セレンディップ・ホールディングス株式会社
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回次 |
第14期 |
第15期 |
第16期 |
第17期 |
第18期 |
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決算年月 |
2019年3月 |
2020年3月 |
2021年3月 |
2022年3月 |
2023年3月 |
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売上高 |
(千円) |
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経常利益 |
(千円) |
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親会社株主に帰属する当期純利益 |
(千円) |
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包括利益 |
(千円) |
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純資産額 |
(千円) |
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総資産額 |
(千円) |
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1株当たり純資産額 |
(円) |
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1株当たり当期純利益 |
(円) |
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潜在株式調整後1株当たり当期純利益 |
(円) |
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自己資本比率 |
(%) |
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自己資本利益率 |
(%) |
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株価収益率 |
(倍) |
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営業活動によるキャッシュ・フロー |
(千円) |
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投資活動によるキャッシュ・フロー |
(千円) |
△ |
△ |
△ |
△ |
△ |
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財務活動によるキャッシュ・フロー |
(千円) |
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△ |
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△ |
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現金及び現金同等物の期末残高 |
(千円) |
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従業員数 |
(人) |
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(外、平均臨時雇用者数) |
( |
( |
( |
( |
( |
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(注)1.第14期から第16期までの潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式は存在するものの、当社株式は非上場であったため、期中平均株価が把握できませんので記載しておりません。
2.2021年6月24日に東京証券取引所マザーズ(現グロース市場)に上場したため、第17期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益は、新規上場日から第17期の期末までの平均株価を期中平均株価とみなして算定しております。
3.第14期から第16期までの株価収益率については、当社株式は非上場であったため、記載しておりません。
4.臨時雇用者数には、パートタイマー、契約社員及び嘱託契約の従業員を含み、派遣社員を除いております。
5.第14期以降の連結財務諸表については、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号)に基づき作成しており、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、EY新日本有限責任監査法人の監査を受けております。
6.2021年2月12日開催の取締役会決議により、2021年3月10日付で普通株式1株につき10株の割合で株式分割を行っております。当該株式分割が第14期の期首に行われたと仮定して、1株当たり純資産額及び1株当たり当期純利益を算定しております。
7.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第17期の期首から適用しており、第17期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
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回次 |
第14期 |
第15期 |
第16期 |
第17期 |
第18期 |
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決算年月 |
2019年3月 |
2020年3月 |
2021年3月 |
2022年3月 |
2023年3月 |
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営業収益 |
(千円) |
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経常利益又は経常損失(△) |
(千円) |
△ |
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△ |
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当期純利益又は当期純損失(△) |
(千円) |
△ |
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△ |
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資本金 |
(千円) |
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発行済株式総数 |
(株) |
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純資産額 |
(千円) |
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総資産額 |
(千円) |
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1株当たり純資産額 |
(円) |
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1株当たり配当額 |
(円) |
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(うち1株当たり中間配当額) |
( |
( |
( |
( |
( |
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1株当たり当期純利益又は1株当たり当期純損失(△) |
(円) |
△ |
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△ |
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潜在株式調整後1株当たり当期純利益 |
(円) |
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自己資本比率 |
(%) |
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自己資本利益率 |
(%) |
△ |
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△ |
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株価収益率 |
(倍) |
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配当性向 |
(%) |
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従業員数 |
(人) |
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(外、平均臨時雇用者数) |
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( |
( |
( |
( |
( |
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株主総利回り |
(%) |
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(比較指標:配当込みTOPIX) |
(%) |
( |
( |
( |
( |
( |
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最高株価 |
(円) |
- |
- |
- |
1,507 |
1,466 |
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最低株価 |
(円) |
- |
- |
- |
698 |
655 |
(注)1.第14期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式は存在するものの、当社株式は非上場であり、期中平均株価が把握できないため、また、1株当たり当期純損失であるため記載しておりません。第15期及び第16期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式は存在するものの、当社株式は非上場であったため、期中平均株価が把握できませんので記載しておりません。
第18期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式は存在するものの、1株当たり当期純損失であるため記載しておりません。
2.2021年6月24日に東京証券取引所マザーズ(現グロース市場)に上場したため、第17期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益は、新規上場日から第17期の期末までの平均株価を期中平均株価とみなして算定しております。
3.第14期から第16期までの株価収益率については、当社株式は非上場であったため、また、第18期の株価収益率については、当期純損失であるため記載しておりません。
4.1株当たり配当額及び配当性向については、当社は配当を実施していないため、記載しておりません。
5.臨時雇用者数には、パートタイマー、契約社員及び嘱託契約の従業員を含み、派遣社員を除いております。
6.第14期以降の財務諸表については、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵省令第59号)に基づき作成しており、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、EY新日本有限責任監査法人の監査を受けております。
7.2021年2月12日開催の取締役会決議により、2021年3月10日付で普通株式1株につき10株の割合で株式分割を行っております。当該株式分割が第14期の期首に行われたと仮定して、1株当たり純資産額及び1株当たり当期純利益又は1株当たり当期純損失(△)を算定しております。
8.第14期から第17期までの株主総利回り及び比較指標については、当社は2021年6月24日に東京証券取引所マザーズ(現グロース市場)に上場したため、記載しておりません。第18期の株主総利回り及び比較指標は、2022年3月期末を基準として算定しております。
9.最高株価及び最低株価は、東京証券取引所におけるものであります。なお、2021年6月24日をもって同取引所に株式を上場いたしましたので、それ以前の株価については記載しておりません。
10.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第17期の期首から適用しており、第17期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
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2006年8月 |
名古屋市名東区に株式会社T3ネットワーク(資本金300万円)を設立 |
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2006年10月 |
社名をセレンディップ・コンサルティング株式会社に変更 ベンチャー支援目的のファンドであるSync Partners株式会社(子会社)を設立 |
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2007年5月 |
本社を名古屋市中区栄に移転 |
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2008年10月 |
本社を名古屋市中区錦に移転 |
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2013年3月 |
自ら経営執行を行うことを目的として、株式会社バンデロール(パン製造販売会社)へ当社及び当社役員で100%出資(その後、当社持分を当社役員に譲渡) |
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2014年9月 |
本社を名古屋市中区栄に移転 |
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2014年10月 |
事業承継を目的として天竜精機株式会社(現・連結子会社)の株式取得 |
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2015年10月 |
事業承継を目的として佐藤工業株式会社(現・連結子会社)の株式取得 |
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2017年7月 |
Sync Partners株式会社(子会社)を解散 |
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2018年8月 |
事業承継を目的として三井屋工業株式会社(現・連結子会社)の株式取得 |
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2018年12月 |
事業承継を目的として株式会社サンテクトの株式取得 |
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2019年2月 |
佐藤工業株式会社(現・連結子会社)が、当社からの出資により14,000万円の増資 |
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2019年12月 |
天竜精機株式会社(現・連結子会社)が、海外でのコネクタ自動機の製品競争力の強化及び将来におけるASEANへの販路・事業拡大を目的として、ベトナムのOSCO社と業務提携契約を締結 |
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2020年3月 |
事業承継問題の多様化に対応するため、当社より投資、フィナンシャル・アドバイザリー事業を移管し、セレンディップ・フィナンシャルサービス株式会社(現・連結子会社)を設立 |
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2020年4月 |
三井屋工業株式会社(現・連結子会社)が、東北エリア及び関東エリアの自動車組立生産拠点向けの高付加価値内外装部品の競争力強化を目的として、山形県米沢市に工場用地を取得 |
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2020年6月 |
株式会社サンテクトが、当社からの出資により5,500万円の増資 |
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2020年7月 |
社名をセレンディップ・ホールディングス株式会社に変更 |
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2020年7月 |
株式会社サンテクトが、IT分野の強化を目的として、ソフトウェア開発及びITエンジニア派遣事業を展開する株式会社エムジエクの株式取得 |
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2020年9月 2021年4月 |
共同投資案件であった株式会社協立製作所株式を売却 株式会社エムジエクは株式会社サンテクトと合併(株式会社サンテクトが存続会社、同時にセレンディップ・テクノロジーズ株式会社(現・連結子会社)へ社名変更) |
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2021年5月 |
山形県米沢市に三井屋工業株式会社(現・連結子会社)の東北工場新設 |
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2021年6月 |
東京証券取引所マザーズに株式を上場 |
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2022年4月 |
東京証券取引所の市場区分の見直しにより、東京証券取引所マザーズからグロース市場に移行 |
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2022年4月 2022年9月
2023年1月 2023年2月 |
本社を名古屋市中区錦(現所在地)に移転 セレンディップ・フィナンシャルサービス株式会社(現・連結子会社)と新生企業投資株式会社が、日本ものづくり事業承継投資株式会社(現・持分法適用関連会社)を設立 事業承継を目的として株式会社アペックス(現・連結子会社)の株式取得 日本ものづくり事業承継投資株式会社(現・持分法適用関連会社)が、中堅・中小製造業を対象とした事業承継ファンドとして、日本ものづくり事業承継基金1号投資事業有限責任組合を組成 |
当社グループは、当社(セレンディップ・ホールディングス株式会社)及び連結子会社6社(天竜精機株式会社、佐藤工業株式会社、三井屋工業株式会社、セレンディップ・テクノロジーズ株式会社、セレンディップ・フィナンシャルサービス株式会社、株式会社アペックス)で構成され、「プロフェッショナル・ソリューション事業」、「インベストメント事業」、「モノづくり事業」の3つの事業に区分されます。
我が国のモノづくり産業においては、中堅・中小企業が多数を占め、サプライチェーンを支えるとともに多くの雇用を創出しております。しかしながら、これらの中小企業オーナー経営者の高齢化に伴い、高い技術力・製品力がありながらも後継者不在により事業の継続が困難となり、多くの中小企業が廃業に至るという社会問題が顕在化しております。
また、後継者不在という理由に限らず、近代経営の複雑化・高度化に対応した経営管理体制が十分に構築されていない、少子高齢化に伴う労働力不足等によって経営資源を充分に確保できない、生産性が低く稼ぐ力が弱いといった課題を抱えた中堅・中小企業も数多く存在します。
このような課題を抱えた中堅・中小企業に対し、当社は「すべてのステークホルダーに価値と成長をもたらす100年企業グループ」創出というグループビジョンを掲げ、M&Aによる事業承継、中小企業が直面する複雑で高度な経営課題に対応できるプロ経営者の派遣及び経営執行にコミットしたPMI(※1)の実行、顧客企業の企業価値の回復・向上を図る一連の経営コンサルティング等、「中小企業経営の近代化(※2)」に資する総合的なソリューションを提供しております。
(※1)PMI(Post Merger Integration:M&A成立後の統合プロセス)とは、当初計画したM&A後の統合効果を最大化するための統合プロセスを指します。統合の対象範囲は、経営、業務、意識など統合に関わる全てのプロセスに及びます。M&Aが企業活動にもたらす成果の度合いは、このPMIの巧拙によって決まると言われます。
(※2)企業が継続的な成長を図るためには、限られた経営資源を有効活用して、社会環境や産業構造の急激な変化に対応していくことが求められます。このような変化を敏感に察知して、時代にフィットした経営を行うことを、当社では「経営の近代化」と呼んでいます。
当社グループは「事業承継(投資)×モノづくり(経営)」を事業領域とし、事業承継を目的としたM&A(事業承継型M&A)によってモノづくり企業を中心とした中堅・中小企業を当社グループの傘下に収める「投資」と、近代経営の複雑化・高度化に対応した経営執行によって企業価値の回復・向上を図る「経営」を主軸とした事業を行っております。
例えば、M&A仲介会社であれば、基本的に譲渡を希望する企業と買収を希望する企業の引き合わせ、提携条件の調整、取引の実行までに係るM&Aプロセスでのサービス提供を主たる事業とし、また経営コンサルティング専業会社であれば、基本的に顧客企業の自主独立による成長に対するソリューション提供を主たる事業としております。
一方、当社グループは、経営権の譲渡を希望する中堅・中小企業の開拓、M&A戦略の立案、対象企業の選定・アプローチ、各種デューデリジェンス(調査・分析)、企業価値算定、ファイナンスアレンジ(資金調達等)、取引条件・契約交渉、クロージング(資金決済等)手続といったM&Aに関わる全般的な業務を当社グループ内で一気通貫して行っております。
また、当社はプロ経営者のチームでの派遣及び経営執行にコミットしたPMIにより現場・財務・経営を徹底的に見える化し、ムダ・ムリ・ムラの排除によって生産性を高め、また数値を集約することによって意思決定のスピードと精度を高める経営管理体制の構築を行います。更には、長期的な企業価値向上を図るため、グローバル化への対応、新技術・新製品への成長投資を実行し、「中小企業経営の近代化」を推進しております。
以上により、事業承継に課題を抱えたモノづくり中堅・中小企業に対し、事業承継型M&Aという「投資」による経営改革(ターンアラウンド)を実施し、その後の経営執行にコミットした「経営」による経営改革(ターンアラウンド)を実施するといった、シームレスな(途切れのない)経営改革を行う点が当社の特徴であります。
当社グループの各事業の内容及び当社と関係会社の当該事業に係る位置づけは次のとおりであります。
なお、次の3つのセグメントは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。
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セグメント名 |
事業内容 |
主な製品・サービス |
グループ会社名 |
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プロフェッショナル・ソリューション事業 |
プロ経営者派遣 |
事業承継・事業再生等 |
当社 |
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経営 コンサルティング |
経営・IT・現場改善(DXツール提供等)コンサルティング |
||
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エンジニア派遣 |
設計・開発・ITエンジニア派遣、 ソフトウェア開発 |
セレンディップ・ テクノロジーズ㈱ |
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インベストメント事業 |
投資・M&A関連 |
共同投資、ファンド フィナンシャル・アドバイザリー |
セレンディップ・フィナンシャルサービス㈱ |
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モノづくり事業 |
オートモーティブ サプライヤー |
自動車内外装部品 (ラゲージルーム内装部品、フェンダーライナー・リアホイルハウスライナー等外装部品) |
三井屋工業㈱ |
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自動車精密部品 (オートマチック機能部品) |
佐藤工業㈱ |
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FA装置製造 |
コネクタ自動組立機、電池関連自動組立機、クリームはんだ印刷機 |
天竜精機㈱ |
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試作品製作 |
開発段階における試作品製作 |
㈱アペックス |
(1)プロフェッショナル・ソリューション事業
「プロフェッショナル・ソリューション事業」においては、事業承継等の経営課題を抱えた中堅・中小企業や技術力強化を推進するモノづくり企業へ、プロ経営者やエンジニアといった当社グループの各種プロフェッショナルを派遣し、経営課題や技術的課題に対するソリューションを提供しております。当該セグメントには、当社及びセレンディップ・テクノロジーズ株式会社が属しております。
また当社グループにおいて、当社及びセレンディップ・テクノロジーズ株式会社はグループ各社の横断的機能を担っております。当社は、グループ各社の経営の近代化を推進する経営執行の役割を担い、プロ経営者派遣及びPMIを実行するとともに、バックオフィス業務強化のためのサポートやグループ各社の交流促進など、グループ全体の組織の活性化を図っております。セレンディップ・テクノロジーズ株式会社は、外部顧客のみならず当社グループ内へのエンジニア派遣を行い、技術交流及びR&D(新技術の研究開発活動)を促進する役割を担っております。
① プロ経営者派遣(当社)
当社は、中堅・中小企業が直面する複雑で高度な経営課題に対応できる「プロ経営者」を派遣しております。
我が国のモノづくり産業においては、中堅・中小企業が多数を占め、サプライチェーンを支えるとともに多くの雇用を創出しております。しかしながら、これらの中小企業オーナー経営者の高齢化に伴い、高い技術力・製品力がありながらも後継者不在により事業の継続が困難となり、多くの中小企業が廃業に至るという社会問題が顕在化しております。
また、後継者不在という理由に限らず、近代経営の複雑化・高度化に対応した経営管理体制が十分に構築されていない、少子高齢化に伴う労働力不足等によって経営資源を充分に確保できない、生産性が低く稼ぐ力が弱いといった課題を抱えた中堅・中小企業も数多く存在します。
このような課題を抱えた中堅・中小企業や、事業承継を目的としたM&Aによって傘下に収めた連結子会社へ、当社よりプロ経営者を派遣し、経営執行にコミットした経営改革(ターンアラウンド)の実行、顧客企業の企業価値の回復・向上を図る一連の経営コンサルティング等の「中小企業経営の近代化」に資する総合的なソリューションを提供しております。
② 経営コンサルティング(当社)
新型コロナウイルス感染症拡大により大手製造メーカーの生産活動停滞等を受け、その仕入先である中小製造業の業績が悪化しており、当該企業並びに支援金融機関からの経営改善支援に対するニーズが増加しております。
また、DXに対する各社の取り組みの本格化、中堅・中小企業の基幹システムの再構築需要の増加に伴い、ITコンサルティングのニーズも増加しております。
このような経営課題を抱える中堅・中小企業の課題解決・経営改革(ターンアラウンド)に寄与するため経営改善効果を実証したIoTツール等の活用等、総合的なソリューションを提供しております。
③ エンジニア派遣(セレンディップ・テクノロジーズ株式会社)
セレンディップ・テクノロジーズ株式会社は、エンジニアを自社の正社員として雇用し、専門性の高いプロフェッショナルのエンジニアを必要とするメーカーに派遣しております。また、ソフトウェアの受託開発も行っております。
モノづくり産業においては技術力の高さが競争力となります。製品の設計や開発といった重要な業務を任せられる人材の不足を補い、自社の技術開発を推進するために、高い専門性を持った人材をエンジニア派遣という形で受け入れるメーカーが増加しております。近年の自動車業界では、自動運転や電動化に関連する激しい技術開発競争を背景に、既存の自動車開発・設計技術とは異なる分野の高度な技術を持ったエンジニアへのニーズが高まっております。
(2)インベストメント事業
「インベストメント事業」においては、金融機関等と連携した共同投資やマイノリティ出資、フィナンシャル・アドバイザリーによって、多様化する事業承継問題に柔軟かつ機動的に対応しております。事業承継等に課題を抱えた企業へのフィナンシャル・アドバイザリーの提供や、共同投資等により投資先企業への経営関与を高め、経営改革(ターンアラウンド)を促進し企業価値の向上を図り売却を通じたキャピタルゲインによって収益を獲得しております。当該セグメントには、セレンディップ・フィナンシャルサービス株式会社が属しております。
「インベストメント事業」を取り巻く環境においては、オーナー経営者の高齢化・後継者問題に加え、最近では新型コロナウイルス感染症の拡大が多数の中堅・中小企業に先行き不透明感を与えております。これによって事業承継へのニーズが高まり、事業承継問題の多様化・顕在化がますます加速していくと考えられます。
また、セレンディップ・フィナンシャルサービス株式会社は、当社と連携し、当社グループ全体の企業価値を高めるための戦略的な投資先企業の発掘を担っております。
(3)モノづくり事業
「モノづくり事業」においては、当社が事業承継を目的としたM&Aによって傘下に収めたモノづくり企業が自動車部品製造及びFA装置製造を行っております。
日本のモノづくり産業においては、自動車産業が基幹産業の一つとなっております。そのため、自動車産業に関わる中堅・中小企業の事業承継促進や収益力の強化が日本経済の発展にとって重要な課題であり、当社はこれらの自動車産業に関連する製造企業を連結子会社として傘下に収め、「中小企業経営の近代化」によって企業価値の向上を図っております。
また、少子高齢化による労働力不足や海外生産拠点の人件費上昇といった課題への解決策として、モノづくり産業における工場の省人化・FA化が進展しております。今後も省人化・FA化に関連する市場は拡大していくと考えられ、当社もFA装置製造企業を連結子会社とし、当社グループの成長において重要な位置づけとしております。
① 自動車内外装部品製造(三井屋工業株式会社)
三井屋工業株式会社は、1947年創業の自動車内外装部品メーカーです。主力製品は、自動車のラゲージルーム内装部品とフェンダーライナー・リアホイルハウスライナーといった外装部品であり、トヨタ自動車株式会社を長年主要顧客としております。
三井屋工業株式会社はトヨタ自動車株式会社と直接取引を行うサプライヤーであるため、新車種の企画段階から開発に参画し、顧客ニーズの早期把握に留まらず要求性能そのものを顧客とともに作り込むことが可能であります。自動車メーカーから発注された部品を単に納めるのではなく、自社の技術力を最大限に活かした機能性部品を顧客とともに考案することができ、高付加価値部品の製造・販売が可能という強みがあります。
また、三井屋工業株式会社では顧客の多様なニーズに応えるために競争力の高い材料を常に開発し続けており、主要素材は自社オリジナル品であります。特に、吸遮音性と軽量化を追求した材料は顧客より高い評価を得ております。近年では、自動車の車外騒音規制がより厳しくなるとともに、EV等のエコカーの生産・販売台数が増加しているなか、自動車部品にはこの吸遮音性と軽量化の両方が求められております。今後もその傾向は続くと考えられるため、このような付加価値の高い新材料を開発していくために、引き続き材料メーカーや化学メーカーと共同で材料開発に取り組んでまいります。
2002年には、三井屋工業株式会社が開発した軽さと剛性を兼ね備えた新素材である発泡PP材(※1)が、トヨタ自動車株式会社の技術開発賞を受賞いたしました。
2021年には、東北エリア及び関東エリアに自動車組立生産拠点を置く顧客へ迅速かつ柔軟に対応するため、山形県米沢市に東北工場を新設しました。東北工場では、当社グループが考えるスマートファクトリー(※2)構想を具現化するため、様々なデジタルデバイスの実装や生産性の高い設備導入を行いました。
(※1)発泡PP材とは、材料であるPP(ポリプロピレン)の内部に小さな気泡を入れることで剛性を備えたまま軽量化に成功した新素材です。
(※2)スマートファクトリーとは、工場内のあらゆる機器や設備、工場内で行う人の作業などのデータを、
IoT(モノのインターネット)などを活用して取得・収集し、このデータを分析・活用することで新たな付加価値を生み出せるようにする工場を指します。
② 自動車精密部品製造(佐藤工業株式会社)
佐藤工業株式会社は、高度な精密プレス加工技術を持つ自動車精密部品メーカーです。主力製品は、自動車のオートマチックトランスミッション(AT)の機能部品であるプレート・バルブボデーであり、株式会社アイシンを主要顧客としております。
佐藤工業株式会社は、順送プレス量産加工において板厚の半分以下(最小0.68mm)の穴を抜くという高度な精密プレス加工技術を持っております。極小の穴や楕円形など特殊な形を開けるためのパンチを金型から自社で設計・製造することによって、順送プレスでは難しいと言われていたこの精密プレス加工を可能としました。
また佐藤工業株式会社では、不良品を出さない製造工程の設計と確認作業の徹底によって、2018年度には顧客目標0.51ppm(製品5,500万個中、不良品28個以内)を大幅に下回る不良率0.13ppm(製品約5,500万個中、不良品7個)を達成しました。2019年には、アイシン精機株式会社(現・株式会社アイシン)のグループ原価賞及びアイシン・エィ・ダブリュ株式会社(現・株式会社アイシン)の総合優秀賞を受賞しました。
高い安全性が求められる自動車製造業において、高い品質の部品を安定して供給し続けるサプライヤーであることは、顧客の信頼を得るための強みとなっております。
③ FA装置製造(天竜精機株式会社)
天竜精機株式会社は、1959年の創業以来一貫して工場の製造工程を自動化・省力化するための装置を開発・製造するFA装置メーカーです。主力製品は、個別受注生産品であるコネクタ自動組立機・電池関連自動組立機等と、量産品であるクリームはんだ印刷機をはじめとした実装関連設備であります。
天竜精機株式会社は、製品の設計や技術開発を担う設計部に、全従業員の約40%の人員が所属しております。この豊富な設計陣容によって、多様な製品・製造法に合わせた軽量化・微細化・高速化等の高度な顧客ニーズに柔軟・迅速に対応し、顧客ごとに最適な機械装置を提供することが可能となっております。
2018年には、印刷条件フルデジタル設定のクリームはんだ印刷機を開発いたしました。時間の経過とともに状態が変化するクリームはんだの粘性特性(レオロジー)をレオロジーアナライザーという製品(2015年商品化)で解析し、その計測データをクリームはんだ印刷機に転送することにより、従来は熟練工の経験を基に手動で設定していた印刷条件が、高い印刷品質を維持したままフルデジタルで設定可能となりました。
④ 試作品製作(株式会社アペックス)
株式会社アペックスは、主に顧客の開発段階における試作品製作を行っており、機械加工、電子制御に留まらず、デザイン、アプリ開発に至るまで、社内一貫製作が可能な技術力を強みとしています。特に、自動車エンドユーザーに対する、新しい顧客体験の提供を可能にするための独自の技術力は、顧客から高く評価されています。また、事業の性質上、試作品の製作を通じて、今後トレンドとなる技術や材料の情報やノウハウを得ることが可能です。当社グループ企業の安定した顧客基盤を共有することで、株式会社アペックスの更なる事業拡大を図ると共に、株式会社アペックスの技術力・デザイン力を生かして当社グループ企業の製品開発力・デザイン力を高め、グループ全体の成長を加速いたします。
[事業系統図]
本書記載内容に対する理解を容易にするため、また、正しく理解していただくために、本書で記載する用語の解説は以下に記載しております。
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分野 |
用語 |
解説 |
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「投資・金融」関連 |
M&A |
M&A(Merger&Acquisition):企業の合併・買収 |
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フィナンシャルアドバイザリー |
M&Aや事業承継の他、資本業務提携や資金調達等のアドバイザー |
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デューデリジェンス |
企業の財務情報の正確性や法的なリスクを確認することを目的とした調査 |
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企業価値算定 |
M&A取引における企業の価値を客観的に算定すること |
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マイノリティ出資 |
株式の過半数を超えない投資のこと |
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「モノづくり」関連 |
R&D |
R&D(Research&Development):研究開発活動のこと |
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FA装置 |
FA(Factory Automation):生産工程の自動化を図る装置のこと |
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クリームはんだ印刷機 |
プリント基板のパッド上にクリームはんだ(はんだの粉末にフラックスを加えて、適当な粘度にしたもの)を塗布するための装置 |
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ラゲージルーム |
自動車の荷室スペース |
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フェンダーライナー |
自動車のフロントタイヤを覆っている防音対策の機能部品 |
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リアホイルハウスライナー |
自動車のリアタイヤを覆っている防音対策の機能部品 |
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オートマチックトランスミッション(AT) |
車速やエンジンの回転速度に応じて変速比を自動的に切り替える機能を備えた自動車の変速機 |
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プレート・バルブボデー |
ATを構成する油圧制御部品 |
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順送プレス |
内部に材料が送られると、複数の工程が順に進行し、1回のプレスで複雑な形状の部品を作ることができ、高い効率とスピーディーな加工が特徴 |
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名称 |
住所 |
資本金 (千円) |
主要な事業の内容 |
議決権の所有割合又は被所有割合 (%) |
関係内容 |
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(連結子会社) 佐藤工業㈱ (注)2.4. |
愛知県あま市 |
98,800 |
自動車精密部品製造 (モノづくり事業) |
100 |
経営指導・当社役職員派遣に対する経営指導料を受け取っております。 役員の兼任 2人 |
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三井屋工業㈱ (注)2.5.
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愛知県豊田市 |
75,000 |
自動車内外装部品製造 (モノづくり事業) |
100 |
経営指導・当社役職員派遣に対する経営指導料を受け取っております。 当社より、資金の借入(CMS)があります。 役員の兼任 3人 |
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天竜精機㈱ (注)2.6.
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長野県駒ヶ根市 |
63,000 |
FA装置製造 (モノづくり事業) |
100 |
経営指導・当社役職員派遣に対する経営指導料を受け取っております。 当社に対し、資金の貸付(CMS)があります。 役員の兼任 2人 |
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セレンディップ・テクノロジーズ㈱
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名古屋市中区 |
37,500 |
エンジニア派遣 (プロフェッショナル・ソリューション事業) |
100 |
経営指導・当社役職員派遣に対する経営指導料を受け取っております。 当社に対し、資金の貸付(CMS)があります。 役員の兼任 2人 |
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セレンディップ・フィナンシャルサービス㈱
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名古屋市中区 |
5,500 |
投資、フィナンシャル・アドバイザリー(インベストメント事業) |
100 |
経営指導・当社役職員派遣に対する経営指導料を受け取っております。 当社より、資金の借入(CMS)があります。 役員の兼任 3人 |
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㈱アペックス (注)7. |
東京都八王子市 |
100,000 |
開発段階における試作品製作 (モノづくり事業) |
100 |
経営指導・当社役職員派遣に対する経営指導料を受け取っております。 当社に対し、資金の貸付(CMS)があります。 役員の兼任 2人 |
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(持分法適用関連会社) 日本ものづくり事業承継投資㈱ (注)3.8. |
名古屋市中区 |
20,000 |
ファンド運営業務 (インベストメント事業) |
50 (50) |
役員の兼任 1人 |
(注)1.「主要な事業の内容」欄の( )内は、セグメント情報に記載された名称を記載しております。
2.特定子会社に該当しております。
3.議決権の所有割合の( )内は、間接所有割合で内数であります。
4.佐藤工業㈱については、売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く。)の連結売上高に占める割合が10%を超えております。
主要な損益情報等 (1)売上高 4,509,174千円
(2)経常利益 99,860千円
(3)当期純利益 70,968千円
(4)純資産額 481,546千円
(5)総資産額 2,649,648千円
5.三井屋工業㈱については、売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く。)の連結売上高に占める割合が10%を超えております。
主要な損益情報等 (1)売上高 7,300,861千円
(2)経常利益 78,663千円
(3)当期純利益 115,479千円
(4)純資産額 1,203,293千円
(5)総資産額 7,812,885千円
6.天竜精機㈱については、売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く。)の連結売上高に占める割合が10%を超えております。
主要な損益情報等 (1)売上高 1,883,036千円
(2)経常利益 106,858千円
(3)当期純利益 81,520千円
(4)純資産額 1,151,749千円
(5)総資産額 2,883,924千円
7.2023年1月10日付で株式会社アペックスの株式を取得し、同社を連結子会社といたしました。
8.日本ものづくり事業承継投資株式会社は、当連結会計年度において当社の連結子会社(セレンディップ・フィナンシャルサービス株式会社)が50%出資し設立した持分法適用関連会社です。
(1)連結会社の状況
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2023年3月31日現在 |
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セグメントの名称 |
従業員数(人) |
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プロフェッショナル・ソリューション事業 |
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( |
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インベストメント事業 |
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( |
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モノづくり事業 |
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( |
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報告セグメント計 |
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( |
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全社(共通) |
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( |
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合計 |
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( |
(注)1.従業員数は就業人員(当社グループからグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへの出向者を含む。)であり、臨時雇用者数は( )内に年間の平均人員を外数で記載しております。
2.臨時雇用者数には、パートタイマー、契約社員及び嘱託契約の従業員を含み、派遣社員を除いております。
3.全社(共通)として記載されている従業員数は、当社管理部門に所属しているものであります。
4.従業員数が前連結会計年度末と比べて83名増加しておりますが、その主な理由は、2023年1月10日付で株式会社アペックスを連結子会社としたためであります。
(2)提出会社の状況
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2023年3月31日現在 |
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従業員数(人) |
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平均年齢(歳) |
平均勤続年数(年) |
平均年間給与(円) |
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( |
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セグメントの名称 |
従業員数(人) |
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プロフェッショナル・ソリューション事業 |
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( |
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報告セグメント計 |
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( |
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全社(共通) |
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( |
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合計 |
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( |
(注)1.従業員数は就業人員(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む。)であり、臨時雇用者数は( )内に年間の平均人員を外数で記載しております。
2.臨時雇用者数は、嘱託契約の従業員であり、派遣社員を除いております。
3.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
4.全社(共通)として記載されている従業員数は、当社管理部門に所属しているものであります。
(3)労働組合の状況
当社及び当社連結子会社の佐藤工業㈱、三井屋工業㈱、セレンディップ・テクノロジーズ㈱、セレンディップ・フィナンシャルサービス㈱、㈱アペックスにおいて労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。
当社連結子会社の天竜精機㈱において、天竜精機労働組合が結成され労使関係は円満に推移しております。
(4)管理職に占める女性労働者の割合及び男性労働者の育児休業取得率
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当事業年度 |
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名 称 |
管理職に占める女性労働者の割合(%)(注)1. |
男性労働者の育児休業取得率(%) (注)2. |
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提出会社 |
5.6 |
0.0 |
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(連結子会社) 三井屋工業㈱ |
6.1 |
0.0 |
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(連結子会社) 天竜精機㈱ |
0.0 |
0.0 |
(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、「すべてのステークホルダーに価値と成長をもたらす100年企業グループ」創出というグループビジョンを掲げ、中小企業経営の近代化(使命)と、よき伝統の尊重と戦略合理的経営を追求していくこと(価値観)を目指しております。中小企業経営において変化が求められる今の時代に、古き良き伝統のみに縛られるのではなく、経営の変革により企業価値を継続・発展させていくことを基本的な経営方針としております。
(2)経営上目標とする客観的な指標
当社グループは経営上目標とする指標として、経常利益を選定しております。
当社はM&Aを実行する際、各子会社の正常収益力を基にLBOファイナンス(※)によって買収資金を調達しており、各子会社の事業活動そのものだけでなくM&Aスキーム一連のファイナンスアレンジの巧拙も、事業パフォーマンスの評価軸として重要と考えております。そのため、各子会社の本業からもたらされる収益力の改善のみならず、財務の健全化に取り組み金融費用の最適化を行い、当社及び子会社ごとに経常利益の確保を目標に設定、管理しております。
(※)LBOファイナンスとは、企業やファンドが他社を買収する際、自己資金だけではなく、買収先の資産や将来のキャッシュ・フローを見合いとした借入等で調達した資金を元手に買収を行う方法です。
(3)経営環境
①事業承継・M&A市場
帝国データバンクより2021年に発表された「全国社長の年齢調査」および2020年に公表された「全国企業『後継者不在率』動向調査」によると、経営者の平均年齢が62.49歳と高齢化が進んでいるにも関わらず、6割以上が後継者未定と発表されております。
また、中小企業庁より2019年12月に発表された「第三者承継支援総合パッケージ」によると、日本企業が関連したM&A件数は、年間4,000件程度に留まり、潜在的な後継者不在の中小企業数(127万弱)からして不十分であり、このうち2025年までに黒字廃業の可能性のある約60万社の第三者承継を促すことを目標とした施策が報告されています。
このような環境のもと、国内M&A件数は、レコフデータによると、我が国全体で2017年の3,050件から2022年では過去最多の4,304件と増加しております。事業承継課題を抱える中小企業は今後も益々増加していくものと考えられ、市場は拡大傾向にあります。
②自動車内外装部品・自動車精密部品製造市場
日本自動車部品工業会がまとめた2021年度「自動車部品出荷動向調査結果」によると、自動車車体部品合計で3兆9,895億円の出荷額(2021年4月~2022年3月)となっています。今後、自動車の電動化が進む中、防音性・静粛性は益々求められる傾向にあり、市場は拡大傾向にあります。
電動化や自動運転など次世代技術の開発競争が激化し、「100年に1度」と言われる自動車業界の変革期を生き抜くため規模拡大で競争力を強化する動きが活発化しております。業界再編の波が押し寄せる中、サプライヤーも大手・中堅を中心に再編が進む一方、中小サプライヤーの事業継続が大きな課題となっております。
③FA装置製造市場
経済産業省の「スマートファクトリーロードマップ」によると、IoT・AI・ロボット等の活用によるモノづくりのスマート化に向けた取り組みがグローバル競争を勝ち抜くために必要である旨発表されています。IoTやロボットによるデータ活用により、エンジニアリングチェーンやサプライチェーンのネットワーク化・最適化・自動化を進め、製品化・商品化の時間短縮や生産性向上等を実現していくことが未来のモノづくりに求められております。
安全性や快適性、環境性能の向上から電子化が進む車載向けでは、高速・大容量のデータ伝送性能を持つコネクタや高電圧対応の小型コネクタなどが開発され自動車技術の進化に貢献しております。これらコネクタを製造する自動機においても需要は継続的に見込まれるものと推測されます。
④試作品製作市場
経済産業省の「自動車部品産業の変遷に関する調査」によると、自動運転技術の進展に伴い、車両の部品構成に変化が生じています。自動運転における顧客価値の変化により、自動車部品産業の事業環境にも変化が生じ、「より高付加価値の提供」が求められる自動車メーカーの研究開発が活発化しています。
(4)経営戦略
①基本方針
上記経営環境のもと、M&Aを通じモノづくり企業をグループ化し、当社独自の「モノづくり事業承継プラットフォーム」に組み込むことで、グループ会社を変革・進化させ、グループ全体の成長を図るのが当社グループのビジネスモデルです。
「モノづくり事業承継プラットフォーム」とは、a.M&A実行基盤、b.経営管理基盤、c.モノづくり基盤の3つの基盤で構成され、事業承継に必要なすべてのソリューションをワンストップで提供する当社独自の仕組みを指します。
a.M&A実行基盤
M&Aプロセス全体(M&Aの戦略立案、デューデリジェンス、資金調達、PMI等)を、モノづくり事業とインベストメント事業に精通したプロフェッショナル人材が一気通貫で遂行していきます。
b.経営管理基盤
プロ経営者のタレント・マネジメント・システムの構築、業務のシェアード化、CMS(キャッシュ・マネジメント・システム)の構築及びグループ全体のGRC(ガバナンス・リスクマネジメント・コンプライアンス)体制の構築を、経営管理に精通したプロフェッショナル人材がチームで推進していきます。
c.モノづくり基盤
品質管理強化、製造効率化、IoTを活用した省人化、そして新製品開発を、モノづくり事業と経営に精通したプロフェッショナル人材がチームで推進していきます。
さらに、当社グループは、モノづくり事業承継プラットフォームで蓄積したノウハウを、グループ内に留まらず、フィナンシャル・アドバイザリー、経営コンサルティングを始めとした事業化を進め、当社グループ全体の企業価値最大化を図ります。
②成長戦略
当社グループは、更なる成長に向けた戦略として、以下の方針を立てています。
(ⅰ)事業ポートフォリオの強化
当社は、M&Aによる非連続的成長と既存事業のオーガニック成長(※)を両輪で推進し、事業ポートフォリオを強化していきます。
M&Aによる非連続的成長においては、M&Aを戦略的に実行し、スピード感を持ってグループの成長を推進します。投資企業の選定には「国際競争力が高く、サプライチェーンが強固な分野」を重点投資領域に設定し、製造業において安定的な成長が期待できる分野や、高成長・高付加価値の創造が期待できる分野を主なターゲットとした独自の投資ポートフォリオを構築していきます。
一方、既存事業のオーガニック成長においては、M&A後のPMIフェーズで、当社から派遣されたプロ経営者チームが、経営環境及び製造現場の可視化を前提とした「標準PMI」で再現性の高い統合プロセスを実現します。PMIフェーズで得た知見を当社グループの独自ノウハウとして蓄積し、「標準PMI」のアップデートを重ねることで、PMIの効果・スピードを高めていきます。
また、当社グループは自動車内外装部品製造事業、FA装置製造事業、試作品製作等において、成長に必要なR&D(新技術の研究開発活動)を積極的に行っていきます。具体的な取り組みとしては、「リサイクル率向上」「低騒音化」といった環境に配慮した取り組み、「工場の自動化」「DX化」といった効率性と品質向上への取り組み及び産学共同研究を通じた「伝送効率の改善」を実現する新素材の開発・製品化に向けた取り組みを行っていきます。
(※)当社がいう「オーガニック成長」とは、当社グループが買収した企業を含む既存事業の持続的な成長を指しています。当社グループは、既存事業の強みを活かしながら、標準化、省力化及びDX化を推進し、生産性を向上させています。また、既存事業から派生した新たな事業の創造や研究開発への取り組みもオーガニック成長の一環として位置づけています。
(ⅱ)グループ財務機能の強化
当社グループは、グループ経営の課題として収益基盤の安定化と子会社財務の健全化を目指しています。具体的には、投資効率と財務健全性の最適バランス化、当社グループ内の資金を有効活用し最適配分を行うための事業ポートフォリオ戦略によるグループ財務の安定、更には予算精度向上による継続的な収益力の改善を図っていきます。
事業ポートフォリオ戦略による投資余力の確保、金融、会計、法律等の多分野にわたる複雑で高度な専門知識やノウハウを組み合わせて「全体最適」な資金調達手段を導き出し、機動的・多様な資金調達を目指します。
(ⅲ)人的資本への投資
人的資本投資については、「第2 事業の状況 2.サステナビリティに関する考え方及び取組」をご参照ください。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループは、M&Aによる事業承継により傘下に収めた子会社の成長を通じてグループ全体の成長を図るビジネスモデルとなっており、子会社における既存事業の成長のため、及び上記のソリューション拡充のため、以下の課題に注力してまいります。
①M&A対象企業の発掘・事業の成長
当社グループはM&A案件の発掘に際し、金融機関、M&A仲介会社等様々なリソースを活用し、精緻な企業分析、M&A後の成長戦略、PMI戦略、グループシナジー等を十分に勘案した上で投資判断を実行していくことが重要であると認識しております。ターゲット案件に対しては、当社取締役を中心とした経営層及び関係部門で構成する投資委員会において、十分な審議、戦略立案等を行い、当社グループの成長に結び付くM&Aの実行に注力してまいります。
②プロ経営者の積極的採用・育成強化
当社グループの最も重要な経営資源は人材であり、M&A後のプロ経営者派遣を行う上で人材の採用・育成強化は継続的な経営課題であると認識しております。他社との差別化を推進していくため、更にはM&A案件の成功に対応するため、当該分野における優秀な専門家人材を積極的に採用し、育成強化してまいります。
③当社グループの一体化・意思統一
当社グループは、M&Aを実行しグループ内に取り込み成長することを基本的な事業戦略としております。グループ企業が増加する過程においては、各社のこれまでの歴史・企業風土・文化の違いから価値観の相違が生まれる等、一つのグループ企業として全社が同じ目標に向かい一体化していくことは容易では無いものと認識しております。
これらの課題に対し、各社横断的な会議体やコミュニケーションの場を設け、積極的な信頼関係の構築に努めてまいりたいと考えております。更には年に一度、方針説明会を開催しており、グループ方針を理解するとともに一体化・意思統一を図ってまいります。
④グローバル展開
当社グループは、子会社における海外人材の採用や海外取引は存在するものの、グローバル案件を遂行するため、業務提携・技術提携、新たな販売先・仕入先開拓等のグローバルな事業展開に対応できる人材の強化、ネットワークの構築等は必要であると判断しております。今後、グローバルな事業展開力や経営執行力を当社グループの機能に取り込むことにより、グローバル対応力の充実に努めてまいります。
⑤新市場への挑戦、技術革新・現場改革
当社グループの一部の子会社が身を置く自動車業界では、環境規制の強化による電動化の進展、自動運転技術の進化、コネクティッドカーの普及、クルマが所有するものからシェア(共有)するものへ変わるといったライフスタイルの変化など、いわゆるCASE領域の進展がめざましく、自動車産業の構造は、『100年に一度の大変革期』を迎えています。事業の枠組みや前提条件が大きく変わろうとする中、新市場への挑戦、新しい技術(技術革新)・新しいやり方(現場改革)に果敢に挑戦してまいります。
⑥財務体質の改善
当社グループはM&Aを実行する際、各子会社の正常収益力を基にLBOファイナンスによって買収資金を調達しているため有利子負債比率が高い水準にあります。利益の蓄積のほか、様々な資金調達手法を活用し、財務体質の強化を図ってまいります。
⑦内部統制の充実
企業経営の透明性と開示情報の正確性の確保、諸法規等の遵守のため、内部統制システムの整備・充実を継続的に推進し、内部管理体制の強化に取り組んでまいります。
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)当社グループ全体に関するリスク
①中期経営計画について
当社グループは、単年度予算及び中期経営計画を策定し、継続的な発展を目指して事業展開を行っております。しかしながら、中期経営計画については、策定時点の外部環境・市場環境に基づくものであり、経済情勢や所属する各種業界に想定外の変化が生じた場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
また、当社グループはM&Aによる事業承継により傘下に収めた子会社の変革・進化を通じてグループ全体の成長を図るビジネスモデルでもあり、M&Aの実施により当社グループの資産及び負債が増減するとともに、キャッシュ・フローの状況も変動します。今後のM&A戦略の実行により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
②投資のリスク
当社の投資先企業には、事業や経営組織の再構築中の企業が含まれる可能性があり、これらの企業は、将来の不確定要因を多分に含んでおり今後発生し得る様々な要因により投資先企業の業績が変動するリスクがあります。また、投資先企業の財政状態や経営成績の変動により、当社グループの業績が大きく変動する可能性があります。買収当初の見通しに対し、急激な事業環境の変化、PMIの計画遅れ等により当初の中期経営計画が達成できない可能性があります。
③プロフェッショナル人材の確保・流出について
当社は、M&A成立後の統合プロセスであるPMIについて、プロ経営者及びコンサルタントをチームで派遣する等、独自のノウハウを蓄積しており、グループ全体の成長を牽引・実現してきた経緯があります。また、当社グループはプロフェッショナル・ソリューション事業の拡大に合わせて、コンサルタント、ITエンジニア等を積極的に増員してきました。今後、当社グループの事業を拡大していく上で、専門性の高い優秀なプロフェッショナル人材であるプロ経営者、コンサルタント、ITエンジニア等の確保ができなかった場合、若しくは専門性の高い優秀な人材が流出した場合、当社グループの事業遂行に影響を与える可能性があります。
④子会社の業績変動について
当社グループは、子会社各社の財政状態及び経営成績の状況が当社グループ全体に与える影響が大きいため、子会社の業績が変動することにより当社グループの業績に影響を与える可能性があります。現在、当社においてグループ全社及び各社の経営戦略の立案や経営管理全般の統括管理を実行しておりますが、各子会社の事業運営が順調に遂行できない場合、または当社グループに予期しない変動が生じた場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
⑤新株予約権の行使による株式価値の希薄化について
当社グループでは、役員及び従業員に対するインセンティブを目的として、当社の新株予約権(以下、「ストック・オプション」という。)を付与しております。また、今後におきましても、役員及び従業員に対してインセンティブとしてストック・オプションを付与する可能性があります。これらのストック・オプションが権利行使された場合、当社株式が新たに発行され、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。
⑥事業を取り巻く環境の変化について
当社グループは、事業の遂行にあたり国内外の経済情勢、景気、株式市場の動向及び政治情勢に大きく影響を受ける可能性があり、これらの要因によって企業収益が悪化した場合、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。このため、予想した投資回収の時期のズレにより当社グループの業績が大きく変動する可能性があります。
⑦連結子会社増加に伴う連結決算体制に関するリスク
当社は、事業承継を必要とする中堅・中小企業に対して、M&Aを行い連結子会社化しておりますが、投資対象企業の管理体制が不十分であり適時適切に決算を行うことができない場合、連結決算作業が適時適切に行えない可能性があります。
⑧のれんの減損リスク
当社グループは、企業買収に伴い発生したのれんを連結貸借対照表に計上し、原則として投資回収計画の算定基礎となった期間で償却しております。事業環境の変化等により期待する成果が得られない場合は、当該のれんについて減損損失を計上し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
⑨投資有価証券の減損リスク
当社グループが保有する投資有価証券について、株式市場の動向や有価証券発行会社の財政状態の悪化により実質価額が著しく低下した場合において、評価額の引き下げに伴う減損損失を計上し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
⑩金利変動のリスク
当社グループは、企業買収に関する資金を主に金融機関からの借入により調達しております。有利子負債は総資産に比して高い水準にあるため、資金調達方法の見直しや有利子負債の抑制を行っておりますが、金利上昇となった場合、支払利息の増加を招き利益を圧迫する要因となる可能性があり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
⑪財務制限条項について
当社グループにおける金融機関からの借入金の一部において、当社グループ又は各子会社単体の各年度の年度決算における損益計算書の経常損益、各年度の年度決算期末における貸借対照表における純資産の部の金額等を基準とした財務制限条項が付加されており、利率の上昇又は請求により期限の利益を喪失する等、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
⑫情報管理システムについて
当社グループでは、製品、販売及び個人情報等の情報をシステム管理しており、システム上のトラブル等、万が一の場合に備え保守・保全の対策を講じる等、情報管理体制を構築しております。しかしながら想定を超えた技術による不正アクセスや予測不能のコンピュータウイルス感染等によって情報漏洩が発生した場合、顧客及び取引先からの損害賠償請求を含め、当社グループの社会的信用に大きく影響を与える事象が発生するリスクがあります。
また、事業買収等により取得した子会社等に対し、適切なグループガバナンスが及ばず、またはシステム・セキュリティを含む様々なリスクに対するモニタリングやコントロールが十分に及ばない等、リスクマネジメントが適切に機能しない場合には、当社グループの事業運営、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
⑬情報漏洩とインサイダー取引のリスク
当社グループの事業は、各子会社全てが顧客企業の機密情報を取得することが前提であり、顧客企業や将来的に顧客になる可能性のある企業に対して守秘義務を負っております。当社グループでは守秘義務遵守のための教育・指導を継続的に行っておりますが、何らかの理由により機密情報が外部に漏洩した場合、信用を失墜する等により、当社グループの事業戦略及び経営成績等に影響を与える可能性があります。また、当社グループはインサイダー取引防止の観点から、グループ内役職員及び従業員に教育・指導を実施しておりますが、万が一、グループ内役職員及び従業員が顧客企業の機密情報を元にインサイダー取引を行った場合、当社グループの事業戦略、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
⑭法的規制について
当社グループの主要事業を制限する直接的な法的規制は存在しないと考えております。しかしながら、当社子会社である三井屋工業株式会社は自動車内外装部品製造を行っており、「四輪車走行騒音規制」に準じた製造事業を行っております。また、技術者派遣事業を行っているセレンディップ・テクノロジーズ株式会社は「労働者派遣法」「職業安定法」に基づいて事業を行っております。両社では関係法令の遵守に努めておりますが、関係法令に違反するような行為・事象が発生した場合は、当該事業が行えなくなるリスクがあります。更には、当社が行う事業承継、企業買収、業務提携等において、直接的若しくは間接的に制限する法的規制の新規制定や変更が行われた場合、当社グループの事業戦略、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
⑮重要な訴訟等
当社グループは、有効なコンプライアンス体制の確立に努めておりますが、M&A等の事業戦略の実施に伴い、各種紛争等が発生する可能性があり、これらの紛争が訴訟等に発展する可能性があります。訴訟等が提起され、風評被害や損害賠償義務等に発展した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
⑯会計制度・税制等の導入・変更
当社グループは、新たな会計制度や税制等の導入・変更等に対し、速やかに対応するよう努めておりますが、これらの導入・変更に対応することにより、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
⑰自然災害等について
当社グループは、中部・東海地区及び東北地区に子会社本社・工場等の拠点が点在しており、販売先についても日本全国及び一部海外にも拡がっております。このため、大地震・豪雨等の自然災害により、当社グループの事務所・工場等の建物・機械設備等が破損・停止する可能性があります。また、想定外の自然災害が発生した場合、電力・水・ガス等の供給停止、交通・通信網の停止、サプライチェーンの被害等の発生により販売先への商品・製品の出荷停止や遅延につながることにより、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
⑱配当政策について
当社では株主の皆様に対する利益還元を経営の最重要課題の一つとして認識しております。現在、当社グループは引き続き成長過程にあると考えており、持続的成長に向けた積極的な投資に資本を充当していくことが株主に対する最大の利益還元につながると判断しております。このことから創業以来配当は実施していません。
将来的には、各期の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況を勘案した上で株主に対して利益還元策を実施していく方針ではありますが、現時点において配当実施の可能性及びその時期等については未定です
(2)モノづくり事業におけるリスク
①主要販売先業種の業績等による影響について
当社の主力子会社である三井屋工業株式会社、佐藤工業株式会社は、いずれも自動車業界への売上構成比が高く、特にトヨタ自動車グループ、アイシングループの販売台数、工場の稼働状況及び設備投資により、当社グループの業績が大きく影響を受ける可能性があります。更には、トヨタ自動車グループ、アイシングループの主要市場である日本、北米、欧州、アジア等における景気後退、及びそれに伴う需要の縮小は、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。天竜精機株式会社においては自動化技術による自動機製造を行っておりますが、得意先である各種メーカーの設備投資計画によって受注状況に大きく影響を与える結果、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
②技術・製品開発
自動車産業は、CASE(コネクテッド化、自動運転化、シェア/サービス化、電動化)関連技術の導入により部品メーカーを含め業界全体が大きな変革期に突入しております。当社グループにおいてもこの変革に対して、三井屋工業株式会社、佐藤工業株式会社においてEV車を含む電動車に多用される部品の自社生産に向けて研究・開発を進めております。しかしながら、競合他社における新技術の開発や、市場ニーズの変化に伴う開発途中段階での技術の新規性の喪失によるコスト優位性の低下などで売上が低下し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
③原材料、部品価格の上昇・依存に関するリスク
当社の主力子会社は、原材料・部品を外部サプライヤーより仕入れており、原油価格やエネルギー価格の高騰、世界的なインフレ圧力、為替変動等による材料・部品価格の上昇が製造コストの上昇につながり、製品単価に十分に転嫁できない場合があります。また、当社グループはサプライヤーと基本取引契約を締結し、原材料・部品の安定的な取引を安定的な生産・製造の前提としておりますが、世界的に供給が逼迫する状況やサプライヤーにおける不慮の事故等により、生産・製造遅延を招くおそれがあります。これらの事由により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
また、当社の主力子会社である佐藤工業株式会社が顧客へ供給する製品には、自社で生産しているものと外注先に生産を委託しているものがあり、製品によっては特定の外注先に依存しております。当該外注先に不測の事態が起きた場合には、製品の供給が受けられなくなり、佐藤工業株式会社が顧客に対して供給責任を果たせなくなる可能性があります。
④製品の品質不具合・契約不適合責任のリスク
当社の主力子会社は、品質管理に重点を置き、顧客のニーズに沿った高品質な製品作りに全社を挙げて取り組んでおります。しかしながら、全ての製品について品質不具合がなく、将来的にリコールが発生しないという保証はありません。また、製造物責任賠償(PL)については保険に加入していますが、この保険が最終的に負担する賠償額を十分にカバーできるという保証はありません。大規模なリコールや製造物責任賠償につながるような製品の品質不具合は、多額のコストや当社グループの評価に重大な影響を与え、それにより売上が低下し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
また、当社の主力子会社はいずれも製造業であり、引き渡した製品について、重要な不具合等を原因としたリコール、アフターサービスにより多額の補償費用の発生が見込まれる場合には、当該案件を対象とした製品保証引当金の計上が必要となり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
⑤棚卸資産の収益性の低下
当社の主力子会社を取り巻く市場環境の急変及び販売見込みの相違等の理由により滞留在庫を抱えた場合、もしくは販売価額が大幅に下落した場合等には、棚卸資産の簿価を切下げなければならない可能性があります。この場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
⑥人員の確保について
製造業における人員確保の競争が高まっております。そのため、安定的に工場を操業するために必要な人員が確保されない可能性及び人件費の高騰により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
⑦知的財産権について
当社グループが事業を優位に展開していく上で、知的財産権は重要な役割を果たしております。当社グループが保有する知的財産権については、適切な保護及び管理を行っておりますが、第三者が当社グループの技術等を使用し、市場において当社グループの競争力に影響を与える可能性があります。また、当社グループは、第三者の知的財産権を侵害しないよう留意し、調査を行っておりますが、万が一、当社グループが第三者の知的財産権を侵害した場合には、対価の支払いや損害賠償請求の訴訟等、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
⑧固定資産の減損について
当社グループにおける製造業を営む子会社については、自社で工場を有しており、生産設備等多額な有形固定資産を保有しております。事業収益の著しい低下や生産設備の遊休化、陳腐化等に伴い、固定資産の回収可能価額が大きく下落し帳簿価額を下回った場合には、減損損失の計上の可能性があり、この場合、当社グループの財政状態及び経営成績に重要な影響を与える可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症に対する行動制限が緩和され、ウィズコロナのフェーズへと移行し、経済社会活動の正常化が進む中で、個人消費や企業の設備投資に緩やかな持ち直しの動きがみられるものの、世界的な金融引締めが進む中での金融資本市場の変動や、資源・エネルギー価格の上昇等による物価高騰、供給面での制約等の懸念により、先行きが不透明な経営環境が続いております。
当社グループの事業領域である中堅・中小企業の「事業承継(投資)」におきましては、中堅・中小企業の事業承継問題が深刻化する中で、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、経済・社会活動が停滞したことに後押しされ、事業承継手段としてのM&Aニーズ(譲渡ニーズ)が一段と増加いたしました。
一方、当社グループのもう一つの事業領域である「モノづくり(経営)」におきましては、新型コロナウイルス感染拡大等に伴う半導体を中心とした部品供給の停滞によるサプライチェーンへの影響等により、自動車メーカー国内生産は、期初から継続して生産計画見直しによる影響を受けたものの、期末にかけては大きく挽回しております。
このような状況のもと、当社グループは、新型コロナウイルス感染症拡大以前から経営執行にコミットしたプロ経営者をチームで派遣し現場・財務・経営の見える化を徹底し、バックオフィスの生産性向上や製造現場での幅広いITの活用に取り組み、ムダ・ムリ・ムラの排除を実施してまいりました。当連結会計年度においては、株式会社アペックスが当社グループに加わり、同社の技術力・デザイン力をグループ各社へ波及させグループ全体の成長を加速させる環境が整いました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は15,195,426千円(前期比10.1%増)、営業利益は325,142千円(同66.8%増)、営業外収益に「受取補償金」132,185千円等を計上したため経常利益は347,378千円(同93.6%増)、特別利益に「保険解約返戻金」36,453千円、「受取保険金」138,760千円、特別損失に「役員特別功労金」30,000千円等を計上したため親会社株主に帰属する当期純利益は312,504千円(同56.3%増)となりました。
各セグメントの経営成績は次のとおりであります。
(プロフェッショナル・ソリューション事業)
プロフェッショナル・ソリューション事業には、当社、セレンディップ・テクノロジーズ株式会社が含まれております。
プロ経営者派遣におきましては、事業承継課題を抱える中堅・中小企業が今後益々増加していく社会的背景があり、中堅・中小モノづくり企業から事業承継案件、事業再生案件の当社への持ち込みが増加しております。
経営コンサルティングにおきましては、新型コロナウイルス感染症拡大により大手製造メーカーの生産活動停滞等を受け、その仕入先である中小製造業の業績が悪化しており、当該企業並びに支援金融機関からの経営改善支援に対するニーズが増加しております。また、DXに対する各社の取り組みの本格化、中堅・中小企業の基幹システムの再構築需要の増加に伴い、ITコンサルティングのニーズも増加しております。これらにより当社コンサルティング事業部の売上は前期比110.9%増と伸長し、当セグメントの増収要因となりました。一方で、経営課題を抱える中堅・中小企業の課題解決・成長に更に寄与するための積極的な人材採用により人件費や採用費等が増大したことに加え、事業拡大のための本社移転に伴う費用が発生したことが当セグメントの減益要因となっております。
エンジニア派遣におきましては、中堅・中小企業の成長を支援するため、経営基盤の強化、エンジニアのリスキリング強化、経営効率の合理化を徹底し、新しいIoTソリューションの開発とDXに注力しております。
この結果、プロフェッショナル・ソリューション事業の売上高は1,274,611千円(前期比7.9%増)、セグメント損失は53,301千円(前期は8,791千円のセグメント利益)となりました。
(インベストメント事業)
インベストメント事業には、セレンディップ・フィナンシャルサービス株式会社が含まれております。
前連結会計年度より、事業承継問題に機動的に対応すべく、上場後を見据えた案件の発掘・開拓に注力して参りました。上場後も、モノづくり企業を中心とした再生型事業承継支援サービス、フィナンシャル・アドバイザリー等の企業経営サポートを積極的に進めており、特にフィナンシャル・アドバイザリー案件の成約数は増加しております。また、当連結会計年度において、従来から構築してきた金融機関等との業務提携による初の共同投資の実行及びフィナンシャル・アドバイザリー売上を計上したこと並びにセレンディップ・フィナンシャルサービスとSBI新生銀行グループの共同ファンドである「日本ものづくり事業承継基金1号投資事業有限責任組合」設立によって管理業務に伴う報酬の受取が発生しております。一方で、上記の活動を更に強化するべく人材採用を強化したことにより、人件費や採用費等が増大いたしました。
この結果、インベストメント事業の売上高は113,859千円(前期比65.2%増)、セグメント損失は10,571千円(前期は24,891千円のセグメント損失)となりました。
(モノづくり事業)
モノづくり事業には、三井屋工業株式会社、佐藤工業株式会社、天竜精機株式会社及び株式会社アペックスのモノづくり企業が含まれております。
自動車内外装部品製造、自動車精密部品製造におきましては、期初から半導体供給不足や供給網の混乱に伴う自動車メーカーの生産計画見直しによる減産の影響を受けておりましたが、期末にかけて自動車メーカーの国内生産が大きく挽回したことにより増収となったことに加えて、製造スタッフの多能工化推進による更なる生産性向上で固定費を削減したことも増益に寄与いたしました。
FA装置製造におきましては、供給面での制約は残るものの、新規顧客の獲得や主要顧客の設備投資活動の再開により受注は回復し、増収・増益となりました。
また、2023年1月10日付で、株式会社アペックス(試作品製作)の全株式を取得し連結子会社化したことにより第4四半期から連結財務諸表に含めております。
この結果、モノづくり事業の売上高は14,230,665千円(前期比9.6%増)、セグメント利益は389,014千円(同84.4%増)となりました。
② 財政状態の状況
(資産の部)
当連結会計年度末における流動資産の残高は、前連結会計年度末に比べ759,663千円増加し、7,741,263千円となりました。これは主に、借入金の返済等により現金及び預金が569,935千円減少した一方で、連結子会社の増加及び売上増加により売掛金が936,510千円増加したこと、仕掛品が224,436千円増加したことによるものであります。
当連結会計年度末における固定資産の残高は、前連結会計年度末に比べ275,780千円減少し、8,427,200千円となりました。これは主に、連結子会社の増加等で有形固定資産が124,756千円増加した一方で、投資有価証券の売却及び時価評価、保険解約等により投資その他の資産が416,100千円減少したことによるものであります。
この結果、総資産は16,168,464千円となり、前連結会計年度末に比べ483,883千円の増加となりました。
(負債の部)
当連結会計年度末における流動負債の残高は、前連結会計年度末に比べ1,059,716千円増加し、5,806,667千円となりました。これは主に、短期借入金が327,000千円減少した一方で、支払手形及び買掛金が262,553千円増加したこと、電子記録債務が147,966千円増加したこと、1年内返済予定の長期借入金が222,034千円増加したこと、未払金が305,748千円増加したこと、未払法人税等が180,321千円増加したこと、賞与引当金が191,096千円増加したことによるものであります。
当連結会計年度末における固定負債の残高は、前連結会計年度末に比べ486,377千円減少し、5,882,442千円となりました。これは主に、LBOローンの見直しを実施したことにより長期借入金が514,462千円減少したこと、投資有価証券の売却及び時価評価により繰延税金負債が112,434千円減少したことによるものであります。
この結果、負債合計は11,689,110千円となり、前連結会計年度末に比べ573,339千円の増加となりました。
(純資産の部)
当連結会計年度末における純資産の残高は、前連結会計年度末に比べ89,456千円減少し、4,479,353千円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が312,504千円増加した一方で、投資有価証券の売却及び時価評価によりその他有価証券評価差額金が217,305千円減少したこと、セレンディップ・テクノロジーズ株式会社優先株式の買取りを実施したことにより、非支配株主持分が94,500千円減少したこと、自己株式が91,275千円増加したことによるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、営業活動により1,047,925千円増加、投資活動により392,066千円の減少、財務活動により867,063千円の減少となった結果、前連結会計年度末に比べ、211,153千円減少し3,012,071千円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は、1,047,925千円(前連結会計年度は777,177千円の獲得)となりました。
これは主に、税金等調整前当期純利益531,283千円、減価償却費1,057,151千円、売上債権の増加額626,696千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、392,066千円(前連結会計年度は1,172,149千円の使用)となりました。
これは主に、定期預金の払戻による収入371,781千円、「モノづくり事業」セグメントにおいて生産能力増強のため設備投資を行ったことによる有形固定資産の取得による支出817,705千円、投資有価証券の売却による収入114,555千円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出290,254千円、保険積立金の解約による収入250,895千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、867,063千円(前連結会計年度は770,801千円の獲得)となりました。
これは主に、短期借入金減少額(純額)327,000千円、約定弁済に加えてLBOローンの見直しを実施したことによる長期借入金の返済による支出682,428千円によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
前期比(%) |
|
モノづくり事業 (千円) |
11,607,074 |
102.1 |
|
合計(千円) |
11,607,074 |
102.1 |
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.プロフェッショナル・ソリューション事業、インベストメント事業が営む事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載に馴染まないため、当該記載を省略しております。
b.受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高(千円) |
前期比(%) |
受注残高(千円) |
前期比(%) |
|
プロフェッショナル・ソリューション事業 |
66,288 |
106.8 |
- |
- |
|
モノづくり事業 |
2,239,281 |
133.7 |
735,442 |
125.8 |
|
合計 |
2,305,569 |
132.8 |
735,442 |
125.8 |
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.モノづくり事業の自動車内外装部品製造及び自動車精密部品製造は、受注生産形態をとらないため受注高及び受注残高に含めておりません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
前期比(%) |
|
プロフェッショナル・ソリューション事業 (千円) |
860,601 |
113.0 |
|
インベストメント事業 (千円) |
104,159 |
171.6 |
|
モノづくり事業 (千円) |
14,230,665 |
109.6 |
|
合計(千円) |
15,195,426 |
110.1 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
||
|
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
|
㈱アイシン |
4,477,496 |
32.4 |
4,127,519 |
27.2 |
|
トヨタ自動車㈱ |
2,587,934 |
18.8 |
2,821,889 |
18.6 |
|
トヨタ紡織㈱ |
1,802,993 |
13.1 |
1,871,538 |
12.3 |
d.営業投資活動の状況
当社グループは、他社との共同投資により、モノづくり企業を中心とした中堅・中小企業への投資を行っております。
当社グループの営業投資活動(共同投資及びマイノリティ投資)を示すための投資残高は次のとおりです。
① 投資実行額
(単位:千円)
|
エクイティ投資実行額:業種別 |
前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
|
製造業 |
- |
80,000 |
|
合計 |
- |
80,000 |
(注)当連結会計年度において、株式会社名古屋キャピタルパートナーズが運営するめいぎん経営承継投資有限責任組合と共同で設立した特別目的会社を通じて、三河鉱産株式会社株式(営業投資有価証券)を譲受けたものであります。
② 投資残高
(単位:千円)
|
エクイティ投資残高:業種別 |
前連結会計年度 (2022年3月31日) |
当連結会計年度 (2023年3月31日) |
|
製造業 |
40,000 |
80,000 |
|
合計 |
40,000 |
80,000 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は本書提出日現在において、判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症に対する行動制限が緩和され、ウィズコロナのフェーズへと移行し、経済社会活動の正常化が進む中で、個人消費や企業の設備投資に緩やかな持ち直しの動きがみられるものの、世界的な金融引締めが進む中での金融資本市場の変動や、資源・エネルギー価格の上昇等による物価高騰、供給面での制約等の懸念により、先行きが不透明な経営環境が続いております。
当社グループの事業領域である中堅・中小企業の「事業承継(投資)」におきましては、中堅・中小企業の事業承継問題が深刻化する中で、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、経済・社会活動が停滞したことに後押しされ、事業承継手段としてのM&Aニーズ(譲渡ニーズ)が一段と増加いたしました。
一方、当社グループのもう一つの事業領域である「モノづくり(経営)」におきましては、新型コロナウイルス感染症拡大等に伴う半導体を中心とした部品供給の停滞によるサプライチェーンへの影響等により、自動車メーカー国内生産は、期初から継続して生産計画見直しによる影響を受けたものの、期末にかけては大きく挽回しております。
このような状況のもと、当社グループは、新型コロナウイルス感染症拡大以前から経営執行にコミットしたプロ経営者をチームで派遣し現場・財務・経営の見える化を徹底し、バックオフィスの生産性向上や製造現場での幅広いITの活用に取り組み、ムダ・ムリ・ムラの排除を実施してまいりました。
なお、経営成績については、以下のとおりです。
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、「プロフェッショナル・ソリューション事業」セグメントにおきまして、基幹システム構想支援といったITコンサルティングに対するニーズが増加したことにより増収となりました。「モノづくり事業」セグメントにおきましては、新型コロナウイルス感染症拡大等に伴う半導体を中心とした部品供給の停滞によるサプライチェーンへの影響等により、自動車メーカーの生産計画見直しによる影響を受けたものの、期末にかけて自動車メーカーの国内生産が大きく挽回したことや株式会社アペックスが連結子会社になったこともあり増収となりました。「インベストメント事業」セグメントにおいては、当連結会計年度において、共同投資の実行及びフィナンシャル・アドバイザリー売上を計上し増加となりました。
以上の結果により、前連結会計年度と比べ1,389,431千円増加の15,195,426千円(前期比10.1%増)となりました。
(売上原価、売上総利益)
当連結会計年度における売上原価は、前連結会計年度と比較して1,052,139千円増加の12,729,668千円(前期比9.0%増)となりました。「プロフェッショナル・ソリューション事業」セグメントにおきまして、積極的な人員採用等による労務費等により増加となりました。「インベストメント事業」セグメントにおきまして、保有株式の売却に伴う売上原価が発生し増加となりました。「モノづくり事業」セグメントにおきまして、製造スタッフの多能工化を推進し更なる生産性向上を実現したことで固定費が削減いたしました。
以上により売上総利益は、2,465,757千円(前期比15.8%増)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度と比較して207,021千円増加の2,140,615千円(前期比10.7%増)となりました。これは主として、株式会社アペックスが連結子会社になったこと並びに採用費及び新事務所移転に伴う経費の発生によるものであります。
以上の結果により、当連結会計年度の営業利益は、325,142千円(前期比66.8%増)となりました。
(営業外収益、営業外費用、経常利益)
営業外収益は、取引先との間でエネルギー等のコスト増加に対応する販売価格の修正に合意したことにより受取補償金132,185千円を計上したこと等により268,770千円(前期比44.4%増)となりました。また、営業外費用は、子会社において将来の金利負担を削減するため、LBOローン契約の見直しを実施し初期費用を計上したこと等により246,534千円(前期比22.3%増)となりました。
以上の結果により、当連結会計年度の経常利益は、347,378千円(前期比93.6%増)となりました。
(特別利益、特別損失、親会社株主に帰属する当期純利益)
特別利益は、保険解約返戻金36,453千円、受取保険金138,760千円等の計上により242,736千円(前期比66.4%減)となりました。また、特別損失は、役員特別功労金30,000千円等の計上により58,830千円(前期比90.9%減)となりました。
以上の結果により、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、312,504千円(前期比56.3%増)となりました。
b.財政状態の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の財政状態の状況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② 財政状態の状況」に記載されているとおりであります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載されているとおりであります。
b.資本の財源及び資金の流動性
当社グループの事業活動における資金需要の主なものは、当社グループ事業領域の「モノづくり」における設備投資及び研究開発活動に伴う投資資金、「事業承継」におけるLBOファイナンスに対する買収資金の返済があります。これらの資金需要に対して安定的な資金供給を行うための財源については、主に内部資金により確保しております。また、当社と一部の子会社は、CMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を通じて当社グループ企業相互間で余剰・不足資金を融通し、資金の効率化を図っております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
(株式取得による連結子会社化)
当社は、2022年11月21日開催の取締役会において、株式会社アペックスの全株式を取得し、子会社化することを決
議いたしました。また、同日付で株式譲渡契約を締結いたしました。当該株式譲渡契約に基づき、当社は2023年1月
10日付で株式会社アペックスの全株式を取得し、連結子会社化いたしました。
詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりであります。
当社グループにおける主要な設備は、次のとおりであります。
(1)提出会社
該当事項はありません。
(2)国内子会社
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2023年3月31日現在 |
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会社名 |
事業所名 (所在地) |
セグメントの名称 |
設備の内容 |
帳簿価額 |
従業員数 (人) |
|||||
|
建物及び構築物 (千円) |
機械装置及び運搬具 (千円) |
土地 (千円) (面積㎡) |
リース資産 (千円) |
その他 (千円) |
合計 (千円) |
|||||
|
三井屋工業㈱ |
本社工場・篠原工場(愛知県豊田市) 東北工場(山形県米沢市) |
モノづくり事業 |
自動車内外装部品 製造設備 |
897,658 |
578,582 |
1,538,477 (49,238) |
22,072 |
1,146,803 |
4,183,594 |
201 (5) |
|
天竜精機㈱ |
本社及び工場 (長野県駒ヶ根市) |
モノづくり事業 |
FA装置 製造設備 |
111,207 |
50,428 |
68,400 (12,155) |
29,353 |
18,525 |
277,915 |
90 (10) |
|
佐藤工業㈱ |
本社及び工場 (愛知県あま市) |
モノづくり事業 |
自動車精密部品 製造設備 |
369,226 |
96,262 |
542,920 (8,731) |
97,063 |
51,236 |
1,156,708 |
73 (7) |
|
㈱アペックス |
本社及び工場 (東京都八王子市) |
モノづくり事業 |
試作品 製作設備 |
157,116 |
40,414 |
- (-) |
- |
19,283 |
216,813 |
77 (2) |
(注)1.帳簿価額のうち「その他」は、「工具、器具及び備品」及び「ソフトウエア」であり、建設仮勘定を含んでおりません。
2.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数は( )内に年間の平均人員を外数で記載しております。
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種類 |
発行可能株式総数(株) |
|
普通株式 |
13,000,000 |
|
計 |
13,000,000 |
|
種類 |
事業年度末現在発行数 (株) (2023年3月31日) |
提出日現在発行数(株) (2023年6月27日) |
上場金融商品取引所名又は登録認可金融商品取引業協会名 |
内容 |
|
|
|
|
東京証券取引所 グロース市場 |
|
|
計 |
|
|
- |
- |
(注)「提出日現在発行数」欄には、2023年6月1日からこの有価証券報告書提出日までの新株予約権の行使により発行された株式数は含まれておりません。
第1回新株予約権(2016年6月10日臨時株主総会決議)
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決議年月日 |
2016年6月10日 (2016年ストック・オプション) |
|
付与対象者の区分及び人数(名) |
当社取締役 3(注)3. |
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新株予約権の数(個)※ |
17,846 |
|
新株予約権の目的となる株式の種類、内容及び数(株)※ |
普通株式 178,460 (注)1.4. |
|
新株予約権の行使時の払込金額(円)※ |
124 (注)2.4. |
|
新株予約権の行使期間 ※ |
自 2018年6月11日 至 2026年6月10日 |
|
新株予約権の行使により株式を発行する場合の株式の発行価格及び資本組入額(円)※ |
発行価格 124 (注)4. 資本組入額 62 (注)4. |
|
新株予約権の行使の条件 ※ |
新株予約権の割当てを受けた者は、権利行使時においても、当社及び当社の子会社又は当社の関連会社の取締役、監査役、相談役、執行役員、顧問又は従業員等(以下「当社の従業員等」という。)の地位を有していることを要します。ただし、当社の従業員等の地位を任期満了により退任又は定年により退職した場合並びに正当な事由がある場合はこの限りではありません。
|
|
新株予約権の譲渡に関する事項 ※ |
新株予約権の譲渡については、取締役会の承認を要します。
|
|
組織再編成行為に伴う新株予約権の交付に関する事項 ※ |
- |
※ 当事業年度の末日(2023年3月31日)における内容を記載しております。提出日の前月末現在(2023年5月31日)において、記載すべき内容が当事業年度の末日における内容から変更がないため、提出日の前月末現在に係る記載を省略しております。
(注)1.新株予約権1個につき目的となる株式数は、10株であります。
ただし、新株予約権の割当日後、当社が株式分割又は株式併合を行う場合、次の算式により付与株式数を調整し、調整により生じる1株未満の端数はこれを切り捨てます。また、当社が他社と吸収合併若しくは新設合併を行い新株予約権が承継される場合、又は当社が新設分割若しくは吸収分割を行う場合、当社は必要と認める付与株式数の調整を行います。
調整後株式数 = 調整前株式数 × 分割・併合の比率
2.新株予約権の割当日後、当社が株式分割又は株式併合を行う場合、それぞれの効力発生の時をもって次の算式により払込金額を調整し、調整により生ずる1円未満の端数は切り上げます。
|
調整後払込金額 |
= |
調整前払込金額 |
× |
1 |
|
分割・併合の比率 |
3.付与対象者の退職による権利の喪失により、本書提出日現在の「付与対象者の区分及び人数」は、当社取締役2名となっております。
4.2021年2月12日開催の取締役会決議により、2021年3月10日付で普通株式1株につき10株の割合で株式分割を行っております。これにより「新株予約権の目的となる株式の種類、内容及び数」、「新株予約権の行使時の払込金額」及び「新株予約権の行使により株式を発行する場合の株式の発行価格及び資本組入額」が調整されております。
第2回新株予約権(2018年11月9日臨時株主総会決議)
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決議年月日 |
2018年11月9日 (2018年ストック・オプション) |
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付与対象者の区分及び人数(名) |
当社監査役 3 当社従業員 8(注)3. |
|
新株予約権の数(個)※ |
600 |
|
新株予約権の目的となる株式の種類、内容及び数(株)※ |
普通株式 6,000 (注)1.4. |
|
新株予約権の行使時の払込金額(円)※ |
1,750 (注)2.4. |
|
新株予約権の行使期間 ※ |
自 2020年11月12日 至 2028年11月8日 |
|
新株予約権の行使により株式を発行する場合の株式の発行価格及び資本組入額(円)※ |
発行価格 1,750 (注)4. 資本組入額 875 (注)4.
|
|
新株予約権の行使の条件 ※ |
新株予約権の割当てを受けた者は、権利行使時においても、当社及び当社の子会社又は当社の関連会社の取締役、監査役、相談役、執行役員、顧問又は従業員等(以下「当社の従業員等」という。)の地位を有していることを要します。ただし、当社の従業員等の地位を任期満了により退任又は定年により退職した場合並びに正当な事由がある場合はこの限りではありません。
|
|
新株予約権の譲渡に関する事項 ※ |
新株予約権の譲渡については、取締役会の承認を要します。
|
|
組織再編成行為に伴う新株予約権の交付に関する事項 ※ |
- |
※ 当事業年度の末日(2023年3月31日)における内容を記載しております。提出日の前月末現在(2023年5月31日)において、記載すべき内容が当事業年度の末日における内容から変更がないため、提出日の前月末現在に係る記載を省略しております。
(注)1.新株予約権1個につき目的となる株式数は、10株であります。
ただし、新株予約権の割当日後、当社が株式分割又は株式併合を行う場合、次の算式により付与株式数を調整し、調整により生じる1株未満の端数はこれを切り捨てます。また、当社が他社と吸収合併若しくは新設合併を行い新株予約権が承継される場合、又は当社が新設分割若しくは吸収分割を行う場合、当社は必要と認める付与株式数の調整を行います。
調整後株式数 = 調整前株式数 × 分割・併合の比率
2.新株予約権の割当日後、当社が株式分割又は株式併合を行う場合、それぞれの効力発生の時をもって次の算
式により払込金額を調整し、調整により生ずる1円未満の端数は切り上げます。
|
調整後払込金額 |
= |
調整前払込金額 |
× |
1 |
|
分割・併合の比率 |
3.付与対象者の権利放棄により、本書提出日現在の「付与対象者の区分及び人数」は、当社監査役3名となっております。
4.2021年2月12日開催の取締役会決議により、2021年3月10日付で普通株式1株につき10株の割合で株式分割を行っております。これにより「新株予約権の目的となる株式の種類、内容及び数」、「新株予約権の行使時の払込金額」及び「新株予約権の行使により株式を発行する場合の株式の発行価格及び資本組入額」が調整されております。
セレンディップ・ホールディングス株式会社(第1回)新株予約権(2020年6月30日定時株主総会決議)
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決議年月日 |
2020年7月20日 (2020年ストック・オプション) |
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付与対象者の区分及び人数(名) |
当社取締役 4 当社監査役 3 子会社役員 7 当社従業員 16(注)4. |
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新株予約権の数(個)※ |
7,800[7,750] |
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新株予約権の目的となる株式の種類、内容及び数(株)※ |
普通株式 78,000[77,500](注)1.6. |
|
新株予約権の行使時の払込金額(円)※ |
1,800(注)2.6. |
|
新株予約権の行使期間 ※ |
自 2022年8月1日 至 2030年6月30日 |
|
新株予約権の行使により株式を発行する場合の 株式の発行価格及び資本組入額(円)※ |
発行価格 1,800(注)6. 資本組入額 900(注)6. |
|
新株予約権の行使の条件 ※ |
(注)3. |
|
新株予約権の譲渡に関する事項 ※ |
新株予約権の譲渡については、取締役会の承認を要します。 |
|
組織再編成行為に伴う新株予約権の交付に関する事項 ※ |
(注)5. |
※ 当事業年度の末日(2023年3月31日)における内容を記載しております。当事業年度の末日から提出日の前月末現在(2023年5月31日)にかけて変更された事項については、提出日の前月末現在における内容を[ ]内に記載しており、その他の事項については当事業年度の末日における内容から変更はありません。
(注)1.新株予約権1個当たりの目的となる株式数は、10株であります。
ただし、新株予約権の割当日後、当社が株式分割又は株式併合を行う場合、次の算式により付与株式数を調整し、調整により生じる1株未満の端数はこれを切り捨てます。また、割当日後、当社が資本金の額の減少を行う場合、合併する場合、株式交換を行う場合、会社分割を行う場合等、付与株式数の調整を必要とするやむを得ない事由が生じたときは、当該事由の条件等を勘案の上、合理的な範囲で付与株式数を調整します。ただし、以上までの調整により生じる1株未満の端数はこれを切り捨てます。
調整後付与株式数 = 調整前付与株式数 × 分割・併合の比率
2.新株予約権の割当日後、当社が株式分割又は株式併合を行う場合は、次の算式により行使価額を調整し、調整により生ずる1円未満の端数は切り上げます。
|
調整後行使価額 |
= |
調整前行使価額 |
× |
1 |
|
分割・併合の比率 |
また、割当日後、時価を下回る価額で株式の発行又は自己株式の処分を行う場合は、次の算式により行使価額を調整し、調整により生ずる1円未満の端数は切り上げます。
|
調整後 行使価額 |
|
調整前 行使価額 |
|
既発行株式数 |
+ |
新規発行株式数 ×1株当たりの払込金額 |
|
= |
× |
新規発行前の時価 |
||||
|
|
|
既発行株式数 + 新規発行株式数 |
||||
上記算式において、「既発行株式数」とは、当社の発行済株式総数から当社が保有する自己株式数を控除した数とし、また、自己株式の処分を行う場合には「新規発行株式数」を「処分する自己株式数」と読み替えます。更に、割当日後、当社が資本金の額の減少を行う場合等、株式の調整を必要とするやむを得ない事由が生じたときは、当該事由の条件等を勘案の上、合理的な範囲で行使価額を調整し、調整により生ずる1円未満の端数は切り上げます。
3.新株予約権の行使の条件
①新株予約権者は、権利行使時においても、当社の取締役、監査役及び従業員、当社の関係会社管理規程に定める子会社の取締役及び執行役員のうち当社が指定する者、その他これらに準ずる地位にあることを要します。ただし、役員の任期満了による退任、定年退職、当社の社命による転籍、その他当社が認める正当な理由がある場合はその限りではありません。
②新株予約権者が死亡した場合には、相続人がその権利を行使することができるものとします。
③新株予約権者の新株予約権の行使に係る権利行使価額の年間の合計額は、1,200万円を超えてはならないものとします。
④新株予約権者は、租税特別措置法第29条の2第1項第6号の規定に従い、新株予約権者の行使により取得する当社の株式を当社が指定する証券業者等の営業所又は事務所に保管の委託又は管理等信託を行うものとします。
4.付与対象者の退職による権利の喪失により、本書提出日現在の「付与対象者の区分及び人数」は、当社取締役4名、当社監査役3名、子会社役員7名、当社従業員13名となっております。
5.組織再編行為時における新株予約権の取扱い
当社が合併(合併により当社が消滅する場合に限る。)、吸収分割、新設分割、株式交換又は株式移転(以下、「組織再編行為」という。)をする場合において、組織再編行為の効力発生日において残存する新株予約権(以下、「残存新株予約権」という。)を保有する新株予約権者に対し、それぞれの場合につき、組織再編行為の条件に基づき、会社法第236条第1項第8号イからホまでに掲げる株式会社(以下、「再編対象会社」という。)の新株予約権をそれぞれ交付することとします。この場合においては、残存新株予約権は消滅し、再編対象会社は新株予約権を新たに発行します。
6.2021年2月12日開催の取締役会決議により、2021年3月10日付で普通株式1株につき10株の割合で株式分割を行っております。これにより「新株予約権の目的となる株式の種類、内容及び数」、「新株予約権の行使時の払込金額」及び「新株予約権の行使により株式を発行する場合の株式の発行価格及び資本組入額」が調整されております。
該当事項はありません。
|
年月日 |
発行済株式総数増減数(株) |
発行済株式総数残高(株) |
資本金増減額 (千円) |
資本金残高 (千円) |
資本準備金増減額(千円) |
資本準備金残高(千円) |
|
2018年5月18日 (注)1. |
18,856 |
299,138 |
170,000 |
570,000 |
159,980 |
504,757 |
|
2018年11月27日 (注)2. |
19,400 |
318,538 |
11,989 |
581,989 |
11,989 |
516,746 |
|
2020年12月31日 (注)2. |
19,400 |
337,938 |
11,989 |
593,978 |
11,989 |
528,735 |
|
2021年3月10日 (注)3. |
3,041,442 |
3,379,380 |
- |
593,978 |
- |
528,735 |
|
2021年6月23日 (注)4. |
850,000 |
4,229,380 |
441,830 |
1,035,808 |
441,830 |
970,565 |
|
2021年7月28日 (注)5. |
127,400 |
4,356,780 |
66,222 |
1,102,030 |
66,222 |
1,036,788 |
|
2021年12月21日 (注)2. |
193,540 |
4,550,320 |
11,999 |
1,114,030 |
11,999 |
1,048,787 |
(注)1.第三者割当増資 18,856株
発行価格 17,500円
資本組入額 9,015円
主な割当先 株式会社名南経営コンサルティング、みずほ成長支援第2号投資事業有限責任組合、
東海電子株式会社 他
2.新株予約権の行使による増加であります。
3.株式分割(1:10)によるものであります。
4.有償一般募集(ブックビルディング方式による募集)
発行価格 1,130円
引受価額 1,039.60円
資本組入額 519.80円
5.有償第三者割当(オーバーアロットメントによる売出しに関連した第三者割当増資)
発行価格 1,039.60円
資本組入額 519.80円
割当先 株式会社SBI証券
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|
|
|
|
|
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2023年3月31日現在 |
||
|
区分 |
株式の状況(1単元の株式数 |
単元未満 株式の状況 (株) |
|||||||
|
政府及び地方公共団体 |
金融機関 |
金融商品取引業者 |
その他の法人 |
外国法人等 |
個人その他 |
計 |
|||
|
個人以外 |
個人 |
||||||||
|
株主数(人) |
|
|
|
|
|
|
|
|
- |
|
所有株式数 (単元) |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
所有株式数の割合(%) |
|
|
|
|
|
|
|
100 |
- |
(注)自己株式228,280株は、「個人その他」に2,282単元及び「単元未満株式の状況」に80株を含めて記載しております。
|
|
|
2023年3月31日現在 |
|
|
氏名又は名称 |
住所 |
所有株式数 (株) |
発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合(%) |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
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|
|
|
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|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
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|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
計 |
- |
|
|
(注)1.発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合は、小数点以下第3位を四捨五入しております。
2.2023年3月31日現在の株主名簿に基づいて記載しております。
|
|
|
(単位:千円) |
|
|
前連結会計年度 (2022年3月31日) |
当連結会計年度 (2023年3月31日) |
|
資産の部 |
|
|
|
流動資産 |
|
|
|
現金及び預金 |
|
|
|
受取手形、売掛金及び契約資産 |
|
|
|
営業投資有価証券 |
|
|
|
商品及び製品 |
|
|
|
仕掛品 |
|
|
|
原材料及び貯蔵品 |
|
|
|
未収入金 |
|
|
|
その他 |
|
|
|
流動資産合計 |
|
|
|
固定資産 |
|
|
|
有形固定資産 |
|
|
|
建物及び構築物 |
|
|
|
機械装置及び運搬具 |
|
|
|
工具、器具及び備品 |
|
|
|
土地 |
|
|
|
リース資産 |
|
|
|
建設仮勘定 |
|
|
|
減価償却累計額 |
|
|
|
有形固定資産合計 |
|
|
|
無形固定資産 |
|
|
|
のれん |
|
|
|
無形資産 |
|
|
|
リース資産 |
|
|
|
ソフトウエア仮勘定 |
|
|
|
その他 |
|
|
|
無形固定資産合計 |
|
|
|
投資その他の資産 |
|
|
|
投資有価証券 |
|
|
|
関係会社株式 |
|
|
|
長期前払費用 |
|
|
|
繰延税金資産 |
|
|
|
保険積立金 |
|
|
|
長期営業債権 |
|
|
|
その他 |
|
|
|
貸倒引当金 |
△ |
△ |
|
投資その他の資産合計 |
|
|
|
固定資産合計 |
|
|
|
資産合計 |
|
|
|
|
|
(単位:千円) |
|
|
前連結会計年度 (2022年3月31日) |
当連結会計年度 (2023年3月31日) |
|
負債の部 |
|
|
|
流動負債 |
|
|
|
支払手形及び買掛金 |
|
|
|
電子記録債務 |
|
|
|
短期借入金 |
|
|
|
1年内返済予定の長期借入金 |
|
|
|
リース債務 |
|
|
|
未払金 |
|
|
|
未払費用 |
|
|
|
前受金 |
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|
|
未払法人税等 |
|
|
|
未払消費税等 |
|
|
|
賞与引当金 |
|
|
|
製品保証引当金 |
|
|
|
受注損失引当金 |
|
|
|
設備関係支払手形 |
|
|
|
その他 |
|
|
|
流動負債合計 |
|
|
|
固定負債 |
|
|
|
長期借入金 |
|
|
|
リース債務 |
|
|
|
資産除去債務 |
|
|
|
退職給付に係る負債 |
|
|
|
繰延税金負債 |
|
|
|
その他 |
|
|
|
固定負債合計 |
|
|
|
負債合計 |
|
|
|
純資産の部 |
|
|
|
株主資本 |
|
|
|
資本金 |
|
|
|
資本剰余金 |
|
|
|
利益剰余金 |
|
|
|
自己株式 |
△ |
△ |
|
株主資本合計 |
|
|
|
その他の包括利益累計額 |
|
|
|
その他有価証券評価差額金 |
|
|
|
その他の包括利益累計額合計 |
|
|
|
非支配株主持分 |
|
|
|
純資産合計 |
|
|
|
負債純資産合計 |
|
|
|
|
|
(単位:千円) |
|
|
前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
|
売上高 |
|
|
|
売上原価 |
|
|
|
売上総利益 |
|
|
|
販売費及び一般管理費 |
|
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|
営業利益 |
|
|
|
営業外収益 |
|
|
|
受取利息 |
|
|
|
受取配当金 |
|
|
|
持分法による投資利益 |
|
|
|
為替差益 |
|
|
|
雇用調整助成金 |
|
|
|
受取補償金 |
|
|
|
投資有価証券売却益 |
|
|
|
その他 |
|
|
|
営業外収益合計 |
|
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営業外費用 |
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支払利息 |
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貸倒引当金繰入額 |
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営業外支払手数料 |
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訴訟関連費用 |
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株式公開費用 |
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その他 |
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営業外費用合計 |
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経常利益 |
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特別利益 |
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段階取得に係る差益 |
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固定資産売却益 |
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投資有価証券売却益 |
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補助金収入 |
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保険解約返戻金 |
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受取保険金 |
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特別利益合計 |
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特別損失 |
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固定資産除却損 |
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固定資産売却損 |
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固定資産圧縮損 |
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投資有価証券評価損 |
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保険解約損 |
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役員特別功労金 |
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その他 |
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特別損失合計 |
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税金等調整前当期純利益 |
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法人税、住民税及び事業税 |
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法人税等調整額 |
△ |
△ |
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法人税等合計 |
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当期純利益 |
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非支配株主に帰属する当期純利益 |
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親会社株主に帰属する当期純利益 |
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1.報告セグメントの概要
当社の報告セグメントは、当社の構成単位のうち分離された財務情報の入手が可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。
当社グループは、「プロフェッショナル・ソリューション事業」「インベストメント事業」「モノづくり事業」を中核事業と位置付けており、それぞれを報告セグメントとしております。「プロフェッショナル・ソリューション事業」は、当社及びセレンディップ・テクノロジーズ株式会社が、「インベストメント事業」はセレンディップ・フィナンシャルサービス株式会社が、「モノづくり事業」は、三井屋工業株式会社、佐藤工業株式会社、天竜精機株式会社及び株式会社アペックスが担っており、各社において事業戦略の立案及び事業活動の展開を行っております。
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(単位:千円) |
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前事業年度 (2022年3月31日) |
当事業年度 (2023年3月31日) |
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資産の部 |
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流動資産 |
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現金及び預金 |
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売掛金 |
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前払費用 |
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関係会社短期貸付金 |
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1年内回収予定の関係会社長期貸付金 |
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未収入金 |
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未収還付法人税等 |
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その他 |
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流動資産合計 |
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固定資産 |
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有形固定資産 |
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建物 |
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減価償却累計額 |
△ |
△ |
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建物(純額) |
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工具、器具及び備品 |
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減価償却累計額 |
△ |
△ |
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工具、器具及び備品(純額) |
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建設仮勘定 |
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有形固定資産合計 |
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無形固定資産 |
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ソフトウエア |
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ソフトウエア仮勘定 |
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無形固定資産合計 |
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投資その他の資産 |
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関係会社株式 |
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関係会社長期貸付金 |
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出資金 |
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繰延税金資産 |
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その他 |
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投資その他の資産合計 |
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固定資産合計 |
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資産合計 |
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(単位:千円) |
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前事業年度 (2022年3月31日) |
当事業年度 (2023年3月31日) |
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負債の部 |
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流動負債 |
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短期借入金 |
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関係会社短期借入金 |
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未払金 |
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未払費用 |
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未払法人税等 |
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未払消費税等 |
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預り金 |
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賞与引当金 |
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流動負債合計 |
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固定負債 |
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関係会社長期借入金 |
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資産除去債務 |
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固定負債合計 |
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負債合計 |
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純資産の部 |
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株主資本 |
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資本金 |
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資本剰余金 |
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資本準備金 |
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その他資本剰余金 |
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資本剰余金合計 |
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利益剰余金 |
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その他利益剰余金 |
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繰越利益剰余金 |
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利益剰余金合計 |
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自己株式 |
△ |
△ |
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株主資本合計 |
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純資産合計 |
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負債純資産合計 |
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(単位:千円) |
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前事業年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当事業年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
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営業収益 |
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売上 |
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営業収益合計 |
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営業費用 |
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販売費及び一般管理費 |
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営業費用合計 |
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営業利益又は営業損失(△) |
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△ |
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営業外収益 |
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受取利息 |
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補助金収入 |
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受取家賃 |
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投資有価証券売却益 |
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その他 |
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営業外収益合計 |
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営業外費用 |
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支払利息 |
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営業外支払手数料 |
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株式公開費用 |
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その他 |
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営業外費用合計 |
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経常利益又は経常損失(△) |
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△ |
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税引前当期純利益又は税引前当期純損失(△) |
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△ |
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法人税、住民税及び事業税 |
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法人税等調整額 |
△ |
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法人税等合計 |
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当期純利益又は当期純損失(△) |
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△ |