勤次郎株式会社
KInjiro Co.,Ltd.
千代田区外神田四丁目14番1号
証券コード:40130
業界:情報・通信業
有価証券報告書の提出日:2023年3月27日

(1) 連結経営指標等

 

回次

第38期

第39期

第40期

第41期

第42期

決算年月

2018年12月

2019年12月

2020年12月

2021年12月

2022年12月

売上高

(千円)

2,747,114

3,188,571

3,432,574

3,324,414

3,551,547

経常利益

(千円)

323,878

459,801

511,379

244,187

437,112

親会社株主に帰属する
当期純利益

(千円)

236,802

332,074

329,315

162,918

304,655

包括利益

(千円)

236,774

331,750

328,648

166,096

308,882

純資産額

(千円)

1,277,148

1,587,463

9,896,477

8,854,226

8,755,186

総資産額

(千円)

2,282,227

2,540,169

10,984,313

9,778,464

12,653,110

1株当たり純資産額

(円)

178.75

222.18

949.76

894.14

900.92

1株当たり当期純利益

(円)

33.14

46.48

40.48

15.94

30.80

潜在株式調整後
1株当たり当期純利益

(円)

自己資本比率

(%)

56.0

62.5

90.1

90.5

69.2

自己資本利益率

(%)

20.3

23.2

5.7

1.7

3.5

株価収益率

(倍)

66.9

63.7

38.7

営業活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

361,738

545,821

686,666

179,132

410,377

投資活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

302,052

285,035

96,056

587,486

5,726,471

財務活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

53,378

108,932

7,935,310

1,212,938

2,250,479

現金及び現金同等物
の期末残高

(千円)

472,258

626,463

9,153,419

7,528,650

4,454,564

従業員数

(名)

197

235

268

277

318

 

(注) 1.2020年8月15日付で普通株式1株につき5株の割合で株式分割を行っております。第38期の期首に当該株式分割が行われたと仮定し、1株当たり純資産額及び1株当たり当期純利益を算定しております。

2.潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため、記載しておりません。

3.第38期及び第39期の株価収益率は当社株式が非上場であるため記載しておりません。

4.従業員数は就業人員(当社グループからグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへの出向者を含む。)であり、臨時雇用者数は従業員数の100分の10未満であるため、記載しておりません。

5.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第42期の期首から適用しており、第42期に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。

 

 

(2) 提出会社の経営指標等

 

回次

第38期

第39期

第40期

第41期

第42期

決算年月

2018年
12月

2019年
12月

2020年
12月

2021年
12月

2022年
12月

売上高

(千円)

2,747,114

3,188,571

3,432,574

3,324,414

3,551,547

経常利益

(千円)

300,696

432,960

515,627

227,805

457,138

当期純利益

(千円)

213,621

305,233

333,821

146,430

324,345

資本金

(千円)

98,400

98,400

4,099,300

4,099,300

4,099,300

発行済株式総数

(株)

1,429,000

1,429,000

10,420,000

10,420,000

10,420,000

純資産額

(千円)

1,307,752

1,591,561

9,905,729

8,843,847

8,753,924

総資産額

(千円)

2,351,907

2,575,078

11,010,889

9,769,807

12,676,537

1株当たり純資産額

(円)

183.03

222.75

950.65

893.09

900.79

1株当たり配当額

(1株当たり中間配当額)

(円)

15.00

15.00

20.00

17.00

17.00

-)

(-)

(-)

(-)

(-)

1株当たり当期純利益

(円)

29.90

42.72

41.03

14.33

32.79

潜在株式調整後
1株当たり当期純利益

(円)

自己資本比率

(%)

55.6

61.8

90.0

90.5

69.1

自己資本利益率

(%)

17.7

21.1

5.8

1.6

3.7

株価収益率

(倍)

66.0

70.9

36.3

配当性向

(%)

10.0

7.0

48.7

118.7

51.8

従業員数

(名)

171

197

223

236

265

株主総利回り

(%)

38.8

46.0

(比較指標:東証グロース指標)

(%)

(-)

(-)

(-)

(82.6)

(77.5)

最高株価

(円)

5,600

3,520

1,470

最低株価

(円)

2,487

943

685

 

(注) 1.2020年1月15日付で第三者割当増資を行い、資本金は131,800千円、発行済株式総数は1,509,000株となりました。また、2020年8月15日付で普通株式1株につき5株の割合で株式分割を行い、発行済株式総数は7,545,000株となりました。さらに、2020年10月13日の東京証券取引所マザーズ市場への上場に伴い、公募により2,500,000株、オーバーアロットメントに伴う第三者割当により375,000株増加し、資本金は4,099,300千円、発行済株式総数は10,420,000株となりました。

2.2020年8月15日付で普通株式1株につき5株の割合で株式分割を行っております。第38期の期首に当該株式分割が行われたと仮定し、1株当たり純資産額及び1株当たり当期純利益を算定しております。

3.第40期の1株当たり配当額20.00円には、上場記念配当10.00円を含んでおります。

4.潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため、記載しておりません。

5.第38期及び第39期の株価収益率は当社株式が非上場であるため記載しておりません。

6.従業員数は就業人員(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む。)であり、臨時雇用者数は従業員数の100分の10未満であるため、記載しておりません。

7.第38期から第40期の株主総利回り及び比較指標は、2020年10月13日に東京証券取引所マザーズ(現東京証券取引所グロース市場)に上場したため、記載しておりません。第41期の株主総利回り及び比較指標は、2020年12月期末を基準として算定しております。

 

8.最高・最低株価は、2022年4月4日より東京証券取引所グロース市場における株価を記載し、それ以前は東京証券取引所マザーズにおける株価を記載しております。ただし、当該株式は、2020年10月13日から東京証券取引所マザーズに上場されており、それ以前の株価については該当事項がありません。

9.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第42期の期首から適用しており、第42期に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。

 

 

2 【沿革】

 

年月

概要

1981年4月

顧客企業の立場に立った、通信とコンピューターの最適ソリューションサービスを提供することを目的として、名古屋市熱田区金山に日通システム株式会社(資本金6百万円)を設立

 

オフィスコンピューター・システム開発・通信機器の販売を開始

1982年4月

本店を名古屋市中区金山に移転

1990年4月

名古屋市中区伊勢山に流通センター開設

6月

事業拡大につき本店を名古屋市中区伊勢山に移転

1992年4月

就業管理・給与計算パッケージシステムの開発を開始

1994年4月

ビルセキュリティ管理システムの販売を開始

 

PCパッケージソフト(給与・就業管理)及び「NR-1」(タイムレコーダー)の販売を開始

1995年4月

東京都千代田区外神田に東京営業所(現:東京支店)、大阪市淀川区宮原に大阪営業所(現:大阪支店)を開設

1998年3月

就業管理ソフト「勤次郎M」の販売を開始

2001年9月

らくらく給与システム「Q太郎」の販売を開始

 

IDカードタイプの就業情報端末「NRX-1」の販売を開始

2002年1月

非接触型ICカード/指紋照合タイプの就業情報端末「NRX-1」の販売を開始

2003年1月

非接触型ICカード/指紋照合タイプの就業情報端末「NRX-m」の販売を開始

2004年1月

統合ERP(注)1パッケージ「勤次郎Enterprise」の販売を開始

2005年4月

Linux就業情報端末「NRL-1」「NRL-m」(磁気カード/非接触型ICカード/指紋照合対応)の販売を開始

2008年3月

エヌイーシステムサービス株式会社より通信機器の設置工事事業(現:営業本部コンサルティング部)を譲受

5月

電波時計受信装置「勤次郎JustTime」の販売を開始

2009年4月

本店を名古屋市中区栄に移転

6月

貸会議室事業を目的として、名古屋市中区栄に子会社ネット・カンファレンス株式会社を設立

2010年2月

Linux就業情報端末「NRL」シリーズにて静脈認証対応タイプの追加販売を開始

7月

クラウドサービス「勤次郎Enterprise for SaaS」の販売を開始

2011年2月

GPS同期型NTP(注)2タイムサーバー「勤次郎JustTime Server」の販売を開始

4月

株式会社テックユーよりシステム開発事業を譲り受け、名古屋市中区栄に子会社日通システムソリューション株式会社を設立

2012年3月

子会社であったネット・カンファレンス株式会社(貸会議室事業)を吸収合併

6月

ソフトウエアパッケージの開発及び販売業を営む株式会社ケーエスビーを子会社化

9月

買収した株式会社ケーエスビーの製品をクラウドサービスで提供することを目的として、東京都千代田区外神田に子会社KSB for SaaS株式会社を設立

2013年2月

GPS時刻補正装置「勤次郎JustTime-GPS」の販売を開始

 

 

年月

概要

3月

子会社であった株式会社ケーエスビーと日通システムソリューション株式会社を吸収合併

7月

福岡市博多区博多駅前に九州支店を開設

2014年4月

製品開発を目的として、ベトナム社会主義共和国ハノイ市に子会社日通システムベトナム有限会社(現:連結子会社 勤次郎ベトナム有限会社)を設立

 

「労務環境改善システム」(現:「ヘルス×ライフ」)の販売を開始

5月

「労務コストマネジメントシステム」の販売を開始

2015年7月

「マイナンバーセキュリティ管理システム」の販売を開始

9月

「ストレスチェック ワンストップソリューションサービス」の販売を開始

2016年3月

札幌市中央区北五条西に札幌支店を開設

4月

仙台市若林区新寺に東北支店を開設

12月

マルチブラウザ(Internet Explorer、Google Chrome、Microsoft Edge)対応可能な「勤次郎(就業管理)」の販売を開始

2017年2月

ヘルスケアソリューション「ヘルス×ライフシステム」の販売を開始

 

健康管理アプリ「ヘルス×ライフ」iPhone版をリリース

11月

健康管理アプリ「ヘルス×ライフ」Android版をリリース

12月

子会社であったKSB for SaaS株式会社を吸収合併

2018年1月

妊活・母子手帳アプリ「ママケリー」をリリース

7月

勤次郎Enterpriseの機能を絞り込んだ廉価版「勤次郎Smart」の販売を開始

2019年4月

名古屋市中区栄の拠点を名古屋本部・名古屋支店とし、本店を東京都千代田区外神田に移転

 

「勤次郎Enterprise」働き方改革関連法対応プログラムの販売を開始

7月

電子カルテシステム「ヘルス×ライフカルテ」の販売を開始

9月

周産期医療ネットワーク専用システム「周産期WEB」の販売を開始

2020年3月

健康経営(注)3・働き方改革・産業保健 遠隔支援サービス「ケリーオンラインサービスサポート」の販売を開始

10月

東京証券取引所マザーズ市場に上場

2021年3月

「勤次郎株式会社」に社名を変更

9月

仮想プライベートサーバー「勤次郎プライベートクラウド」の販売を開始

12月

「勤次郎Enterprise」を進化させた「Universal 勤次郎」の販売を開始

2022年4月

東京証券取引所の市場区分見直しにより、グロース市場へ変更

12月

クラウド統合認証サービス「勤次郎AuthLink」の販売を開始

2023年1月

名古屋市中村区名駅南に名古屋本部・名古屋支店を移転

 

(注)1.ERPはEnterprise Resource Planning(経営資源計画)の略で、企業の基幹業務を効率化するための業務系システムのことをいいます。

2.NTPはNetwork Time Protocolの略で、コンピューター機器内の時刻をネットワーク経由で同期させるための通信規約のことをいいます。

3.健康経営ⓇはNPO法人健康経営研究会の登録商標です。

 

3 【事業の内容】

(1)事業の概要

当社グループは、当社と勤次郎ベトナム有限会社(連結子会社)の2社で構成されており、「想像から創造へ」のもと「CSR&イノベーション」を企業理念として、コアコンピタンス(競争優位の源泉)を強化しております。徹底して他社との差別化を図り、Human Resource Management事業(以下、「HRM事業」という。)においてステークホルダーの期待を重視し、顧客企業の人的資本投資による労働生産性向上をサポートすること、さらに国民のヘルスアップを目指し、社会の持続的発展に貢献することを経営方針としております。

当社グループの事業セグメントは、「HRM事業」「不動産賃貸事業」により構成されております。

HRM事業は、多業種の事業者向けの「就業・人事・給与管理システム」と「健康管理システム」のソフトウエア製品及びハードウエア製品(就業情報端末)の開発及び販売、並びにこれらの製品を活用するクラウドサービス及びコンサルサポート(注)1、プレミアムサポート(注)2、等の提供を主に行っております。また、HRM事業は、当社グループの事業戦略上、クラウド事業(注)3、オンプレミス事業(注)4、の2つの事業に区分して推進しておりますので、以下に記載いたします。

 

セグメントの名称

事業区分

(会社名)

製品とサービス

HRM事業

クラウド事業

 

(当社)

(勤次郎ベトナム有限会社)

HRMクラウドサービス

勤次郎シリーズ

(就業ソリューション)
Universal勤次郎、勤次郎Smart

(人事ソリューション)
人事郎

(給与ソリューション)
Q太郎

(健康管理ソリューション)
ヘルス×ライフ、ヘルス×ライフ Pro、ケリーオンラインサポート&サービス、ママケリー

(電子カルテシステム)ヘルス×ライフカルテ

クラウドフロントサービス

勤次郎バーチャルプライベートクラウド

勤次郎AuthLink

コンサルサポート

クラウドコンサルサポート

NRLコンサルサポート

就業情報端末

NRL-ms、NRL-1、NRL-2

オンプレミス事業

 

(当社)

(勤次郎ベトナム有限会社)

統合ERPパッケージ

勤次郎シリーズ

(就業ソリューション)
Universal勤次郎

(人事ソリューション)
人事郎

(給与ソリューション)
Q太郎

(健康管理ソリューション)
ヘルス×ライフ、ヘルス×ライフ Pro

コンサルサポート

ソフトウエアコンサルサポート

NRLコンサルサポート

就業情報端末

NRL-ms、NRL-1、NRL-2

プレミアムサポート

ソフトウエアプレミアムサポート

NRLプレミアムサポート

不動産賃貸事業

不動産賃貸事業

(当社)

オフィス用賃貸物件の賃貸

 

(注)1.コンサルサポートは、顧客企業への当社グループ製品・サービスの導入に際し、顧客企業のシステム環境の設定、ソフトウエアのインストール、就業情報端末の設置及び利用のための講習等を行います。

 

2.プレミアムサポートは、オンプレミス事業において顧客企業で利用されているソフトウエア及び就業情報端末に障害が生じた場合の修理並びに法令の改正変更に対応した最新プログラムの提供を行います。

3.「クラウド」とは、クラウドコンピューティングの略称であり、提供者が情報システムの設備(ハードウエア)を保有又は利用し、その設備において運用することをいいます。

「クラウド事業」では、従来は手元のコンピューターにインストールして利用していたようなソフトウエアやデータ、あるいはそれらを提供するための技術基盤(サーバーなど)を、インターネットなどのネットワークを通じて提供して(クラウドサービス)、当該ソフトウエアの利用権を販売する(クラウドライセンス売上)ほか、それに付随するサービスを提供しております。

4.「オンプレミス」とは、利用者が情報システムの設備(ハードウエア)を保有し、利用者の設備において運用することをいいます。

「オンプレミス事業」では、利用者の設備にインストールするソフトウエアを販売するほか、それに付随するサービスを提供しております。

 

当社グループは、重要な経営資源である人材面に関し、「働き方改革&健康経営」による企業経営と従業員の最適な関係構築を提案し、顧客企業の労働関係法の遵守とともに従業員が健康で働きがいを感じながら活き活きと働くことのできる職場づくりやワーク・ライフ・バランスへの対応、女性活躍の推進などが、ワーク・エンゲイジメントと労働生産性を高め、豊かで活力ある企業・社会を実現するものと考えております。

 

①HRM事業

当社グループのHRM事業の基本方針は、顧客企業の「働き方改革&健康経営」の実現のため、従業員の適正な労働時間管理、健康維持・増進により労働生産性を向上させることを通じて、業績向上、企業価値向上に貢献することです。その事業領域は、主に中核である就業マネジメント領域とヘルスケア領域によって構成され、製品・サービスとしては、「Universal勤次郎」と「ヘルス×ライフ」をクラウドとオンプレミスで提供しております。

当社グループの販売チャネルには、当社が製品及びサービスを企業に直接販売する「直販」と、当社からシステムやIT機器を取り扱う販売パートナーに卸し、販売パートナー経由で企業が当社グループの製品及びサービスを利用する「パートナー販売」があります。

なお、勤次郎シリーズの就業マネジメントシステムは5,000を超す企業・団体への導入実績があります。これは当該ソフトウエアが使いやすく満足度が高いことによるものであると自負しており、実際に多くの企業・団体で広く利用されております。

 

(クラウド事業)

 

当社グループは、自社のクラウド設備を利用したサービス提供を行っており、クラウド基盤の刷新により、高速・高性能で柔軟なシステム構成を実現しています。また、「勤次郎プライベートクラウド」と「勤次郎AuthLink」の提供により、当社サービスと他社サービス間における、安全で快適な「シングルサインオン」と「多要素認証」を容易に構築することができるようになりました。今後さらに、働き方に応じた従業員情報をベースにした、様々な情報システムに対するアクセス制御の容易性を追求してまいります。

 

これらのクラウドサービスは企業の様々なニーズに応えるべく、ソフトウエアの売り切り型ではなく、利用しやすい月額料金方式で提供するため、企業はサーバーの初期コストや保有コスト、システム運用担当者の人件費、そしてパッケージの維持コストが不要となり、中堅中小企業でも「Universal勤次郎」「人事郎」「Q太郎」や「ヘルス×ライフ」などの機能を利用することができます。

 

 

当社グループでは、このクラウドサービスを通じ、顧客企業の満足度向上を図ることで、将来にわたるリカーリングレベニュー(継続的な収益)を得ることが可能であると考えております。

 

当社グループのクラウドサービスにおける利用者数及び契約社数の推移は次のとおりです。

 

利用者数(人)

契約社数(社)

2014年12月末

29,960

165

2015年12月末

51,025

281

2016年12月末

72,226

381

2017年12月末

105,360

532

2018年12月末

178,529

766

2019年12月末

246,358

1,036

2020年12月末

320,868

1,342

2021年12月末

368,692

1,578

2022年12月末

442,516

1,816

 

(注)「利用者数」は契約ライセンス数を集計しております。なお、契約ライセンス数は、顧客企業の1従業員に複数サービス(就業・人事・給与・ヘルス×ライフ等)の利用がある場合でも1人として集計しています。また、「契約社数」は複数サービスを契約している顧客企業も1社として集計しております。

 

また、顧客企業の満足度向上に取り組んだ結果、解約に至るケースも少なく、クラウドサービスの解約率は0.2%程度の水準で推移しております。

 

 


(注)クラウドサービスの解約率は、「対象月を含む過去12か月のクラウドライセンス解約金額合計÷同期間のクラウドライセンス前月売上金額合計」にて算出しております。クラウドライセンス解約金額とは、ライセンス契約の解除により減少するクラウドライセンス売上(月額)をいいます。

 

 

(オンプレミス事業)

 

オンプレミス事業においても、クラウド事業と同じく、顧客企業の「働き方改革&健康経営」に資する勤次郎シリーズとして「Universal勤次郎」「人事郎」「Q太郎」や「ヘルス×ライフ」などを広く提供しております。

これらのソフトウエアのパッケージを購入した顧客企業・団体においては、当社グループが継続的なプレミアムサポートを提供することで、安心して利用することができ、当社グループにとっては、プレミアムサポートの年額料金又は月額料金によりリカーリングレベニュー(継続的な収益)を得ることが可能であり、安定した収益確保につながっております。

 

当社グループでは、クラウドサービス及びプレミアムサポートの2つのリカーリングレベニュー(継続的な収益)並びにこれらのソフトウエアのオンプレミスでの拡販により、高い成長力と安定した収益計上を確保しております。

 

②不動産賃貸事業

当社グループの不動産賃貸事業の基本方針は、スペースの有効活用としております。当社所有のビルのうち、空きフロアをオフィス用賃貸物件として賃貸しております。

 

(2)当社グループの主要製品及びサービスについて

<勤次郎シリーズの各ソリューション>

■ 働き方改革ソリューション

a Universal勤次郎(就業ソリューション)

多様化する雇用・勤務・賃金形態に幅広くスピーディーに対応し、複雑で細かな就業情報の自動集計と計算を瞬時に行うことができます。Web環境を活用することにより、必要な時に、必要な情報データだけを職務権限に応じて提供できるのみならず、コンプライアンスにも対応した以下のソリューションを提供しております。

(a)直観的な操作と柔軟なカスタマイズに対応

UI/UXの進化により、ストレスなく直観的な操作が可能です。カスタマイズも柔軟に行うことができ、使い勝手に合わせてトップ画面やメニューを自由に構成することが可能です。職務権限ごとに設定できるため、権限ごとにトップ画面に表示させたいメニューや項目を自由に設定・変更することもできます。

(b)多様な働き方(業種・職種)への対応

就業時間帯(シフト)の設定は、46,000種類の登録が簡単に設定でき、パートタイマー・アルバイトはもちろん、複雑な雇用形態にも柔軟に対応できます。締め日は雇用形態などに合わせ、1社あたり5回まで設定できます。また1日2回までの複数回勤務や勤務間インターバル制、フレックス勤務、変形労働時間制、交代勤務、テレワークにも対応しています。

(c)法改正への対応

2019年4月より施行された「働き方改革関連法」に対応し、顧客企業の必要とする「働き方改革」を次のように支援いたします。

 

・年次有給休暇の年5日以上取得の義務化に伴う取得状況チェックを、法定要件に合わせて適切に行い、年次有給休暇の管理業務にかかる負荷を軽減することができます。

・フレックスタイム制の総労働時間に対する過不足時間の清算期間上限の3か月延長に対応し、新しい労働環境に合った就業管理を実現できます。

・36協定の罰則付き上限の設定に対応した新たな管理方法として、また、意図せぬ過重労働を防ぎ、企業の労務リスクを軽減するため、アラーム機能によるメール通知を従業員本人や管理者及び人事部門へ配信し、効率的な時間外労働時間の管理に貢献することができます。

(d)打刻方法

オフィスワークや外勤などシーンに合わせて選べる、多彩な打刻方法があります。

就業情報端末(タイムレコーダー)によるICカード打刻・指静脈認証打刻、パソコンによるWeb打刻・ICカード打刻・指静脈認証打刻、スマートフォン、タブレットによる打刻が可能です。

(e)申請・承認の電子化

残業、休暇等の各種申請は全てWeb上で実施することができます。承認ルートも会社・部門・個人ごとに申請の種類に応じて設定することができるため、昨今のテレワーク環境下においても、適切な申請・承認業務を行うことができます。

(f)データ分析支援

担当部門が戦略的ミッションに取り組むための時間を作り出すと同時に、「生産性分析・人員の適正配置などに活用可能なデータ」の作成を支援します。

これら以外にも、スケジュール機能を有しており、顧客企業が登録した「就業時間実績」、「公休残日数」、「人件費の目安」を確認しながら、従業員の勤務スケジュールを作成し、データに基づく適正な人員配置を支援します。

 

b 人事郎(人事ソリューション)

従業員の個人情報管理業務に対しては、アクセス権限の設定などの個人情報セキュリティ環境を構築し、顧客企業が独自に管理したい人事項目を追加することができます。また、多様な条件で情報を検索することができ、的確な人材の選択や意思決定への必要データの抽出が可能となっております。

・情報セキュリティ

従業員の個人情報管理業務に対して、職務に応じた9段階の権限設定で、適切な情報セキュリティを構築します。

・履歴管理

従業員の役職や所属部門の履歴を「過去・現在・未来」の各時点で区切って分析・照会することが可能です。

・個人情報管理

定型項目(25項目)に加え、顧客企業が独自に管理したい項目を無制限に追加することが可能です。

また、独自に追加した項目に関しても履歴管理が可能です。

・任意情報検索

多様な条件で情報を検索することが可能で、検索した結果はCSV形式(テキストデータ)のファイルに出力することもできます。また、的確な人材の選択や意思決定への必要データの抽出が可能です。

・帳票出力

「辞令」「通知書」「届出」など各種帳票は、顧客企業が利用しているフォーマットに合わせてフォントサイズ・レイアウトなどを自由に変更可能です。

・各種届出/承認業務の効率化

定型の届出情報の他、顧客企業独自の届出情報を自由に追加登録することが可能です。承認ルートも複数設定できるため届出情報別の承認ルート設定や、代理承認設定のほか、申請者が任意に権限者の中から承認者を設定することも可能です。

 

 

c Q太郎(給与ソリューション)

雇用形態に合わせ1か月につき5回までの複数の給与締めができるよう対応しており、顧客企業が登録した賃金テーブル情報に更新があった場合、明細データの自動更新が可能であるという汎用性を有しております。勤務データを「勤次郎」から自動連携することで、転記・給与計算の手間を省き、また、給与明細書・源泉徴収票(PDF形式)の自動配信・メール配信を可能とすることで給与業務の生産性向上につながっております。

・汎用性

給与・賞与の支給・控除については9,999項目の登録ができ、雇用形態に合わせ1か月につき5回までの複数の給与締め日に対応することが可能です。

1年につき給与12回、賞与5回、予備3回の処理が可能です。振込み先銀行は5行まで設定することができ、振込み先が複数になる場合は定額指定・定率指定双方での配分が可能です。

会計システムとの連携を考慮し、支給控除項目ごとに仕訳区分・集計区分として99種類の項目設定が可能です。

・複雑な給与計算にも対応

顧客企業が登録した賃金テーブル情報に更新があった場合、当該テーブル情報と連携し、明細データを自動更新することが可能です。

・給与計算業務のスピード化

勤務データを「勤次郎」から自動連携させ、転記・給与計算の手間を省きます。給与規定見直しや期間限定の手当支給などに伴う設定変更も事前登録が可能なため、繁忙期を避けた計画的な運用を行うことができます。

・Web環境の利用

給与明細書・源泉徴収票(PDF形式)の自動配信・メール配信が可能です。分散処理により、毎月の勤務データや、年末調整データをWeb上で入力するなどの処理を、複数担当者が同時に行うことができます。

 

d 労務コストマネジメントシステム

顧客企業の労務コストを正確に捉え「見える化」することで、労務コスト計画の作成、人員計画の作成に必要なデータを集計し、時系列・前期比較、予算実績比較、売上比較を時間・日・月・四半期・年の単位で検討することができ、適正な労務コストへの改善に取り組むことができます。

なお、労務コストは、給与・各種手当・賞与・退職金などの全ての人件費を対象にすることが可能です。

 

e オフィスヘルパー(統合ポータルシステム)

統合ポータルシステムとして次のWebワークフローシステムを提供し、オフィスワークの効率化を支援しております。

・工数管理、日報管理、出張申請管理、立替金精算、稟議申請管理、設備予約管理、食券発行管理
 

■ 健康管理ソリューション

f ヘルス×ライフ

企業におけるストレスチェックの義務化、経済産業省が東京証券取引所と共同で上場企業の中から選定する『健康経営銘柄』の公表、『健康経営優良法人認定制度』などの社会的要請が拡大しています。「健康経営」は、従業員の健康増進及び活力向上や生産性向上等の組織の活性化をもたらし、結果的に業績向上につながる新しい企業価値向上策の一つに取り上げられております。当社グループは、このような社会的ニーズに対応する健康管理ソリューションとして「ヘルス×ライフ」を提供しております。

 

 

(a)ヘルス×ライフ(標準)

・健診結果計画、管理(特殊検診はオプション対応)

・ストレスチェック受検、分析、管理

・労基署報告資料自動作成

・産業医判定

・歩数、血圧等の生活データ管理

・アルコールチェック管理

 

(b)ヘルス×ライフ Pro(標準+追加機能)

・健診結果AI分析

・健康ポイント管理

・ワクチン接種管理

・体調・体温管理

・健診状況管理

・オンライン面談ツール

これらの機能により、従業員の健康診断とストレスチェックの結果、日常の活動情報・バイタル情報(心拍数や血圧などの生体情報)をリアルタイムに顧客企業に提供することが可能です。人事・総務の担当者によるスピーディーな組織の労務環境分析や、産業医・保健師等専門家による従業員への早期のカウンセリング・アドバイス及び診断を可能にする機能です。

また、「ヘルス×ライフ」を利用しやすくするため、スマートフォンアプリケーションも提供しており、顧客企業の従業員が自分のスマートフォンにより、自身の現在の健康状態をリアルタイムに確認でき、日々の生活改善を行うことにより生活習慣病の予防を図ることができます。

 

(c)ケリーオンラインサポート&サービス(ヘルス×ライフ Pro+追加機能)

・健診レポート作成、報告

・ストレスチェック実施者代行

・健康経営 支援サポート

 

ケリーオンラインサポート&サービスは、従業員の勤務・健康データ(健康診断結果とストレスチェック結果)を見える化し、労働生産性損失コスト(残業コスト、アブセンティーイズム(注)1、プレゼンティーイズム(注)2)を自動集計した分析結果を提供し、顧客企業が行う従業員の健康改善への取組みのサポートを行います。

産業医によるオンライン面談及び産業医と保健師による労務環境改善サポート、従業員の健康改善サポート及び健康ポイント管理を行うことで、顧客企業の労働生産性向上や健康経営優良法人認定などの健康経営に向けた取組みを支援するサービスサポートです。

(注)1.アブセンティーイズム:体調不良等での年間不就労日数

2.プレゼンティーイズム:体調不良等による生産性低下

企業の「健康経営」に資する「ヘルス×ライフ」は、コンプライアンス面からも必要とされ、ニーズ性のある製品・サービスであり、働く人、企業、社会への貢献につながっていくものと考えております。

 

g ママケリー

妊活支援・母子健康手帳・育児手帳の機能を有するアプリケーションとして、お子様の誕生前から、母子の身長・体重、病院での受診内容、保健指導内容を写真や動画とともに記録できます。専門家の育児情報も掲載されており、出産・育児でのママの悩みや不安を少しでも和らげ、安心して楽しく子育てができるよう支援しております。ママケリーを通して、パパ・ママそしておじいちゃん・おばあちゃんがお子さん・お孫さんの成長をともに感じて、ご家族の思い出をいつまでも大切にできます。

 

 

h ヘルス×ライフカルテ(電子カルテシステム)

クラウドサービスによる電子カルテシステムで、「ヘルス×ライフ」アプリケーションとオンライン診療システムとの連携で、患者のデータを一括管理します。患者の受付から会計までの業務フローへの対応に加え、入院に必要な移動情報、看護支援機能等を有し、200床未満の医療機関に対応しています。

 

■クラウドフロントサービス

2010年以来の当社のクラウド技術ノウハウを活かし、システム構築に必要なサーバーやネットワーク、ストレージなどのインフラを安全・スピーディーにインターネット経由で提供しています。お客様に、安心・安全・低予算にてクラウドサービスのメリットをご提供することが可能です。

 

i 「勤次郎プライベートクラウド」は、ネットワーク構築・システムの冗長化に関して、ホスティング型IaaSを、専門部門を持たない企業・部門におけるサーバー選定・購入手続きやシステム維持といった煩雑で日々の負担の大きな課題を解決いたします。また企業がWebアプリケーションを「勤次郎プライベートクラウド」内で動作させることで、安全に当社の「HRM&HLプラットフォーム」データを活用することができます。

j 「勤次郎AuthLink」は、クラウド上の様々なアプリケーションの効率的な管理と運用を「シングルサインオン」によって可能にします。また、生体認証と組み合わせられる「多要素認証」によるセキュリティ強化と、ユーザーごとのアクセス制御などにより、管理業務の工数削減を実現します。

 

事業の系統図は、次のとおりであります。

 


 

 

4 【関係会社の状況】

 

名称

住所

資本金

主要な事業
の内容

議決権の所有
割合(%)

関係内容

(連結子会社)

 

 

 

 

 

勤次郎ベトナム

有限会社

ベトナム社会主義共和国

ハノイ市

6,310,800

千ベトナムドン

HRM事業

100.0

開発業務の委託

役員の兼任2名

 

(注) 1.「主要な事業の内容」欄には、セグメント情報に記載された名称を記載しております。

2.特定子会社であります。

3.有価証券届出書又は有価証券報告書を提出している会社はありません。

4.2023年3月に、日通システムベトナム有限会社より商号変更しております。

 

5 【従業員の状況】
(1) 連結会社の状況

 

2022年12月31日現在

セグメントの名称

従業員数(名)

HRM事業

294

不動産賃貸事業

その他

全社(共通)

24

合計

318

 

(注) 1.従業員数は就業人員(当社グループからグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへの出向者を含む。)であり、臨時雇用者数は従業員数の100分の10未満であるため、記載しておりません。

2.全社(共通)は、特定のセグメントに区分できない総務及び経理等の管理部門の従業員であります。

3.当連結会計年度末までの1年間において従業員数が41名増加しております。主な理由は、業容の拡大に伴う採用の増加によるものであります。

 

(2) 提出会社の状況

 

 

 

2022年12月31日現在

従業員数(名)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

265

36.2

6.3

5,498

 

 

セグメントの名称

従業員数(名)

HRM事業

241

不動産賃貸事業

その他

全社(共通)

24

合計

265

 

(注) 1.従業員数は就業人員(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む。)であり、臨時雇用者数は従業員数の100分の10未満であるため、記載しておりません。

2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

3.全社(共通)は、特定のセグメントに区分できない総務及び経理等の管理部門の従業員であります。

4.当事業年度末までの1年間において従業員数が29名増加しております。主な理由は、業容の拡大に伴う採用の増加によるものであります。

 

 

(3) 労働組合の状況

当社グループにおいて労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満であり、特記すべき事項はありません。

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。本項目を含む、本書における当社グループに関連する見通し、計画、目標等の将来に関する記述は、当社グループが現在入手している情報に基づき当連結会計年度末時点における予測等を基礎としてなされたものであり、実際の内容は、記載内容と大きく異なる可能性があります。

 

(1) 経営の基本方針

当社グループの経営は、企業理念である「CSR&イノベーション」のもと、「人と時間とテクノロジーのより良い関係を求め、HRM&HLプラットフォームによるクラウドサービス事業を通じ、働き方改革&健康経営と国民のヘルスアップの支援をCSRとして、イノベーションをもって社会の持続的発展に貢献します」を基本方針としています。HRM(Human Resource Management)&HL(ヘルス×ライフ)プラットフォーム分野において、顧客満足度向上を最優先に、ソフトウエアパッケージの製造・販売とそのパッケージ機能をインターネット経由でサービス提供する(クラウドサービス)ことで、顧客企業のニーズに応え、業績向上に貢献し、「顧客・従業員・株主・取引先・地域社会」の全てのステークホルダーに信頼される企業を目指しております。

また、イノベーション(技術革新)を常に行い、当社グループの持続的な成長と企業価値の向上を図っていくことを経営の基本方針としております。

 

(2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、売上・利益の成長、顧客満足度の向上に取り組みながら企業価値の最大化を目指すため、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として、売上高営業利益率、クラウドサービスの利用者数(契約ライセンス数)及び当該クラウドサービスの解約率を掲げております。売上増加の重要な要素となるクラウドサービスの利用者数を増加させ、また顧客満足度を向上させることで当該契約に対する解約率の低減を図り、結果として売上高営業利益率の高い成長を目指してまいります。

 

(3) 中長期的な経営戦略

当社グループは、継続して成長し続けるために、クラウド事業を成長ドライバーにリカーリングレベニューを拡大することを基本戦略とし、以下のとおり、HRM&HLプラットフォームを通じた新たな価値創造を行ってまいります。

①「ヘルス×ライフ」機能強化による「Universal勤次郎」のターゲットに向けた新製品・サービスでの新規顧客獲得

働き方改革ソリューションと健康管理ソリューションから得られるビッグデータの分析とAI(人工知能)活用による新製品・サービスの開発・拡販(統合データサービス・クラウドフロントサービス)、ARPUの増加

②リカーリングレベニューの継続強化

オンプレミス契約顧客のクラウド移管とプレミアムサポートによるリカーリングレベニューの拡大

顧客満足度の向上による低解約率の維持継続

③コンシューマビジネス(BtoC)での収益拡大

 

(4) 経営環境並びに優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

今後の労働市場を展望すると、少子高齢化時代による労働人口の減少が続く中で、各業界とも女性労働者の増加、パートタイマー・派遣社員等の活用、外国人労働者の活用等、労働力確保のための手段は多様化する傾向にあります。2024年4月には「働き方改革関連法」の適用猶予事業に対しても時間外上限規制が適用され、企業は、労災認定基準に勤務間インターバルが追加されるなどの過重労働に対する指導強化への対応や、長時間労働者への健康指導など、より一層きめ細かな労務管理が求められております。

 

また、ヘルスケア分野においては、改正労働安全衛生法によるストレスチェックの義務化以降、多くの企業で「健康経営」が推進されております。この「健康経営」は、従業員の健康増進及び「ワーク・エンゲイジメント」向上による生産性の向上と組織の活性化をもたらし、結果的に業績向上にもつながる新しい企業価値の向上策の一つとして取り上げられております。また、人的資本経営を重視する考え方が注目されており、従業員が心身ともに充実した状態にあるように努めることが、企業の経営努力として極めて重要なテーマとなってきました。

このような動向を鑑み、当社グループは以下の点を優先的に対処すべき課題と認識し、それらの改善に努めながら、今後の事業運営を行っていく方針であります。CSR(企業の社会的責任)の実行と顧客満足度向上は当社グループの繁栄につながり、ひいては従業員の満足度向上にもつながることから必要不可欠であり、イノベーション(技術革新)力を磨くことにより、コアコンピタンス(競争優位の源泉)の追求と顧客企業の満足度向上につながるよう、課題解決を図ってまいります。

 

①新製品の開発

当社グループは、HRMサービスベンダーのトップランナーを目指し「Universal勤次郎」を中核とするクラウドサービス販売により顧客企業の拡大を進めております。「Universal 勤次郎」は、企業経営を支援し、「労働生産性」と「ワーク・エンゲイジメント」の向上に繋がる従業員の健康増進と、活力をもって働ける職場づくりに貢献するため、働き方改革ソリューションと健康管理ソリューションのデータを統合的に活用できるシステムとして、進化させてまいります。

 

②ヘルスケアシステムの開発

当社グループは、健康管理ソリューションとして「ヘルス×ライフ」を提供しておりますが、単なるシステムだけではなく、付加価値の高い人的サービスとして「ケリーオンラインサポート&サービス」も提供しております。今後「ヘルス×ライフ」の販売拡大のためには、顧客企業の健康経営と労働生産性向上並びに「BtoC」ビジネスへの展開に向けて、個人の健康管理に資するサービス・機能の強化や新サービスの開発を強化していく必要があると認識しております。従業員の就業・健康データ、日常の活動情報を総合的に分析し、従業員並びに個人の健康管理に活用できるサービスの開発を重点課題として取り組んでまいります。

 

③クラウドサービスのさらなる品質向上

当社グループのクラウドサービスは、自社設備によって提供しております。顧客企業に安心して利用してもらうために高いセキュリティによって顧客企業の個人情報を保護し、かつ設備を安定的に稼働させる必要があります。そのため、セキュリティ対策と設備強化が重要と認識しております。

 

④人材の確保と育成

当社グループにおいては、顧客企業の「働き方改革&健康経営」の実現を支援する社会的価値のあるクラウドサービスの提供をしており、社員一人ひとりが高いモチベーションを維持し、営業・サポート・開発に取組んでおります。一方では、大きく成長する「働き方改革&健康経営」市場において、当社グループが事業を拡大していくためには人材が最も重要な資本であると認識し、顧客企業のニーズに裏打ちされたサービスと製品を永続的に提供していくための優秀な人材の確保と育成が最重要課題と考えております。その取組みの一環として昨年発足した若手社員を中心とする「勤次郎元気プロジェクト」は、社員が自ら考え、率先して健康増進を行うイベントを企画、運営することによって、能動的な働き方と健康経営への取組みをボトムアップで実現しています。引続き優秀な人材の積極的な採用活動と、全従業員への集合教育研修及び役員・幹部人材への高度な外部研修を行い、社員が自己研鑽に努め、能力を最大限に発揮できる環境と職場づくりを目指してまいります。

 

 

⑤開発投資・広告宣伝投資等

当社グループの事業のさらなる発展のためには、主力製品である「Universal 勤次郎」、「ヘルス×ライフ」の開発・改良のほか、「クラウド事業基盤」の進化による製品・サービス強化と、顧客創出効果を期待した広告宣伝による販売力強化が必要と認識しております。そのため新サービス・製品の開発投資と広告宣伝投資が必要と考えております。今後の収益向上のための投資として、早期に回収し収益に貢献できるよう、戦略的かつ実効性のある開発投資、広告宣伝を進めてまいります。

 

2 【事業等のリスク】

本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経済状況について

当社グループが事業活動を行う市場は日本国内であります。しかしながら、アジア、北米、欧州の国及び地域の経済状況の動向は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。経済状況の動向によっては、当社グループの主な販売先である大手・中堅企業は、同社の売上に直結しない当社グループ製品(統合ERP「Universal 勤次郎」等)の業務・設備への投資を大幅に削減又は延期するおそれが大きいためであります。そのため、日本政府の掲げる「働き方改革」は、当社グループを含む業界にとって追い風となっておりますが、国内外の景気の悪化・低迷等の外部環境要因によっては、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 技術革新や競合会社について

当社グループの事業分野であるソフトウエア・ハードウエアの研究開発では、技術革新の進展・技術環境の変化の速度は顕著であり、日々、激しい開発競争及び販売競争が行われております。このような状況下、当社グループは常に市場動向、技術動向を分析し新技術や製品の研究開発に努めております。しかしながら、事業を取り巻く市場環境や技術環境が当社グループの予測を超える速度で変化していくことも想定されます。さらに、新規参入者を含めた競争激化による製品価格の下落、競合会社の優位的な新製品の投入や競合会社同士の戦略的提携といったことが発生した場合、当社グループの技術や製品の陳腐化が発生する可能性があります。そのため、何らかの要因で技術変化への対応が困難となった場合、若しくは競合会社の動向により、当社グループが市場優位性を確保できない場合は、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 特定の製品に依存していることに起因するリスク

当社グループの主力製品である「勤次郎Enterprise」は、2004年1月の発売以来オンプレミスでの販売が順調に推移し、近年はクラウドでの販売も大きく伸長しており、また2021年12月には「Universal 勤次郎」もリリースし、HRM事業売上高の大半が勤次郎シリーズに依存するものとなっております。その中でも特に就業管理システムに関連する売上依存の割合が高く8割を超えていることから、就業管理分野において技術革新や低価格製品・サービス等の強力な競合先の出現があった場合、売上が減少し、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 製品の不具合(バグ)発生について

当社グループのソフトウエア・ハードウエア製品において、不具合をなくすことは重要な課題であります。当社グループでは製品の開発工程においてソフトウエア・ハードウエアの厳格な試験を行っておりますが、一般的に今日のような高度で複雑なソフトウエア・ハードウエア上で不具合を全てなくすことは不可能といわれております。そのため、顧客企業が当社グループ製品を導入後に不具合を発見する可能性があります。その場合には、該当製品のその後の売上が減少し、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(5) 販売パートナーとの協業について

当社グループの売上高の概ね6割が主に、株式会社大塚商会等の販売パートナーとの協業によるものであり、特に大塚商会グループで約4割を占めております。当社グループの顧客企業は、製造業、サービス業、流通・小売業、運送・倉庫業、病院・福祉業等、業種・業態を問わず多岐にわたっており、規模的にも大企業から中小規模事業者まで広範囲となっております。当社グループでは、これらの幅広い顧客ニーズにきめ細かく応えるため、販売パートナーを経由した間接販売に注力しており、ソフトウエア・ハードウエア製品におけるパートナーによる間接販売での売上高は、第42期連結会計年度においても概ね6割を占めることから、販売パートナーとの継続的信頼関係の維持は、当社グループの将来にとって重大な意義を持ちます。そのため、販売パートナーとの関係が悪化した場合、競合会社が当社グループの販売パートナーと戦略的提携を行った場合、あるいは販売パートナーの財政状態が悪化した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 新製品等の研究開発への投下資金が期待どおりの成果をあげられないことに起因するリスク

当社グループでは現在、主力製品である統合ERP「勤次郎Enterprise」の後継製品「Universal 勤次郎」、「ヘルス×ライフ」の開発・改良のほか、電子カルテの「ヘルス×ライフカルテ」の開発のための研究開発プロジェクトが進行しております。先行投資的な研究開発を拡大させる場合やリリース後に想定どおりの販売収益が得られない場合、開発が予定どおり進捗せず遅延する場合、又は不測の事態によりリリースに至らない場合には、追加の費用計上や損失などが生じ、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) クラウドサービスのシステム障害に起因するリスク

当社グループでは、クラウドサービスに関して、システム障害等により長時間にわたるサービス停止が発生しないようにセキュリティ専門会社による脆弱性診断とその対策の実施のほか、ネットワーク回線・機器及びサーバーの冗長化並びにシステムの稼働監視システムの導入等を行っております。また、、BCP(事業継続計画)に基づき早期復旧の手順の策定と復旧の演習を実施する等の未然防止策を実施しリスクの低減に努めております。

しかしながら、ソフトウエアや関連設備に障害が発生し大幅な復旧遅延が生じた場合、クラウドサービスの停止が長時間にわたることで、顧客企業からの信頼を失い、取引の解消によるクラウドサービスの売上の大幅な減少や損害賠償請求などが発生し、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 情報システム障害に起因するリスク

当社グループの事業活動において、製品・サービスの研究開発・製造・販売等のビジネス活動のための情報システムの利用とその重要性は増大しております。ウイルス対策の強化やネットワーク及びファイルサーバーの二重化などの各種対策を実施し、業務を継続的に運営できる体制を整備しておりますが、テロ、自然災害、ハッキング、コンピューターウイルスの混入のほか、自然災害や事故によるインターネット通信網の損傷、予期せぬアクセス急増に伴うサーバーダウン、その他の要因によって情報システムの障害が発生した場合、当社グループの事業活動に支障が生じ、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) 知的財産権に起因するリスク

当社グループが開発する製品であるソフトウエア及びハードウエアにかかる知的財産権について、これまで、第三者から侵害訴訟等を提起されたことはありませんが、当社グループが認識していない特許等が成立している場合、当社グループの製品が第三者の知的財産権に抵触する可能性を完全に排除できない可能性があります。当該第三者による損害賠償及び特許等の使用差し止めの訴え等により、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(10) 情報セキュリティについて

当社は事業遂行に関連して、顧客の機密情報や顧客企業の従業員及び個人利用者の個人情報を取得又は預かることがあります。そのため、当社はISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)認証を取得し、全部門において、国際規格である「ISO27001」に適合した情報の安全な管理体制を構築し、社内規程・マニュアルの制定、従業員への教育等を通じて管理を徹底しておりますが、不測の事態により機密情報や個人情報が流出する可能性を完全になくすことはできず、万が一、情報流出が生じた場合、当社グループの社会的信用が失墜するとともに損害賠償等の費用負担が発生し、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

また、コンピューターウイルスによる攻撃等の発生に対し、当社グループは事業継続計画の策定やアンチウイルスソフトの利用等の予防策を採用しておりますが、こうした問題の影響を完全に回避することができない場合、当社グループの開発活動をはじめとする事業活動全般に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11) 人材の確保について

当社グループの人員体制は現時点での業務規模に応じたものになっております。当社グループでは、計画的な採用活動による新卒採用に加え、一定水準以上の専門技術・知識を有する技術者の中途採用により業務拡大を想定した人員の強化、拡充を図っておりますが、人材の確保が円滑に進まなかった場合や現在当社グループで働いている技術者が当社グループ外に流出した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(12) 財政状態及び経営成績の状況の異常な変動に係るリスク

当社グループの事業形態の特徴として、人件費や減価償却費等の固定費水準が高く、変動費比率が低いことが挙げられます。そのため、売上高が増加した場合の増益額が他の事業形態に比べ大きい一方、売上高が減少した場合の減益額も他の事業形態に比べて大きく、利益の変動額が大きくなる傾向にあります。その結果、土地・建物等の固定資産の減損や繰延税金資産の回収可能性にかかるリスクが顕在化し、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(13)自然災害、感染症等について

当社グループの主要な営業拠点は、東京、大阪、名古屋にあります。また、主要な開発拠点は、名古屋及びベトナムにあります。過去においては、地震、火災、洪水、津波等の災害によって当社グループの事業活動が影響を受けたことはありませんが、これらの地域において大規模な自然災害、ストライキ、テロ等が発生した場合や、新型インフルエンザ、新型コロナウイルス感染症等の感染症が想定を大きく上回る規模で発生あるいは流行した場合、営業活動や製品開発をはじめとする事業活動全般に影響を及ぼす可能性があり、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(14)法令改正等について

当社グループが開発しているソフトウエアは、主に企業の基幹業務向けビジネスソフトウエアであります。したがって、労働基準法、労働安全衛生法改正等に伴い、改正変更に対応した最新プログラムを顧客企業(プレミアムサポート契約企業)に送付しなければなりません。プログラム更新が複雑かつ煩雑であった場合には、対応に遅れが生じるケースや当社グループの開発リソースのみでは対応ができない可能性があり、このような場合には開発費用負担が増加するなど、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

また、医療関係法規(監督官庁が公表する諸ガイドラインを含む。)に則った対応が必要になることもあります。そのため、こういった法令等の改正に対応していない場合には、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(15)大株主について

当社の代表取締役である加村稔並びに同人の資産管理会社であるエヌイーシステムサービス株式会社及びMK株式会社の所有株式数は、当連結会計年度末現在で発行済株式総数の48.8%となっており、引き続き大株主となる見込みです。

加村稔及び同人の資産管理会社(エヌイーシステムサービス株式会社及びMK株式会社)は、安定株主として引き続き一定の議決権を保有し、その議決権行使に当たっては、株主共同の利益を追求するとともに、少数株主の利益にも配慮する方針を有しております。

加村稔は、当社の創業者であるとともに代表取締役であるため、当社といたしましてもこれらは安定株主であると認識しておりますが、将来的に何らかの事情によりこれらの当社株式が売却された場合には、当社株式の市場価格及び流通状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要
①財政状態及び経営成績の状況

a.経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による厳しい状況が緩和される中で、個人消費や企業の生産活動は持ち直しの動きがみられたものの、ロシア・ウクライナ情勢長期化による資源価格の高騰、円安の進行など、依然として先行き不透明な状況となっております。

このような経済状況にあって、政府の「働き方改革」と「健康経営」の施策のもと、在宅勤務やオンラインミーティングの活用、クラウドサービスの活用、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進など、ITの重要性や業務のIT化の流れはますます拡大している状況であります。

以上のような状況の中、当社グループは従来の主力製品である「勤次郎Enterprise」の次世代製品となる「Universal勤次郎」を2021年12月末にリリース致しました。受注におきましては順調な滑り出しとなっておりますが、本格的に売上に寄与するのは2023年度からとなります。当連結会計年度においては「勤次郎Enterprise」に加え、「働き方改革」と「健康経営」に寄与する「ヘルス×ライフ」の拡販により、「HRM&HLデータサービスプラットフォーム」を発展させてまいりました。

セグメントごとの経営成績を示すと、次のとおりであります。

なお、当連結会計年度より新たに不動産賃貸事業を開始し、HRM事業及び不動産賃貸事業を報告セグメントとしており、前連結会計年度との比較・分析は当該報告セグメントの区分に基づいて記載しております。

クラウド事業の販売は、市場ニーズが一段と高まっていることから、リカーリングレベニューであるクラウドライセンス売上は1,678,366千円(前年同期比14.2%増)を計上しており、引き続き安定した収益確保に貢献した結果、事業全体としては2,191,140千円(前年同期比7.0%増)となりました。

オンプレミス事業の販売については、Universal 勤次郎が徐々に売上に貢献してきたこと等により、事業全体としては1,343,235千円(前年同期比6.0%増)となりました。リカーリングレベニューであるプレミアムサポート売上についても、引き続き安定した収益確保に貢献しておりますが、クラウド契約に変更となった契約があったこと等により、573,924千円(前年同期比2.6%減)となりました。

これらの結果、HRM事業の売上高は3,534,375千円(前年同期比6.6%増)、セグメント利益は461,239千円となりました。

また、不動産賃貸事業については、テナントからの賃料収入により、売上高は16,438千円、セグメント損失は2,011千円となりました。

以上の結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高は3,551,547千円(前年同期比6.8%増)、営業利益は444,370千円(前年同期比69.8%増)、経常利益は437,112千円(前年同期比79.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は304,655千円(前年同期比87.0%増)となりました。

 

 

b.財政状態の状況

(資産)

当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ2,874,645千円増加し、12,653,110千円となりました。

そのうち、流動資産は前連結会計年度末に比べ2,703,224千円減少し、5,669,296千円となりました。これは主に、現金及び預金3,052,785千円の減少があったほか、受取手形及び売掛金106,022千円の増加その他の流動資産220,482千円の増加等によるものであります。

また、固定資産は前連結会計年度末に比べ5,577,869千円増加し、6,983,813千円となりました。これは主に、建物及び構築物3,124,256千円の増加土地2,127,478千円の増加ソフトウエア仮勘定243,710千円の増加があったこと等によるものであります。

 

(負債)

当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ2,973,685千円増加し、3,897,923千円となりました。

そのうち、流動負債は前連結会計年度末に比べ384,367千円増加し、1,076,622千円となりました。これは主に、1年内返済予定の長期借入金224,984千円の増加資産除去債務49,000千円の増加未払法人税等118,755千円の増加があったこと等によるものであります。

また、固定負債は前連結会計年度末に比べ2,589,317千円増加し、2,821,301千円となりました。これは主に、長期借入金2,480,408千円の増加その他の固定負債147,583千円の増加があったほか、役員退職慰労引当金44,186千円の減少等によるものであります。

 

(純資産)

当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ99,040千円減少し、8,755,186千円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上304,655千円があったほか、剰余金の配当168,342千円自己株式の取得248,227千円等によるものであります。

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ3,074,085千円減少し、4,454,564千円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において営業活動の結果獲得した資金は、前連結会計年度末に比べ231,244千円増加し、410,377千円となりました。これは主な資金獲得要因として、前連結会計年度と比較して税金等調整前当期純利益192,924千円の増加減価償却費162,967千円の増加法人税等の支払額135,249千円の減少法人税等の還付額24,373千円の増加等があったほか、資金支出要因として、売上債権の増減額108,535千円の減少、未収消費税等の増減額213,661千円の減少等があったことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において投資活動の結果支出した資金は、前連結会計年度末に比べ5,138,984千円増加し、5,726,471千円となりました。これは主な資金支出要因として、前連結会計年度と比較して有形固定資産の取得による支出4,906,720千円の増加無形固定資産の取得による支出249,693千円の増加投資有価証券の取得による支出76,910千円の増加等があったほか、資金獲得要因として、預り敷金及び保証金の受入による収入65,004千円の増加その他30,270千円の増加等があったことによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において財務活動の結果獲得した資金は、2,250,479千円(前連結会計年度は1,212,938千円の支出)となりました。これは主な資金獲得要因として、前連結会計年度と比較して長期借入れによる収入2,750,000千円等があったほか、自己株式の取得による支出248,227千円配当金の支払額168,342千円があったこと等によるものであります。

 

 

③生産、受注及び販売の実績

a. 生産実績

当社グループで行う事業は、提供する製品・サービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。

 

b. 受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

HRM事業

3,621,188

109.0

627,710

109.4

不動産賃貸事業

16,438

その他

733

7.3

合計

3,638,360

109.2

627,710

109.4

 

(注) セグメント間取引については相殺消去しております。

 

c. 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

HRM事業

3,534,375

106.6

不動産賃貸事業

16,438

その他

733

7.3

合計

3,551,547

106.8

 

(注) 1.セグメント間取引については相殺消去しております。

2.HRM事業における事業区分・売上区分別の販売実績は、次のとおりであります。

 

事業区分

売上区分

前連結会計年度

(自 2021年1月1日

  至 2021年12月31日

当連結会計年度

(自 2022年1月1日

  至 2022年12月31日

販売高
(千円)

前年
同期比

(%)

販売高
(千円)

前年
同期比

(%)

クラウド
事業

クラウドライセンス売上

1,469,324

120.5

1,678,366

114.2

クラウドコンサルサポート売上

449,764

90.8

391,799

87.1

就業情報端末売上

96,555

81.4

92,193

95.5

その他売上

31,980

110.3

28,780

90.0

小計

2,047,625

109.9

2,191,140

107.0

オンプレミス
事業

ソフトウエア製品売上

338,210

66.2

467,693

138.3

ソフトウエアコンサルサポート売上

245,785

74.6

200,219

81.5

就業情報端末売上

93,489

68.0

101,398

108.5

プレミアムサポート売上

589,325

102.3

573,924

97.4

小計

1,266,811

81.5

1,343,235

106.0

合計

3,314,436

97.0

3,534,375

106.6

 

3.HRM事業におけるリカーリングレベニューの内訳及びHRM事業の総販売実績に対するリカーリングレベニューの割合は、次のとおりであります。

 

 

売上区分

前連結会計年度

(自 2021年1月1日

  至 2021年12月31日

当連結会計年度

(自 2022年1月1日

  至 2022年12月31日

販売高
(千円)

割合
(%)

販売高
(千円)

割合
(%)

リカーリングレベニュー

クラウドライセンス売上

1,469,324

44.3

1,678,366

47.5

プレミアムサポート売上

589,325

17.8

573,924

16.2

その他売上

31,980

1.0

28,780

0.8

合計

2,090,631

63.1

2,281,071

64.5

 

4.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

 

相手先

前連結会計年度

(自 2021年1月1日

    至 2021年12月31日

当連結会計年度

(自 2022年1月1日

    至 2022年12月31日

販売高
(千円)

割合
(%)

販売高
(千円)

割合
(%)

株式会社大塚商会

1,222,315

36.8

1,267,294

35.7

 

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①重要な会計上の見積り及び当該見積に用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりまして、経営者により、一定の会計基準の範囲内で、かつ合理的と考えられる見積りが行われている部分があり、資産・負債、収益・費用の金額に反映されております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

なお、新型コロナウイルスの感染拡大が会計上の見積りに与える影響については、当連結会計年度末時点において当社グループの事業活動に重要な影響を与えていないことから、当社に与える影響は軽微であり、重要な影響はないものとして見積りを行っております。ただし、本感染症の感染状況の将来の収束又は再拡大の見通しは不透明であり、状況が変化した場合には、翌連結会計年度以降の当社グループの財政状態及び経営成績等に重要な影響を与える可能性があります。

 

②財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.財政状態

当連結会計年度の財政状態の状況の分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 b.財政状態の状況」をご参照ください。

 

b. 経営成績

(売上高、売上原価及び売上総利益)

当連結会計年度の売上高は3,551,547千円(前年同期比6.8%増)となりました。前連結会計年度から引き続き好調であるクラウド事業を中心に営業活動を行った結果として、クラウドサービスの利用者数(契約ライセンス数)が前連結会計年度末から73,824人増加し442,516人となり、クラウドライセンス売上は1,678,366千円(前年同期比14.2%増)と大きく増加しました。また、オンプレミス事業においては、Universal 勤次郎が徐々に売上に貢献してきたこと等により、売上高は1,343,235千円(前年同期比6.0%増)となりました。売上原価はクラウドサーバーの増強を行ってきた一方で、開発人件費等をUniversal 勤次郎の性能強化に振り向けたことを要因として1,136,456千円(前年同期比12.2%減)となり、その結果、売上総利益は2,415,090千円(前年同期比19.0%増)となりました。

(販売費及び一般管理費、営業利益)

当連結会計年度の販売費及び一般管理費は1,970,719千円(前年同期比11.5%増)となりました。リモートワークの浸透に伴い旅費及び交通費77,724千円(前年同期比2.3%減)等一部の費用に削減効果があったものの、人員増加に伴う給与手当・賞与の増加により増加した人件費1,232,491千円(前年同期比16.4%増)等により販売費及び一般管理費は全体として増加しましたが、売上高及び売上総利益の増加がより大きく、営業利益は444,370千円(前年同期比69.8%増)と大きく増加いたしました。

 

(営業外収益、営業外費用、経常利益)

営業外収益は主に受取保証料が増加したため4,429千円(前年同期比52.2%増)となり、また営業外費用は前連結会計年度に支払手数料の計上があったことを主な要因として11,687千円(前年同期比42.9%減)となりました。経常利益は営業利益の増加を主な要因として437,112千円(前年同期比79.0%増)となりました。

(特別利益、特別損失、親会社株主に帰属する当期純利益)

当連結会計年度に特別利益及び特別損益の計上はなく、経常利益の増加を要因として税金等調整前当期純利益は437,112千円(前年同期比79.0%増)となりました。また、法人税等は132,456千円(前年同期比63.0%増)となり、その結果、親会社株主に帰属する当期純利益304,655千円(前年同期比87.0%増)となりました。

 

③キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

当社グループは、事業上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。営業活動によるキャッシュ・フロー及び当連結会計年度に実施した増資により、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は4,454,564千円となっており、これを主としてクラウドサービス用サーバー設備等の設備資金や当社製品であるソフトウエアの開発資金及び人件費等の運転資金に充当する予定であります。

 

④経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社は売上高営業利益率、クラウドサービスの利用者数(契約ライセンス数)及び当該クラウドサービスの解約率を重要な経営指標として位置付けております。最近2連結会計年度の推移は以下のとおりであります。

今後も引き続き販売力の強化や製品・サービスの品質向上に取り組むことによって、売上高営業利益率の上昇、クラウドサービスの利用者数(契約ライセンス数)の増加、及びクラウドサービスの解約率の低下を目指してまいります。

経営指標

前連結会計年度

(自 2021年1月1日

  至 2021年12月31日

当連結会計年度

(自 2022年1月1日

  至 2022年12月31日

売上高営業利益率(%)

7.8

12.5

クラウドサービスの

利用者数(人)(注)1

368,692

442,516

クラウドサービスの

解約率(%)(注)1、2

0.21

0.19

 

(注)1.各連結会計年度末の利用者数及び解約率を記載しております。

2.クラウドサービスの解約率は、「対象月を含む過去12か月のクラウドライセンス解約金額合計÷同期間のクラウドライセンス前月売上金額合計」にて算出しております。クラウドライセンス解約金額とは、ライセンス契約の解除により減少するクラウドライセンス売上(月額)をいいます。

 

⑤経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

     該当事項はありません。

 

2 【主要な設備の状況】
(1) 提出会社

 

 

 

 

 

 

2022年12月31日現在

事業所名
(所在地)

セグメン
トの名称

設備の内容

帳簿価額(千円)

従業員数
(名)

建物
及び構築物

車両
運搬具

工具、器具
 及び備品

土地
(面積㎡)

ソフトウエア

合計

本社・
 東京支店
(東京都
 千代田区)

 HRM事業

販売・業務
設備

17,065

(注)2

2,477

(-)

19,543

79

名古屋本部・

 名古屋支店

(名古屋市

 中区)

HRM事業

統括・販売
・業務設備

10,673

(注)2

3,491

186,650

(-)

4,525

205,339

162

名古屋本部(移転予定)

(名古屋市

 中村区)

HRM事業
不動産
賃貸事業

統括・販売
・業務設備、

賃貸不動産

3,098,001

(注)3

2,127,478

(940.32)

5,225,480

 大阪支店

 (大阪市
 淀川区)

 HRM事業
 その他

販売設備

7,073

(注)2

215

(-)

7,288

15

 九州支店

 (福岡市
 博多区)

HRM事業

販売設備

1,566

(注)2

303

(-)

1,870

3

 札幌支店

 (札幌市
 中央区)

HRM事業

販売設備

3,270

(注)2

215

(-)

3,486

3

 東北支店

 (仙台市
 若林区)

HRM事業

販売設備

2,931

(注)2

506

(-)

3,438

2

 流通

 センター

 (名古屋市
 中区)

HRM事業

物流倉庫

414

165,005

(147.58)

165,420

1

 保養所
 (長野県
 木曽郡
 木曽町)

HRM事業

宿泊設備

1,507

(-)

<715.00>

(注)2

1,507

研修所
(神奈川県
足柄下郡
箱根町)

HRM事業

研修設備

97,393

3,931

85,049

(4,634.68)

186,374

 

(注) 1.現在休止中の主要な設備はありません。

2.当該建物及び土地は連結会社以外の者から賃借しており、年間の賃借料は182,957千円であります。なお、賃借している土地の面積を<>内に外数で記載しております。

3.当該建物の一部を連結会社以外へ賃貸しております

4.臨時雇用者数は従業員数の100分の10未満であるため、記載しておりません。

 

(2) 在外子会社

  重要性がないため、記載を省略しております。

 

① 【株式の総数】

 

種類

発行可能株式総数(株)

普通株式

16,800,000

16,800,000

 

 

② 【発行済株式】

 

種類

事業年度末現在
発行数(株)
 (2022年12月31日)

提出日現在
発行数(株)
 (2023年3月27日)

上場金融商品取引所名又は登録認可金融商品取引業協会名

内容

普通株式

10,420,000

10,420,000

東京証券取引所
グロース市場

完全議決権株式であり、権利内容に何ら限定のない当社における標準となる株式であります。なお、単元株式数は100株であります。

10,420,000

10,420,000

 

 

① 【ストックオプション制度の内容】

該当事項はありません。

 

② 【ライツプランの内容】

該当事項はありません。

 

 

(4) 【発行済株式総数、資本金等の推移】

 

年月日

発行済株式
総数増減数
(株)

発行済株式
総数残高
(株)

資本金増減額
(千円)

資本金残高
(千円)

資本準備金
増減額
(千円)

資本準備金
残高
(千円)

 2020年1月15日
 (注)1

80,000

1,509,000

33,400

131,800

33,400

88,950

2020年8月15日
(注)2

6,036,000

7,545,000

131,800

88,950

2020年10月12日
(注)3

2,500,000

10,045,000

3,450,000

3,581,800

3,450,000

3,538,950

2020年11月10日
(注)4

375,000

10,420,000

517,500

4,099,300

517,500

4,056,450

 

(注) 1.有償第三者割当

            発行価格         835円

            資本組入額       417.5円

      割当先   日通システム持株会(現 勤次郎持株会)

     2.株式分割(1:5)によるものであります。

3.有償一般募集(ブックビルディング方式による募集)

発行価格        3,000円

引受価額        2,760円

資本組入額       1,380円

     4.有償第三者割当(オーバーアロットメントによる売出しに関連した第三者割当増資)

            発行価格        2,760円

            資本組入額       1,380円

      割当先    野村證券株式会社

 

(5) 【所有者別状況】

 

 

 

 

 

 

 

2022年12月31日現在

区分

株式の状況(1単元の株式数100株)

単元未満
株式の状況
(株)

政府及び
地方公共
団体

金融機関

金融商品
取引業者

その他の
法人

外国法人等

個人
その他

個人以外

個人

株主数
(人)

3

17

70

21

6

2,940

3,057

所有株式数
(単元)

2,407

1,902

44,680

3,091

20

52,075

104,175

2,500

所有株式数
の割合(%)

2.31

1.83

42.89

2.97

0.02

49.98

100.00

 

(注)自己株式509,053株は「個人その他」に5,090単元、「単元未満株式の状況」に53株を含めて記載しております。

 

 

(6) 【大株主の状況】

2022年12月31日現在

氏名又は名称

住所

所有株式数
(株)

発行済株式
(自己株式を
除く。)の
総数に対する
所有株式数
の割合(%)

エヌイーシステムサービス株式会社

愛知県名古屋市瑞穂区彌富町字桜ケ岡60

3,585,000

36.17

勤次郎持株会

愛知県名古屋市中区栄3丁目18-1

1,008,853

10.18

加村 稔

愛知県名古屋市瑞穂区

953,440

9.62

MK株式会社

愛知県名古屋市瑞穂区彌富町字桜ケ岡60

550,000

5.55

三菱UFJキャピタル株式会社

東京都中央区日本橋2丁目3-4

225,000

2.27

野村信託銀行株式会社(勤次郎持株会専用信託口)

東京都千代田区大手町2丁目2-2

192,900

1.95

良原 一行

千葉県習志野市

185,000

1.87

國井 達哉

岐阜県本巣市

184,408

1.86

加村 光子

愛知県名古屋市瑞穂区

160,000

1.61

福田 武夫

愛知県名古屋市東区

150,000

1.51

7,194,601

72.59

 

(注)1. 持株比率は、当事業年度の末日における発行済株式(自己株式を除く)の総数に対する割合であります。

2. 当社は、自己株式509,053株を保有しておりますが、上記大株主からは除外しております。

3.当社は、信託型従業員持株インセンティブ・プラン(E-Ship)を導入しており、当該信託の信託財産として野村信託銀行株式会社が所有する192,900株は、上記(注)2の自己株式に含めておりません。

4.当社は、2022年3月25日開催の第41回定時株主総会の決議に基づき、譲渡制限付株式報酬制度を導入いたしました。これを受け、2022年3月25日開催の臨時取締役会において、譲渡制限付株式報酬として自己株式の処分を決議し、同年4月22日付で取締役(社外取締役を除く)5名に対し自己株式8,447株の処分を行っております。

 

① 【連結貸借対照表】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:千円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前連結会計年度

(2021年12月31日)

当連結会計年度

(2022年12月31日)

資産の部

 

 

 

流動資産

 

 

 

 

現金及び預金

7,627,459

4,574,674

 

 

受取手形及び売掛金

588,330

※2,※4 694,352

 

 

棚卸資産

※1 48,517

※1 74,023

 

 

その他

108,216

328,699

 

 

貸倒引当金

3

2,453

 

 

流動資産合計

8,372,520

5,669,296

 

固定資産

 

 

 

 

有形固定資産

 

 

 

 

 

建物及び構築物

231,538

※3 3,402,362

 

 

 

 

減価償却累計額

115,895

162,463

 

 

 

 

建物及び構築物(純額)

115,642

3,239,899

 

 

 

機械装置及び運搬具

21,443

21,443

 

 

 

 

減価償却累計額

16,078

17,952

 

 

 

 

機械装置及び運搬具(純額)

5,364

3,491

 

 

 

工具、器具及び備品

632,830

640,382

 

 

 

 

減価償却累計額

361,012

445,754

 

 

 

 

工具、器具及び備品(純額)

271,817

194,628

 

 

 

土地

250,055

※3 2,377,534

 

 

 

有形固定資産合計

642,880

5,815,552

 

 

無形固定資産

 

 

 

 

 

ソフトウエア

403,039

411,682

 

 

 

ソフトウエア仮勘定

71,845

315,556

 

 

 

その他

10,519

10,069

 

 

 

無形固定資産合計

485,404

737,307

 

 

投資その他の資産

 

 

 

 

 

投資有価証券

67,766

 

 

 

繰延税金資産

54,964

78,958

 

 

 

敷金及び保証金

184,423

169,564

 

 

 

その他

39,490

115,883

 

 

 

貸倒引当金

1,220

1,220

 

 

 

投資その他の資産合計

277,658

430,952

 

 

固定資産合計

1,405,943

6,983,813

 

資産合計

9,778,464

12,653,110

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:千円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前連結会計年度

(2021年12月31日)

当連結会計年度

(2022年12月31日)

負債の部

 

 

 

流動負債

 

 

 

 

支払手形及び買掛金

※4 65,442

※4 72,677

 

 

短期借入金

※5 40,000

 

 

1年内返済予定の長期借入金

44,608

※3 269,592

 

 

未払金

127,749

116,184

 

 

未払法人税等

36,397

155,152

 

 

資産除去債務

49,000

 

 

前受収益

212,855

※2 228,429

 

 

その他

165,201

※2 185,586

 

 

流動負債合計

692,254

1,076,622

 

固定負債

 

 

 

 

長期借入金

49,843

※3 2,530,251

 

 

役員退職慰労引当金

44,186

 

 

退職給付に係る負債

120,679

130,411

 

 

資産除去債務

17,274

13,056

 

 

その他

147,583

 

 

固定負債合計

231,983

2,821,301

 

負債合計

924,238

3,897,923

純資産の部

 

 

 

株主資本

 

 

 

 

資本金

4,099,300

4,099,300

 

 

資本剰余金

4,056,450

4,056,450

 

 

利益剰余金

1,692,758

1,819,608

 

 

自己株式

999,946

1,230,064

 

 

株主資本合計

8,848,561

8,745,294

 

その他の包括利益累計額

 

 

 

 

その他有価証券評価差額金

6,345

 

 

為替換算調整勘定

5,664

16,237

 

 

その他の包括利益累計額合計

5,664

9,892

 

純資産合計

8,854,226

8,755,186

負債純資産合計

9,778,464

12,653,110

 

 

【連結損益計算書】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:千円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前連結会計年度

(自 2021年1月1日

 至 2021年12月31日)

当連結会計年度

(自 2022年1月1日

 至 2022年12月31日)

売上高

3,324,414

※1 3,551,547

売上原価

1,294,885

1,136,456

売上総利益

2,029,529

2,415,090

販売費及び一般管理費

※2,※3 1,767,799

※2,※3 1,970,719

営業利益

261,729

444,370

営業外収益

 

 

 

受取利息

125

94

 

受取保証料

2,233

 

補助金収入

595

 

保険解約返戻金

2,045

1,906

 

その他

142

194

 

営業外収益合計

2,909

4,429

営業外費用

 

 

 

支払利息

265

318

 

為替差損

4,876

9,062

 

支払手数料

14,522

 

控除対象外消費税

2,223

 

その他

786

83

 

営業外費用合計

20,450

11,687

経常利益

244,187

437,112

税金等調整前当期純利益

244,187

437,112

法人税、住民税及び事業税

71,188

153,651

法人税等調整額

10,080

21,194

法人税等合計

81,269

132,456

当期純利益

162,918

304,655

親会社株主に帰属する当期純利益

162,918

304,655

 

1 報告セグメントの概要

当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、当社の取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。

当社グループは、取り扱う製品・サービスについて主体的に包括的な戦略を立案し、事業活動を展開しております。したがって、当社グループは、製品・サービス別のセグメントから構成されており、「HRM事業」、及び当連結会計年度より開始した「不動産賃貸事業」の2つを報告セグメントとしております。

各セグメントの主な事業内容は以下のとおりであります。

HRM事業     ・・・

就業・人事・給与・健康管理システムの開発・販売、及びクラウドサービス、コンサルサポート、プレミアムサポート等のサービス提供

不動産賃貸事業 ・・・

オフィス用賃貸物件の賃貸、及び管理業務

 

 

① 【貸借対照表】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:千円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前事業年度

(2021年12月31日)

当事業年度

(2022年12月31日)

資産の部

 

 

 

流動資産

 

 

 

 

現金及び預金

7,580,766

4,539,553

 

 

受取手形

10,859

※2 24,811

 

 

売掛金

577,470

669,541

 

 

商品及び製品

6,484

4,072

 

 

仕掛品

23,908

41,445

 

 

原材料及び貯蔵品

18,124

28,505

 

 

前渡金

505

712

 

 

前払費用

52,147

60,089

 

 

その他

47,991

257,736

 

 

貸倒引当金

3

2,453

 

 

流動資産合計

8,318,255

5,624,015

 

固定資産

 

 

 

 

有形固定資産

 

 

 

 

 

建物

224,829

※1 3,392,443

 

 

 

 

減価償却累計額

113,895

159,870

 

 

 

 

建物(純額)

110,933

3,232,572

 

 

 

構築物

6,708

9,918

 

 

 

 

減価償却累計額

1,999

2,592

 

 

 

 

構築物(純額)

4,708

7,326

 

 

 

車両運搬具

21,443

21,443

 

 

 

 

減価償却累計額

16,078

17,952

 

 

 

 

車両運搬具(純額)

5,364

3,491

 

 

 

工具、器具及び備品

632,496

640,054

 

 

 

 

減価償却累計額

361,012

445,754

 

 

 

 

工具、器具及び備品(純額)

271,483

194,299

 

 

 

土地

250,055

※1 2,377,534

 

 

 

有形固定資産合計

642,546

5,815,223

 

 

無形固定資産

 

 

 

 

 

ソフトウエア

413,770

425,510

 

 

 

ソフトウエア仮勘定

79,168

344,271

 

 

 

その他

10,519

10,069

 

 

 

無形固定資産合計

503,458

779,850

 

 

投資その他の資産

 

 

 

 

 

投資有価証券

67,766

 

 

 

出資金

20

10

 

 

 

関係会社出資金

30,885

30,885

 

 

 

破産更生債権等

70

70

 

 

 

長期前払費用

2,508

24,252

 

 

 

繰延税金資産

54,091

77,750

 

 

 

差入保証金

182,577

167,287

 

 

 

その他

36,614

90,645

 

 

 

貸倒引当金

1,220

1,220

 

 

 

投資その他の資産合計

305,547

457,446

 

 

固定資産合計

1,451,552

7,052,521

 

資産合計

9,769,807

12,676,537

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:千円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前事業年度

(2021年12月31日)

当事業年度

(2022年12月31日)

負債の部

 

 

 

流動負債

 

 

 

 

支払手形

※2 18,864

※2 25,212

 

 

買掛金

83,982

50,427

 

 

短期借入金

※3 40,000

 

 

1年内返済予定の長期借入金

44,608

※1 269,592

 

 

未払金

118,107

110,242

 

 

未払費用

86,681

146,577

 

 

未払法人税等

35,998

155,152

 

 

前受金

1,702

6,114

 

 

預り金

31,548

60,562

 

 

前受収益

212,855

228,429

 

 

資産除去債務

49,000

 

 

その他

19,626

 

 

流動負債合計

693,976

1,101,311

 

固定負債

 

 

 

 

長期借入金

49,843

※1 2,530,251

 

 

役員退職慰労引当金

44,186

 

 

退職給付引当金

120,679

130,411

 

 

資産除去債務

17,274

13,056

 

 

その他

147,583

 

 

固定負債合計

231,983

2,821,301

 

負債合計

925,960

3,922,612

純資産の部

 

 

 

株主資本

 

 

 

 

資本金

4,099,300

4,099,300

 

 

資本剰余金

 

 

 

 

 

資本準備金

4,056,450

4,056,450

 

 

 

資本剰余金合計

4,056,450

4,056,450

 

 

利益剰余金

 

 

 

 

 

利益準備金

5,600

5,600

 

 

 

その他利益剰余金

 

 

 

 

 

 

繰越利益剰余金

1,682,444

1,828,984

 

 

 

利益剰余金合計

1,688,044

1,834,584

 

 

自己株式

999,946

1,230,064

 

 

株主資本合計

8,843,847

8,760,269

 

評価・換算差額等

 

 

 

 

その他有価証券評価差額金

6,345

 

 

評価・換算差額等合計

6,345

 

純資産合計

8,843,847

8,753,924

負債純資産合計

9,769,807

12,676,537

 

 

② 【損益計算書】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:千円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前事業年度

(自 2021年1月1日

 至 2021年12月31日)

当事業年度

(自 2022年1月1日

 至 2022年12月31日)

売上高

3,324,414

3,551,547

売上原価

1,358,565

1,176,932

売上総利益

1,965,848

2,374,614

販売費及び一般管理費

※1 1,725,399

※1 1,919,276

営業利益

240,448

455,337

営業外収益

 

 

 

受取利息

※2 174

89

 

受取配当金

29

0

 

受取保証料

2,233

 

補助金収入

595

 

保険解約返戻金

1,946

1,906

 

その他

185

194

 

営業外収益合計

2,931

4,425

営業外費用

 

 

 

支払利息

265

318

 

支払手数料

14,522

 

控除対象外消費税

2,223

 

その他

786

83

 

営業外費用合計

15,574

2,624

経常利益

227,805

457,138

税引前当期純利益

227,805

457,138

法人税、住民税及び事業税

70,716

153,651

法人税等調整額

10,658

20,859

法人税等合計

81,375

132,792

当期純利益

146,430

324,345

 

 

 

【売上原価明細書】

 

 

 

前事業年度

(自 2021年1月1日

 至 2021年12月31日)

当事業年度

(自 2022年1月1日

 至 2022年12月31日)

区分

注記

番号

金額(千円)

構成比

(%)

金額(千円)

構成比

(%)

Ⅰ 材料費

 

32,248

2.2

75,832

5.0

Ⅱ 労務費

 

736,769

49.2

703,287

46.7

Ⅲ 経費

※1

727,129

48.6

727,329

48.3

当期総製造費用

 

1,496,147

100.0

1,506,449

100.0

仕掛品期首棚卸高

 

41,268

 

23,908

 

仕掛品期末棚卸高

 

23,908

 

41,445

 

他勘定振替高

※2

266,599

 

528,337

 

当期製品製造原価

 

1,246,908

 

960,575

 

ソフトウエア償却費

 

109,935

 

213,945

 

小計

 

1,356,843

 

1,174,520

 

製品・商品期首棚卸高

 

8,207

 

6,484

 

製品・商品期末棚卸高

 

6,484

 

4,072

 

当期売上原価

 

1,358,565

 

1,176,932

 

 

 

※1 主な内訳は、次のとおりであります。

項目

前事業年度(千円)

当事業年度(千円)

外注費

302,351

293,758

地代家賃

54,757

47,147

 

 

※2 他勘定振替高の内容は、次のとおりであります。

項目

前事業年度(千円)

当事業年度(千円)

ソフトウエア仮勘定

215,812

491,833

研究開発費

50,787

36,503

 

 

(原価計算の方法)

当社の原価計算は、実際原価による個別原価計算であります。