株式会社QDレーザ
提出会社の状況
(注) 1.当社は連結財務諸表を作成しておりませんので、連結会計年度に係る主要な経営指標等の推移については記載しておりません。
2.持分法を適用した場合の投資利益については、持分法を適用する関連会社が存在しないため記載しておりません。
3.第13期及び第14期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式は存在するものの当社株式は非上場であり、期中平均株価が把握できないため、また、1株当たり当期純損失であるため、記載しておりません。
4.第15期から第17期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在するものの、1株当たり当期純損失であるため記載しておりません。
5.2019年8月9日付で優先株式1株につき普通株式1株の割合で株式の転換を行っております。2019年8月20日付で普通株式1株につき普通株式20株の割合で株式分割を行っております。これにより発行済株式総数は25,132,380株となりました。第13期の期首に当該株式分割が行われたと仮定し、1株当たり純資産額及び1株当たり当期純損失を算定しております。
6.第13期及び第14期の株価収益率は当社株式が非上場であるため記載しておりません。また、第15期から第17期の株価収益率については、当期純損失であるため記載しておりません。
7.第13期から第17期の自己資本利益率については、当期純損失が計上されているため記載しておりません。
8.従業員数は、当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む就業人員であり、臨時雇用者数は年間の平均人員を〔 〕内に外数で記載しております。
9.株主からの取得請求権行使に基づき、2019年8月9日付でA種優先株式355,498株、B種優先株式81,664株、C種優先株式78,678株、D種優先株式85,714株、E種優先株式187,500株、F種優先株式405,865株を自己株式として取得し、その対価として普通株式をそれぞれ355,498株、81,664株、78,678株、85,714株、187,500株、405,865株交付しております。また、2019年8月9日付で自己株式として保有するA種優先株式、B種優先株式、C種優先株式、D種優先株式、E種優先株式及びF種優先株式をすべて消却しております。なお、当社は2019年8月20日開催の臨時株主総会において、同日付で種類株式を発行する旨の定款の定めを廃止しております。
10.第13期から第15期の株主総利回り及び比較指標は、2021年2月5日に東京証券取引所マザーズ市場へ上場したため、記載しておりません。第16期及び第17期の株主総利回り及び比較指標は、2021年3月末を基準として算定しております。
11.最高株価及び最低株価は、2022年4月3日以前は東京証券取引所マザーズ市場におけるものであり、2022年4月4日以降は東京証券取引所グロース市場におけるものであります。なお、2021年2月5日に同取引所へ上場したため、それ以前の株価については記載しておりません。
12.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第16期から適用しており、第16期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
当社の創業者である菅原充は、富士通株式会社及び国立大学法人東京大学との産学共同の開発体制の下、量子ドットレーザ技術開発の先駆者としてスタートし、富士通株式会社及び三井物産株式会社の両社のベンチャーキャピタル資金を活用して、富士通の量子ドットレーザ技術に基づく光デバイスのベンチャー企業として2006年4月に当社を設立いたしました。
本項「2 沿革」にて使用しております用語の定義について以下に記します。
当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社、非連結子会社QD Laser Deutschland GmbH(ドイツ)、QD Laser America,Inc.(米国)で構成されております。
当社はレーザ(※)技術を用いた製品の開発・製造・販売を行っており、レーザデバイス事業とレーザアイウェア事業を展開しております。非連結子会社QD Laser Deutschland GmbHはレーザアイウェア事業における欧州での事業開発、販売を目的としております。非連結子会社QD Laser America,Inc.はレーザアイウェア事業における米国での網膜投影製品の販売を目的としております。
当社のコア技術として、下記6点があります。
● 半導体結晶成長・・・MBE法(Molecular Beam Epitaxy法、分子ビームエピタキシー法)を用いて半導体結晶を半導体基板上に一原子層ずつ成長させる技術です。当社レーザ製品はこの半導体結晶から製造されます。
● レーザ設計・・・用途毎に所望の機能を満たす最適な半導体レーザを設計する技術です。例えば精密加工用半導体レーザでは10psの超高速パルスを実現しています。
● 小型モジュール・・・半導体レーザは半導体レーザチップをパッケージの中に実装しますが、そのパッケージのことをモジュールと言います。当社は波長532nmや561nmレーザを実装した世界最小のモジュールを製品化しました。
● VISIRIUM Technology・・・超小型レーザプロジェクタから、網膜に直接映像を投影する技術です。
● 回折格子・・・半導体レーザ内部に波長を選択するための周期100ナノメートル程度の凹凸を作り込んでおり、これを回折格子と呼んでおります。これによって、レーザ波長の精密制御が可能になり、黄緑(561nm)、橙色(590nm)等の半導体レーザを商用化しました。
● 量子ドットレーザ・・・量子ドットレーザとは、直径約10nm(ウイルスの1/10程度のサイズ)の半導体量子ドットを活性層に用いて、光を増幅、発振する半導体レーザです。この量子ドットレーザは、1)摂氏マイナス40度から120度近辺まで電流無調整で動作する、2)200度以上の超高温でも動作する、3)高信頼で長寿命である、4)シリコンフォトニクスチップに低雑音でレーザ光を導入できる、という優れた特徴を持っています。

※ レーザ(Laser)とは、Light Amplification by Stimulated Emission of Radiation(誘導放出による光増幅放射)の頭文字を取ったもので、共振器を用いて電磁波を増幅して得られる人工的な光であり、指向性や収束性に優れ、また波長を一定に保つことができる等の物理的な特長があります。
(レーザデバイス事業)
当社のレーザデバイス事業は、結晶成長を自社で実施し、半導体レーザチップ加工及びモジュール実装を、社外協力会社に製造委託する水平分業体制によるファブレス製造を実現し、ハイエンド技術を基にした事業となっております。
当社は半導体レーザの特性を決める活性層成長を担っており、特に量子ドットの結晶成長については他社にはないノウハウを有しております。また、研究機関からの基礎技術の研究開発や、メーカの新規アプリケーションの光源開発を行う開発受託業務も行っています。
当社の技術が使われている製品は以下のとおりとなっております。
上記製品を搭載している主な製品機器の一例として、次のようなものがあります。
1.光通信・シリコンフォトニクス(※1)
※量子ドットレーザ事業にQDレーザが取り組む背景・理由
1980年代から大陸間、都市間・内、ビル・家庭内の光通信システムの社会実装が始まり、1995年以降この光通信を基盤とするインターネットの利用が広まりました。2000年代に起こったクラウドコンピューティングや、携帯電話・スマートフォンに代表される移動体通信の普及があいまって、現在、人間と情報世界が融合する時代が到来しています。ビッグデータの活用とAI自然言語処理、画像認識が急速に発達し、メタバースの社会実装が間近に迫る今、情報爆発への対応は全世界の大きな課題です。QDレーザは、シリコンフォトニクス光配線に不可欠な量子ドットレーザの開発と量産によって、コンピュータの情報処理能力の飛躍的向上によりこの課題の解決に貢献し、ひいては人間と情報世界の融合する時代の一翼を担うことを目指します。
2.バイオ系検査装置
3.精密加工
4.各種センサ
(レーザアイウェア事業)
レーザアイウェア事業は、レーザ網膜投影技術を使ったメガネ型ディスプレイ(網膜走査型レーザアイウェア)の製品開発・ファブレス製造を行っています。2022年度はレーザ網膜走査技術を使った非メガネ型の新製品3機種の販売を開始しました。
ファブレス製造とは、製品の企画、設計を自社内で行い、部品及び最終製品の製造及び組立てを協力会社に依頼しているものです。当社からは、部品及び最終製品の製造・調整に必要な製品仕様、部品リスト、部品仕様書、回路図、実装図、プリント配線板製造データ、組み立て指示書、検査指示書、ソフトウエアを協力会社に供給し、製品製造・検査を委託しております。
また販売に関しましては、一般顧客向けには販売パートナー(代理店、メガネ店、通販業者)を通じ販売し、法人顧客向けには直販及び代理店経由での販売を行っております。
網膜走査型レーザアイウェアは、超小型レーザプロジェクタから、VISIRIUM Technologyにより網膜に直接画像を投影し、装着者の視力やピント位置に影響を受けることなく(フリーフォーカス)、カメラの撮像画像や外部入力されたデジタル情報を見せることができる製品となっております。2022年度に発売した非メガネ型の網膜投影機器については、フリーフォーカスに加えて網膜への投影範囲を大きく拡大し、その周辺部にまで明るくはっきりとした映像を届けられる新しい製品です。
こうした特長を活かし、全盲ではないものの、視覚に障がいのあるロービジョン(矯正視力が0.3未満(WHO定義)及び0.5未満(米国定義))と一部の社会的失明者(矯正視力が0.05未満(WHO定義))に対する視覚支援機器として、生活の質の向上に資する性質を有しております。なお、ロービジョン人口(日本国内)については、約145万人と推計されております。(2009年日本眼科医会資料「本邦の視覚障害者の数 現況と将来予測」より抜粋)
網膜走査型レーザアイウェアの仕組みは以下のとおりとなります。

網膜走査型レーザアイウェアは、民生用機器と医療用機器を展開しております。
民生用機器は、「RETISSA Display」を2018年7月に販売を開始しました。(現在は販売終了)。後継機として「RETISSA DisplayⅡ」を2019年12月に販売を開始しております。2021年8月からはRETISSA DisplayⅡ向けの専用のアクセサリカメラ「RD2CAM」の販売を開始し、複数の自治体から、「日常生活用具の給付金(※)対象」として認められました。今後も助成金対象となる自治体が広がっていく見込みです。
(※)厚生労働省の日常生活用具給付等事業によるもので、市町村が行う地域生活支援事業の内、必須事業の一つとして定められています。障害者等の日常生活がより円滑に行われるための用具を給付または貸与すること等により福祉増進に資することを目的としており、障害の度合いによって、日常生活用具の費用の全額または一部を給付されるものです。(根拠:障害者総合支援法 第77条第1項第6号 創設年度 平成18年)
医療用機器は「RETISSA メディカル」を2021年3月に日本国内で販売を開始しております。眼鏡フレームの中央にカメラを内蔵した網膜走査型レーザアイウェアで、カメラで撮影した画像をリアルタイムに装着者の網膜に投影します。
日本においては2018年10月に治験を終了し、2020年1月に国内医療機器製造販売承認を取得いたしました。
ヨーロッパでは2018年8月に治験を開始、2019年10月に終了し、2021年6月にフォローアップを含めて完了いたしました。
2022年度にはレーザ網膜走査の技術を利用した非メガネ型民生用機器「ON HAND」「NEOVIEWER」「MEOCHECK」の3機種が加わりました。
「MEOCHECK」については製品の販売に加え、「眼の健康チェックサービス」を受託実施するサービスビジネスも提供を開始しました。2022年度に複数の自動車運送事業者とともに実証、トライアル導入を行っており、2023年度からは本格的にサービス導入、拡大してまいります。
当社の事業構造につきましては、下記のとおりとなっております。
独自技術を駆使した半導体ウェハを作成し、協力会社に当該ウェハを組み込んだ半導体レーザチップの作製及びモジュールの実装を委託し、当社で品質基準への適合性を検査した後、お客様に製品をお届けしております。
網膜走査型レーザアイウェアをはじめとする網膜投影製品を製造しております。一般顧客の場合、販売パートナーを通し、法人顧客からは当社が直接及び代理店経由にて受注しております。製造は協力会社に対して、当社が供給した仕様書に基づき、パーツや最終製品の製造及び組立を委託し、当社にて検査を行った後に販売パートナーまたは直接お客様へ製品をお届けしております。
当社の「レーザデバイス事業」及び「レーザアイウェア事業」の事業系統図は以下のとおりとなります。

本項「3.事業の内容」にて使用しております用語の定義について以下に記します。
該当事項はありません。
(注) 1.従業員数は就業人員(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む。)であり、臨時雇用者数(パートタイマー、人材会社からの派遣社員を含む。)は、年間平均雇用人員を( )外数で記載しております。
2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
3.全社(共通)として記載されている従業員数は、経営企画室、管理部、品質保証室、薬事推進室の合計であります。
労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。
当社を取り巻く市場環境及び事業の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項は、以下のとおりであります。なお、以下の各事項は、本書提出日現在において、当社が把握している情報等から判断可能なものについて記載したものであります。
(1) 事業環境に関するリスク
当社が参入しているレーザ関連市場は、既存技術の代替や新分野への活用等にて今後の成長、拡大が大きく見込める市場でありますが、今後の更なる技術革新、最先端技術の変化により、レーザに代わる廉価且つ大量生産可能な代替品が市場投入された場合、レーザ関連市場が縮小する可能性があり、その場合には経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
当社が参入しているレーザ関連市場は、精密加工装置やバイオ系検査装置等の産業用、医療用機器向けを中心に成長傾向は継続するものと見込んでおりますが、国内外の経済情勢や景気動向、それに伴う設備投資意欲の減退等の理由により、市場の成長が鈍化する可能性があり、その場合には経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
③ 開発受託業務について
当社が展開している開発受託業務は、当社の先端基盤技術に基づくもので、開発費と利益の獲得、基盤技術の高度化、知財の蓄積、新規発想の具現化、新アプリケーション創造と市場の開拓、受託先の量産展開力の活用等、当社の利益に資する重要なビジネスモデルであり、今後も幅広く展開していく方針ですが、受託先の経営方針の変更や経営状態の悪化等により、受注が減少する可能性があり、その場合には経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
④ 網膜投影製品の販売について
レーザアイウェア事業における各機器は、眼鏡店や医薬品・医療機器メーカー、専門商社などの販売代理店や、代理店が運営するECサイトを通じてエンドユーザーに販売しております。また、当社から機器やパーツ、モジュールを提供し、販売先企業が製品化あるいはパッケージ化して販売しております。
レーザアイウェア事業の販売計画は、こうした企業の販売目標や締結済みの契約を目安に作成しております。こうした販売目標は市場投入前のマーケティング活動等を踏まえて設定されたものですが、網膜投影機器は市場にとってほとんど前例のない製品であり、当初の目標台数よりも販売できない場合、各社の事業方針に変更等があった場合には、当社の業績に影響を与える可能性があります。
当社は、国内だけでなく、海外とも仕入及び販売取引を行っております。為替の変動については、十分なリスクヘッジ策を行っておりますが、今後、想定外の為替変動が発生した場合、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
当社の事業に関連した特許権等の知的財産権について、第三者との間で訴訟やクレーム等の問題が発生した事実はなく、現時点において、当社の事業に関し、他社が保有する特許権等への侵害により、事業に重大な支障をきたす可能性は低いものと認識しております。また、技術調査等を継続的に行い、侵害事件を回避するよう努めております。しかしながら、当社の様な研究開発型企業にとって、知的財産侵害問題の発生を完全に回避することは困難であり、今後第三者との法的紛争に巻き込まれた場合には、弁護士や弁理士と協議の上、個別具体的に対応策を検討してまいります。当社の技術が侵害されるケース及び当社が第三者の技術を侵害していると指摘されるケースのどちらとしても、解決に際しては、時間及び多額の費用を要する可能性があり、その場合には経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
当社の様々な事業活動において、国内外を問わず、当社が関与する技術・製品・サービス等について知的財産権に関する係争や製造物責任問題、薬事、商取引、税務等その他事業に関連する法令、慣行を巡って予期しない問題が提起される可能性があります。特に、当社が扱う網膜走査型レーザアイウェア製品は、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)により定められた医療機器であり、有効性、安全性に問題が生じた場合には、製造販売承認が取り消される可能性があります。非医療機器として販売、提供している製品については、関連法規・ガイドライン等の新たな施行・公表や改正等によって医療機器に該当すると判断され、その対応が必要となる可能性があります。その場合には経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
当社ではファブレス製造の方針を採用しておりますので、外部の協力企業に製造を委託しております。それぞれの企業の特性等を考慮し、当社製品の製造能力に応じて、各社への製造委託品目を決めております。
各社に対しては、当社にて品質検査、経営状態の確認等を実施しております。仮に委託先の経営悪化、品質事故等が発生した場合、容易に委託先の変更は可能ではありますが、新たな生産体制が再構築されるまでの期間、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
当社は、生産活動や研究開発活動に必要な部品・部材を外部の取引先から調達しております。それらの調達先からの供給が当社の製造に影響が出る様な供給の不安定化、また、価格の高騰、供給部材の品質劣化等が発生した場合、製品の品質や納期を守る事ができなくなる可能性があり、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
当社は継続的な成長のために、新製品又は新技術の開発のための必要な研究開発活動を継続する必要があると考え、これまで積極的に研究開発費に係るコストに投下しており、今後も継続して研究開発活動を促進していく方針であります。
しかしながら、その結果として2022年3月期及び2023年3月期においては営業損失を計上し、累積損失を抱えており、営業キャッシュ・フローもマイナスとなっております。今後の研究開発活動については、その費用対効果を勘案しながら慎重に行っていく方針ではありますが、研究開発活動の効果が十分に得られない場合や、開発コストの増加等が生じた場合、想定以上の投資に係る費用が発生することが想定され、中期経営計画が達成できない可能性や営業損益等の黒字化に時間を要する可能性があり、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社では、ISO9001/13485の基準に加えて、外注管理規程、研究開発管理規程及び生産管理規程を設け、当該規程に則り、各種製品の製造、品質の保持向上に努めております。
信頼性には万全の配慮をしてまいりますが、想定していない理由により、製品の欠陥が発生した場合には、その欠陥内容によっては多額のコスト発生や信用の失墜を招き、当社の経営成績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。当社では、引き続き製品の品質向上に努め、特に不具合に対する継続的な改良、不具合の起きにくい製品設計の推進、完成試験の信頼性向上試験の導入を含め、開発時、出荷時の試験を強化し、製品への非常時対策の機能開発の継続、顧客クレーム、故障等の処理プロセス等について強化してまいります。
当社は最先端のレーザ技術を既存製品に流用し、生活を豊かにする研究開発に取り組んでおりますが、当社が業界と市場の変化を十分に予測できず、また、間違った判断をすることで、顧客や市場からの支持を得られる新製品、新技術を提供できない可能性があります。その場合、将来の成長と収益性を低下させ、当社の事業活動、経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
⑬ 国際情勢について
当社が製造する製品は、国内外に販売しており、2023年3月期における国外販売比率は58%を占めております。また、製品の製造プロセスの一部を海外のパートナーに委託しています。アメリカ、欧州、アジア等特定の地域に偏重せずに各地域にバランスよく展開しておりますが、各国・地域の法的規制、慣習、国際情勢の変化等に起因する事態が発生する場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
当社は、本書提出日現在において、訴訟を提起されている事実はありません。しかしながら、販売した製品の不具合等、予期せぬトラブルが発生した場合、それに起因した損害賠償の請求、訴訟を提起される可能性があります。その場合、損害賠償の金額、訴訟内容及び結果によっては、当社の事業活動、経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
当社の主な事業は顧客の個人情報を取得する必要のあるものではありませんが、一部取引には個人情報を取得する場合があり、また、顧客と秘密保持契約を締結した上で技術情報や営業情報を取り扱う業務もあり、想定していない理由により、これらの情報の漏洩が発生した場合には当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、会計、販売管理等コンピュータによる業務処理を実施しており、地震・火災等の災害によるハードウェアやネットワークの損傷、外部からのコンピュータウイルス攻撃におけるシステムトラブルやデータ破壊、情報の盗難、漏洩等が発生した場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑯ 感染症等の影響(新型コロナウイルス感染症問題)について
当社においてはテレワークの実施、要出社者のオフピーク通勤の実施等、新型コロナウイルス感染症に対する諸対策を講じておりますが、当社事業所に感染症等が蔓延した場合、人的・物的被害や業務停止及び遅延、注文の減少等が生じる可能性があります。さらに、当社の顧客に感染症等が蔓延した場合、顧客への出荷停止や遅延等が生じる可能性があります。また、当社の仕入先や外注先に感染症等が蔓延した場合、資材調達及び製品製造の停止や遅延等が生じる可能性があります。これら諸要因の動向によっては、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 事業体制に関するリスク
当社は、従業員45名の小規模組織であり、内部管理体制も現状の組織規模に応じたものとなっております。今後の事業拡大と事務量の増加に備え、従業員の育成、人員の増強及び内部管理体制の一層の充実を図る方針でありますが、人材の増強及び内部管理体制の充実が円滑に進まなかった場合には、適切な組織的対応ができず、当社の業務効率や事業拡大に支障をきたす可能性があります。
現在、日本経済全体として労働人口の減少等による人手不足や人件費の高騰が大きな問題となっております。当社では、他社からの出向を含め、当社の欲する人材を採用してきましたが、今後において、人材の供給が当社の要望にかなわずスキルの不一致、賃金の不一致等で安定的に適正な人件費で人材確保ができなくなった場合、当社の業務効率や事業拡大に支障をきたす可能性があります。
当社のレーザ関連技術について、特許等によりコアとなる技術は保護されている状態を保っておりますが、退職者によって、当社技術と異なるも近しいレーザ関連技術が他社により開発された場合や、独自性が失われ市場への訴求力が低下するような事態となった場合には、当社の事業活動、経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
当社の創業者である代表取締役社長菅原充は、経営方針や経営戦略の決定をはじめ、当社の主要技術であるレーザ技術に精通しており、事業活動全般において重要な役割を果たしております。
当社はノウハウの共有、人材の獲得及び育成等により組織体制の強化を図り、菅原に過度に依存しない経営体制の構築に務めておりますが、予測を超えた事態が生じた場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(3) その他について
当社は、創業以来配当を実施しておらず、本書提出日現在においても、会社法の規定上、配当可能な状態にありません。当面は、内部留保による財務体質の強化及び研究開発活動への再投資を優先させる方針であります。一方、株主への利益還元は重要な経営課題の一つととらえており、経営成績及び財政状態を勘案しつつ、配当の実施を検討してまいります。しかしながら、利益計画が予想どおりに進捗せず、今後も安定的な利益計上ができない場合には、配当による株主への利益還元が困難になる可能性があります。
当社は、研究開発活動の進捗に伴い、先行して多額の研究開発費が計上されております。今後も事業の進捗に伴って運転資金、研究開発投資及び設備投資等の資金需要の増加が見込まれます。今後、継続的に財務体質の強化を図ってまいりますが、収益確保または資金調達の状況によっては、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。また、当社の公募による資金調達の使途に関しましては、網膜走査型レーザアイウェアの製造費用に充当する予定でありますが、急激な事業環境の変化等により、当初予定した資金使途以外に利用する場合があり、投資効果が期待どおりにあげられない可能性があります。また、当社の行使価額修正条項付新株予約権による資金調達の使途に関しましては、主にレーザデバイス事業の生産能力増強やM&Aに充当する予定でありますが、急激な事業環境の変化等により、当初予定した資金使途以外に利用する場合があり、投資効果が期待どおりにあげられない可能性があります。
当社では、取締役、従業員に対するインセンティブを目的としたストック・オプション制度を採用しております。また、今後においてもストック・オプション制度を活用していくことを検討しており、現在付与している新株予約権に加え、今後付与される新株予約権について行使が行われた場合には、既存株主が有する保有株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。2023年5月末現在、これらの新株予約権による潜在株式数は2,235,900株であり、発行済株式総数41,527,080株の5.4%に相当しております。
当社は製造委託先の製造拠点を国内外に分散しております。また、地震等の災害について事業継続計画に準拠して、非常事態に対応する体制を構築しております。今後も地震等の自然災害が発生した場合、その規模及び地域によって経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
第三者割当による第16回新株予約権(行使価額修正条項及び行使停止条項付)の発行
当社は、2022年12月14日開催の取締役会において、クレディスイス証券株式会社(以下、「割当先」といいます。)を割当先とする第三者割当の方法による第16回新株予約権(行使価額修正条項及び行使停止条項付、以下「本新株予約権」といいます。)の発行を行うことについて決議し、2022年12月30日付で発行いたしました。
詳細は、第4提出会社の状況 1株式等の状況 ③その他の新株予約権等の状況を参照ください。
(1) 提出会社
(注)1 臨時従業員数は( )内に年間平均人員を外数で記載しております。
2 帳簿価格のうち「その他」は、工具、器具及び備品、建設仮勘定、無形固定資産(リース資産を除く)の合計であります。
3 建物及び土地の一部を賃借しております。年間賃借料は本社45,197千円、厚木研究センター1,234千円であります。なお、賃借している土地の面積は[]で外書きしております。
4 事業所名の「その他」には製造委託先に設置している当社所有の設備を記載しております。
(2) 在外子会社
在外子会社については、主要な設備はありません。
※ 当事業年度の末日(2023年3月31日)における内容を記載しております。当事業年度の末日から提出日の前月末現在(2023年5月31日)にかけて変更された事項については、提出日の前月末現在における内容を[ ]内に記載しており、その他の事項については当事業年度の末日における内容から変更はありません。
(注) 1.新株予約権1個につき目的となる株式数は、1株であります。
ただし、新株予約権の割当日後、当社が株式分割、株式併合を行う場合は、次の算式により付与株式数を調整、調整の結果生じる1株未満の端数は、これを切り捨てます。
2.新株予約権の割り当て後、当社が株式の分割、又は併合を行う場合は、それぞれの効力発生の時をもって次の算式により行使価額を調整し、調整により生ずる1円未満の端数は切り上げます。
また、発行日以後、当社が時価を下回る価額で普通株式につき募集株式の発行、又は自己株式の処分を行う場合には、次の算式により行使価額を調整し、調整により生ずる1円未満の端数は切り上げるものとします。
3.新株予約権の行使の条件
① 新株予約権者は、会社の株式のいずれかの証券取引所への上場(以下、「株式公開」という。)がなされるまでの期間、及び株式公開から6ヶ月が経過する日までの期間は、割当新株予約権を行使することはできないものとします。
② 新株予約権者は、割当新株予約権の行使をする時点においても、当社の取締役、又は従業員の地位にあることを要すものとします。(付与対象者の区分が社外協力者の場合は除く)
③ 新株予約権者は、下記4.に規定するいずれかの事由が生じたときは、新株予約権を行使することができないものとします。
④ 新株予約権者が、新株予約権を行使することができる期間の満了前に死亡した場合、新株予約権者の法定相続人の内1名に限り、新株予約権者の権利を相続することができるものとします。
ただし、当該相続人が死亡した場合、当該相続人の相続人は新株予約権を相続できません。
⑤ 新株予約権者は、新株予約権を分割して行使することができるものとします。
⑥ 新株予約権者が、富士通株式会社及びその子会社の取締役、又は従業員の地位を有する間は、新株予約権を行使できないものとします。(付与対象者の区分が社外協力者の場合は除く)
4.新株予約権の取得に関する事項
当社は、次の事由が生じた場合は、取締役会が別途定める日に当該新株予約権者の有する新株予約権の全部を無償で取得することができます。
① 本新株予約権が相続の対象とならなかったとき
② 新株予約権者が新株予約権の権利行使期間(以下「権利行使期間」という)中に当社の取締役、又は従業員のいずれの地位も保持しなくなった場合(付与対象者の区分が社外協力者の場合は除く)
③ 次のいずれかに該当する事由が発生した場合
1) 新株予約権者が禁錮以上の刑に処せられた場合
2) 新株予約権者が当社、又は当社の子会社と競合する業務を営む法人を直接若しくは間接に設立し、又はその役員若しくは使用人に就任する等、名目を問わず当社、又は当社の子会社と競業した場合。但し、当社の書面による事前の承認を得た場合を除く
3) 新株予約権者が法令違反その他不正行為により当社、又は当社の子会社の信用を損ねた場合
4) 新株予約権者が差押、仮差押、仮処分、強制執行若しくは競売の申立を受け、又は公租公課の滞納処分を受けた場合
5) 新株予約権者が支払停止若しくは支払不能となり、又は振り出し若しくは引き受けた手形若しくは小切手が不渡りとなった場合
6)新株予約権者につき破産手続開始、民事再生手続開始その他これらに類する手続開始の申立があった場合
7) 新株予約権者が新株予約権発行要領、又は本新株予約権に関して当社と締結した契約に違反した場合
④ 新株予約権者が当社又は当社の子会社の取締役若しくは監査役又は使用人の身分を有する場合(本新株予約権発行後にかかる身分を有するに至った場合を含む。)において、次のいずれかに該当する事由が発生した場合(付与対象者の区分が社外協力者の場合は除く)
1)新株予約権者が自己に適用される当社又は当社の子会社の就業規則に規定する懲戒事由に該当した場合
2)新株予約権者が取締役としての忠実義務等当社又は当社の子会社に対する義務に違反した場合
5.組織再編行為に伴う新株予約権の交付に関する事項
当社が、合併(当社が合併により消滅する場合に限る。)、吸収分割、新設分割、株式交換、又は株式移転(以上を総称して、以下、「組織再編行為」という。)をする場合において、組織再編行為の効力発生の時点において残存する新株予約権(以下、「残存新株予約権」という。)の新株予約権者に対し、それぞれの場合につき、会社法第236条第1項第8号のイからホまでに掲げる株式会社(以下、「再編対象会社」という。)の新株予約権を以下の条件に基づきそれぞれ交付することとします。この場合においては、残存新株予約権は消滅し、再編対象会社は新株予約権を新たに発行するものとする。ただし、以下の条件に沿って再編対象会社の新株予約権を交付する旨を、吸収合併契約、新設合併契約、吸収分割契約、新設分割計画、株式交換契約、又は株式移転計画において定めた場合に限るものとします。
① 交付する再編対象会社の新株予約権の数
組織再編行為の効力発生の時点において残存する新株予約権の新株予約権者が保有する新株予約権の数と同一の数をそれぞれ交付するものとします。
② 新株予約権の目的である再編対象会社の株式の種類
再編対象会社の普通株式とします。
③ 新株予約権の目的である再編対象会社の株式の数
組織再編行為の条件等を勘案のうえ、上記①に準じて決定します。
④ 新株予約権の行使に際して出資される財産の価額
交付される新株予約権の行使に際して出資される財産の価額は、組織再編行為の条件等を勘案のうえ、調整した再編後払込金額に上記③に従って決定される当該新株予約権の目的である株式の数を乗じて得られる金額とします。
⑤ 新株予約権を行使することができる期間
新株予約権を行使することができる期間の開始日と組織再編行為の効力発生日のうちいずれか遅い日から、新株予約権を行使することができる期間の満了日までとします。
⑥ 新株予約権の行使により株式を発行する場合における増加する資本金及び資本準備金に関する事項
新株予約権の行使により株式を発行する場合の株式の発行価格及び資本組入額に準じて決定します。
⑦ 譲渡による新株予約権の取得の制限
譲渡による新株予約権の取得については、再編対象会社の承認を必要とするものとします。
該当事項はありません。
(注)自己株式206株は、「個人その他」に2単元及び「単元未満株式の状況」に6株含まれています。
2023年3月31日現在
(注) 当社は、自己株式数(206株)を控除し、小数点以下第3位を切り捨てて算出しております。
当社の報告セグメントは、当社の構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価する為に、定期的に検討を行う対象となっております。
当社は、本社に製品・サービス別の事業部を置き、各事業部は取り扱う製品・サービスについて、国内及び海外の包括的な戦略を立案し、事業活動を展開しております。
従って、当社は事業部を基礎とした製品・サービス別セグメントから構成されており、「レーザデバイス事業」及び「レーザアイウェア事業」の2つの報告セグメントとしております。
「レーザデバイス事業」は、GaAs基板をプラットフォームとする通信・産業用の高機能半導体レーザ及びウェハの製造、販売及びメーカ等の新規アプリケーションの光源開発を行う開発受託をしております。
「レーザアイウェア事業」は、網膜走査型レーザアイウェアの製造及び販売をしております。
























