株式会社WACUL
WACUL.INC
千代田区神田小川町3-26-8 2F
証券コード:41730
業界:情報・通信業
有価証券報告書の提出日:2023年5月31日

回次

第9期

第10期

第11期

第12期

第13期

決算年月

2019年2月

2020年2月

2021年2月

2022年2月

2023年2月

売上高

(千円)

370,952

485,984

712,016

1,086,661

1,349,675

経常利益又は経常損失(△)

(千円)

67,456

141,715

56,861

184,060

187,310

当期純利益又は当期純損失(△)

(千円)

69,746

142,004

83,657

226,008

192,284

持分法を適用した場合の

投資利益

(千円)

資本金

(千円)

577,937

426,000

474,300

529,630

533,678

発行済株式総数

(株)

 

 

 

 

 

普通株式

 

1,140

114,000

6,892,000

7,047,700

7,091,950

A種優先株式

 

570

57,000

B種優先株式

 

350

35,000

C種優先株式

 

204

20,400

純資産額

(千円)

426,095

286,290

466,547

803,029

1,005,227

総資産額

(千円)

536,197

504,512

711,178

1,251,671

1,579,867

1株当たり純資産額

(円)

62.73

41.83

67.37

113.66

141.20

1株当たり配当額

(円)

(うち1株当たり中間配当額)

(-)

(-)

(-)

(-)

(-)

1株当たり当期純利益又は1株当たり当期純損失(△)

(円)

11.01

20.91

12.31

32.12

27.16

潜在株式調整後1株当たり

当期純利益

(円)

11.06

29.26

25.33

自己資本比率

(%)

79.47

56.31

65.29

64.00

63.38

自己資本利益率

(%)

22.36

35.72

21.34

株価収益率

(倍)

315.14

26.84

20.58

配当性向

(%)

営業活動による

キャッシュ・フロー

(千円)

72,066

169,874

110,095

167,060

301,195

投資活動による

キャッシュ・フロー

(千円)

10,984

36,847

64,860

91,095

160,213

財務活動による

キャッシュ・フロー

(千円)

498,930

123,080

37,644

232,735

72,962

現金及び現金同等物の期末残高

(千円)

447,563

363,921

446,801

755,501

823,520

従業員数

(人)

39

47

51

57

66

(外、平均臨時雇用者数)

(19)

(28)

(19)

(15)

(12)

株主総利回り

(%)

22.2

14.4

(比較指標:東証マザーズ指数)

(%)

(-)

(-)

(-)

(59.8)

(61.7)

最高株価

(円)

4,780

4,150

1,175

最低株価

(円)

3,460

726

485

 (注)1.当社は連結財務諸表を作成しておりませんので、連結会計年度に係る主要な経営指標等の推移については記載しておりません。

2.持分法を適用した場合の投資利益については、関連会社を有しておりませんので記載しておりません。

3.1株当たり配当額及び配当性向については、配当を実施していないため記載しておりません。

4.第9期及び第10期までの潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式は存在するものの、当社株式は非上場であり、期中平均株価が把握できないため、また、1株当たり当期純損失であるため記載しておりません。

5.第9期及び第10期における自己資本利益率については、当期純損失が計上されているため記載しておりません。

6.第9期及び第10期までの株価収益率については、当社株式は非上場であるため、記載しておりません。

7.当社は、2019年3月29日付で株式1株につき100株の割合で株式分割及び2020年10月31日付で普通株式1株につき30株の割合で株式分割を行っておりますが、第9期の期首に当該株式分割が行われたと仮定して1株当たり純資産額、1株当たり当期純利益又は1株当たり当期純損失及び潜在株式調整後1株当たり当期純利益を算定しております。

8.従業員数は就業人員(正社員及び契約社員)であり、臨時雇用者数(パートタイマー)は、年間平均人員を( )外数で記載しております。

9.2020年10月14日付で、A種優先株主、B種優先株主及びC種優先株主の株式取得請求権の行使を受けたことにより、全てのA種優先株式、B種優先株式及びC種優先株式を自己株式として取得し、対価として当該A種優先株主、B種優先株主及びC種優先株主にA種優先株式、B種優先株式及びC種優先株式1株につき普通株式1株を交付しております。また、同日付で当該A種優先株式、B種優先株式及びC種優先株式を消却しております。なお、当社は2020年10月23日開催の臨時株主総会において、種類株式を発行する旨の定款の定めを廃止しております。

10.2021年2月19日付をもって東京証券取引所マザーズに株式を上場いたしましたので、第9期から第11期までの株主総利回り及び比較指標については記載しておりません。

11.最高株価及び最低株価は、2022年4月4日の東京証券取引所の市場区分の見直しにより、東京証券取引所グロース市場におけるものであります。それ以前については、東京証券取引所マザーズにおけるものであります。

なお、2021年2月19日付をもって同取引所に株式を上場いたしましたので、それ以前の株価については記載しておりません。

12.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第13期の期首から適用しており、第13期に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。

 

2【沿革】

当社は、代表取締役社長大淵亮平らが、デジタルマーケティングにおけるコンサルティングサービスを提供することを目的に、2010年9月に株式会社WACUL(出資金7,000千円)として東京都文京区に設立いたしました。

会社設立後の事業の沿革については、以下のとおりであります。

 

年 月

沿 革

2010年9月

創業。デジタルマーケティングのコンサルティング事業を開始

2011年4月

成果コミット型デジタルマーケティングのコンサルティング事業を開始。成果予測のために現在の「AIアナリスト」の前身となる社内利用向けのアクセス解析データ自動分析ツールを開発開始

2014年8月

社内利用向けの自動分析ツールをSaaS(Software as a Service)として改良し、アクセス解析データ分析レポートサービス「Sure!」のベータ版をリリース

2015年4月

「Sure!」事業の後継として、アクセス解析・改善提案サービス「AIアナリスト」をベータ版としてリリース

2015年6月

ジャフコSV4共有投資事業有限責任組合から資金調達

2015年11月

「AIアナリスト」をサブスクリプションモデルに変更、正式版としてリリース

2016年9月

ジャフコSV4共有投資事業有限責任組合から追加の資金調達

2017年1月

電通デジタル投資事業有限責任組合から資金調達

2018年4月

コンテンツマーケティングサービス「AIアナリストSEO」をベータ版で提供開始

2018年11月

株式会社リコー、株式会社マイナビ、TIS株式会社、みずほ成長支援第2号投資事業有限責任組合などより資金調達。株式会社リコーのプロダクトに対し「AIアナリスト」の一部機能を提供する協業契約を提携

2019年1月

コンテンツマーケティングサービス「AIアナリストSEO」正式版を提供開始

「AIアナリスト」のナレッジ(知見)を活かし、集客から接客までを一貫で行うべく自動広告運用サービス「AIアナリストAD」を提供開始

2019年2月

社内研究所として「WACUL テクノロジー&マーケティングラボ」を設立。研究顧問として国立大学法人東京大学・国立大学法人京都大学・学校法人明治大学よりAIやマーケティングの専門家を招聘

2020年2月

「AIアナリスト」をデータ分析でデジタルマーケティングのPDCAを支援するサービスとしてアップデート

2020年10月

株式会社JTBコミュニケーションデザインと観光業デジタルトランスフォーメーションを支援する「AIアナリスト forツーリズム」共同開発・リリース

2021年2月

東京証券取引所マザーズに株式を上場

2021年5月

「AIアナリスト」サイト登録総数35,000サイト突破

2021年12月

フリーランスマーケター向け人材マッチングサービス「Marketer Agent」提供開始

2022年1月

有料職業紹介事業の許可を取得

2022年4月

東京証券取引所の市場区分の見直しにより、東京証券取引所グロース市場に移行

2022年11月

マーケター特化型転職サービス「Marketer Agent 転職」提供開始

3【事業の内容】

・事業の概要

 当社は「知を創集し道具にする」をミッションとして掲げ、世界に遍在するデータやナレッジ(知見)を集め、またそこからナレッジ(知見)を新たに創り出す活動を継続し、それら集合知を、テクノロジーを用いて誰にでも使える道具(ツール)へと変えて、広くあまねく提供することで、「テクノロジーでビジネスの相棒を一人一人に」というビジョンを実現すべく、事業を行っています。

 

 デジタルを活用したビジネス変革を推進するデジタルトランスフォーメーション(以下「DX」(*1)という。)に取り組もうと考える企業が増える中、多くの企業はそもそも何から手を付ければ良いかわからない、データがあっても活用方法がわからない等の課題感を持っており、主に『ナレッジ』が不足しているが故にDXを推進出来ていないと当社は認識しております。

 当社は世界に偏在する知を創集し、その集合知を誰にでも使える道具へと変え、すべての企業や人に開放することを目指します。そのために、デジタル上の『行動解析データ』の収集を行い、さらに“どういったビジネスモデルのどういった企業が何をしたらどういう結果が出たか”という『PDCA(*2)データ』を元に、新たな『ナレッジ』を獲得してまいります。また、こうした『ナレッジ』をコンサルティング、ツール、実行支援、人材など、様々な形で顧客に届けることで、すべての企業に届けてまいります。

 当社はデジタルマーケティングを中心に、あらゆるビジネスのデータを優れたテクノロジーによって、整理・分析だけでなく課題特定・解決まで行うことで、ビジネスパーソンの生産性を高め、クリエイティビティの最大化を支援しております。

 

 現在、当社は既存のオペレーションのデジタルによる置き換えにとどまらない「構造的なデジタル変革」を顧客の経済活動において実現すべく、成長著しいDX市場において、(1) データ分析でデジタルマーケティングのPDCAを支援するサービス「AI analyst」(以下「AIアナリスト」という。)を中心に、マーケティングのDXを推進するワンストップ・サービス「AIアナリスト・シリーズ」(*3)を提供するプロダクト事業と、(2) DX実現のための戦略立案や組織・オペレーション設計等のコンサルティングを行う「DXコンサルティング」、そして企業・学術機関と共にPoC(*4)等を行う社内研究所「WACUL テクノロジー&マーケティングラボ」などを持つインキュベーション事業、(3) デジタル人材が不足している企業にフリーランスや転職を希望するマーケターをマッチングし、マーケティングDXの内製化を支援する人材事業により、主に企業の生産性向上と収益向上に資する課題解決ソリューションの提供を、戦略立案などの上流から実行や内製化などの下流まで、幅広く行っております。

 

(*1)DXとは、企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。

(*2)Plan(計画)・Do(実行)・Check(評価)・Action(改善)を繰り返すことによって、業務を継続的に改善していくサイクル及び手法のこと。

(*3)「AIアナリスト」を中心に、「AIアナリストSEO」「AIアナリストAD」などを含む、ソリューション群の総称。

(*4)Proof of Conceptの略称。新規アイディアのフィジビリティ・スタディなどの検証・実証のトライアル活動のこと。

 

 当社は「DX事業」の単一セグメントでありますが、以下に各事業の内容及び当社の事業の特徴を記載いたします。

 

1.プロダクト事業

 プロダクト事業では、当社が「AIアナリスト」をリリースする2015年まで属人的かつ高コストに提供してきた“データ分析にもとづくデジタルビジネスの改善活動”を、蓄積されたナレッジをもとにテクノロジーを活用し、自動化したツールである「AIアナリスト・シリーズ」として顧客に提供しております。

 

 多くの企業は、デジタルを活用してビジネスを変革するDXの重要性を認識しながらも、そもそも何から手をつければいいか分からない、現状を正しく認識できていない、データがあっても分析や示唆の抽出ができない、分析の工数がとれないといった様々な課題を持っていると当社は認識しております。そうした企業は、DXによって大きく事業を成長させられるポテンシャルを持っていても、改善計画の策定・管理(Plan)、改善施策の実行(Do)から施策の成果測定(Check)そして次の改善方針の見直し(Act)というPDCAサイクルを実行できず、そのポテンシャルを発揮することができていないと考えられます。

 「AIアナリスト・シリーズ」は、これまで高いコストをかけてそうしたPDCA活動を外部に委託してきた企業や、内部で膨大な工数をかけていた企業はもちろん、そもそも費用面やナレッジ不足からそういった改善活動を行えなかった企業まで、“データ分析にもとづくデジタルビジネスの改善活動”を求めるすべての企業にむけて提供されております。

 

 現在、プロダクト事業ではレポーティング、データ分析および改善方針の提案と改善幅予測、また実行された施策の成果検証を行う「AIアナリスト」と、「AIアナリスト」の改善方針に従い、実行を支援するサービスラインナップとして、SEO(*5)コンテンツ制作などコンテンツマーケティング支援を行う「AIアナリストSEO」、Webサイトにおけるお問い合わせや購買などのゴールまでを考慮したWeb広告の運用を代行する「AIアナリストAD」などのソリューションを展開しており、「AIアナリスト・シリーズ」と総称しております。

 

 プロダクト事業のソリューションは、一定期間の利用を前提としたリカーリングレベニュー方式(*6、継続収益方式)を採用しています。そのため、解約されないかぎり継続的に収益をあげることができます。

 

 以下に主なソリューションである「AIアナリスト」「AIアナリストSEO」「AIアナリストAD」について、詳細を記載します。

 

(*5)Search Engine Optimizationの略称。検索エンジン最適化とは、検索エンジンの検索結果において特定のWebサイトが上位に表示されるようWebサイトの構成やコンテンツなどを調整すること。

(*6)ビジネスモデルのひとつ。モノ・サービスの販売契約を行ったあと、継続的に売上が発生するビジネスモデル。将来の収益が安定的であるのが特徴。

 

1-A.AIアナリスト

 当社の主力サービスである「AIアナリスト」はWebサイトに関するナレッジ、各社に閉じていたWebサイトのデータを集め、誰にでもデジタルマーケティングにおける分析と改善が行える道具(ツール)に変えSaaS(*7)として提供しております。「AIアナリスト」は顧客がGoogleアナリティクスから得られる自社Webサイトのアクセス解析データ等をクラウド上で連携するだけでレポートの作成、データ分析結果からの改善提案、実施した改善施策の記録と成果の測定などが可能となる、デジタルマーケティングのPDCAをサポートするプラットフォームです。

 昨今、多くの企業が顧客獲得のために自社Webサイトを保有しております。また、GoogleアナリティクスなどのテクノロジーツールをWebサイトに導入し、自社のWebサイト上における消費者のページ遷移等の行動データを収集し分析することで、Webサイト訪問者の行動の理解とそれに沿ったWebサイトの最適化を行うデジタルマーケティング活動を行っております。

 このような中、「AIアナリスト」は、AI(*8)が行動データを分析し、レポートとして現状を「見える化」するだけでなく、そこから改善すべき点を示して「分かる化」することに特徴があります。この改善提案機能がある点が、サービスのクオリティ面での大きな差別化につながっていると考えております。

 また、「AIアナリスト」はフリーミアムモデルを採用しており、当社はユーザーに対し無料で「AIアナリスト」の基本機能を開放するかわりに、そのユーザーが保有するWebサイトの行動データを獲得しております。2023年2月末時点で37,000サイト以上のデータを保有しているため、このビッグデータを元に、類似サイト群からなるベンチマーキング(*9、類似サイト比較)を提供することが可能です。顧客はベンチマークとの比較を通じて、自社の強みと弱みを認識し、成長戦略の策定に活かすことができます。

 一方、コスト面では、「AIアナリスト」はSaaSとして、シングルソース・マルチテナント型(*10)を採用することにより、すべての顧客が共通のソースコードで作られた同一のアプリケーションを使用しております。そのため、当社は常にひとつのソースコードを通じて、機能の強化・拡張を行っていくことができます。開発者はひとつのソースの開発に集中できるので比較的少ないリソース(コスト)で開発することが可能です。そのため、顧客に対しても比較的低価格でのサービス提供が可能となっております。

 さらに、当社は継続的に機能アップデートが実施される体制を構築しており、毎週何かしらの修正がプロダクトに施されるなど、常に最新機能を顧客に提供しております。そのため、顧客に対する提供価値の陳腐化を防ぎ、当社の優位性を維持することが可能です。

 よって、当社は比較的高いコストパフォーマンスで、顧客に対する提供価値の向上に持続的に取り組むことが可能です。

 

 

「AIアナリスト」の画面イメージ

0101010_001.png

 

1-B.AIアナリストSEO

 「AIアナリストSEO」は、「AIアナリスト」の改善提案を考慮するなど、一部「AIアナリスト」の持つ機能を活用しながら“コンバージョン(*11)=購買・商談機会の獲得”を意識したコンテンツをサイト運営者に代わって制作する、コンテンツマーケティング支援サービスです。

 近年、多くの企業が自社で保有するWebサイト(オウンドメディア)などを活用し、コンテンツマーケティングに力を入れております。コンテンツマーケティングとは、見込み客の疑問や関心に沿ったコンテンツを提供し、それによって見込み客を引き寄せ、最終的に自社製品やサービスの購買へと導くマーケティング手法です。

 このコンテンツマーケティングにおいて重要となるものが、見込み顧客を誘引する「キーワード選定」、そのコンテンツが狙ったキーワードの検索結果における「コンテンツの検索順位」そして「Webサイト内における設置場所の決定」です。

 第一に「キーワード選定」についてですが、現在多くのコンテンツマーケティング支援企業は、インターネット上にオープンになっている情報をもとに”サイトへの流入=集客”にフォーカスしたキーワード選定を行っております。しかし、本来コンテンツマーケティングの目的は“コンバージョン=購買・商談機会の獲得”です。したがって、効果的なコンバージョン獲得のためには、クローズドな情報である“サイト内の行動データ”の分析を行い、コンテンツを制作することが不可欠です。当社では、サイトへの流入ではなくコンバージョンにフォーカスし、サイト内の行動データも分析したうえでキーワード選定を行っております。

 第二に「コンテンツの検索順位」についてですが、当社ではGoogleからの高い評価を期待できるコンテンツのアウトライン作成の工程を一部システム化することで、SEO対策コンテンツの制作を再現性高く、従来より低コストに提供することを可能としました。

 第三に「Webサイト内における設置場所の決定」についてですが、当社ではコンテンツを置くべき場所の選定を、「AIアナリスト」の分析結果から得られる最適導線の提案に従って行うことで、コンテンツの価値を引き出します。

 当社は「AIアナリスト」を利用する顧客に対して、その改善に日々向き合っているため、コンテンツマーケティングを実施すべきかどうか、実施する際にはどのような形で行うべきかを把握することができ、顧客のシチュエーションに合わせた提案を行っております。

 

1-C.AIアナリストAD

 インターネット広告媒体費は成長が続き、広告媒体費が初めて1兆円を超えた2016年に引き続き、2021年には2兆円と5年で2倍にまで拡大しております(広告媒体費データは株式会社電通「2021年 日本の広告費」より引用)。このような中、当社では、広告枠の買い付けなどのWeb広告業務の一部をシステム化し、Web広告の運用を代行するサービス「AIアナリストAD」を提供しております。

 Webサイト内のデータを保有・分析できる「AIアナリスト」を提供する当社ならではの強みを活かし、「AIアナリスト」と「AIアナリストAD」を共に導入いただくことで“訪問数を増やすWeb広告”ではなく“コンバージョンを増やすための、Web広告とWebサイトの一体運用”をサイト運営者に代わって行い、広告効率をより高めます。具体的には、Web広告を高いコストパフォーマンスで運用するには、どういった広告からWebサイト内のどのコンテンツに誘導すればよいかまでを踏まえて運用します。こうした取り組みにより、顧客はコンバージョンにつながらない広告費の削減や、広告をクリックした人々がお問い合わせや購入に至る率を向上することができます。同時に、当社では多くの顧客のデータを保有し分析しているため、顧客の属性にあわせて、検索連動型広告やSNS広告、記事広告など多様な広告媒体を横断的に提案し、最適化を図っております。

 また、当社では広告運用担当者を固定的に社内に保有するだけでなく業務委託のプロフェッショナルを活用することで、一時的な広告キャンペーンの実施など、需要の波にあわせてコストコントロールを可能としております。同時に、業務委託者の運用状況の管理は成果に直結するため、運用状況の監督ツールを独自に開発し、安定的な運用を可能としております。

 

(*7)Software as a Serviceの略称。ソフトウェアを利用者(顧客)側に導入するのではなく、提供者(サーバー)側で稼働しているソフトウェアを、インターネット等のネットワーク経由で、利用者がサービスとして利用するもの。

(*8)Artificial Intelligence(人工知能)の略称。

(*9)企業が製品、サービス、プロセス、慣行を継続的に測定し、優れた競合他社やその他の優良企業のパフォーマンスと比較・分析する活動のこと。

(*10)1つのソースコードで書かれたソフトウェアを、多数のユーザーで、共同で利用する形式のこと。1つのソースコードを改良することで、多数のユーザーがその恩恵を受けることができるため、効率的に改善が可能。

(*11)Webサイトにおける最終的な成果・目的のことを指す。主なものとして、商品の購入・予約、会員登録、資料請求、お問い合わせなどがある。

 

2.インキュベーション事業

 インキュベーション事業では、最先端のデータ分析に基づいたデジタルマーケティングを推進する企業に対し、コンサルティングのサービスを提供しております。さらにアカデミア及びビジネスの先端をいく人材を顧問とする社内研究所である「WACUL テクノロジー&マーケティングラボ」を2019年2月に社内研究所として立ち上げ、AIやマーケティングを専門とする大学教授などを顧問に迎えるなど、先端テクノロジーの導入とナレッジの磨き上げに力を入れております。また、そうした活動で得られたナレッジをソリューションに落とし込む形で「AIアナリスト・シリーズ」などの新規ソリューションの立ち上げ及び「AIアナリスト・シリーズ」の機能拡張に活かしてきております。

 これまでにも、AIについては2015年に国立大学法人東京大学松尾研究室とのコラボレーションリサーチを実施し、当社としてサイト分析システムで特許を取得しております(特許第6056094号)。また、深層学習(*12)(ディープラーニング)など、新たな技術を活用した機能・ソリューション開発も行っており、現在特許を出願中です(特開2018-136845)。さらに、顧客とともに深層学習を用いたアプリ内における行動分析や、顧客の行動分析に基づくWebと店舗の最適なつなぎあわせなどのプロジェクトを実施してきており、そうした取組みを通じて得たナレッジに基づき、特許出願を積極的に行っております。

 

 当社のDXコンサルティングでは、継続的に顧客から「AIアナリスト」を通じて共有される最新のPDCAデータから、過去に成果が出ることの多かった事例を抽象化した“勝ちパターン”を見出し、最も効果の見込める施策を短時間・少工数で提供することが可能です。また、当社はコンサルティング業に源流を持つため、社内のコンサルティングに関するナレッジの蓄積を活かして、事業全体の再構築や、KPI設計、組織設計、オペレーション構築等のコンサルティングサービスを提供しております。

 

(*12)多層の人工ニューラルネットワークによる機械学習手法。ディープラーニングとも呼ばれる。2010年代に普及しはじめ、第3次AIブームを牽引することとなった革新的な技術。

 

「インキュベーション事業」の取り組み事例

0101010_002.png

 

3.人材事業

 昨今、企業を取り巻く環境や消費者の価値観が大きく変化する中、企業のDX推進に向けた取り組みが活発化しております。マーケティング分野においても、インターネットを通じた消費行動が当たり前になり、消費者獲得のためにインターネット経由で得られるデータの分析・活用が企業活動の成否に直結する時代となっております。

 専門性の高いマーケティングDX領域において、専門知識を持つ人材の活用は企業のマーケティング成果を最大化するために不可欠です。また、日々進化するデジタルマーケティングの世界において、最新のトレンドやツール情報、成果を出すためのノウハウこそが鍵であり、それらを基にした専門人材のスキルアップが重要といえます。

 一方で、働き方の多様化が進みフリーランス等の独立したマーケターが増える中、活躍するための環境としては、企業側が正社員前提での体制作りをしている点や、フリーランスが継続的にスキルをアップデートする機会が少ない点など、いまだ十分に整備されていない現状があります。

 そのため、企業側にとっては、マーケティング人材の専門性の目利きが難しいという課題が、マーケターにとっては、自己成長のための最新情報を得られる機会が限定的といった課題があり、その結果、マーケターと企業のマッチングにおいて「期待したことをやってもらえなかった」「業務を請け負ったが自分ができる範囲を超えていた」などのアンマッチが発生しております。

 当社は、「AIアナリスト」を軸に、これまで1,000社超の企業を支援し、様々なマーケティング課題の解決を行ってまいりました。そこで、WACULが培った企業のマーケティング課題の「特定力」、また37,000超のサイト分析に基づく成果を出すための「方法論」などを活かして、この度、専門性を持つマーケターのスキル、リソースを最大活用するフリーランスマーケター向け人材マッチングサービス「Marketer Agent」を2021年12月からスタートしました。

 また、2022年11月にはマーケティング人材の需要の高まりを受けて、マーケティングDX人材のフリーランス・マッチングから正社員の転職までサポート範囲を拡大し、マーケター転職の支援サービス「Marketer Agent 転職」の提供を開始しました。

 

 主なサービスは以下の3点です。

 

[マッチング]

 Marketer Agentが企業とフリーランスマーケターをマッチングします。マーケターの中にはスキルは高いものの営業力に長けていない人材も多いのが現状です。こうしたフリーランスマーケターに営業機会を提供します。これにより企業としても、今まで出会えなかった優秀なマーケターに協力を依頼することが可能になります。

 Marketer Agentでは当社の30,000社以上の豊富なマーケティング部門を中心とした顧客ネットワークをもとに案件を創出します。企業側の課題を把握し、各々のマーケターの特性も把握している当社が企業とマーケターの間に入ります。企業としては、知らないフリーランスに重要な業務を任せることにハードルがありますが、当社が間に入ることで安心して任せることが可能になります。また、フリーランスとしても、現状は企業から過大な要求を受けるケースが発生しており、これもマーケティング支援を本業とする当社が間に入ることで、専門知識をもとに「案件や専門スキルの目利き」を徹底することでミスマッチを回避することができます。また「個人(フリーランス等)」は、発注側の企業から見た際の「信用力」が欠けるというデメリットはありますが、発注企業と個人との間に当社が入ることで解消することが可能です。

 また、フリーランス活用から正社員採用へとステップを進める企業向けには「Marketer Agent 転職」により、企業が欲する人材の正社員紹介を行います。

 

デジタルマーケティング人材における主な要件の比較

0101010_003.png

 

[アップスキリング]

 当社は独自に収集した37,000超のサイトのデータと10,000超の成功事例・失敗事例データにより、成功確率の高いマーケティング施策のみを提供しております。こうしたノウハウは、少ない時間でいかに成果を出すかが求められるマーケターにとって有用です。

 このノウハウを、まず研修という形でマーケターに提供します。さらにはWACULで実際に行っている業務から学ぶOJTの機会も提供します。

 

[コラボレーション]

 マーケターと当社のコラボレーションにより、企業の課題解決を推進します。加えてマーケター同士の連携も推進します。フリーランス等のマーケターは企業に属しているマーケターと比べて孤独です。こうしたマーケター同士による情報共有や案件の相互紹介などの機会を創出します。

 

・当社の事業の特徴

①企業規模や業種・業態によらず、幅広く提供可能なサービスラインナップ

 当社のソリューションは「AIアナリスト」はもちろん「AIアナリスト・シリーズ」やフリーランスマーケター向け人材マッチングサービス「Marketer Agent」などすべてのソリューションが、大企業から中小企業まで企業規模を問わず提供されております。また、ECサイトなどWeb上で購買の完結するビジネスだけでなく、Webで問い合わせを受けた後に営業人員が商談を行い契約まで導くビジネスなど、顧客の業種や業態を問わず提供されております。

 

②様々な課題に応えるソリューションとクロスセルの推進

 当社は「AIアナリスト」による改善提案だけでなく、その改善提案と紐づく形で実行・実装を行う「AIアナリストSEO」や「AIアナリストAD」やマーケターの不足を補う「Marketer Agent」による人材支援といった様々なサービスを顧客にあわせて提案することで、同一顧客に複数ソリューションを提供するクロスセルを行っております。

 顧客は様々な課題を各社が抱えております。当社はそのひとつの課題に対して、保有するソリューションのひとつで成果を創出することで信頼を獲得し、顧客が新たに直面する課題や周辺の課題に対してもまた別のソリューションをクロスセルしていくことで、顧客1社当たりの売上高の拡大が可能となっております。

 

0101010_004.png

 

③プロダクト事業とインキュベーション事業のシナジー

 当社の事業は、プロダクト事業とインキュベーション事業とが相互に価値向上に貢献しあうという“正のスパイラル”によって、企業のDX実現のための課題解決力を高めることで、市場により高い価値を創出しております。

 当社では、インキュベーション事業で得られた新たなナレッジを仕組み化し、プロダクト事業で提供するソリューション群の新規機能の追加や既存機能の強化を行います。また逆に、プロダクト事業で得られたデータ基盤はインキュベーション事業で新たなナレッジの創出を行ううえでの源泉となり、DXコンサルティングでの提案活動に活かされております。こうした2事業の互恵関係による“正のスパイラル”が当社の価値となっております。

 

 

0101010_005.png

 

④事業成長と参入障壁を実現する独自PDCAデータの蓄積

 当社の「AIアナリスト」は、基本的な機能を無料で提供し、さらに高度な機能や特別な機能については料金を課金するフリーミアムモデルで提供されております。そのため、当社はユーザーに対し無料で基本機能を開放するかわりに、そのユーザーのデータを獲得しております。

 当社は多数存在するWeb上の行動データを記録するツールの中でも、調査対象サイト153,052サイトで検出されたアクセス解析の93.4%(株式会社DataSign 教えてURL調査レポート「Webサービス調査レポート 2023年3月度」におけるアクセス解析カテゴリのシェア)が利用し、トップシェアを持つGoogleアナリティクスや、Google、Yahoo!、Facebookなど日本で利用される主要広告データと連携し、顧客からの許可を得た上で各プラットフォームを通じて提供を受けております。このため、Webサイトにタグを埋め込むなどの作業を必要とするWeb行動データ分析ツールでは、タグの埋め込みの開発やデータの蓄積など実際にデータを分析するまでに作業と時間を要しますが、当社の「AIアナリスト」ではそういったリードタイムが必要なく、その場ですぐに分析を始めることが可能です。こうした導入ハードルの低さや高い利便性から、「AIアナリスト」の登録サイト数の増加と当社の保有データの蓄積につながっていると考えております。

 

「AIアナリスト」登録サイト数の推移

0101010_006.png

※登録サイト数とは、有料版/無料版を問わず、当社「AIアナリスト」にGoogleアナリティクスが連携された数を示しています。

 

 

 また、当社は顧客から共有されるクローズドなビッグデータとWeb上に存在するオープンデータを合わせて分析し、顧客に改善ポイントの提案を行っています。顧客が改善施策を実行したのち、当社はその成果を測定します。こうしたPDCAデータを当社は蓄積することで、改善提案の質の向上に役立てています。改善提案の質の向上は、さらなる顧客数の増加や定着につながる好循環を生むと考えております。

 

 改善施策の立案からその実行そして成果測定に至るまでのPDCAデータは、当社独自のものです。この独自のPDCAデータを分析することで当社は“デジタルビジネスの勝ちパターン”を蓄積しており、当社の課題解決力の強化ひいては事業における競争力につながると認識しております。

 

 こうした好循環は、Data Network Effectsとよばれ、追随しようとする他社に対する参入障壁となり、当社の先行優位性をより強固にすると考えております。

 

当社の各事業とデータの関係

0101010_007.png

 

<事業系統図>

0101010_008.png

 

 

4【関係会社の状況】

 該当事項はありません。

 

5【従業員の状況】

(1)提出会社の状況

 

 

 

 

2023年2月28日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

66

(12)

34.2

3.37

6,016

 (注)1.従業員数は就業人員(正社員及び契約社員)であり、臨時雇用者数(パートタイマー)は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。

2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

3.当社はDX事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

 

(2)労働組合の状況

当社において労働組合は、結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。

 

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1)経営方針

 当社は「知を創集し道具にする」をミッションに掲げております。世界に遍在する知(データ)を創集し、その集合知を誰にでも使える道具(ツール)へと変え、顧客に届けることで顧客ビジネスの生産性向上及び収益成長に貢献してまいります。

 

(2)経営戦略等

 デジタル化の加速により、DXに取り組む企業は今後増加が見込まれます。そうした企業の課題に応えられるよう、当社の保有するナレッジを強化しつつ、それらを顧客獲得から既存のソリューションの強化及び新規のソリューション開発まで最大限に活かします。当社はこうした取り組みを通じて、顧客基盤の拡大と顧客ごとの収益性の向上を図り、長期的な企業価値向上を実現します。

 

ナレッジを起点とした中長期の事業拡大

0102010_001.png

 

 具体的には以下のような成長戦略を実行します。

 

A.ナレッジの幅と深さの拡大

 当社の競争力の源泉たる「ナレッジ」と「データ」を強化することで、他社の追随を許さないナレッジ基盤を構築します。そのために、差別化の徹底及びアウトプットの拡大を進めます。

 差別化の徹底のため、当社は「課題解決」ソリューションをテクノロジーを活用して安価に・再現性高く実現する“頭脳の機械化”という当社独自のポジションに磨きをかけます。この独自性をさらに磨き上げるべく、課題解決の自動化を追求します。それにより、見える化にとどまる一般的なマーケティング関連ツールや人的にしか課題解決のできないコンサルティング会社や広告代理店などでは実現できない価値提供を可能とします。

 また、アウトプットの拡大のため、前工程であるインプット/アナリティクスの強化を進めます。アウトプットする提案の深さと幅を拡大するため、取得するデータの種類を増加させ、それらのデータから示唆を得るためのアナリティクスを強化します。アウトプットの深さと幅とを拡大することで、当社として顧客に提供できる価値を高めてまいります。

 

当社独自のポジショニング

0102010_002.png

 

 また、アウトプットの拡大のため、前工程であるインプット/アナリティクスの強化を進めます。アウトプットする提案の深さと幅を拡大するため、取得するデータの種類を増加させ、それらのデータから示唆を得るためのアナリティクスを強化します。アウトプットの深さと幅とを拡大することで、当社として顧客に提供できる価値を高めてまいります。

 

提案の深さと幅の拡大

0102010_003.png

 

B.ナレッジの活用

 当社は生み出したナレッジを顧客獲得や満足度向上、新規事業機会創出に活用しております。

 

B-1.ナレッジ配布によるマーケティングで高効率なリード獲得

 当社は、保有するナレッジを新たな顧客獲得にも活用してまいります。ナレッジを研究レポートやセミナー等を通じてマーケティングDXに関わる方々へ届けたり、主要メディアへ情報提供することで、マス露出を拡大させます。また、「簡易診断レポート」などをドアノックツールとして見込み顧客を獲得します。さらには、こうしたドアノックツールを提携先企業を通じて提供することで、顧客リーチを増強します。提携先企業は当社のドアノックツールを取り扱うことで、自社顧客のビジネス拡大の促進や信頼の獲得を期待することができるため、当社と互恵関係を形作ることができます。このようなナレッジの顧客獲得への活用により、当社は広告宣伝費の投下を抑え、顧客からの問い合わせによるインバウンドでの効率的な顧客獲得が実現できております。

 

B-2.ナレッジによる顧客成果を最大化し満足度向上

 当社はナレッジを用いることでこれまであらゆる業界で成果を創出しており、成果で得た信頼からクロスセルを可能としております。

 これまで当社はtoB/toCを問わず様々な企業規模・業種において成果を創出しており、施策単位で1.5倍以上の成果を創出したケースが65%を占めます。

B-3.ナレッジをもとに新規商材を継続投入し新規事業機会を創出

 当社は生み出した新たなナレッジをもとに、新規ソリューションを逐次投下してまいります。これは様々な課題を持つ顧客が当社のソリューションのひとつを利用するきっかけを増やすと同時に、すでに当社の何らかのソリューションの顧客に対してクロスセルできるソリューションを増やすことにつながります。

 当社は「AIアナリスト」提供開始以降、「AIアナリストSEO」「AIアナリストAD」「DXコンサルティング」をローンチし、研修サービスや制作サービスなどのラインナップを充実するとともに人材事業である「Marketer Agent」を立ち上げるなど、これまでも積極的に新規ソリューションの開発・提供を続けてきております。

 

C.KPIへの寄与

 ナレッジを活用した事業展開により、当社の顧客数増や単価・LTV(顧客生涯価値)増につなげております。こうした事業KPIの伸長が、当社の中長期的に継続可能な事業成長を実現します。

 

 また、当社が今後更なる成長と発展を遂げるためには、「(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に記載の事項へ対応していくことも経営戦略上、重要と認識しております。

 

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社は事業進捗の客観的な指標として、売上高、売上高総利益率、EBITDA(=営業利益+減価償却費)及び営業利益に加え、1顧客から得る売上高である1社当たり理論LTV(顧客生涯価値、1社当たり理論LTV=1社当たりの12ヶ月平均初期売上+1社当たり平均リカーリングレベニュー/社数ベース12ヶ月平均解約率)を重要な経営指標とし、成長性や収益性を向上させてまいります。

 

(4)経営環境

 当社が属する国内DX市場の規模は、経済産業省が2018年に「DXレポート~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~」や「デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン」を発表したことを受け、国内においてデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進が加速していることを背景に、拡大を続けています。株式会社富士キメラ総研が2022年1月に公表した「2022 デジタルトランスフォーメーション市場の将来展望」によると、2020年に1兆3,821億円となりました。また、当該市場は企業のDXやそれに伴うアナリティクスおよびAI活用の取り組みがすでに当たり前の技術として広く活用が進んでいるとして、DXへの取り組みは活発化しています。昨今、多くの企業において、データを収集するだけでなく、その利活用を可能とするDXやAIの活用を通じて、その企業活動の生産性を向上させ、競争力を増すことが重要な経営課題となってきているためです。当該市場は、2024年までの間に3兆4,223億円まで拡大し、その年間平均成長率は+25.4%という成長率が見込まれております。

 また、その中でも当社が提供する「AIアナリスト」のカバーする業界共通DX領域の営業・マーケティングDX市場は、2021年に1,906億円を占めます。また、「DXコンサルティング」のカバーする戦略/基盤DX市場を含む市場は、2020年に4,064億円でしたが、2022年には約1.5倍となる6,072億円まで拡大していたと見込まれております。

 当社は、現在提供するソリューションの範囲を近接市場から順次拡大してまいりますが、それにより業界共通DX市場へとアクセスしようとしております。この業界共通DX市場は2020年には5,234億円でしたが、2024年には1兆733億円まで倍増すると、非常に好調な推移が見込まれております。

 当社は、アナリティクスソフトウェアをSaaSという形で提供することで、顧客と継続的な接点をもっております。これにより、当社は顧客ロイヤルティを高めつつ、顧客のデータを長く蓄積することで、他社に対して参入障壁を築いております。また同時に、先行して多くの企業の利用データを集めているため、その集合知によるソフトウェアの改善が可能であることが、提供価値の点においても先行優位性を活かした参入障壁の構築に活きております。こうした当社のサービス形態の強みを活かし、上記のように順調に拡大する市場を着実に獲得してまいります。

 なお、DXを社会に促した新型コロナウイルス感染症の沈静化やウクライナ・ロシア問題、量的緩和から量的引き締めへ移る金融政策の転換、ChatGPTを中心とした生成AIの技術的進展など、当社を取り巻く環境は劇的に変化しております。当社はそうした環境変化に機敏かつ柔軟に対応すべく、継続して注視してまいりますが、その急速な変化に機会を見出した際には、経営方針・経営戦略等を見直す可能性があります。

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

①新規事業の立ち上げ・新規機能の開発

 当社が提供する既存サービスは継続的な取引を行う顧客基盤を確立しており、安定的な月額利用料収益を得ております。

 近年のAIやデータアナリティクス、SaaSに対する関心の高まりに象徴されるように、当社の提供するサービスが属する各市場は今後ますます市場成長が見込まれており、市場のニーズにあった機能およびサービスをいち早く投入し、新規事業を立ち上げ続けることが重要な課題と認識しております。

 特に「AIアナリスト」をプラットフォームとしたストック型の収益を安定的に獲得することができるサービスの開発を継続的に行い、さらなるステップアップを視野に入れた事業の収益性向上を目指してまいります。

 当社は、大企業を中心にWACULコンサルティングのサービス提供や、アカデミアおよびビジネスの先端をいく人材を顧問とする社内研究所である「WACUL テクノロジー&マーケティングラボ」を通じて、PoC(Proof of Concept:新規アイディアの検証・実証)を積極的に行い、そこで得られたナレッジをソリューションに落とし込む形で新規事業の立ち上げおよび「AIアナリスト」の新規機能開発をより一層推進し、社会に普及させていきます。

 

②優秀な人材の確保

 当社は専門性の高い優秀な人材の確保及び在籍する人員の育成に注力し、少人数での効率的な事業運営を意識しつつ、事業規模に応じた組織体制の整備を進めてまいりました。

 今後のDX市場の拡大に伴う事業拡大及び収益基盤の強化を図るにあたり、引き続き優秀な人材を確保・育成することは当社の事業展開を図る上で重要と認識しておりますが、優秀な能力を持つ人材獲得は、他社とも競合し、安定した人材確保が容易ではない状況が今後も継続すると考えております。これまで同様、効率的な事業運営を意識しつつ、事業規模に応じた優秀な人材の組織体制の整備を進めることが課題であると認識しております。

 開発部門においては、サービスの利便性及び機能の向上ならびに新規サービス開発のため、優秀なエンジニアの継続的な採用を継続的に行ってまいります。また、営業・マーケティング部門においては、収益基盤の強化と合わせて適時に採用を行ってまいります。

 

③認知度の向上

 当社は、これまで広告宣伝活動に頼らず、当社が持つWebマーケティング技術及び提供サービスの機能優位性に拠る形での顧客の獲得を図ってまいりました。その結果として、現在、幅広い業種の企業に当社サービスを導入いただき、継続的な取引による顧客基盤の構築を実現することができていると考えております。

 しかしながら、事業の更なる拡大を図るにあたり、当社ブランド及びサービスのより一層の確立が重要となるため、広告宣伝及びプロモーション活動による認知度の向上が重要な課題であると認識しております。

 

④開発体制の強化

 当社のサービスは高度な処理能力などが求められるため、専門性の高い優秀な開発部門の人材の確保及び育成をすることで、サービスの品質向上に取り組んでまいりました。

 しかしながら先進的な技術開発力を継続して持ち続けることは容易ではなく、継続的な人材の確保及び開発プロセスの改善、社内におけるノウハウの共有や教育訓練等が重要な課題と認識しております。

 

⑤ビッグデータの蓄積・解析体制の強化

 当社のサービスに連携された顧客のGoogleアナリティクスのデータは日々データベースに蓄積され、それらを解析することで顧客へ高品質なサービスを提供しております。

 顧客へさらなる付加価値及び新たなサービスを提供するためには、それらのビッグデータに基づき、AI技術を駆使したより高度なデータ活用を行っていくことが重要な課題と認識しております。

 引き続き、有識者と顧問契約を締結し、適宜情報交換を行うことでビッグデータの蓄積・解析体制の強化に努めてまいります。

 

⑥事業上のパートナー企業との提携の強化

 当社は、提供サービス「AIアナリスト」を自社の販売部門から直販することで顧客基盤を構築してまいりました。

 今後「AIアナリスト」及びその周辺サービスをさらに拡販・成長するためには、事業パートナーとの提携の強化が重要な課題と認識しております。具体的には、当社がまだリーチできていない顧客層をすでに保有している販売パートナーや、「AIアナリスト」の機能で提案されるサイトの改善提案を元に実装・実行等を行うソリューションやサービスを持つパートナーとの提携強化に努めてまいります。

 

 

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであり、将来において発生する可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。また当社のコントロールできない外部要因や必ずしもリスク要因に該当しない事項についても記載しております。当社はこれらのリスク発生の可能性を十分に認識した上で、リスク回避あるいは発生時に迅速に対応する所存ですが、当社の経営状況、将来の事業についての判断及び当社株式に対する投資判断は、本項記載内容を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。

 

(1)市場など自社を取り巻く環境に関するリスク

①業界市場について

 当社が事業を展開する国内DX市場及び国内AIシステム市場は成長を続けております。当社はこの市場成長傾向は継続するものと見込んでおり、その中で一定のシェアを獲得するべく、サービスの提供・拡販を図っております。

 しかしながら、市場の成長ペースが大きく鈍化した場合には、当社の事業および業績に影響を及ぼす可能性があります。また、市場の拡大が進んだ場合であっても、当社が同様のペースで順調に成長しない可能性があります。さらに、市場が成熟していないため、今後、大手企業による新規参入等により市場シェアの構成が急激に変化した場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

②競争環境の激化について

 当社は、新規参入や新製品の普及など競争環境の激化を重要な課題として認識しております。DX市場の拡大に伴い、当社の属する市場に新規参入者が増えた場合には当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。当社は独自データの蓄積などを通じて、こうした脅威の軽減を図っています。具体的には、Googleアナリティクスを通じたアクセス解析データ等のビッグデータと、その分析から生まれる改善施策の成否といったノウハウを蓄積しております。

 

③Google LLCの動向について

 当社の「AIアナリスト」等はGoogle LLCが提供するGoogleアナリティクスと連携してサイトデータを取得し、データ解析をするサービスとなっております。当社は、継続的により良好な関係の維持に努めておりますがGoogle LLCの事業戦略の転換並びに動向によっては、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④法的規制について

 現在のところ当社の事業継続に著しく重要な影響を及ぼす法的規制はありませんが、近年インターネット関連事業を規制する法令は徐々に整備されてきております。今後、Cookieの使用の制限など、インターネットの利用や関連するサービス及びインターネット広告を含むインターネット関連事業を営む事業者を規制対象とする新たな法令等の規制や既存法令等の解釈変更がなされた場合には、事業運営に制約を受けることで、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 当社はユーザー企業からGoogleアナリティクス等による統計情報を取得しているにとどまり、個別の利用者端末に紐づくCookie情報等は受領していないため、近時の国内法の改正による当社事業への直接的な影響はないと考えられますが、海外動向も含め引き続き情報収集を継続してまいります。

 

⑤技術革新等について

 当社が事業展開しているインターネット関連市場では、情報技術の進化とそれに伴う市場ニーズの変化に迅速に対応することが求められております。当社としても、技術革新に応じたシステムの拡充・改善及び事業戦略の修正などを迅速に行う必要があるものと考えております。そのため、当社はアジャイル開発(*)を行うことで、迅速にシステム開発を行い機能の追加及びユーザビリティを強化する体制を敷いております。

 しかしながら、予期しない技術革新等があった場合、その対応に係る追加のシステム開発費用が発生する可能性がありますが、システム開発等の適切な対応に支障が生じた場合には、各サービスにおける競争力の低下及び顧客の流出等を招く可能性があり、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(*)アジャイル開発とは、少人数の開発チームが特定機能の開発といった小さく切り分けたゴールの達成のために作業を進める体制をとり、納品を繰り返す開発スタイル。これまでのウォーターフォール型の開発では、最初に仕様を事細かに決めるので、開発を開始したのちの仕様変更には柔軟に対応できなかった。

 

⑥システム障害・不具合について

 当社の事業はインターネットを利用しているため、自然災害、事故、不正アクセスなどによって通信ネットワークの切断、サーバー等ネットワーク機器に作動不能などのシステム障害が発生する可能性があります。当社は、システム障害の発生防止のために、システムの冗長化、脆弱性検査、不正アクセス防御等の対策を講じておりますが、これらの対策を講じているにも拘らず、障害が発生した場合には、当社に直接的損害が生じるほか、当社のサーバーの作動不能や欠陥等に起因する取引の停止等については、当社のシステム自体への信頼性の低下を招きかねず、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)ビジネスモデル等の自社の事業に起因するリスク

①特定経営者への依存について

 当社の代表取締役社長である大淵亮平は、当社設立以来、当社の事業に深く関与し、デジタルマーケティングに関する豊富な知識と経験を有しており、経営戦略の構築やその実行に際して重要な役割を担っております。当社は、特定の人物に依存しない体制を構築すべく組織体制の強化を図り、同氏に過度に依存しない経営体制の整備を進めておりますが、何らかの理由により同氏の当社における業務執行が困難になった場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 同様に当社の代表取締役である垣内勇威は、創業初期から当社の事業に深く関与し、デジタルマーケティングに関する豊富な知識と経験を有しており、研究開発および新規事業の立案やその実行に際して重要な役割を担っております。当社は、特定の人物に依存しない体制を構築すべく組織体制の強化を図り、同氏に過度に依存しない経営体制の整備を進めておりますが、何らかの理由により同氏の当社における業務執行が困難になった場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

②新規事業について

 当社では今後、市場のニーズにあったサービスをいち早く投入し、新規事業を立ち上げ続けることが重要な課題と認識しており、特に「ナレッジ」を顧客のニーズに即した形で届けるサービスの開発を継続的に行い、さらなるステップアップを視野に入れた事業の収益性向上を目指してまいります。

 しかしながら、各新規事業・サービスは構想段階や市場投入から日が浅いものが多く、結果的に実現しない又は実現したとしても十分な収益が獲得できず撤退する可能性があります。当社といたしましてはテストマーケティングなどを行い、事前に十分な検証を行った上で開発等を開始する方針ではありますが、結果的に新規事業に失敗した場合、コストのみが計上されることから当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③単一事業であることについて

 当社の売上はDX事業の単一事業となっております。当社が属するDX市場の成長傾向は継続するものと見込んでおりますが、当該市場の成長が鈍化するような場合、事業環境の変化等への対応が適切でない場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④特定サービスへの依存について

 当社の売上高全体に占める「AIアナリスト」及びその関連サービスを含むプロダクト事業の占める割合が高く、その販売を拡大させることによって当社の業績が向上する見通しであり、同サービスに依存しております。

 収益源の多様性を持つことにより、より安定した体制の構築を目指すべく、サービスの拡大や、新たに当社の柱となる新規サービス、事業の開発に向け積極的に取り組んでおりますが、同サービスが顧客のニーズと乖離した場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤LTV(顧客生涯価値)について

 当社はDXプラットフォームを提供するため、顧客が当社のプラットフォーム上で当社に対して生み出す収益が、当社がその顧客を獲得するのに費やすコストをどれだけ上回るかが投資リターンを図るうえで重要であると認識しております。そのため、顧客1社当たりの累積売上高であるLTV(顧客生涯価値)が重要と認識しております。当社は、新規サービスの投入および既存サービスの機能強化を通じて、アップセル・クロスセルによる特定期間における売上高の増大および契約継続率などを見ながら、LTV(顧客生涯価値)の維持・向上を図っていきます。しかしながら、何らかの施策の見誤りやトラブル等で特定期間の売上高または契約継続率が著しく低下した場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

1社当たり理論LTVと1社当たり契約獲得広告宣伝費の推移

0102010_004.png

 

⑥プラットフォームビジネスにおける先行投資について

 当社が展開する「AIアナリスト」を中心としたプラットフォームビジネスは、開発人員及び営業人員の採用、広告宣伝活動等の先行投資を必要とする事業であり、結果として当社は創業以来2020年2月期まで営業損失を継続して計上しておりました。

 今後も、より多くの顧客の獲得を目指し、開発や営業などにおける優秀な人材の採用・育成を計画的に行うとともに、知名度と信頼度の向上のための広報・プロモーション活動、顧客獲得のためのマーケティングコスト投下などを効果的に進め、売上高拡大及び収益性の向上に向けた取り組みを行っていく方針であります。しかしながら、想定どおりの採用・育成が進まない場合、マーケティングPR等活動の効果が得られない場合等には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦ストック・オプション行使による株式価値の希薄化について

 当社では、役員、従業員、社外協力者等に対するインセンティブ等を目的としたストック・オプション制度を採用しております。また、今後においてもストック・オプション制度を活用していくことを検討しており、現在付与している新株予約権に加え、今後付与される新株予約権について行使が行われた場合には、既存株主が保有する株式の価値が希薄化する可能性があります。なお、当事業年度末現在における新株予約権による潜在株式数は693,750株であり、発行済株式総数7,091,950株の9.8%に相当しております。

 

⑧情報管理体制について

 当社では、業務に関連して多数の顧客の情報資産を取り扱っております。そのため当社は、「情報セキュリティ管理規程」を制定し、コーポレート統括部の管掌のもと、情報の秘密区分指定と区分ごとの保管方法等を定めるほか、役職員に対する情報セキュリティに関する定期的な教育研修を実施する等、情報管理体制の強化に努めております。また、ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)の国際規格であるISO27001の認証を取得しており、これに沿って、情報セキュリティ基本方針を策定するとともに、情報セキュリティ委員会を定期的に開催しISMSの適切な構築・運用についての審議を行っております。

 しかしながら、何らかの理由により重要な情報資産が外部に漏洩するような場合には、当社の社会的信用の失墜、損害賠償責任の発生等により、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑨システム開発について

 当社は、システムに関わる投資・開発を継続的に行っております。当社の開発したサービスに不具合が生じた場合や、連携しているツールの仕様が大きく変わった場合、開発人員の獲得が進まないために開発が予定どおりに進まない場合など、利用者が損害を被った場合は、損害賠償の支払などにより、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑩知的財産権について

 当社による第三者の知的財産権侵害の可能性については、専門家と連携を取り調査可能な範囲で対応を行っておりますが、当社の事業領域に関する第三者の知的財産権の完全な把握は困難であり、当社が認識せずに他社の知的財産権を侵害してしまう可能性は否定できません。この場合、損害賠償請求や使用差止請求等により、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑪内部管理体制の強化について

 当社は、今後の事業拡大に対応するため、内部管理体制をさらに強化する必要があると認識しております。今後は人材採用及び育成を行うこと等により内部管理体制の強化を図っていく方針であります。しかしながら、事業の拡大ペースに応じた内部管理体制の構築に遅れが生じた場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑫コンプライアンス体制について

 当社は、今後企業価値を高めていくためにはコンプライアンス体制が有効に機能することが重要であると考えております。そのため当社は、「リスク・コンプライアンス管理規程」を制定し、当該規程に基づきリスク・コンプライアンス委員会を定期的に開催して全社的なコンプライアンスに関する事項の審議・検討を行うほか、定期的に社内研修を実施し、コンプライアンスに関する役職員の意識向上を図っております。しかし、これらの取り組みにも関わらずコンプライアンス上のリスクを完全に解消することは困難であり、今後の当社の事業運営に関して法令等に抵触する事態が発生した場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑬配当政策について

 当社は、株主に対する利益還元を重要な経営課題として認識しております。しかしながら、現在当社は成長過程にあると考えており、内部留保の充実を図り、収益基盤の多様化や収益力強化のための投資に充当することにより、更なる事業拡大を目指すことが株主に対する利益還元につながると考えております。

 将来的には、各期の経営成績及び財政状態を勘案しながら株主に対して利益還元を実施していく方針ではありますが、現時点において配当実施の可能性及びその実施時期等については未定であります。

 

⑭新型コロナウイルス等の感染症の蔓延に関するリスク

 当社は、新型コロナウイルス等の感染症の蔓延によるDXの重要性が増すことにより、中長期的には恩恵を享受する事業を展開しております。しかし、そうした感染症の蔓延により、国内の経済活動の停滞に伴い、店舗の短縮営業などを余儀なくされるなど事業に甚大な影響を受ける顧客が一部おり、そうした顧客の減少により、一時的に当社の成長スピードが鈍化する可能性があります。特に「AIアナリストAD」については、企業のマーケティングコストの予算に係る影響を受けるため、景気の低迷に伴う予算削減等により、当社の成長スピードが鈍化する可能性があります。

 また、この新型コロナウイルス感染症の収束時期や新たな感染症の蔓延を正確に予測することは困難であり、感染症の蔓延が長期化または頻発した場合には、当社の事業への影響が長期化する可能性があります。

 

⑮ベンチャーキャピタル等の株式所有割合に伴うリスク

 当事業年度末現在でのベンチャーキャピタル及びベンチャーキャピタルが組成した投資事業組合(以下「ベンチャーキャピタル等」という。)の保有当社株式数は987,100株であり、発行済株式総数7,091,950株の13.9%に相当しております。

 このベンチャーキャピタル等が保有する当社株式は、キャピタルゲインを目的に市場で売却される可能性があり、当社株式の株価形成に影響を与える可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態の状況

(資産)

当事業年度末における資産合計は、前事業年度末と比較して328,195千円増加し、1,579,867千円となりました。これは、流動資産が208,658千円増加したこと、固定資産が119,537千円増加したことによるものであります。流動資産の増加は、主に現金及び預金が68,018千円増加したこと、業務拡大により売掛金が60,062千円増加したこと、立替金が72,353千円増加したことによるものであります。固定資産の増加は、主に既存サービスの改良完了及び公開によりソフトウエアが88,221千円増加したこと、繰延税金資産が33,179千円増加したことによるものであります。

 

(負債)

当事業年度末における負債合計は、前事業年度末と比較して125,997千円増加し、574,639千円となりました。これは、主に流動負債が207,057千円増加したこと、固定負債が81,060千円減少したことによるものであります。流動負債の増加は、主に業務拡大により未払金が223,912千円増加したことによるものであります。固定負債の減少は、返済により長期借入金が81,060千円減少したことによるものであります。

 

(純資産)

当事業年度末における純資産合計は、前事業年度末と比較して202,198千円増加し、1,005,227千円となりました。これは、主に新株予約権の行使による株式の発行により資本金が4,048千円、資本準備金が4,048千円それぞれ増加したこと、当期純利益の計上により利益剰余金が192,284千円増加したことによるものであります。

 

②経営成績の状況

当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症にワクチン接種の効果がみられたことで新型コロナウイルス感染症との共存が進む一方、ロシア・ウクライナ情勢の長期混迷もあり、不安定な状況が続いております。そのような中、当社の属するDX市場は、一時的な需要の急増は収まったものの、デジタル活用が社会に定着したことで、活況が続いていると見ております。

そうした環境下において、当社はマーケティング分野のDXへの関心の高まりを捉えるべく、コンサルティングや「AIアナリスト」の取得したデータ、施策と効果の検証結果データ等から得られるナレッジを武器として、マーケティング活動とソリューション拡充、クロスセル推進に活用し、各事業を推進してまいりました。

新規顧客獲得のためのマーケティング活動においては、ナレッジを活用したマーケティング施策として、2022年11月に『BtoBマーケティングの定石』を出版しました。前作『デジタルマーケティングの定石』は第8刷のロングヒットとなり、読者からのお問い合わせに大きくつながりました。出版にあわせて、2023年1月から2月にわたり、出版記念ウェビナーを行い、累計1,300件を超えるリード獲得に至りました。

また、各事業それぞれが新規顧客の開拓と既存顧客の継続と拡大を推し進め、順調に売上拡大を実現しました。

プロダクト事業では、クロスセル戦略を推し進めるべく、①「AIアナリスト」の機能強化、②クロスセル商材の拡充、③組織の新設を行いました。機能強化によるクロスセルの一例としては、デジタルマーケティングのコンサルタントを機械化したデータ分析・改善提案ツール「AIアナリスト」の広告運用に関する分析機能を強化し、「AIアナリストAD」のクロスセルが進展しました。また、クロスセル可能な商材の拡充のために、従来から提供している「AIアナリストSEO」「AIアナリストAD」を含む「AIアナリスト・シリーズ」に加え、サイト構築やLP(ランディングページ)制作などのクリエイティブ分野の支援体制を強化し、クリエイティブソリューションの提供を本格化しました。さらにお問い合わせ等から得た見込み顧客や既に購入経験のある既存顧客へのマーケティング手法のひとつであるCRM領域の支援ソリューションを開始しました。また、組織強化のひとつとしては、中企業以上のワンストップ需要の強い顧客群に対してクロスセルを推進/維持するための専門チームを第2四半期会計期間に立ち上げ、顧客企業の支援を手厚くしたことで、中企業以上の1社当たりLTV(顧客生涯価値)増大を進めました。

インキュベーション事業では「AIアナリスト」で培った“勝ちパターン”をもとに企業のマーケティング戦略、組織設計、オペレーション構築など、「AIアナリスト」ではカバーしきれないより上流のテーマを対象としたマーケティングのDXコンサルティングを提供しました。継続的な需要の増大を受け、大企業の新規プロジェクトの獲得と密接な関係性強化による継続プロジェクトの獲得を両面で進め、当事業年度は特に継続プロジェクトの稼働でフルキャパシティに近い状況が継続し、順調な売上高成長を達成しております。

さらに、デジタルマーケティングを外注ではなく内製化したいという企業の需要に応えるべく、2021年12月から本格的に開始した「Marketer Agent」では、DX人材のマッチングや有料職業紹介によって、DX人材が不足する企業のマーケティングのDX実現を後押ししてまいりました。当事業年度においては組織面での増強を行う一方で、広告宣伝費をさほど投下せず、当社の保有する3万社以上の既存リードソースへのマーケティングにより、立ち上げから8ヶ月でのARR1億円を達成しました。

以上のような新規顧客獲得施策及び各プロダクトの拡充を進め、あわせてAIアナリスト・シリーズのクロスセルの営業活動を継続的に実施した結果、クロスセル率及びLTV(顧客生涯価値)は順調に成長しました。

 

この結果、当事業年度の経営成績は、売上高1,349,675千円(前年同期比24.2%増)、EBITDA255,580千円(前年同期比13.4%増)、営業利益184,125千円(前年同期比0.9%減)、経常利益187,310千円(前年同期比1.8%増)、当期純利益192,284千円(前年同期比14.9%減)となりました。

なお、当社はDX事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。

 

また、重要な経営指標である2023年2月末の理論LTV(顧客生涯価値)は5,038千円(2022年2月末4,414千円)、クロスセル率は2023年2月末26.1%(2022年2月末19.4%)となりました。

 

③キャッシュ・フローの状況

 当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ68,018千円増加し、当事業年度末には823,520千円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりです。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果獲得した資金は301,195千円(前年同期は167,060千円の獲得)となりました。これは主に、税引前当期純利益が187,310千円計上されたこと、減価償却費が70,654千円計上されたこと、業務拡大により未払金の増加額が226,314千円あった一方で、売上高の増加に伴い売上債権の増加額が60,062千円あったこと、その他の流動資産の増加額が77,453千円あったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は160,213千円(前年同期は91,095千円の使用)となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出が159,562千円あったことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果使用した資金は72,962千円(前年同期は232,735千円の獲得)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出が81,060千円あったことによるものであります。

 

④生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当社が提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略しております。

 

b.受注実績

当社が提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、記載を省略しております。

 

 

c.販売実績

当事業年度の販売実績は次のとおりであります。

セグメントの名称

当事業年度

(自 2022年3月1日

至 2023年2月28日)

販売高(千円)

前年同期比(%)

DX事業

1,349,675

124.2

 (注)1.当社の事業セグメントは、DX事業の単一セグメントであります。

2.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前事業年度

(自 2021年3月1日

至 2022年2月28日)

当事業年度

(自 2022年3月1日

至 2023年2月28日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

三井不動産株式会社

41,600

3.8

153,730

11.4

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態の状況 ②経営成績の状況」をご参照ください。

 当社の経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「2 事業等のリスク」をご参照ください。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

 当社の資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。

 当社の資金需要として主なものは、事業の拡大に伴う人件費、プロダクトの開発費、顧客獲得や認知度向上のための広告宣伝費等であります。財政状態等や資金使途を勘案しながら、必要な資金は自己資金、金融機関からの借入及びエクイティファイナンス等で資金調達していくことを基本方針としております。なお、これらの資金調達方法の優先順位等は、資金需要の額や用途に合わせて柔軟に検討を行う予定であります。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたって、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額ならびに開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては過去の実績や現状等を勘案し、合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる可能性があります。

 当社の財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載しております。なお、新型コロナウイルス感染症の影響については、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 追加情報」に記載のとおりであります。

 

4【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

2【主要な設備の状況】

当社における主要な設備は以下のとおりであります。

2023年2月28日現在

 

事業所名

(所在地)

設備の内容

帳簿価額

従業員数

(人)

建物附属設備

(千円)

器具及び備品

(千円)

ソフトウエア

(千円)

ソフトウエア

仮勘定

(千円)

合計

(千円)

本社

(東京都千代田区)

本社事務所

4,231

1,369

245,924

757

252,282

66

(12)

 (注)1.従業員数は就業人員(正社員及び契約社員)であり、臨時雇用者数(パートタイマー)は、年間平均人員を( )外数で記載しております。

2.本社の建物は賃借物件であり、年間賃借料は26,706千円であります。

3.当社は、DX事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

 

①【株式の総数】

種類

発行可能株式総数(株)

普通株式

27,168,000

27,168,000

 

 

②【発行済株式】

種類

事業年度末現在発行数

(株)

(2023年2月28日)

提出日現在発行数(株)

(2023年5月31日)

上場金融商品取引所名又は登録認可金融商品取引業協会名

内容

普通株式

7,091,950

7,102,450

東京証券取引所

グロース市場

権利内容に何ら限定のない当社における標準となる株式であり、単元株式数は100株であります。

7,091,950

7,102,450

(注)「提出日現在発行数」欄には、2023年5月1日からこの有価証券報告書提出日までの新株予約権の行使により発行された株式数は含まれておりません。

 

①【ストックオプション制度の内容】

第2回新株予約権

決議年月日

2019年5月28日

付与対象者の区分及び人数(名)

当社取締役   4

新株予約権の数(個)※

18,200

新株予約権の目的となる株式の種類、内容及び数(株)※

普通株式 546,000(注)2、7

新株予約権の行使時の払込金額(円)※

183 (注)3、7

新株予約権の行使期間 ※

自 2019年9月1日 至 2029年8月31日

新株予約権の行使により株式を発行する場合の株式の発行価格及び資本組入額(円)※

発行価格  186

資本組入額  93 (注)4、7

新株予約権の行使の条件 ※

(注)5

新株予約権の譲渡に関する事項 ※

当社取締役会の承認を要する

組織再編成行為に伴う新株予約権の交付に関する事項 ※

(注)6

※ 当事業年度の末日(2023年2月28日)における内容を記載しております。提出日の前月末現在(2023年4月30日)において、記載すべき内容が当事業年度の末日における内容から変更がないため、提出日の前月末現在に係る記載を省略しております。

 

 (注)1.本新株予約権は、新株予約権1個につき110円で有償発行しております。

2.本新株予約権1個当たりの目的となる株式の数は、当社普通株式30株とする。

当社が株式分割(当社普通株式の無償割当てを含む。以下同じ。)または株式併合を行う場合、次の算式により調整されるものとする。ただし、かかる調整は、本新株予約権のうち、当該時点で行使されていない新株予約権の目的となる株式の数についてのみ行われ、調整の結果生じる1株未満の端数については、これを切り捨てるものとする。

 調整後付与株式数=調整前付与株式数×分割(または併合)の比率

3.当社が株式分割又は株式併合を行う場合、次の算式により1株当たりの払込金額を調整し、調整による1円未満の端数は切上げる。

 調整後行使価額=調整前行使価額×1÷分割(または併合)の比率

4.新株予約権の行使により新株を発行する場合において増加する資本金の額は、会社計算規則第17条第1項に従い算出される資本金等増加限度額の2分の1の金額とし、計算の結果1円未満の端数を生じる場合は、この端数を切り上げる。

5.新株予約権の行使の条件

①本新株予約権者は、本新株予約権の割当日から行使期間の満了日までにおいて次に掲げる各事由が生じた場合には、残存するすべての本新株予約権を行使することができない。

(a)上記において定められた行使価額を下回る価格を対価とする当社普通株式の発行等が行われた場合(払込金額が会社法第199条第3項・同第200条第2項に定める「特に有利な金額である場合」、株主割当てによる場合その他普通株式の株式価値とは異なると認められる価格で行われる場合を除く。)。

(b)本新株予約権の目的である当社普通株式が日本国内のいずれの金融商品取引所にも上場されていない場合、上記において定められた行使価額を下回る価格を対価とする売買その他の取引が行われたとき(但し、当該取引時点における株式価値よりも著しく低いと認められる価格で取引が行われた場合を除く。)。

(c)本新株予約権の目的である当社普通株式が日本国内のいずれかの金融商品取引所に上場された場合、上場日以降、当該金融商品取引所における当社普通株式の普通取引の終値が、上記において定められた行使価額を下回る価格となったとき。

(d)本新株予約権の目的である当社普通株式が日本国内のいずれの金融商品取引所にも上場されていない場合、第三者評価機関等によりDCF法ならびに類似会社比較法等の方法により評価された株式評価額が上記において定められた行使価額を下回ったとき(但し、株式評価額が一定の幅をもって示された場合、当社は第三者評価機関等と協議の上本項への該当を判断するものとする。)。

 

②本新株予約権者は、本新株予約権の行使時において、当社又は当社関係会社の取締役、監査役、または従業員であることを要する。ただし、任期満了による退任、定年退職、その他正当な理由があると取締役会が認めた場合は、この限りではない。

③本新株予約権者の相続人による本新株予約権の行使は認めない。

④本新株予約権の行使によって、当社の発行済株式総数が当該時点における発行可能株式総数を超過することとなるときは、当該本新株予約権の行使を行うことはできない。

⑤本新株予約権1個未満の行使を行うことはできない。

⑥本新株予約権者は、当社株式が上場市場に上場したのち、本新株予約権を行使することができる。

6.当社が消滅会社となる合併契約承認の議案、当社が分割会社となる分割契約若しくは分割計画承認の議案、又は当社が完全子会社となる株式交換契約若しくは株式移転計画承認の議案につき当社株主総会(株主総会決議が不要の場合は、当社の取締役会)で決議されたときは、当社は、当社取締役会において別途決定する日において、新株予約権の全部を無償にて取得することができる。

7.2020年10月31日付で普通株式1株につき30株の割合で株式分割を行っております。これにより「新株予約権の目的となる株式の種類、内容及び数」、「新株予約権の行使時の払込金額」及び「新株予約権の行使により株式を発行する場合の株式の発行価格及び資本組入額」が調整されております。

8.付与対象者の権利行使により、本書提出日現在の「付与対象者の区分及び人数」は、当社取締役3名となっております。

 

第3回新株予約権

決議年月日

2019年5月28日

付与対象者の区分及び人数(名)

当社従業員   32 (注)7

新株予約権の数(個)※

3,875 [3,550]

新株予約権の目的となる株式の種類、内容及び数(株)※

普通株式 116,250 [106,500](注)1、6

新株予約権の行使時の払込金額(円)※

183 (注)2、6

新株予約権の行使期間 ※

自 2021年5月29日 至 2029年5月28日

新株予約権の行使により株式を発行する場合の株式の発行価格及び資本組入額(円)※

発行価格  183

資本組入額  92(注)3、6

新株予約権の行使の条件 ※

(注)4

新株予約権の譲渡に関する事項 ※

当社取締役会の承認を要する

組織再編成行為に伴う新株予約権の交付に関する事項 ※

(注)5

※ 当事業年度の末日(2023年2月28日)における内容を記載しております。当事業年度の末日から提出日の前月末現在(2023年4月30日)にかけて変更された事項については、提出日の前月末現在における内容を[ ]内に記載しており、その他の事項については当事業年度の末日における内容から変更はありません。

 

 (注)1.本新株予約権1個当たりの目的となる株式の数は、当社普通株式30株とする。

当社が株式分割(当社普通株式の無償割当てを含む。以下同じ。)または株式併合を行う場合、次の算式により調整されるものとする。ただし、かかる調整は、本新株予約権のうち、当該時点で行使されていない新株予約権の目的となる株式の数についてのみ行われ、調整の結果生じる1株未満の端数については、これを切り捨てるものとする。

 調整後付与株式数=調整前付与株式数×分割(または併合)の比率

2.当社が株式分割又は株式併合を行う場合、次の算式により1株当たりの払込金額を調整し、調整による1円未満の端数は切上げる。

 調整後行使価額=調整前行使価額×1÷分割(または併合)の比率

3.新株予約権の行使により新株を発行する場合において増加する資本金の額は、会社計算規則第17条第1項に従い算出される資本金等増加限度額の2分の1の金額とし、計算の結果1円未満の端数を生じる場合は、この端数を切り上げる。

4.新株予約権の行使の条件

①本新株予約権者は、本新株予約権の権利行使時において、当社又は当社関係会社の取締役、監査役、または従業員であることを要する。ただし、任期満了による退任、定年退職、その他正当な理由があると取締役会が認めた場合は、この限りではない。

②本新株予約権者の相続人による本新株予約権の行使は認めない。

③本新株予約権の行使によって、当社の発行済株式総数が当該時点における発行可能株式総数を超過することとなるときは、当該本新株予約権の行使を行うことはできない。

④本新株予約権1個未満の行使を行うことはできない。

⑤当社の株式のいずれかの金融商品取引所への上場がなされるまでの期間は、本新株予約権を権利行使することができない。

5.当社が消滅会社となる合併契約承認の議案、当社が分割会社となる分割契約若しくは分割計画承認の議案、又は当社が完全子会社となる株式交換契約若しくは株式移転計画承認の議案につき当社株主総会(株主総会決議が不要の場合は、当社の取締役会)で決議されたときは、当社は、当社取締役会において別途決定する日において、新株予約権の全部を無償にて取得することができる。

6.2020年10月31日付で普通株式1株につき30株の割合で株式分割を行っております。これにより「新株予約権の目的となる株式の種類、内容及び数」、「新株予約権の行使時の払込金額」及び「新株予約権の行使により株式を発行する場合の株式の発行価格及び資本組入額」が調整されております。

7.付与対象者の退職による権利の喪失により、本書提出日現在の「付与対象者の区分及び人数」は、当社従業員16名となっております。

 

第4回新株予約権

決議年月日

2019年10月24日

付与対象者の区分及び人数(名)

当社従業員   9 (注)7

新株予約権の数(個)※

450 [425]

新株予約権の目的となる株式の種類、内容及び数(株)※

普通株式 13,500 [12,750](注)1、6

新株予約権の行使時の払込金額(円)※

183 (注)2、6

新株予約権の行使期間 ※

自 2021年10月25日 至 2029年10月24日

新株予約権の行使により株式を発行する場合の株式の発行価格及び資本組入額(円)※

発行価格  183

資本組入額  92 (注)3、6

新株予約権の行使の条件 ※

(注)4

新株予約権の譲渡に関する事項 ※

当社取締役会の承認を要する

組織再編成行為に伴う新株予約権の交付に関する事項 ※

(注)5

※ 当事業年度の末日(2023年2月28日)における内容を記載しております。当事業年度の末日から提出日の前月末現在(2023年4月30日)にかけて変更された事項については、提出日の前月末現在における内容を[ ]内に記載しており、その他の事項については当事業年度の末日における内容から変更はありません。

 

 (注)1.本新株予約権1個当たりの目的となる株式の数は、当社普通株式30株とする。

当社が株式分割(当社普通株式の無償割当てを含む。以下同じ。)または株式併合を行う場合、次の算式により調整されるものとする。ただし、かかる調整は、本新株予約権のうち、当該時点で行使されていない新株予約権の目的となる株式の数についてのみ行われ、調整の結果生じる1株未満の端数については、これを切り捨てるものとする。

 調整後付与株式数=調整前付与株式数×分割(または併合)の比率

2.当社が株式分割又は株式併合を行う場合、次の算式により1株当たりの払込金額を調整し、調整による1円未満の端数は切上げる。

 調整後行使価額=調整前行使価額×1÷分割(または併合)の比率

3.新株予約権の行使により新株を発行する場合において増加する資本金の額は、会社計算規則第17条第1項に従い算出される資本金等増加限度額の2分の1の金額とし、計算の結果1円未満の端数を生じる場合は、この端数を切り上げる。

4.新株予約権の行使の条件

①本新株予約権者は、本新株予約権の権利行使時において、当社又は当社関係会社の取締役、監査役、または従業員であることを要する。ただし、任期満了による退任、定年退職、その他正当な理由があると取締役会が認めた場合は、この限りではない。

②本新株予約権者の相続人による本新株予約権の行使は認めない。

③本新株予約権の行使によって、当社の発行済株式総数が当該時点における発行可能株式総数を超過することとなるときは、当該本新株予約権の行使を行うことはできない。

④本新株予約権1個未満の行使を行うことはできない。

⑤当社の株式のいずれかの金融商品取引所への上場がなされるまでの期間は、本新株予約権を権利行使することができない。

5.当社が消滅会社となる合併契約承認の議案、当社が分割会社となる分割契約若しくは分割計画承認の議案、又は当社が完全子会社となる株式交換契約若しくは株式移転計画承認の議案につき当社株主総会(株主総会決議が不要の場合は、当社の取締役会)で決議されたときは、当社は、当社取締役会において別途決定する日において、新株予約権の全部を無償にて取得することができる。

6.2020年10月31日付で普通株式1株につき30株の割合で株式分割を行っております。これにより「新株予約権の目的となる株式の種類、内容及び数」、「新株予約権の行使時の払込金額」及び「新株予約権の行使により株式を発行する場合の株式の発行価格及び資本組入額」が調整されております。

7.付与対象者の退職による権利の喪失により、本書提出日現在の「付与対象者の区分及び人数」は、当社従業員5名となっております。

第5回新株予約権

決議年月日

2019年10月24日

付与対象者の区分及び人数(名)

社外協力者   2 (注)2、9

新株予約権の数(個)※

100

新株予約権の目的となる株式の種類、内容及び数(株)※

普通株式 3,000(注)3、8

新株予約権の行使時の払込金額(円)※

183 (注)4、8

新株予約権の行使期間 ※

自 2019年12月1日 至 2029年11月30日

新株予約権の行使により株式を発行する場合の株式の発行価格及び資本組入額(円)※

発行価格  186

資本組入額  93 (注)5、8

新株予約権の行使の条件 ※

(注)6

新株予約権の譲渡に関する事項 ※

当社取締役会の承認を要する

組織再編成行為に伴う新株予約権の交付に関する事項 ※

(注)7

※ 当事業年度の末日(2023年2月28日)における内容を記載しております。提出日の前月末現在(2023年4月30日)において、記載すべき内容が当事業年度の末日における内容から変更がないため、提出日の前月末現在に係る記載を省略しております。

 

 (注)1.本新株予約権は、新株予約権1個につき110円で有償発行しております。

2.社外協力者2名とはそれぞれ、以下のアドバイザリーを内容とする顧問契約を締結しております(包直也氏との顧問契約は、2021年5月31日をもって終了しております。)。なお当該顧問契約に関しては、上記新株予約権の付与以外に金銭等による報酬はありません。

包直也氏   プロダクト開発に関するアドバイザリー(各種先端技術の活用方針、開発体制の構築等に関するアドバイザリーを含む)、及びエンジニアの採用戦略に関するアドバイザリー。

門永大介氏  事業戦略、財務戦略その他経営全般に係る戦略の立案に関するアドバイザリー、並びにプロダクトの販売提携及び機能提携に関するアドバイザリー(提携先の選定に関するアドバイザリーを含む)。

3.本新株予約権1個当たりの目的となる株式の数は、当社普通株式30株とする。

当社が株式分割(当社普通株式の無償割当てを含む。以下同じ。)または株式併合を行う場合、次の算式により調整されるものとする。ただし、かかる調整は、本新株予約権のうち、当該時点で行使されていない新株予約権の目的となる株式の数についてのみ行われ、調整の結果生じる1株未満の端数については、これを切り捨てるものとする。

 調整後付与株式数=調整前付与株式数×分割(または併合)の比率

4.当社が株式分割又は株式併合を行う場合、次の算式により1株当たりの払込金額を調整し、調整による1円未満の端数は切上げる。

 調整後行使価額=調整前行使価額×1÷分割(または併合)の比率

5.新株予約権の行使により新株を発行する場合において増加する資本金の額は、会社計算規則第17条第1項に従い算出される資本金等増加限度額の2分の1の金額とし、計算の結果1円未満の端数を生じる場合は、この端数を切り上げる。

6.新株予約権の行使の条件

①本新株予約権者は、本新株予約権の割当日から行使期間の満了日までにおいて次に掲げる各事由が生じた場合には、残存するすべての本新株予約権を行使することができない。

(a)上記において定められた行使価額を下回る価格を対価とする当社普通株式の発行等が行われた場合(払込金額が会社法第199条第3項・同第200条第2項に定める「特に有利な金額である場合」、株主割当てによる場合その他普通株式の株式価値とは異なると認められる価格で行われる場合を除く。)。

(b)本新株予約権の目的である当社普通株式が日本国内のいずれの金融商品取引所にも上場されていない場合、上記において定められた行使価額を下回る価格を対価とする売買その他の取引が行われたとき(但し、当該取引時点における株式価値よりも著しく低いと認められる価格で取引が行われた場合を除く。)。

(c)本新株予約権の目的である当社普通株式が日本国内のいずれかの金融商品取引所に上場された場合、上場日以降、当該金融商品取引所における当社普通株式の普通取引の終値が、上記において定められた行使価額を下回る価格となったとき。

(d)本新株予約権の目的である当社普通株式が日本国内のいずれの金融商品取引所にも上場されていない場合、第三者評価機関等によりDCF法ならびに類似会社比較法等の方法により評価された株式評価額が上記において定められた行使価額を下回ったとき(但し、株式評価額が一定の幅をもって示された場合、当社は第三者評価機関等と協議の上本項への該当を判断するものとする。)。

②本新株予約権者は、本新株予約権の行使時において、当社又は当社関係会社の取締役、監査役、従業員または社外協力者であることを要する。ただし、任期満了による退任、定年退職、その他正当な理由があると取締役会が認めた場合は、この限りではない。

③本新株予約権者の相続人による本新株予約権の行使は認めない。

④本新株予約権の行使によって、当社の発行済株式総数が当該時点における発行可能株式総数を超過することとなるときは、当該本新株予約権の行使を行うことはできない。

⑤本新株予約権1個未満の行使を行うことはできない。

⑥本新株予約権者は、当社株式が上場市場に上場したのち、本新株予約権を行使することができる。

7.当社が消滅会社となる合併契約承認の議案、当社が分割会社となる分割契約若しくは分割計画承認の議案、又は当社が完全子会社となる株式交換契約若しくは株式移転計画承認の議案につき当社株主総会(株主総会決議が不要の場合は、当社の取締役会)で決議されたときは、当社は、当社取締役会において別途決定する日において、新株予約権の全部を無償にて取得することができる。

8.2020年10月31日付で普通株式1株につき30株の割合で株式分割を行っております。これにより「新株予約権の目的となる株式の種類、内容及び数」、「新株予約権の行使時の払込金額」及び「新株予約権の行使により株式を発行する場合の株式の発行価格及び資本組入額」が調整されております。

9.付与対象者の権利行使により、本書提出日現在の「付与対象者の区分及び人数」は、社外協力者1名となっております。

 

第6回新株予約権

決議年月日

2022年4月28日

付与対象者の区分及び人数(名)

当社従業員   5

新株予約権の数(個)※

15,000

新株予約権の目的となる株式の種類、内容及び数(株)※

普通株式 15,000 (注)1

新株予約権の行使時の払込金額(円)※

647 (注)2、3

新株予約権の行使期間 ※

自 2024年4月29日 至 2032年4月28日

新株予約権の行使により株式を発行する場合の株式の発行価格及び資本組入額(円)※

発行価格  647

資本組入額 324 (注)4

新株予約権の行使の条件 ※

(注)5

新株予約権の譲渡に関する事項 ※

当社取締役会の承認を要する

組織再編成行為に伴う新株予約権の交付に関する事項 ※

(注)6

※ 当事業年度の末日(2023年2月28日)における内容を記載しております。提出日の前月末現在(2023年4月30日)において、記載すべき内容が当事業年度の末日における内容から変更がないため、提出日の前月末現在に係る記載を省略しております。

 

 (注)1.本新株予約権1個当たりの目的となる株式の数は、当社普通株式1株とする。

当社が株式分割(当社普通株式の無償割当てを含む。以下同じ。)または株式併合を行う場合、次の算式により調整されるものとする。ただし、かかる調整は、本新株予約権のうち、当該時点で行使されていない新株予約権の目的である株式の数についてのみ行われ、調整の結果生じる1株未満の端数については、これを切り捨てるものとする。

 調整後付与株式数=調整前付与株式数×分割(または併合)の比率

2.本新株予約権の行使に際して出資される財産の価額は、次により決定される1株あたりの払込金額(以下、「行使価額」という。)に、付与株式数を乗じた金額とする。行使価額は、本新株予約権の割当日の東京証券取引所グロース市場における当社普通株式の普通取引の終値(取引が成立しない場合は、それに先立つ直近の終値)とする。

3.当社が株式分割または株式併合を行う場合、次の算式により行使価額を調整し、調整による1円未満の端数は切り上げる。

 調整後行使価額=調整前行使価額×1÷分割(または併合)の比率

4.新株予約権の行使により新株を発行する場合において増加する資本金の額は、会社計算規則第17条第1項に従い算出される資本金等増加限度額の2分の1の金額とし、計算の結果1円未満の端数を生じる場合は、この端数を切り上げる。

5.新株予約権の行使の条件

①本新株予約権者は、新株予約権の権利行使時においても、当社または当社関係会社の取締役、監査役または従業員であることを要する。ただし、任期満了による退任、定年退職、その他正当な理由があると取締役会が認めた場合は、この限りではない。

②本新株予約権者の相続人による本新株予約権の行使は認めない。

③本新株予約権の行使によって、当社の発行済株式総数が当該時点における発行可能株式総数を超過することとなるときは、当該本新株予約権の行使を行うことはできない。

④本新株予約権1個未満の行使を行うことはできない。

6.当社が消滅会社となる合併契約、当社が分割会社となる会社分割についての分割契約もしくは分割計画、または当社が完全子会社となる株式交換契約もしくは株式移転計画について株主総会の承認(株主総会の承認を要しない場合には取締役会決議)がなされた場合は、当社は、当社取締役会が別途定める日の到来をもって、本新株予約権の全部を無償で取得することができる。

 

②【ライツプランの内容】

 該当事項はありません。

 

(4)【発行済株式総数、資本金等の推移】

年月日

発行済株式総数増減数(株)

発行済株式総数残高(株)

資本金増減額

(千円)

資本金残高

(千円)

資本準備金増減額(千円)

資本準備金残高(千円)

2018年11月30日

(注)1

C種優先株式

204

普通株式

1,140

A種優先株式

570

B種優先株式

350

C種優先株式

204

234,600

577,937

234,600

575,937

2019年3月29日

(注)2

普通株式

112,860

A種優先株式

56,430

B種優先株式

34,650

C種優先株式

20,196

普通株式

114,000

A種優先株式

57,000

B種優先株式

35,000

C種優先株式

20,400

577,937

575,937

2019年7月31日

(注)3

普通株式

114,000

A種優先株式

57,000

B種優先株式

35,000

C種優先株式

20,400

△151,937

426,000

△575,842

95

2020年10月14日

(注)4

A種優先株式

△57,000

B種優先株式

△35,000

C種優先株式

△20,400

普通株式

112,400

普通株式

226,400

426,000

95

2020年10月31日

(注)5

普通株式

6,565,600

普通株式

6,792,000

426,000

95

2021年2月18日

(注)6

普通株式

100,000

普通株式

6,892,000

48,300

474,300

48,300

48,395

2021年3月23日

(注)7

104,700

6,996,700

50,570

524,870

50,570

98,965

2021年3月1日~

2022年2月28日

(注)8

51,000

7,047,700

4,760

529,630

4,760

103,725

2022年3月1日~

2023年2月28日

(注)8

44,250

7,091,950

4,048

533,678

4,048

107,774

 

 (注)1.有償第三者割当

  割当先 株式会社リコー、株式会社マイナビ、他3者

  発行価格   2,300,000円

  資本組入額  1,150,000円

2.株式分割(1:100)によるものであります。

3.資本金及び資本準備金の減少は欠損填補によるものであります。なお、資本金の減資割合は26.3%、資本準備金の減資割合は99.9%となっております。

4.2020年10月14日付で、A種優先株主、B種優先株主及びC種優先株主の株式取得請求権の行使を受けたことにより、全てのA種優先株式、B種優先株式及びC種優先株式を自己株式として取得し、対価として当該A種優先株主、B種優先株主及びC種優先株主にA種優先株式、B種優先株式及びC種優先株式1株につき普通株式1株を交付しております。また、同日付で当該A種優先株式、B種優先株式及びC種優先株式を消却しております。

5.株式分割(1:30)によるものであります。

6.有償一般募集(ブックビルディング方式による募集)

発行価格   1,050円

引受価額    966円

資本組入額   483円

払込金総額  96,600千円

7.有償第三者割当(オーバーアロットメントによる売出しに関連した第三者割当増資)

割当先 みずほ証券株式会社

発行価格    966円

資本組入額   483円

8.新株予約権の行使による増加であります。

9.2023年3月1日から2023年4月30日までの間に、新株予約権の行使により、発行済株式総数が10,500株、資本金及び資本準備金がそれぞれ960千円増加しております。

 

(5)【所有者別状況】

 

 

 

 

 

 

 

2023年2月28日現在

区分

株式の状況(1単元の株式数 100株)

単元未満株式

の状況

(株)

政府及び地方公共団体

金融機関

金融商品取引業者

その他の法人

外国法人等

個人その他

個人以外

個人

株主数(人)

2

23

38

20

19

4,133

4,235

所有株式数

(単元)

1,484

3,938

2,675

1,981

42

60,755

70,875

4,450

所有株式数の割合(%)

2.1

5.6

3.8

2.8

0.1

85.7

100

(6)【大株主の状況】

 

 

2023年2月28日現在

氏名又は名称

住所

所有株式数

(株)

発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合(%)

大淵 亮平

東京都千代田区

1,125,900

15.88

ジャフコSV4共有投資事業有限責任組合

東京都港区虎ノ門一丁目23番1号

987,100

13.92

垣内 勇威

東京都北区

826,200

11.65

梅田 裕真

東京都港区

270,000

3.81

竹本 祐也

東京都港区

231,000

3.26

鈴木 達哉

東京都品川区

180,000

2.54

株式会社マイナビ

東京都千代田区一ツ橋一丁目1番1号

156,000

2.20

株式会社SBI証券

東京都港区六本木一丁目6番1号

129,500

1.83

株式会社日本カストディ銀行(信託口)

東京都中央区晴海一丁目8番12号

118,900

1.68

若林 龍成

東京都渋谷区

103,200

1.46

4,127,800

58.20

①【貸借対照表】

 

 

(単位:千円)

 

前事業年度

(2022年2月28日)

当事業年度

(2023年2月28日)

資産の部

 

 

流動資産

 

 

現金及び預金

755,501

823,520

売掛金

132,623

192,686

仕掛品

461

1,625

前渡金

576

2,232

前払費用

18,632

22,461

立替金

61,422

133,776

その他

400

貸倒引当金

5,205

3,230

流動資産合計

964,413

1,173,071

固定資産

 

 

有形固定資産

 

 

建物附属設備

7,737

7,737

減価償却累計額

2,965

3,505

建物附属設備(純額)

4,771

4,231

器具及び備品

12,836

13,488

減価償却累計額

11,117

12,119

器具及び備品(純額)

1,719

1,369

有形固定資産合計

6,491

5,600

無形固定資産

 

 

ソフトウエア

157,703

245,924

ソフトウエア仮勘定

930

757

無形固定資産合計

158,633

246,681

投資その他の資産

 

 

繰延税金資産

109,280

142,460

その他

12,852

12,052

投資その他の資産合計

122,133

154,513

固定資産合計

287,258

406,795

資産合計

1,251,671

1,579,867

 

 

 

 

(単位:千円)

 

前事業年度

(2022年2月28日)

当事業年度

(2023年2月28日)

負債の部

 

 

流動負債

 

 

1年内返済予定の長期借入金

81,060

81,060

未払金

116,465

340,378

未払費用

3,371

3,647

未払法人税等

28,626

19,865

前受金

16,392

9,053

賞与引当金

20,174

23,986

その他

32,497

27,653

流動負債合計

298,587

505,644

固定負債

 

 

長期借入金

150,055

68,995

固定負債合計

150,055

68,995

負債合計

448,642

574,639

純資産の部

 

 

株主資本

 

 

資本金

529,630

533,678

資本剰余金

 

 

資本準備金

103,725

107,774

資本剰余金合計

103,725

107,774

利益剰余金

 

 

その他利益剰余金

 

 

繰越利益剰余金

167,661

359,945

利益剰余金合計

167,661

359,945

株主資本合計

801,016

1,001,398

新株予約権

2,013

3,828

純資産合計

803,029

1,005,227

負債純資産合計

1,251,671

1,579,867

②【損益計算書】

 

 

(単位:千円)

 

 前事業年度

(自 2021年3月1日

 至 2022年2月28日)

 当事業年度

(自 2022年3月1日

 至 2023年2月28日)

売上高

1,086,661

1,349,675

売上原価

197,671

334,664

売上総利益

888,989

1,015,011

販売費及び一般管理費

703,115

830,886

営業利益

185,874

184,125

営業外収益

 

 

受取利息

6

7

受取手数料

457

5,169

受取補償金

56

営業外収益合計

519

5,177

営業外費用

 

 

支払利息

1,110

1,038

支払手数料

759

954

株式交付費

463

営業外費用合計

2,333

1,992

経常利益

184,060

187,310

税引前当期純利益

184,060

187,310

法人税、住民税及び事業税

28,498

28,205

法人税等調整額

70,446

33,179

法人税等合計

41,948

4,974

当期純利益

226,008

192,284