日本情報クリエイト株式会社
(注) 1.第28期は連結財務諸表の作成初年度であり、また、連結子会社の取得日を2022年3月31日(みなし取得日)としており、連結決算日との差異が3ヶ月を超えないことから、第28期においては貸借対照表のみを連結しております。そのため、2021年6月期の数値については記載しておりません。
2.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数は年間平均人員を( )内にて外数で記載しております。
3.第28期において、企業結合に係る暫定的な会計処理の確定を行っており、第28期の関連する主要な経営指標等について、暫定的な会計処理の確定の内容を反映させております。
(注) 1.持分法を適用した場合の投資利益については、関連会社を有していないため、記載しておりません。
2.2020年12月1日付で普通株式1株につき2株の株式分割を行い、また、2021年5月および2021年6月の新株予約権の行使により、第27期の発行済株式総数は14,226,440株となっております。
3.1株当たり配当額および配当性向については、第25期および第26期については配当を実施していないため、記載しておりません。
4.潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、第25期および第26期については、潜在株式は存在するものの、2020年6月末時点では当社株式は非上場であり、期中平均株価が把握できないため記載しておりません。第27期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、当社株式が2020年7月31日に東京証券取引所マザーズ市場(2022年4月4日以降は東京証券取引所グロース市場)に上場したため、新規上場日から当期末までの平均株価を期中平均株価とみなして算定しております。
5.1株当たり純資産額、1株当たり当期純利益は、普通株式の発行済株式数から自己株式数を控除した株式数で除して算定しております。
6.第25期および第26期の株価収益率は、当社株式が非上場であるため記載しておりません。
7.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数は年間平均人員を( )内にて外数で記載しております。
8.当社は、2019年5月28日付で普通株式1株につき1,000株、2020年5月31日付で普通株式1株につき10株、2020年12月1日付で普通株式1株につき2株の株式分割を行っております。第25期の期首に当該株式分割が行われたと仮定し、1株当たり純資産額および1株当たり当期純利益を算定しております。
9.2020年7月31日に東京証券取引所マザーズ市場(2022年4月4日以降は東京証券取引所グロース市場)に上場したため、第25期から第27期の株主総利回りおよび比較指標については記載しておりません。
10.最高株価および最低株価は東京証券取引所マザーズ市場(2022年4月4日以降は東京証券取引所グロース市場)におけるものであります。なお、2020年7月31日付で同取引所に株式を上場いたしましたので、それ以前の株価については記載しておりません。また、2020年12月1日付で普通株式1株につき2株の割合で株式分割を行っております。第27期の株価につきましては、株式分割による権利落後の最高株価および最低株価を記載しており、( )内に株式分割前の最高株価および最低株価を記載しております。
11.第28期より連結財務諸表を作成しているため、第28期以降のキャッシュ・フロー計算書に係る項目については記載しておりません。
当社グループは、ミッションとして「関わる全ての人をHAPPYに」を掲げており、当社グループの事業領域である不動産業界に対して、一気通貫のITソリューションとなる複数のクラウドサービスを提供し、顧客の生産性向上、収益性向上に寄与しております。
また、中期ビジョンとしては「テクノロジーで不動産領域に革新的プラットフォームを創造する」を掲げており、関連事業者である家賃保証会社や金融機関、修繕業者等、多くのパートナー企業ともデータ連携を推進し、顧客単体ではなく不動産業界全体のDX推進となるよう事業活動を行っております。
当社グループの主な顧客は不動産管理会社(注1)および不動産仲介会社(注2)(以下、併せて「不動産会社」という。)でありますが、当社グループが提供する価値ある情報と情報技術によって不動産会社と、不動産会社の顧客である消費者を支援することを当社グループの事業領域として位置付けております。

(注1)不動産管理会社とは、不動産の貸主に代わり賃貸物件の管理・維持を行うことを主な役割とする会社であります。管理・維持のためには、集金管理、入居者管理、更新・解約・精算、建物管理等の業務を行います。
(注2)不動産仲介会社とは、家主と入居希望者の間に入り、不動産物件の仲介をすることを主な役割とする会社であります。不動産仲介会社は、家主や不動産管理会社からの依頼を受けて、空室の入居者を募集し、入居者を決め、賃貸借契約の締結等の業務を行います。不動産仲介業務を行うためには、宅地建物取引業の免許が必要であり、当免許を取得して不動産の取引業を営む業者を宅地建物取引業者(宅建業者)といいます。
当社グループは、不動産業界DX化促進に向けた業務支援クラウドサービスの提供を中心に事業を展開しております。提供するサービスは不動産仲介業務の支援となる「仲介ソリューション」と賃貸管理業務の支援となる「管理ソリューション」の2つに分類されます。
「仲介ソリューション」とは、物件情報の仕入れ、集客、申込み、重説、契約までの不動産仲介業の一連の業務に対するソリューションであり、顧客の業務効率化、収益性向上に貢献するクラウドサービス群であります。商品ラインナップとしては、まず、業務の入り口となる物件情報の仕入れ業務のソリューションとして、業者間物件流通サービス「不動産BB」および「リアプロ」を提供しております。「不動産BB」は無償でのサービス提供となっており、当社の顧客基盤拡大戦略の中心サービスであります。同様のラインナップとして、完全子会社化した株式会社リアルネットプロが提供する「リアプロ」もございます。当社グループは、この2つのサービスで顧客基盤を拡大し、他有償サービスのクロスセルを実施しております。他有償サービスとしましては、不動産ポータルサイトでの集客支援となる「物件データ連動」、自社ホームページ制作支援ツール「Web Manager Pro」、非対面でオンライン上での入居申込み、重要事項説明、不動産契約に対応した「非対面仲介サービス」「IT重説」「電子契約サービス」があります。仲介業務に対して幅広いサービス提供を行うことにより業務の全体最適化を図っております。
「管理ソリューション」とは、賃貸管理業の一連の業務に対するソリューションであり、「仲介ソリューション」同様、顧客の業務効率化、収益性向上に貢献するクラウドサービス群であります。商品ラインナップとしては、賃貸管理業務を幅広く網羅した管理システム「賃貸革命」を提供しております。「賃貸革命」では、契約情報の管理や、請求管理、入金管理、オーナーへの送金管理など、複雑な手続きをシステム上での自動処理、データ管理によって効率化するサービスであります。他有償サービスとしましては、不動産会社と入居者とのコミュニケーションツールである「くらさぽコネクト 入居者アプリ」、家主(オーナー)とのコミュニケーションツールである「くらさぽコネクト オーナーアプリ」、また、不動産経営を支援する「経営分析オプション」も提供しております。
当社グループはこの「仲介ソリューション」「管理ソリューション」を提供することによって不動産会社に対して広範囲での業務効率化を実現し、不動産業界全体のDX化を推進しております。
当社グループの事業セグメント、サービス分類、主要な製品・サービスの体系を図示すると以下のとおりであります。
<当社グループの事業セグメント、サービス分類、主要な製品・サービスの体系>
販売経路は、直接販売(直販)、販売店経由があります。

(直販)

当社グループが顧客である不動産会社に対して直接販売し、当社グループと不動産会社の間でソリューションサービスの提供および保守サービス等の契約を締結します。
(販売店経由)

販売店とは、当社グループの製品を利用する不動産会社を紹介する者であり、当社グループと販売店契約を締結しております。販売店から不動産会社を紹介いただいた後、当社グループは販売店に対してソリューションサービスを提供し、販売店から対価を受領します。なお、保守サービス等については、当社グループと不動産会社の間で契約を締結します。
また、上記の販売店の他、保守サービスも当社グループの代理で不動産会社に提供する形態(代理店)も一部あります。
当社グループの不動産業務支援事業における特徴は以下のとおりです。
(1) 不動産業務支援サービスをワンストップで提供
当社グループは、不動産会社に対して、不動産会社が行う物件在庫管理、入居者募集業務、契約管理、家賃・入送金管理、入居者・建物保全管理等の業務を支援するサービスをワンストップで提供しております。
不動産業務支援サービスをワンストップで提供することにより、顧客ニーズに網羅的に対応できるのみならず、顧客にとっては、当社グループの製品・サービスを業務全体でご利用いただくことでデータの連携により商品間のシナジーが生まれ、更に利便性を高めることが可能となります。それにより、製品・サービスの解約率に関しても、安定した低い数値を維持することができております。

① 仲介ソリューション
a.業者間物件流通サービス
業者間物件流通サービスの主要な製品・サービスは「不動産BB」および「リアプロ」であります。
「不動産BB・リアプロ」
仲介を行う不動産会社の業務の中核(他社への共有、物件仕入れ)を担うサービスであり、「不動産BB」は、無償でご利用いただけます。これまで紙面・FAX・電話でのやりとりが主流であった物件情報の共有をインターネット上で行うことができ、24時間いつでも情報の更新・確認ができることから、双方が効率的に仲介を行える業者間物件流通のプラットフォームとなっております。また、2022年6月に完全子会社となったリアルネットプロ社が提供する「リアプロ」も「不動産BB」同様、業者間で情報を共有する物件流通サービスであり、こちらは一部有償で提供しております。当社グループはこの2つのサービスで日本全国の物件情報のデジタル化を図りつつ、事業成長に向けた顧客基盤拡大を推進しております。
b.仲介業務支援サービス
仲介業務支援サービスは「不動産BB」「リアプロ」によって業者間で共有されている物件情報を二次活用できるサービスであります。二次活用のサービスとしては、不動産会社の集客方法である自社ホームページを作成するためのシステム「Web Manager Pro」とポータルサイト連携システム「物件データ連動」、当社グループにて運営を行う不動産ポータルサイト「くらさぽ」があります。
「Web Manager Pro」
標準の複数テンプレートとCMS(注1)機能により、パーツを組み合わせていくことで不動産ホームページが作成できるレスポンシブ対応のホームページ制作ツールであります。掲載する物件情報は「不動産BB」と連携することができ、掲載情報もリアルタイムに更新可能となっております。
(注1)CMSとは、Contents Management System(コンテンツ・マネジメント・システム)の頭文字をとった略称であり、専門知識が無くとも、Webサイトの作成・更新等が行えるシステムのことを言います。
「物件データ連動」
不動産ポータルサイトへの掲載を効率的に行えるシステムであります。不動産ポータルサイトへの掲載を希望する不動産会社は「不動産BB」上で掲載したい物件を選択し、掲載の指示を行うことで掲載が可能となります。また、「物件データ連動」を利用することにより複数の不動産ポータルサイトへの一括掲載も可能となり、効率的に集客業務を行うことが可能であります。なお、掲載する場合、事前に不動産ポータルサイトとの事前契約が必要となります。
不動産ポータルサイト「くらさぽ」
当社グループが運営する不動産ポータルサイトであり、他社運営のポータルサイト同様、「不動産BB」から掲載したい物件を選択することで掲載可能となります。スマートフォンやタブレットにも対応しており、仲介業務の集客支援としてサービスを提供しております。
「非対面仲介サービス」
これまで対面が常識であった物件探しから入居申込み、重要事項説明までの一連の手続きをすべて非対面で行えるサービスです。Web上で内見ができる「Web内見」、入居申込に関するやり取りを非対面で行う「電子入居申込」、重要事項説明書の説明が非対面で対応できる「IT重説」を提供し、入居希望者と不動産会社との間に、新たなコミュニケーションの在り方を提案しております。これらにより、物件紹介から、電子入居申込、IT重説までデジタルで管理・利用することができ、業務そのものをオンラインによる非対面で執行することができるようになります。
「電子契約サービス」
これまで書面への押印が必要であった不動産契約をオンライン上で実現するサービスであります。2022年5月に施行された宅地建物取引業法改正により不動産契約における書面への押印義務が撤廃となり、オンライン上での電子サインであっても契約が成立することになりました。これに先駆けて当社グループでは「電子契約サービス」を開発し、2021年11月より顧客へのサービス提供を開始しております。当社グループの「電子契約サービス」は既存の契約書ひな型が利用可能で、導入いただくことでペーパーレス化による経費削減にも繋がります。
② 管理ソリューション
a.管理業務支援サービス
「賃貸革命」
管理業務支援サービスの主要な製品・サービスは「賃貸革命」であります。賃貸管理業務は、不動産管理会社がアパート・マンション・一戸建て等の入居者との契約締結、家賃入金管理、入金集計後のオーナー送金、契約期間満了に伴う契約更新、解約の処理など、賃貸管理に関する一連の業務を、賃貸不動産のオーナー(家主)に代わり行うものであります。この賃貸管理業務において、必要な業務を網羅し、一連の業務を効率的に行えるようにするための基幹システムが「賃貸革命」であり、賃貸管理業務で多用される帳票(書類)に関しても、200種を超える帳票(書類)がすぐにご利用いただけるよう準備されております。導入後は業務全般の情報がシステム内のデータベースに蓄積されていきますので、契約更新業務や過去の情報の参照の必要性から、長期にわたって使用することに適したシステムとなっております。
また「賃貸革命」は、オンプレミス版(注1)とクラウド版(注2)の2パターンで提供されており、顧客のニーズに応じて提供パターンを選択していただいております。クラウド版においては、外出先からのテレワークや自宅での在宅ワーク等、近年多様化する働き方のニーズにも対応しており、高額である自社サーバーの設置やインストール作業も不要となります。

(注1)オンプレミス版とは、顧客ごとにサーバーを設置したうえで、顧客のパソコンに当社グループの管理業務支援サービスをインストールしていただき、顧客自身がサーバーやシステムを運用するものになります。
(注2)クラウド版とは、顧客のパソコンに当社グループの管理業務支援サービスをインストールせず、インターネット上に仮想サーバーを設置してサービスをネットワーク経由で提供するものになります。
b.消費者支援サービス
「くらさぽコネクト」
くらさぽコネクトには、入居者アプリとオーナーアプリの2種類があり、スマートフォンやタブレット等の端末でご利用いただけます。入居者アプリは不動産会社と入居者間をつなぐコミュニケーションアプリであり、不動産会社からは契約更新や物件メンテナンス、請求のご案内等を通知することができ、入居者からも不動産会社への問い合わせなどが、チャット形式で行えるサービスとなっており、入居者との非対面コミュニケーションが可能となっております。オーナーアプリは不動産会社と不動産オーナーとをつなぐコミュニケーションアプリであり、オーナーへの月次報告書の送付、年間収支報告、物件巡回の結果連絡、問い合わせ対応等、オーナーへの報告をオンライン上で行うことができるサービス内容となっております。
(2) 自社一貫体制によるスピーディー、かつ本質をついた製品開発
当社グループは、製品の企画から開発、販売、サポートまでを自社一貫体制で行っております。この体制により、製品開発における社内コミュニケーションや、顧客からの改善要望に関する社内コミュニケーションが円滑に行われ、スピーディーで本質をついた製品の改善、強化へと繋がっております。
また、顧客のニーズをそのまま製品化するのではなく、そのニーズの背景とニーズの先にある本来の目的を考え、本質をついた製品開発を心がけており、常に顧客に高付加価値のシステムを提供できる体制になっております。
(3) 複雑な業務パターンに対応できる製品力
当社グループの製品には長年に渡って積み上げてきた不動産業務支援のノウハウが集約されており、また、テクノロジーの進化や法改正等、時代の変化に合わせて日々改善を重ねてまいりました。業界に特化し常に顧客視点で最適な製品開発を進めてきた点は、市場からの信頼獲得に繋がっていると感じております。また、顧客よりいただいた多くの改善要望は、製品のバージョンアップ、定期的なアップデートの際の有益な情報として活用し、製品としての強化を繰り返し行ってまいりました。その結果、全国どの地域でもご利用いただける製品力が醸成されております。
(4) 営業による地域密着型のコンサルティングとサポート体制
当社グループは、顧客に満足して導入・利用いただけるよう営業による地域密着型のコンサルティングとサポートを重視しております。営業活動においては、オンライン上での活動も実施いたしますが、最終的な顧客への提案は営業コンサルタントが現地に訪問し提案を行います。不動産業務は複雑であり、業務上の課題はコンサルタントが顧客と一緒になって考え紐解いていく工程が非常に大切です。この工程を乗り越えることで顧客は最適なソリューションを手に入れ、結果的に顧客満足度も高まります。また、当社グループはサポート体制も地域密着型を重視しております。背景としては、不動産会社自体が地域に根ざしたビジネスを行っていること、地域特有の慣習が多く存在することがあげられます。全国に拠点を展開することで地域特有の運用方法も適切にアドバイスし、緊急の際にはすぐに訪問サポートをできることが、顧客の安心と満足度の向上に繋がると考えております。
■拠点一覧(日本情報クリエイト株式会社):2023年6月30日現在
(5) 専門知識を有した自社社員によるサポート体制
当社グループは顧客が製品を導入された後に、製品を最大限に活用していただくことが一番重要であると考えております。その実現のためには、不動産、製品に関する専門知識を有したものが顧客の課題と真摯に向き合い、定期的なフォローを実施していくことが必然であります。またそれらに加え、宅地建物取引業法や、ITに関する専門知識等を持ち、世の中の変化や、流動的な情報の変化にスピーディーに対応するためには、徹底した社内教育を実施することが必要であると考え、サポート体制は自社社員を主として構成しております。一方で、これまで蓄積してきた顧客の問い合わせ情報を活用し、よくある質問の対応にAIチャットボットを導入する等、素早い対応とサポートスタッフの生産性向上も実現しています。
(6) 低い解約率とストック型ビジネスによる安定した財務基盤
不動産業務支援事業で提供する製品・サービスは、その利便性が評価され継続的にご利用いただける内容となっており、2023年6月期末では解約率が0.6%に留まっております。また、2023年6月期における当社グループ全体収益の約73%がストックによる収益となっており、新規顧客等からのイニシャルを上回っております。毎年安定した新規顧客を獲得していくことで、財務基盤はさらに安定したものへと成長してまいります。

(注)月次解約率の四半期平均を記載しております。
月次解約率:既存契約の月額課金額に占める、解約に伴い減少した月額課金額の割合
以上に述べた事項を事業系統図によって示すと、次のとおりであります。
[事業系統図]

当社グループは単一セグメントであるため、当連結会計年度の従業員数を事業部門別に示すと次のとおりであります。
2023年6月30日現在
(注) 1. 従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数は最近1年間の平均数を( )内に外数で記載しております。
2.その他は、管理部門及びサポート部門等に所属する従業員であります。
(2)提出会社の状況
(注) 1.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数は最近1年間の平均人員を( )内に外数で記載しております。
2.平均年間給与は、賞与および基準外賃金を含んでおります。
3.当社は不動産業務支援事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
(3)労働組合の状況
当社グループの労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。
(4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金差異
①提出会社
(注) 1. 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2. 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しております。
3. 連結子会社である株式会社リアルネットプロは、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しております。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の中期ビジョン・経営の基本方針
①中期ビジョン
「テクノロジーで不動産領域に革新的プラットフォームを創造する」を中期ビジョンとして掲げ、不動産領域で真の価値を創造し、当社グループに関わる全ての人の幸福実現を目指しております。
②経営の基本方針
イ.不動産業務支援サービスをワンストップで提供する。
ロ.自社開発からアフターサポートまでの一貫したサービスを提供する。
ハ.付加価値の高い商品を開発・提供する。
ニ.お客様と真摯に向き合う営業、サポートを行う。
(2)中長期的な会社の経営戦略
当社グループが掲げる中期ビジョン「テクノロジーで不動産領域に革新的プラットフォームを創造する」を達成するためには、「商品戦略」・「人材戦略」・「顧客戦略」の3つの戦略が重要であると考えております。
①商品戦略
商品戦略はプラットフォーム構築に向けた商品開発を実施し、アップセル・クロスセルを通じた売上高の拡大と収益性の向上を目指すものであります。その実現のためには、当社が提供する業者間物件流通サービス「不動産BB」及び「リアプロ」の強化を継続して行い、短期間での顧客基盤の構築を進める必要があります。また、構築した基盤に対して投下する有償サービスの提供に関しては、既に提供している既存製品の価値の向上だけでなく、新サービスの提供も進めてまいります。また、中期的な視点では、業者間物件流通サービス「不動産BB」と「リアプロ」の一本化、「賃貸革命」の最新バージョン提供に向けた開発も同時進行で進めており、未来の成長に向けた開発投資も継続してまいります。
②人材戦略
人材戦略は地域密着型のコンサルティング営業により不動産業界のDX化を推進するものであります。当社グループでは、マーケティングチームによるWEB集客・オンラインでのセミナー等は常に行っておりますが、最終的な顧客への提案は営業コンサルタントによって実施する戦略を取っております。不動産業務は煩雑であり、顧客は個社ごとに課題を持っていることから、WEB広告や電話営業だけでは双方に満足する結果は得られません。個社ごとにヒアリングを重ね最適なソリューションを提案し、解決策がイメージ化されることではじめて顧客はサービスの導入を決断します。当社は創業の頃よりこのコンサルティング営業を重視しており、その結果、高い顧客満足度と低い解約率、連続増収を達成することに繋がっております。
③顧客戦略
顧客戦略では地域密着型のコンサルティング営業の効率化及び戦力の最大化に向けて体制強化を推進するものであります。国内30拠点、現地コンサルティングの効率的な活動に向けて、営業モデルの開発、顧客セグメントの切り分け、エリア戦略等を推進しております。また、インサイドセールス・カスタマーサクセスチームを活用した効率的な反響獲得、顧客支援も強化しており、顧客獲得に向けた盤石な体制を築いております。さらなるシェア拡大に向けて、引き続き体制を強化してまいります。

市場環境として、現在の不動産業界の労働生産性は他の業界に比して低く、その格差は広がりつつあります。したがいまして不動産テック業界自体は拡大傾向にあり、不動産事業者によるIT投資市場は今後飛躍的な拡大が見込まれます。更に、以下外部環境の変化によって不動産業界のDX化は加速していくことが予想されます。
・デジタル改革関連法案成立によりDX化が加速
・不動産業界における就労者の高齢化と慢性的な人材不足
・賃貸住宅管理業適正化法による賃貸管理業務支援市場の活性化
・宅建業者の新規開業は毎年7,000社以上(デジタルネイティブ世代の開業)

新規事業の推進に向けては、当社が持つ不動産データを活かした賃貸住宅の賃料および空室率に関する指標(インデックス)「CRIX」の販売を開始しております。不動産市況の分析にご活用いただける内容であり、すでに、アマゾン ウェブ サービス上でサードパーティーデータを簡単に検索し利用できるサービス「AWS Data Exchange」を通じて有償でのデータ提供を開始しております。また、AIの活用も進んでおり、2023年8月にリリースした「空室対策ロボ」では、不動産データを活用したAI査定機能も搭載しております。
今後は、不動産購入時のソリューションとして住宅ローンの取次業、金融商品・ファイナンス事業も検討し、進めてまいります。特に不動産売買業務においては住宅ローンの融資関連手続きなど、効率化できる要素が多く残っております。当社の既存商品を通じて蓄積された、買主・物件・不動産会社・売主のデータ情報を活用し、金融商品・ファイナンス事業での発展も進めてまいります。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
高品質なサービスを安定的に提供していくためには、健全な財務基盤の維持が重要であると考えており、売上高の対前年増加額、収益性については経常利益の対前年増加額を重要指標としております。
(4)経営環境
当社における経営環境については、「第2 事業の状況4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」の記載をご参照ください。
(5)対処すべき課題
当連結会計年度も、当社の強みである一気通貫の業務支援クラウドサービスを顧客に提供し、不動産業界全体のDX化を推進してまいりました。商品強化、営業体制強化に対しても積極的な投資を実現し、今後はより一層の成長スピードの加速を図る所存であります。このような中、当社が対処すべき主な課題は、以下のとおりであります。
① 業者間物件流通サービスによる顧客基盤の拡大
当社グループの成長スピードを加速するためには、不動産業の中核にあたる業者間での物件情報共有を支援する業者間物件流通サービス「不動産BB」および株式会社リアルネットプロの業者間物件流通サービスである「リアプロ」の利用者数を増やし、顧客基盤を拡大させていくことが重要であると認識しております。利用者数拡大に向けては、製品の利便性強化および徹底的な顧客サポートを実施し、利用促進に取り組んでまいります。また、中期的な視点では、この「不動産BB」と「リアプロ」の一本化のプロジェクトを開始しております。業者間物件流通サービスとしての圧倒的No.1を目指し、事業を推進してまいります。
② 営業戦略の推進と生産性向上
当社グループの成長戦略の一つである全国30拠点、地域密着型のコンサルタントを活かしたマーケットシェア拡大を実現するためには、顧客のセグメントに合わせた営業戦略及び、既存の営業社員のさらなる戦力強化が重要であると認識しております。また、生産性向上に向けては、インサイドセールスを活用した顧客からの反響対応の改善や、営業部門全体での蓄積されたナレッジの共有等を行い、改善を図ってまいります。
③ 既存事業の強化
新規顧客および既存顧客へのアップセル・クロスセルによる業績の拡大に向けては、既存事業である仲介ソリューション、管理ソリューションの商品強化が重要であると認識しております。市場の変化、法改正、顧客から得た情報を十分に活かし、商品のリニューアル、またはバージョンアップに向けて商品強化を推進してまいります。
④ AI・ビッグデータを活用した新規事業
当社グループは、AI・ビッグデータを活用し、新規事業の強化を進めていくことが重要であると認識しております。当社グループが持つ膨大な物件情報・入居者属性のデータは、不動産市場における消費者の行動分析や購買分析、投資家に向けた資産価値の評価など、分析手法によって多数のアプローチが可能な内容になっております。すでに第一弾として、賃貸住宅の賃料および空室率に関する指標(インデックス)「CRIX」の販売を開始しております。不動産業界への新たなソリューション提供および不動産業界DX化の加速実現に向けて、当社グループでは引き続き研究開発等、活動を推進してまいります。
⑤ 市場拡大・新規開業企業への対応
国土交通省の報告によれば、宅建業者数は微増で推移しており、法人業者数は増加傾向にあります。
また、毎年7,000社以上の事業者が新規開業を行っており、その度に設備投資による商談の機会が創出されております。不動産事業へのソリューションを提供する当社グループとしては、新規開業事業者に向けて、販売の強化を行っていくことが重要であると認識しております。営業拠点からの活動だけでなく、WEBマーケティングによるプロモーション活動やカスタマーサクセス部隊による活動等、様々な角度から販売を強化し、課題解決に向けて取り組んでまいります。(出典:不動産適正取引推進機構 令和3年度末 宅建業者と宅地建物取引士の統計について 「宅地建物取引業者数の推移」)
以下については、当社グループが事業を運営するにあたりリスク要因となる可能性があるものを記載しております。また、投資家および株主に対する積極的な情報開示の観点から、当社グループとしては必ずしも特に重要なリスクと考えていないものも記載しております。
当社グループとしては、これらのリスクをあらかじめ十分に把握したうえで、発生の予防並びに対処に万全を期す所存でありますが、投資判断につきましては本項記載以外のものも含めて慎重に検討していただきたいと思っております。また、これらのリスク項目は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであり、発生の可能性のあるリスクの全てを網羅するものではありません。
(1)業界および顧客の動向に関するリスク
当社グループは、不動産業界に特化した不動産管理システム等の開発・販売を行っており、当社グループ製品・サービスの最終ユーザーは不動産業界に集中している状況にあります。不動産業界の中でも不動産取引業、不動産賃貸・管理業等に応じた製品・サービスを提供しておりますが、不動産業界全般の景気や、不動産業界におけるシステム投資の状況によって、当社グループの財政状態および経営成績は影響を受ける可能性があります。また、今後において、不動産業界に対する規制環境の変化や業界各社の対応に何らかの変化が生じた場合、同様に当社グループの財政状態および経営成績に影響が生じる可能性があります。
(2)競合他社や技術革新により当社グループの製品・サービスが陳腐化するリスク
当社グループが属する業界においては、技術革新のスピードが速く、その急激な変化に対応するために、開発部門では既存製品の改良および研究開発に取り組んでおります。しかしながら、想定以上の技術革新により新技術および新サービスが普及した場合には、当社グループが提供する製品・サービス等が陳腐化し、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの競合先との競争激化による製品価格の引下げや競合他社製品の性能強化が進んだ場合、同様に当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)法的規制について
現時点において、当社グループ事業そのものを規制する法的規制はないものと認識しておりますが、情報サービス業界の変革は激しいことから、今後新たな法令等の整備が行われる可能性は否定できず、当該内容によっては、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、不動産に関わる分野におけるインターネット上の情報流通や表示項目等が規制の対象になる可能性もあり、その場合には当社グループの事業が制約される可能性があります。
(4)製品・サービスにおける不具合・瑕疵等について
当社グループは、製品・サービスの開発過程において、ソフトウエアにかかる厳格な試験を実施すること等により不具合・瑕疵等の解消および発生防止に努めておりますが、製品・サービスの投入後において重大な不具合・瑕疵等が発見された場合には、その対応のため多大なコストが発生するほか、当社グループ製品・サービスに対する信頼性を著しく毀損する可能性があり、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)人材の確保に関するリスク
当社グループ事業の継続的な発展および急速な技術革新への対応およびサービスの普及には、優秀な人材の確保および育成が不可欠であることから、技術者および営業人員(カスタマーコンサルタント)を中心とした採用および育成に努めており、今後も積極的に強化を図っていく方針であります。今後において人材採用が困難となる場合、または在籍する人材の流出が生じた場合、当社グループ事業の円滑な運営および拡大に支障をきたす可能性があります。加えて、優秀な人材を確保・維持しまたは育成するための費用が増加する可能性もあり、これらに起因して、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(6)情報セキュリティに関するリスク
当社グループでは、事業活動を通じて顧客が保有する取引先情報や個人情報等の機密性の高い情報を取得することがあります。このような機密性の高い情報を適切に管理するため、ISMS(ISO27001)認証を取得し、「情報セキュリティ管理規程」や「個人情報保護基本規程」等の社内規程に基づいた情報管理に関する社内ルールの周知徹底をはかり、従業員に対する情報管理体制の強化に努めております。しかしながら、外部からの不正アクセス、システムの欠陥や障害、機密情報の取り扱いにおける人的過失、従業員の故意等による情報の漏洩、消失、不正利用等が発生した場合、対応次第では、信用の失墜を招き、更には損害賠償の対象となることも考えられます。そのような場合には、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(7)システム障害に関するリスク
当社グループでは、インターネットへの接続環境を有するユーザーを対象に製品・サービス開発を行っており、営業活動・クラウドサービスその他のサービス提供においてもインターネットに依存しております。このため、自然災害、戦争、テロ、事故、その他通信インフラの破壊や故障、コンピューターウイルスやハッカーの犯罪行為等により、当社グループのシステムあるいは外部に委託しているシステムが正常に稼動しない状態、いわゆるシステム障害が発生した場合に、当社グループの事業に極めて重大な影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループ製品・サービスの提供等においてインターネット環境に依存する部分は大きく、システム障害が発生した場合に、代替的な営業・サービス提供のルートを完全に確保することは困難な場合もあり、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(8)知的財産の管理に関するリスク
当社グループでは、商標権をはじめとして当社の事業に必要な知的財産権の確保に努めるとともに、具体的な業務の遂行にあたり、第三者の知的財産権その他の権利または利益を侵害しないよう努めており、現状において、かかる知的財産権等に関する紛争はありません。しかしながら、当社グループが予期せず第三者との間で、知的財産権等の帰属や侵害に関する主張や請求を受ける可能性は完全には否定できず、それに伴い当社グループが損害賠償請求や差止請求を受ける可能性があり、かかる場合には当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(9)特定の製品への依存に関するリスク
当社グループの主力製品は自社開発パッケージである管理業務支援サービス「賃貸革命」であり、現状では、当製品および当製品に附帯するものが当連結会計年度における売上高の過半を占めております。
当製品が顧客に広く普及し、より多く活用されることが、事業規模拡大の基本的な前提条件であると考えており、引き続き当製品の普及・拡大に積極的に取り組んでまいりますが、今後、同製品の販売の伸びが鈍化した場合、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(10)中長期経営計画の達成に関するリスク
当社グループでは、当社グループが掲げる中期ビジョンである「テクノロジーで不動産領域に革新的プラットフォームを創造する」を達成するためには、物件情報と顧客基盤を拡大することが重要な経営課題であると認識しており、これらの経営課題に対応するため、業者間物件流通サービス「不動産BB」を無償化することにより短期間で顧客基盤(無償ユーザー)を拡大し、構築した基盤に、有償サービスを投下しアップセルしていく戦略を実行しております。しかしながら、想定通りに顧客基盤が拡大しない場合や、構築した基盤に投下する有償サービスの効果が得られない場合には、中期経営計画が達成できない可能性や、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(11)顧客の信用リスク
当社グループの事業における売上債権は、比較的小規模な不動産業者等を対象としたものが多数を占めております。当社グループでは、顧客毎に与信管理を実施するほか、債権の滞留および回収状況を定期的に把握し、必要に応じ貸倒引当金を計上しております。しかしながら、経済情勢の変化により経営基盤の脆弱な企業などにおいて、急速に経営状況が悪化する場合も考えられます。このような場合には、売上債権の回収が遅延するほか、回収不能になる可能性があり、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(12)内部管理体制について
当社グループは、企業価値を最大化すべく、コーポレート・ガバナンスの充実を図る施策を実施しております。また、業務の適正および財務報告の信頼性を確保するため、これらに係る内部統制が有効に機能する体制を整備・運用しております。しかしながら、事業の急速な拡大等により、十分な内部管理体制の構築が追いつかないという状況が生じる場合には、適切な業務運営が困難となり、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(13)配当政策について
当社グループは、株主に対する利益還元を重要な経営課題と認識しており、企業体質の強化と将来の事業展開のために内部留保を確保しつつ、安定的かつ継続的に業績の成長に見合った成果を配当することを基本方針としております。したがって、各期の財政状態および経営成績を勘案しながら将来の事業展開と経営体質の強化のために必要な内部留保を確保しつつ、利益還元実施を検討する所存であります。
(14)大規模自然災害および新型コロナウイルス感染症等に関するリスク
当社グループ本社(宮崎本社)が属する地域においては、温暖化により近年大型化している台風の直撃、霧島山系火山の噴火、日向灘沖を震源として発生する地震等の自然災害により、本社機能の全部または一部の継続が困難となり、売上の減少およびソフトウエア開発の遅延などが生じ、財政状態および経営成績に影響が及ぶおそれがあります。また、営業拠点の周辺地域において大地震や台風等の自然災害が想定を大きく上回る規模で発生した場合には、当社グループの事業活動に影響を及ぼし当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(15)新株予約権行使による株式価値希薄化に関するリスク
当社は、当社役員および従業員に対するインセンティブを目的とし、新株予約権を付与しております。また、今後におきましても、役員および従業員等に対するインセンティブとして新株予約権を付与する可能性があります。これらの新株予約権が権利行使された場合、当社株式が新たに発行され、既存の株主が有する株式の価値および議決権割合が希薄化する可能性があります。なお、当連結会計年度末(2023年6月30日)における新株予約権による潜在株式数は191,000株であり、発行済株式総数14,339,440株の1.3%に相当します。新株予約権の詳細は、「第一部 企業情報 第4提出会社の状況 1株式等の状況 (2)新株予約権等の状況」をご参照ください。
(16)大株主に関するリスク
当社の代表取締役会長である米津健一および同氏の資産管理会社である株式会社NJCが、本書提出日の前月末現在で発行済株式総数の69.87%を所有しており 、引続き大株主となる見込みです。
同氏は、安定株主として引続き一定の議決権を保有し、その議決権行使に当たっては、株主共同の利益を追求するとともに、少数株主の利益にも配慮する方針を有しております。
同氏は、当社の創業者であるとともに代表取締役会長であるため、当社といたしましても安定株主であると認識しておりますが、将来的に何らかの事情により同氏により当社株式が売却された場合には、当社株式の市場価格および流通状況に影響を及ぼす可能性があります。
(17)のれんの減損や子会社株式の評価減
当社グループは、成長戦略の一環として積極的なM&Aを行っており、のれんや子会社株式を保有しております。子会社の業績不振により、のれんの減損や子会社株式の評価減を行った場合、業績等に影響を与える可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国の経済は、各種政策の効果によって雇用・所得環境の改善など、緩やかな回復が期待される一方で、世界的な金融引締め等が続き、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっております。また、物価上昇、金融資本市場の変動等の影響にも十分注意する必要があり、依然として先行き不透明な状況が続いております。当社グループがSaaS型クラウドサービスを提供する不動産業務支援の市場においては、労働人口の減少及び慢性的な人手不足や、安定的に増加する新規参入事業者のIT設備投資需要の増加、昨年5月の改正宅地建物取引業法により解禁となった「不動産取引の全面電子化」によって業界全体にDX促進の機運が高まっており、当社グループにとっては引き続き追い風の状況が続いております。
このような事業環境の下、当社グループは不動産領域に対して最適なプラットフォームの構築および、中長期での成長計画を示した3カ年計画の実現に向けて各種成長戦略を推進してまいりました。※3カ年計画とは、当社グループの2022年6月期 ~ 2024年6月期の3カ年の業績、成長計画について記載したものであり、詳細は当社IRサイトにて公開している「2023年6月期 通期 決算説明資料」にてご確認いただけます。
3カ年計画の基本戦略としては、不動産事業者同士をつなぐ情報のインフラである業者間物件流通サービス「不動産BB」や「リアプロ仲介」の導入提案によって日本全国の不動産事業者との接点を増やし、その後、さらなる付加価値提供として有償のサービスを販売するフリーミアム戦略(注)を取っております。無償の顧客基盤に提供する有償のサービスは、仲介事業者向けに提供する仲介ソリューションと賃貸管理業者向けに提供する管理ソリューションの大きく2つを提供しており、仲介ソリューションではホームページ制作や不動産ポータルサイト連動、電子入居申込、電子契約など集客から契約までの業務を支援する商品・サービスを提供しております。管理ソリューションでは煩雑で多岐にわたる賃貸管理業務をデータベースで一元管理し、業務効率化を図る商品・サービスを提供しております。
(注)フリーミアム戦略とは基本となるサービスや製品を無償で提供し、さらに高度な機能やサービスを利用する際には料金を課金する仕組みのビジネスモデルであります。
当社グループは新規のお客様のみならず、導入後の支援体制を活かし、既存顧客へのアップセル・クロスセルも積極的に提案しております。全国の営業拠点で現場支援を行うシステムアドバイザーやカスタマーサクセスチームが主体となり、継続支援のなかで新たに顕在化された顧客の課題に対し、解決となるサービスの提案を随時実施しております。
3カ年計画2年目となる当連結会計年度は、前連結会計年度に実施した先行投資を活かし、事業を推進してまいりました。営業体制の強化(営業人員倍増、営業拠点の増設)による業績拡大については当初計画より一部遅れていた点はございましたが、採用したメンバーのスキルアップも着実に進み、今後の当社の成長に向けた基盤づくりにつながっております。前連結会計年度に経営統合した株式会社リアルネットプロとのシナジーについては、商品間データ連携を活かし、見込案件の紹介・エリア戦略に基づいた営業活動によるクロスセルを実施してまいりました。引き続きシナジーの最大化に向けて活動を推進してまいります。
中期ビジョンとして掲げるプラットフォーム創造については、家賃保証会社や電子決済事業者とのデータ連携を中心に様々な企業との提携が進んでおります。当社プラットフォームの領域を拡大しつつ、パートナー企業と共に今後より一層業界のDX化に貢献してまいります。
a.財政状態
(資産)
当連結会計年度末における資産合計は、5,109,880千円となりました。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は、1,988,127千円となりました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、3,121,753千円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の売上高は3,770,377千円(前連結会計年度比23.5%増)、営業利益は329,719千円(前連結会計年度比34.2%減)、経常利益は376,010千円(前連結会計年度比30.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は185,313千円(前連結会計年度比34.6%減)となりました。
なお、当社グループは不動産業務支援事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しておりますが、サービス分類別の売上高の状況は、次のとおりであります。
イニシャル:販売時に一括で売上計上するソフトウエアの導入費用・導入ライセンス
ランニング:保守・利用期間に渡って売上計上する、ライセンス料金・サービスの利用料
(仲介ソリューション)
仲介ソリューションにおいては、自社ホームページ集客を支援する「Web Manager Pro」や、不動産ポータルサイト集客を支援する「物件データ連動」、不動産契約の電子化を支援する「電子契約サービス」等、仲介業務の課題解決となるサービスの提案を積極的に行ってまいりました。フリーミアム戦略として現在無償で提供している業者間物件流通サービス「不動産BB」を導入済の顧客に対して、データの二次活用としてのサービス提案を積極的に行い、無償から有償への切り替えも促進してまいりました。また、グループ企業である株式会社リアルネットプロが提供する業者間物件流通サービス「リアプロ」を有償で利用する顧客からの月額利用料も順調に積み上がりました。
その結果、アップセルも功を奏し、仲介ソリューションの売上高は1,505,916千円(前年同期比62.0%増)となりました。
(管理ソリューション)
管理ソリューションにおいては、売上のメインとなる「賃貸革命」の新規顧客への販売、既存顧客へのバージョンアップ、オプション追加等積極的に提案してまいりました。また、解約率については継続して低位で安定していることから、月額利用料も堅調に積み上がりました。
その結果、管理ソリューションの売上高は2,224,535千円(前年同期比6.6%増)となりました。
※仲介ソリューション、管理ソリューションの合計売上高3,730,451千円の他に、その他売上高39,925千円があります。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、954,716千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の増加は、279,073千円となりました。
これは、主に税金等調整前当期純利益376,373千円、法人税等の支払額295,997千円、減価償却費の増加額108,611千円、未払金の増加額91,011千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の減少は、112,854千円となりました。
これは、主に無形固定資産の取得による支出247,399千円、有形固定資産の取得による支出64,592千円、投資不動産の売却による収入232,722千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の減少は、401,197千円となりました。
これは、主に長期借入金の返済による支出195,930千円、自己株式の取得による支出144,523千円によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
b.受注実績
当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.当社グループは不動産業務支援事業の単一セグメントであります。
2.当社グループは、前連結会計年度が連結初年度であるため、前年同期比において前連結会計年度の前期との比較は行っておりません。
3.主要な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績の10%以上の相手先がないため、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末日現在(2023年6月30日)において当社が判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1)財政状態
財政状態につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 a.財政状態」をご参照ください。
2)経営成績
(売上高)
売上高につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 b.経営成績」をご参照ください。
(売上原価)
当連結会計年度における売上原価は、1,283,499千円となりました。その主な内訳は、クラウド関連の経費が105,919千円増加したことによるものであります。
(販売費及び一般管理費)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、前連結会計年度と比べて397,088千円増加し、2,157,158千円(前年同期比22.6%増)となりました。その主な内訳は、給与手当が120,047千円増加したことによるものであります。
以上の結果、損益につきましては、営業利益は329,719千円(同34.2%減)、経常利益は376,010千円(同30.1%減)となりました。また、法人税、住民税及び事業税(法人税等調整額含む)は、前連結会計年度と比べて43,565千円減少し、191,060千円(同18.6%減)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は185,313千円(同34.6%減)となりました。
(営業外損益)
当連結会計年度における営業外収益は、前連結会計年度と比べて19,460千円増加し、59,947千円(同48.1%増)となりました。その主な内訳は、保険返戻金が16,193千円増加したことによるものであります。営業外費用は、前連結会計年度と比べて10,387千円増加し、13,656千円(同317.8%増)となりました。その主な内訳は、為替差損が4,070千円増加したことによるものであります。
b.経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
売上高の対前年増加額および経常利益の対前年増加額を重要指標としており、当連結会計年度の売上高は3,770,377千円となり、前連結会計年度比23.5%増となりました。それはランニング積み上げによるものであります。また、当連結会計年度の経常利益は376,010千円となり、前連結会計年度比30.1%減となりました。
c.セグメントごとの財務状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの報告セグメントは、不動産業務支援事業の単一セグメントであるため、記載を省略しております。
②キャッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
資本の財源および資金の流動性について、当社グループは、短期運転資金については自己資金を基本としております。また、設備投資資金等についても自己資金を基本としつつ、必要に応じて金融機関から調達を実施する方針であります。
a.資金需要の主な内容
当社グループの運転資金需要の主なものは、製造・開発活動に係る人件費および外注費、販売費及び一般管理費の営業費用による運転資金であります。これらの資金につきましては、営業活動によって得られる資金でまかなうことを基本として、必要に応じて金融機関から調達を実施する方針であります。
また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、954,716千円であります。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたり、資産・負債および収益・費用の報告数値について影響を与える見積りは、過去の実績や状況に応じて、可能な限り合理的と考えられる根拠や要因等に基づき実施しております。しかし、これらの見積りについては不確実性を伴うため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
当社グループは、特に以下の会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定が重要と考えております。
なお、当社グループの連結財務諸表作成において採用する重要な会計方針は、後記「第5経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
該当事項はありません。
(1)提出会社
当社における主要な設備は、次のとおりであります。
2023年6月30日現在
(注) 1.現在休止中の主要な設備はありません。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.宮崎本社駐車場、支店(新宿支店を除く)等を賃借しており、年間賃借料は69,787千円であります。
4.従業員数は就業人員であり、( )内は外書きで、臨時雇用者数の年間の平均人員を記載しております。
5.当社は、不動産業務支援事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
(2)国内子会社
主要な設備はありません。
(注)提出日現在発行数には、2023年9月1日からこの有価証券報告書提出日までの新株予約権の行使により発行された株式数は、含まれておりません。
会社法に基づき発行した新株予約権は、次のとおりであります。
(第1回新株予約権)
※当事業年度の末日(2023年6月30日)における内容を記載しております。なお、提出日の前月末(2023年8月31
日)現在において、これらの事項に変更はありません。
(注)1.新株予約権1個につき目的となる株式数は、普通株式1株とする。
なお、当社が、株式分割または株式併合を行う場合、次の算式により目的である株式の数を調整するものとする。ただし、かかる調整は、新株予約権のうち、当該時点で行使されていない新株予約権の目的である株式の数について行われ、調整の結果生じる1株未満の端数については、これを切り捨てるものとする。
また、上記のほか、「新株予約権の行使に際して出資される財産の価額またはその算定方法」に定める行使価額の調整事由が生じた場合にも、各新株予約権につき、調整後株式数に調整後行使価額を乗じた額が調整前株式数に調整前行使価額を乗じた額と同額になるよう、各新株予約権の行使により発行される株式の数は適切に調整されるものとする。ただし、かかる調整は、新株予約権のうち、当該時点で行使されていない新株予約権の目的である株式の数について行われ、調整の結果生じる1株未満の端数については、これを切り捨てるものとする。
2.当社が株式分割または株式併合を行う場合、行使価額は次の算式により調整されるものとし、調整による
1円未満の端数は切り上げる。
また、本新株予約権の割当日後、時価を下回る価額で新株を発行する場合または自己株式を処分する場合(新株予約権の行使、株式交換による自己株式の移転の場合によるものを除く。)は、次の算式により行使価額を調整し、調整による1円未満の端数は切り上げる。
上記算式において「既発行株式数」とは、当社の発行済株式総数から当社が保有する自己株式数を控除した数とし、自己株式の処分を行う場合「新規発行」を「自己株式の処分」と読み替えるものとする。
さらに上記のほか、本新株予約権の割当日後、当社が他社と合併する場合、会社分割を行う場合、その他これらの場合に準じて行使価額の調整を必要とする場合には、当社は、合理的な範囲で適切に行使価額の調整を行うことができるものとする。
3.新株予約権の行使の条件
①新株予約権発行時において当社取締役若しくは従業員であった者は、新株予約権の行使時において、当社
または当社子会社の取締役または監査役若しくは従業員の地位にあることを要す。ただし、任期満了による退任、定年退職その他正当な理由がある場合にはこの限りではない。
②新株予約権者の相続人による新株予約権の行使は認めない。
4.組織再編行為に伴う新株予約権の交付に関する事項
当社が、合併(当社が合併により消滅する場合に限る。)、吸収分割、新設分割、株式交換または株式移転(以上を総称して以下「組織再編行為」という。)をする場合において、組織再編行為の効力発生の時点において残存する新株予約権(以下「残存新株予約権」という。)の新株予約権者に対し、それぞれの場合につき、会社法第236条第1項第8号のイからホまでに掲げる株式会社(以下「再編対象会社」という。)の新株予約権を交付することとする。この場合においては、残存する新株予約権は消滅し、再編対象会社は新株予約権を新たに発行するものとする。ただし、再編対象会社の新株予約権を交付する旨を、吸収合併契約、新設合併契約、吸収分割契約、新設分割計画、株式交換契約または株式移転計画において定めた場合に限るものとする。
5.2019年5月28日付で普通株式1株につき1,000株、2020年5月31日付で普通株式1株につき10株、2020年12月1日付で普通株式1株につき2株の割合で株式分割を行っております。上表の「新株予約権の目的となる株式の種類、内容及び数(株)」、「新株予約権の行使時の払込金額(円)」および「新株予約権の行使により株式を発行する場合の発行価格及び資本組入額(円)」は、調整後の内容を記載しております。
該当事項はありません。
(注)1.株式分割(1:1,000)によるものであります。
2.有償第三者割当
割当先 日本情報クリエイト従業員持株会
発行価格1株当たり3,200円 資本組入額1株当たり1,600円
3.株式分割(1:10)によるものであります。
4.有償一般募集 (ブックビルディング方式による募集)
発行価格 1,300円
引受価格 1,196円
資本組入額 598円
5.有償第三者割当(オーバーアロットメントによる売出しに関連した第三者割当増資)
発行価格 1,196円
資本組入額 598円
割当先 野村證券株式会社
6.株式分割(1:2)によるものであります。
7.新株予約権の行使によるものであります。
(注) 当社従業員持株会が所有する当社株式152,637株は、「個人その他」に含めて記載しております。
2023年6月30日現在