株式会社CINC
CINC Corp.
港区虎ノ門一丁目21-19
証券コード:43780
業界:情報・通信業
有価証券報告書の提出日:2023年1月27日

 

回次

第5期

第6期

第7期

第8期

第9期

決算年月

2018年10月

2019年10月

2020年10月

2021年10月

2022年10月

売上高

(千円)

336,502

764,181

934,358

1,313,545

1,805,191

経常利益

(千円)

38,193

99,892

39,476

190,471

291,586

当期純利益

(千円)

25,879

74,002

11,433

129,544

201,390

持分法を適用した

場合の投資利益

(千円)

資本金

(千円)

10,000

10,000

10,000

474,710

475,601

発行済株式総数

(株)

40

1,000,000

1,000,000

3,328,000

3,361,810

純資産額

(千円)

150,140

224,142

235,835

1,294,800

1,497,948

総資産額

(千円)

274,373

650,139

767,273

1,889,375

2,025,589

1株当たり

純資産額

(円)

3,753,508.38

74.71

78.53

388.98

445.51

1株当たり配当額

(1株当たり中間

配当額)

(円)

(―)

(―)

(―)

(―)

(―)

1株当たり当期

純利益

(円)

646,998.18

24.67

3.81

43.10

60.28

潜在株式調整後1株当たり当期純利益

(円)

39.54

56.02

自己資本比率

(%)

54.7

34.5

30.7

68.5

73.9

自己資本利益率

(%)

18.9

39.5

5.0

16.9

14.4

株価収益率

(倍)

79.46

21.98

配当性向

(%)

営業活動による

キャッシュ・フロー

(千円)

112,202

34,979

289,833

185,501

投資活動による

キャッシュ・フロー

(千円)

16,480

73,303

26,129

174,806

財務活動による

キャッシュ・フロー

(千円)

246,999

105,281

811,056

91,055

現金及び現金同等

物の期末残高

(千円)

462,152

529,109

1,603,870

1,523,509

従業員数

〔外、平均臨時

雇用者数〕

(名)

43

59

72

87

129

4

9

6

10

13

株主総利回り

(%)

38.7

(比較指標:TOPIX)

(―)

(―)

(―)

(―)

(109.3)

最高株価

 

4,120

3,610

最低株価

 

3,180

1,133

 

 

(注) 1.当社は連結財務諸表を作成しておりませんので、連結会計年度に係る主要な経営指標等の推移については記載しておりません。

2.持分法を適用した場合の投資利益については、関連会社が存在しないため、記載しておりません。

3.収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第9期の期首から適用しており、第9期に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。

4.1株当たり配当額及び配当性向については、配当を実施していないため記載しておりません。

5.当社は2019年10月12日付で普通株式1株につき25,000株の株式分割を、2021年5月12日付で普通株式1株につき3株の株式分割を行っております。第6期の期首に株式分割が行われたと仮定し、1株当たり純資産額及び1株当たり当期純利益、潜在株式調整後1株当たり当期純利益を算定しております。

6.潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、第5期は潜在株式が存在していないため記載しておりません。第6期及び第7期においては、潜在株式は存在しますが、当社株式は非上場であり、期中平均株価が把握できないため、記載しておりません。

7. 当社は2021年10月26日に東京証券取引所マザーズ市場に上場したため、第8期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、新規上場日から第8期の末日までの平均株価を期中平均株価とみなして算定しております。

8.第5期から第7期の株価収益率は当社株式が非上場であるため記載しておりません。

9.第5期についてはキャッシュ・フロー計算書を作成しておりませんので、キャッシュ・フローに係る各項目については記載しておりません。

10.従業員数は、就業人員であり、臨時雇用者数(パートタイマーを含む)は、最近1年間の平均人員を〔 〕外書きで記載しております。

11.第5期は、決算期変更のため、2018年4月1日から2018年10月31日までの7か月決算となっております。

12. 2021年10月26日付けで東京証券取引所マザーズに株式を上場したため、第5期から第8期までの株主総利回り及び比較指標については記載しておりません。なお、第9期の株主総利回り及び比較指標は、2021年10月末を基準として算定しております。

13.最高株価及び最低株価は、2022年4月3日以前は東京証券取引所マザーズにおけるものであり、2022年4月4日以降は東京証券取引所グロースにおけるものです。なお、2021年10月26日付をもって同取引所に株式を上場いたしましたので、それ以前の株価については記載しておりません。

14.主要な経営指標等の推移のうち、第5期については会社計算規則(平成18年法務省令第13号)の規定に基づき算出した各数値を記載しており、金融商品取引法第193条の2第1項の規定による監査証明を受けておりません。

15.第6期から第9期の財務諸表については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、東陽監査法人により監査を受けております。

 

 

2 【沿革】

 

年月

概要

2014年4月

コンテンツマーケティング事業を目的に株式会社Coreを東京都新宿区西新宿に設立。

2014年8月

コンテンツマーケティングの統合管理ツール「ContentForce」リリース

2015年2月

デジタルマーケティングコンサルティング スイッチングオプションサービス開始

2015年3月

東京都港区南麻布にオフィス移転

2016年7月

デジタルマーケティングの調査・分析・改善ツール「Keywordmap」リリース

2017年3月

東京都港区六本木にオフィス移転

2018年2月

マーケティング思考でビジネスをリードする情報メディア「Marketing Native」リリース

2018年3月

東京都渋谷区南青山にサテライトオフィス開設

2018年10月

東京都港区六本木の本社オフィスを増床

2019年1月

株式会社Coreから株式会社CINCに社名変更

2019年10月

ビジネスにおけるSNS活用をデータドリブンに支援する調査・分析・運用ツール「Keywordmap for SNS」リリース

2020年5月

東京都港区赤坂にオフィス移転

2021年10月

東京証券取引所マザーズに株式を上場

2022年4月

東京証券取引所の市場区分見直しにより、東京証券取引所マザーズ市場からグロース市場に移行

2022年7月

福岡天神ラボを開設

 

 

 

3 【事業の内容】
(1) 事業の特徴

当社は、ビッグデータとAI・機械学習技術で、顧客のマーケティング課題をデータドリブンに解決し、ビジネスの成果創出を支援しています。主たる事業としては、マーケティング用調査・分析・運用ツール「Keywordmap」シリーズの開発・提供を行うソリューション事業、「Keywordmap」シリーズや社外のプロ人材を活用して、クライアントのマーケティング活動の利益最大化を支援するDXコンサルティングを提供するアナリティクス事業を展開しています。

 


 

ソリューション事業では、「Keywordmap」及び「Keywordmap for SNS」を主軸に、マーケティングにおける調査、分析、運用を支援するソフトウエアの開発・販売を行っています。

「Keywordmap」シリーズは、当社が運営するクローラー(※1)や、データサービスプロバイダー(※2)を通じて取得したビッグデータを、自然言語処理(※3)・機械学習・深層学習技術(※4)と統計学を用いて解析を加えながら、分析用のデータを提供することで、クライアントのデータドリブンに基づいたマーケティング活動を支援するプロダクトです。

各サービスの内容は以下のとおりです。

 

Keywordmap

 

 

世界最大級である約2,800万以上の検索キーワードの日本語データベースをもとに市場分析から競合調査、改善点抽出まで、Web戦略で次の打ち手に必要となる調査分析の効率化支援ツール

Keywordmap for SNS

 

 

消費者のインサイト分析(※5)、アカウントの傾向把握、投稿管理といったソーシャルメディアマーケティングに必要な情報の抽出とアカウント運用の最適化を実現する業務効率化支援ツール

 

 

「Keywordmap」シリーズは、マーケターのプロとして業務を推進するアナリティクス事業のコンサルタント及びデータアナリストに日々活用されており、彼らの声を新サービスの開発や新機能開発に取り入れることで、「Keywordmap」シリーズはよりユーザーに使いやすい実践的なツールへと日々進化を遂げています。そして、「Keywordmap」シリーズが進化することで、当社が提供するコンサルティングサービスの質も高められ、両事業において良いシナジーが生まれています。

 


 

アナリティクス事業では、「Keywordmap」シリーズを活用し、マーケティングビッグデータの解析を基盤としたDXコンサルティングを提供しております。当社のデータアナリストが「Keywordmap」シリーズが保有するビッグデータを中心に、多量かつ多様なデータを、定量的・客観的に調査・分析し、クライアントの市場における需要・供給の状況や、競合他社の戦略について的確に把握することで、クライアントのデジタルマーケティングの戦略立案・施策実行・効果測定までを統合的にサポートしています。

自社ツール「Keywordmap」シリーズは当社のアナリティクス事業本部の生産性向上にも寄与しています。「Keywordmap」シリーズを活用することで、コンサルティング及び分析、クリエイティブ制作ディレクションなどの業務フローが統一され、高品質なアウトプットを効率的に提供できるほか、人材の育成期間も短縮できています。例えば、膨大なデータを取り扱うデータアナリストの業務は、サービスの品質に大きな影響を与えますが、「Keywordmap」シリーズを活用することで、当社ではほぼ未経験の状態でデータアナリストを採用し、早期の戦力化を実現できています。これにより、コンサルティング事業にありがちな人材育成の遅延を要因とする事業成長の鈍化を回避し、順調な事業成長を実現しています。

 

(※)

1.クローラー…一定範囲のウェブサイトに対してルールに基づきサイト内を周期的に巡回してデータを収集する機能

2.データサービスプロバイダー…Twitter等のデータを有償提供している企業

3.自然言語処理…人間が日常使っている“言葉”をコンピュータで処理できるようにする一連の技術

4.深層学習技術…コンピュータ上に人間の脳の仕組みを模し、コンピュータ自らがデータの特徴を発見できるようにする技術

5.インサイト分析…潜在的な欲求、購買行動を促す隠れたニーズの分析

 

 

(2) 具体的な製・商品又はサービスの特徴
(ソリューション事業)
① 「Keywordmap」

独自に取得したビッグデータや、データサービスプロバイダー企業を通じて収集したデータを活用し、検索エンジンマーケティング(※6)に関わるマーケティング調査、分析を支援するクラウド型ソフトウエアです。月額定額制のサブスクリプション型の料金体系です。

 


 

サービスの特徴は以下のとおりです。

(a) 保有データの精度の高さ

本プロダクトが保有するデータは、日本語のビッグデータを基に独自に開発した自然言語処理を施しています。そのため、表示される分析データにノイズ(※7)が少なく、市場分析に利用可能なデータの量が多いのが当社保有データの特徴です。

 

(b) 効率的な分析作業が可能

当社では、デジタルマーケティングに関するビッグデータを自社サーバーに保有しています。そのため、クライアントのオーダーを受けて分析データの結果を速やかに表示することができ、クライアントの分析作業時間を短縮することができます。

 

(c) Web上のコンテンツデータが分析対象

当社では独自のクローラーを保有しており、Web上の様々なページのコンテンツデータを自社サーバーに蓄積しています。そのため、競合ツールではデータ抽出の対象が自社サイトや事前に登録したWebサイトに限られる中、Keywordmapでは全てのWebサイトのコンテンツデータを分析対象とすることができます。

 

(d) マーケター視点での機能設計

デジタルマーケティング上の方法論や有益な示唆を得るための分析手法の実践を想定し、マーケター視点で各機能が設計されています。

 

主要機能は以下のとおりです。

(a) ユーザーニーズ分析

特定のキーワードを指定し検索することで、共起語(※8)、季節要因による検索ボリューム変動等を抽出し、視覚的に把握できる機能です。特定のキーワードを検索する一般消費者がどのような意図やニーズを背景にそのキーワードを検索しているのか、視覚的に表示します。本機能をKeywordmapユーザーが活用することで、顧客の隠れたニーズなどを見出すことができ、コンテンツマーケティングの企画や改善、商品企画時のアイデア立案などに活用できます。

 

 

(b) サイト流入分析

特定のWebサイトのURLを指定し、検索することで、指定したWebサイトの集客に検索エンジン経由で貢献しているキーワードを調査できます。本機能は、自社のWebサイト、他社のWebサイト問わず、URLを指定するだけで、あらゆるWebサイトの分析が可能です。検索エンジンマーケティングでは、競合のWebサイトの集客に寄与するキーワードや流入増減の分析が、自社の検索エンジンマーケティングの成功の可否に影響します。そのため、本機能を通じて効率的な競合調査をすることで、自社にとってより有効なマーケティング施策を推進できます。

 

(c) 一括分析レポート

検索エンジンマーケティングでは、マーケティング施策対象としているキーワードの検索順位は非常に重要な指標のひとつです。そのため、Webサイトの集客に取り組む多くの担当者が定期的に順位を計測しています。通常、こうした検索順位を示すレポート作成には多大な時間を要しますが、本機能を活用すると、半自動的に精度の高いデータを取得し、Excel形式で出力することが可能です。そのため、一つひとつ順位を確認する必要があった従来のレポーティング作業を大幅に削減できます。

 

(d) アルゴリズム分析

検索エンジンマーケティングでは、検索エンジンの順位アルゴリズム(※9)の変更がマーケティング成果に大きく影響します。こうしたアルゴリズム変更の詳細は非公開であり、検索エンジンマーケティングの依存度が高い企業ほどアルゴリズム変更をいち早く察知し、適切な対処ができるか否かが死活問題となります。本機能を活用することで、一切公開されていない検索順位決定アルゴリズムの変更を「変動値」から検知することが可能です。また、どのWebサイトがアルゴリズム変更によって優遇されたのかを視覚的に把握できるため、優遇サイトの分析を通じて間接的にアルゴリズムの変更方針を分析できます。これにより、アルゴリズム変更後も、適切に自社のマーケティング施策を策定でき、より精度の高い検索エンジンマーケティングで安定的な集客を支援します。

 

(e) 広告出稿分析

競合他社のURLを検索すると、当該URLが出稿している広告を分析できる機能です。テキスト広告やバナー広告を分析でき、Keywordmapユーザーは、結果から競合他社がよく利用する訴求文(キャッチコピー)を解析できます。広告効果を高めるためには、消費者の興味関心に合致するテーマを広告クリエイティブ(※10)で表現する必要があり、アドプランナーやデザイナーと呼ばれる広告制作者は日々訴求力が高い広告クリエイティブのアイデア不足に悩んでいます。本機能を活用し、競合他社の訴求を分析することで、自社のクリエイティブのアイデア出しや企画の考案をスムーズに進めることが可能です。

 

 

 

② 「Keywordmap for SNS」

昨今、TwitterやYouTubeなどSNSの利用者数が増加しており、SNS経由の売上影響度も高まっています。こうした市場の変化と事業者によるSNSマーケティングへの関心の高まりから、当社では2019年10月にTwitterのデータ解析を通じてSNSマーケティングを調査・分析・プラニングできるサービス Keywordmap for SNSをリリースしました。月額定額制のサブスクリプション型の料金体系です。

 


 

サービスの特徴は以下のとおりです。

(a) 「コンテンツマーケティングをSNSでも展開する」を軸にしたSNSマーケティングを提唱

従来のSNS分析ツールが、SNSマーケティングによる言及数(口コミ数)の発生数増加を支援することに主眼が置かれていたのに対し、Keywordmap for SNSは、コンテンツマーケティングを用いた顧客との接点作り、認知及び行動変容(購買行動へと誘導)の発生に主眼を置いているため、各企業が獲得したい潜在顧客層となるユーザーがSNS上でどのような情報に興味関心を示すかを分析し、顧客層が関心を持つ情報を積極的に発信する事で、顧客層とSNSで接点を作ることが可能となります。

 

(b) Twitterアルゴリズムが重視する「エンゲージメント」を軸にした機能開発

「ユーザーにとって有益な投稿=エンゲージメント数(ユーザーの反応)の多い投稿」をTwitterは評価し、より多くのユーザーに表示させるアルゴリズムが働いています。エンゲージメントの傾向分析を行うことで、これまで属人的に取り組んでいたアカウント運用を定量化し、誰もがユーザーにとって有益な投稿を再現できる機能を備えています。

 

(c) 感情分析AIを搭載

日本語の感情表現には「ニュアンス」が多く含まれます。

日本語特有のニュアンスを理解した判定は難易度が高く、従来の機械的な判定には限度がありましたが、当社ではKeywordmapの開発を開始してから日本語データを収集し続けているため、SNS上に登場する大量の日本語データから感情を含む新語を発見し、AIモデルに学習させられる体制があり、AIモデルの判定精度を維持し続けることが可能になっています。

 

(d) 保有データの精度の高さ

当社が保有するデータは、日本語のビッグデータを基に独自に開発した高精度な自然言語処理を施しています。そのため、市場分析のために利用可能なデータの量が多いの多く自由度が高いことが特徴です。例えば、複数アカウントの属性データを一括分析する際に、Twitter上のノイズとなりやすい懸賞系アカウントに関連するキーワードを除外することなどが可能です。

 

 

主要機能は以下のとおりです。

(a) 需要分析

キーワードを検索すると、Twitter上の需要推移が分析できます。現在、日本国内のTwitterユーザーは4,500万以上(※11)に上り、国民的サービスになりつつあります。このことから、あらゆるリアルタイムの情報がTwitterに集約される土壌ができていることがわかります。当社はTwitterの投稿を分析することで、国内の大きな需要をほぼリアルタイムで解析できると考え、本ツールにおいて需要を分析できる機能を実装しました。商品名や人名などキーワードを検索することで、当該キーワードを含んだツイート数の推移を日単位で分析できます。また、特定の商品名や流行の語句を検索することで、人々の興味関心を実データから読み解くことが可能となり、今後の需要の予測や、需要が上昇・下落した要因などをツイート文などから解析できます。

 

(b) 感情判定

特定のキーワードを含む投稿文章にどんな単語や言葉遣い、表現が含まれているかによって、それを入力した消費者がどんな感情や気持ちを抱いて投稿したのかを判定します。「愛情」「楽しみ」「ニュートラル」「怒り」「悲しみ」「恐れ」の6つの感情に区分し、感情別の投稿から、消費者が抱えるニーズを発見することで、商品開発やサービス改善のフィードバックに活かすことが可能です。感情分析AIで消費者の感情や本心を正確に読むことで、販売活動や営業活動を促進します。

 

(c) アカウント分析

TwitterなどSNSサービス上でコンテンツマーケティングを行う際に分析、運用を支援する機能です。SNSでコンテンツマーケティングの成果を創出するには、SNS上の潜在顧客との接触数を増加させ、潜在顧客の反応率を高める必要があります。効果を最大化させるためには、潜在顧客層のニーズ解析、自社・他社アカウントの分析、KPI設計と達成を促すアカウント運用支援、が必要となり、Keywordmap for SNS上で機能提供しています。アカウント運用に必要な機能を備え、最短での目標達成を支援します。

 

(d) 投稿管理

SNSアカウントは継続的に興味を引く投稿を行い、フォロワーとのコミュニケーションを図ることでマーケティング効果を生み出します。そのため定期運用やリスクを回避するための管理が必要となります。投稿管理やコメント対応、フォロワーの分析やキャンペーン効果計測といった多様な業務が発生し、フォロワーが増えるほど対応に追われ、効果的で安全な運用が難しくなります。投稿管理機能は、こうした業務を自動化・簡略化します。ツイートの予約投稿に加えて、カテゴリ付与・スレッド投稿・縦型プレビュー・投稿承認フロー・自動レポートなど運用の効率化やリスク低減に必要な機能が充実しています。

・カテゴリ付与:投稿内容によってカテゴリラベルを付与し、テーマ毎に投稿の検証をすることができる

・スレッド投稿:予約投稿時、特定の投稿に返信する形式にて紐づけ投稿設計(スレッド)ができる

・縦型プレビュー:スマホで撮影されることの多い縦型画像を投稿する場合に、どのように表示されるかを事前確認することができる

・投稿承認フロー:特定のアカウント(人物)の承認を得ないと投稿ができないフローの設計ができる

・自動レポート:同期したアカウントの「インプレッション数」「ハッシュタグクリック数」「フォロワー数増減」など16項目の分析結果・予実管理のレポートのダウンロードができる

 

(アナリティクス事業)

 DXコンサルティング

企業に対してBtoC及びBtoBマーケティング支援を実施しています。検索エンジンやソーシャルネットワーキングサービス(SNS)上のビッグデータ解析を通して、クライアントの対象顧客の顕在的・潜在的な需要を把握し、最適なコミュニケーション戦略及び施策の立案を行います。

また、オンライン上での見込み顧客の獲得、会員登録、購入・成約など全フローにおいて、クライアントのデジタルトランスフォーメーション(DX)(※12)を包括的に支援しています。例えば、見込み顧客の獲得を目指すフローでは、コンテンツマーケティングの手法を活用し、潜在顧客にアプローチします。コンテンツマーケティングを実施するプラットフォームは、コーポレートサイトやECサイト、YouTube、Twitterなど、様々です。加えて、ブランディング記事(※13)やホワイトペーパー(※14)のディレクション、展開を通じて顧客の会員登録、商品の購入などを後押ししています。原則、初期調査費用+月額定額制のサブスクリプション型の料金体系です。

DXコンサルティングの特徴は、以下の5つです。

 

(a) ビッグデータの活用

当社が運営するクローラーから取得されるビッグデータを主に、クライアントから提供される事業データやWebサイトのアクセスログといったファーストパーティデータ(※15)など、多様なデータを解析に活用します。季節やトレンド、ターゲットの属性など、さまざまな観点から緻密な分析を重ねることで、データに基づいた説得力の高いアウトプットを提供しています。

 

(b) スイッチングオプション型のサービス提供

当社では、異なる領域における施策を組み合わせて提供するスイッチングオプション型のサービス形態を採用しています。マーケティングコンサルティング業界では一般的に、検索エンジンマーケティングやソーシャルメディアマーケティング、アクセス解析など、特定の領域の施策を一定期間にわたって縦割りで提供するサービス形態が取られています。しかし、有効なマーケティング施策を見いだすには多角的なアプローチが必要であり、特定の領域に偏ったコンサルティングでは、クライアントの根幹となる課題を解決することは困難です。こうした業界の特徴に対し、当社ではスイッチングオプション型でサービスを提供することにより、各領域の進度に応じて臨機応変に施策を推進しています。そのため、クライアントのビジネス目標の達成に本質的にコミットすることが可能です。また、多岐にわたるマーケティング施策をワンストップで利用できるサービスのため、クライアントにとってはコストの観点からも当社のサービスを採用するメリットがあります。領域ごとに複数の企業へ発注した場合と比較し、コストダウンが図れる点も、本サービスがクライアントから支持される理由の一つです。

 

(c) 施策の起案から実行までサポートする組織体制

クライアントのビジネス目標に応じて、施策の提案、代行、効果測定、改善まで全フローをサポートしています。当社では、1つのプロジェクトに対しコンサルタント、アナリスト、コンテンツディレクターの3職種で連携し、サービスを提供しています。コンサルタントがプロジェクト全体を管理し、アナリストが戦略・施策の立案、効果測定を担い、コンテンツディレクターは記事や広告など各種クリエイティブのディレクションを担当します。クライアントのビジネス目標達成に向けて3職種が協業することで、全フローでのサポートを可能にし、サービスの最大化を図っています。

また、2021年11月からは当社が提携しているマーケティングプロ人材と共にクライアントの課題解決をサポートする「エキスパートソーシングサービス」の提供を開始しました。既存事業やマーケター向けWebメディア「Marketing Native」の運営を通じて培ってきたネットワークから、様々なマーケティング領域のプロ人材に登録いただいており、施策の企画や代行に加え、クライアント社内のコア業務の強化にも貢献する体制を整備しております。

 

 

(d) 施策代行サービスの提供

コンサルタントが提案した施策をクライアントに代わり実行する以下のサービスを提供しています。

コンテンツ制作/ディレクション代行サービス

当社が擁するクリエイティブのプロフェッショナル人材が、コンテンツマーケティングにおけるクライアントの業務プロセスをハンドリングし、実行フェーズをハンズオン(※16)でサポートするサービスを提供しています。

コンテンツマーケティングで成果創出できない理由のうち、大きな割合を占めるのは「施策の実施に割ける時間がない」「質の高い実行ができない」といった問題が挙げられます。こうした状況を解消すべく、長期にわたって多様なサポート内容を継続的に提供できる、月額定額制のサブスクリプション型の料金体系を採用しています。クライアントは、コンテンツマーケティング業務において生じる多様で膨大な実務を、それぞれ複数の企業へ発注する必要がないため、発注先の検討・発注・管理のコストの削減が可能です。

現在、当社ではコンテンツの制作ディレクション領域におけるサポートを実施しています。主に下記の業務を必要に応じて組み合わせ、提供しています。

・記事/資料制作

・画像/動画制作

・コンテンツ構成案の作成

・取材/監修ディレクション

・編集業務

 

広告運用代行サービス

当社のアナリストがインターネット広告の出稿戦略立案から運用まで、ワンストップで代行し、クライアントの獲得顧客数の増加及び顧客獲得効率の改善に寄与します。インターネット広告には、リスティング広告(※17)、ネイティブ広告(※18)、SNS広告、動画広告などが挙げられます。

通常の運用代行サービスで活用されるプラットフォームデータに加え、「Keywordmap」シリーズのデータを活用することにより、クライアントが競合とする企業の出稿戦略及び対象顧客のニーズを把握できます。そのため、競合先の施策に応じた出稿戦略の立案・実行が可能です。

料金体系は、出稿金額に一定の料率を乗じた金額を、運用手数料としていただいています。

 

(e) 3職種の専門性の高さ

コンサルタント、アナリスト、コンテンツディレクターの3職種は、それぞれが担当する領域でPDCAを繰り返し、実践的なノウハウを豊富にストックしています。役割分担を明確にし、3職種が強みを伸ばすことで、高い専門性を担保しています。

 コンサルタント

成果創出を重視したプロジェクトマネジメントを推進しています。クライアントのビジネス目標達成に向けてロードマップの設計、KPIを設定し、進捗に応じて有効な施策を提案・実行しています。

 

 アナリスト

データ解析力の高さが大きな強みです。当社が保有する膨大なビッグデータを主な分析対象として、客観的かつ定量的な戦略・施策を立案します。

 

 コンテンツディレクター

編集・デザインに強みを持った編集経験豊富な社員が多く在籍しています。論旨明快な記事は、クライアントの評価を得るとともにクライアントのWebサイトへの訪問者数の増加にも貢献しています。また、クライアントのニーズに応じて、ブランディング記事の作成やWebサイトの改修提案、ホワイトペーパーのディレクションなど、多様なアプローチでコンテンツマーケティングを推進しています。

 

 

(※)

6.検索エンジンマーケティング…検索エンジン上で実施する、Webサイトへの訪問者を増やすためのマーケティング手法

7.ノイズ…日常で使用される頻度が低いキーワードを指します。

  例:「コンテンツ」「こんてんつ」「contentsu」の場合、言葉としての意味は同じものですが、「こんてんつ」「contentsu」に関しては、精度が低いデータ「ノイズ」と定義しています。

8.共起語…指定したキーワードを含む文章、あるいはその周辺に同時かつ頻繁に出現する他の単語を指します。情報網羅性・専門性が高い文章を作成する際に必要なデータとなります。

9.アルゴリズム…アルゴリズムという単語自体は「問題を解決するために考えられた手順や計算方法」と訳されますが、Webマーケティング領域においてはWebサービスを構成する各々のルールやメカニズムを意味します。このアルゴリズムに沿って検索結果の表示順位が決まります。

10.広告クリエイティブ…Web広告の形式や表現を指します。主に広告テキスト、広告静止画、広告動画などが広告クリエイティブとして挙げられます。

11.出所:https://twitter.com/TwitterJP/status/923671036758958080

12.デジタルトランスフォーメーション(DX)…企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立することを言います。

13.ブランディング記事…企業あるいは商品・サービスのブランディングに寄与させる目的で作成する記事

14.ホワイトペーパー…企業が抱える課題を解決するために役立つ資料のことです。一般的に資料提供と引き換えにリード情報を獲得することを目的として作成・配布されます。

15.ファーストパーティデータ…顧客やサイト訪問者などに関する企業の自社データ

16.ハンズオン…直接手を動かす形で介入/関与するという意味

17.リスティング広告…検索エンジン上で、検索キーワードに関連した広告を、検索結果画面に表示するものです。検索連動型広告とも呼ばれる。

18.ネイティブ広告…デザイン、内容、フォーマットが、媒体社が編集する記事・コンテンツの形式や提供するサービスの機能と同様でそれらと一体化しており、ユーザーの情報利用体験を妨げない広告(一般社団法人インターネット広告推進協議会の定義)

 

〔事業系統図〕

当社の事業系統図は、以下のとおりであります。

 


 

 

4 【関係会社の状況】

該当事項はありません。

 

 

5 【従業員の状況】
(1) 提出会社の状況

 

 

 

2022年10月31日現在

従業員数(名)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

129

13

30.8

2.03

5,457

 

 

セグメントの名称

従業員数(名)

ソリューション事業

42

4

アナリティクス事業

65

8

全社(共通)

22

2

合計

129

13

 

(注) 1.従業員数は就業人員(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む)であり、臨時雇用者数(パートタイマーを含む)は、年間の平均人員を〔 〕外数で記載しております。

2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

3. 前事業年度末に比べ従業員が42名増加しておりますが、これは事業拡大に伴い採用を強化したことによるものであります。

4.全社(共通)として記載されている従業員数は、管理部門等の報告セグメントに属していない従業員であります。

 

(2) 労働組合の状況

労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社が判断したものであります。

 

(1) 経営方針・経営戦略

当社は、創業以来、デジタルマーケティング領域におけるデータ分析及び総合的なコンサルティングサービスの提供と、ビッグデータを活用したSaaS型のソリューション開発及び販売を行って参りました。これらの領域で品質の高いサービスを提供し続けるため、分析、コンサルティング、ソリューションに求められる信念を集約し、「確信をもつ、核心をつく、革新をおこす」という経営理念を掲げ、2019年1月には社名を変更しております。経営理念である3つの「カクシン」の英単語の頭文字を取ったものが現在の社名の由来となっております。

 


 

当社は、あらゆるデータを様々な分析手法で活用し、革新的ソリューションを提供することにより、「マーケティングソリューションで日本を代表する会社を創る」というビジョンのもと、マーケティングのDX支援サービスの提供に取り組んでいきます。

デジタルマーケティング活動において使用するデータの「量」や「鮮度」は分析品質に大きく影響し、その収集や蓄積、検索には高い技術力が必要となります。当社では創業時からデータ取得のためのクローリング、自然言語処理技術、データベース取扱技術の研究開発に関して、強みを持っております。引き続き、「Keywordmap」シリーズでは競合他社が扱うことが困難なデータを蓄積していくと同時に、ソリューション事業に関してはクライアントに支持される新機能開発やカスタマーサクセスチームの体制強化による契約件数の拡大、豊富なオプションプランによるアップセルを通じた契約単価の引き上げを推進してまいります。

アナリティクス事業においては、優秀なコンサルタントの採用と育成を進め、マーケティング全体戦略をふまえた成果創出までの総合コンサルティングサービスの提供を行うことで、新しい顧客基盤の拡大を図ってまいります。あわせて、社外のマーケティングのプロ人材を活用してクライアントのマーケティング活動を支援するエキスパートソーシングサービスへの取組みも強化してまいります。

また、デジタルマーケティング市場の成長、効率化を重視した働き方改革、既存プラットフォームのアルゴリズム変更等に対応し、両事業が連携して、デジタルマーケティング領域の新規サービスの立ち上げを行ってまいります。

 

(2) 経営環境

近年、インターネット、スマートフォン、SNSの普及によりデジタルチャネルでの購買が一般化してきたこと、新型コロナウイルス感染症拡大によりオフラインでのマーケティング活動が制限されたこと等により、企業のマーケティング活動のデジタルシフトが加速しており、当社の事業領域であるデジタルマーケティング市場は急速に拡大しています。

株式会社電通「2021年日本の広告費」によると、日本のインターネット広告費は、社会のデジタル化加速が追い風となり、2018年に2兆円を超え、以降も堅調に拡大しており、2021年に2兆7,052億円となりました。マーケティング活動のデジタル化の流れは今後も継続すると見込まれます。

加えて、内閣府「令和4年版高齢社会白書」によると、2020年に7,509万人いた15歳~64歳の生産年齢人口は、2065年には4,529万人まで減少すると予測されており、今後も働き方改革や生産性向上を実現するためのIT投資需要は継続するものとみられ、国内DX市場規模のさらなる拡大が見込まれます。

 

(3) 経営上の目標状況の達成を判断するための客観的指標等

当社は、中長期的には、株主価値を向上させるため、株主資本利益率を経営上の目標指標としていく方針ですが、現時点では、売上高及び営業利益を増加させ、事業規模を拡大させることを優先しております。そのため、経営上の判断指標として、売上高及び営業利益に加え、ソリューション事業においては、新規獲得MRR、解約MRRを、アナリティクス事業においては、新規獲得契約金額、総継続売上率(対象四半期で契約更新する案件のうち契約更新した案件の合計契約金額にアップセル金額を加えたものを、対象四半期で契約更新する案件の合計契約金額で割ったもの)を月次ベースで、取締役会等で共有し、施策を検討しております。

 

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 優先的に対処すべき財務上の課題は、現在ありません。優先的に対処すべき事業上の課題は以下のとおりです。

① 優秀な人材の獲得と育成

当社の属するインターネット業界の最大の特徴は、急速な技術進歩と環境変化にあります。こうした変化の激しい環境において、当社では、技術進歩や環境変化で陳腐化しない、必要とされ続ける課題解決力と新しい事業の創出に挑戦し続けることができる人材が不可欠となっています。また、当社のコンサルティングサービスは知識集約ビジネスであり、コンサルタントのサービスレベルが成長の鍵となります。そのため、業界やサービス領域に特化せず、お客様のニーズに応えた実現性のあるサービスの提供が重要となっております。

そのため、当社は社内研修の強化、福利厚生の充実を図っていくとともに、志望者を惹きつけるような事業を展開していくことで、優秀な人材の採用強化に取り組んでまいります。

 

② 開発体制の強化

日々一刻と変化するデジタルマーケティング業界において、常に市場から支持される製品・サービスを開発するためには、適時的確に市場のニーズを把握し、迅速に機能開発を行う必要があります。そのためには、各開発メンバーとプロダクトオーナー、事業本部長の連携促進を適切に図り、開発スピードを維持・向上するような開発体制の強化が必要であると認識しております。また、開発部門と顧客やユーザーと接している営業部門がコミュニケーションを密に取ることで迅速に市場のニーズを吸い上げ、市場のニーズを機能開発・サービス開発に反映させてまいります。

 

③ 新規事業の展開

当社は、「マーケティングソリューションで日本を代表する会社を創る」ために、継続的な新規事業の開拓と育成が必要と考えております。そのためには社内リソースの活用だけではなく、外部リソースを活用することも重要と考えており、事業提携やM&A等のあらゆる可能性を検討してまいります。

 

 

④ 認知度の向上

当社は、これまで大規模な広告宣伝投資を行わず、当社が持つマーケティングノウハウ及び提供サービスの優位性によりクライアントの獲得を行ってまいりました。その結果、幅広い業種の企業に当社のサービスをご導入いただき、継続的な取引が実現できています。

しかしながら、事業のさらなる拡大を図るに当たり、当社ブランド及びサービスのより一層の認知の獲得が必要と考えており、広告宣伝及びプロモーション活動による認知度の向上を図ってまいります。

 

⑤ 知的財産管理体制の整備

第三者の著作権を含めた知的財産権に関して、当社はこれまで、調査可能な範囲で対応を行っております。

当社では、知的財産権管理に関するガイドラインを作成し、引き続き、チェック体制の強化、知的財産権管理体制の整備に努めてまいります。なお、当社では、過去において、他社の知的財産権を侵害したとして損害賠償や使用差止めの請求を受けたことはありません。

 

⑥ 情報セキュリティ体制の強化

当社は、インターネット上のビッグデータを収集し、分析を行い、顧客に提供しています。そのため、当該データに関する情報セキュリティ体制の強化が必要不可欠となっています。収集したデータの社内での機密性確保並びに漏洩防止の強化を行い、セキュリティ管理体制の構築、整備、運用に注力してまいります。

 

⑦ 内部管理体制の強化

当社が継続的に成長し続けるためには、内部管理体制の強化が必要不可欠な課題であると認識しております。そのため、今後においても、内部統制システムの運用を徹底し、事業運営上のリスクの把握と管理を適切に行える体制構築に努めてまいります。

 

2 【事業等のリスク】

当社の事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を及ぼす可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

当社はこれらのリスクの発生可能性を十分に認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の迅速な対応に努める方針です。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであり、将来において発生の可能性がある全てのリスクを網羅するものではありません。

 

(1)事業環境に関するリスク

①経営環境の変化について

当社は、企業のマーケティング活動をより高品質かつ効率的に進めるための課題解決ソリューションを提供しております。しかし、経済情勢や景気動向の変化、顧客企業の業績悪化等により、コスト削減が推し進められる場合は、当社の売上が減少し、業績に影響を与える可能性があります。

 

②競合リスクについて

デジタルマーケティング市場においては、新興企業やプロダクトも多く参入してきております。新たな集客プラットフォームの出現や、当社の開発の遅れ、既存マーケティング手法の劣化、弱体化が見られる場合は、当社の経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

当社は、最先端のマーケティング手法を提供できるように、様々な情報ソースから最新の情報を取得し、サービスに組み込むことで、こうした脅威の軽減を図っております。

 

③技術革新によるリスク

当社は、ビッグデータ活用技術及びAI技術に基づく事業を展開しておりますが、当該分野は新技術の開発が相次いでおり、変化の激しい業界となっております。当社は、顧客ニーズに応じた競争力のあるサービスを提供できるよう、人材の採用・育成や技術、ノウハウ等の取得に注力しておりますが、当社サービスに代わる競合他社の代替サービスが登場し、当社の競争力に影響を与えた場合は、当社の事業に影響を与える可能性があります。

 

④ プラットフォームへの対応についてのリスク

当社の事業において、「Yahoo!JAPAN」や「Google」等の主要なプラットフォームが定期的に行なう、検索エンジンのアルゴリズムの判定要素の更新については、その判定要素が対外的に公開されていないため、その更新への対応を適時適切に行なう必要があります。しかし、その更新への対応が適切でなかった場合、あるいは更新への対応が遅れた場合等には、顧客の満足するサービスを提供することができず、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

これらのメディアが大型の更新を行う際は、事前に告知されることが多い為、当社はその情報をタイムリーに入手し、適切にサービスに反映することで、こうした脅威の軽減を図っています。

 

⑤ ビッグデータの利用規制の厳格化のリスク

今般、ソーシャルメディアの普及により、データが日々大量に生成されるようになり、ビッグデータに関するビジネスが推進されるようになってまいりました。一方、データの不正利用やプライバシーを侵害する事例も散見されるようになってきております。このため、収集する情報に個人が特定できる情報が含まれていて、無意識のうちにそれらの情報が分析対象となっていた場合に何らかの規制対象となることや、今後の新たな法律の制定や既存の法律の変更により、自主規制が求められるようになる可能性があります。このように当社のサービスを提供するうえでの情報収集やサービスの提供の仕方自体に何らかの制約を受けた場合等には、当社の業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥ 当社ビジネスモデル(SaaS型)についてのリスク

当社は顧客にとっての使いやすさを追求した、ビッグデータを処理し、活用するためのプラットフォームの提供を行っております。このため当該ツールは、顧客業種に依存しない汎用性の高いサービスとなっていることに加え、SaaS形態での提供となっていることから顧客側において大規模なシステム環境を構築する必要もなく、容易に導入できる仕組みとなっております。

本提供マーケティング分析ツールは、継続して活用することでマーケティング改善の効果確認ができ、多くの顧客が継続的なクライアントとなっているものと認識しておりますが、SaaSによる提供となっていることから、解約自体は容易に可能であります。

したがって、①当社の提供するサービスが継続的に顧客ニーズに応えられない場合や、②技術革新により競合他社がより良いサービス提供を行う場合等においては、顧客離れが生じ当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

当社は、クライアントにサービスの改善要望をヒヤリングし、プロダクトの改善をおこなっていくことで、こうした脅威の軽減を図っています。

 

⑦ 顧客需要の変化について

近年、ソーシャルメディアをマーケティングや商品開発に活かすニーズが高まっております。その背景のもと当社は、ソーシャルメディアを活用した分析ツールやソフトウエア、レポート等を顧客に提供する事業に力を入れており、ビッグデータ解析の新技術の開発などにより、顧客側のニーズに応え続けていく方針ですが、顧客側のソーシャルメディアの活用ニーズの変化に対して適時適切に対応できない場合等には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑧ システムリスク

当社の事業は、提供サービスの基盤をインターネット通信網に依存しております。そのため当社では、コンピュータウィルスへの感染、ネットワークへの不正侵入、サイバー攻撃等の妨害行為によるシステムダウン、大地震や火災等の自然災害発生によるシステム障害等、顧客へのサービス提供が妨げられるようなシステムトラブルを回避すべく、外部業者によるシステムサーバーの管理・監視体制の構築や、バックアップ、システムの二重化等により未然防止策を実施しております。しかしながら、何らかの障害により大規模なシステムトラブルが顕在化し、復旧遅延が生じた場合は、当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑨ 情報取得の制限リスクについて

当社は、SNS等により日々大量に生成されるインターネット上のビッグデータを収集しております。しかしながら、法的規制の強化や、SNS等の運営者側の方針転換により、情報の取得に制限が加わったり、禁止されたりする可能性があります。このような事象が生じた場合、当社は他の方法により同様のデータの入手に努める方針ですが、現在入手できているデータを取得できなくなることでサービスの品質が低下したり、情報の収集に対して追加コストが発生したりする場合には、当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑩ NTTデータとの契約関係について

当社は、Keywordmap for SNSを提供するために、現在、TwitterデータをNTTデータ社から購入しております。

従いまして、当社では、NTTデータ社との契約は、当社がKeywordmap for SNSを展開するための前提となる契約であると考えております。現在、NTTデータ社と当社の間の契約の継続に支障をきたす要因は発生しておりませんが、当社の利用規約違反等によりNTTデータ社との契約が継続できなくなった場合、NTTデータ社によりデータ利用料の値上げが実施された場合、その他何らかの事情により当社とNTTデータ社との契約の変更があった場合もしくは継続ができなくなった場合には、当社の事業運営及び業績に重大な影響を与える可能性があります。

 

⑪ 知的財産権の侵害リスクについて

第三者の著作権を含めた知的財産権に関しては、当社はこれまで、調査可能な範囲で対応を行っておりますが、当社のビジネス領域において、第三者が保有する知的財産権を網羅的に把握することは困難であり、当社が認識せずに他社の知的財産権を侵害してしまう可能性があります。当社では、過去において、他社の知的財産権を侵害したとして損害賠償や使用差止めの請求を受けたことはなく、引き続き、当社ガイドラインに基づいて、チェック体制を強化してまいりますが、知的財産権を侵害した場合には、当社に対する損害賠償や使用差止め等が行われることにより、当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑫ 法的規制等について

現時点においては、当社の事業を直接制限する法的規制はないものと判断しております。しかし、今後、当社の事業を直接的、又は、間接的に制限する法的規制がなされた場合や、従来の法的規制の運用に変更がなされた場合においては、当社の事業は法的な制約を受け、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑬ 新規事業推進に係るリスク

当社では今後、デジタルマーケティング領域の新規サービスを継続的に展開していく方針です。

しかしながら、新規事業は現状構想段階であり、結果的に実現しない又は実現したとしても十分な収益が獲得できず撤退する可能性があります。当社といたしましては事前に十分な検証を行ったうえで開発等を開始する方針ではありますが、結果的に新規事業に失敗した場合、コストのみが計上されることから当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑭ 新型コロナウイルス感染拡大の影響について

新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大に伴い、当社では、お客様と従業員の健康・安全確保を第一にテレワークなどの取り組みを実施し、事業継続に努めており、新型コロナウイルス感染症が当社の財政状態及び経営成績に与える影響は、現時点において限定的なものではありますが、国内及び海外主要各国において終息に向かわず、拡大が今後数年間にわたり続いた場合は、深刻な経済的影響が生じ、市場の縮小や個人消費の冷え込みに繋がることが予想されます。今後、事態がさらに深刻化、長期化した場合には、当社の事業展開及び財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)会社組織に関するリスク

① 人材の確保について

当社の属するインターネット業界の最大の特徴は、急速な技術進歩と環境変化にあります。こうした変化の激しい環境において、当社では、技術進歩や環境変化で陳腐化しない、必要とされ続ける課題解決力と新しい事業の創出に挑戦し続けることができる人材が不可欠となっています。また、当社が事業を拡大するうえでは、ビッグデータとテクノロジーを駆使する高い技術力が極めて重要と認識しております。そのため、優秀な人材の確保と既存の人材のスキルアップを図れない場合は、当社の経営成績に重大な影響を与える可能性があります。

 

② 特定の人物への依存に係るリスク

当社の代表取締役社長である石松友典は、当社の創業者であり、経営方針や事業戦略の決定とその実行において重要な役割を果たしております。また、当社の共同創業者であり取締役副社長である平大志朗は、新規サービス開発の推進等において重要な役割を果たしております。

このため当社では、事業拡大に伴い積極的な権限委譲を実施し、各人に過度に依存しない経営体質の構築を進めておりますが、何らかの理由により各人に不測の事態が生じた場合、又は同氏が退任するような事態が生じた場合には、当社の業績及び事業展開に影響を与える可能性があります。

 

③ 情報セキュリティ体制について

当社は、インターネット上のビッグデータを収集し、分析を行い、顧客に提供しております。そのため、当該データに関する情報セキュリティ体制の強化が必要不可欠となっています。また当社の提供する解析結果については、顧客の経営戦略上極めて機密性の高い情報が含まれているものと認識しております。収集したデータの社内での機密性確保並びに漏洩防止の強化を行い、セキュリティ管理体制の構築、整備、運用に注力してまいりますが、万が一これらの機密情報が漏洩した場合には、当社への社会的信用の失墜により、当社事業及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

④ コーポレート・ガバナンス体制、内部管理体制について

当社が継続的に成長するためには、コーポレート・ガバナンス体制及び内部管理体制の更なる強化が必要であると認識しております。コーポレート・ガバナンスについては、経営の健全性及び効率性を確保するため、監査役監査及び内部監査、内部統制システムの整備に努めております。また、内部管理体制については、人員の増強等を図っておりますが、財務報告の適正性、適時開示の重要性が高まる中、内部管理体制の構築が追いつかない場合には、適切な業務運営が困難となり当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)その他のリスク

① 新株予約権の行使による株式価値の希薄化について

当社では、役員、従業員及び社外協力者に対するインセンティブを目的として、当社の新株予約権(以下、「ストック・オプション」という。)を付与しております。また、今後におきましても、役員、従業員及び社外協力者に対してインセンティブとしてストック・オプションを付与する可能性があります。これらのストック・オプションが権利行使された場合、当社株式が新たに発行され、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。当事業年度末現在、これらの新株予約権による潜在株式数は241,290株であり、発行済株式総数3,361,810株の7.18%であります。

 

② 配当政策について

当社は、更なる財務体質の強化や事業拡大及び競争力の確保を経営の重要課題として位置付けております。当社の配当に関する基本方針は、株主の皆様に対する利益還元を重要な経営課題と認識しつつ、現時点においては、内部留保の充実を図り、事業拡大を目指すことが株主に対する最大の利益還元につながると考えております。そのため、今後の配当実施の可能性及び実施時期等につきましては未定であります。

 

③ 調達資金の使途について

当社の公募増資による調達資金の使途については、更なる成長に向けた開発投資や広告宣伝活動、社内リソースの獲得のための人員の増員及び採用関連費用に充当する予定であります。しかしながら、当社の遂行する業務においては急速に事業環境が変化することも考えられ、環境変化に柔軟に対応することを優先し、現時点における資金計画以外の使途へ充当する可能性があります。また、当初の計画に沿って資金を使用した場合においても、想定した投資効果が得られない可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要

当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という))の状況の概要は次のとおりであります。

① 経営成績の状況

当事業年度(2021年11月1日から2022年10月31日)におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症の影響による経済活動の制限が緩和される一方、新たな変異株による感染拡大が加速し、さらにはウクライナ情勢の長期化や物価の高騰、各国における金融政策の引き締めなど、先行きに対する不透明感は強まりつつあります。

一方で、当社が展開するサービスを取り巻く環境は、インターネット、スマートフォン、SNSの普及によりデジタルチャネルでの購買が一般化してきたこと、新型コロナウイルス感染症拡大によりオフラインでのマーケティング活動が制限されたこと等により、企業のマーケティング活動のデジタルシフトが加速しており、当社が事業を展開するDXコンサルティングや「Keywordmap」シリーズ等のデジタルマーケティングを支援するサービスへの需要は引き続き拡大傾向にあり、堅調な成長を続けております。採用に関しても優秀な人材の確保が順調に進捗しました。

また、新たな事業拡大に向けた活動では、業績への貢献は未だ僅少ですが、YouTube、TikTok、Twitter、LINE等の新たなプラットフォームのコンサルティングサービス提供の取り組みや、社外のマーケティングのプロ人材を活用して顧客のマーケティング活動を支援するエキスパートソーシング事業への取り組みを強化しました。

このような経営環境のもと、当事業年度の売上高は1,805,191千円(前年同期比37.4%増)となりました。利益面につきましては、事業拡大に向け新サービスへの先行投資や人材投資を行った一方で、売上高の堅調な推移がこれを上回り、営業利益は292,823千円(前年同期比44.7%増)、経常利益は291,586千円(前年同期比53.1%増)、当期純利益は201,390千円(前年同期比55.5%増)となりました。

なお、当事業年度より「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しております。詳細については「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」をご参照ください。

 

事業ごとの売上高及びセグメント利益は以下のとおりになります。

 

(ソリューション事業)

ソリューション事業においては、「Keywordmap」の営業部員の増員及び人材育成が進んだこと、展示会の出展、オウンドメディア「Keywordmap Academy」やウェビナーを活用したマーケティング施策などが順調に進捗しており、新規案件の獲得が堅調に推移しました。一方、カスタマーサクセスチーム1人当たりの担当件数が増加したことにより、十分なサポート・サクセス支援品質を提供できなかったことを要因として、2021年9月以降は解約率が上昇していましたが、人員の拡充や業務効率化の施策が功を奏し、2022年5月以降の解約率は低下に転じました。

「Keywordmap for SNS」についても、営業部員の増員及び人材育成が進んだことにより、新規案件の獲得が順調に推移しました。また、解約率低減のため、カスタマーサクセスチームの体制の強化を行いました。さらに、ユーザーの生産性向上及び成果創出に寄与する機能を実装しました。

その結果、当セグメントの売上高は886,522千円(前年同期比36.6%増)、セグメント利益は206,379千円(前年同期比75.7%増)となりました。

 

(アナリティクス事業)

アナリティクス事業においては、営業部員の増員及びウェビナーやSNSを活用したマーケティング施策が順調に推移したことにより、新規獲得案件が増加しました。また、コンサルタントやデータアナリストの人員増加や育成体制の強化が進んだことや、動画マーケティングコンサルサービスなどの新規サービスの受注が順調に進捗したことにより、契約件数、月額顧客単価ともに増加しました。

その結果、当セグメントの売上高は934,715千円(前年同期比38.3%増)、セグメント利益は86,444千円(前年同期比2.0%増)となりました。

 

② 財政状態の状況

(資産)

当事業年度末の資産については、前事業年度末に比べて136,214千円増加し、2,025,589千円となりました。

これは主に事業拡大による売掛金の増加(前事業年度比47,771千円の増加)と、ソフトウエアの増加(前事業年度比31,169千円の増加)、敷金及び保証金の増加(前事業年度比102,411千円の増加)、現金及び預金の減少(前事業年度末比80,360千円の減少)によるものであります。

 

(負債)

当事業年度末の負債については、前事業年度末に比べて66,934千円減少し、527,641千円となりました。

これは主に、借入金の減少(前事業年度比92,814千円の減少)と、未払法人税等の減少(前事業年度比15,402千円の減少)、資産除去債務の減少(前事業年度比5,800千円の減少)、人員の増加に伴う未払費用の増加(前事業年度末比19,314千円増加)、未払金の増加(前事業年度末比14,884千円の増加)、外注費の増加による買掛金の増加(前事業年度末比14,329千円の増加)によるものであります。

 

(純資産)

当事業年度末の純資産については、前事業年度末に比べて203,148千円増加し、1,497,948千円となりました。

これは主に、当期純利益の計上による利益剰余金の増加(前事業年度末比201,390千円の増加)と、ストックオプションの行使による資本金及び資本準備金の増加(前事業年度比1,782千円の増加)によるものであります。

 

③ キャッシュ・フローの状況

当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、1,523,509千円となり、前事業年度末残高に比べ80,360千円減少いたしました。なお、当事業年度におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果、獲得した資金は185,501千円(前事業年度は289,833千円の収入)となりました。

これは主に、税引前当期純利益295,733千円、減価償却費40,474千円、未払金の増加により32,872千円の増加を計上した一方で、売上債権の増加により47,437千円の減少、法人税等の支払額110,293千円の支出を計上したことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は174,806千円(前事業年度は26,129千円の支出)となりました。

これは主に、敷金及び保証金の差入による支出102,411千円、無形固定資産の取得による支出72,189千円を計上したことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動により使用した資金は91,055千円(前事業年度は811,056千円の収入)となりました。

これは、長期借入金(1年内返済予定の長期借入金含む)92,814千円の返済による支出と、新株予約権の行使による株式の発行による収入1,758千円によるものであります。

 

④ 生産、受注及び販売の状況
(a) 生産実績

当社はインターネット上での各種サービスの提供を主たる事業としており、また、受注生産形態をとらない事業も多いため、生産実績の記載を省略しております。

 

(b) 受注実績

当社はインターネット上での各種サービスの提供を主たる事業としており、また、受注生産形態をとらない事業も多いため、受注実績の記載を省略しております。

 

(c) 販売実績

第9期事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

ソリューション事業

886,522

+36.6

アナリティクス事業

934,715

+38.3

合計

1,821,238

+37.5

 

(注) 1.セグメント間取引については相殺消去しておりません。

2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績に対する割合が10%以上を占める相手先がいないため記載を省略しております。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

当社の財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

(売上高)

当事業年度における当社の売上高は、1,805,191千円(前事業年度比37.4%増加)となりました。これは、主に、当社の主力サービスである「Keywordmap」シリーズの販売が順調であること及びビッグデータを活用したデジタルマーケティング全般のコンサルティングサービスの案件数の増加によるものであります。

 

(営業利益)

当事業年度における当社の営業利益は、292,823千円(前事業年度比44.7%増加)となりました。事業拡大に向け新サービスへの先行投資や人材投資を行いましたが、売上高の堅調な推移がこれを上回りました。

 

(営業外損益・経常利益)

当事業年度における営業外収益は、受取手数料等により433千円となりました。また、営業外費用は、支払利息等1,670千円を計上しました。経常利益は、291,586千円(前事業年度比53.1%増加)となりました。

 

(特別損益・税引前当期純利益・法人税等・当期純利益)

当事業年度における特別利益は資産除去債務履行差額4,438千円を計上。特別損失は、固定資産除却損、固定資産売却損合計291千円を計上しました。その結果、税引前当期純利益は、295,733千円(前事業年度比55.4%増加)となりました。また、法人税、住民税及び事業税並びに法人税等調整額の合計94,342千円を計上したことにより、当事業年度の当期純利益は、201,390千円(前事業年度比55.5%増加)となりました。

 

 

③ キャッシュ・フローの状況の分析

各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

 

④ 資本の財源及び資金の流動性

当社の所有資金は、運転資金及び事業拡大に伴う、新サービスに関連するソフトウエア等の投資資金となっています。これらの資金については、営業キャッシュ・フローで獲得した自己資金を充当することを基本としておりますが、資金需要及び金利動向等の調達環境を考慮し、金融機関からの借入等、外部資金を調達する場合があります。

また、資金の流動性については、当事業年度末現在、現金及び預金が1,523,509千円あり、事業運営上、必要な資金は確保されていますが、より一層、十分な流動性を維持していく考えであります。

 

⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因について

当社の経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。当社は、常に、事業環境に留意するとともに、組織体制の整備、優秀な人材の確保等により、リスク要因に対応してまいります。

 

⑥ 経営者の問題意識と今後の方針について

当社は、あらゆるデータを様々な分析手法で活用し、革新的ソリューションを提供することにより、マーケティングソリューションで日本を代表する会社を創るというビジョンのもと、マーケティングの効率化・品質向上を支援するソリューション事業、データアナリストによるデータ解析、コンサルテーションを実施するアナリティクス事業を拡大してまいりました。

今後の方針としましても、引き続き市場の拡大が見込まれる当該事業領域へ経営資源を投入することで中長期の持続的な成長を目指してまいります。経営者の問題意識と今後の方針につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。

 

 経営戦略の現状と見通し

経営戦略の現状と見通しについては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

業務委託基本契約

相手方の名称

契約内容

契約期間

株式会社エヌ・ティ・ティ・データ 

「Twitterデータ提供サービス」利用

2019年1月1日から
2019年6月30日まで(自動更新)

 

 

 

2 【主要な設備の状況】

当社における主要な設備は、次のとおりであります。

 

 

 

 

 

2022年10月31日現在

事業所名

(所在地)

セグメント

の名称

設備の

内容

帳簿価額(千円)

従業員数

(人)

建物

工具器具

及び備品

ソフトウエア

合計

本社

(東京都港区)

・ソリューション事業

・アナリティクス事業

・全社(共通)

ソフトウエア、業務施設等

566

4,694

85,085

90,346

128(12)

福岡天神ラボ

(福岡県福岡市中央区)

・アナリティクス事業

業務施設等

1(1)

 

(注) 1.現在、休止中の主な設備はありません。

2.従業員数は就業人員であり、臨時従業員数は( )内に年間平均人数を外数で記載しております。

3.本社建物は賃借物件であり、年間賃借料は30,200千円であります。

4. 福岡天神ラボは2022年7月に開設。

  事務所はレンタルオフィスであり、当事業年度の賃借料は1,032千円であります。

5.ソフトウエアにはソフトウエア仮勘定が含まれております。

 

① 【株式の総数】

 

種類

発行可能株式総数(株)

普通株式

12,000,000

12,000,000

 

 

② 【発行済株式】

 

種類

事業年度末現在
発行数(株)
(2022年10月31日)

提出日現在
発行数(株)
(2023年1月27日)

上場金融商品取引所名又は登録認可金融商品取引業協会名

内容

普通株式

3,361,810

3,366,010

東京証券取引所
グロース

完全議決権株式であり、権利内容に何ら限定のない当社における標準となる株式であります。
また、単元株式数は100株となっております。

3,361,810

3,366,010

 

(注) 「提出日現在の発行数」には、2023年1月1日からこの有価証券報告書提出日までの新株予約権の行使により発行された株式数は、含まれておりません。

 

① 【ストックオプション制度の内容】

会社法に基づき発行した新株予約権は次のとおりであります。

 

第1回新株予約権

決議年月日

2019年10月18日

付与対象者の区分及び人数(名)

当社取締役 1

当社使用人 3

新株予約権の数(個) ※

7,950 [6,850](注)1

新株予約権の目的となる株式の種類、内容及び数(株) ※

普通株式 23,850 [20,550]

新株予約権の行使時の払込金額(円) ※

52 (注)2

新株予約権の行使期間 ※

自 2021年10月22日

至 2029年10月18日

新株予約権の行使により株式を発行する場合の株式の発行価格及び資本組入額(円) ※

発行価格     52

資本組入額   26

新株予約権の行使の条件 ※

(注)3

新株予約権の譲渡に関する事項 ※

新株予約権の譲渡については、取締役会の承認を要するものとする。

組織再編成行為に伴う新株予約権の交付に関する事項 ※

(注)5

 

※当事業年度の末日(2022年10月31日)における内容を記載しております。当事業年度の末日から提出日の前月末現在(2022年12月31日)にかけて変更された事項については、提出日の前月末現在における内容を[ ]内に記載しており、その他の事項については当事業年度の末日における内容から変更はありません。

 

(注)1.新株予約権1個につき目的となる株式数は、当事業年度の末日現在は当社普通株式3株、提出日の前月末現在も3株であります。ただし、新株予約権の割当日後、当社が株式分割(当社普通株式の無償割当を含む。)又は併合を行う場合には、次の算式により目的となる株式の数を調整し、調整により生じる1株未満の株数は切り捨てるものとする。

     調整後株式数=調整前株式数×分割・併合の比率

 

 2.新株予約権の割当日後、当社普通株式の株式分割、株式併合を行う場合、次の算式により行使価額を調整し、調整により生ずる1円未満の端数は切り上げるものとする。

 

調整後行使価額

調整前行使価額

×

分割・併合の比率

 

 

また、当社が時価を下回る払込金額で募集株式の発行又は自己株式の処分を行う場合、次の算式により行使価額を調整し、調整により生じる1円未満の端数は切り上げるものとする。

 

 

 

 

 

既発行株式数

新規発行(処分)株式数

×

1株当たり払込金額

調整後行使価額

調整前行使価額

×

1株当たり時価

既発行株式数 + 新規発行(処分)株式数

 

 

なお、上記計算式中の「既発行株式数」とは、当社の発行済株式総数から自己株式を控除した数とし、また、自己株式の処分の場合には「新規発行株式数」を「処分する自己株式数」に読み替えるものとする。

 

3.新株予約権の行使条件は以下のとおりであります。

① 新株予約権の割当を受けた者は、権利行使時においても、当社又は当社子会社の取締役、監査役又は使用人の地位にあることを要する。ただし、当社又は当社子会社の取締役又は監査役を任期満了により退任した場合や、定年退職した場合等、正当な事由がある場合で、当社取締役会において認められたときはこの限りではない。

② 新株予約権の割当てを受けた者の相続人による新株予約権の行使は認めない。

③ 新株予約権の割当を受けた者は、本新株予約権の権利行使期間中であって、かつ、当社の普通株式が日本証券業協会、東京証券取引所その他(国内国外を問わず)株式公開市場に上場した日の後6ヶ月を経過した日(以下、当該日を「権利行使可能日」という)から本新株予約権を行使することができる。

 

 

4.新株予約権の取得事由及び条件

① 当社が消滅会社となる合併契約、当社が分割会社となる吸収分割契約もしくは新設分割計画、又は当社が完全子会社となる株式交換契約もしくは株式移転計画が株主総会で承認されたときは、当社は、当社取締役会が別途定める日に、新株予約権を無償で取得することができる。

② 新株予約権者が新株予約権の行使の条件に該当しなくなった場合、又は当社所定の書面により新株予約権の全部又は一部を放棄した場合、当社は新株予約権を無償で取得する。

 

5.組織再編行為に伴う新株予約権の交付に関する事項

当社が合併(当社が合併により消滅する場合に限る。)、吸収分割、新設分割、株式交換又は株式移転(以下これらを総称して「組織再編行為」という。)をする場合において、組織再編行為の効力発生の時点において残存する新株予約権(以下「残存新株予約権」という。)の新株予約権者に対し、それぞれの場合につき、会社法第236条第1項第8号イからホまでに掲げる株式会社(以下「再編対象会社」という。)の新株予約権を以下の条件に基づきそれぞれ交付することとする。この場合においては、残存新株予約権は消滅し、再編対象会社は新株予約権を新たに発行するものとする。ただし、以下の条件に沿って再編対象会社の新株予約権を交付する旨を、合併契約、吸収分割契約、新設分割計画、株式交換契約又は株式移転計画において定めた場合に限るものとする。

① 交付する再編対象会社の新株予約権の数

残存新株予約権の新株予約権者が保有する新株予約権の数と同一の数をそれぞれ交付するものとする。

② 新株予約権の目的たる再編対象会社の株式の種類

再編対象会社の普通株式とする。

③ 新株予約権の目的たる再編対象会社の株式の数

組織再編行為の条件等を勘案のうえ、本新株予約権の取り決めに準じて決定する。

④ 新株予約権の行使に際して出資される財産の価額

交付される各新株予約権の行使に際して出資される財産の価額は、組織再編行為の条件等を勘案のうえ、前記2.で定められる行使価額を調整して得られる再編後の払込金額に上記③に従って決定される当該新株予約権の目的たる再編対象会社の株式の数を乗じて得られる額とする。

⑤ 新株予約権を行使できる期間

本新株予約権の取り決めに定める新株予約権の行使期間の開始日と組織再編行為の効力発生日のいずれか遅い日から、本新株予約権の取り決めに定める新株予約権の行使期間の最終日までとする。

⑥ 新株予約権の行使の条件

本新株予約権の取り決めに準じて決定する。

⑦ 新株予約権の行使により再編対象会社が株式を発行する場合における増加する資本金及び資本準備金に関する事項

本新株予約権の取り決めに準じて決定する。

⑧ 譲渡による新株予約権の取得の制限

譲渡による新株予約権の取得については、再編対象会社の取締役会(再編対象会社が取締役会設置会社でない場合には取締役の過半数)の承認を要するものとする。

⑨ 新株予約権の取得事由及び条件

本新株予約権の取り決めに準じて決定する。

 

6. 2021年4月16日開催の当社取締役会決議に基づき、2021年5月12日付けをもって普通株式1株を3株に分割

  したことにより、「新株予約権の目的となる株式の種類、内容及び数」、「新株予約権の行使時の払込金額」

  及び「新株予約権の行使により株式を発行する場合の株式の発行価格及び資本組入額」が調整されておりま

  す。

 

 

 

第2回新株予約権

決議年月日

2020年1月28日

付与対象者の区分及び人数(名)

当社新株予約権の受託者 1

新株予約権の数(個) ※

72,480 [72,180] (注)2

新株予約権の目的となる株式の種類、内容及び数(株) ※

普通株式 217,440 [216,540]

新株予約権の行使時の払込金額(円) ※

52 (注)3

新株予約権の行使期間 ※

自 2020年1月30日

至 2040年1月29日

新株予約権の行使により株式を発行する場合の株式の発行価格及び資本組入額(円) ※

発行価格   53.08

資本組入額  26.54

新株予約権の行使の条件 ※

(注)4

新株予約権の譲渡に関する事項 ※

新株予約権の譲渡については、取締役会の承認を要するものとする。

組織再編成行為に伴う新株予約権の交付に関する事項 ※

(注)6

 

※当事業年度の末日(2022年10月31日)における内容を記載しております。当事業年度の末日から提出日の前月末現在(2022年12月31日)にかけて変更された事項については、提出日の前月末現在における内容を[ ]内に記載しており、その他の事項については当事業年度の末日における内容から変更はありません。

 

(注)

1.本新株予約権は、新株予約権1個につき3.24円で有償発行しております。

2.新株予約権1個につき目的となる株式数は当事業年度の末日現在は3株、提出日の前月末現在も3株であります。

  ただし、新株予約権の割当日後、当社が株式分割又は併合を行う場合には、次の算式により目的となる株式の数を調整し、調整により生じる1株未満の株数は切り捨てるものとする。

調整後株式数=調整前株式数×分割・併合の比率

3.新株予約権の割当日後、当社普通株式の株式分割、株式併合を行う場合、次の算式により行使価額を調整し、調整により生ずる1円未満の端数は切り上げるものとする。

 

調整後行使価額

調整前行使価額

×

分割・併合の比率

 

 

また、当社が時価を下回る払込金額で募集株式の発行又は自己株式の処分を行う場合、次の算式により行使価額を調整し、調整により生じる1円未満の端数は切り上げるものとする。

 

 

 

 

 

既発行株式数

新規発行(処分)株式数

×

1株当たり払込金額

調整後行使価額

調整前行使価額

×

1株当たり時価

既発行株式数 + 新規発行(処分)株式数

 

 

なお、上記算式において、「既発行株式数」とは、当社の発行済株式総数から、当社が保有する自己株式を控除した数とする。

4.新株予約権の行使条件は以下のとおりであります。

(1) 本新株予約権の割当を受けた者(以下、「受託者」という。)は、本新株予約権を行使することができず、かつ、別段の定めがある場合を除き、受託者より本新株予約権の付与を受けた者(以下、「本新株予約権者」という。)のみが本新株予約権を行使できることとする。

(2) 本新株予約権者は、本新株予約権の割当日の翌日から行使期間満了日までの期間において、次のいずれかの事由が生じた場合、当該事由発生日以降は、本新株予約権者に発行された本新株予約権の全部について権利行使できないものとする。

① 行使価額を下回る価格を発行価格とする当社普通株式の発行又は自己株式の処分が行われた場合(払込金額が会社法第199条第3項・同第200条第2項に定める「特に有利な金額である場合」を除く。)。

② 行使価額を下回る価格を対価として当社普通株式の売買その他の処分取引が行われた場合(但し、当該取引時点における株式価値よりも著しく低いと認められる価格で取引が行われた場合を除く。)。

③ 新株予約権の目的である当社普通株式が国内外のいずれかの金融商品取引所に上場され、かつ当該金融商品取引所における当社普通株式の普通取引の終値が、行使価額を下回る価格となった場合。

(3) 本新株予約権は、当社普通株式が国内外のいずれかの金融商品取引所に上場されるまでは行使することができない。

 

(4) 本新株予約権者は、本新株予約権を取得した時点において当該本新株予約権者が当社又は子会社の取締役若しくは監査役等の役員若しくは使用人、顧問、業務委託先等の社外協力者である場合は、本新株予約権の取得時から権利行使時まで継続して、当社又は子会社の取締役若しくは監査役等の役員若しくは使用人、顧問、業務委託先等の社外協力者のいずれかの地位にあることを要する。但し、任期満了による退任、定年退職等、当社取締役会が正当な理由があるものと認めた場合にはこの限りではない。

(5) 本新株予約権者が行使期間中に死亡した場合、その相続人は本新株予約権を行使することができない。

(6) 本新株予約権者は、当該本新株予約権者に次の各号のいずれかに該当する事由が生じた場合には、本新株予約権を行使することができない。但し、当社取締役会が別段の取扱いを定めた場合にはこの限りではない。

① 禁錮刑以上の刑に処せられた場合

② 当社と競合する業務を営む会社を直接若しくは間接に設立し、又は当該会社の取締役等の役員若しくは使用人に就任する等、名目を問わず当社と競業した場合(但し、当社の書面による事前の承認を得た場合を除く。)

③ 法令違反その他不正行為により、当社の信用を損ねた場合

④ 差押、仮差押、仮処分、強制執行若しくは競売の申立てを受け、又は公租公課の滞納処分を受けた場合

⑤ 支払停止若しくは支払不能となり、又は振出し若しくは引き受けた手形若しくは小切手が不渡りになった場合

⑥ 破産手続開始、民事再生手続開始その他これらに類する手続開始の申立てがあった場合又は自らこれを申し立てた場合

⑦ 当社の就業規則に違反し、懲戒処分を受けた場合

⑧ 当社の役員として果たすべき忠実義務等に違反した場合

(7) 各本新株予約権の一部行使はできない。

(8) 本新株予約権の質入れ、その他担保権の設定は認めない。

 

5.新株予約権の取得事由及び条件

(1) 当社が消滅会社となる合併契約の議案、当社が分割会社となる吸収分割契約の議案若しくは新設分割計画の議案、又は当社が完全子会社となる株式交換契約の議案若しくは株式移転計画の議案が株主総会で承認されたとき(株主総会決議が不要の場合は当該議案につき当社取締役会が決議した場合)は、当社は、当社取締役会が別途定める日に、本新株予約権を無償で取得することができる。

(2) 本新株予約権者が、上記「新株予約権の行使の条件」に定める規定により本新株予約権の権利行使の条件を欠くこととなった場合又は当社所定の書面により本新株予約権の全部若しくは一部を放棄した場合、当社は本新株予約権を無償で取得する。

(3) 当社は、当社株主総会が別途取得する日を定めた場合は、当該日が到来することをもって、本新株予約権の全部又は一部を無償で取得する。なお、本新株予約権の一部を取得する場合は、当社取締役会の決議によりその取得する本新株予約権の一部を定める。

 

6.組織再編行為に伴う新株予約権の交付に関する事項

  当社が、合併(合併により当社が消滅する場合に限る。)、会社分割、株式交換及び株式移転(以下総称して「組織再編行為」という。)をする場合、当社は、本新株予約権者に対し、組織再編行為の効力発生日に、それぞれの場合に応じて会社法第236条第1項第8号のイからホまでに掲げる株式会社(以下「再編対象会社」という。)の本新株予約権を以下の条件に基づき交付することとする。但し、以下の条件に沿って再編対象会社の新株予約権を交付する旨を、吸収合併契約、新設合併契約、吸収分割契約、新設分割計画、株式交換契約又は株式移転計画において定めた場合に限る。

(1) 交付する再編対象会社の新株予約権の数

本新株予約権者が保有する本新株予約権の数と同一の数をそれぞれ交付するものとする。

(2) 新株予約権の目的である再編対象会社の株式の種類

再編対象会社の普通株式とする。

(3) 新株予約権の目的である再編対象会社の株式の数又はその算定方法

組織再編行為の条件等を勘案のうえ、本新株予約権の取り決めに準じて目的となる株式の数につき合理的な調整がなされた数とする。

(4) 新株予約権の行使に際して出資される財産の価額又はその算定方法

組織再編行為の条件等を勘案のうえ、本新株予約権の取り決めに準じて行使価額につき合理的な調整がなされた額に、新株予約権の目的である再編対象会社の株式の数又はその算定方法に従って決定される当該新株予約権の目的となる再編対象会社の株式の数を乗じて得られる金額とする。

(5) 新株予約権を行使することができる期間

行使期間の開始日と組織再編行為の効力発生日のうち、いずれか遅い日から、行使期間の満了日までとする。

(6) 新株予約権の行使の条件

本新株予約権の取り決めに準じて決定する。

(7) 新株予約権の取得事由及び取得条件

本新株予約権の取り決めに準じて決定する。

(8) 新株予約権の譲渡制限

譲渡による新株予約権の取得については、再編対象会社の取締役会(再編対象会社が取締役会設置会社でない場合には、株主総会と読み替える。)の承認を要するものとする。

(9) 新株予約権の行使により株式を発行する場合における増加する資本金及び資本準備金に関する事項

本新株予約権の取り決めに準じて決定する。

(10) その他の条件については、再編対象会社の条件に準じて決定する。

 

7.当社の代表取締役である石松友典は、当社の企業価値の増大を図ることを目的として、当社又は当社関係会社の取締役、従業員及び当社等と継続的な契約関係に有る顧問・業務委託先向けのインセンティブ・プランとして、2020年1月28日開催の臨時株主総会決議に基づき、2020年1月28日付で税理士前山奈津子を受託者として「新株予約権に係る金銭信託」(以下「本信託」という。)を設定しており、当社は本信託に基づき、前山奈津子に対して、2020年1月29日に第2回新株予約権(2020年1月28日臨時株主総会決議)を発行しております。
本信託は、当社又は当社関係会社の取締役、従業員及び当社等と継続的な契約関係に有る顧問・業務委託先に対して、その功績に応じて、前山奈津子が、受益者適格要件を満たす者に対して、第2回新株予約権80,000個(本書提出日現在1個当たり3株相当)を分配するというものであり、既存の新株予約権を用いたインセンティブ・プランと異なり、将来の功績評価を基に将来時点でインセンティブの分配の多寡を決定することを可能とし、より一層個人の努力に報いることができるようにするとともに、将来採用された当社又は当社関係会社の取締役、従業員及び当社等と継続的な契約関係に有る顧問・業務委託先に対しても、関与時期によって過度に差が生じることなく同様の基準に従って新株予約権の分配を可能とするものであります。第2回新株予約権の分配を受けた者は、当該第2回新株予約権の発行要項及び取扱いに関する契約の内容に従って、当該新株予約権を行使することができます。

本信託の概要は以下のとおりであります。

名称

第2回新株予約権

委託者

石松 友典

受託者

前山 奈津子

受益者

受益者適格要件を満たす者(受益権確定事由の発生後一定の手続きを経て存在するに至ります。)

信託契約日

(信託期間開始日)

2020年1月28日

信託の種類と新株予約権数  ※

(契約書番号1)10,000個

(契約書番号2)20,000個

(契約書番号3)30,000個

(契約書番号4)20,000個

信託期間満了日 ※

(契約書番号1)10,000個

当社株式が国内のいずれかの金融商品取引所に上場された日から6か月後の応当日

(契約書番号2)20,000個

当社株式が国内のいずれかの金融商品取引所に上場された日から2年後の応当日

(契約書番号3)30,000個

当社株式が国内のいずれかの金融商品取引所に上場された日から4年後の応当日

(契約書番号4)20,000個

当社株式が国内のいずれかの金融商品取引所に上場された日から6年後の応当日

信託の目的

当初、委託者から受託者に対して金銭が信託されましたが、受託者による第2回新株予約権の引受け、払込みにより現時点で(契約書番号1)から(契約書番号4)までのそれぞれにつき第2回新株予約権80,000個(本書提出日現在1個当たり3株相当)が信託の目的となっております。

受益者適格要件

当社又は当社関係会社の取締役、従業員及び当社等と継続的な契約関係に有る顧問・業務委託先のうち、当社が別途定めるポイント付与規程に従い、交付基準日(信託期間満了日)の10営業日前までに、受益候補者の中から本信託の受益者となるべき者を選定し、受益者の確定手続きが完了した後、受益者が確定します。その後、交付日(信託期間満了日の翌営業日)に受益者に対して本新株予約権が給付されます。

 

 

8. 2021年4月16日開催の当社取締役会決議に基づき、2021年5月12日付けをもって普通株式1株を3株に

  分割したことにより、「新株予約権の目的となる株式の種類、内容及び数」、「新株予約権の行使時の

  払込金額」及び「新株予約権の行使により株式を発行する場合の株式の発行価格及び資本組入額」が調

  整されております。

 

② 【ライツプランの内容】

該当事項はありません。

 

(4) 【発行済株式総数、資本金等の推移】

 

年月日

発行済株式

総数増減数

(株)

発行済株式

総数残高

(株)

資本金増減額

(千円)

資本金残高

(千円)

資本準備金

増減額

(千円)

資本準備金

残高

(千円)

2019年10月12日

(注)1

999,960

1,000,000

10,000

2021年5月12日

(注)2

2,000,000

3,000,000

10,000

2021年10月25日

(注)3

328,000

3,328,000

464,710

474,710

464,710

464,710

2021年5月1日~

2022年10月31日 

(注)4

33,810

3,361,810

891

475,601

891

465,601

 

(注)1.株式分割(1:25,000)によるものであります。

2.株式分割(1:3)によるものであります。

3.有償一般募集(ブックビルディング方式による募集)

発行価格     3,080円

引受価額   2,833.60円

資本組入額  1,416.80円

払込金総額  929,420千円

4.2022年5月1日から2022年10月31日までの間に、新株予約権の行使により、発行済株式総数が33,810株、資本金及び資本準備金がそれぞれ891千円増加しております。

5.2022年11月1日から2022年12月31日までの間に、新株予約権の行使により、発行済株式総数が4,200株、資本金及び資本準備金がそれぞれ109千円増加しております。

 

(5) 【所有者別状況】

 

 

 

 

 

 

 

 

2022年10月31日現在

区分

株式の状況(1単元の株式数100株)

単元未満

株式の状況

(株)

政府及び地方公共団体

金融機関

金融商品

取引業者

その他の

法人

外国法人等

個人

その他

個人

以外

個人

株主数(人)

-

3

21

34

15

4

1,832

1,909

所有株式数

(単元)

-

1,422

1,540

13,170

689

11

16,767

33,599

1,910

所有株式数の割合(%)

-

4.23

4.58

39.20

2.05

0.03

49.90

100

 

 

 

(6) 【大株主の状況】

2022年10月31日現在

氏名又は名称

住所

所有株式数
(株)

発行済株式
(自己株式を
除く。)の
総数に対する
所有株式数
の割合(%)

石松 友典

神奈川県川崎市中原区

914,200

27.19

株式会社CZ

神奈川県川崎市川崎区駅前本町11番地2

808,100

24.03

株式会社平企画

東京都港区浜松町二丁目2番15号

465,000

13.83

平 大志朗

東京都港区

184,400

5.48

日本カストディ銀行(信託口)

東京都中央区晴海1丁目8番12号

125,700

3.73

JPモルガン証券株式会社

東京都千代田区丸の内2丁目7番3号 東京ビルディング

52,800

1.57

株式会社SBI証券

東京都港区六本木1丁目6番1号

47,800

1.42

GOLDMAN SACHS INTERNATIONAL(常任代理人 ゴールドマン・サックス証券株式会社)

PLUMTREE COURT, 25 SHOE LANE, LONDON EC4A 4AU, U.K
(東京都港区六本木6丁目10―1)

33,465

0.99

柏木 挙志

大阪府大阪市阿倍野区

23,300

0.69

松井証券株式会社

東京都千代田区麹町1丁目4番地

15,200

0.45

2,669,965

79.42

 

(注) 上記の所有株式数のうち、信託業務に係る株式数は、次のとおりであります。

株式会社日本カストディ銀行(信託口)         125,700株

 

① 【貸借対照表】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:千円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前事業年度

(2021年10月31日)

当事業年度

(2022年10月31日)

資産の部

 

 

 

流動資産

 

 

 

 

現金及び預金

1,603,870

1,523,509

 

 

受取手形

2,365

-

 

 

売掛金

140,195

187,967

 

 

前渡金

5,500

21,521

 

 

前払費用

20,893

41,094

 

 

未収入金

1,115

190

 

 

その他

59

37

 

 

貸倒引当金

514

481

 

 

流動資産合計

1,773,485

1,773,839

 

固定資産

 

 

 

 

有形固定資産

 

 

 

 

 

建物(純額)

※1 5,001

※1 566

 

 

 

工具、器具及び備品(純額)

※1 9,314

※1 4,694

 

 

 

有形固定資産合計

14,315

5,260

 

 

無形固定資産

 

 

 

 

 

ソフトウエア

40,444

71,614

 

 

 

ソフトウエア仮勘定

5,317

13,471

 

 

 

無形固定資産合計

45,762

85,085

 

 

投資その他の資産

 

 

 

 

 

敷金及び保証金

24,361

126,772

 

 

 

繰延税金資産

31,406

34,631

 

 

 

長期前払費用

44

-

 

 

 

破産更生債権等

412

685

 

 

 

貸倒引当金

412

685

 

 

 

投資その他の資産合計

55,811

161,403

 

 

固定資産合計

115,890

251,750

 

資産合計

1,889,375

2,025,589

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:千円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前事業年度

(2021年10月31日)

当事業年度

(2022年10月31日)

負債の部

 

 

 

流動負債

 

 

 

 

買掛金

39,092

53,422

 

 

1年内返済予定の長期借入金

92,814

80,012

 

 

未払金

34,262

49,146

 

 

未払費用

53,804

73,119

 

 

未払法人税等

85,488

70,086

 

 

未払消費税等

45,819

42,703

 

 

前受金

37,287

35,529

 

 

賞与引当金

36,526

42,314

 

 

預り金

12,057

9,697

 

 

流動負債合計

437,154

456,032

 

固定負債

 

 

 

 

長期借入金

151,621

71,609

 

 

資産除去債務

5,800

-

 

 

固定負債合計

157,421

71,609

 

負債合計

594,575

527,641

純資産の部

 

 

 

株主資本

 

 

 

 

資本金

474,710

475,601

 

 

資本剰余金

 

 

 

 

 

資本準備金

464,710

465,601

 

 

 

資本剰余金合計

464,710

465,601

 

 

利益剰余金

 

 

 

 

 

その他利益剰余金

 

 

 

 

 

 

繰越利益剰余金

355,120

556,510

 

 

 

利益剰余金合計

355,120

556,510

 

 

株主資本合計

1,294,540

1,497,713

 

新株予約権

259

234

 

純資産合計

1,294,800

1,497,948

負債純資産合計

1,889,375

2,025,589

 

② 【損益計算書】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:千円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前事業年度

(自 2020年11月1日

 至 2021年10月31日)

当事業年度

(自 2021年11月1日

 至 2022年10月31日)

売上高

1,313,545

1,805,191

売上原価

393,439

493,844

売上総利益

920,106

1,311,346

販売費及び一般管理費

※1※2 717,728

※1※2 1,018,523

営業利益

202,378

292,823

営業外収益

 

 

 

受取利息

5

13

 

受取手数料

580

400

 

還付加算金

164

-

 

その他

103

20

 

営業外収益合計

853

433

営業外費用

 

 

 

支払利息

2,553

1,660

 

株式交付費

10,190

-

 

その他

15

9

 

営業外費用合計

12,759

1,670

経常利益

190,471

291,586

特別利益

 

 

 

資産除去債務履行差額

4,438

 

特別利益合計

4,438

特別損失

 

 

 

固定資産除売却損

※3 122

※3 291

 

特別損失合計

122

291

税引前当期純利益

190,348

295,733

法人税、住民税及び事業税

73,867

97,567

法人税等調整額

13,062

3,224

法人税等合計

60,804

94,342

当期純利益

129,544

201,390

 

 

1 報告セグメントの概要

当社の報告セグメントは、構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。

当社は、製品・サービス別の部門を置き、事業活動を展開しております。したがって、当社は、部門を基礎とした製品・サービス別のセグメントから構成されており、「ソリューション事業」、「アナリティクス事業」の2つを報告セグメントとしております。

ソリューション事業は、「Keywordmap」及び「Keywordmap for SNS」を主軸に、マーケティングにおける調査、分析、運用を支援するソフトウエアの開発・販売を行っております。アナリティクス事業は、ビッグデータの解析を基盤としたマーケティングソリューションを提供しております。