ベイシス株式会社
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回次 |
第19期 |
第20期 |
第21期 |
第22期 |
第23期 |
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決算年月 |
2019年6月 |
2020年6月 |
2021年6月 |
2022年6月 |
2023年6月 |
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売上高 |
(千円) |
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経常利益 |
(千円) |
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当期純利益 |
(千円) |
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持分法を適用した場合の投資利益 |
(千円) |
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資本金 |
(千円) |
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発行済株式総数 |
(株) |
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純資産額 |
(千円) |
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総資産額 |
(千円) |
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1株当たり純資産額 |
(円) |
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1株当たり配当額 |
(円) |
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(うち1株当たり中間配当額) |
( |
( |
( |
( |
( |
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1株当たり当期純利益 |
(円) |
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潜在株式調整後1株当たり当期純利益 |
(円) |
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自己資本比率 |
(%) |
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自己資本利益率 |
(%) |
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株価収益率 |
(倍) |
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配当性向 |
(%) |
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営業活動によるキャッシュ・フロー |
(千円) |
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△ |
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投資活動によるキャッシュ・フロー |
(千円) |
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△ |
△ |
△ |
△ |
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財務活動によるキャッシュ・フロー |
(千円) |
△ |
△ |
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現金及び現金同等物の期末残高 |
(千円) |
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従業員数 |
(人) |
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(外、平均臨時雇用者数) |
( |
( |
( |
( |
( |
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株主総利回り |
(%) |
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(比較指標:東証グロース指数) |
(%) |
( |
( |
( |
( |
( |
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最高株価 |
(円) |
- |
- |
6,030 |
11,510 |
3,585 |
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最低株価 |
(円) |
- |
- |
5,030 |
2,382 |
2,049 |
(注)1.当社は連結財務諸表を作成しておりませんので、連結会計年度に係る主要な経営指標等の推移については記載しておりません。
2.当社は関連会社を有していないため、持分法を適用した場合の投資利益の記載をしておりません。
3.1株当たり配当額及び配当性向については、配当を実施していないため記載しておりません。
4.第19期から第20期までの潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式は存在するものの、当社株式は非上場であり、期中平均株価が把握できないため、記載しておりません。
5.当社株式は、2021年6月24日に東京証券取引所マザーズ(現・グロース)に上場したため、第21期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、新規上場日から第21期末までの平均株価を期中平均株価とみなして算定しております。
6.当社は、2021年3月17日付で普通株式1株につき50株の割合で株式分割を行っております。第19期の期首に当該株式分割が行われたと仮定して、1株当たり純資産額、1株当たり当期純利益及び潜在株式調整後1株当たり当期純利益を算定しております。
7.第19期及び第20期までの株価収益率については、当社株式は非上場であるため、記載しておりません。
8.従業員数は就業人員(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む。)であり、臨時雇用者数(パートタイマーを含む。)は、年間の平均人員を( )内に外数で記載しております。
9.2021年6月24日付をもって東京証券取引所マザーズ(現・グロース)に株式を上場いたしましたので、第19期から第21期までの株主総利回り及び比較指標については記載しておりません。
10.最高株価及び最低株価は、2022年4月3日以前については東京証券取引所マザーズにおけるものであり、2022年4月4日以降については東京証券取引所グロースにおけるものであります。
なお、2021年6月24日付をもって同取引所に株式を上場いたしましたので、それ以前の株価については記載しておりません。
11.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第22期の期首から適用しており、第22期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
当社の前身である有限会社サイバーコネクションは、当社の代表取締役社長吉村公孝が、2000年7月、広島県広島市安佐南区に、移動体通信(携帯電話)分野における電波環境最適化支援(電波調査や基地局の整備など)を提供し「情報通信インフラ」という社会的基盤を創り・支える事を目的とする会社として設立いたしました。その後、2005年に株式会社サイバーコネクションに組織変更し、2011年から2013年にかけて情報通信インフラ事業の多角化を目指し、4つの子会社(株式会社サイバーコネクションエンジニアリング、株式会社CCソリューション、株式会社CCアドバンス、ベイシスエナジーシステム株式会社)を設立しました。
2014年には株式会社サイバーコネクションをベイシスホールディングス株式会社に商号変更し、子会社を傘下に収めるホールディングカンパニー制を導入したうえで子会社の商号も「ベイシスブランド」に統合しましたが、事業の選択と集中及び管理体制の見直しを目的とし、2017年6月及び10月に組織再編を行い、現在のベイシス株式会社となりました。
有限会社サイバーコネクション設立以降、当事業年度末までの主な変遷は次のとおりであります。
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年 月 |
沿 革 |
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2000年7月 |
資本金3,000千円にて広島県広島市安佐南区に有限会社サイバーコネクションを設立 |
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インフラエンジニアリング事業モバイルエンジニアリングサービスを開始 |
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2002年1月 |
本社を広島県広島市中区に移転 |
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2005年9月 |
資本金を10,000千円に増資し、株式会社サイバーコネクションに組織変更 |
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2006年1月 |
一般労働者派遣事業認可を取得 |
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2006年4月 |
本社を東京都品川区に移転し、広島本社を支店に変更 |
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2006年10月 |
有料職業紹介事業認可を取得 |
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2006年10月 |
宮城県仙台市に仙台支店を設立 |
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2006年11月 |
福岡県福岡市に福岡支店を設立 |
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2007年3月 |
大阪府大阪市に大阪支店を設立 |
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2007年7月 |
北海道札幌市に札幌支店を設立 |
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2009年1月 |
登録点検事業者登録 |
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2009年2月 |
一般建設業許可(電気通信工事業)を取得 |
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2009年7月 |
資本金を15,000千円に増資 |
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2009年12月 |
ISMS認証取得 |
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2011年11月 |
株式会社サイバーコネクションエンジニアリングを設立 |
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2012年3月 |
資本金を50,000千円に増資 |
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2012年8月 |
株式会社CCソリューションを設立 |
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2012年8月 |
株式会社CCアドバンスを設立 |
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2013年7月 |
ベイシスエナジーシステム株式会社を設立 |
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2014年2月 |
株式会社サイバーコネクションをベイシスホールディングス株式会社に商号変更 |
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株式会社サイバーコネクションエンジニアリングをベイシスエンジニアリング株式会社へ商号変更 株式会社CCソリューションをベイシスソリューション株式会社へ商号変更 株式会社CCアドバンスをベイシスアドバンス株式会社へ商号変更 ベイシスエナジーシステム株式会社をベイシスイノベーション株式会社へ商号変更 |
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2014年5月 |
資本金を88,500千円に増資 |
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2014年6月 |
資本金を93,470千円に増資 |
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2015年4月 |
インフラエンジニアリング事業をインフラテック事業へ拡大 IoTインフラ・ネットワーク構築・運用保守などIoTエンジニアリングサービスを開始 |
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2017年6月 |
ベイシスアドバンス株式会社をベイシスエンジニアリング株式会社へ吸収合併 ベイシスイノベーション株式会社をベイシスソリューション株式会社へ吸収合併 |
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2017年10月 |
ベイシスエンジニアリング株式会社とベイシスソリューション株式会社をベイシスホールディングス株式会社へ吸収合併し、同日にベイシス株式会社に商号変更 |
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2018年7月 |
RPAツール販売を開始 |
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2021年6月 |
東京証券取引所マザーズ(現グロース)に株式を上場 |
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2023年3月 |
本社を東京都港区に移転 |
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2023年6月 |
札幌支店を閉鎖 |
当社はインフラテック事業(インフラ(infrastructure)とテクノロジー(Technology)をかけ合わせた造語となります。インフラ業界において「通信インフラ構築におけるノウハウ・スキル」に「最新テクノロジー」をかけ合わせたサービスと位置づけております。)を展開しており、通信・電力・ガス等のインフラ事業者に対し、通信インフラの設計・施工・運用・保守サービス及び各種プロジェクト支援等のサービスを提供しています。
当社サービスの特徴は、自社システムであるBLAS(※1)に加え、RPA、AIなどのテクノロジーを利活用することで、現場管理や現場作業・プロジェクト管理等のIT化を推進しているところにあります。
また、当社は国内各地域に営業拠点を設置するとともに、施工等を担う協力会社を擁し、日本全国にサービス提供可能な基盤を有しております。
当社はインフラテック事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載はしておりませんが、主たるサービス内容は以下のとおりであり、祖業であるモバイルエンジニアリングサービスを経営基盤としながら、近年は新たな成長分野としてIoTエンジニアリングサービスの提供を開始しております。
(1) モバイルエンジニアリングサービス(携帯電話のインフラ・ネットワーク構築・運用保守)
当社は携帯電話基地局の施工案件など請負による現地でのフィールド業務対応のほか、通信事業者等に対してエンジニアを常駐させ、通信インフラの構築、運用、監視等に係る一連の作業を担っております。主要顧客は通信事業者となります。
また、モバイルエンジニアリングサービスの中で当社が主たる領域としていますのは客先常駐型のプロジェクト支援業務であり、通信機器が設置されたあとに電波環境を最適化するためのインテグレーション業務の他、定常的な運用監視・保守に係る業務により通信ネットワークが正常に稼働しているか監視し、異常を検知すれば速やかに遠隔、ないしは現場作業にて対応しております。詳細な内容は以下のとおりとなります。
① エリア設計・置局・施工
携帯電話やWi-Fiなどの電波を発射する基地局工事に関わる品質管理、工期管理、免許申請、部材管理、無線ネットワーク解析、エリア検討業務等を受託し、通信インフラを構築する支援業務を行っています。業務遂行はもちろんのこと、当社はRPAやその他独自開発ツールを用いて、エラー発生時の自動検出、データベースの自動更新、データ照合の自動化などを行いヒューマンエラーの低減による業務改善や業務効率化を図っております。
また、基地局等の施工においては全国20万箇所以上(2023年6月末累計実績)のキャリアWi-Fi構築実績があります。
② インテグレーション
電波発射作業、正常性確認、無線機のソフトウェアアップグレード、工程管理等を受託しております。具体的には、基地局に対して遠隔よりデータ投入・設定をするなどして基地局が携帯電話の電波を発射できるように対応する業務となりますが、これまで全国で行ってきた通信キャリアを問わない様々な無線機への対応ノウハウをはじめ、各種ツールの開発、運用による作業の標準化や効率化を図り、オペレーションコストを削減するのみならず作業ミスの防止につなげることで作業品質を向上しております。
③ 運用監視・保守
通信障害発生時の検知、障害対応、原因調査、現地対応管理等を受託しております。本分野におきましては、当社自拠点の工事部門と連携し、障害発生時の現場対応までを迅速に行うことが可能となっております。
上記のサービスは特定の通信事業者に限ること無く提供することができると同時に様々な主要通信方式(4G、5G、WiFi、WiMAX、AXGP、LoRA等)にも対応することが可能となります。
客先常駐型のプロジェクトは準委任契約となり、プロジェクト自体が数年続くこともあるため、1ヶ月~3ヶ月契約を継続的に更新するストック型のビジネスとなります。請負系案件は業務請負契約となり、基地局工事などが完工した際に売上計上されるフロー型のビジネスとなります。
また、全国の主要な都市(仙台、東京、名古屋、大阪、広島、福岡)に設けた事業拠点にエンジニアを配置し、加えて全国各地の協力会社ネットワーク「ベイシスパートナーズ(※2)」を構築しており、日本全国を対象としたサービス展開が行える体制となっています。そのため、全国型の大規模案件の対応も可能となります。
(2) IoTエンジニアリングサービス(IoTインフラ・ネットワーク構築・運用保守)
電力、ガス等の生活インフラ提供事業者や鉄道、駐車場、小売等のIoTインフラを構築する事業者向けにIoT機器の設置、交換、運用・監視、ネットワーク構築等のサービスを提供しています。主要顧客は通信事業者、通信機器メーカー、電力会社、ガス会社となります。
① 仕様検討・機器設置
IoT機器設置における工事の仕様を検討し、現地で機器設置、ネットワーク工事を行い、設定・動作確認を行います。これまでの設置実績として電力スマートメーター設置台数は200万台(2023年6月末累計実績)です。
② 運用監視・保守
機器や通信ネットワーク等のイレギュラーや不具合の運用監視を行い、障害発生時は現地やリモートで対応を行います。
その中で当社は、BLAS、AI(画像認識)、RPAなどのテクノロジーを活用することでオペレーションコストを削減するのみならず、ヒューマンエラーの低減を可能とするサービスを提供しております。BLASではプロジェクトの進捗状況を一元管理するほか、現場の情報をスマートフォンを通じてアップロードすることでリアルタイムに現場の進捗や成果物管理が可能となっており、事後の作業報告書までも自動作成することができます。またAI(画像認識)では、現場作業員が手入力するデータと機器に表示されるデータの自動チェックを行うことでデータ誤登録を防ぎ、その他定型業務はRPAを活用することで作業の自動化を実現しております。このようにBLAS、AI(画像認識)、RPA等を活用することで作業ミスの低減、事務工数及びオペレーションコストの削減を実現しております。
機器設置案件は業務請負契約となり、フロー型のビジネスとなります。保守・運用は業務請負契約ではありますが、IoT機器の安定的な運用を維持するため、継続的な業務となり、ストック型のビジネスとなります。
また、全国の主要な都市(仙台、東京、名古屋、大阪、広島、福岡)に設けた事業拠点にエンジニアを配置し、加えて全国各地の協力会社ネットワーク「ベイシスパートナーズ」を構築しており日本全国を対象エリアとしたサービス展開が行える体制となっています。そのため、全国型の大規模案件の対応も可能としています。
(3)その他サービス
モバイルエンジニアリングサービス、IoTエンジニアリングサービスの現場業務で培ったノウハウを基に、RPA
ツールの販売、RPA導入支援のサービスを提供しています。
当社の事業系統図は下記のとおりであります。
[用語の定義]
本書記載内容に対する理解を容易にするために、また、正しい理解をいただくために、本書で使用する用語の定義と解説を以下に記載します。
なお、番号は本項「3 事業の内容」の文中において※で示した用語と対応しております。
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番号 |
用語 |
用語の定義、解説 |
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※1 |
BLAS |
自社開発の通信インフラ構築に特化したプロジェクト管理システムです。これまで通信インフラ構築の工程管理はFAXやメールなどアナログで行っていましたが、一連の作業がBLASのみで完結することが出来ます。例えば、作業員はスマートフォンから作業終了後の写真をアップロードすることで自動的に作業報告書を作成することができ、管理者側ではクラウド上のAIを通じて画像認識による品質確認を行うなど、人手による作業の自動化・効率化を実現しています。 |
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※2 |
ベイシスパートナーズ |
当社の事業説明を行い、今後発注する案件を受託する意思を持ち登録している外注先企業です。各社とは専属契約を締結しているわけではなく、ベイシスパートナーズは当社の外注先企業の呼称であり、総数は417社となっております(2023年6月末時点)。 ベイシスパートナーズに登録するメリットとしては、当社が独立系エンジニアリング会社のため、特定の顧客・業界に関わらず発注できること、自社の得意な分野の案件のみ受注可能なこと、BLAS等を無償で活用できることなどがあります。 ベイシスパートナーズには人材派遣会社、工事会社、システム開発会社、その他があります。 |
該当事項はありません。
(1)提出会社の状況
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2023年6月30日現在 |
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従業員数(人) |
平均年齢(歳) |
平均勤続年数(年) |
平均年間給与(千円) |
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( |
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(注)1.従業員数は就業人員(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む。)であります。
2.臨時雇用者数(パートタイマーを含む。)は、年間の平均人数を( )内に外数で記載しております。
3.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
4.当社は「インフラテック事業」の単一セグメントであるため、セグメント別の記載はしておりません。
(2)労働組合の状況
当社において労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。
(3)管理職に占める女性労働者の割合、労働者の男女別の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
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当事業年度 |
|||||||
|
管理職に占める女性労働者の割合(%) (注)1. |
男性労働者の育児休業取得率(%) (注)2. |
女性労働者の育児休業取得率(%) (注)2. |
労働者の男女の賃金の差異(%)(注)1. |
||||
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3.2 |
33.3 |
100.0 |
全労働者 |
正規雇用労働者 |
パートタイム・ 有期労働者 |
||
|
76.2 |
全正規雇用 労働者 |
管理職 |
一般社員 |
76.4 |
|||
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77.7 |
113.4 |
82.0 |
|||||
(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
文中の将来に関する事項は、当事業年度末において当社が判断したものであり、その達成を保証するものではありません。
(1) 経営方針
当社は、企業理念に掲げるミッションである「ICTで世の中をもっと便利に」のもと「Update The World 変化し、変化させ、必要不可欠な会社に」を企業ビジョンとしており、インフラテック事業を推進することで、インフラ業界の抱えるデジタル化が遅れた非効率な現場作業や業界特有の多重下請けによる高コスト構造といった課題を解決し、より快適な社会の実現に貢献してまいります。
同時に、顧客へのサービス提供を通じて当社の社員が成長し続けることを支援し、結婚・出産といったライフステージの変化に合わせたテレワークやフレックス勤務の推進、多国籍な人材の登用などを促進するとともに、自律的でフラットな組織を構築し、顧客へ高い付加価値を提供できるプロフェッショナルの育成に努めます。
(2) 経営環境
当事業年度におけるわが国の経済は、新型コロナウイルスの5類への移行もあり、人流が活性化するなど、経済が正常化してまいりました。モバイルエンジニアリングサービスにおきましては通信キャリアの設備投資は一時的に減少し、今後もコスト抑制要請は進むことが予想されます。また、基地局建設に関わるサプライチェーンにおいて、半導体不足や新型コロナウイルス等の影響により予定よりも工程が後ずれしている領域があります。IoTエンジニアリングサービスにおいては展開しているスマートメーター設置サービスでは生活インフラ業界を中心としたスマートメーター設置が進み、引き続き堅調に推移しております。加えて、2022年2月以降、ウクライナ情勢の動向、大幅な円安等、外部環境は更に急速に変化してまいりました。
このような環境の下、当社としてはより一層のインフラテック事業の拡大によるIoT社会の実現を推進してまいります。
(3) 中長期的な経営戦略
① モバイルエンジニアリングサービスのシェア維持
モバイルエンジニアリングサービスにおいては、各携帯キャリアの設備投資はピークアウトし、2022年は合計1兆7,770億円だった投資費用が、2025年に合計1兆4,000億円まで縮小することが予想されております(株式会社MCA「携帯電話基地局市場及び周辺部材市場の現状と将来予測 2022年版」)。一方、通信キャリア各社は通信料金の値下げの影響から、経済圏サービス及び法人事業への注力を掲げています。
そのため、5Gのエリア構築から将来的な6Gエリア構築に向け、情報収集を行いながら体制を維持していきます。
② IoTシフトを進め第2の柱に
機器設置のフロー案件から監視・保守のストック案件に事業を拡大していきます。また、BLASを有償化し、SaaS※として提供していきます。これらにより新規顧客開拓、既存顧客深耕を進め、IoTエンジニアリングサービスを第2の柱に事業拡大していきます。また、IoTの顧客に対し、アップセル、クロスセルとなりうる商材・サービスを持っている企業のM&Aも積極的に検討していきます。
※SaaS(Software as a Service)は、クラウドを介して提供されるサブスクリプション型ソフトウェアサービスで、利用者はインターネット経由で柔軟にアクセス可能。BLASを有償化し、SaaSとして提供。
③ ITインフラ領域に事業拡大
これまでその他サービスはRPAのエンジニアリング等を行っておりましたが、サーバーやネットワーク関連のITインフラ領域にも事業拡大を進め、参入障壁の低い保守領域から参入し、より高単位な上流工程に事業拡大を計画しています。
▼事業ポートフォリオ図
(4) 経営上の目標の達成状況を判断させるための客観的な指標等
当社は売上高に影響する指標として下記を経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な重要指標としています。
売上高に影響する指標
①稼働人員数(モバイルエンジニアリングサービス)
②平均単価(モバイルエンジニアリングサービス)
③設置台数(IoTエンジニアリングサービス)
④平均単価(IoTエンジニアリングサービス)
当社の売上高は主にモバイルエンジニアリングサービスとIoTエンジニアリングサービスで構成されております。モバイルエンジニアリングサービスはストック型案件の売上高が大半を締めており、その売上高は稼働人員数×平均単価で形成されております。そのため、①稼働人員数と②平均単価を事業拡大に係る重要な指標としております。また、IoTエンジニアリングサービスはフロー型案件の売上高が大半を締めており、その売上高は設置台数×平均単価で形成されております。そのため、③設置台数と④平均単価を事業拡大に係る重要な指標としております。
過年度の実績は下記となります。
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KPI |
前事業年度実績 |
当事業年度実績 |
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① 稼働人員数 |
4,939人 |
4,838人 |
|
② 平均単価 |
636千円 |
638千円 |
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③ 設置台数 |
556千台 |
720千台 |
|
④ 平均単価 |
1,585円 |
1,593円 |
(注)1.ストック型案件とは顧客内でのプロジェクト支援など1ヶ月~3ヶ月の業務委任契約を継続的に更新する案件を指す。
2.フロー型案件とはIoT機器設置など単発契約の案件を指す。
3.稼働人員数とは、モバイルエンジニアリングサービスのプロジェクトに従事し、原価性のあるベイシス総稼働従業員数、パートナーエンジニアの総稼働人員数の合計を指す。
4.平均単価とは、モバイルエンジニアリングサービスではストック型案件の総売上高を総稼働人員数で割ったもの、IoTエンジニアリングサービスはフロー型案件の総売上高を設置台数で割ったものを指す。
(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
① 新規顧客及び協力会社の開拓
当社売上はソフトバンク株式会社に対する依存度が当事業年度において約41.6%となっており、その依存度を引き下げ安定的な事業基盤を構築するべく、5GやIoTの普及促進を前提とした新たな通信キャリアやIoT機器メーカーなど新規顧客との取引拡充が喫緊の課題と考えております。また、適正価格による高品質なインフラ構築・運用を全国規模へ拡大するため、国内を網羅するベイシスパートナーズの構築もあわせて拡充していく必要があると考えております。
② マーケティング強化
今までは携帯電話業界という限られた市場の中で、当社が保有するネットワークを軸に顧客を開拓してきましたが、今後広範な業界への事業拡大を進めるためにはそれに応じたマーケティングが必要となります。2019年からマーケティングや広報活動をテスト的に進めており、少しずつ効果が出始めているため、今後は更にマーケティング活動を強化します。
③ テクノロジーの強化
当社は、インフラテックによるビジネスモデルの変革を標榜しており、その根幹を担う業務のDX化を推進するため、自社内にシステム開発体制を保持しております。今後は、新しいテクノロジーを取り入れながらさらにDX化の対象となる領域を拡大し、競争優位なシステムの構築を図る必要があると考えております。
具体的には、まずは自社システムBLASの継続的な機能拡充、また将来的にはBLAS以外にも新たなシステムの開発が必要であると考えており、社内開発体制強化や他社との業務提携などを行います。そのため、DXにおける中長期ビジョンの策定やその推進担当者の選任、作業の標準化、社内システムの見直しを行い社内のDX化を推進します。
④ 人材の確保と育成
当社において、いかに人材を採用し育成するかは事業を拡大するうえでの重要な課題の一つであると考えております。安定的な採用を維持し人材の定着率を高めるために、積極的な採用を行っていくとともに、人事研修制度の充実、資格取得※の促進や多様な勤務形態の導入等により社員にとって働きがいのある働きやすい環境の整備も実施してまいります。また、生産キャパシティの拡大という観点より協力会社リソースの拡充も必要であり、ベイシスパートナーズの獲得と協力会社社員への指導、育成も進めてまいります。
※ 社内エンジニアの48%が国家資格を保有(2023年6月末時点)
⑤ 個人情報の取り扱い及び情報管理体制の強化
当社では、個宅へのIoT機器設置をはじめ、各事業で提供するサービスの特性上、住所・氏名等の個人情報を取り扱うことがあります。そのため、情報管理体制をさらに強化することが課題であると考えております。これらの情報の取り扱いについては、情報セキュリティマネジメントシステム国際規格(ISO27001)認証を取得し、個人情報や機密情報に関する取り扱いを社内規程に定めておりますが、今後も社内研修の継続実施等により、セキュリティ意識の喚起や情報リテラシーの向上に努めて参ります。
⑥ 法令遵守の体制強化
当社のサービスは、業務委託契約(準委任契約を含む)により事業を行う場合があります。その場合、労働者派遣事業との違いを明確に認識し、「労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準」(1986年4月17日 労働省告示第37号)に従って、事業を運営しております。また、一部の事業につきましては、建設業法、労働者派遣法の適用を受けており、法令遵守の体制をより一層強化することが必要であると考えております。社内においては、入社研修や講習を定期的に実施し、法令遵守の重要性につき継続的に周知徹底を行うなど、法令に則った事業運営に努めてまいります。
⑦ 内部管理体制、コーポレート・ガバナンスの強化
当社が今後の事業環境の変化に対応し、また新たに事業拡大を進めるためには、内部管理体制とコーポレート・ガバナンスを強化していくことが重要であると認識しており、その体制を整備し実効性を高めることでリスク管理の徹底や業務の効率化を図ってまいります。
⑧ 顧客、パートナー、従業員のエンゲージメントの可視化・向上
当社は顧客、パートナー、従業員のエンゲージメントや満足度の可視化を図るため各種サーベイを導入しております。まずは2019年より従業員エンゲージメントの可視化と改善アクションを開始しており、具体的にはサーベイの結果を従業員の様々な属性(雇用形態、所属部門、在籍年数、年齢層等)から多面的に分析し、従業員の期待度と満足度の乖離が高い事項を重点対策項目として改善活動に取り組んでおります。また、2020年からはネットプロモータースコアを導入し、顧客及びパートナーから自社の強み・課題並びにその要因をヒアリングして現場にフィードバックすることで日々の業務における改善へと繋げ、当社のステークホルダー全体に係るエンゲージメントの向上を図ってまいります。
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。また、必ずしもそのようなリスク要因には該当しない事項につきましても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項につきましては、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しています。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末において当社が判断したものであり、将来において発生する可能性のあるすべてのリスクを網羅するものではありません。
① 事業環境及び顧客の動向について
当社は通信事業者(移動体通信キャリア)を主たる顧客としており、当社が展開するモバイルエンジニアリングサービス(通信インフラの施工や通信システム運営管理要員の提供等)は、利用機器であるスマートフォンが生活必需品となったことで定常的な需要があり、国内外の経済情勢や景気動向等の影響を受けづらいものであると考えております。しかしながら、2020年春にサービスが開始された第4のキャリアの参入や政府から通信キャリア各社に対する通信料金の見直し要求もあり、顧客間における競争激化や予測しえぬ業績悪化に伴い今後普及が期待される5G通信に対する設備投資費の縮小、内製化等により当社の提供するサービス領域が縮小する場合等には、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。そのため、モバイルエンジニアリングサービスに加えて第二の柱としてIoTエンジニアリングサービスを立ち上げ、その拡大をもってリスクの低減に努めております。
② 法的規制等について
当社のモバイルエンジニアリングサービスの施工業務においては、「一般建設業(電気工事業、電気通信工事業)」等の許認可を得てサービスを提供しているほか、顧客先への派遣業務について「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律」(労働者派遣法)の関係法規の規制を受けております。当社は法令遵守に努めており、当該法的規制等に抵触する事実はないものと認識しておりますが、今後何らかの理由により当該許認可等が取消となり、業務の全部若しくは一部の停止処分を受けた場合や新たな許可を取得することができなくなった場合、若しくは法的規制が変更となった場合、また新たな法規制により当社の事業展開に何らかの制約を受ける場合等には、当社の財務状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。そのため、顧問弁護士事務所による許認可維持要件の定期確認、その他にも日々の事業活動においてセルフチェックリストを用いることで、リスクの低減に努めております。
③ 自然災害・不測の事故等について
当社では、地震や津波、台風等の自然災害、新型コロナウイルス等の感染症、テロリストによる攻撃等が発生した場合、また事業遂行上重要な要素となっている情報システム・通信ネットワークがこれらの要因や停電等により遮断・停止となった場合には、担当・責任者を定め即座に対策本部を設置する他、情報収集や対策を速やかに実行できる体制を構築しております。しかしながら、これらの自然災害・不測の事故等が発生した場合、円滑な事業運営の阻害や事業活動の中断を通じて、当社の財務状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。そのため、BCP対策を整備・運用中であります。
④ 情報セキュリティについて
当社は、事業の性質上、個宅へ訪問しIoT機器を設置するなど顧客の機密情報及び個人情報に接する機会があり、また多くの顧客情報を保有しております。当社では、業務における情報セキュリティ品質確保を重要な経営課題と認識し、「情報システム管理規程」及び「個人情報保護規程」を定め、情報セキュリティ推進体制を確立し、情報管理の強化を進めております。これらの方針・体制の下、顧客や社内の情報管理取り扱いをはじめとした情報セキュリティについて、社内ルールを運用徹底し、従業員の意識向上を図るべく教育・啓発活動に取り組んでおります。また、情報システム面からも、顧客より預かる情報資産並びに当社の情報資産を適切に保護するための体制を構築し、2009年12月には、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の国際規格であるISO27001の認証を取得しております。
このように当社では、顧客情報の保護、管理に徹底して取り組んでおりますが、万が一、情報漏洩等の情報セキュリティに関する問題が発生した場合には、賠償費用の発生や取引停止、当社の信用失墜を招き以降の営業活動に支障をきたすなどして、当社の財務状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。そのため、定期的なセキュリティ教育のほかISMSの定期監査を受け、また、個人情報漏洩時に損害を補填する保険にも加入をしております。
⑤ システムやサービスの品質について
当社は、システムやサービスに対する顧客の要求が常に高度化、複雑化し続けるなか、常に顧客のニーズに答えかつ安全なサービス提供を追求し続けております。
当社独自に構築している業務管理システム「BLAS」を強みとしており、プロジェクトの進捗状況を一元管理するほか、「機器の現地設置、ネットワーク工事」、「機器設定、動作確認」においてAI(画像認識)を用い、リアルタイムに進捗や成果物管理が可能となる機能を実装しており、事後の報告書作成までも自動作成することで、事務工数並びに当該コストを低減しております。また、「BLAS」を導入し、作業を類型化することで、作業ミスを低減し、作業ミスや通信不具合による疎通未確認などの設備トラブルを回避することにも寄与しております。
しかしながら、当社ではコントロール出来ない外部要因によって重大なシステム障害やその他の欠陥が生じた場合には、賠償費用の発生や取引停止、当社の信用失墜を招き以降の営業活動に支障をきたすなどして、当社の財務状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 特定取引先・業界に対する依存度が高いことについて
当社は情報通信ネットワークの構築・施工等を主な事業としていることから、各通信事業者との取引比率が高く、特にソフトバンク株式会社に対する売上高は当事業年度において2,856,723千円(41.6%)であり、この傾向は今後とも継続することが見込まれます。当社においては特定の通信事業者への依存リスクを低減するためにIoTエンジニアリングサービスにて新たな業界への新規顧客開拓を進めております。
しかしながら、他業界の新規顧客の開拓が進まず、情報通信業界の市況動向や技術革新等によりソフトバンク株式会社はじめ各通信事業者の設備投資行動が変化した場合、また何かしらの理由により継続的な取引が不可能となった場合、当社の財務状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 競合について
通信インフラ市場、リモートモニタリング関連市場については将来にわたり成長が見込まれる市場であるため、国内外の事業者がこの分野に参入してくる可能性がありますが、先行して事業を推進していくことで、全国規模のベイシスパートナーズやプロジェクトマネジメントにおける独自のノウハウを蓄積してきたことが優位性につながっており、実際に競合する状況は限定的であると考えております。例えば、大手通信工事会社が得意とする大型基地局の建設は、工事単価は高いものの技術進歩による機器の小型化が進んでおり長期的には飽和状態になると考えます。一方、小型モバイル機器やIoT機器の作業は簡易で件数も膨大ながら、工事単価が低くなることが予想されますが、当社では作業の効率化を通じて十分な利益を確保して受託するよう努めております。
しかしながら、今後当社において十分な差別化や機能・サービスの品質向上が図られなかった場合や、新規参入の増加により競争が激化した場合には、当社の財務状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑧ 重大な人身・設備事故等の発生について
当社は、建設工事現場における人身・設備事故を未然に防ぐため、「安全・品質の確保」に対する取り組みは万全を期し、管理を強化することで事故の発生防止に日々努めています。
しかしながら、不測の事態により重大な人身・設備事故を発生させた場合、顧客からの信頼を低下させるほか、損害賠償義務の発生や受注機会の減少等により、当社の財務状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑨ 内部管理体制について
当社では、現在の規模においては適正な内部管理体制を構築していると考えておりますが、今後の事業拡大に合わせて、内部管理体制の一層の充実・強化を図る必要があると認識しております。
しかしながら、今後当社の事業規模の拡大に応じた体制構築に遅れが生じた場合、当社の事業や財務状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑩ 優秀な人材の獲得、育成について
当社では今後の企業規模拡大に伴い、当社の理念に共感し高い意欲を持った優秀な人材を継続的に採用し、強固な組織を構築していくことが重要であると考えております。今後、積極的な採用活動を行っていく予定ではありますが、当社の求める人材が十分に確保、育成できなかった場合や人材流出が進んだ場合には、当社の事業展開や財務状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑪ 業務委託先との取引関係について
当社は、個人又は法人に業務委託契約により一部を委託しております。当社では全国規模でインフラの構築・運用の拡大を図るため、これら委託先であるベイシスパートナーズとの良好な関係を構築しておりますが、何らかの理由により維持継続できなくなった場合や、今後見込まれる新規パートナー企業の開拓が困難となる場合には、当社の事業展開や財務状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑫ 新株予約権の行使による株式価値の希薄化について
当社では、業績向上に対する意欲向上を目的として、ストック・オプション制度を導入しており、会社法の規定に基づく新株予約権を当社の役員及び従業員等に付与しております。当事業年度末、新株予約権の株数は31,000株であり、当社発行済株式数の1,856,870株に対する潜在株式比率は1.7%に相当しております。これらの新株予約権の行使が行われた場合には、当社の株式価値が希薄化する可能性があります。
なお、新株予約権の内容は、「第4 提出会社の状況 1 株式等の状況 (2) 新株予約権等の状況」に記載のとおりです。
⑬ 資金使途について
当社が計画する公募増資による資金の使途につきましては、主にインフラテック事業を基盤とした新規事業やサービス拡大に備えたシステムの増強・開発への投資、人材獲得のための採用費及び教育のための費用等に充当する予定です。
しかしながら、急激に変化する事業環境に対してより柔軟に対応するため、現時点における計画以外の使途にも充当する可能性があります。資金使途計画が変更となる場合には、速やかに開示いたします。また、当初の計画に沿って資金を使用したとしても、想定どおりの投資効果を出すことができず、当社の財務状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
⑭ 多額の借入及び財務制限条項への抵触について
当社は、金融機関を貸付人とする借入契約を締結し多額の借入を行っており、2023年6月期末の総資産に占める有利子負債比率は22.6%となっております。当社が締結している借入契約には、財務制限条項が付されております。かかる財務制限条項に抵触する場合、貸付人の請求があれば当該契約上の期限の利益を失うため、ただちに債務の弁済をするための資金の確保が必要となり当社の財政状態及び資金繰りに影響を及ぼす可能性があるとともに、かかる資金の確保ができない場合は、当社の存続に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、財務制限条項は、後記「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 (貸借対照表関係)」に記載しております。
⑮ 経営者への依存について
当社の創業者である代表取締役社長の吉村公孝は、創業以来当社の経営方針や事業戦略の決定をはじめ当社の企業運営全般にわたり重要な役割を果たしております。当社では、取締役会やその他重要会議等における役員及び社員への情報共有や権限移譲を進めるなど組織体制の強化を図りながら、同氏に過度に依存しない経営体制の整備を進めております。しかしながら、何らかの理由により同氏が当社の経営執行を継続することが困難となる事態が生じた場合、当社の事業運営及び経営成績に影響を与える可能性があります。そのため、次世代の幹部人材を育成するための研修を継続実施しており、有事の際における備えをしております。
⑯ 情報システムのトラブルについて
当社では、業務の特性上、自社開発のシステムを利用しており、専門業者であるデータセンターの利用等により、データの保全、電源確保、対不正アクセス等の対策を講じています。しかしながら、大規模な災害・停電、システムやネットワーク障害、不正アクセスやコンピューターウイルス等による被害が発生した場合、当社の財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態の状況
(資産)
当事業年度末における流動資産は3,103,247千円で前事業年度末に比べ326,979千円の増加となりました。これは主にコミット型シンジケートローンの再組成による現金及び預金の増加187,808千円、モバイルエンジニアリングサービスの売上が増加したことに伴い売掛金の増加89,479千円、仕掛品の増加39,191千円によるものであります。固定資産は、451,460千円で前事業年度末に比べて200,254千円増加いたしました。これは主に、本社移転による建物等の取得で有形固定資産の増加121,090千円によるものであります。
この結果、資産合計は、3,554,708千円となり前事業年度末に比べ527,233千円増加いたしました。
(負債)
当事業年度末における負債合計は1,599,762千円で前事業年度末比241,393千円の増加となりました。これは主にコミット型シンジケートローンの再組成による短期借入金の増加300,000千円が、1年内返済予定の長期借入金の減少45,000千円および未払法人税等の減少18,661千円を上回ったことによるものであります。
(純資産)
当事業年度末における純資産は、1,954,945千円で前事業年度末比285,840千円の増加となりました。これは、当期純利益により繰越利益剰余金の増加280,166千円および新株式発行による資本金及び資本準備金のそれぞれ2,836千円の増加によるものであります。
この結果、自己資本比率は55.0%となり、1株当たり純資産額は1,052円84銭となりました。
② 経営成績の状況
当事業年度におけるわが国の経済は、国内外における新型コロナウイルス感染症拡大の影響による企業収益の低下や雇用環境の悪化が続いており、極めて厳しい状況にあります。景気の先行きについては、新型コロナウイルス感染症拡大の防止策を講じつつ、社会経済活動レベルの段階的引き上げや各種政策の効果等により持ち直しの動きがみられました。
このような経済環境のもと、当社はインフラテック事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載はしておりませんが、祖業であるモバイルエンジニアリングサービスを経営基盤としながら、近年は新たな成長分野としてIoTエンジニアリングサービスの提供を開始しております。
モバイルエンジニアリングサービスにおいては、各携帯キャリアの5Gのスタートが本格化し、通信事業者から5G関連の案件が増加いたしました。また、新規に市場参入した楽天モバイル株式会社のエリア構築案件は前年同水準の受注をしております。
以上の結果、当事業年度の経営成績は、売上高は6,863,464千円(前年同期比9.6%増)、営業利益382,606千円(前年同期比21.9%減)、経常利益363,928千円(前年同期比25.1%減)、当期純利益280,166千円(前年同期比13.7%減)となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は、前事業年度末と比較して187,808千円増加し、当事業年度末残高は1,061,675千円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、73,743千円の収入(前事業年度は2,420千円の収入)となりました。これは主に税引前当期純利益431,497千円、減価償却費22,316千円の増加要因が、売上債権の増加89,279千円および法人税等の支払額177,813千円の減少要因を上回ったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、146,549千円の支出(前事業年度は97,699千円の支出)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出40,795千円、無形固定資産の取得による支出40,072千円および敷金及び保証金の差入による支出76,367千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、260,613千円の収入(前事業年度は33,949千円の収入)となりました。これは主に短期借入金による収入300,000千円の増加要因が、長期借入金の返済による支出45,000千円を上回ったことによるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社の事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
b.受注実績
当事業年度の受注実績は、次のとおりであります。
|
当事業年度 (自 2022年7月1日 至 2023年6月30日) |
|||
|
受注高(千円) |
前年同期比(%) |
受注残高(千円) |
前年同期比(%) |
|
6,198,378 |
92.3 |
1,886,542 |
154.5 |
(注) 当社はインフラテック事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。
c.販売実績
当事業年度の販売実績は、次のとおりであります。
|
当事業年度 (自 2022年7月1日 至 2023年6月30日) |
|
|
金額(千円) |
前年同期比(%) |
|
6,863,464 |
109.6 |
(注)1.当社はインフラテック事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。
2.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前事業年度 (自 2021年7月1日 至 2022年6月30日) |
当事業年度 (自 2022年7月1日 至 2023年6月30日) |
||
|
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
|
ソフトバンク株式会社 |
3,128,356 |
49.9 |
2,856,723 |
41.6 |
|
楽天モバイル株式会社 |
1,039,344 |
16.6 |
987,774 |
14.4 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成に当たりまして経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社の財務諸表の作成に当たり重要となる会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 (重要な会計方針)」に記載しております。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態
「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態の状況」に記載のとおりであります。
b.経営成績
(売上高)
当事業年度における売上高は、6,863,464千円(前期比9.6%増)となりました。主な要因は、携帯電話事業者のインフラ投資の復調と作業効率化を目的としたシステム開発を行ったことによります。一方、電力会社向けの売上については、電力会社のスマートメーター設置計画が減少したため前年に比べ減少となりました。
(売上原価、売上総利益)
当事業年度における売上原価は、5,182,797千円(前期比10.2%増)となりました。主な要因は、人件費の増加96,643千円、業務委託費の増加552,664千円であります。
この結果、売上総利益は1,680,667千円(前期比7.8%増)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当事業年度における販売費及び一般管理費は、1,298,061千円(前期比21.4%増)となりました。主な要因は、給与手当59,724千円、採用費42,527千円の増加であります。
この結果、営業利益は382,606千円(前期比21.9%減)となりました。
(営業外損益、経常利益)
当事業年度における営業外収益は、2,950千円(前期比67.5%増)、営業外費用は、21,627千円(前期比254.9%増)となりました。営業外費用の主な内訳は、シンジケートローンの組成費用として支払手数料16,500千円、支払利息5,067千円であります。
この結果、経常利益は363,928千円(前期比25.1%減)となりました。
(特別損益、当期純利益)
当事業年度における法人税、住民税及び事業税は、156,713千円となりました。また、法人税等調整額は
△5,382千円となりました。
この結果、当事業年度の当期純利益は280,166千円(前期比13.7%減)となりました。
c.キャッシュ・フローの状況
キャッシュ・フローの分析につきましては「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
d.経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
e.資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社の運転資金需要のうち主なものは、人件費、外注費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。 当社は、事業上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針とし、営業活動によるキャッシュ・フローにより獲得した自己資金に加え、一部資金を銀行借入等により調達しており、これらの資金調達方法の優先順位等は、資金需要の額や用途に合わせて柔軟に検討を行う予定であります。なお、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は1,061,675千円となっており、当面事業を継続していくうえで十分な流動性を確保しております。
f.経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の進捗について
当社の売上高は主にモバイルエンジニアリングサービスとIoTエンジニアリングサービスで構成されております。モバイルエンジニアリングサービスはストック案件の売上高が大半を締めており、その売上高は稼働人員数×平均単価で形成されております。そのため、①稼働人員数と②平均単価を事業拡大に係る重要な指標としております。また、IoTエンジニアリングサービスはフロー案件の売上高が大半を締めており、その売上高は設置台数×平均単価で形成されております。そのため、③設置台数と④平均単価を事業拡大に係る重要な指標としております。なお、過年度の各指標の推移は下記となります。
|
KPI |
前事業年度実績 |
当事業年度実績 |
|
①稼働人員数 |
4,939人 |
4,838人 |
|
②平均単価 |
636千円 |
638千円 |
|
③設置台数 |
556千台 |
720千台 |
|
④平均単価 |
1,585円 |
1,593円 |
(財務制限条項)
当社は、2023年1月27日に金銭消費貸借契約書(シンジケートローン契約)を締結しておりますが、財務制限条項が付されております。
詳細は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 (貸借対照表関係)」に記載しております。
当社は、国内に6ヶ所の事業所を有しております。
以上のうち、主要な設備は、以下のとおりであります。
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2023年6月30日現在 |
|
事業所名 (所在地) |
設備の内容 |
帳簿価額 |
従業員数(人) |
|||||
|
建物 (千円) |
工具、器具及び備品 (千円) |
ソフトウエア (千円) |
ソフトウエア仮勘定 (千円) |
その他 (千円) |
合計 (千円) |
|||
|
本社 (東京都港区) |
本社設備 |
101,405 |
22,224 |
54,196 |
26,559 |
- |
204,385 |
245(6) |
|
仙台事業所 (仙台市青葉区) |
事業所設備 |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
22(-) |
|
名古屋事業所 (名古屋市中区) |
事業所設備 |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
9(-) |
|
大阪事業所 (大阪市西区) |
事業所設備 |
875 |
- |
- |
- |
- |
875 |
26(-) |
|
広島事業所 (広島市中区) |
事業所設備 |
3,179 |
- |
- |
- |
- |
3,179 |
39(-) |
|
福岡事業所 (福岡市博多区) |
事業所設備 |
639 |
- |
- |
- |
- |
639 |
24(-) |
(注)1.当社の本社及び事業所はすべて賃借物件であり、年間賃借料(共益費含む)は80,702千円であります。
2.従業員数の()は、臨時雇用者数(パートタイマー)は年間の平均人員数を外書しております。
|
種類 |
発行可能株式総数(株) |
|
普通株式 |
6,248,400 |
|
計 |
6,248,400 |
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種類 |
事業年度末現在発行数 (株) (2023年6月30日) |
提出日現在発行数(株) (2023年9月29日) |
上場金融商品取引所名又は登録認可金融商品取引業協会名 |
内容 |
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東京証券取引所 グロース市場 |
完全議決権株式であり、権利内容に何ら限定のない当社における標準となる株式であります。 なお、単元株式数は100株であります。 |
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計 |
|
|
- |
- |
(注)「提出日現在発行株式数」欄には、2023年9月1日からこの有価証券報告書提出日までの新株予約権の行使により発行された株式数は含まれておりません。
第3回新株予約権
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決議年月日 |
2018年6月27日 |
|
付与対象者の区分及び人数(名) |
当社取締役 2 当社従業員 27(注)4 |
|
新株予約権の数(個)※ |
620 [520] |
|
新株予約権の目的となる株式の種類、内容及び数(株)※ |
普通株式 31,000 [26,000]((注)3 |
|
新株予約権の行使時の払込金額(円)※ |
240(注)1,3 |
|
新株予約権の行使期間※ |
自 2020年7月15日 至 2025年7月14日 |
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新株予約権の行使により株式を発行する場合の株式の発行価格及び資本組入額(円)※ |
発行価格 240(注)3 資本組入額 120 |
|
新株予約権の行使の条件※ |
新株予約権の割当てを受けた者は、権利行使時においても、当社の取締役又は使用人の地位であることを要する。ただし、任期満了による退任、定年退職その他正当な理由がある場合は、この限りではない。 |
|
新株予約権の譲渡に関する事項※ |
譲渡による本新株予約権の取得については、当社取締役会の決議による承認を要するものとする。 |
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組織再編成行為に伴う新株予約権の交付に関する事項※ |
(注)2 |
※ 当事業年度の末日(2023年6月30日)における内容を記載しております。当事業年度の末日から提出日の前月末現在(2023年8月31日)にかけて変更された事項については、提出日の前月末現在における内容を[ ]内に記載しており、その他の事項については当事業年度の末日における内容から変更はありません。
(注)1.新株予約権の割当日後、当社が株式分割(株式無償割当を含む。)又は株式併合を行う場合、次の算式により行使価額を調整し、1円未満の端数は切り上げる。
|
調整後行使価額=調整前行使価額× |
1 |
|
分割・併合の比率 |
また、当社が行使価額を下回る払込金額での募集株式の発行又は自己株式の処分を行う場合(新株予約権の行使に基づく株式の発行・処分を除く)は、次の算式により行使価額を調整し、調整により生じる1円未満の端数は切り上げる。
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調整後行使価額= |
既発行株式数×調整前行使価額+新規発行済株式数×1株当たり行使価額 |
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既発行株式数+新規発行済株式数 |
上記算式において、「既発行株式数」とは、当社の発行済株式総数から当社が保有する自己株式を控除した数とし、自己株式の処分を行う場合には「新規発行」を「自己株式の処分」、「1株当たり行使価額」を「1株当たり処分金額」と読み替えるものとする。
さらに、上記のほか、当社が吸収合併、新設合併、吸収分割、新設分割、株式交換若しくは株式移転を行う場合又はその他やむを得ない事由が生じた場合には、行使価額は、合理的な範囲で調整されるものとする。
2.当社が合併(当社が合併により消滅する場合に限る。)、吸収分割若しくは新設分割(それぞれ当社が完全子会社となる場合に限る。)、又は株式交換若しくは株式移転(それぞれ当社が完全子会社となる場合に限る。)(以上を総称して以下、「組織再編行為」という。)をする場合において、組織再編行為の効力発生日(吸収合併につき吸収合併がその効抗力を生ずる日、新設合併につき新設合併設立株式会社の設立の日、吸収分割につき吸収分割がその効力を生ずる日、及び株式移転につき株式移転設立完全親会社の成立の日をいう。)の直前において残存する新株予約権(以下、「残存新株予約権」という。)を保有する新株予約権者に対し、それぞれの場合につき、会社法第236条第1項第8号イからホまでに掲げる株式会社(以下。「再編対象会社」という。)の新株予約権をそれぞれ交付することとする。ただし、以下の各号に沿って再編対象会社の新株予約権を交付する旨を、吸収合併契約、新設合併契約、吸収分割契約、新設分割計画、株式交換契約又は株式移転計画において定めることを条件とする。
① 交付する再編対象会社の新株予約権の数
新株予約権者が保有する残存新株予約権の数と同一の数をそれぞれ交付するものとする。
② 新株予約権の目的である再編対象会社の株式の種類
再編対象会社の普通株式とする。
③ 新株予約権の目的である再編対象会社の株式の数
組織再編行為の条件等を勘案の上、新株予約権の目的となる株式の数に準じて決定する。
④ 新株予約権の行使に際して出資される財産の価額
交付される各新株予約権の行使に際して出資される財産の価額は、組織再編行為の条件等を勘案の上、調整して得られる再編後払込金額に新株予約権の目的である再編対象会社の株式の数を乗じて得られる金額とする。
⑤ 新株予約権を行使することができる期間
上記に定める新株予約権を行使することができる期間の開始日と組織再編行為の効力発生日のうちいずれか遅い日から、上記に定める新株予約権を行使ができる期間の満了日までとする。
⑥ 譲渡による新株予約権の取得の制限
譲渡による新株予約権の取得については、再編対象会社の取締役会の決議による承認を要するものとする。
⑦ 新株予約権の取得事由
(1) 新株予約権者が権利行使をする前に、当社が消滅会社となる合併契約承認の議案又は当社が完全子会社となる株式交換契約承認若しくは株式移転計画承認の議案につき株主総会で承認された場合(株主総会決議が不要の場合は、当社取締役会決議がなされた場合)は、当社取締役会の決議により別途定める日をもって、当社は無償で新株予約権を取得することができる。
(2) 新株予約権者が権利行使をする前に、新株予約権の行使の条件の規定に該当しなくなった場合、及び新株予約権者が保有する新株予約権を放棄した場合には、当社取締役会の決議により別途定める日をもって、当社は無償で新株予約権を取得することができる。
3.2021年2月12日開催の取締役会決議により2021年3月17日付で普通株式1株につき50株の割合で株式分割を行っております。これにより「新株予約権の目的となる株式の種類、内容及び数」、「新株予約権の行使時の払込金額」及び「新株予約権の行使により株式を発行する場合の株式の発行価格及び資本組入額」が調整されております。
4.本書提出日現在の「付与対象者の区分及び人数」は、付与対象者の権利の行使、異動及び退職による区分の変更並びに付与対象者の退職による権利の喪失により、当社取締役1名、当社従業員9名となっております。
該当事項はありません。
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年月日 |
発行済株式総数増減数(株) |
発行済株式総数残高(株) |
資本金増減額(千円) |
資本金残高 (千円) |
資本準備金増減額(千円) |
資本準備金残高(千円) |
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2021年7月28日 (注)1 |
52,300 |
1,810,400 |
49,078 |
326,474 |
49,078 |
277,274 |
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2021年8月22日~ 2022年3月30日 (注)2 |
38,000 |
1,848,400 |
4,560 |
331,034 |
4,560 |
281,834 |
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2022年7月1日~ 2023年6月30日 (注)2 |
7,000 |
1,855,400 |
840 |
331,874 |
840 |
282,674 |
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2022年11月16日 (注)3 |
1,470 |
1,856,870 |
1,996 |
333,871 |
1,996 |
284,671 |
(注)1.有償第三者割当(オーバーアロットメントによる売出しに関連した第三者割当増資)
発行価格 1,876.80円
資本組入額 938.40円
割当先 みずほ証券株式会社
2.新株予約権(ストックオプション)の権利行使によるものであります。
3.特定譲渡制限付株式(譲渡制限付株式報酬)としての新株発行による増加によるものであります。
発行価格 2,717.00円
資本組入額 1,358.50円
割当先 取締役(社外取締役を除く)4名
4.2023年7月1日から2023年8月31日までの間に、新株予約権の行使により、発行済株式総数が5,000株、資本金及び資本準備金がそれぞれ600千円増加しております。
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2023年6月30日現在 |
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区分 |
株式の状況(1単元の株式数 |
単元未満 株式の状況 (株) |
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政府及び地方公共団体 |
金融機関 |
金融商品取引業者 |
その他の法人 |
外国法人等 |
個人その他 |
計 |
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個人以外 |
個人 |
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株主数(人) |
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所有株式数 (単元) |
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所有株式数の 割合(%) |
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100.0 |
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(注)自己株式40株は、「単元未満株式の状況」に40株を含めて記載しております。
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2023年6月30日現在 |
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氏名又は名称 |
住所 |
所有株式数 (千株) |
発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合(%) |
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J.P.MORGAN SECURITIES PLC (常任代理人 JPモルガン証券株式会社) |
25 BANK STREET CANARY WHARF LONDON UK (千代田区丸の内2丁目7番3号) |
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計 |
- |
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(注)1.所有株式数は、千株未満を四捨五入して表示しております。
2.日本カストディ銀行(証券投資信託口)の所有株式のうち、信託業務に係る株式数は153千株であり、その内訳は、投資信託設定分153千株となっております。
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(単位:千円) |
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前事業年度 (2022年6月30日) |
当事業年度 (2023年6月30日) |
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資産の部 |
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流動資産 |
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現金及び預金 |
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受取手形 |
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売掛金 |
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仕掛品 |
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前払費用 |
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その他 |
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流動資産合計 |
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固定資産 |
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有形固定資産 |
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建物 |
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減価償却累計額 |
△ |
△ |
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建物(純額) |
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工具、器具及び備品 |
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減価償却累計額 |
△ |
△ |
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工具、器具及び備品(純額) |
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有形固定資産合計 |
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無形固定資産 |
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ソフトウエア |
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ソフトウエア仮勘定 |
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その他 |
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無形固定資産合計 |
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投資その他の資産 |
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投資有価証券 |
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繰延税金資産 |
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その他 |
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投資その他の資産合計 |
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固定資産合計 |
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資産合計 |
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(単位:千円) |
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前事業年度 (2022年6月30日) |
当事業年度 (2023年6月30日) |
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負債の部 |
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流動負債 |
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買掛金 |
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短期借入金 |
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1年内返済予定の長期借入金 |
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未払金 |
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未払費用 |
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未払法人税等 |
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賞与引当金 |
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預り金 |
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その他 |
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流動負債合計 |
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負債合計 |
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純資産の部 |
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株主資本 |
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資本金 |
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資本剰余金 |
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資本準備金 |
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資本剰余金合計 |
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利益剰余金 |
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その他利益剰余金 |
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繰越利益剰余金 |
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利益剰余金合計 |
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自己株式 |
△ |
△ |
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株主資本合計 |
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純資産合計 |
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負債純資産合計 |
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(単位:千円) |
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前事業年度 (自 2021年7月1日 至 2022年6月30日) |
当事業年度 (自 2022年7月1日 至 2023年6月30日) |
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売上高 |
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売上原価 |
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売上総利益 |
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販売費及び一般管理費 |
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営業利益 |
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営業外収益 |
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受取利息 |
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助成金収入 |
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訴訟和解金 |
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受取手数料 |
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受取保険金 |
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その他 |
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営業外収益合計 |
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営業外費用 |
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支払利息 |
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支払手数料 |
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株式交付費 |
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営業外費用合計 |
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経常利益 |
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特別利益 |
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固定資産受贈益 |
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特別利益合計 |
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特別損失 |
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固定資産除却損 |
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投資有価証券評価損 |
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特別損失合計 |
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税引前当期純利益 |
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法人税、住民税及び事業税 |
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法人税等調整額 |
△ |
△ |
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法人税等合計 |
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当期純利益 |
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