株式会社アルマード
中央区京橋3-6-18 東京建物京橋ビル8F
証券コード:49320
業界:化学
有価証券報告書の提出日:2023年6月30日

回次

第19期

第20期

第21期

第22期

第23期

決算年月

2019年3月

2020年3月

2021年3月

2022年3月

2023年3月

売上高

(千円)

3,788,675

5,796,105

4,547,908

5,365,098

6,528,885

経常利益

(千円)

456,754

982,719

537,032

836,570

837,106

当期純利益

(千円)

333,667

651,660

367,960

582,212

585,798

持分法を適用した場合の投資利益

(千円)

資本金

(千円)

60,000

60,000

110,000

110,000

110,000

発行済株式総数

(株)

1,200

12,000,000

12,000,000

10,394,000

10,394,000

純資産額

(千円)

1,297,611

1,949,272

2,317,232

2,688,257

2,332,293

総資産額

(千円)

2,056,933

2,823,166

2,984,899

3,363,822

3,671,254

1株当たり純資産額

(円)

129.37

194.34

231.03

268.93

243.09

1株当たり配当額

(円)

40

65

(うち1株当たり中間配当額)

(-)

(-)

(-)

(-)

(-)

1株当たり当期純利益

(円)

33.27

64.97

36.69

57.81

60.29

潜在株式調整後1株当たり当期純利益

(円)

57.55

60.22

自己資本比率

(%)

63.08

69.05

77.63

79.92

63.53

自己資本利益率

(%)

24.58

40.14

17.25

23.26

23.34

株価収益率

(倍)

15.81

19.11

配当性向

(%)

68.7

107.8

営業活動によるキャッシュ・フロー

(千円)

117,166

223,856

653,956

260,421

711,745

投資活動によるキャッシュ・フロー

(千円)

1,147

48,482

13,105

9,725

7,125

財務活動によるキャッシュ・フロー

(千円)

514,506

221,390

50,836

208,227

492,016

現金及び現金同等物の期末残高

(千円)

589,273

543,256

1,133,270

1,175,740

1,388,343

従業員数

(人)

25

31

36

35

41

(外、平均臨時雇用者数)

(3)

(2)

(2)

(5)

(7)

株主総利回り

(%)

130.4

(比較指標:配当込みTOPIX)

(%)

(-)

(-)

(-)

(-)

(105.8)

最高株価

(円)

1,214

1,784

最低株価

(円)

419

867

 (注)1.当社は連結財務諸表を作成しておりませんので、連結会計年度に係る主要な経営指標等の推移については記載しておりません。

2.持分法を適用した場合の投資利益については、関連会社が存在しないため記載しておりません。

3.第19期、第20期、第21期、第22期及び第23期の財務諸表につきましては、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵省令第59号)に基づき作成しており、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、EY新日本有限責任監査法人の監査を受けております。

4.潜在株式調整後1株当たり当期純利益につきましては、第19期から第21期は潜在株式は存在するものの、当社株式は非上場であったため、期中平均株価が把握できませんので記載しておりません。第22期につきましては、当社は2021年6月24日に東京証券取引所JASDAQ(スタンダード)(現 スタンダード市場)に上場したため、新規上場日から第22期の事業年度末までの平均株価を期中平均株価とみなして算定しております。

5.従業員数は就業人員であり、臨時従業員数(特定地域に就労する契約社員であり、派遣社員を除く。)の年間平均人員を( )外数で記載しております。

6.第21期以前の株価収益率については、当社株式は非上場であったため、記載しておりません。

7.第19期、第20期及び第21期の1株当たり配当額及び配当性向については、配当を実施していないため記載しておりません。

8.2021年4月15日開催の取締役会決議により、2021年4月15日付で自己株式1,606,000株の消却を行っております。これにより、発行済株式総数は10,394,000株となっております。

9.当社は、2019年12月1日付で普通株式1株につき10,000株の株式分割を行っております。第19期の期首に当該株式分割が行われたと仮定して1株当たり純資産額及び1株当たり当期純利益を算定しております。

10.最高・最低株価は、2022年4月3日以前は東京証券取引所JASDAQ(スタンダード)におけるものであり、2022年4月4日以降は東京証券取引所スタンダード市場における株価を記載しております。

11.第19期から第21期の最高株価、最低株価については、当社は2021年6月24日をもって東京証券取引所JASDAQ(スタンダード)に上場したため、記載しておりません。

12.第19期、第20期、第21期及び第22期の株主総利回り及び比較指標につきましては、2021年6月24日付で東京証券取引所JASDAQ(スタンダード)(現 スタンダード市場)に上場したため、記載しておりません。

13.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第22期の期首から適用しており、当事業年度に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。

 

2【沿革】

 

年月

事項

2000年10月

神奈川県横浜市泉区に、卵殻膜を用いた化粧品・健康食品の製造販売を目的に株式会社アルマード(資本金6,000万円)を設立

2000年12月

化粧品製造及び販売を開始

2001年10月

QVCテレビショッピングにて化粧品の販売開始

2002年1月

QVCテレビショッピングにて健康食品(サプリメント)の販売開始

2002年7月

東海大学 岩垣丞恒名誉教授と共同研究がスタート

2003年3月

本社を神奈川県横浜市戸塚区に移転

2004年3月

本社を東京都中央区に移転

2007年6月

東京大学 加藤久典特任教授と共同研究がスタート

2007年6月

東京大学 跡見順子名誉教授(東京農工大学 客員教授兼任)と共同研究がスタート

2007年12月

化粧品製造販売業許可取得 (13COX10375)、医薬部外品製造販売業許可取得 (13DOX10114)

2008年3月

株式会社セシール(現 株式会社DINOS CORPORATION)より75%の出資を受け、同社の子会社となる

2008年12月

本社を東京都渋谷区に移転

2010年8月

本社を東京都中野区に移転

2011年5月

世界的な細胞と組織の専門誌「Cell & Tissue Research」に卵殻膜に関する共同研究論文掲載

2013年10月

機能性食品専門の学術雑誌「Journal of Functional Foods」に卵殻膜に関する共同研究論文掲載

2014年10月

株式会社ディノス・セシール(現 株式会社DINOS CORPORATION)より58%の自己株式を取得し、親子関係を解消

2014年12月

世界的総合科学ジャーナル「Nature」を出版するNPGが運営する「Scientific Reports」に卵殻膜に関する共同研究論文掲載

2015年2月

本社を東京都中央区に移転

2017年3月

世界的総合科学ジャーナル「Nature」を出版するNPGが運営する「Scientific Reports」に卵殻膜に関する共同研究論文掲載

2017年3月

大幸薬品株式会社との業務提携基本合意

2017年9月

アント・キャピタル・パートナーズ株式会社の運用受託するファンドが当社株式の過半数を取得

2018年4月

自社ECサイトを通じた美容液の定期購買サービスを開始

2018年9月

東京大学及び当社共同研究成果論文が機能性食品専門の学術雑誌「Journal of Functional Foods」に掲載(加藤久典研究グループ)

2018年11月

世界的な細胞と組織の専門誌「Cell & Tissue Research」に卵殻膜に関する共同研究論文掲載

2020年4月

東京大学及び当社の共同研究成果が食品科学ジャーナル「Food Science & Nutrition」にオンライン掲載

2021年6月

東京証券取引所JASDAQスタンダード市場に上場

2021年6月

東京大学及び当社の共同研究成果が学術雑誌「Nutrients」にオンライン掲載

2021年10月

東京大学及び当社の共同研究成果が学術雑誌「Journal of Fiber Science and Technology」にオンライン掲載

2022年4月

東京証券取引所の市場区分の見直しにより、東京証券取引所JASDAQスタンダード市場からスタンダード市場に移行

3【事業の内容】

当社は、「世界の人々の人生に健康と美しさをもたらす。卵殻膜とバイオテクノロジーで。」という経営理念のもと、今後、先進諸国で深刻な社会問題となる高齢化社会到来に対して、『卵殻膜』という素材の持つ美容・健康効果を科学的に解明しながら、卵殻膜商材をより安心・安全・低価格にて市場に供給することで、アンチエイジングの側面から社会貢献を果たすべく事業を展開しております。

 

(1)卵殻膜とは

卵殻膜とは鶏卵の殻の内側にある薄い膜で、シスチン(注1)を含む18種類のアミノ酸、プロテオグリカン(注2)、ヒアルロン酸等で構成されており、美容・健康成分が含まれております。バクテリアなどの外敵から卵の中のひなを保護するためのバリアとして機能する他、卵が落下した場合などの物理的なダメージにも耐えられるよう、強固な繊維状のメッシュ構造をしております。また、酸素を透過させ水分を保有する力も有しております。

力士が傷口の治療に用いるなど天然の絆創膏として古くから民間療法で利用されているように、卵殻膜は中国や日本で古くから人体における創傷治癒素材として活用されてきました。その一方で、熱に強く水や油に溶けにくいためそのままでは体内で成分を吸収することができず特殊な加工が必要であり、また、天然素材であるがゆえその効果の検出とメカニズムの解明が難しいとされてきました。しかし、2007年よりスタートしたアルマード産学連携プロジェクトにより、卵殻膜塗布と摂取の両側面からの有用性とメカニズム検証で解明を進め、最近の研究では創傷治癒の早期化(2011年5月 「Cell & Tissue Research」に掲載)のみならず、皮膚の弾力性増加(2018年11月 「Cell & Tissue Research」に掲載)、肝機能の改善(2014年12月 「Scientific Reports」に掲載)への有用性も認められ、また、難病指定されている潰瘍性大腸炎(注3)の改善にも有効であるという研究結果を、2017年3月に米科学誌「Scientific Reports」で発表しております。さらに、卵殻膜摂取が脂質代謝に有効である可能性について、2020年4月に食品科学ジャーナル「Food Science & Nutrition」にて掲載しております。その後も継続的に卵殻膜の機能性に関するエビデンスを創出しており、これら研究の概要につきましては、後述[研究成果解説]をご参照下さい。

 

これまでの研究が示す卵殻膜の効能

実験方法

確認された主な結果

主な効能

卵殻膜水溶液の塗布

・ヒトの真皮繊維芽細胞の増加効果(皮膚の機能を保つために重要な細胞)

・Ⅲ型コラーゲン(注4)の産生促進効果

・ヒトの肌の弾力性向上及びシワ面積の減少

・創傷治療の早期化

美容

卵殻膜の経口摂取

・Ⅲ型コラーゲンの産生促進効果

・腸内フローラの多様化、善玉菌の増加

・肝臓線維化(注5)への効果を期待

・炎症性腸疾患への効果を期待

健康維持

 なお、肝臓線維化及び炎症性腸疾患への効果については、マウスを対象とした実験から解明されたものであり、ヒトへの効果を保証するものではありません。

 

(2)アルマードの卵殻膜加工技術について

卵殻膜は、当社設立より以前から食品及び化粧品の原料として既に流通しておりましたが、天然素材であるがゆえに品質面でばらつきがあり、また、加工コストも非常に高く、その効果を科学的に立証できる研究も十分になされていなかったため、一般に広く受容されるレベルの卵殻膜製品を流通させるのが困難な状況にありました。しかしながら、当社創業者である長谷部由紀夫が中心となり、大学や他企業等の外部機関との研究開発活動を進め、品質面、コスト面での課題を解決する独自の卵殻膜原料の加工技術を開発しました。当社の技術は以下のとおりです。

 

① 高品質の卵殻膜原料(*)の製造技術(微粉砕技術及び加水分解技術)

② 当社卵殻膜原料を活用した食品加工、化粧品加工の技術

 

(*)卵殻膜を構成する主成分の損失が少なく、かつ、臭気強度が低く抑えられた原料

 

なお、創業来20年間蓄積をしてきた卵殻膜に関する技術・知見の一部は、特許として出願しており、数多くの卵殻膜関連特許を有しております。

また、当社の卵殻膜研究及び研究に裏打ちされた素材ポテンシャルは、以下のような理由から、成長好循環を生むと考えております。

 ・卵殻膜にフォーカスした大学や他企業等との共同研究により、豊富なエビデンスや卵殻膜応用ノウハウを蓄積

 ・これまでの研究により証明された卵殻膜の素材ポテンシャルと商品開発力により、顧客支持を獲得

 ・顧客支持が収益獲得能力を底上げし、積極的な広告展開や研究開発を可能にする

 ・積極的な広告展開や研究開発が収益獲得能力を向上させ、更なる広告展開や研究開発を可能にする

 

(3)卵殻膜ヘルスケア事業について

当社は、卵殻膜原料を活用した食品及び化粧品の製造販売を、単一事業として行っております。なお、食品及び化粧品の製造はすべて外注先に委託をしております。

したがって当社の事業は「卵殻膜ヘルスケア事業」の単一セグメントであるため、以下においては当社事業の特徴について販売チャネル別に記載しております。

 

①TVショッピング販売(以下「TV通販」)

TVショッピング専門チャンネルであるQVCテレビショッピングにおいて、当社が企画・開発した卵殻膜食品及び卵殻膜化粧品について、TV放送を通じて視聴者に紹介し、株式会社QVCジャパン(以下「QVC」)がお客様より受注した数量を当社からQVCに納品し、QVCがお客様へ出荷するという販売を行っております。主要商品としては、化粧品のOdeシリーズ、健康食品のTO-Ⅱ(全身美容サプリメント)等がございます。

 

②外部間接販売(以下「外販」)

a.OEM製品の販売

取引先と共同で製品仕様を決定し、取引先からの注文に基づき当社製造委託先にて製品製造を行い、取引先へ販売するビジネスモデルです。これらOEM製品は、取引先の製品ブランドとして消費者に販売されております。

b.卸販売(一般流通)

当社が企画・開発した製品を、ドラッグストアを中心とした量販店、理美容室及び他社通信販売業者等に卸売販売をする形態です。主要商品としては、Ⅲ型ビューティードリンク(全身美容ドリンク)、Ⅲ型サプリメント等がございます。

 

③自社直接販売(以下「直販」)

自社ECサイト、他社ECサイト等を通じて、当社が最終消費者から直接注文を受け、製品を配送する販売を行っております。主要商品としては、化粧品のCELLULAシリーズ等がございます。

 2018年4月に自社ECサイトを通じた定期購買サービスを開始して以降、定期顧客会員数(以下、会員数)は増加傾向にあり、会員数は6万2千人に達しております(2023年3月末時点)。

 

 

2019年

3月末

2020年

3月末

2021年

3月末

2022年

3月末

2023年

3月末

会員数(人)

22,849

38,828

37,829

42,303

62,824

(注)定期顧客:自社ECサイトの定期便をご利用のお客様

 

[事業系統図]

当社の事業系統図は、次のとおりであります。

 

0101010_001.png

 

[研究成果解説]

 

創傷治癒の早期化

(2011年5月掲載)

 

「掲載論文タイトル」

Hydrolyzed eggshell membrane immobilized on phosphorylcholine polymer supplies extracellular matrix environment for human dermal fibroblasts

 

「要約」

 適度な量の卵殻膜が創傷治療プロセスに必須のⅢ型コラーゲン遺伝子発現を促進することを細胞レベルで証明した。

 創傷治療プロセスにおいては、コラーゲン繊維を含む細胞外マトリクス(注6)の働きが鍵となり、止血・炎症・細胞増殖・再生という4つの過程が連続的に起こることが知られている。皮膚の損傷治療のみならず、正常な皮膚組織の構造維持と水分保持に重要な役割を担うこの細胞外マトリクスは、真皮線維芽細胞(注7)によって遺伝子発現・分泌される。そこで卵殻膜が細胞外マトリクス遺伝子をどの程度発現させるかについて、定量的な発現解析を行った。

 その方法として、細胞を撒いてから24時間後に、皮膚組織に強度と弾力性を与える遺伝子群と、組織内の水分保持に重要な役割を担う遺伝子群の両方について発現状況を調査した。結果として、前者からはⅢ型コラーゲンとMMP2(注8)が、後者からはデコリン(注9)の発現が、少量の卵殻膜断片が作る線維構造上において、従来の細胞培養ディッシュ上での発現と比べて2倍以上高いことが判明した。これら3つの遺伝子セットは、いずれも創傷治療プロセスの増殖初期段階に発現が高くなることが知られている遺伝子であり、特にⅢ型コラーゲンは皮膚の大部分を構成するⅠ型コラーゲンに先行して発現することも報告されている。

 また、卵殻膜濃度を高めていった場合であっても、当該3つの遺伝子セットの発現が明確に高くなることはなかった。このことにより、適度な量の卵殻膜が創傷治療の早期化に有効であると結論づけた。

 

肝機能の改善

(2014年12月掲載)

 

「掲載論文タイトル」

Eggshell membrane ameliorates hepatic fibrogenesis in human C3A cells and rats through changes in PPARγ-Endothelin 1 signaling

 

「要約」

 四塩化炭素誘導肝障害モデルラットを用いた実験から、微粉砕された卵殻膜の摂取により肝障害の症状が改善され、さらに遺伝子レベルでの解析により炎症や肝線維化形成が抑制される方向の変化が誘導されることを見出した。

 そのメカニズムは、PPARγ-Endothelin 1シグナリング(※)における調節によると推察されている。四塩化炭素は肝臓に炎症を誘導し、長期間の投与では肝硬変のモデルとして動物実験において広く用いられている。肝臓機能に着目したのは、初期に行った正常ラットにおける遺伝子発現の網羅的解析により、肝線維化抑制に関わる変化が予想されていたためであり、本研究の成果から、従来、産業廃棄物とされていた卵殻膜の機能性を明らかにすることで、新たな機能性食品の創出や産業への貢献が期待できる。

 ヒトでも同様の効果があるかについては今後の検討課題である。

 

※ PPARγ:ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体γ

Endothelin 1:エンドセリン1

 

 

 

炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎)の改善

(2017年3月掲載)

 

「掲載論文タイトル」

Eggshell membrane powder ameliorates intestinal inflammation by facilitating the restitution of epithelial injury and alleviating microbial dysbiosis

 

「要約」

 炎症性腸疾患(IBD)は腸管に炎症を引き起こす慢性持続性の非特異性疾患であり、潰瘍性大腸炎とクローン病に分類される。

 当研究では、デキストラン硫酸ナトリウム誘発大腸炎マウスを用いた実験から、微粉砕された卵殻膜の摂取により、腸内細菌叢における①細菌多様性の増加(腸内細菌の種類が増えた)、②病原性細菌の絶対数の減少(病原性細菌の数が減った)、③腸内毒素分泌の減少により炎症性サイトカイン産生の抑制、④(腸間膜リンパ節における自己免疫疾患の病態形成への関与が知られる)Tdiv7細胞増殖の抑制、といったメカニズム作用が発生することを発見した。

 これらの機能的な調節は、宿主において上皮の修復、エネルギー必要量の調整、最終的には腸管上皮粘膜炎症の軽減に寄与することから、卵殻膜には、腸管上皮損傷の修復と腸内細菌dysbiosis(腸内細菌バランス失調)を軽減させることで、炎症性疾患を改善する効果があることがわかった。さらに卵殻膜によるこのような細菌叢調節及び炎症性腸疾患抑制への最初の洞察は、IBDの予防・治療に新たな視点を提供できるものと考えられる。

 本研究では卵殻膜をデキストラン硫酸ナトリウム誘発大腸炎マウスに給餌し、腸管上皮損傷の修復と炎症性腸疾患の改善効果を明らかにした。

 ヒトでも同様の効果があるかについては今後の検討課題である。

 

皮膚の弾力性増加

(2018年11月掲載)

 

「掲載論文タイトル」

 Solubilized eggshell membrane supplies a type Ⅲ collagen-rich elastic dermal papilla

 

「要約」

 卵殻膜が創傷治療プロセスに必須の皮膚真皮乳頭層にあるⅢ型コラーゲン遺伝子発現を1.6倍促進させることを実証した。

 当研究では、卵殻膜塗布によるⅢ型コラーゲン関連遺伝子発現が非塗布群と比較すると約1.6倍増加する点及びその増加箇所は皮膚の「真皮乳頭層」である点が、ヘアレスマウスの実験で明らかになった。加えて、そのⅢ型コラーゲンの比率が20%のゲル環境下(皮膚環境が最も良いとされる胎児と同環境)では、他の比率時と比較するとⅢ型コラーゲン合成量が有意に増加し、またミトコンドリアを活発化することが実証された。細胞機能は加齢とともに低下していくが、卵殻膜塗布が刺激となり細胞機能そのものが改善、正常化されることが本実験により実証された。以下、当研究結果のハイライト。

 

・ヘアレスマウスへの卵殻膜塗布で、Ⅲ型コラーゲン、デコリン、MMP2等の遺伝子発現が約1.6倍に増加(卵殻膜非塗布と比較)。前回2011年の研究では、培養皿上での実験により当発見がなされたが、マウス上で同結果が再現された点で意義は大きい。

・Ⅲ型コラーゲン関連遺伝子は、加齢で減少するとされる皮膚真皮乳頭層で有意に増加。

・Ⅲ型コラーゲン20%の環境下ゲル(胎児の肌環境と同様)において肌の弾力性が最も高くなる(Ⅰ型コラーゲンのみの環境ゲルと比較)。

・そのⅢ型コラーゲン20%の環境下ゲルでは、線維芽細胞におけるⅢ型コラーゲンタンパク質の合成量が有意に増加し、ミトコンドリア活性も高くなる。

・卵殻膜入り溶液塗布により、腕の皮膚弾力性が塗布前に比較して卵殻膜群のみで有意に増加、卵殻膜無し群と比較してシワが有意に改善(医薬部外品の試験と同じ二重盲検法での実施結果)。

 

 

 

 

脂質代謝の改善

(2020年4月掲載)

 

 

「掲載論文タイトル」

Eggshell membrane powder lowers plasma triglyceride and liver total cholesterol by modulating gut microbiota and accelerating lipid metabolism in high‐fat diet‐fed mice

 

「要約」

 実験用マウスそれぞれに「対照食(CON)」、「高脂肪食(HFD)」、または「高脂肪食+8%卵殻膜粉末(HESM)」のいずれかを20週間にわたり与えたところ、高脂肪食を与えられたマウスが卵殻膜を同時摂取することにより、以下の結果が得られた。

 

1.血漿トリグリセリド(TG)及び肝総コレステロール(TC)が減少し、カルニチンパルミトイルトランスビセラーゼ1A及びサイトカインシグナル伝達の抑制剤2などの脂質代謝遺伝子の発現を亢進させた。

 

2.腸内細菌叢(腸内フローラ)の解析では、抗肥満細菌である乳酸菌ロイテリの相対的な量が4、12及び16週で上昇し、炎症関連のブラウティア・ヒドロトロチカ、ローズブリア・ファイシス、及びルミノコッカス・カリヌスの相対量が12及び20週で減少した。

 

3.さらに、卵殻膜摂取は、マウス盲腸内のイソ酪酸を増加させ、ブラウティア・ヒドロトロチカ及びパラバキテロイド・ゴールドシュタインイと負の相関を示した。

 

研究の結果、HFDを与えられたマウスの卵殻膜摂取が、血漿TG及び肝臓TCを減少させ、また脂質代謝遺伝子発現及び腸内微生物叢組成を調節できたことから、卵殻膜が脂質代謝に有効である可能性が示唆された。

 

 

皮膚老化に対する卵殻膜の効果

(2021年6月掲載)

 

 

「掲載論文タイトル」

Effects of Eggshell Membrane on Keratinocyte Differentiation and Skin Aging In Vitro and In Vivo

 

「要約」

 卵殻膜の摂取が、皮膚細胞の分化・形成を促進し、 皮膚老化に伴う菲薄化(肌痩せ状態)を抑制し、皮膚の健康を改善することを実証した。

 

 皮膚老化は老化プロセスにおいて特徴的なものの一つであり、生理的・形態的な変化を引き起こす。近年、様々な栄養研究がこの老化反応を遅延もしくは抑制しようと試みている。

 本研究では、卵殻膜(ESM)の添加が皮膚の健康の維持や皮膚老化の改善について効果があるかをNHEK-Neoを用いた細胞実験とマウスを用いた動物実験により調べた。

 まずNHEK-Neo細胞において、1mg/mlの酵素分解ESM(eESM)はケラチノサイトの分化マーカーである、ケラチン1、フィラグリン、インボルクリンの遺伝子発現量を増加させ、また、ケラチノサイトの形態を変化させた。

 次にマウスでは、8%のESM粉末(pESM)の経口添加により、成長因子であるTGF β1、PDGF及びCTGFの遺伝子発現量が増加し、またマウスの皮膚希薄化を改善した。さらに、カルシウム取り込みに関わるTRPVsの遺伝子発現量がeESM及びpESMにより上方調節された。したがって、ESMがおそらくカルシウムシグナリングを介して、皮膚の健康と老化を改善する重要な役割を持っているということが示唆された。

 

 

卵殻膜粉末の摂取が健康な人の身体機能等に及ぼす影響

(2021年10月掲載)

 

 

「掲載論文タイトル」

Effect of eggshell membrane powder intake on the body function of healthy individuals

 

「要約」

 本研究では、21~68歳(平均39.5±15.1歳)の生活習慣病を含む病歴のない健康なボランティア20名を対象とした。ESMを含むサプリメントを摂取しているESM群(n = 10)と、ESMを含まないサプリメントを摂取している対照群(n = 10)の2群に分け、サプリメント摂取前及び摂取後8週間後において、肺機能テスト、身体機能テスト及び皮膚弾力性の測定を行った。

 検証の結果、ESMを8週間摂取した被験者は、腕の皮膚の弾力性、呼吸機能(FEV1/FVC)、ジグザグ歩行速度の変化率が対照者に比べて有意に増加した。また、8週間後のFEV1/FVCの変化率とジグザグ歩行の変化率には、初期値と比較して有意な相関が認められた。

 

 

[用語解説]

 

注1

シスチン

髪の毛や爪に多く含まれるアミノ酸の一種で、システインが2つ繋がったもの。透き通る美しさをサポートする成分として注目されている。

注2

プロテオグリカン

肌の細胞の増殖や、ヒアルロン酸、Ⅰ型コラーゲンの産生を促し、かつそれ自体が高い保水能力を持ち、肌荒れ、シワ、肌の弾力、メラニン生成抑制作用や色素沈着改善作用があり、若々しい肌を保つのに役立つ。

注3

潰瘍性大腸炎

炎症性腸疾患のひとつで、大腸の粘膜に炎症が起きることによりただれや潰瘍ができる原因不明の慢性の病気。主な症状としては、下痢や血便、腹痛、発熱、貧血などがある。また、様々な合併症が発現することがある。

注4

Ⅲ型コラーゲン

3つのアルファ1(Ⅲ)鎖からなるらせん構造を持った線維型タンパク質。胚発生の初期胚の頃から発現し、皮膚や心血管系の発生に重要である。成体では、Ⅲ型コラーゲンは皮膚(真皮)、血管、肺、内臓器官の細胞外マトリクスの成分で、正常な生理機能を維持するために重要。例えば、Ⅲ型コラーゲンの遺伝子の異常は、血管や皮膚がもろく、関節がぐらぐらするエーラスダンロス症候群を引き起こす。さらに、Ⅲ型コラーゲンは皮膚やその他の組織で、治療回復している場所に顕著に存在している。

注5

線維化

内臓などの組織を構成している結合組織と呼ばれる部分が異常増殖する現象のこと。

注6

細胞外マトリクス

組織中の細胞外の空間を満たしている生体高分子の複雑な集合体。すべての組織にあり、結合組織には多量に存在する。皮膚ではⅠ型、Ⅲ型コラーゲンを含む異なる種類の様々な線維が細胞外マトリクスの主要な構造成分で、皮膚に強度と弾力性を与えている。

注7

真皮線維芽細胞

皮膚の真皮にある線維芽細胞。真皮は、皮膚を形成する結合組織で、基底膜を隔てて表皮の下層にある。真皮にはコラーゲン線維や弾性線維、プロテオグリカンなど皮膚を物理的に支える構造物があるほか、細胞成分として線維芽細胞や肥満細胞などが存在する。線維芽細胞は楕円形の核を内部にもつ紡錘状の形態をしており、コラーゲンやプロテオグリカンなどの細胞外マトリクスを分泌する。

注8

MMP2

マトリクスメタプロテアーゼ2。細胞外マトリクスを分解する酵素の一種。マトリクスメタロプロテアーゼ2は様々な皮膚の生物学や生態学に役割を果たし、例えば創傷治療プロセスでは初期には発現している。

注9

デコリン

プロテオグリカンの一種で、鎖状のコアタンパク質にグリコサミノグリカンと呼ばれる二糖の繰り返し構造を持つ糖鎖多数結合した、試験管ブラシのような構造をしている。多数のマイナス電荷をもち、水やイオンを多量に吸着する性質がある。デコリンは結合組織に存在し、組織を組み立てるのに重要な働きをしている。デコリンの量や質に異常があると、張りのない皮膚になってしまったり、傷の治りが遅くなったりする。

4【関係会社の状況】

 該当事項はありません。

 

5【従業員の状況】

(1)提出会社の状況

 

 

 

 

2023年3月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

41

7

44.5

4.8

5,836,281

 

当社は卵殻膜ヘルスケア事業の単一セグメントであるため、部門別に記載しております。

部門の名称

従業員数(人)

営業部門

30

(7)

企画・製造部門

5

(0)

管理・企画部門

6

(0)

合計

41

(7)

 (注)1. 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

2. 従業員数は就業人員であり、臨時従業員数(特定地域に就労する契約社員であり、派遣社員を除く。)は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。

 

(2)労働組合の状況

当社において労働組合は組織されておりませんが、労使関係は良好であります。

 

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社は、当社の存在意義、存在価値、社会的使命を示したものとして経営理念を掲げ、その実現に全社を挙げて取り組んでおります。

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。

  (1)経営方針

 当社は、経営理念に続く経営ビジョンを経営の基本方針の柱として、事業活動を行っております。

①経営理念

「世界の人々の人生に健康と美しさをもたらす。卵殻膜とバイオテクノロジーで。」

②経営ビジョン

・先進諸国に到来する高齢化社会において、人々の健康、若さ、そして美しさの維持・向上による“生活の質”の向上という根源的なニーズに、“卵殻膜”を通じて貢献する。

・卵殻膜の多機能な効果及び効能を科学的に解明し、常にユニークで最高品質の商品開発にこだわり、それを世界に提供する。

・“卵殻膜”で、美容と健康分野において、新しい価値観を浸透させる。

 

 また、当社は主に化粧品・健康食品の販売を行っておりますが、化粧品は塗布により一時的に外見を整えるものにはとどまらず、肌(細胞)自体を美しくするものであり、健康食品は病気になってから使用する薬とは異なり、未病の改善に貢献するものと定義しており、これらを通じて世界の人々の人生に健康、若さ、美しさをもたらすことを使命としております。

 

  (2)経営戦略等

 当社事業の根幹を成す卵殻膜の市場は未だ成長過程にあると当社は認識しております。当社としましては既存販路でのシェアの拡大と、新たな成長の柱づくりとして新たな販路開拓、既存ブランドに続く新たな柱となる商品の開発の強化を行い、卵殻膜市場の拡大牽引を図ってまいります。

 

  (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社は、成長性及び効率性をもって収益に結びつけ、継続的に成長していくことを経営上の目標としております。収益性及び成長性などの各経営指標のバランスを重視し、外部環境やトレンドに左右されることの無い財務基盤を構築することで、企業価値の向上を図ってまいります。具体的には、売上高、売上総利益、営業利益を重要な指標と考えております。

 

  (4)経営環境

 国内化粧品市場は、コロナ禍でマスクの着用が常態化したことでスキンケア、ベースメイクでそれに対応した機能訴求が拡大したほか、在宅機会の増加により「おうち美容」として重点的な美容を志向する層が拡大しました。直近では消費者の外出機会も回復傾向となっているものの、通年でコロナへの対応が要されたことで本格回復には至らなかった品目市場も見受けられました。株式会社富士経済の国内化粧品市場の調査結果(機能性化粧品マーケティング要覧2022-2023 2022年12月8日発刊)によると、2021年度の国内化粧品市場規模は2兆8,396億円(前年度比3.3%増)、2022年度は2兆9,133億円(同2.6%増)を見込んでおります。

 健康食品市場は、新型コロナ感染症拡大の中で高まった健康・免疫需要や、コロナ禍での新生活様式の中で生まれたストレス・睡眠問題やコロナ太り対策需要により、特に巣ごもり需要の恩恵を受けた通信販売市場を中心に市場が拡大し、近年、市場拡大に寄与したインバウンド需要の消失を穴埋めし、市場は拡大基調を続けています。株式会社矢野経済研究所の健康食品市場の調査結果(健康食品の市場実態と展望 2023年3月29日発刊)によると、2021年度の健康食品市場規模はメーカー出荷金額ベースで8,825億円(前年度比1.9%増)、2022年度は8,925億円(同1.1%増)を見込んでおります。

 

  (5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 上記経営戦略に基づき対処すべき課題は以下のとおりです。

①直販チャネルを通じた売上及び利益の拡大

 TVCM等の広告手法を積極的に採用するなど顧客獲得施策を継続的に実施し、顧客獲得効率の向上と顧客獲得数の増加を両立させ、売上規模の拡大を目指してまいります。また、獲得した顧客とのリレーションシップを強固にすることにより、定期購入顧客の継続率の向上及びクロスセル単価の向上を実現し、利益率向上を目指してまいります。

 また、当社ブランドイメージの確立のため、ウェブデザイン、商品パッケージリニューアルなどのビジュアル面の最適化についても注力し、イメージ形成を推進してまいります。

②新たな柱となる商品の開発

 大学や他企業等の外部の研究機関と共同研究を継続することにより、卵殻膜原料との親和性が低く商品化できていない特定マーケットや機能性にフォーカスした商材の開発を進めてまいります。

 また、化粧品・健康食品等の既存商品について、卵殻膜の配合量、使い心地、香り等の継続的な改善・開発活動を行い、当社ビジネスの柱となる商品ラインナップの拡充を図ってまいります。

③新たな販路の開拓

 新規の顧客獲得のために中国本土を含む中華圏及び欧米を中心に販路拡大を目指してまいります。国内においても当社商品の更なる認知度向上を図るべく、実店舗販売についても拡大を目指してまいります。

 また、OEMビジネスについても新たな販路開拓の検討を進めてまいります。

④バランスシートの最適化

 当社では現時点のバランスシートにおいて、総資産のスリム化及び資金調達の最適化の必要性があると認識しております。

 総資産のスリム化については、高い水準の株主配当及び余剰資金を活用した自己株式の取得を実行することで、その実現を目指してまいります。資金調達の最適化については、財務健全性を保ちながら、より小さい自己資本で利益を創出できるよう、外部の金融機関からの借入れを活用し、その実現を目指してまいります。

⑤内部統制システムの強化

 売上・利益の拡大を志向するのみならず、会社全体の業務プロセスの見直しを継続的に図り、内部統制をより一層充実させコーポレート・ガバナンスを強化することで、社会やステークホルダーの皆様から信頼を得られる企業を目指してまいります。

 

3【事業等のリスク】

本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。

 

(1)仕入、在庫に関するリスク

①商品の製造委託についてのリスク

当社は、経営資源を研究開発及び営業活動に集中させて経営効率化を図るため、商品の製造を外部委託しており、また一部商品につきましては製造委託先からさらに再委託先に製造が委託されております。

製造委託先が製造した商品の品質に問題が生じた場合には当社も販売者責任を問われることになり、当社商品に対する顧客からの信頼の毀損に発展する可能性があります。また、商品の製造委託先もしくは製造再委託先との急な契約の解消や天災等による生産設備への被害など不測の事態が生じた際には、当社製品の円滑な供給に支障を来すことが考えられ、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

かかるリスクは当社のリスク施策によって完全に排除できる性格のものではないことから、顕在化の時期・影響度について確定的な予測を行うことは困難であると認識しております。

当社といたしましては、定期的に各製造委託先、製造再委託先への監査を実施すると同時に、製造委託先、製造再委託先の所在地を分散させ、さらに各商品の商品検査記録の提出の義務付けを行う等、製造委託先、製造再委託先の品質管理には万全を期してリスクの低減を図っており、また、当社は委託先に対して計画的に発注を行うことや、委託先との良好な関係を保つことにより、商品を安定的に供給できるよう努めております。

 

②原材料の調達に関するリスク

当社は、当社商品の主原材料である「卵殻膜」の仕入の大部分を特定の取引先に依存しております。当該仕入先における事業継続不能な不測の事態の発生、原料不足や経済環境の激変等何らかの理由により、必要な原材料等の適正な価格での適正な量の確保が困難になった場合には当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。今後とも安定的に原材料を仕入れることは可能だと考えており当該リスクの顕在化する程度につきましては想定しておらず、当該リスクが顕在化する可能性、時期については現時点で認識しておりませんが、当該仕入先とは良好な関係の構築、維持に努めております。

また、当社は、一部の原材料の外注加工に関して特定の取引先に依存しているものがあり、今後何らかの事情により取引を継続できない事態が生じるなどにより、今後の安定的な外注先の確保に問題が発生した場合には、他の外注先の確保に時間を要する、内製化を行うなどの対策を講じるための必要な人員確保に時間を要する、他の仕入先に対し費用が先行するなどの事態が想定され、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。こちらも今後とも安定的に原材料を仕入れることは可能だと考えており当該リスクの顕在化する程度につきましては想定しておらず、当該リスクが顕在化する可能性、時期については現時点で認識しておりませんが、当該仕入先とは良好な関係の構築、維持に努めております。

 

③在庫の滞留又は欠品に関するリスク

当社は、綿密な需要予測を立て商品の製造依頼を行い、調達した商品を販売しております。しかしながら、需要動向を見誤ったことによる欠品、ないし滞留在庫が生じた場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。かかるリスクは当社のリスク施策によって完全に排除できる性格のものではないことから、顕在化の時期・影響度について確定的な予測を行うことは困難であると認識しております。当社は、在庫の保有状況をモニタリングしながら発注数量の調整を毎月実施し、滞留が予測される商品について販売施策を追加で立案することで在庫リスクの最小化を図っております。

 

(2)直販部門(自社ECサイト)に関するリスク

①直販部門での拡販施策が奏功しないリスク

当社は、主として自社直接販売の拡大のため、認知度、信頼度を向上させることにより、より多くのユーザを獲得し、また既存のユーザを維持していくことが必要であると考え、積極的に広告宣伝等にコストを投下してきており、今後も継続して広告宣伝等を進めていく方針であります。

しかしながら、広告宣伝効果が十分に得られない場合やコスト上昇等が生じた場合、投資が想定よりも長期に及ぶことにより計画通りの収益が得られない場合等には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

かかるリスクは当社のリスク施策によって完全に排除できる性格のものではないことから、顕在化の時期・影響度について確定的な予測を行うことは困難であると認識しております。拡販施策の効果については適時に確認を行い施策内容について検討継続を進めております。

 

 

②情報システムに関するリスク

当社は、特に自社直接販売においてパソコンやコンピューターシステムを結ぶ通信ネットワークに強く依存しており、自然災害や事故等により通信ネットワークが切断された場合、サイトへの急激なアクセス増加や電力供給の停止等、予測不能な要因によりコンピューターシステムがダウンした場合、あるいは、コンピューターウィルスやハッカーの侵入等によりシステム障害が生じた場合には、自社直接販売活動が一時的に困難となる可能性があり、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

かかるリスクは当社独自のリスク管理施策のみをもって軽減・回避できるものではなく、顕在化した場合には、リスク顕在の頻度、顕在リスクの規模等に応じた影響を蒙る可能性がありますが、その影響度について確定的な見積りを行うことは困難であると認識しております。

当社といたしましては情報システムに関する戦略を定め、情報システムの強化に努めております。

 

③個人情報保護に関するリスク

当社では、特に自社直接販売において顧客の個人情報を取得しているため、個人情報が蓄積されております。万が一、個人情報が外部に漏洩した場合は、顧客からの信用失墜による売上減少や顧客に対する損害賠償金の支払いなどにより当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。当社は、個人情報管理体制の適切な運用に努めており、かかるリスクが顕在化する可能性は低いものと認識しております。個人情報の取り扱いについては、情報セキュリティポリシーを規程として定め、また、Pマークの取得や情報セキュリティに関する社員教育を徹底しております。

 

(3)直販部門以外の販売全般に関するリスク

①大口販売先への依存に関するリスク

当社の販売先の中で売上構成比が20%を超える大口販売先として、TVショッピング販売における株式会社QVCジャパン、OEM商品販売における株式会社オージオの2社がございます。当該販売先の業績の悪化や在庫の滞留、2社の商品政策の大きな転換が発生した場合、納品時期が次期にずれ込んだ場合等には当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。今後安定的に商品を販売することは可能だと考えておりリスクの顕在化する程度につきましては想定しておらず、当該リスクが顕在化する可能性、時期については現時点で認識しておりません。今後とも当該販売先とは良好な関係を構築してまいります。

また株式会社QVCジャパンへの売上は、同社が提供しているTVショッピング専門チャンネルを通じた当社商品の販売となりますが、TVショッピング専門チャンネルにおける売上高は、番組ゲストの知名度や人気(パーソナリティー)に影響を受ける傾向があります。当社は元当社代表取締役である鈴江由美氏と顧問契約(契約期間:2022年10月~2023年9月)を締結しておりますが、同氏がなんらかの理由により業務遂行困難となった場合には、株式会社QVCジャパンにおける売上高に影響を及ぼす恐れがあり、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

同氏を通じた番組における販売実績が良好なことから、今後とも安定的に商品を販売することは可能だと考えておりリスクの顕在化する程度につきましては想定しておらず、当該リスクが顕在化する可能性、時期については現時点で認識しておりません。今後とも番組出演について同氏との良好な関係を構築してまいります。

 

②競合環境の変化に関するリスク

当社は、卵殻膜原料を活用した化粧品・健康食品の製造販売を主要事業としております。当社が属する化粧品・健康食品業界において、現時点において競合他社、OEM先が卵殻膜を主成分とした有力な商品を発売している事例は多くありませんが、今後卵殻膜の認知度が向上し、その素材としての可能性が広く着目され競合他社、OEM先が卵殻膜配合商品を多数発売した場合には、競争環境の悪化により当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

かかるリスクは当社のリスク施策によって完全に排除できる性格のものではないことから、顕在化の時期・影響度について確定的な予測を行うことは困難であると認識しております。

卵殻膜に関する研究や当社商品、原料の改良を進め他社の類似商品との差別化を図り永くご愛顧されるよう努めております。

 

(4)消費者とのトラブル及び風評のリスク

当社では化粧品・健康食品を取扱っており、当社の取扱商品や原材料と同一又は類似した商材において、一般市場にて安全性に疑義が生じるような事態が発生した場合、風評被害が発生する可能性があります。

消費者とのトラブルや風評リスクは常時起こる可能性がありますが、顕在化の時期・影響度について確定的な予測を行うことは困難であると認識しております。その安全性や広告表現については関連法規を遵守し、独自の基準を設け厳しく管理すると同時に卵殻膜に関する研究や当社商品、原料の改良に努めております。

 

(5)法的規制等に関するリスク

当社は化粧品・健康食品の製造販売事業者として、主に以下の法的規制の遵守を徹底しております。万が一これらの法的規制に抵触する事態に陥った場合には行政処分の対象となることがあり、その場合には当社の業績に影響を及ぼす可能性がありますがその程度につきましては想定しておりません。なお、当該リスクが顕在化する可能性、時期については現時点で認識しておりませんが当社は外部専門家及び有識者の活用及び関連各部署による情報収集に努めております。

 

①特定商取引法

特定商取引法は、訪問販売や通信販売等の事業者を対象に、事業者が守るべきルールと、クーリング・オフ等の消費者を守るルールを定めております。

 

②医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律

医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律では、医薬品の他医療機器、医薬部外品、化粧品についても規定されており、その中で化粧品を市場に出荷する企業(「製造販売業者」といいます。)に対して様々な責務を定め、安全性の確保を図らせるようにしております。

国内において医薬部外品及び化粧品を製造販売するためには、製造販売業の許可を必要とし、当社はその許可を取得しております。これらの許可は、5年毎に更新を行うこととなっておりますが、法令違反等があった場合には、許可の更新を拒否され、または許可を取り消されることがあり、外注先等の製造設備においても厚生労働省令で定める基準に適合しない場合等には、その使用を禁止されることがあります。

また、化粧品及び医薬部外品は、本法において広告に関する規定があり、虚偽又は誤解を招く恐れのある事項や承認を受けていない効能又は効果を宣伝することは禁止されていることから、社内の広告ガイドライン等の審査ルールを定め事前確認を行うこととしております。

なお、当社は本法を遵守しており、違反はございません。

(化粧品・医薬部外品の製造及び販売事業に係る主要な許可の取得状況等)

 許可の名称

有効期間

 取消事由及び該当状況

 化粧品製造販売業許可

2027年12月26日まで

(5年毎の更新)

(許可の取消)

「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」第75条に定められる事由

に該当した場合

(該当状況)

上記取消事由に該当する事項は

ありません。

 医薬部外品製造販売業許可

2027年12月26日まで

(5年毎の更新)

 

③不当景品類及び不当表示防止法(景表法)

本法は、消費者の利益を保護するため、商品やサービスの品質、内容、価格等を偽ったり、消費者に誤認されたりする表示を行うことを規制するとともに、過大な景品類の提供を防ぐために景品類の最高額、総額を制限するものであります。

 

④健康増進法

国民の栄養の改善その他の国民の健康増進を図るための措置を講じ、国民の健康向上を図ることを目的として、国民の健康増進の総合的な推進に関して基本的な事項が定められております。健康状態の改善又は維持の効果に関して、著しく人を誤認させるような広告を禁止するなどの規制があります。

 

⑤食品衛生法

飲食に起因する衛生上の危害の発生を防止し、もって国民の健康の保護を図ることを目的としております。公衆衛生に危害を及ぼす恐れのある虚偽又は誇大な表示や広告の禁止などが定められております。

 

⑥消費者契約法

事業者が重要事項について事実と異なることを告げ(不実告知)、消費者が誤認した場合の取り消し、消費者が支払う損害賠償額の予定条項等の無効等が定められております。

⑦知的財産権に関するリスク

当社が行う事業は、商標権、特許権等の知的財産権が関係しております。第三者の権利が成立した場合や認識していない権利が既に成立している場合、第三者より損害賠償及び使用差し止め等の訴えを起こされる可能性及び権利に関する使用料等の対価の支払いが発生する可能性があります。この場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性がありその程度につきましては想定しておりません。なお、当該リスクが顕在化する可能性、時期については現時点で認識しておりませんが当社は、商品に使用する商標権を登録する際には、事前に類似したものが存在しないことを調査しており、また特許権については商品の開発を行う際に、必ず製造委託先に特許情報調査を依頼して他社の権利を侵害しないよう努めております。

 

(6)その他のリスク

①小規模組織に関するリスク

当社の人員は、当事業年度の末日現在、取締役3名、監査役3名及び従業員48名(臨時従業員含む)の小規模組織であります。

 このうち、管理企画部門の人員は、取締役1名及び従業員6名であり、現在の内部管理体制は現在の組織規模に応じたものとなっております。

今後も人員の拡充による体制強化を図ってまいりますが、計画通りに採用が進まない場合、または、人材が流出する場合においては、内部管理体制に支障が生じ、又は業容拡大に支障が生じ、今後の事業運営に影響を及ぼす可能性があります。当社は、採用活動を通じて、安定して人材確保できるよう努めており、現状の体制に特記すべき問題は認めていないことから、かかるリスクが顕在化する可能性は低いものと認識しております。今後も採用活動を通じて、安定して人材確保できるよう努めてまいります。

 

②国内景況感に関するリスク

当社が販売する商品の販売動向は景況感に左右される可能性が高いため、今後企業業績の悪化等に伴い我が国の景況感が大幅に悪化した場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性がありますが、その程度につきましては想定しておりません。なお、当該リスクが顕在化する可能性、時期については現時点で認識しておりません。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の概要は次のとおりであります。

 

①経営成績の状況

 当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の拡大防止を目的とした行動制限や入国規制が緩和され、経済活動の正常化に向けた動きが見られました。一方で、ロシア・ウクライナ情勢の長期化、原材料価格の高騰、円安の進行等により、依然として先行きは不透明な状況が続いております。

 このような状況において、当社は3つの経営ビジョンの下(※1)、卵殻膜商品の更なる認知度向上を狙った広告運用強化等により、直販(EC)の新規顧客獲得数が好調に増加並びにTV通販及び外販(一般流通)の堅調な推移、一方で、外販(OEM販売)での出荷が、前年同期比で減少する結果となりました。

 その結果、当事業年度の経営成績は、売上高6,528,885千円(前年同期比21.7%増)、営業利益831,726千円(前年同期比0.5%減)、経常利益837,106千円(前年同期比0.1%増)、当期純利益585,798千円(前年同期比0.6%増)となりました。

※1・先進諸国に到来する高齢化社会において、人々の健康、若さ、そして美しさの維持・向上による“生活の質”の向上という根源的なニーズに、“卵殻膜”を通じて貢献する。

・卵殻膜の多機能な効果及び効能を科学的に解明し、常にユニークで最高品質の商品開発にこだわり、それを世界に提供する。

・“卵殻膜”で、美容と健康分野において、新しい価値観を浸透させる。

 なお、当社は卵殻膜ヘルスケア事業の単一セグメントであるため、セグメント情報の開示は行っておりませんが、売上高の販売チャネル別の内訳は、以下のとおりであります。

 

販売チャネル

前事業年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

当事業年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

増減額

(千円)

前年同期比

(%)

金額

(千円)

構成比

(%)

金額

(千円)

構成比

(%)

TV通販

1,356,044

25.3

1,401,526

21.5

45,481

103.4

外販

(一般流通)

248,205

4.6

289,296

4.4

41,090

116.6

外販

(OEM販売)※2

1,742,440

32.5

1,528,803

23.4

△213,637

87.7

直販(EC)

2,018,407

37.6

3,309,259

50.7

1,290,852

164.0

合計

5,365,098

100.0

6,528,885

100.0

1,163,787

121.7

※2 OEM販売額のうち、インターネット販売を主としているOEM先への売上高

 

②財政状態の状況

(資産)

 当事業年度の流動資産は3,497,617千円となり、前事業年度末と比較して326,719千円増加しました。これは主に、現金及び預金が212,603千円、売掛金が295,945千円増加し、受取手形が317,567千円減少したことによるものです。固定資産は173,637千円となり、前事業年度末と比較して19,286千円減少しました。これは主に、建物が1,781千円、ソフトウエアが3,133千円、繰延税金資産が10,683千円減少したことによるものです。

 以上の結果、総資産は3,671,254千円となり、前事業年度末と比較して307,432千円増加しました。

 

(負債)

 当事業年度の流動負債は1,300,756千円となり、前事業年度末と比較して657,827千円増加しました。これは主に、買掛金が116,038千円、短期借入金が480,000千円増加したことによるものです。固定負債は38,204千円となり、前事業年度末と比較して5,569千円増加しました。これは主に、退職給付引当金が6,500千円増加し、リース債務が930千円減少したことによるものです。

 以上の結果、負債合計は1,338,961千円となり、前事業年度末と比較して663,396千円増加しました。

 

(純資産)

 当事業年度の純資産は2,332,293千円となり、前事業年度末と比較して355,964千円減少しました。これは主に、繰越利益剰余金が173,450千円増加し、自己株式が513,734千円増加したことによるものです。

 

③キャッシュ・フローの状況

 当事業年度末における現金及び現金同等物は、前事業年度末に比べ212,603千円増加し、1,388,343千円となりました。

 当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前当期純利益837,106千円、棚卸資産の増加額150,833千円、仕入債務の増加額116,038千円、法人税等の支払額215,297千円等により711,745千円の収入となりました(前事業年度は260,421千円の収入)。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動によるキャッシュ・フローは、無形固定資産の取得7,125千円により7,125千円の支出となりました(前事業年度は9,725千円の支出)。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入による収入1,670,000千円、短期借入金の返済による支出1,190,000千円、自己株式の取得による支出581,111千円等により492,016千円の支出となりました(前事業年度は208,227千円の支出)。

 

④生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当社は生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。

 

b.仕入実績

当事業年度における仕入実績は、次のとおりであります。

区分

当事業年度

(自 2022年4月1日

  至 2023年3月31日)

前年同期比(%)

完成品(千円)

1,672,752

109.0

部材(千円)

726,328

100.6

合計(千円)

2,399,080

106.3

 (注)1.当社は、卵殻膜ヘルスケア事業の単一セグメントであるため、仕入実績は、セグメント情報に関連付けた記載を省略しております。

2.金額は仕入価格によっております。

 

c.受注実績

当社が提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、記載を省略しております。

 

d.販売実績

当事業年度における販売実績は、次のとおりであります。

販売チャネル別

当事業年度

(自 2022年4月1日

  至 2023年3月31日)

前年同期比(%)

TV通販(千円)

1,401,526

103.4

外販(一般流通)(千円)

289,296

116.6

外販(OEM販売)※(千円)

1,528,803

87.7

直販(EC)(千円)

3,309,259

164.0

合計(千円)

6,528,885

121.7

※OEM販売額のうち、インターネット販売を主としているOEM先への売上高

 

 (注)1.当社は、卵殻膜ヘルスケア事業の単一セグメントであるため、販売実績は、セグメント情報に関連付けた記載を省略しております。

2.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前事業年度

(自 2021年4月1日

  至 2022年3月31日)

当事業年度

(自 2022年4月1日

  至 2023年3月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

株式会社オージオ

1,683,433

31.4

1,474,573

22.6

株式会社QVCジャパン

1,347,076

25.1

1,401,526

21.5

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

 

①重要な会計方針及び見積り

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。これら財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性のため、これら見積りと異なる場合があります。

当社は、特に以下の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定が重要であると考えております。

 

商品の収益性の低下による帳簿価額の切下げ

 商品の収益性の低下による帳簿価額の切下げに際して用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

②経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a 財政状態の分析

 当事業年度末における財政状態の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」に記載しております。

 

b 経営成績の分析

 (売上高)

当事業年度の売上高は、6,528,885千円となり、前事業年度に比べ1,163,787千円増加しました。卵殻膜商品の更なる認知度向上を狙った広告運用強化等により、直販(EC)の新規顧客獲得が好調に推移した結果、売上高は前事業年度を上回りました。

 

 (売上原価、売上総利益)

売上原価は、2,178,717千円となり、前事業年度に比べ134,641千円増加しました。売上高の増加に伴い、売上総利益は、4,350,168千円となり、前事業年度に比べ1,029,145千円増加しました。

 

 (販売費及び一般管理費、営業利益)

販売費及び一般管理費は、3,518,442千円となり、前事業年度に比べ1,033,152千円増加しました。これは主に、直販の新規顧客獲得数増加に伴う広告宣伝費等の増加の影響によるものであります。この結果、営業利益は831,726千円となり、前事業年度に比べ4,006千円減少しました。

 

 (営業外収益、営業外費用及び経常利益)

営業外収益は雑収入10,118千円等により12,306千円、営業外費用は自己株式取得費用3,564千円等により6,925千円となりました。この結果、経常利益は837,106千円となり、前事業年度に比べ536千円増加しました。

 

 (特別利益、特別損失及び当期純利益)

特別利益、特別損失の発生はなく、この結果、税引前当期純利益は837,106千円となり、前事業年度に比べ536千円増加しました。

また、法人税等合計が251,308千円、当期純利益は585,798千円となり、当期純利益は前事業年度に比べ3,585千円増加しました。

 

c キャッシュ・フローの分析

 当事業年度におけるキャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

 

③ 経営成績に重要な影響を与える要因について

 経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。また、今後の経営成績に影響を与える課題につきましては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。

 

④ 経営者の問題意識と今後の方針について

 経営者の問題意識と今後の方針については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。

 

⑤資本の財源及び資金の流動性についての分析

 当社の運転資金需要のうち主なものは、商品及び原材料の仕入のほか、広告宣伝費、運送費等の販売費及び一般

管理費であります。当社は、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金は自己資金を基本としており、設備投資や長期運転資金につきましては、金融機関からの長期借入やリースによる調達を基本としております。

 なお、当事業年度末における有利子負債の残高(リース債務含む)は551,895千円、有利子負債依存度(リース債務含む)は15.0%であり、事業運営上、必要な資金を安定的に確保していると認識しております。また、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は1,388,343千円となっており、事業運営上、必要な流動性を確保していると認識しております。

 

⑥経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の進捗について

 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標につきましては、売上高、売上総利益及び営業利益を重要な経営指標として位置付けております。

 前事業年度及び当事業年度の経営指標は、次の通りであります。売上高及び売上総利益については当事業年度においては前事業年度を上回りましたが、広告宣伝費等の増加の影響を受け、営業利益は前年とほぼ同水準の着地となりました。今後も定期顧客会員数の拡大や新商品の開発、コスト削減等を図り、売上高、売上総利益及び営業利益の拡大に努めてまいります。

 

前事業年度

(自 2021年4月1日

  至 2022年3月31日)

当事業年度

(自 2022年4月1日

  至 2023年3月31日)

金額(千円)

前年同期比(%)

金額(千円)

前年同期比(%)

売上高

5,365,098

118.0

6,528,885

121.7

売上総利益

3,321,022

118.4

4,350,168

131.0

営業利益

835,732

158.6

831,726

99.5

5【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

2【主要な設備の状況】

 当社における主要な設備は、次のとおりです。なお、当社は、卵殻膜ヘルスケア事業の単一セグメントであるため、セグメント情報に関連付けた記載はしておりません。

 

2023年3月31日現在

 

事業所名

(所在地)

設備の内容

帳簿価額(千円)

 

建物

工具、器具及び備品

ソフト

ウエア

その他

合計

従業員数

(人)

 

本社

(東京都中央区)

本社事務所

18,499

35,024

24,938

2,745

81,207

41

(7)

 (注)1. 現在休止中の主要な設備はありません。

2.本社事務所を賃借しており、年間賃借料は34,583千円であります。

3.従業員数は就業人員であり、臨時従業員数(特定地域に就労する契約社員であり、派遣社員を除く。)の年間平均人員を( )外数で記載しております。

 

①【株式の総数】

種類

発行可能株式総数(株)

普通株式

48,000,000

48,000,000

②【発行済株式】

種類

事業年度末現在発行数

(株)

(2023年3月31日)

提出日現在発行数(株)

(2023年6月30日)

上場金融商品取引所名又は登録認可金融商品取引業協会名

内容

普通株式

10,394,000

10,394,000

東京証券取引所

スタンダード市場

完全議決権株式であり、権利内容に何ら限定のない当社における標準となる株式であります。なお、単元株式数は100株であります。

10,394,000

10,394,000

 

①【ストックオプション制度の内容】

 当社は、ストックオプション制度を採用しております。当該制度は、会社法に基づき新株予約権を発行する方法によるものであります。当該制度の内容は、次のとおりであります。

 

第1回新株予約権(2015年3月23日開催の臨時株主総会及び取締役会)

決議年月日

2015年3月23日

付与対象者の区分及び人数(名)

当社取締役4

当社従業員24(注)3

新株予約権の数(個) ※

7  (注)1

新株予約権の目的となる株式の種類、内容及び数(株) ※

普通株式 14,000 (注)1

新株予約権の行使時の払込金額(円) ※

205 (注)2

新株予約権の行使期間 ※

2017年3月24日~2025年3月23日まで

新株予約権の行使により株式を発行する場合の株式の発行価格及び資本組入額(円) ※

発行価格  205

資本組入額 102.5

新株予約権の行使の条件 ※

① 新株予約権の割り当てを受けた者は、割当日以降、新株予約権の行使時までの間、継続して当社または当社子会社の取締役、監査役、執行役員または従業員であることを要する。ただし、当社の取締役会が承認した場合はこの限りではない。

② 新株予約権者は、新株予約権の行使時において、新株予約権の目的である当社普通株式が日本国内の証券取引所に上場している場合に限り行使できる。

③ 新株予約権者が死亡した場合は、相続人はこれを行使できない。

新株予約権の譲渡に関する事項 ※

譲渡による本新株予約権の取得については当社取締役会の承認を要するものとする。

組織再編成行為に伴う新株予約権の交付に関する事項 ※

当社が組織再編行為をする場合において、組織再編行為の効力発生時点において残存する本新株予約権の新株予約権者に対しては、会社法第236条第1項第8号のイからホまでに掲げる株式会社の新株予約権を交付する事とする。その際の条件は、当社と新株予約権の割当を受けたものとの間で締結した「新株予約権割当契約書」で定めるところによる。

※当事業年度の末日(2023年3月31日)における内容を記載しております。提出日の前月末現在(2023年5月31日)において、記載すべき内容が当事業年度の末日における内容から変更がないため、提出日の前月末現在に係る記載を省略しております。

 

(注)1.新株予約権の割当日後、当社が株式分割、株式無償割当てまたは株式併合を行う場合は、次の算式により付与株式数を調整するものとする。ただし、かかる調整は、新株予約権のうち、当該時点で行使されていない新株予約権の目的である株式の数についてのみ行われ、調整の結果生じる1株未満の端数は、これを切り捨てる。

調整後付与株式数

調整前付与株式数

×

分割、株式無償割当てまたは併合の比率

 

2.新株予約権の割当日後、当社が株式分割、株式無償割当てまたは株式併合を行う場合は、次の算式により行使価額を調整し、調整により生ずる1円未満の端数は切り上げる。

 

調整後行使価額

調整前行使価額

×

分割、株式無償割当てまたは併合の比率

 

また、新株予約権の割当日後に時価を下回る価額で新株式の発行または自己株式の処分を行う場合は、次の算式により行使価額を調整し、調整により生ずる1円未満の端数は切り上げる。

 

 

 

 

 

既発行株式数

新規発行(処分)株式数×1株当たり払込金額

調整後行使価額

調整前行使価額

×

1株当たりの時価

既発行株式数+新規発行(処分)株式数

 

3.付与対象者の退職等による権利の喪失により、本書提出日現在の「付与対象者の区分及び人数」は、当社取締役1名、当社従業員13名となっております。

 

②【ライツプランの内容】

 該当事項はありません。

 

(4)【発行済株式総数、資本金等の推移】

年月日

発行済株式総数増減数(株)

発行済株式総数残高(株)

資本金増減額

(千円)

資本金残高

(千円)

資本準備金増減額(千円)

資本準備金残高(千円)

2019年12月1日

(注)1.

11,998,800

12,000,000

60,000

2020年6月29日

(注)2.

12,000,000

50,000

110,000

2021年4月15日

(注)3.

△1,606,000

10,394,000

110,000

(注)1.株式分割(1:10,000)によるものであります。

2.2020年6月29日開催の定時株主総会決議により、当社の財務基盤を強化することで経営健全性を向上させ更なる成長を図るため、会社法第450条第1項の規定に基づき、繰越利益剰余金の額の減少を行い、その全部を資本金に組み入れております。これにより資本金は50,000千円増加し、110,000千円となっております。

3.2021年4月15日開催の取締役会決議により、2021年4月15日付で自己株式1,606,000株の消却を行っております。

 

(5)【所有者別状況】

 

 

 

 

 

 

 

2023年3月31日現在

区分

株式の状況(1単元の株式数100株)

単元未満株式の状況

(株)

政府及び地方公共団体

金融機関

金融商品取引業者

その他の法人

外国法人等

個人その他

個人以外

個人

株主数(人)

4

25

55

21

10

5,160

5,275

所有株式数(単元)

7,896

7,458

38,550

1,273

27

48,650

103,854

8,600

所有株式数の割合(%)

7.60

7.18

37.12

1.23

0.03

46.84

100

(注)自己株式799,642株は「個人その他」の欄に7,996単元、「単元未満株式の状況」に42株含まれております。

 

(6)【大株主の状況】

 

 

2023年3月31日現在

氏名又は名称

住所

所有株式数

(株)

発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合(%)

株式会社DALMA

神奈川県横浜市中区本町四丁目41番地

1,540,000

16.05

CBC株式会社

東京都中央区月島二丁目15番13号

1,225,000

12.77

日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)

東京都港区浜松町二丁目11番3号

645,300

6.73

株式会社SBI証券

東京都港区六本木一丁目6番1号

590,700

6.16

株式会社オージオ

埼玉県上尾市仲町一丁目7番27号

504,000

5.25

鈴江 由美

東京都渋谷区

350,000

3.65

小林 聖典

東京都品川区

251,000

2.62

グリーンコア株式会社

東京都渋谷区富ヶ谷一丁目14番9号

200,000

2.08

上田八木短資株式会社

大阪府大阪市中央区高麗橋2丁目4-2

133,600

1.39

保科 史朗

東京都世田谷区

103,794

1.08

5,543,394

57.78

①【貸借対照表】

 

 

(単位:千円)

 

前事業年度

(2022年3月31日)

当事業年度

(2023年3月31日)

資産の部

 

 

流動資産

 

 

現金及び預金

1,175,740

1,388,343

受取手形

695,682

378,114

売掛金

333,383

629,328

商品

726,547

861,101

貯蔵品

196,154

212,433

前払費用

33,549

13,784

その他

10,465

14,510

貸倒引当金

624

-

流動資産合計

3,170,898

3,497,617

固定資産

 

 

有形固定資産

 

 

建物(純額)

20,281

18,499

工具、器具及び備品(純額)

36,225

35,024

リース資産(純額)

2,429

1,619

有形固定資産合計

※1 58,936

※1 55,142

無形固定資産

 

 

特許権

1,426

-

商標権

1,376

1,126

ソフトウエア

28,071

24,938

無形固定資産合計

30,874

26,064

投資その他の資産

 

 

繰延税金資産

77,344

66,661

差入保証金

10,069

10,069

敷金

15,688

15,688

その他

10

10

投資その他の資産合計

103,112

92,429

固定資産合計

192,923

173,637

資産合計

3,363,822

3,671,254

 

 

 

 

(単位:千円)

 

前事業年度

(2022年3月31日)

当事業年度

(2023年3月31日)

負債の部

 

 

流動負債

 

 

買掛金

192,453

308,491

短期借入金

※2 70,000

※2 550,000

リース債務

897

930

未払金

89,042

102,536

未払費用

14,231

16,008

未払法人税等

226,628

253,729

未払消費税等

18,692

35,875

預り金

3,465

2,805

賞与引当金

20,260

21,626

その他

7,258

8,752

流動負債合計

642,929

1,300,756

固定負債

 

 

リース債務

1,895

964

退職給付引当金

30,740

37,240

固定負債合計

32,635

38,204

負債合計

675,564

1,338,961

純資産の部

 

 

株主資本

 

 

資本金

110,000

110,000

資本剰余金

 

 

その他資本剰余金

31,740

3,560

資本剰余金合計

31,740

3,560

利益剰余金

 

 

利益準備金

15,000

27,500

その他利益剰余金

 

 

別途積立金

110,000

110,000

繰越利益剰余金

2,733,855

2,907,305

利益剰余金合計

2,858,855

3,044,805

自己株式

312,337

826,072

株主資本合計

2,688,257

2,332,293

純資産合計

2,688,257

2,332,293

負債純資産合計

3,363,822

3,671,254

②【損益計算書】

 

 

(単位:千円)

 

 前事業年度

(自 2021年4月1日

 至 2022年3月31日)

 当事業年度

(自 2022年4月1日

 至 2023年3月31日)

売上高

5,365,098

6,528,885

売上原価

※1 2,044,076

※1 2,178,717

売上総利益

3,321,022

4,350,168

販売費及び一般管理費

※2,※3 2,485,290

※2,※3 3,518,442

営業利益

835,732

831,726

営業外収益

 

 

受取利息

10

8

助成金収入

200

2,180

雑収入

3,290

10,118

営業外収益合計

3,500

12,306

営業外費用

 

 

支払利息

438

2,904

自己株式取得費用

1,857

3,564

為替差損

330

160

雑損失

36

296

営業外費用合計

2,662

6,925

経常利益

836,570

837,106

税引前当期純利益

836,570

837,106

法人税、住民税及び事業税

256,759

240,625

法人税等調整額

2,402

10,683

法人税等合計

254,357

251,308

当期純利益

582,212

585,798