日本エコシステム株式会社
(注) 1.第22期から第24期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、潜在株式は存在するものの、当社株式は非上場であったため、期中平均株価が把握できませんので記載しておりません。
2.当社は2021年10月8日に東京証券取引所市場第二部及び名古屋証券取引所市場第二部に上場したため、第25期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額は、新規上場日から当連結会計年度末までの平均株価を期中平均株価とみなして算定しております。
3.第22期から第24期の株価収益率は、当社株式が非上場であったため記載しておりません。
4.従業員数は就業人員数であり、従業員数欄の〔外書〕は、8時間換算によるパートタイマーの年間平均雇用人員であります。
5.当社は2020年8月19日付で株式1株につき100株の株式分割を行っておりますが第22期の期首に当該株式分割が行われたと仮定して1株当たり純資産額及び1株当たり当期純利益金額を算定しております。
6.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第25期の期首から適用しており、第25期に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
(注) 1.当社は2020年8月19日付で株式1株につき100株の株式分割を行っておりますが、第22期の期首に当該株式分割が行われたと仮定して1株当たり純資産額及び1株当たり当期純利益金額を算定しております。
2.第21期から第24期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、潜在株式は存在するものの、当社株式は非上場であったため、期中平均株価が把握できませんので記載しておりません。
3.当社は2021年10月8日に東京証券取引所市場第二部及び名古屋証券取引所市場第二部に上場したため、第25期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額は、新規上場日から当事業年度末までの平均株価を期中平均株価とみなして算定しております。
4.第21期から第24期の株価収益率は、当社株式が非上場であったため記載しておりません。
5.主要な経営指標等のうち、第21期については会社計算規則(平成18年法務省令第13号)の規定に基づき算出した各数値を記載しており、金融商品取引法第193条の2第1項の規定による監査を受けておりません。
6.第22期から第25期の財務諸表については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、EY新日本有限責任監査法人により監査を受けております。
7.従業員数は就業人員数であり、従業員数欄の〔外書〕は、8時間換算によるパートタイマーの年間平均雇用人員であります。
8.第21期から第25期の株主総利回り及び比較指標については、当社は2021年10月8日に東京証券取引所市場第二部及び名古屋証券取引所市場第二部に上場したため記載しておりません。
9.最高株価及び最低株価は、東京証券取引所市場第二部(現 スタンダード市場)におけるものであります。なお、当社は2021年10月8日に東京証券取引所市場第二部及び名古屋証券取引所市場第二部に上場したため、それ以前の株価については記載しておりません。
10.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第25期の期首から適用しており、第25期に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
11.第25期の1株当たり配当額50円には、上場記念配当10円を含んでおります。
当社は、1998年11月に愛知県一宮市瀬部において、当社創業者である松島穣により、省エネ効果のある照明器具の安定器の交換等を事業目的とした「有限会社エコシステム」として設立されました。その後、2001年に株式会社への組織変更を行い、商号も「日本エコシステム株式会社」に変更いたしました。
当社設立以降の企業集団に係る経緯は、次のとおりであります。
(注) 提出日現在、2022年11月7日付で公営競技に関わる事業の拡大を目的として、公営競技場の運営、TZSのソフト
ウェア開発、各種機器・システムメンテナンス等を行うオー・ティー・エス技術サービス㈱の株式を取得し、子
会社化しております。
(注) 1.当社におけるICTソリューションとは、情報通信技術を活用してITコンサル、グランドデザイン企画、構築、運用、保守を提供するものであります。具体的には、業務系基幹システムやアプリの開発(iOS、Android)、ベイジアンネットワークを活用した行動予測モデルの構築と運用サービスの提供を指しております。
(注) 2.TZSとはトータリゼータシステムの略称であり、公営競技における、オッズ(購入した馬券等が的中した際の戻り倍率)の表示、集計、投票券の発券、配当金の計算、払い戻しまでの一連の業務をコンピューターで一括処理するシステムのことを指します。発券や払い戻しを行う機器を含め、業務に関わるコンピューターネットワークの総称です。
(注) 3.ベイジアンネットワークとは、18世紀の数学者トーマス・ベイズが発見したベイズ理論に基づき、事象間の複雑な因果関係を条件付確率とネットワーク図で表現することができる予測モデルの一つであります。観測された情報をモデルに入力し確立を計算することで、未知の状況の予測や分析、シミュレーションを行うことができます。例として、人の購買行動予測、薬の効果シミュレーション、故障原因診断などが挙げられます。
当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当連結会計年度において、当社、連結子会社(日本ベンダーネット㈱、サテライト一宮㈱、中央警備保障㈱、JESテイコク㈱、㈱ワンズライフ、㈲ぼくんちオジカオート及び㈱日新ブリッジエンジニアリング)の計8社(注)1で構成されており、公共サービス事業、環境事業、交通インフラ事業を主な事業として取り組んでおります。
(注)1 提出日現在、2022年11月7日付でオー・ティー・エス技術サービス㈱を子会社化した結果、当社グループは計9社で構成されております。
(1)公共サービス事業〔主な関係会社(注)2:当社、日本ベンダーネット㈱、サテライト一宮㈱及び中央警備保障㈱〕
公営競技場における、トータリゼータシステムの設計・製造・販売・機器設置や一般事業者も含めた空調衛生設備等のファシリティに関わる事業、並びにトータリゼータシステムのメンテナンスに関わる事業やAIによる競輪予想サービス・警備・清掃等の運営業務に関わる事業を通じて安心・安全・快適な環境社会の実現を推進しております。
なお、新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点から公営競技場の入場制限や安全衛生の徹底等を図るなど、お客様・従業員・地域の安心・安全を第一に取り組んでおります。
(注)2 2022年11月7日付で公営競技場の運営、TZSのソフトウェア開発、各種機器・システムメンテナンス等を行うオー・ティー・エス技術サービス㈱の株式を取得し、子会社化いたしました。その結果、提出日現在公共サービス事業における主な関係会社が1社増加しております。
(2)環境事業〔主な関係会社:当社及びJESテイコク㈱〕
排水浄化効率を促進させる製剤をはじめとする環境修復に関わる技術・新製品等の研究開発、製造及び販売業務、排水浄化処理に加え水循環利用まで含めた“水をきれいにする”トータルエンジニアリングを可能にする水循環システムの設計、施工及び管理業務、並びに産業用太陽光の再生可能エネルギー発電設備の設計、施工、保守等業務を通じて環境社会に貢献する事業を展開しております。
“排水処理の「常識」に革命を”というコンセプトのもと、顧客に信頼される製品・システムを開発することに加え、地球の環境に配慮した製品・システムを開発すべく、日々研究を積み重ねております。
研究開発活動の方針として、「グリーンケミストリー(注)3の基本的概念に準じた製品やシステムを開発・提供し、環境浄化活動に貢献する」ことを掲げており、環境への負荷がより小さい科学技術で、環境汚染を予防し、生活の安全性を確保し、持続可能な社会の構築を目指しております。
(注)3 グリーンケミストリーとは、化学物質の原料の選択から、製造及び使用・廃棄までの過程全てにおいて人体や環境への負荷低減を行おうとする技術の総称を指します。
(3)交通インフラ事業〔主な関係会社:当社、㈱ワンズライフ、㈲ぼくんちオジカオート及び㈱日新ブリッジエンジニアリング〕
高度成長期に整備が進んだ高速道路は、経年劣化が顕在化しております。また、橋梁やトンネルも同様で、耐用年数を経過したインフラ設備の割合は益々増加しております。
これらのインフラ設備を再度建設するには、莫大なコストがかかる一方で、大量の建設廃棄物が発生し、環境上も望ましくありません。そのため、インフラ老朽化対策として、保守メンテナンスを行うことでインフラ設備の使用可能期間を延長させる「インフラ長寿命化基本計画」(注)4に国や地方自治体が取り組んでおります。
当社グループとしては、インフラ設備の使用可能期間延長に貢献し、循環型社会であるエコシステムを目指しております。
(注)4 平成25年11月「インフラ老朽化対策の推進に関する関係省庁連絡会議」が策定した「インフラ長寿命化基本計画」を指します。
(4)その他〔主な関係会社:当社〕
公共サービス事業・環境事業・交通インフラ事業における情報と、AI(人工知能)やICT等の最新技術を組み合わせることで、新たな事業を創造するICTソリューションを提供しております。公共サービス事業ではAIで競輪を予想する「AIcast」を開発しております。この他に、不動産売買・賃貸等不動産等に関わる事業を行っております。
ICTソリューションサービスを提供するにあたって、当社が保有しているAI技術を活用した研究開発活動を行っております。
当連結会計年度における当社グループの事業における当社及び関係会社の位置づけ、セグメントとの関連は次のとおりであります。なお、以下に示す区分は、セグメントと同一であります。
以上に述べた当社グループの事業の系統図は、次のとおりであります。
事業系統図

(注) 1.「主要な事業の内容」欄には、セグメントの名称を記載しております。
2.特定子会社であります。
3.議決権の所有割合の( )内は、間接所有割合で内数であります。
4.日本ベンダーネット㈱については、売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く)の連結売上高に占める割合が10%を超えております。
2022年9月30日現在
(注) 1.従業員数は、就業人員数であります。
2.従業員数欄の〔外書〕は、臨時従業員の年間平均雇用人員(1日8時間換算)であります。
3.臨時従業員には、準社員、契約社員、嘱託社員を含み、派遣社員を除いております。
4.全社(共通)は、総務及び経理等の管理本部の従業員であります。
5.前連結会計年度末に比べ、従業員数が23名増加しております。主な理由は、㈱日新ブリッジエンジニアリングを子会社化したことに伴う交通インフラ事業の人員増加および管理部門の人材の補強によるものであります。
2022年9月30日現在
(注) 1.従業員数は、当社から他社への出向者を除き、他社から当社への出向者を含む就業人員数であります。
2.従業員数欄の〔外書〕は、臨時従業員の年間平均雇用人員(1日8時間換算)であります。
3.臨時従業員には、準社員、契約社員、嘱託社員を含み、派遣社員を除いております。
4.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
5.平均年齢、平均勤続年数及び平均年間給与は、正社員のみで算定しております。
6.全社(共通)は、総務及び経理等の管理本部の従業員であります。
当社グループ各社に労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
①社是・経営理念
当社グループは、「未晃道(みこうどう)」を社是とし、「事業を通じ、物心両面の幸福を追求すると同時に、かけがえのない地球環境の維持にも貢献します」を経営理念に掲げており、未来の地球を照らし、輝き続ける事業を創造する"道"を常に追求するという思いが込められております。
②ビジョン
社是・経営理念のもと当社グループでは「環境社会をリードする」事業を展開することで社会に必要とされ続ける永続企業を目指しており、事業を通して地域に根差した企業として、環境に最大限配慮した事業活動を行っております。
③経営戦略
経営ビジョンを達成するため、当社グループでは社会的責任に関する国際規格(ISO26000)の7つの中核主題(注)を基軸として推進しております。また、事業を通じ、社会的な課題を解決することで持続的な社会づくりに貢献し、企業価値を向上していくことを経営戦略としております。
このような経営戦略のもと当社グループでは公共サービス事業、環境事業、交通インフラ事業、その他事業の各セグメントにおいて環境をテーマとした横断的な事業展開を推進し、さらに事業領域の拡大、多角化を推進し、同業や関連事業分野で実績ある事業会社のM&A、資本業務提携等により、当社グループの事業の拡大と事業全体のグループシナジーを高める多角化に努めてまいります。
(注)ISO26000で提示される7つの中核主題とは、①組織統治、②人権、③労働慣行、④環境、⑤公正な事業慣行、⑥消費者課題、⑦コミュニティへの参画及びコミュニティの発展のことを指します。
公害、廃棄物、資源の枯渇等の環境問題は地域を越え、国境を越え地球規模になり、益々深刻化している状況であります。そのため、有限な資源の循環利用の促進や、廃棄物の発生の抑制及び環境の保全は、今や世界的な課題となっております。持続的な社会の発展のためには、このような社会的課題を解決し、地球環境を維持することが絶対的な必須事項であります。
当社グループでは、排水浄化処理及び再生可能エネルギーへの取組みを通じて自然環境の維持・保護を図っております。
また、公営競技場や高速道路といった公共インフラの耐久性向上への取り組みを通じて国、自治体及び公共事業体の負荷軽減のための民間委託を積極的に受けることで、生活者の快適性・利便性の維持を図っております。
公営競技場における、トータリゼータシステムの設計・製造・販売・機器設置や一般事業者も含めた空調衛生設備等のファシリティに関わる事業、並びにトータリゼータシステムのメンテナンスに関わる事業やAIによる競輪予想サービス・警備・清掃等の運営業務に関わる事業を通じて安心・安全・快適な環境社会の実現を推進しております。
今後も国、自治体及び公共事業体の公益事業等の財源となる公営競技が存続する限り、継続的に需要は存在します。特にネット販売の拡大、投票時間の拡大等により市場は拡大しており、また一方で、運営業務を民間に委託する動きもあり、需要拡大が見込まれます。
当社グループは、公共サービス事業を単に、トータリゼータシステムの設計・製造・販売・機器設置や公営競技施設の保守・運営・管理のみならず、包括受託や空調衛生設備等のファシリティ業務を含む、一気通貫のサービスを提供することで、収益の多様化を実現しております。
なお、新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点から公営競技場の入場制限や安全衛生の徹底等を図るなど、お客様・従業員・地域の安心・安全を第一に取り組んでおります。
限りある地球資源を有効利用することが必須課題の現状下において、国が脱炭素社会の実現を目指すことで、再生可能エネルギー設備の建設需要の高まりが考えられます。排水浄化処理に関する事業では、法規制を背景にした環境対応の排水基準や廃棄物リサイクルニーズの高まりにより高度な廃棄物処理と再資源化技術が求められております。当社が保有する特許技術により排水処理薬剤は、排水処理コストを削減し、高い排水処理能力を有し、工場全体のCO2排出量削減を可能にします。
また、排水処理薬剤の製造・拡販のみならず、水族館やリゾート施設向けに、水質だけでなく生体にも影響の少ない水中環境を提供する水循環システムの設計・施工や排水浄化設備のメンテナンスなども行っております。国内の水族館市場は、指定管理者制度を活用して民間に委託する動きに加え、技術力において優位なポジションを有する民間企業の持つ技術・ノウハウの活用余地が大きく、潜在的に大きな市場であると捉えております。
排水浄化処理に加え、水循環利用まで含めた"水をきれいにする"トータルエンジニアリングを提供することで、限りある水資源の再利用、地球環境の維持に貢献してまいります。
高度成長期に整備が進んだ高速道路は、経年劣化が顕在化しております。また、橋梁やトンネルも同様で、耐用年数を経過したインフラ設備の割合は益々増加しております。
これらのインフラ設備を再度建設するには、莫大なコストがかかる一方で、大量の建設廃棄物が発生し、環境上も望ましくありません。そのため、インフラ老朽化対策として、保守メンテナンスを行うことでインフラ設備の使用可能期間を延長させる「インフラ長寿命化基本計画」に国や地方自治体が取り組んでおります。具体的には、定期的な点検による劣化・損傷の程度や原因の把握、優先順位に基づく効率的かつ効果的な修繕、更新、ICT、センサー、ロボット、非破壊検査補修・補強等の新技術の開発導入などが挙げられます。
そのため、高度な安全技術をノウハウとして蓄積している当社グループとしては、機動的かつ柔軟な人材の確保、教育の充実による多能工化、大型橋梁点検車等を自社保有する対応力により、インフラ設備の長寿命化に貢献し、循環型社会であるエコシステムを目指しております。さらに、高速道路関連業務従事者の人材不足を背景に、危険な職場という見方が強い施工工事・保守業務において、安心・安全・快適な運行を実現するためのイノベーションへのニーズは国や地方自治体から民間企業まで広く浸透しつつあり、当社グループは高い事業成長を実現すべく、独自の技術を持つ他社とのアライアンスを積極的に活用し、イノベーション戦略を実行してまいります。
公共サービス事業・環境事業・交通インフラ事業における情報と、AI(人工知能)やICT等の最新技術を組み合わせることで、業務系基幹システムやアプリの開発(iOS、Android)、ベイジアンネットワークを活用した行動予測モデルの構築と運用サービスを提供しております。その他事業では、AIで競輪の着順を予想するAIソリューションサービス「AIcast」を開発しております。この他に、不動産売買・賃貸等不動産等に関わる事業を行っております。
このような背景から、未来の地球を照らし、輝き続ける事業の創造に引き続き邁進してまいります。
環境関連事業は、持続的な開発目標(SDGs)を通じ、「環境社会をリードする」というビジョン実現を図るうえで重要な事業であると認識しております。そのため、環境関連事業に関して積極的に研究開発を行い、特に排水浄化処理の事業を推進してまいります。
社会的責任を果たし、持続的な成長と企業価値の向上を図るためには、コンプライアンスの徹底及びリスクマネジメントの実践が不可欠であると認識しております。そのため、社内における継続的な教育研修、啓蒙活動を実施し、一人ひとりが社会的良識を持って、持続的成長に向けて自主的に行動することのできる企業風土を形成してまいります。
業容拡大の中で、人材確保が不可欠であると認識しております。そのため、積極的な採用活動のほか、適材適所に人材を配置しております。また、外部の協力業者との連携を含め、機動的かつ柔軟な人材確保が可能になるように取り組んでまいります。
企業の礎と言われる人材教育こそが、企業の成長の要との認識のもと、働き甲斐のある職場づくり、環境整備、そして従業員の意識向上を図ることで人材教育を行ってまいります。また、当社グループの拡大のためにも、専門性の高い技術者の育成にも取り組んでまいります。
当社グループの業容拡大については、現状分析と、将来に向けての事業方針・目標数字を明確にした中期経営計画を作成して積極果敢に取り組んでおります。今後も継続的な経営管理体制の確立が必要であるという認識のもと取り組んでまいります。
(4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、事業活動の成果を示す売上高、営業利益、営業利益率を重要な経営指標と位置付け、企業経営に取り組んでおります。また、財務的視点から自己資本比率についても重要な指標ととらえております。
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、当社グループの事業、経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。これらは当社グループの全てのリスクを網羅したものではなく、記載された事項以外の予見できないリスクも存在します。このようなリスクが現実化した場合には、当社グループの事業、経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社は、グループ全体のリスク・コンプライアンス管理に関する重要事項の審議と方針決定を行い、リスクの発生防止及び適切な対応による損失の最小化並びに法令遵守の徹底を図るため、代表取締役社長を委員長、各取締役を委員、管理本部を事務局とするリスク・コンプライアンス委員会を設置しております。
リスク・コンプライアンス委員会は、四半期に1回定例開催するほか、必要に応じて臨時開催し、リスク・コンプライアンスの調査、網羅的認識及び分析、各種リスク・コンプライアンスへの対応策の検討及び決定、対応策の実施状況の監督及び再発防止策の検討等を行い、リスク・コンプライアンス委員会の議事及び結論に関する取締役会への報告を実施しております。
a.公共サービス事業
公共サービス事業においては、コロナウイルス感染拡大、及びネット投票への移行による場外発売場への来場者数の減少が考えられます。これらの対応策として、場外発売場の新規開設、既存施設の経年劣化による建替え・改修、既存場外発売場での複数競技発売などによる施策を実施し、需要を喚起しておりますが、これらの施策が功を奏しなかった場合に、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
また、同事業においては、公営競技場に関わる保守・運営・管理の業務を個別に受託する契約(以下「個別受託」という。)から、業務を包括して受託する契約(以下「包括受託」という。)への移行を推進しております。
包括受託による売上は、本場・場外発売場における投票券販売売上及びネット販売売上の合計に料率を乗じて算出されるため、本場・場外発売場への来場者数及びネット投票利用者数の減少により売上が減少した場合、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
b.環境事業
環境事業においては、再生可能エネルギー発電設備に関する事業について、政府の施策及び法令改正、為替の変動などにより、買取価格の高低、各種履行の遅滞、売電収入の減少、仕入価格の高騰の発生が考えられます。排水浄化処理に関する事業については、排水処理薬剤の継続的な営業活動を推進しているものの、生物処理の反応過程に時間を要する結果、薬剤の実地検証(顧客の敷地内における排水処理施設の現地にて行う実証・検証作業)から成約までの販売サイクルが長期化する場合があります。これらの発生が予見された場合、即座に対応を実施する予定ではありますが、対応が功を奏しない場合、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
c.交通インフラ事業
交通インフラ事業においては、公共投資等の設備投資の動向により市場が縮小する可能性があり、受注額が減少することにより業績等に影響を及ぼす可能性があります。また、競合他社との受注競争の激化等により、低採算化や収益力の低下等が発生する可能性があります。これらの市場動向の変化に対し、逐次情報を入手し、即座に対応を実施する予定ではありますが、対応が功を奏しない場合、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、交通インフラ事業において下請代金支払遅延等防止法、道路交通法等、公共サービス事業において建設業法、警備業法、独占禁止法、不正競争防止法等、環境事業において建設業法、廃棄物の処理及び清掃に関する法律、水質汚濁防止法等の法的規制を受けております。「リスク・コンプライアンス管理規程」の適切な運用、リスク・コンプライアンス委員会の設置・開催により法令遵守体制の強化を図っておりますが、万一法令・諸規則に違反する行為又は疑義を持たれる行為が発生した場合は、当社グループの信用力や業績等に影響を及ぼす可能性があります。また、これら関連法令等の改廃、新設、適用基準の変更等があった場合には、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、建設業法に基づく特定建設業許可を受けておりますが、虚偽の事実の申告等不正な手段による許可の取得や、経営業務管理責任者・専任技術者等の欠格要件に該当した場合等には、建設業法第29条により許可の取消しとなり、5年間の再取得が不可となります。当社グループでは、リスク・コンプライアンス委員会の設置・開催により法令等遵守に努めていることから、許可の取消事由に該当する事実はありませんが、万一法令違反等によって許可が取り消された場合には、当社グループの信用力や業績等に重大な影響を及ぼす可能性があります。
当社グループにおける環境事業は、「再生可能エネルギー電気の利用の促進に関する特別措置法」による電力の「固定価格買取制度」に加えて、「Feed in Premium制度」における買取価格の高低や、買取年数の状況及び再生可能エネルギー発電設備についての系統連系の申込回答時期の遅れや回答保留、接続拒否に関するルールの状況等により、当社グループの業績等に影響を与える可能性があります。
当社グループにおける環境事業において、産業用太陽光発電設備の設計・施工に際しては、地方自治体が管轄する農地転用、林地開発などの許認可取得が必要な場合があります。また、その許認可取得には地権者及び周辺地域住民の理解と協力が必要となります。開発土地については、事前調査を行い各種認可取得に必要な措置を講じ、地域住民向け説明会を通じて地域住民の皆様の理解を得ながら事業化を進める方針としていますが、許認可取得や地域住民との合意に想定した以上の時間を要し、プロジェクト計画に遅れが生じる場合には、当社グループの業績等に影響を与える可能性があります。
当社グループにおける環境事業で保有する産業用太陽光発電所は、発電出力が気候の影響を受ける自然変動電源であり、出力抑制ルール(規定の条件下で電力会社が発電事業者に対し、発電設備からの出力を停止又は抑制を要請する制度)にて、出力抑制が実施されることにより想定した売電収入を得られなかった場合には、当社グループの業績等に影響を与える可能性があります。
当社グループは、排水浄化処理に関わる事業の拡充を図るため、排水浄化効率促進製剤の製造のための研究及び生産施設を建設し2020年12月に操業を開始しております。当該事業の成否は、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、製品・原材料・商品の調達先を複数確保することで安定的な供給が可能な環境を整えておりますが、自然災害やその他要因による供給停止などにより、生産活動等に支障をきたす場合には、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、主たる事業拠点設置時の不動産取得、多額の設備取得にあたり銀行借入、社債による資金調達により設備投資資金を確保しております。これにより、現在の借入金残高については企業規模の拡大スピードにより、高い水準となっていると認識しております。
一方で、主に長期借入金により金利を固定化することで金利の変動リスクを軽減しておりますが、金利水準の上昇による調達コスト増大により、計画に応じた資金調達ができない場合には、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、公共サービス事業、環境事業、交通インフラ事業と様々な事業を展開しており、多数の取引先がありますが、景気の減速やコロナ禍によるパラダイムシフトなどにより、得意先及び仕入先の信用不安などが顕在化した場合、資金の回収不能や履行遅滞などを引き起こし、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
a.天候による影響
台風や降雪等の天候悪化や夏季・冬季の気象状況の変化は、公共サービス事業及び交通インフラ事業において売上を左右する重要な要因となり、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
b.自然災害による影響
当社グループは、今後想定される震災等の大規模災害への備えとして、「リスク・コンプライアンス管理規程」を整備運用しておりますが、地震・台風等の自然災害により事業活動の一時的な停止を余儀なくされることや施工中物件の復旧に多額の費用と時間を要するといった事態により、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。また、自然災害により公営競技場が営業停止となったり、入場者数が減少する等した場合、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
c.工事事故
当社グループは、工事の安全をすべてに優先し各種工事の施工を行っておりますが、施工過程において事故や労働災害を発生させた場合には、直接の損失が生じるだけでなく、顧客からの信用を失墜させる恐れがあり、受注環境に多大な影響を与えることから、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、品質管理に万全を期しておりますが、万一重大な契約不適合が発生し、その修復に多大な費用負担が生じた場合には、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、事業用資産など様々な有形・無形の固定資産を計上しております。これらの資産については得られる将来のキャッシュ・フローの見積りに基づく残存価額の回収可能性を定期的に評価しておりますが、今後の業績動向や時価の下落等によって、期待されるキャッシュ・フローを生み出すことが困難な状況になり、減損処理が必要となる場合があります。これらの処理が発生した場合には、当社グループの財政状態や業績等に影響を及ぼす可能性があります。
なお、当連結会計年度において、本社機能として一部利用している賃貸ビルの建替えに伴う当該物件に関する建物等について減損処理を行っております。また、当社の連結子会社である日本ベンダーネット株式会社に係る一部の事業用資産について、事業環境の変化等を考慮し、将来の回収可能性を慎重に検討した結果、減損損失を計上しております。
当社グループは、事業拡大のために同業他社の事業譲受や買収等を行う可能性があり、当該買収によるのれんの発生等が当社グループの財政状態及び業績に影響を与える可能性があります。また、市場動向や経済環境によっては、当該買収等が当初予想した結果を生み出す保証はなく、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは新型コロナウイルス感染拡大を受けて、従業員の安全確保のため、飛沫防止パネルの設置、社屋や各フロア入口での消毒、Web会議での対応、朝晩の検温、マスクの着用の推進など感染拡大防止に向けた取り組みを実行しながら、取引先への安定した商品・サービスの提供の維持に努めております。
新型コロナウイルス感染症が経済に与える影響及び感染拡大の範囲や収束時期が不透明な状況のなかで、現時点では業績に与える影響を合理的に算定することが困難ではございますが、その影響が継続した場合、とりわけ公共サービス事業である公営競技運営業務は、新型コロナウイルス等の感染症の拡大により国や地方自治体から休業要請を受けることにより、当社グループの事業活動や業績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの事業拡大にあたっては、特に電気工事施工管理技士や土木施工管理技士等の公的資格及び顧客固有の資格を有することが不可欠であります。当社グループは、社内外の研修の充実を図り人材育成に努めておりますが、工事施工を賄える人材確保、育成が困難となった場合には、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、役員、従業員に対し、インセンティブを目的とした新株予約権(税制適格ストック・オプション)を付与しております。当事業年度末現在の新株予約権による潜在株式数は100,100株であり、発行済株式総数2,695,400株の3.7%に相当します。将来的にこれらの新株予約権が権利行使されることにより、当社株式の1株当たりの価値が希薄化し、株価形成に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、2022年4月の株式会社東京証券取引所の市場区分の再編において、スタンダード市場に移行いたしましたが、「流通株式時価総額」「流通株式比率」については、基準を充たしておりません。今後、当社が中長期的な企業価値の向上を図るうえにおいては、その前提として当社がスタンダード市場の上場維持基準を充足することが重要な経営課題になるものと考えております。
当社グループは、2022年12月23日付提出の「上場維持基準の適合に向けた計画書」に基づき、流通株式時価総額、流通株式比率の適合に向けた取組みを実施することで、2025年9月期を目途に、上場維持基準を充足させていく方針です。
当社グループの公共サービス事業においては、公営競技のネット投票サイトを運営しており、個人情報を取り扱う場合があります。情報の取り扱いにあたっては、情報管理に関する国際規格、プライバシーマーク制度のそれぞれに準拠した仕組みの構築、運用、改善を図っております。具体的には、規程・マニュアル等の整備、研修を通じた社員の力量向上と周知徹底、インフラのセキュリティ強化などにより、管理の強化・徹底と漏洩防止に努めております。
一方で、情報の授受、運搬時における紛失や盗難等により、顧客企業の秘密情報、個人情報が漏洩した場合には、当該顧客からの損害賠償請求による費用発生や、顧客の当社グループに対する信頼喪失により、当社グループの事業活動と業績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの環境事業においては、研究開発活動を積極的に推進しており、知的財産権は重要な経営資源の一つであると考えております。そのため、知的財産権保護とそれに関連して発生する紛争の回避は重要な経営課題と考えており、知的財産に関する専門家と連携し、必要な業務を進めております。
当社グループの知的財産権が侵害されたり、特定の国・地域で十分な保護を受けられない場合、当社グループの事業活動と業績等に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社が意図しない形で第三者の特許を侵害するに至った場合や、その他知的財産権に関する紛争が発生した場合には、当社グループの事業活動と業績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの交通インフラ事業において、中日本高速道路株式会社(以下、NEXCO中日本)グループと契約を締結しております。当連結会計年度におけるNEXCO中日本グループへの売上高は連結売上高の25.9%になります。NEXCO中日本の動向だけでなく、政府の政策動向によっては、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があるため、販路の拡大や政府の政策動向を注視し、即座に対応を実施する予定ではありますが、対応が功を奏しない場合、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
Ⅳ.その他のリスク
大株主について
当社の代表取締役社長である松島穣は、当社の大株主であり、提出日現在において自身が発行済株式総数の7.5%を保有するとともに、その同族関係者及び同族関係者の資産管理会社の所有株式数を含めると発行済株式総数の73.8%を所有しております。
同人は安定株主として引続き一定の議決権を保有し、その議決権行使にあたっては、株主共同の利益を追求するとともに、少数株主の利益にも配慮する方針を有しております。
当社といたしましては、同人及びその同族関係者は安定株主であると認識しておりますが、何らかの事情により、大株主である同人及びその同族関係者の株式の多くが減少した場合等には、当社株式の市場価格及び議決権行使の状況等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
また、当連結会計年度の期首より「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」に記載のとおりであります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、原材料価格やエネルギー価格の高騰などが重なり、先行きは不透明な状況が続いております。一方で、新型コロナウイルス感染症の影響による経済活動の制限が段階的に緩和される中で緩やかながら回復の兆しがみられました。
このような状況のもと、当社グループは「交通インフラ事業」にて収益基盤を構築、事業の裾野を拡大し、「公共サービス事業」で公営競技を中心とした事業規模の拡大を図り、これらの技術、収益を基盤にして「環境事業」を推進するべく取り組んでまいりました。
この結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高7,220百万円(前期比103.4%)、営業利益798百万円(前期比103.7%)、経常利益856百万円(前期比106.9%)、親会社株主に帰属する当期純利益408百万円(前期比71.3%)となりました。
セグメント別の状況は、以下のとおりであります。
<公共サービス事業>
公共サービス事業におきましては、公営競技を中心とした施設の機器設置・保守・運営に関する事業及びファシリティ改修に関する事業を行っております。当連結会計年度においては、新設された場外車券販売所のトータリゼータシステムの機器設置、キャッシュレス化に伴うインターフェース装置の需要が高まりました。また、引き続き新型コロナウイルス感染症の防止策を講じつつ事業運営を進めてまいりました。
以上の結果、セグメント売上高(外部売上高)は3,484百万円(前期比103.9%)、セグメント利益は549百万円(前期比117.8%)となりました。
<環境事業>
環境事業におきましては、排水浄化処理及び水循環に関する事業及び再生可能エネルギー発電設備の設計、施工、保守等業務並びに自社設備による売電に関わる事業を展開しております。当連結会計年度において排水浄化処理及び水循環に関する事業では、排水浄化製剤の拡販のみならず、水族館やリゾート施設向けの水循環システムの需要が高まりました。また、再生可能エネルギー発電設備の受注工事の施工についても順調に推移いたしました。
以上の結果、セグメント売上高(外部売上高)は872百万円(前期比137.2%)、セグメント利益は72百万円(前期比1,391.9%)となりました。
<交通インフラ事業>
交通インフラ事業におきましては、高速道路を中心とした道路エンジニアリング・道路メンテナンスに関する事業を展開しております。当連結会計年度において当社主要顧客であるNEXCO中日本関連会社からの電気通信設備・構造物の点検・保守、高速道路の維持修繕などの業務が順調に推移いたしました。
以上の結果、セグメント売上高(外部売上高)は2,530百万円(前期比106.4%)、セグメント利益は692百万円(前期比98.3%)となりました。
<その他事業>
その他事業におきましては、不動産の仲介、売買、賃貸等不動産に関わる事業及びシステム保守業務、AI技術を活用したICTソリューションの提供に関わる事業を展開しております。当連結会計年度においては、前連結会計年度における大型の販売用不動産売上の反動減により売上及び利益が減少しております。
セグメント売上高(外部売上高)は333百万円(前期比53.8%)、セグメント利益は27百万円(前期比21.3%)となりました。
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は2,576百万円(前連結会計年度末は2,327百万円)となり、248百万円増加しております。これは、主として現金及び預金が412百万円、棚卸資産が13百万円増加した一方で、受取手形、売掛金及び契約資産が52百万円減少したこと等によるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は3,909百万円(前連結会計年度末は3,690百万円)となり、218百万円増加しております。これは主に、投資その他の資産において、投資有価証券が149百万円、繰延税金資産が52百万円増加した一方で、機械装置及び運搬具が148百万円、土地が225百万円それぞれ増加しましたが、減価償却累計額が516百万円増加したこと等により有形固定資産が5百万円減少したことによるものであります。
(繰延資産)
当連結会計年度末における繰延資産の残高は1百万円(前連結会計年度末は2百万円)となり、0百万円減少しております。これは当年度の償却処理による減少であります。
(資産合計)
上記の結果、当連結会計年度末における資産合計は6,487百万円(前連結会計年度末は6,020百万円)となり、466百万円増加しております。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は1,376百万円(前連結会計年度末は2,036百万円)となり、660百万円減少しております。これは主に、買掛金が129百万円、短期借入金が340百万円、リース債務が37百万円減少したこと等によるものであります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は1,316百万円(前連結会計年度末は1,868百万円)となり、552百万円減少しております。これは主に、長期借入金が483百万円、社債が57百万円、リース債務が13百万円減少したこと等によるものであります。
(負債合計)
上記の結果、当連結会計年度末における負債合計は2,692百万円(前連結会計年度末は3,905百万円)となり、1,213百万円減少しております。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は3,795百万円(前連結会計年度末は2,115百万円)となり、1,679百万円増加しております。これは主に、新株の発行により資本金が672百万円、資本準備金が672百万円それぞれ増加し、利益剰余金が331百万円増加したこと等によるものであります。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、1,095百万円(前連結会計年度末は691百万円)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は884百万円(前連結会計年度は1,475百万円の資金の獲得)となりました。
これは、主に税金等調整前当期純利益654百万円に減価償却費369百万円、減損損失178百万円、売上債権の減少額63百万円等による収入がありましたが、仕入債務の減少額129百万円等の支出により資金が減少した結果によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は743百万円(前連結会計年度は170百万円の支出)となりました。
これは、主に有形固定資産の取得による支出471百万円、投資有価証券の取得による支出176百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は263百万円(前連結会計年度は1,165百万円の支出)となりました。
これは、主に株式の発行による収入1,324百万円がありましたが、短期借入金の純減少額340百万円、長期借入金の返済による支出637百万円、配当金の支払額76百万円によりそれぞれ減少したことによるものであります。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。環境事業以外の事業につきましては、事業の性質上記載になじまないため、当該記載を省略しております。
(注) 1.金額は、製造原価によっております。
事業の性質上記載になじまないため、当該記載を省略しております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間取引については相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合
3.中日本ハイウェイ・メンテナンス名古屋㈱については、当連結会計年度における総販売実績に対する販売高の割合が100分の10未満であるため記載を省略しております。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績」に記載のとおりであります。
「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、外注費や労務費等の製造経費、人件費や賃借料の販売費及び一般管理費によるものであります。投資を目的とした資金需要は、設備投資、国内拠点における製品開発、研究開発投資等によるものであります。運転資金及び投資資金は、主として自己資金で調達することとし、拠点不動産取得等による大型の設備投資資金においては一部銀行借入等により調達しております。
なお、当連結会計年度末における有利子負債残高は、短期借入金10,000千円、社債229,000千円、長期借入金1,395,337千円及びリース債務11,146千円、現金及び現金同等物の残高は1,095,525千円となっております。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
当社グループは、環境に十分配慮し、社会貢献を行う企業として、企業価値を向上させていくことを経営の目標としており、具体的には、事業活動の成果を示す売上高、営業利益、営業利益率を重要な経営指標と位置付け、企業経営に取り組んでおります。また、財務的視点から自己資本比率についても重要な指標ととらえております。
第24期連結会計年度及び第25期連結会計年度の経営指標は、次のとおりであります。
第25期連結会計年度の売上高・営業利益・営業利益率・自己資本比率は第24期連結会計年度を上回ることとなりました。
技術受入契約
2022年9月30日現在
(注) 1.現在休止中の主要な設備はありません。
2.帳簿価額のうち「その他」は、工具、器具及び備品及び建設仮勘定の合計であります。
3.従業員数は就業人員数であり、従業員数欄の〔外書〕は、8時間換算によるパートタイマ―の年間平均雇用人員であります。
2022年9月30日現在
(注) 1.現在休止中の主要な設備はありません。
2.帳簿価額のうち「その他」は、工具、器具及び備品及び建設仮勘定の合計であります。
3.サテライト一宮株式会社は、サテライト一宮の土地を連結会社以外から賃借しており、年間賃借料は固定賃料として5,893千円のほか、売上歩合の変動賃料として売上の0.5%としております。なお、賃借している土地の面積は、[ ]で外書きしております。
4.JESテイコク株式会社は、西秋沢発電所の土地を連結会社以外から賃借しており、年間賃借料は固定賃料として1,300千円であります。なお、賃借している土地の面積は、[ ]で外書きしております。
5.JESテイコク株式会社は、関発電所の土地を提出会社から賃借しております。
該当事項はありません。
(注) 2022年12月23日開催の定時株主総会において定款の一部変更が行われ、発行可能株式総数は同日より 2,000,000株増加し、10,000,000株となっております。
(注) 提出日現在の発行数には、2022年12月1日からこの有価証券報告書提出日までの新株予約権の行使により発行された株式数は、含まれておりません。
第1回新株予約権
当事業年度の末日(2022年9月30日)における内容を記載しております。なお、提出日の前月末(2022年11月30日)現在において、これらの事項に変更はありません。
(注) 1.新株予約権1個につき目的となる株式数は、1株であります。
ただし、新株予約権の割当日後、当社が株式分割、株式併合を行う場合は、次の算式により目的となる株式数を調整、調整の結果生じる1株未満の端数は、これを切り捨てる。
2.新株予約権の割当日後、当社が株式分割、株式併合を行う場合は、次の算式により行使価額を調整し、調整により生ずる1円未満の端数は切り上げる。
また、新株予約権の割当日後に時価を下回る価額で新株式の発行又は自己株式の処分を行う場合は、次の算式により行使価額を調整し、調整により生ずる1円未満の端数は切り上げる。
上記算式において「既発行株式数」とは、当社の発行済株式総数から当社が保有する自己株式数を控除した数とし、自己株式の処分を行う場合には「新規発行」を「自己株式の処分」と読み替えるものとする。
さらに上記のほか、本新株予約権の割当日後、当社が他社と合併する場合、会社分割を行う場合その他これらの場合に準じて行使価額の調整を必要とする場合には、当社は、合理的な範囲で適切に行使価額の調整を行うことができるものとする。
3.新株予約権の行使により株式を発行する場合において増加する資本金の額は、会社計算規則第17条第1項に従い算出される資本金等増加限度額の2分の1の金額とし、計算の結果端数が生じときは、その端数を切り上げるものとする。またこの場合、増加する資本準備金の額は、上記資本金等増加限度額から増加する資本金の額を減じた額とする。
4.新株予約権の行使可能期間
(1) 2022年9月1日~2024年8月31日までは、割当個数の3分の1まで(1個に満たない数が生じる場合は、1個の単位に切り上げる)について権利行使できる。
(2) 2024年9月1日~2026年8月31日までは、割当個数の3分の2まで(1個に満たない数が生じる場合は、1個の単位に切り上げる)について権利行使できる。
(3) 2026年9月1日~2030年8月18日までは、割当個数の全部について権利行使できる。
5.当社が合併(当社が合併により消滅する場合に限る)、吸収分割、新設分割、株式交換又は株式移転(以上を総称して以下「組織再編行為」という。)をする場合において、組織再編行為の効力発生の時点において残存する新株予約権(以下「残存新株予約権」という。)の新株予約権者に対し、それぞれの場合につき、会社法第236条第1項第8号のイからホまでに掲げる株式会社(以下「再編対象会社」という。)の新株予約権を以下の条件に沿ってそれぞれ交付する。この場合においては、残存する新株予約権は消滅し、再編対象会社は新株予約権を新たに発行するものとする。ただし、本号の取り扱いは、本号に定める条件に沿って再編対象会社の新株予約権を交付する旨を、吸収合併契約、新設合併契約、吸収分割契約、新設分割計画、株式交換契約又は株式移転計画において定めた場合に限るものとする。
① 交付する再編対象会社の新株予約権の数
残存新株予約権の新株予約権者が保有する新株予約権の数と同一の数をそれぞれ交付する。
② 新株予約権の目的である再編対象会社の株式の種類
再編対象会社の普通株式とする。
③ 新株予約権の目的である再編対象会社の株式の数
組織再編行為の条件等を勘案の上、(注)1.に準じて決定する。
④ 新株予約権の行使に際して出資される財産の価額
交付する各新株予約権の行使に際して出資される財産の価額は、組織再編行為の条件等を勘案の上調整した再編後の行使価額に上記③に従って決定される当該新株予約権の目的である株式の数を乗じて得られるものとする。
⑤ 新株予約権を行使できる期間
上記に定める新株予約権を行使できる期間の開始日と組織再編行為の効力発生日のいずれか遅い日から、上記に定める新株予約権を行使できる期間の満了日までとする。
⑥ 譲渡による新株予約権の取得の制限
譲渡による新株予約権の取得については、再編対象会社の承認を要するものとする。
⑦ 再編対象会社による新株予約権の取得
「新株予約権割当契約書」に定める新株予約権の取得条項に準じて決定する。
⑧ 新株予約権の行使により株式を発行する場合に増加する資本金及び資本準備金に関する事項
(注)3.に準じて決定する。
該当事項はありません。
(注) 1.株式分割(1:100)によるものであります。
2.有償一般募集(ブックビルディング方式による募集)
発行価格 2,120円
引受価額 1,961円
資本組入額 980.50円
3.有償第三者割当(オーバーアロットメントによる売出しに関連した第三者割当増資)
発行価格 1,961円
資本組入額 980.50円
割当先 みずほ証券(株)
4.新株予約権(ストックオプション)の権利行使による増加であります。
2022年9月30日現在
2022年9月30日現在
(注) 前事業年度末現在主要株主であった松島穣は、当事業年度末では主要株主ではなくなりました。
1 報告セグメントの概要
(1) 報告セグメントの決定方法
当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。
当社グループは、製品・サービス別の事業拠点(事業所、営業所、出張所)を置き、各事業拠点は取り扱う製品・サービスについて横断的に相互連携的な戦略を立案し、事業活動を展開しております。
したがって、当社グループは事業拠点を基礎とした製品・サービス別セグメントから構成されており、「公共サービス事業」「環境事業」「交通インフラ事業」を報告セグメントとしております。
(2) 各報告セグメントに属する製品及びサービスの種類
「公共サービス事業」は、公営競技場における、トータリゼータシステム(注)の設計・製造・販売・機器設置や一般事業者も含めた空調衛生設備等のファシリティに関わる事業、並びにトータリゼータシステムのメンテナンスに関わる事業やAIによる競輪予想サービス・警備・清掃等の運営業務に関わる事業を通じて安心・安全・快適な環境社会を実現する事業を展開しております。
「環境事業」は、排水浄化処理及び水循環に関わる事業の研究開発、製造及び販売業務並びに産業用太陽光の再生可能エネルギー発電設備の設計、施工、保守等業務並びに自社設備による売電に関わる事業を通じて環境社会に貢献する事業を展開しております。
「交通インフラ事業」は、高速道路を中心とした構造物点検、電気通信設備・ETC保守、交通管制業務、道路照明灯保守等の道路エンジニアリングに関わる事業及び維持修繕工事、事故・災害復旧工事、雪氷対策作業、土木工事、交通規制等の道路メンテナンスに関わる事業を通じて安心・安全・快適な環境社会を実現する事業を展開しております。
(注) トータリゼータシステムとは公営競技における、オッズ(購入した馬券等が的中した際の戻り倍率)の表示、集計、投票券の発券、配当金の計算、払い戻しまでの一連の業務をコンピューターで一括処理するシステムのことを指します。発券や払い戻しを行う機器を含め、業務に関わるコンピューターネットワークの総称です。