049千円計上したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において投資活動の結果使用した資金は29,925千円(前年同期は350,562千円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出25,404千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において財務活動の結果獲得した資金は291,819千円(前年同期は3,829,240千円の収入)となりました。これは主に、新株予約権の行使による株式発行による収入438,324千円、新株予約権の発行による収入13,409千円があった一方で、長期借入金の返済による支出160,008千円があったことによるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
|
事業部門の名称 |
当事業年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
|
|
金額(千円) |
前年同期比(%) |
|
|
医薬品事業 |
373,437 |
74.0 |
(注)金額は販売価格によっております。
b.受注実績
当社は、市場動向の予測に基づく見込み生産を行っており、受注生産は行っておりません。
c.販売実績
当社は、医薬品事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を行っておりません。
当事業年度の販売実績は以下のとおりであります。
|
事業部門の名称 |
当事業年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
|
|
金額(千円) |
前年同期比(%) |
|
|
医薬品事業 |
229,067 |
228.8 |
(注)主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
|
相手先 |
前事業年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当事業年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
||
|
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
|
株式会社エス・ディ・コラボ |
100,096 |
100.0 |
229,067 |
100.0 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成されております。この財務諸表の作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。
② 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に含めて記載しております。
③ 資本の財源及び資金の流動性
当社の運転資金は、新株式の発行と金融機関からの借入であります。当事業年度末における現金及び現金同等物は2,669,727千円であり、充分な流動性を確保しております。当社は、研究開発投資が資金需要の大部分を占めており、今後も継続して研究開発投資を実施する方針であります。必要な資金につきましては、自己資金のほか、新株式の発行や金融機関からの借入等により、資金調達を行う方針であります。
④ 経営戦略の現状と見通し
当社の経営上の目標は、BNCTの認知度の向上と上市後の安定的な収益の獲得及びそれに伴う事業基盤の確立であります。そこでBNCTの実施症例数の伸長に基づく月次売上高(ステボロニン®の受注数量)を上記目標の達成状況を判断するための主要な経営指標としております。
当事業年度の月次売上高の推移は次のとおりとなっております。
|
(単位:千円) |
|||||||
|
売上高 |
4月 |
5月 |
6月 |
7月 |
8月 |
9月 |
年間累計 |
|
7,699 |
7,699 |
30,799 |
15,399 |
7,699 |
23,099 |
229,067 |
|
|
10月 |
11月 |
12月 |
1月 |
2月 |
3月 |
||
|
13,474 |
15,399 |
53,898 |
15,399 |
7,699 |
30,799 |
||
今後もBNCTの認知度の向上と上市後の安定的な収益獲得が実現できるよう経営資源を重点的に配分してまいります。
⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「3 事業等のリスク」をご参照下さい。
⑥ 経営者の問題意識と今後の方針
経営者の問題意識と今後の方針につきましては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照下さい。
|
相手方の名称 |
国名 |
契約品目 |
契約締結日 |
契約内容 |
契約期間 |
|
ステラケミファ株式会社 |
日本 |
原材料 |
2019年7月24日 |
原材料の独占的売買取引に係る契約 |
医薬品の製造販売承認取得日から10年間 以後1年ごとの自動更新 |
|
国立研究開発法人 日本医療研究開発機構 (注)1 |
日本 |
特許権及び ノウハウ |
2021年2月9日 |
知的財産権の独占的通常実施権の実施許諾に係る契約(注)2 |
契約締結日から対象となる特許権の存続期間の満了日まで(注)3 |
(注)1.特許権等を含む知的財産権の実施料として、売上金額から直接経費を控除した額に対し、一定率を乗じた額を支払っております。
2.当該契約は、事前同意を得ずに、開発成果の実施に係る事業譲渡、当社の議決権の過半数を有する1つ又は複数の株主の異動(ただし、当社がその発行する株式を日本の株式市場に上場する場合を除く。)、合併、会社分割、株式移転、株式交換その他の事由による契約上の地位又は権利義務の承継をすることができない条項を含んでおります。
3.契約期間の定めに関わらず、実施料の支払い対象となる売上金額には、契約期間内における販売実績のほか、契約締結日以前の販売実績及び契約満了日に当該実施権の対象となる製品在庫を当社が有する場合には、契約満了日の属する事業年度の末日までの販売実績を含んでおります。
|
2023年3月31日現在 |
|
事業所名 (所在地) |
設備の内容 |
帳簿価額(千円) |
従業員数 (人) |
|||
|
建物 |
機械及び装置 |
工具、器具及び備品 |
合計 |
|||
|
本社 (大阪市中央区) |
事務所設備 |
4,298 |
0 |
3,315 |
7,614 |
28 (2) |
|
研究所 (堺市中区) |
研究開発設備 |
2,309 |
89,138 |
3,028 |
94,476 |
16 (1) |
|
事務所 (東京都中央区) |
事務所設備 |
537 |
ー |
246 |
783 |
2 (-) |
(注)1.現在休止中の主要な設備はありません。
2.従業員数の( )は、臨時雇用者数を外書しております。
3.当社は、医薬品開発事業のみの単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。
4.上記の他、他の者から賃借している設備の内容は以下のとおりであります。
|
事業所名 (所在地) |
設備の内容 |
年間賃借料又はリース料 (千円) |
リース契約残高 (千円) |
|
本社 (大阪市中央区) |
事務所設備(賃借) |
23,400 |
- |
|
事務所 (東京都中央区) |
事務所設備(賃借) |
2,725 |
- |
|
種類 |
発行可能株式総数(株) |
|
普通株式 |
79,840,000 |
|
計 |
79,840,000 |
|
種類 |
事業年度末現在発行数 (株) (2023年3月31日) |
提出日現在発行数(株) (2023年6月28日) |
上場金融商品取引所名又は登録認可金融商品取引業協会名 |
内容 |
|
|
|
|
東京証券取引所 グロース市場 |
単元株式数 100株 |
|
計 |
|
|
- |
- |
(注)「提出日現在発行数」欄には、2023年6月1日からこの有価証券報告書提出日までの新株予約権の行使により発行された株式数は含まれておりません。
会社法に基づく新株予約権は、次のとおりであります。
a.第1回新株予約権(2016年11月16日開催の臨時株主総会決議及び2016年11月16日開催の普通株主による種類株主総会決議)
|
決議年月日 |
2016年11月16日 |
|
付与対象者の区分及び人数(名) |
当社取締役 3 当社従業員 29 (注)5 |
|
新株予約権の数(個)※ |
3,478 (注)1 |
|
新株予約権の目的となる株式の種類、内容及び数(株)※ |
普通株式 347,800 (注)1、4 |
|
新株予約権の行使時の払込金額(円)※ |
500 (注)2、4 |
|
新株予約権の行使期間※ |
自 2018年11月17日 至 2026年11月16日 |
|
新株予約権の行使により株式を発行する場合の株式の発行価格及び資本組入額(円)※ |
発行価格 500 資本組入額 250 (注)4 |
|
新株予約権の行使の条件※ |
(注)3 |
|
新株予約権の譲渡に関する事項※ |
新株予約権を譲渡により取得するには、当社取締役会の承認を要するものとする。 |
※当事業年度の末日(2023年3月31日)における内容を記載しております。なお、提出日の前月末(2023年5月31日)現在において、これらの事項に変更はありません。
(注)1.新株予約権1個につき目的となる株式数は、100株であります。
ただし、新株予約権の割当日後、当社が株式分割、株式併合を行う場合は、次の算式により付与株式数を調整、調整の結果生じる1株未満の端数は、これを切り捨てる。
調整後付与株式数 = 調整前付与株式数 × 分割・併合の比率
2.新株予約権の割当日後、当社が株式分割、株式併合を行う場合は、次の算式により払込金額を調整し、調整により生ずる1円未満の端数は切り上げる。
|
調整後払込金額 |
= |
調整前払込金額 |
× |
1 |
|
分割・併合の比率 |
また、新株予約権の割当日後に時価を下回る価額で新株式の発行又は自己株式の処分を行う場合は、次の算式により払込金額を調整し、調整により生ずる1円未満の端数は切り上げる。
|
|
|
|
|
既発行株式数 |
+ |
新規発行株式数 × 1株当たり払込金額 |
|
調整後払込金額 |
= |
調整前払込金額 |
× |
1株当たり時価 |
||
|
|
|
|
|
既発行株式数 + 新規発行株式数 |
||
3.新株予約権の行使の条件は以下のとおりであります。
① 新株予約権の割当てを受けた者(以下「新株予約権者」という。)は、権利行使時においても、当社又は当社子会社の取締役、監査役及び従業員の地位にあることを要するものとする。ただし、取締役会がその決議をもって特に認める場合はこの限りではない。
② 新株予約権者が死亡した場合は、新株予約権の相続を認めないものとする。
③ 新株予約権発行要項に定める権利行使期間の制約に加え、同要項に定める権利行使期間の開始日である2018年11月17日あるいは日本国内のいずれかの金融商品取引所に上場した日のいずれか遅い日から権利行使できるものとする。
④ その他の条件は、当社と新株予約権者との間で締結する新株予約権割当契約書に定めるところによる。
4.2019年11月14日をもって、1株につき100株の割合で株式分割を行っております。これにより、新株予約権の目的となる株式の数、新株予約権の行使時の払込金額、並びに新株予約権の行使により株式を発行する場合の株式の発行価格及び資本組入額が調整されております。
5.提出日現在の「付与対象者の区分及び人数」は、付与対象者の権利の行使、異動及び退職による区分の変更並びに退職による権利の喪失により、当社取締役4名、当社従業員19名、当社元従業員3名、当社元取締役1名となっております。
b.第2回新株予約権(2017年3月15日開催の定時株主総会決議及び2017年3月15日開催の普通株主による種類株主総会決議)
|
決議年月日 |
2017年9月13日 |
|
付与対象者の区分及び人数(名) |
当社取締役 3 当社従業員 39 (注)5 |
|
新株予約権の数(個)※ |
1,665 (注)1 |
|
新株予約権の目的となる株式の種類、内容及び数(株)※ |
普通株式 166,500 (注)1、4 |
|
新株予約権の行使時の払込金額(円)※ |
500 (注)2、4 |
|
新株予約権の行使期間※ |
自 2019年9月14日 至 2027年9月13日 |
|
新株予約権の行使により株式を発行する場合の株式の発行価格及び資本組入額(円)※ |
発行価格 500 資本組入額 250 (注)4 |
|
新株予約権の行使の条件※ |
(注)3 |
|
新株予約権の譲渡に関する事項※ |
新株予約権を譲渡により取得するには、当社取締役会の承認を要するものとする。 |
※当事業年度の末日(2023年3月31日)における内容を記載しております。なお、提出日の前月末(2023年5月31日)現在において、これらの事項に変更はありません。
(注)1.新株予約権1個につき目的となる株式数は、100株であります。
ただし、新株予約権の割当日後、当社が株式分割、株式併合を行う場合は、次の算式により付与株式数を調整、調整の結果生じる1株未満の端数は、これを切り捨てる。
調整後付与株式数 = 調整前付与株式数 × 分割・併合の比率
2.新株予約権の割当日後、当社が株式分割、株式併合を行う場合は、次の算式により払込金額を調整し、調整により生ずる1円未満の端数は切り上げる。
|
調整後払込金額 |
= |
調整前払込金額 |
× |
1 |
|
分割・併合の比率 |
また、新株予約権の割当日後に時価を下回る価額で新株式の発行又は自己株式の処分を行う場合は、次の算式により払込金額を調整し、調整により生ずる1円未満の端数は切り上げる。
|
|
|
|
|
既発行株式数 |
+ |
新規発行株式数 × 1株当たり払込金額 |
|
調整後払込金額 |
= |
調整前払込金額 |
× |
1株当たり時価 |
||
|
|
|
|
|
既発行株式数 + 新規発行株式数 |
||
3.新株予約権の行使の条件は以下のとおりであります。
① 新株予約権の割当てを受けた者(以下「新株予約権者」という。)は、権利行使時においても、当社又は当社子会社の取締役、監査役及び従業員の地位にあることを要するものとする。ただし、取締役会がその決議をもって特に認める場合はこの限りではない。
② 新株予約権者が死亡した場合は、新株予約権の相続を認めないものとする。
③ 新株予約権発行要項に定める権利行使期間の制約に加え、同要項に定める権利行使期間の開始日である2019年9月14日あるいは日本国内のいずれかの金融商品取引所に上場した日のいずれか遅い日から権利行使できるものとする。
④ その他の条件は、当社と新株予約権者との間で締結する新株予約権割当契約書に定めるところによる。
4.2019年11月14日をもって、1株につき100株の割合で株式分割を行っております。これにより、新株予約権の目的となる株式の数、新株予約権の行使時の払込金額、並びに新株予約権の行使により株式を発行する場合の株式の発行価格及び資本組入額が調整されております。
5.提出日現在の「付与対象者の区分及び人数」は、付与対象者の権利の行使、異動及び退職による区分の変更並びに退職による権利の喪失により、当社取締役5名、当社従業員23名、当社元取締役1名、当社元従業員4名となっております。
c.第3回新株予約権(2019年6月25日開催の定時株主総会決議及び2019年6月25日開催の普通株主による種類株主総会決議)
|
決議年月日 |
2019年7月17日 |
|
付与対象者の区分及び人数(名) |
当社取締役 5 当社従業員 10 (注)5 |
|
新株予約権の数(個)※ |
3,923 (注)1 |
|
新株予約権の目的となる株式の種類、内容及び数(株)※ |
普通株式 392,300 (注)1、4 |
|
新株予約権の行使時の払込金額(円)※ |
582 (注)2、4 |
|
新株予約権の行使期間※ |
自 2021年7月18日 至 2029年7月17日 |
|
新株予約権の行使により株式を発行する場合の株式の発行価格及び資本組入額(円)※ |
発行価格 582 資本組入額 291 (注)4 |
|
新株予約権の行使の条件※ |
(注)3 |
|
新株予約権の譲渡に関する事項※ |
新株予約権を譲渡により取得するには、当社取締役会の承認を要するものとする。 |
※当事業年度の末日(2023年3月31日)における内容を記載しております。なお、提出日の前月末(2023年5月31日)現在において、これらの事項に変更はありません。
(注)1.新株予約権1個につき目的となる株式数は、100株であります。
ただし、新株予約権の割当日後、当社が株式分割、株式併合を行う場合は、次の算式により付与株式数を調整、調整の結果生じる1株未満の端数は、これを切り捨てる。
調整後付与株式数 = 調整前付与株式数 × 分割・併合の比率
2.新株予約権の割当日後、当社が株式分割、株式併合を行う場合は、次の算式により払込金額を調整し、調整により生ずる1円未満の端数は切り上げる。
|
調整後払込金額 |
= |
調整前払込金額 |
× |
1 |
|
分割・併合の比率 |
また、新株予約権の割当日後に時価を下回る価額で新株式の発行又は自己株式の処分を行う場合は、次の算式により払込金額を調整し、調整により生ずる1円未満の端数は切り上げる。
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既発行株式数 |
+ |
新規発行株式数 × 1株当たり払込金額 |
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調整後払込金額 |
= |
調整前払込金額 |
× |
1株当たり時価 |
||
|
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|
|
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既発行株式数 + 新規発行株式数 |
||
3.新株予約権の行使の条件は以下のとおりであります。
① 新株予約権の割当てを受けた者(以下「新株予約権者」という。)は、権利行使時においても、当社又は当社子会社の取締役、監査役及び従業員の地位にあることを要するものとする。ただし、取締役会がその決議をもって特に認める場合はこの限りではない。
② 新株予約権者が死亡した場合は、新株予約権の相続を認めないものとする。
③ 新株予約権発行要項に定める権利行使期間の制約に加え、同要項に定める権利行使期間の開始日である2021年7月18日あるいは日本国内のいずれかの金融商品取引所に上場した日のいずれか遅い日から権利行使できるものとする。
④ その他の条件は、当社と新株予約権者との間で締結する新株予約権割当契約書に定めるところによる。
4.2019年11月14日をもって、1株につき100株の割合で株式分割を行っております。これにより、新株予約権の目的となる株式の数、新株予約権の行使時の払込金額、並びに新株予約権の行使により株式を発行する場合の株式の発行価格及び資本組入額が調整されております。
5.提出日現在の「付与対象者の区分及び人数」は、付与対象者の退職による権利の喪失により、当社取締役5名、当社従業員5名、当社元取締役1名、当社元従業員1名となっております。
該当事項はありません。
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年月日 |
発行済株式総数増減数(株) |
発行済株式総数残高(株) |
資本金増減額 (千円) |
資本金残高 (千円) |
資本準備金 増減額 (千円) |
資本準備金 残高 (千円) |
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2018年7月31日 (注)1 |
普通株式 ― A種優先株式 ― |
普通株式 129,600 A種優先株式 70,000 |
― |
1,900,000 |
△1,100,000 |
700,000 |
|
2019年7月1日 (注)2 |
普通株式 ― A種優先株式 ― |
普通株式 129,600 A種優先株式 70,000 |
― |
1,900,000 |
△700,000 |
― |
|
2019年11月14日 (注)3 |
普通株式 12,830,400 A種優先株式 6,930,000 |
普通株式 12,960,000 A種優先株式 7,000,000 |
― |
1,900,000 |
― |
― |
|
2019年11月15日 (注)4 |
普通株式 7,000,000 A種優先株式 ― |
普通株式 19,960,000 A種優先株式 7,000,000 |
― |
1,900,000 |
― |
― |
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2019年11月15日 (注)5 |
普通株式 ― A種優先株式 △7,000,000 |
普通株式 19,960,000 A種優先株式 ― |
― |
1,900,000 |
― |
― |
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2020年10月29日 (注)6 |
普通株式 177,400 |
普通株式 20,137,400 |
99,964 |
1,999,964 |
99,964 |
99,964 |
|
2021年4月21日 (注)7 |
普通株式 7,391,400 |
普通株式 27,528,800 |
1,564,020 |
3,563,985 |
1,564,020 |
1,663,985 |
|
2021年5月24日 (注)8 |
普通株式 1,108,600 |
普通株式 28,637,400 |
234,579 |
3,798,564 |
234,579 |
1,898,564 |
|
2021年4月1日~ 2022年3月31日 (注)9 |
普通株式 38,700 |
普通株式 28,676,100 |
9,711 |
3,808,276 |
9,711 |
1,908,276 |
|
2022年8月2日 (注)10 |
普通株式 ― |
普通株式 28,676,100 |
△728,653 |
3,079,623 |
△1,908,276 |
― |
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2023年1月4日~ 2023年3月31日 (注)11 |
普通株式 1,290,200 |
普通株式 29,966,300 |
220,794 |
3,300,417 |
220,794 |
220,794 |
(注)1.2018年6月28日開催の定時株主総会決議に基づき、累積損失を早期解消し今後の資本政策に備えるために、資本準備金の額を減少させ、その他資本剰余金に振り替えたものであります。この結果、資本準備金が1,100,000千円(減資割合61.1%)減少しております。
2.2019年6月25日開催の定時株主総会決議に基づき、累積損失を早期解消し今後の資本政策に備えるために、資本準備金の額を減少させ、その他資本剰余金に振り替えたものであります。この結果、資本準備金が700,000千円(減資割合100%)減少しております。
3.株式分割(1:100)によるものです。
4.A種優先株式における普通株式を対価とする取得請求権の行使を停止条件として、2019年11月13日開催の取締役会において、A種優先株式の株式取得条項にかかる決議を行い、当該A種優先株式を自己株式として取得し、対価として普通株式を交付しております。
5.2019年11月15日に取得した自己株式(A種優先株式)を消却しております。
6.有償第三者割当
普通株式 発行価格 1,127円 資本組入額 563.5円 割当先 株式会社スズケン
普通株式 発行価格 1,127円 資本組入額 563.5円 割当先 株式会社ハイメディック
7.有償一般募集(ブックビルディング方式による募集)
発行価格 460円 引受価額 423.20円 資本組入額 211.60円
8.有償第三者割当(オーバーアロットメントによる売出し)
割当価格 423.20円 資本組入額 211.60円 割当先 みずほ証券株式会社
9.2021年4月1日から2022年3月31日までの間に、新株予約権の行使により、発行済株式総数が38,700株、資
本金及び資本準備金がそれぞれ9,711千円増加しております。
10.2022年6月29日開催の第15期定時株主総会決議に基づき、繰越欠損を解消するとともに、今後の資本政策の柔軟性及び機動性を確保するため資本金及び資本準備金の額の減少を行ったものであります。この結果、資本金が728,653千円(減資割合19.1%)及び資本準備金が1,908,276千円(減資割合100%)減少しております。
11.2023年1月4日から2023年3月31日までの間に、新株予約権の行使により、発行済株式総数が1,290,200
株、資本金及び資本準備金がそれぞれ220,794千円増加しております。
12.2021年3月19日付「有価証券届出書」、2021年4月5日付及び2021年4月13日付「有価証券届出書の訂正届出書」にて公表いたしました「第一部 証券情報 第1 募集要項 5 新規発行による手取金の使途 (2)手取金の使途」につき、2022年6月30日付「有価証券報告書」及び2022年12月14日付「上場調達資金使途変更に関するお知らせ」において変更いたしましたが、2023年6月27日付で公表いたしました「上場調達資金使途変更に関するお知らせ」に基づき、以下のとおり変更いたしました。
(1)変更の理由
当初2023年3月期に充当予定であった国内の初発脳腫瘍の開発資金につきましては、開発計画を見直すこととなったため、充当予定時期を2024年3月期~2026年3月期に変更いたします。
(2)変更の内容
資金使途の変更内容は次のとおりです。なお、変更箇所には下線を付しており、変更後の金額における下段の括弧書きの数値は充当済みの金額となります。
また、臨床試験や製法改良等の医薬品の研究開発については、一般的に長期間に亘り実施されるものであるため、重要性の観点から、年度毎の金額によらず合計金額により、記載しております。
(変更前)
|
具体的な資金使途 |
金額(千円) |
充当予定時期 |
|
|
① 臨床試験等の開発資金 |
540,393 |
2022年3月期~2026年3月期 |
|
|
内訳 |
再発脳腫瘍(国内) |
(30,393) |
2022年3月期(全額充当済み) |
|
メラノーマ(国内) |
(35,000) |
2023年3月期~2026年3月期 |
|
|
初発脳腫瘍(国内) |
(5,000) |
2023年3月期 |
|
|
頭頸部癌(欧州) |
(318,000) |
2025年3月期~2026年3月期 |
|
|
頭頸部癌(米国) |
(152,000) |
2024年3月期~2026年3月期 |
|
|
② 海外展開のための技術移管等に係る開発資金 |
158,000 |
2023年3月期~2024年3月期 |
|
|
③ 長期借入金の返済原資 |
800,000 |
2022年3月期~2026年3月期 |
|
|
④ 事業運営及び開発のために必要な人件費等 |
2,068,807 |
2022年3月期~2025年3月期 |
|
|
合計 |
3,567,200 |
|
|
(変更後)
|
具体的な資金使途 |
金額(千円) |
充当予定時期 |
|
|
① 臨床試験等の開発資金 |
540,393 (44,427) |
2022年3月期~2026年3月期 |
|
|
内訳 |
再発脳腫瘍(国内) |
(30,393) (30,393) |
2022年3月期(全額充当済み) |
|
メラノーマ(国内) |
(35,000) (14,034) |
2023年3月期~2026年3月期 |
|
|
初発脳腫瘍(国内) |
(5,000) (-) |
2024年3月期~2026年3月期 |
|
|
頭頸部癌(欧州) |
(318,000) (-) |
2025年3月期~2026年3月期 |
|
|
頭頸部癌(米国) |
(152,000) (-) |
2024年3月期~2026年3月期 |
|
|
② 海外展開のための技術移管等に係る開発資金 |
158,000 (5,605) |
2023年3月期~2024年3月期 |
|
|
③ 長期借入金の返済原資 |
800,000 (320,000) |
2022年3月期~2026年3月期 |
|
|
④ 事業運営及び開発のために必要な人件費等 |
2,068,807 (963,040) |
2022年3月期~2025年3月期 |
|
|
合計 |
3,567,200 (1,333,072) |
|
|
|
|
|
|
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|
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|
2023年3月31日現在 |
||
|
区分 |
株式の状況(1単元の株式数 |
単元未満株式の状況(株) |
|||||||
|
政府及び地方公共団体 |
金融機関 |
金融商品取引業者 |
その他の法人 |
外国法人等 |
個人その他 |
計 |
|||
|
個人以外 |
個人 |
||||||||
|
株主数(人) |
|
|
|
|
|
|
|
|
- |
|
所有株式数 (単元) |
|
|
|
|
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|
|
|
|
|
所有株式数の割合(%) |
|
|
|
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|
|
100.00 |
- |
|
|
|
2023年3月31日現在 |
|
|
氏名又は名称 |
住所 |
所有株式数 (千株) |
発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合(%) |
|
|
|
|
|
|
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|
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|
|
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|
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計 |
- |
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(注)2023年1月10日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書(変更報告書(特例対象株券等))において、日興アセットマネジメント株式会社が2022年12月30日現在で以下の株式を所有している旨が記載されているものの、当社として2023年3月31日現在における実質所有株式数の確認ができませんので、上記大株主の状況は株主名簿の記載内容に基づいて記載しております。
なお、その大量保有報告書の内容は以下のとおりであります。
大量保有者 日興アセットマネジメント株式会社
住所 東京都港区赤坂九丁目7番1号
保有株券等の数 2,843,600株
株券等保有割合 9.92%
|
|
|
(単位:千円) |
|
|
前事業年度 (2022年3月31日) |
当事業年度 (2023年3月31日) |
|
資産の部 |
|
|
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流動資産 |
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|
|
現金及び預金 |
|
|
|
売掛金 |
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|
製品 |
|
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|
仕掛品 |
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|
|
原材料及び貯蔵品 |
|
|
|
前払費用 |
|
|
|
その他 |
|
|
|
流動資産合計 |
|
|
|
固定資産 |
|
|
|
有形固定資産 |
|
|
|
建物 |
|
|
|
減価償却累計額 |
△ |
△ |
|
建物(純額) |
|
|
|
機械及び装置 |
|
|
|
減価償却累計額 |
△ |
△ |
|
機械及び装置(純額) |
|
|
|
工具、器具及び備品 |
|
|
|
減価償却累計額 |
△ |
△ |
|
工具、器具及び備品(純額) |
|
|
|
有形固定資産合計 |
|
|
|
無形固定資産 |
|
|
|
特許権 |
|
|
|
商標権 |
|
|
|
ソフトウエア |
|
|
|
無形固定資産合計 |
|
|
|
投資その他の資産 |
|
|
|
投資有価証券 |
|
|
|
長期前払費用 |
|
|
|
その他 |
|
|
|
投資その他の資産合計 |
|
|
|
固定資産合計 |
|
|
|
資産合計 |
|
|
|
|
|
(単位:千円) |
|
|
前事業年度 (2022年3月31日) |
当事業年度 (2023年3月31日) |
|
負債の部 |
|
|
|
流動負債 |
|
|
|
買掛金 |
|
|
|
1年内返済予定の長期借入金 |
|
|
|
未払金 |
|
|
|
未払費用 |
|
|
|
未払法人税等 |
|
|
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預り金 |
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賞与引当金 |
|
|
|
流動負債合計 |
|
|
|
固定負債 |
|
|
|
長期借入金 |
|
|
|
長期未払金 |
|
|
|
退職給付引当金 |
|
|
|
固定負債合計 |
|
|
|
負債合計 |
|
|
|
純資産の部 |
|
|
|
株主資本 |
|
|
|
資本金 |
|
|
|
資本剰余金 |
|
|
|
資本準備金 |
|
|
|
資本剰余金合計 |
|
|
|
利益剰余金 |
|
|
|
その他利益剰余金 |
|
|
|
繰越利益剰余金 |
△ |
△ |
|
利益剰余金合計 |
△ |
△ |
|
自己株式 |
|
△ |
|
株主資本合計 |
|
|
|
新株予約権 |
|
|
|
純資産合計 |
|
|
|
負債純資産合計 |
|
|
|
|
|
(単位:千円) |
|
|
前事業年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当事業年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
|
売上高 |
|
|
|
売上原価 |
|
|
|
製品期首棚卸高 |
|
|
|
当期製品製造原価 |
|
|
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合計 |
|
|
|
製品期末棚卸高 |
|
|
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製品他勘定振替高 |
|
|
|
製品売上原価 |
|
|
|
売上総利益 |
|
|
|
販売費及び一般管理費 |
|
|
|
営業損失(△) |
△ |
△ |
|
営業外収益 |
|
|
|
受取利息 |
|
|
|
有価証券利息 |
|
|
|
受取手数料 |
|
|
|
受託研究収入 |
|
|
|
その他 |
|
|
|
営業外収益合計 |
|
|
|
営業外費用 |
|
|
|
支払利息 |
|
|
|
新株予約権発行費 |
|
|
|
株式交付費 |
|
|
|
為替差損 |
|
|
|
その他 |
|
|
|
営業外費用合計 |
|
|
|
経常損失(△) |
△ |
△ |
|
税引前当期純損失(△) |
△ |
△ |
|
法人税、住民税及び事業税 |
|
|
|
法人税等合計 |
|
|
|
当期純損失(△) |
△ |
△ |