株式会社Finatextホールディングス
(注) 1. 当社は第6期より連結財務諸表を作成しております。
2. 過年度における業績については、第6期より金融インフラストラクチャ事業の開始に伴う先行投資等から経常損失及び当期純損失を計上しております。また、投資活動によるキャッシュ・フローについても金融インフラストラクチャ事業のシステム投資や子会社立上げに伴う投資等によりマイナスとなっております。
3.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第8期の期首から適用しており、第8期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
4.第6期及び第7期の1株当たり純資産額については、優先株主に対する残余財産の分配額を控除して算定しております。
5.潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、新株予約権の残高はありますが、第6期及び第7期までは非上場であり期中平均株価が把握できないこと、第8期および第9期は1株当たり当期純損失であることから記載しておりません。
6.自己資本利益率については、親会社株主に帰属する当期純損失が計上されているため記載しておりません。
7.第6期及び第7期の株価収益率については、当社株式が非上場であるため記載しておりません。第8期及び第9期の株価収益率については、1株当たり当期純損失であるため記載しておりません。
8.従業員数は就業人員(業務委託契約締結者、派遣社員及び社外から当社への出向者を除く)であり、臨時雇用者数(派遣社員を含む)は年間の平均人員を〔 〕内に外数で記載しております。
9.第6期、第7期、第8期及び第9期の連結財務諸表については、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(1976年大蔵省令第28号)に基づき作成しており、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、PwCあらた有限責任監査法人により監査を受けております。
10.当社は、2020年6月5日開催の臨時株主総会により、決算期を11月末から3月末に変更しております。従って、第7期は2019年12月1日から2021年3月31日までの16ヶ月間となっております。
(注) 1.2018年12月3日付で持株会社体制へ移行したことに伴い、第6期の提出会社の主な経営指標等は、第5期以前と比較して大きく変動しております。
2.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第8期の期首から適用しており、第8期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
3.第6期及び第7期の1株当たり純資産額については、優先株主に対する残余財産の分配額を控除して算定しております。
4.潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、新株予約権の残高はありますが、第5期、第6期及び第7期までは非上場であり期中平均株価が把握できないこと、第8期及び第9期は1株当たり当期純損失であることから記載しておりません。
5.第6期、第7期、第8期及び第9期の自己資本利益率については、当期純損失を計上しているため記載しておりません。
6.第5期、第6期及び第7期の当社株式は非上場であったため、第8期及び第9期は1株当たり当期純損失であるため株価収益率を記載しておりません。
7.1株当たり配当額及び配当性向については、配当を実施していないため記載しておりません。
8.従業員数は就業人員(業務委託契約締結者、派遣社員及び社外から当社への出向者を除く)であり、臨時雇用者数(派遣社員を含む)は年間の平均人員を〔 〕内に外数で記載しております。
9.第5期から第8期までの株主総利回り及び比較指標については、当社は2021年12月22日に東京証券取引所マザーズ市場(現 東京証券取引所グロース市場)に上場したため、記載しておりません。第9期の株主総利回り及び比較指標は、2022年3月期末を基準として算定しております。
10.最高株価及び最低株価は、2022年4月3日以前は東京証券取引所マザーズ市場におけるものであり、2022年4月4日以降は東京証券取引所グロース市場におけるものであります。
なお、当社は2021年12月22日付をもって同取引所に株式を上場したため、それ以前の株価については記載しておりません。
11.第6期、第7期、第8期及び第9期の財務諸表については、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(1963年大蔵省令第59号)に基づき作成しており、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、PwCあらた有限責任監査法人により監査を受けております。第5期については、「会社計算規則」(2006年法務省令第13号)の規定に基づき算出した各数値を記載しておりますが、当該各数値は、PwCあらた有限責任監査法人による金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査を受けておりません。
12.当社は、定款に定める取得条項に基づき、A1種優先株式、B種優先株式、C種優先株式のすべてにつき、2021年7月28日付で自己株式として取得し、対価として普通株式を交付しております。また、当社が取得したA1種優先株式、B種優先株式、C種優先株式は、同日付で会社法第178条に基づきすべて消却しております。
13.当社は、2020年6月5日開催の臨時株主総会により、決算期を11月末から3月末に変更しております。従って、第7期は2019年12月1日から2021年3月31日までの16ヶ月間となっております。
当社の設立以降の沿革は以下の通りであります。
(注)1. 株式投資のデモトレ及び学習コンテンツを提供するモバイルアプリ
2. FX投資のデモトレ及び学習コンテンツを提供するモバイルアプリ
3. 投資信託の情報及び学習コンテンツを提供するモバイルアプリ
4. クレジットカードの決済データから算出される消費指数
5. 証券サービス向けクラウド基幹システム
6. 経済分析や投資判断等で伝統的に用いられてきた公的統計や決算開示以外のデータの総称
7. 保険サービス向けクラウド基幹システム
当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、「金融を'サービス'として再発明する」をミッションに掲げております。このミッションのもと、金融サービス提供者向けの次世代クラウド基幹システムの提供等を通じて、パートナー企業とともに人々にとって遠い存在である金融サービスを暮らしに寄り添ったものにすることを目指しております。
当社グループのビジネスが深く関連する金融業界は、非常に大きく歴史ある産業である一方、技術進歩と技術的負債に伴う課題に直面しており、特に顧客体験の向上が重要な課題となっております。金融サービスの顧客体験を改善し競争力を高めるためには、事業のデジタルトランスフォーメーションとそれに伴って蓄積されるビッグデータの利活用が求められています。他方、既に豊富な顧客接点を持つリテール企業が、その顧客接点を活かしたよりよい顧客体験を強みとして、新たに金融業界へ参入する事例が増えています。
上記のミッションと金融業界の事業環境を背景に、当社グループは、金融サービス提供者向けの次世代クラウド基幹システムの提供を行っております。これまでのパッケージソフトウェア型の基幹システムは、導入にかかる初期費用や運用にかかる固定費、時間、人員が必要となっていたことに加え、外部サービスとの連携に制約がありました。当社が運営する次世代クラウド基幹システムは、クラウドベースでSaaS型にすることにより、導入及び運用の低コスト化、短期間化、少人数化を実現するとともに、 APIにより外部サービスとの連携を容易にしております。
当社グループは、次世代クラウド基幹システムを提供するだけではなく、優れた顧客体験を備えたウェブサイトやモバイルアプリといったフロントエンドサービスの企画・開発を支援する「フィンテックソリューション」や、顧客企業内に蓄積されたデータの利活用を支援する「ビッグデータ解析」サービスも提供しております。これらが一体となって、お客様のデジタルトランスフォーメーションを実現し、お客様のサービス品質の向上、収益の増加、効率性の向上に貢献してまいります。
具体的には、当社グループは、当社及び連結子会社7社で構成しており、以下の3つの事業を展開しております。なお、次の3事業は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。また、当社は有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。
なお、当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (セグメント情報等) セグメント情報」の「1 報告セグメントの概要 報告セグメントの変更等に関する事項」をご参照ください。
金融インフラストラクチャ事業は、金融サービスを運営するために必要となる複雑な基幹システムを、クラウド上でSaaS型のシステムとして、顧客に提供するものであります。株式会社Finatext、株式会社スマートプラス、スマートプラス少額短期保険株式会社、及び株式会社スマートプラスクレジットが本事業を行っております。
従来型のパッケージ型のシステムと比較し、当社グループの次世代クラウド基幹システムには4つの特徴があります。
1.安価な初期導入費
2.短い導入期間
3.エンドユーザーのニーズに沿ったサービスをテーラーメイドで開発可能
4.既存サービスとの接続によるシームレスなサービス体験
これらの特徴を活かして、以下のようなお客様に当社グループのサービスを導入いただいております。
1.BtoCサービスを運営しており、その既存ユーザー向けに金融サービスも提供したいと考える新規参入の事業者
2.デジタル特化の新サービスを立ち上げる際に、新しい基幹システムを採用したいと考える既存金融機関
現在は、金融インフラストラクチャを証券ビジネス、保険ビジネス及びクレジットビジネス向けに展開しております。
本ビジネスは、第一種金融商品取引業者、第二種金融商品取引業者及び投資運用業者である株式会社スマートプラスが、証券インフラストラクチャ「BaaS」の運営及びパートナー企業への提供を行っており、初期導入時のシステム開発費、月次の定額利用料、証券売買取引に伴う従量課金収益を基本収益として受領しております。
証券インフラストラクチャ「BaaS」は、証券サービスの構築に必要となる多様な外部連携を全てクラウド上で管理することで、パートナー企業は、独自開発時に比べ、初期投資額を最大80~90%削減することができ、企画からサービス開始までの期間も半分以下に短縮することが可能である点が特徴です(注1)。当社グループはクラウドサーバーや最新の開発言語及び開発手法を活用することで、複雑なシステムを低コストで効率的に開発することが可能な体制となっております。
(注)1.第1種業金融商品取引業者として証券会社を立ち上げる場合における、システム開発(証券業務ミドルバックシステム、証券フロントシステム、ウェブ・モバイルアプリケーション)と体制整備にかかる費用の当社試算値との比較。

本ビジネスは、株式会社Finatextが、保険インフラストラクチャ「Inspire」の開発及び保守を行い、初期導入時のシステム開発費用、月次の定額利用料、保険料収入に伴う従量課金収益を基本収益として受領しております。また、少額短期保険業者であるスマートプラス少額短期保険株式会社が、保険インフラストラクチャ「Inspire」を利用してパートナー企業とともに少額短期保険を提供し、保険料収入を受領しております。
保険インフラストラクチャ「Inspire」は、新規保険商品の導入を短期間で実現できること、そして保険商品を購入から保険金支払いまでの全てのプロセスをオンライン上で行うことができるのが特徴です。

クレジットインフラストラクチャビジネスでは、当社グループ会社が提供開始予定である中小企業向けファイナンスサービス「BizGrowth(ビズグロース)」のベータ版として、商品の仕入れや製造委託などに関する支払いを分割後払いできるサービスを一部の顧客向けに提供するとともに、クレジットインフラストラクチャの基盤開発を行っております。
フィンテックソリューション事業は、金融機関向けにデジタルトランスフォーメーション及びデジタルマーケティングの支援を行っております。「① ソリューションビジネス」と「② マーケティングビジネス」で構成されております。
金融機関に対して、デジタルトランスフォーメーションの支援を行うことで、主に開発委託費やサービス維持運営費を受領しております。モジュール化されたソリューションを用いてお客様の要件に迅速に対応するだけでなく、お客様のニーズに合わせて、ビジネス企画から開発、マーケティングまでEnd-to-Endのソリューションを提供しております。
例えば、案件事例として、株式会社三菱UFJ銀行による新しい金融デジタルサービスである「Money Canvas」のシステム開発支援を行っております。当該サービスでは、当社グループが保有するデジタル金融の統合基盤技術が採用されております。同技術を用いると、資産運用サービスや保険商品といった様々な金融サービスをラインナップに揃えたプラットフォーム上でアカウントを一元化でき、1つのアカウントで複数の金融機関のサービスを利用することが可能になります。
PCやスマートフォンを通じて、潜在層ユーザーにアクセスしたい金融機関の販促活動を支援することで、送客ユーザー数等に応じて広告掲載料を受領しております。様々な金融関連サービスに関心を有する潜在層ユーザー向けに、当社のウェブサイトやスマートフォンアプリを通じて、金融に関する学習、デモトレーディング等のゲーミフィケーションや金融商品サービスの比較を行うことができるサービスを提供し、潜在層ユーザーを集客しております。
ビッグデータ解析事業は、ビッグデータを保有する企業のデータ利活用の促進を支援しており、「① データライセンスビジネス」と「② データ解析支援ビジネス」で構成されております。
ビッグデータを保有する企業のデータを解析し、解析結果をライセンスとして外部に販売することでデータライセンス料を受領しております。現在はPOSデータやクレジットカードデータ等のデータを中心に、データホルダーとレベニューシェア契約を結び、解析されたデータを官公庁や国内外の機関投資家に提供しております。
金融機関や事業会社に対して、保有するビッグデータを活用したマーケティングやサービス改善、業務効率向上の支援を行い、開発委託費等を受領しております。
当社グループは、3つのセグメントの事業提供を行う子会社が存在することで、金融インフラストラクチャの開発・運用のみならず、ウェブ・モバイルサービスの企画・開発及びデータ解析も組み合わせて提供することが可能な体制となっております。

当社グループの事業系統図は、次の通りです。

(注) 1.「主要な事業の内容欄」には、セグメント情報に記載された名称を記載しております。
2.有価証券届出書又は有価証券報告書を提出している会社はありません。
3.議決権の所有割合の( )内は、間接所有割合で内数であります。
4.特定子会社であります。
5.株式会社Finatextについては、2023年3月期における売上高(連結相互間の内部売上高を除く。)の連結売上高に占める割合が10%を超えております。
主な損益情報等
(1)売上高 2,246,731千円
(2)経常利益 297,001千円
(3)当期純利益 264,756千円
(4)総資産額 1,587,682千円
(5)純資産額 1,200,684千円
6.株式会社ナウキャストについては、2023年3月期における売上高(連結相互間の内部売上高を除く。)の連結売上高に占める割合が10%を超えております。
主な損益情報等
(1)売上高 1,005,665千円
(2)経常利益 200,264千円
(3)当期純利益 140,235千円
(4)総資産額 679,898千円
(5)純資産額 381,560千円
7.株式会社スマートプラスについては、2023年3月期における売上高(連結相互間の内部売上高を除く。)の連結売上高に占める割合が10%を超えております。
主な損益情報等
(1)売上高 756,938千円
(2)経常損失 △659,741千円
(3)当期純損失 △708,700千円
(4)総資産額 11,716,358千円
(5)純資産額 2,531,990千円
(注) 1.従業員数は就業人員(業務委託契約締結者、派遣社員及び社外から当社への出向者を除く)であり、臨時雇用者数(派遣社員を含む)は当該連結会計年度の平均人員を〔 〕内に外数で記載しております。
2.当社グループは、一部を除きセグメントごとの組織としておらず、従業員数をセグメント別に明確に区分することができないため、合算した従業員数を記載しております。
3.全社(共通)は、当社グループの管理機能を担っている持株会社である当社と、各子会社の管理部門の従業員であります。
4.前連結会計年度末に比べ従業員数が52名増加しております。主な理由は、業容の拡大に伴い期中採用が増加したことによるものであります。
(注) 1.従業員数は就業人員(業務委託契約締結者、派遣社員及び社外から当社への出向者を除く)であり、臨時雇用者数(派遣社員を含む)は当該事業年度の平均人員を〔 〕内に外数で記載しております。
2.平均年齢、平均勤続年数及び平均年間給与は、年間完全在籍者の平均で算出しております。
3.平均勤続年数は株式会社Finatextでの勤続年数を引き継いで算出しております。
4.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
5.当社は持株会社であるため、セグメント別の記載を省略しております。
当社グループにおいて労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満であり、特記すべき事項はありません。
(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律第64号)および「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年法律第76号)の規定に基づく公表をおこなっていないため、記載を省略しております。
本項における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、以下の経営理念を掲げております。
'ミッション’
「金融をサービスとして再発明する」
この経営理念の下、金融サービス提供者向けの次世代クラウド基幹システムの提供を中心に、ビッグデータ解析支援や金融サービスの企画・開発支援も行いながら、パートナー企業とともに人々にとって遠い存在である金融サービスを暮らしに寄り添ったものにすることを目指しております。また、証券業及び保険業における社会的責任と公共的使命を深く認識し、正しい倫理的価値観を持った上で、多くのお客様に安心をお届けすることを目指し事業活動を行っており、これらの活動が当社グループの中長期的な株主価値及び企業価値の最大化につながると考えております。
当社グループのビジネスは、国内金融業、特に証券業及び保険業に深く関連しております。
国内の証券業の市場規模については、2021年12月末の家計が保有する上場株式及び投資信託の資産残高が225兆円、その過去10年間の年平均成長率は7.8%となっております(出所:日本銀行、2022年)。
国内の損害保険業及び少額短期保険業の市場規模については、2021年度の年間保険料収入が、損害保険は8兆8,063億円で過去10年間の年平均成長率は2.2%、少額短期保険は1,277億円で過去10年間の年平均成長率は10.0%となっております(出所:日本損害保険協会及び日本少額短期保険協会、2022年)。加えて、日本の損害保険業の市場規模は、世界と比較しても4番目に大きい市場となっております(出所:sigma No 3/2021 Swiss Re Insurance)。
また、国内金融業界におけるIT投資の市場規模については、2023年の国内IT支出額の予測は28兆5,344億円、そのうち銀行・証券向けが4兆6,993億円、保険向けが1兆7,401億円となっており、金融業界向けは国内IT支出の中でトップクラスの規模となっております(出所:ガートナー社、2023年)。
上記のとおり当社グループのビジネスが深く関連する金融業界は、非常に大きく歴史ある産業である一方、モバイルテクノロジーの普及やデータ利活用等の技術進歩により、エンドユーザーはより質の高いサービスを求める傾向が高まり、特に顧客体験の向上が重要な課題となっております。金融庁が2019年8月に公表した「リスク性金融商品販売にかかる顧客意識調査」によると、金融機関の顧客推奨度(利用者が友人、知人に勧めたいと思うか否かを指数化したもの)は、保険、証券、銀行、消費者金融いずれも、他の業種より低く、十分な顧客体験を提供できていないと言えます。
金融サービスの顧客体験を改善し競争力を高めるためには、事業のデジタルトランスフォーメーションとそれに伴って蓄積されるビッグデータの利活用が求められています。これらを成功させるには、金融業界の専門知識と高度なテクノロジーを融合させなくてはなりません。
こうした状況に対応するため、既存金融機関は多額の投資を行っております。日本国内における金融業のIT投資額について、2026年度には2021年度比で21.1%増加すると予測されております。(出所:株式会社富士キメラ総研、2022年)その一方で、多くの金融機関にとっては、単独でこのような大規模な長期投資を継続することは難しいため、外部のソリューションを活用した効率的な変革が期待されるものと当社グループは考えております。
他方で、新たなプレイヤーによる金融事業への参入も増加傾向にあります。「Embedded Finance(組込型金融)」と呼ばれ、金融以外のサービスを提供する事業者が金融サービスを既存サービスに組み込んで金融サービスも提供することで、既存サービスの利便性の向上と収益の拡大を図る取組みが増加しております。高度なテクノロジーを有する複数の大手企業が、通信・配送・小売といった大規模な個人ユーザーを抱える既存事業を基盤として、金融事業への参入を決定しており、実際に証券仲介業者として既存事業のユーザーを対象とした資産運用サービスを提供する会社も現れております。
更に、日本政府が2018年6月に公表した「未来投資戦略2018」においては、「FinTech/キャッシュレス化の推進」が重点分野として位置づけられており、2020年6月には「金融サービスの利用者の利便の向上及び保護を図るための金融商品の販売等に関する法律等の一部を改正する法律」が成立する等、金融事業への新規参入を支援する法環境の整備も進んでおります。特に、利用者と金融機関との間に介在する仲介業者は、現行規制では金融商品取引法における金融商品仲介業者、保険業法における保険募集人や保険仲立人というように「機能」ごとに分かれており、事業者が「機能」をまたいで商品やサービスを取り扱う場合には、複数の登録等が必要となっております。その結果、銀行、証券、保険すべてのサービスをワンストップで提供できる仲介業者は数社しかおらず、利用者の利便性の点からは十分とはいえない状況でした。そのような中、今回の法改正により、「金融サービス仲介業」が創設され、仲介業者が少ない負担で複数業種かつ多数の金融機関が提供する多種多様な商品やサービスをワンストップで提供できるようになりました。
これまでの金融業界は、各金融機関が金融商品の組成からエンドユーザーへの販売、それらをつなぐシステムまで多くの機能を自社で担う垂直統合的な産業構造をなしていました。当社グループは、当社グループが提供する金融インフラストラクチャが横串となり、多数の金融商品とエンドユーザーへの販売を担う企業を1つのプラットフォームでつなぐことで、水平統合的な産業構造への転換を目指しております。
当社グループの事業及び事業領域には次のような特徴があり、これらの特徴と上記の経営環境を踏まえて、中長期的な経営戦略を立案しております。
金融業界において、技術的負債に纏わる課題は広く認識されておりますが、新しいテクノロジーをベースにした基幹システムやソリューションを提供するプレイヤーは非常に少ない状況にあります。こうしたテクノロジーの導入は、既存金融機関の基幹システムを刷新するには非常に長い時間を要する一方で、新規参入や既存金融機関の新規事業の立上げにおいては、比較的導入されやすい傾向にあります。また、導入先企業のオペレーションに深く組み込まれたサービスであるため、一度導入されると解約が生じにくいという特徴があります。
当社グループの金融インフラストラクチャ事業の収益は、フロー収益、ストック収益、従量課金収益の3つから構成されております。フロー収益は顧客にとっては新規に自前で立ち上げる場合と比較して安価であり、中長期的にはストック収益と従量課金収益が収益の中心になることから、安定的かつ継続的な事業進捗が見込める収益モデルであります。「(2)経営環境」に記載のとおり、証券、保険ともに個人における市場規模の拡大が見込まれる中で、当社グループの金融インフラストラクチャ事業で提供する各パートナー企業のサービスにおいても取引高が拡大して、従量課金収益が今後拡大するものと考えております。また、導入先企業がその顧客に対して金融サービスの基盤となるインフラストラクチャを提供するという性質上、解約率は低い傾向にあり、顧客LTV(Life Time Value:1顧客あたりの生涯に生み出す収益)の最大化を推進しやすいモデルであります。
当社グループの金融インフラストラクチャ事業の証券インフラストラクチャビジネスにおいては、パートナー企業が仲介業者やマーケティングパートナーとなり、当社グループがエンドユーザーである一般顧客と契約を締結するため、当社グループにも顧客情報が蓄積されることとなります。こうした顧客の属性情報や行動情報を分析可能な形で蓄積することで、サービスやマーケティングの最適化に活用することが可能になります。
具体的な当社グループの経営戦略は、以下の通りであります。
近年、個人向けサービスを展開して大規模な顧客基盤を有する企業を中心に、様々な企業が金融事業へ参入しております。更に、こうした動きに対して、既存金融機関も新規事業としてデジタル特化の新たなサービスの立上げを行っており、新しいテクノロジーが導入されやすい環境にあると捉えております。
当社グループは、これまでインフラストラクチャの安定稼働と業務プロセスの確立を優先し安定的な成長を続けておりましたが、様々なニーズに応えられるよう金融インフラストラクチャの機能拡充を図るとともに、大企業向けの事業開発チームを確立し、パートナー数の拡大に取り組み始めております。
既存事業で個人ユーザーを有している企業は、当該個人ユーザーをターゲットとした証券・保険等の金融サービスを提供するニーズが高いと当社は考えており、実際に金融事業へ参入している企業が複数現れております。主な業界としては、銀行、クレジットカード、Eコマース、小売店、運輸、通信、コンシューマー向けアプリ等が挙げられ、各企業が自身の既存事業における顧客を開拓することでARPU(Average Revenue Per User:ユーザー1人あたりの平均売上高)を継続的に拡大し、結果としてLTVの拡大が実現されると当社は考えております。したがって、当社グループは、これらの業種に属する企業を中心に営業活動を行うことにより、当社グループの金融インフラストラクチャを活用したパートナー企業の拡大を図ってまいります。
また、当社グループの金融インフラストラクチャ事業は、各パートナー企業において提供される金融サービスの顧客数、取引の増加により当社が獲得する収益は拡大するものの、かかる金融サービスの顧客(エンドユーザー)開拓はパートナー企業自身が既存事業の顧客に対して行うため、当社グループには顧客開拓コストが発生しにくい特徴があります。したがって、収益の増加に対して発生するマーケティング費用等が押さえられるというビジネス構造であるため、顧客数や取引数の増加に伴い、中長期的に利益率が向上すると考えております。
現在は、テクノロジーの先進性やコスト競争力によって差別化を図っておりますが、将来的には競合他社が現れる可能性もあると考えております。そのため、当該インフラストラクチャに蓄積されるデータを活用したサービス改善やマーケティングの最適化を行うことにより、持続的な競争優位性を生み出すことが重要と考えております。このため、中長期的な視点に立ちデータ解析の知見と技術力の向上に努めてまいります。
当社グループは、「金融を'サービス'として再発明する」というミッションのもと、金融サービス提供者向けの次世代クラウド基幹システムの提供を行い、パートナー企業とともに新しい事業やサービスを創出することで、事業成長を実現してきました。現在は、証券インフラストラクチャ「BaaS」、保険インフラストラクチャ「Inspire」を提供しておりますが、更なる成長に向けて、短期的にはクレジット、中長期的には送金/決済等についても、必要な許認可等を取得した上で、参入することを目指しております。当社グループは、今後も他の金融事業領域や日本にとどまらず海外での展開も視野に入れて、事業拡大を進めてまいります。
金融インフラストラクチャ事業においては、売上高の継続的かつ累積的な増加を実現するため、パートナー数を重要指数としております。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
今後当社グループが成長を遂げていくために優先的に対処すべき事業上の課題は以下の通りです。なお、優先的に対処すべき財務上の課題は、現在ありません。
当社グループは、上記「(3)経営戦略」で記載したように、「BaaS」や「Inspire」等の金融インフラストラクチャを導入いただく企業を拡大することが重要であると考えております。当社グループが提供する金融インフラストラクチャは、個人顧客を数多く有する企業が顧客対象となるため、主に大企業をターゲットとしたセールス体制となっております。当社グループは、これまでの実績を通じたPR等により、大手金融機関や金融サービスに関心を有する大企業とのネットワークを構築し、当該ネットワークを活用して潜在顧客の意思決定層へアプローチし、事業開発チームが顧客とともにビジネスプランニングを行うところから支援することで受注までつなげる体制を構築しております。今後更に大企業向けの事業開発チームを拡充し、パートナー数の拡大に取り組んでまいります。
当社グループは、事業拡大を目指して開発投資や人件費・採用費を中心に積極的な先行投資を進めており、2023年3月期までの経営成績は営業損失を計上しております。当社の成長事業である金融インフラストラクチャ事業は、原則としてパートナー企業がマーケティングを行なうため、サービス数が増加しても当社グループの広告宣伝費は著しく増加せず、機能拡充のための開発費もパートナー数が増加するほど1社あたりの費用負担は低減する傾向にあるため、収益性については新たなパートナー企業の獲得及びエンドユーザー増加に伴うトランザクションの増加による売上高の拡大が重要となります。パートナー企業については、金融インフラストラクチャのサービスに興味を有する顧客候補は多く、交渉中、契約締結済みのパイプラインは複数存在している状況であります。今後も開発投資や採用等の先行投資を進めつつ、中長期的な利益及びキャッシュ・フローの最大化を目指してまいります。
当社グループは、継続的な事業成長の実現に向けて、テクノロジーと金融の双方に明るい優秀な人材を採用し、強い組織体制を整備することが重要であると考えております。2023年3月末時点のプロダクト開発に関わる人員の割合は、グループ全体で72%(エンジニア、プロジェクトマネージャー、デザイナー、ウェブディレクターの合計)を占めており、顧客に対して質の高い金融サービスの開発・運用を提供できる体制が構築されております。今後も積極的な採用活動を推進していく一方で、各種社内勉強会の開催をはじめ、従業員が中長期にわたって活躍しやすい環境の整備、人事制度の構築やカルチャーの推進等を進めてまいります。
当社グループは、提供するサービスに関連して多くの個人情報を取り扱っており、情報管理体制を継続的に強化していくことが重要であると考えております。これらを保護するため、情報セキュリティポリシーを定め、この方針に従って適切に管理しておりますが、今後も社内研修の実施をはじめ、社内体制や管理方法の強化を行ってまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(特に重要なリスク)
当社グループにおいて、当社は保険業法に基づく「少額短期保険主要株主」、当社子会社の株式会社スマートプラスは金融商品取引法に基づく「第一種金融商品取引業者」、「第二種金融商品取引業者」及び「投資運用業者」、当社子会社のスマートプラス少額短期保険株式会社は保険業法に基づく「少額短期保険業者」、当社子会社の株式会社スマートプラスクレジットは貸金業法に基づく「貸金業者」の登録を受けており、かかる許認可(登録)及び各規制法の遵守は、当社グループの事業運営上、重要な事項となっております。
当社グループが取得している許認可(登録)につき、有価証券報告書提出日現在において、事業主として欠格事由及びこれらの許認可(登録)の取消事由に該当する事実はないと認識しております。しかし、今後、欠格事由又は取消事由に該当する事実が発生し、許認可(登録)取消等の事態が発生した場合には、当社グループの業務に支障をきたすとともに、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があるため、特に重要なリスクと認識しております。
また、当社グループは、事業活動を行う上で、上記を含む様々な法律、規制、政策、実務慣行、会計制度及び税制等の法令諸規則を遵守して業務を行っておりますが、これらの法令諸規則は将来において新設・変更・廃止される可能性があり、その内容によっては、当社グループのサービスの提供が制限される、新たなリスク管理手法の導入その他の体制整備が必要となる等、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社子会社の株式会社スマートプラスは、関東財務局から金融商品取引法第29条に基づく第一種金融商品取引業及び第二種金融商品取引業の登録を受け、金融商品取引法等の法令・規制等を遵守し事業を行っております。金融商品取引業については、金融商品取引法第52条第1項及び第4項若しくは同法第53条第3項、同法第54条により登録の取消しとなる要件が定められており、万が一、これらに該当した場合、登録の取消しを含む行政処分が下されます。
当社グループにおいて何らかの事由により諸法令等に違反する事象が発生した場合、行政指導・業務停止・登録取消等の行政処分を受ける可能性があります。その場合、当社グループの信用が著しく損なわれ、経営成績及び財政状態に重大な影響を与える可能性があります。
当社グループの事業は、インターネットを通じて提供されているものであり、システムの安定稼働が、業務遂行上、非常に重要であります。そのため、ネットワーク監視やシステム管理体制の構築等、継続的なシステム障害に対する取組みを実施しております。
しかしながら、プログラムの不具合、人為的ミス、不正アクセス、自然災害等の諸要因により、システム障害や情報漏洩が発生した場合には、当社グループへの信頼や企業イメージの低下や相当な費用負担により、当社グループの事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、金融インフラストラクチャ事業等を通して各種の個人情報を保有しております。当社グループは、個人情報の外部漏洩の防止はもちろん、不適切な利用、改ざん等の防止のため、個人情報の管理を事業運営上の重要事項と捉えております。個人情報保護基本規程及び情報システム管理規程を制定し、個人情報を厳格に管理するとともに、全従業員を対象として社内教育を徹底する等、個人情報の保護に関する法律及び関連法令並びに当社グループに適用される関連ガイドラインの遵守に努めるとともに、個人情報の保護に積極的に取り組んでおります。
しかしながら、万が一、外部からの不正アクセスや社内管理体制の瑕疵等により個人情報が外部に流出した場合や不適切な利用、改ざん等が発生した場合には、当社グループへの損害賠償請求や対応に多額の費用を要するほか、社会的信用の失墜により、当社グループの事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(その他のリスク)
当社グループは、主に金融機関を対象に事業を展開しているため、景気の減速や急激な市況変動等の事態が発生した際には、金融機関による当社グループサービスへの支出等の事業活動が大きく減退する可能性があります。
万が一、金融業界の市況が大きく悪化した場合には、金融機関からの受注量等が減少し、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが提供する証券インフラストラクチャ「BaaS」は、株式流通市場を用いたものであります。株式相場の下落又は低迷により、流通市場の市場参加者が減少し、株券等の売買高が縮小する場合には、委託手数料から生じるレベニューシェアが減少する可能性があります。また、当社グループの株式会社スマートプラスは、個人向けの証券サービスを運営しており、当該サービスについても、株式相場の下落又は低迷により、流通市場の市場参加者が減少し、株券等の売買高が縮小する場合には、委託手数料の減少等が発生する可能性があります。このような場合には、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、今後においても顧客ニーズへの対応を図り、事業拡大に結び付けていく方針であります。しかしながら、これらの取組みが予測通りの成果をあげられない可能性や、画期的なサービスを展開する競合他社の出現、その他の競合等の結果、当社グループ及びそのサービスの競争優位性が失われ、当社グループの売上高が低下する可能性があるほか、サービス価格の低下や利用者獲得のための広告宣伝費等の費用の増加を余儀なくされる可能性もあり、そのような場合には当社グループの事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが事業展開している金融業界では、技術革新や顧客及びエンドユーザーのニーズや嗜好の変化のスピードが非常に早く、金融関連事業者はその変化に柔軟に対応する必要があります。そのため当社グループは、最新の技術動向や環境変化を常に把握できる体制を構築するだけではなく、優秀な人材の確保及び教育等により技術革新や顧客ニーズの変化に迅速に対応できるよう努めております。
しかしながら、当社グループが技術革新や顧客ニーズの変化に適時に対応できない場合、又は、変化への対応のためにシステム投資や人件費等多くの費用を要する場合、当社グループの事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが提供するサービスに関わる関係者には、法令遵守の徹底に加え、所定のルールに従い掲載前にウェブサイト上のコンテンツや広告の内容についてコンプライアンス部による入念なチェックを実施する等、コンプライアンスの遵守を徹底しております。また、各領域における関連法令に抵触することがないよう、加えてサービスの信頼性を確保できるよう、専門家と連携を図りながら監修体制を導入しております。しかしながら、何らかの理由により正確性、公平性に欠けたサービスが提供された場合、当社グループの事業、経営成績及び社会的信用に影響を与える可能性があります。
当社グループが提供する金融インフラストラクチャは、大型のエンタープライズ向けSaaSビジネスであるため1件の導入が収益に大きく影響するという特徴があります。各プロジェクトにおいて想定以上に工数がかかった場合、納期の月ずれ、期ずれが発生する可能性があるほか、想定したパートナー企業や取引先との契約が締結されない、サービスの提供に至らない、パートナー企業や取引先との取引が様々な事情又は要因により解消される可能性があり、当該状況が発生した場合には当社グループの事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、当社子会社の第一種金融商品取引業者である株式会社スマートプラスが東京証券取引所への株式等の注文取次業務を行うために、東京証券取引所の総合取引参加者資格を有する大和証券株式会社と注文取次に関する提携を行っております。当該提携先が、財務面等事業上の問題に直面した場合、(業界再編等によって)戦略的志向を変更した場合又は当社グループが魅力的な提携相手でなくなったと判断した場合には、当社グループとの業務提携を望まなくなる、若しくは当該提携が解消される可能性があり、その場合には別の総合取引参加者である証券会社との提携を模索する必要があります。
万が一、当社グループが当該業務提携を継続できず、速やかに他の代替先に切り替えられない場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、「金融を'サービス'として再発明する」というミッションのもと、新しい事業やサービスを創出し、新たな事業領域にスピード感をもって参入することにより事業成長を続けております。一方でこのような事業展開を実現するためには、その事業固有のリスク要因が加わることとなり、本項に記載されていないリスク要因が当社グループのリスク要因となる可能性があります。そして、新規事業の参入のため、新たな人材の採用、システムの開発、営業体制の強化等追加的な投資が必要とされ、新規事業が安定的な収益を生み出すには長期的な時間が必要とされることがあります。また、新規に参入した事業の市場の拡大スピードや成長規模によっては、当初想定していた成果を挙げることができないことがあり、事業の停止、撤退等を余儀なくされ、当該事業用資産の処分や減損により損失が生じる可能性があります。
このような場合、当社グループの事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは新規事業やサービスの拡大のため、M&Aをその有効な手段の一つとして位置付けており、今後も必要に応じてM&Aを実施する方針です。当社グループは、M&Aに際して、対象企業のビジネス、財務内容及び法務等について詳細なデューデリジェンスを行い、各種リスクの低減を図る方針であります。
しかしながら、これらの調査の段階で確認又は想定されなかった事象がM&Aの実行後に発生又は判明する場合や、M&A実施後の統合や事業展開が計画通りに進まない場合には、当初期待した業績への寄与の効果が得られない可能性や、対象企業の投資価値の減損処理が必要になることも考えられ、当社グループの事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
金融商品取引業者には、金融商品取引法及び金融商品取引業等に関する内閣府令に基づき、自己資本規制比率維持の規制が課されており、自己資本規制比率が120%を下回ることのないようにする必要があります。有価証券報告書提出日時点では、当社子会社の株式会社スマートプラスにおいて同比率が120%を下回る事実はないと認識しております。
しかしながら、将来何らかの事由により定められた自己資本規制比率を維持できない場合は、業務停止や金融商品取引業者の登録の取消しを命じられる可能性があります。また、経営環境の悪化による損失計上等の要因により自己資本規制比率が著しく低下した場合には、比率を維持する観点から積極的にリスクをとり収益を追求することが困難となり、収益機会を逸する可能性が高まります。その結果、当社グループの営業活動に影響を与え、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
金融商品取引業者は、顧客資産が適切かつ円滑に返還されるように顧客から預託を受けた金銭を自己の固有財産と区分して管理し、金銭信託に一本化することが義務付けられております。当社子会社の株式会社スマートプラスでは、複数の信託銀行と顧客区分管理信託契約を締結し、顧客資産の保全体制を整えております。
しかしながら、何らかの事由により当社グループにおいて金銭信託を実施できない事象が発生した場合、行政指導・業務停止・登録取消等の行政処分を受ける可能性があります。その場合、当社グループの信用が著しく損なわれ、経営成績及び財政状態に重大な影響を与える可能性があります。
金融商品取引業者は、金融商品取引法第38条により、金融商品取引契約の締結又はその勧誘に関して、顧客に対し虚偽のことを告げる行為や、顧客に対し不確実な事項について断定的判断を提供し、又は確実であると誤解させるおそれのあることを告げて金融商品取引契約の締結を勧誘する行為等、様々な禁止行為が定められております。
当社グループでは、コンプライアンス規程等に禁止行為を織り込み役職員に対し周知徹底を図っておりますが、当社グループにおいて何らかの事由によりかかる法律に違反する事象が発生した場合、行政指導・業務停止・登録取消等の行政処分を受ける可能性があります。その場合、当社グループの信用が著しく損なわれ、経営成績及び財政状態に重大な影響を与える可能性があります。
金融機関等による顧客等の本人確認等及び預金口座等の不正な利用の防止に関する法律及び犯罪による収益の移転防止に関する法律(以下「犯罪収益移転防止法」という。)は、顧客の本人確認及び記録の保存を法律上の義務とし、顧客管理体制の整備を促すことにより、テロ資金や犯罪収益の追跡のための情報確保とテロ資金供与及びマネー・ロンダリング等の利用防止を目的としております。
当社グループでは、犯罪による収益の移転防止に関する法律に基づき、当社グループ所定の本人確認書類等を顧客から徴収して本人確認を行うとともに反社会的勢力に該当しないことの確認を行い、顧客カードを作成して本人確認記録及び取引記録を保存する等、法令遵守を徹底しております。
しかしながら、当社グループにおいて何らかの事由によりかかる法令に違反する事象が発生した場合、行政処分や当社グループの信頼失墜等により、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に重大な影響を与える可能性があります。
当社の子会社であるスマートプラス少額短期保険株式会社は日本の少額短期保険会社であり、保険業法及び関連業規制の下、金融庁による包括的な規制等の広範な監督下にあります。また、保険業法においては、業務範囲の制限、一定の準備金の確保及び最低限のソルベンシー・マージン比率の維持等、少額短期保険会社が遵守すべき事項が定められております。
当社グループでは、スマートプラス少額短期保険株式会社においてリスク・コンプライアンス委員会を設置し、法令遵守に関する事項を一元的に管理するとともに、コンプライアンスに関する基本方針・行動規範を定め、役職員に対し法令遵守の徹底を図っております。
しかしながら、何らかの事由によりかかる法律に違反する事象が発生した場合、行政指導・業務停止・登録取消等の行政処分を受ける可能性があります。その場合、当社グループの信用が著しく損なわれ、経営成績及び財政状態に重大な影響を与える可能性があります。
当社グループは、企業価値を最大化すべく、コーポレート・ガバナンスの充実を図る多様な施策を実施しております。また、業務の適正及び財務報告の信頼性を確保するため、これらに係る内部統制が有効に機能する体制を構築、整備、運用しております。
しかしながら、事業の急速な拡大等により、十分な内部管理体制の構築が追いつかないという状況が生じる場合には、適切な業務運営が困難となり、当社グループの事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの事業においては、今後の事業拡大や新規事業の展開に伴い、エンジニアをはじめ事業運営に不可欠な人材を適時に確保し、それら人材を育成の上有機的に連携させる必要があると考えております。
しかしながら、日本国内における雇用環境によっては人材獲得競争が激化することになり、当社グループの必要とする人材が必要な時期に確保できない場合、エンジニアを含むキャリアや資格保有者等の人材育成が計画通り進まない場合、人材の社外流出が発生した場合、人材の獲得若しくはつなぎ止めのための労務費の増加等が発生した場合等には、競争力の低下や事業拡大の制約要因が生じ、当社グループの事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループにおいては、自然災害等が発生した場合に備え、事業継続計画の策定等有事の際の対応策検討と準備を推進しております。しかしながら、地震、台風、津波、豪雨、洪水等の自然災害、火災、停電、新型コロナウイルス感染症をはじめとする未知の感染症の拡大等が発生した場合、当社グループの事業運営に深刻な影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの事業拠点である日本の首都圏において大規模な自然災害等が発生した場合には、サービスの提供等が止むを得ず一時的に停止する可能性もあり、このような場合、当社グループの信頼性やブランドイメージを毀損するだけでなく、当社グループの事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は2013年12月に設立され、2014年11月に株式投資教育アプリ「あすかぶ!」をリリースし、フィンテックソリューションの提供を開始し、また、2016年8月に「株式会社ナウキャスト」を株式交換により完全子会社化し、ビッグデータ解析事業へ参入した事業歴の比較的短い会社であり、とりわけ金融インフラストラクチャ事業は2019年11月より外部パートナー企業への提供を開始しておりますが、提供開始後の経過期間は4年程度と業歴の浅い事業です。このように当社グループが営む事業が伝統的な金融事業そのものとは異なる新規性を有し、技術革新や競合他社との競争等激しい事業環境の変化に晒されていることに加え、当社グループにおけるかかる事業の業績も浅いことから、当該事業の過年度の経営成績は期間業績比較を行うための十分な材料とはならず、過年度の実績のみでは今後の業績を判断する情報としては不十分な可能性があります。
代表取締役社長CEOである林良太は、創業以来代表取締役を務めております。同氏は、当社グループの経営方針や事業戦略構築、信用力の向上等において重要な役割を果たしております。当社グループは事業拡大に伴い、取締役会等における役員及び幹部社員との情報共有や経営組織の強化を図り、同氏に依存しない経営体質の構築を進めておりますが、何らかの理由により同氏が業務を継続することが困難となった場合には、当社グループの今後の事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが提供する金融インフラストラクチャ事業は、開発費用の支出、エンジニア人員の採用等の先行投資を必要とする事業であり、結果として当社は連結業績において営業赤字を継続して計上しております。今後もより多くの実績拡大を目指して、研究開発及びエンジニア人員等の優秀な人材の採用・育成を行ってまいりますが、かかる投資に際しては計画的に行うとともに、導入実績の増加、売上高の拡大及び収益性の向上に向けた取組みを行っていく方針であります。しかしながら、想定通りの導入実績の獲得が進まない場合等には、引き続き連結営業赤字の計上が継続する等、当社グループの事業及び経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
当社は、現在成長段階にあると認識しており、事業拡大や組織体制整備への投資のため、内部留保の充実が重要であると考え、会社設立以来配当を実施しておらず、今後の配当実施の可能性及び時期については未定であります。しかしながら、株主還元を適切に行っていくことが経営上重要であると認識しており、事業基盤の整備状況や投資計画、業績や財政状態等を総合的に勘案しながら、将来的には安定的な配当を行うことを検討していく方針でありますが、当社の業績、投資計画その他の事情により、今後も配当が実施できず、又は、実施しない可能性があります。
当社グループは、有価証券報告書提出日現在において、訴訟を提起されている事実はありません。しかしながら、事業を展開するなかで、当社グループが提供するサービスの不備、情報漏洩等により、何かしらの問題が生じた場合等、これらに起因した損害賠償の請求、訴訟の提起がなされる可能性があります。その場合には、当該訴訟に対する防御のために費用と時間を要する可能性があるほか、当社グループの社会的信用が毀損され、また損害賠償の金額、訴訟内容及び結果によっては、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、運営するコンテンツ及びサービスに関する知的財産権の獲得に努めております。また、第三者の知的財産権の侵害を防ぐ体制として、当社グループの管理部門及び顧問弁護士への委託等による事前調査を行っております。しかしながら、万が一、当社グループが第三者の知的財産権を侵害した場合には、当該第三者から損害賠償請求や使用差止請求等の訴えを起こされる可能性があり、これらに対する対価の支払いやこれらに伴うサービス内容の変更の必要等が発生する可能性があります。また、当社グループが保有する知的財産権について、第三者により侵害される可能性があるほか、当社グループが保有する権利の権利化ができない場合もあります。こうした場合、当社グループの事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、「金融を'サービス'として再発明する」をミッションに掲げております。このミッションのもと、金融サービス事業者向けの次世代クラウド基幹システムの提供等を通じて、パートナー企業とともに人々にとって遠い存在である金融サービスを暮らしに寄り添ったものにすることを目指しております。
今般、日本の経済は新型コロナウイルス感染症の影響が薄まり、政府や日銀による各種経済政策の効果も相まって社会活動の正常化に向けた動きが見られ、経済が持ち直し始めているものの、世界的な金融引き締めによる物価高騰や急激な円安などの影響もあり、景気の先行きについては不透明な状況が続いています。しかしながら、金融サービスにおけるデジタルトランスフォーメーションの流れは衰えることなく、当社グループが提供するサービスのニーズもより一層高まっていると認識しております。
このような事業環境のもと、当連結会計年度においては、継続的な事業成長を実現するため、引き続き人材採用や機能拡充に積極的に取り組んでまいりました。
この結果、前連結会計年度末以降、金融インフラストラクチャ事業のパートナー数が増加、ビッグデータ解析事業のデータライセンス契約件数が増加したことにより、フロー収益及びストック収益が拡大し、当連結会計年度における売上高は3,820,972千円(前年同期比40.3%増)、営業損失は328,718千円(前年同期は542,605千円の営業損失)、経常損失は324,657千円(前年同期は588,919千円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純損失は388,016千円(前年同期は669,944千円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
セグメント別の業績は以下の通りです。
なお、当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しております。以下の前連結会計年度との比較については、前連結会計年度の数値を変更後の区分に組替えた数値で比較しております。
報告セグメントの変更については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (セグメント情報等) セグメント情報」の「1 報告セグメントの概要 報告セグメントの変更等に関する事項」に詳細を記載しております。
金融インフラストラクチャ事業は、金融サービスを運営するために必要となる複雑な基幹システムを、クラウド上でSaaS型のシステムとして顧客に提供しております。
証券インフラストラクチャビジネスでは、サービス提供しているパートナーへの保守運用サービス、導入合意済みのパートナーへの初期導入支援に注力いたしました。当連結会計年度においては、前連結会計年度にサービス提供を開始したパートナーからの保守運用業務によるストック収益が、売上高の拡大に寄与しました。サービスの初期開発については、株式会社GCIアセット・マネジメントにより米国株運用に特化した投資一任サービス「米国ETFラップ」、株式会社セブン銀行により「Myセブン銀行」アプリを通じて、買い物ついでに投資ができるサービス「お買い物投資コレカブ」およびファイナンシャルスタンダード株式会社により米国株の投資一任サービス「Smart Manager(スマートマネージャー)」をそれぞれローンチしました。この結果、「BaaS」上での稼働サービス数は8サービス(前連結会計年度末時点:5サービス)となっております。
保険インフラストラクチャビジネスでは、新規パートナーの獲得に向け、当社グループの保険基幹システムである「Inspire」の機能の拡充と、合意済みのパートナーへの「Inspire」の初期導入支援に注力いたしました。当連結会計年度においては、初期導入支援として、三井住友海上火災保険株式会社、株式会社三菱UFJ銀行、東京海上日動火災保険株式会社、エムエスティ保険サービス株式会社および共栄火災海上保険株式会社へ「Inspire」を導入いたしました。その結果、「Inspire」の導入企業数は9社(前連結会計年度末時点:4社)となっております。
クレジットインフラストラクチャビジネスでは、当社グループ会社が提供開始予定である中小企業向けファイナンスサービス「BizGrowth(ビズグロース)」のベータ版として、商品の仕入れや製造委託などに関する支払いを分割後払いできるサービスを一部の顧客向けに提供するとともに、クレジットインフラストラクチャの基盤開発に注力しました。
コスト面については、証券インフラストラクチャビジネス、保険インフラストラクチャビジネス及びクレジットインフラストラクチャビジネスともに、将来のビジネス拡大を見据え、引き続き人材採用、機能拡充の先行投資を行いました。
以上の結果、当連結会計年度の金融インフラストラクチャ事業の売上高は1,766,288千円(前年同期比46.9%増)、セグメント損失は691,852千円(前年同期は774,267千円のセグメント損失)を計上しました。
フィンテックソリューション事業では、金融機関向けにデジタルトランスフォーメーション及びデジタルマーケティングの支援を行っております。
ソリューションビジネスでは、主に前連結会計年度にシステム導入支援した、株式会社三菱UFJ銀行「Money Canvas」の追加機能拡充の支援等を進めました。
以上の結果、新プロジェクトからのフロー収益が拡大し、当連結会計年度のフィンテックソリューション事業の売上高は1,026,936千円(前年同期比35.5%増)、セグメント利益は136,813千円(前年同期比33.2%増)となりました。
ビッグデータ解析事業は、ビッグデータを保有する企業のデータ利活用の促進を支援しており、企業の持つビッグデータを機関投資家や官公庁に提供するデータライセンスビジネスや、企業のデータ利活用を支援するデータ解析支援ビジネスを行っております。
データライセンスビジネスでは、機関投資家向けにオルタナティブデータを提供する「Alterna Data」において物価分析、スクリーニング機能及び、企業間比較機能を拡充いたしました。
以上の結果、「Alterna Data」の契約件数が伸長し、当連結会計年度のビッグデータ解析事業の売上高は1,027,747千円(前年同期比34.5%増)、セグメント利益は221,645千円(前年同期比53.1%増)となりました。
(資産)
当連結会計年度末における総資産合計は17,709,825千円となり、前連結会計年度末に比べて1,855,538千円増加いたしました。
流動資産は17,311,255千円となり、前連結会計年度末と比較して1,691,208千円増加いたしました。これは主に証券業における預託金、信用取引資産、並びに短期差入保証金が1,698,520千円増加したこと等によるものであります。
固定資産は398,570千円となり、前連結会計年度末と比較して164,330千円増加いたしました。これは主に有形固定資産が88,698千円、ソフトウェアが42,783千円、ソフトウェア仮勘定が28,381千円増加したこと等によるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は8,907,914千円となり、前連結会計年度末と比較して2,242,754千円増加いたしました。
流動負債は8,825,701千円となり、前連結会計年度末に比べて2,246,964千円増加いたしました。これは主に、証券業における預り金、信用取引負債、受入保証金が1,834,367千円、契約負債が135,690千円増加したこと等によるものであります。
固定負債及び特別法上の準備金は82,212千円となり、前連結会計年度末に比べて4,209千円減少いたしました。これは主に、金融商品取引責任準備金が15,371千円、繰延税金負債が9,157千円増加した一方で、長期借入金が37,500千円減少したこと等によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は8,801,911千円となり、前連結会計年度末に比べて387,215千円減少いたしました。これは主に、資本剰余金が1,806,766千円増加した一方で、資本金が1,769,754千円、親会社株主に帰属する当期純損失により利益剰余金が388,016千円、非支配株主持分が82,896千円減少したこと等によるものであります。
当連結累計期間における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、営業活動によるキャッシュ・フローが179,509千円の資金減、投資活動によるキャッシュ・フローが233,634千円の資金減、財務活動によるキャッシュ・フローが32,083千円の資金減となりました。
また、現金及び現金同等物に係る換算差額6,608千円の資金増を含めた結果、当期連結累計期間の資金残高は、前連結会計年度末に比べ438,618千円減少し、5,354,377千円となりました。当連結累計期間におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により使用した資金は179,509千円となりました。この主な増加要因として、証券業における預り金及び受入保証金の増減額1,038,822千円の増加があった一方で、減少要因として、証券業における預託金の増減額1,100,000千円、税金等調整前当期純損失373,760千円の減少等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は233,634千円となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出129,838千円、有形固定資産の取得による支出93,057千円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により使用した資金は32,083千円となりました。この主な増加要因として、ストックオプション行使に伴う新株発行による収入53,740千円があった一方で、減少要因として、長期借入金の返済による支出100,500千円によるものであります。
当社グループが営む事業は、金融サービスの構築・運営を可能にする次世代クラウド基幹システムを提供する金融インフラストラクチャ事業、金融機関のデジタルトランスフォーメーションのニーズに対応したソリューションの提供を行うフィンテックソリューション事業、及びオルタナティブデータを提供するビッグデータ解析事業であり、提供するサービスの性質上、生産実績の記載に馴染まないため、当該記載を省略しております。
当社グループでは、受注販売を行っておりますが、受注から売上高計上までの期間が短期であるため、受注実績は記載しておりません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間取引については相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たり、見積りが必要な事項につきましては、一定の会計基準の範囲内に合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。経営者はこれらの見積りについて過去の実績や将来における発生の可能性等を勘案し合理的に判断しておりますが、判断時には予期し得なかった事象等の発生により、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
(固定資産の減損)
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定にあたっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。
(繰延税金資産の回収可能性)
当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異等について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
1.経営成績の分析・評価
(売上高)
当連結会計年度において、売上高は3,820,972千円(前年同期比40.3%増)となりました。
金融インフラストラクチャ事業は、サービス提供しているパートナーへの保守運用サービス、導入合意済みのパートナーへの初期導入支援に注力しました。
フィンテックソリューション事業は、前連結会計年度にシステム導入した、株式会社三菱UFJ銀行「Money Canvas」の追加機能拡充等を進めました。
ビッグデータ解析事業は、機関投資家向けにオルタナティブデータを提供する「Alterna Data」において物価分析、スクリーニング機能及び、企業間比較機能を拡充いたしました。
(営業損失)
当連結会計年度において、売上原価は1,721,879千円(前年同期比62.8%増)、販売費及び一般管理費は2,427,811千円(前年同期比9.9%増)となりました。将来のビジネス拡大を見据え、引き続き人材採用、金融インフラストラクチャの機能拡充にかかる先行投資を行ってまいりました。
この結果、営業損失は328,718千円(前年同期は542,605千円の営業損失)となりました。
(経常損失)
当連結会計年度において、営業外収益が9,053千円(前年同期比433.3%増)、営業外費用が4,992千円(前年同期比89.6%減)が発生し、経常損失は324,657千円(前年同期は588,919千円の経常損失)となりました。
(当期純損失)
当連結会計年度において、特別利益が158千円(前年同期比99.4%減)、特別損失が49,261千円(前年同期比71.1%減)発生し、法人税等合計は118,633千円(前年同期比69.1%増)となりました。
この結果、当期純損失は492,393千円(前年同期は802,749千円の当期純損失)、親会社株主に帰属する当期純損失は388,016千円(前年同期は669,944千円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
2.財政状態の分析
財政状態の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ② 財政状態の状況」に記載の通りであります。
キャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載の通りです。
当社グループにおける主な資金需要は、人件費等の運転資金及び設備投資資金であります。財政状態等や資金使途を勘案しながら、運転資金は自己資金を基本としつつ、投資資金は自己資金並びに金融機関からの長期借入及びエクイティファイナンスによる外部からの資金調達についても資金需要の額や用途、当該タイミングにおける金利及び資本コストを比較した上で優先順位を検討して実施することを基本としております。
当社グループは、売上高の継続的かつ累積的な増加を実現するため、金融インフラストラクチャ事業のパートナー数を、目標とする経営指標として位置づけています。第9期連結会計年度末時点のパートナー数は17件で、第8期連結会計年度末比+8件となっております。デジタルトランスフォーメーションの必要性が高まる中で、投資運用会社からの投資一任サービスのプラットフォーム導入や、少額短期保険会社及び損害保険会社からのオンライン販売用の基幹システムの導入に関する需要が旺盛となったことで、パートナー数が増加したものと分析しております。
金融インフラストラクチャ事業におけるパートナー数
経営成績に重要な影響を与える要因については、「3 事業等のリスク」をご参照ください。
当社グループは、これまでインフラストラクチャの安定稼働と業務プロセスの確立を優先し安定的な成長を続けておりました。今後は、様々なニーズに応えられるよう金融インフラストラクチャの機能拡充を図るとともに、大企業向けの事業開発チームを確立し、パートナー数の拡大に取り組んでまいります。
該当事項はありません。
事務所の賃貸が主であり、主要な設備はありません。当連結会計年度における賃借料は101,261千円であります。
(注) 1.現在休止中の主要な設備はありません。
2.従業員数は就業人員数(業務委託契約締結者、派遣社員及び社外から当社への出向者を除く)であります。
3.上記以外の連結子会社においては、事務所の賃貸が主であり、主要な設備はありません。
主要な設備はありません。
(注) 提出日現在の発行数には、2023年6月1日からこの有価証券報告書提出日までの新株予約権の行使により発行された株式数は、含まれておりません。
イ.第1回新株予約権
※ 当事業年度の末日(2023年3月31日)における内容を記載しております。提出日の前月末現在における内容の変更はありません。
(注) 1.新株予約権1個につき目的となる株式の数(以下、「付与株式数」という。)は、当社普通株式1株であります。
ただし、新株予約権の割当日後、当社が株式分割、株式併合を行う場合は、次の算式により付与株式数を調整(ただし、当該時点で行使されていない新株予約権の目的である株式の数についてのみ)、調整の結果生じる1株未満の端数は、これを切り捨てる。
2.新株予約権の割当日後、当社が株式分割、株式併合を行う場合は、次の算式により払込金額を調整し、調整により生ずる1円未満の端数は切り上げる。
また、新株予約権の割当日後に時価を下回る価額で新株式の発行又は自己株式の処分を行う場合(新株予約権の行使に基づく新株の発行及び自己株式の処分並びに株式交換による自己株式の移転の場合を除く。)は、次の算式により払込金額を調整し、調整により生ずる1円未満の端数は切り上げる。
なお、上記算式において「既発行株式数」とは、当社普通株式にかかる発行済株式総数から当社普通株式にかかる自己株式数を控除した数とし、また、当社普通株式にかかる自己株式の処分を行う場合には、「新規発行株式数」を「処分する自己株式数」に読み替えるものとする。
上記の他、新株予約権の割当日後、当社が他社と合併する場合、会社分割を行う場合、その他これらの場合に準じて払込価格の調整を必要とする場合には、当社は、合理的な範囲で適切に払込価格の調整を行うことができるものとする。
3.新株予約権の行使の条件
(1) 新株予約権者は、当社の普通株式が国内外の金融商品取引所若しくはこれに類するものであって、外国に所在し国際的に認知されているものに上場した後、又は当社が消滅会社となる合併契約承認の議案が当社株主総会で承認された日、当社が分割会社となる分割契約若しくは分割計画承認の議案が当社株主総会で承認された日、及び当社が完全子会社となる株式交換契約若しくは株式移転計画承認の議案が当社株主総会で承認された日(いずれも、株主総会決議が不要の場合は当社の取締役会がなされた場合)が到来してから、当該新株予約権の権利行使をすることができる。
(2) 新株予約権の割当てを受けた者(以下「新株予約権者」という。)は、権利行使時においても、当社又は関係会社の取締役、監査役、執行役員若しくは従業員のいずれかの地位にあることを要する。
(3) 新株予約権者が死亡した場合には、新株予約権者の相続人による本新株予約権の行使は認めない。
(4) 新株予約権者に法令、定款若しくは社内規則に違反する重大な行為があった場合(刑事上罰すべき行為により有罪判決を受けた場合、会社法423条の規定により当社に対して損害賠償義務を負う場合及び懲戒解雇された場合を含むがこれらに限られない。)、又は新株予約権の付与の目的上当該新株予約権者に新株予約権を行使させることが相当でない事由として当社取締役会が定める事由が生じた場合は、当該新株予約権者は、以後新株予約権を行使することができないものとする。
(5) 当該新株予約権の譲渡、質入れその他一切の処分は、禁止とする。
(6) 各新株予約権1個あたりの一部の行使はすることができないものとする。
4.新株予約権の取得条項
(1) 新株予約権者が上記(注)3に規定する行使の条件を満たさなくなったことにより、その保有する新株予約権を行使できなくなった場合、当社は、当該新株予約権を無償で取得することができるものとする。
(2) 新株予約権者が、新株予約権の全部又は一部を放棄した場合、当社は、新株予約権を無償で取得することができる。
5.組織再編成行為に伴う新株予約権の交付に関する事項
当社が、合併(当社が合併により消滅する場合に限る。)、吸収分割、新設分割、株式交換又は株式移転(以下これらを総称して「組織再編行為」という。)をする場合において、組織再編行為の効力発生日において残存する新株予約権(以下「残存新株予約権」という。)の新株予約権者に対し、それぞれの場合につき、組織再編行為時に定める契約書又は計画書等に記載された条件に基づき、会社法236条第1項第8号イからホまでに掲げる株式会社(以下「再編対象会社」という。)の新株予約権をそれぞれ交付することとする。この場合においては、残存新株予約権は消滅し、再編対象会社は新株予約権を新たに発行するものとする。
6.本新株予約権発行時(2017年2月27日時点)の新株予約権の総数は1,700,000個ですが、本新株予約権者からの申し出により、当該新株予約権者が保有するそれぞれ以下の新株予約権が放棄され、消滅しております。
ロ.第2回新株予約権(インセンティブ・プランとしての時価発行新株予約権信託)
※ 当事業年度の末日(2023年3月31日)における内容を記載しております。提出日の前月末現在における内容の変更はありません。
(注) 1.本新株予約権は、新株予約権1個につき170円で有償発行しております。
2.新株予約権1個につき目的となる株式の数(以下、「付与株式数」という。)は、当社普通株式100株であります。
ただし、新株予約権の割当日後、当社が株式分割、株式併合を行う場合は、次の算式により付与株式数を調整(ただし、当該時点で行使されていない新株予約権の目的である株式の数についてのみ)、調整の結果生じる1株未満の端数は、これを切り捨てる。
また、本新株予約権の割当日後、当社が合併、会社分割又は資本金の額の減少を行う場合その他これらの場合に準じ付与株式数の調整を必要とする場合には、合理的な範囲で、付与株式数は適切に調整されるものとする。
3.新株予約権の割当日後、当社が株式分割、株式併合を行う場合は、次の算式により払込金額を調整し、調整により生ずる1円未満の端数は切り上げる。
また、新株予約権の割当日後に時価を下回る価額で新株式の発行又は自己株式の処分を行う場合(新株予約権の行使に基づく新株の発行及び自己株式の処分並びに株式交換による自己株式の移転の場合を除く。)は、次の算式により払込金額を調整し、調整により生ずる1円未満の端数は切り上げる。
なお、上記算式において「既発行株式数」とは、当社普通株式にかかる発行済株式総数から当社普通株式にかかる自己株式数を控除した数とし、また、当社普通株式にかかる自己株式の処分を行う場合には、「新規発行株式数」を「処分する自己株式数」に読み替えるものとする。
上記の他、新株予約権の割当日後、当社が他社と合併する場合、会社分割を行う場合、その他これらの場合に準じて払込価格の調整を必要とする場合には、当社は、合理的な範囲で適切に払込価格の調整を行うことができるものとする。
4.新株予約権の行使の条件
(1) 本新株予約権の割当てを受けた者(以下、「受託者」という。)は、本新株予約権を行使することができず、かつ、本要項に別段の定めがある場合を除き、受託者より本新株予約権の付与を受けた者(以下、「本新株予約権者」という。)のみが本新株予約権を行使できることとする。
(2) 新株予約権の割当てを受けた者(以下「新株予約権者」という。)は、本新株予約権の割当日から行使期間の満了日までにおいて、次に掲げる各事由が生じた場合には、新株予約権者は残存するすべての本新株予約権を行使することができない。
① 上記(注)3において定められた払込価額を下回る価格を対価とする、当社普通株式の発行等が行われた場合(払込金額が会社法第199条第3項・同第200条第2項に定める「特に有利な金額である場合」、株主割当てによる場合その他普通株式の株式価値とは異なると認められる価格で行われる場合を除く。)。
② 本新株予約権の目的である当社普通株式が日本国内のいずれの金融商品取引所にも上場されていない場合、上記(注)3において定められた払込価額を下回る価格を対価とする売買、その他の取引が行われたとき(但し、株主間契約や従業員持株会の規則に基づく場合等、当該取引時点における株式価値よりも著しく低いと認められる価格で取引が行われた場合を除く。)。
③ 本新株予約権の目的である当社普通株式が日本国内のいずれかの金融商品取引所に上場された場合、当該金融商品取引所における当社普通株式の普通取引の終値が、上記(注)3において定められた払込価額を下回る価格となったとき。
④ 本新株予約権の目的である当社普通株式が日本国内のいずれの金融商品取引所にも上場されていない場合、第三者評価機関等によりDCF法ならびに類似会社比較法等の方法により評価された株式評価額が、上記(注)3において定められた払込価額を下回ったとき(但し、株式評価額が一定の幅をもって示された場合、当社の取締役会が第三者評価機関等と協議の上本項への該当を判断するものとする。)
(3) 本新株予約権者は、本新株予約権を行使する時まで継続して、当社及びその子会社・関連会社の取締役及び従業員であることを要する。ただし、定年退職、その他正当な理由があると取締役会が認めた場合は、この限りではない。
(4) 本新株予約権者の相続人による本新株予約権の行使は認めない。
(5) 本新株予約権の行使によって、当社の発行済株式総数が当該時点における発行可能株式数を超過することとなるときは、当該本新株予約権の行使を行うことはできない。
(6) 各本新株予約権1個未満の行使を行うことはできない。
5.新株予約権の取得条項
(1) 当社が消滅会社となる合併契約、当社が分割会社となる会社分割についての分割契約若しくは分割計画、又は当社が完全子会社となる株式交換契約若しくは株式移転計画について株主総会の承認(株主総会の承認を要しない場合には取締役会決議)がなされた場合は、当社は、当社取締役会が別途定める日の到来をもって、本新株予約権の全部を無償で取得することができる。
(2) 新株予約権者が権利行使をする前に、上記(注)4に定める規定により本新株予約権の行使ができなくなった場合は、当社は新株予約権を無償で取得することができる。
(3) 当社は相続の対象とならなかった本新株予約権を無償で取得することができるものとし、会社法第274条第3項に基づく本新株予約権者に対する通知は、本新株予約権者の法定相続人のうち当社が適切と判断する者に対して行えば足りるものとする。但し、法令の解釈によりかかる通知が不要とされる場合には、通知を省略して本新株予約権を無償で取得することができるものとする。
6.組織再編成行為に伴う新株予約権の交付に関する事項
当社が、合併(当社が合併により消滅する場合に限る。)、吸収分割、新設分割、株式交換又は株式移転(以上を総称して以下、「組織再編行為」という。)を行う場合において、組織再編行為の効力発生日に新株予約権者に対し、それぞれの場合につき、会社法第236条第1項第8号イからホまでに掲げる株式会社(以下、「再編対象会社」という。)の新株予約権を以下の条件に基づきそれぞれ交付することとする。ただし、以下の条件に沿って再編対象会社の新株予約権を交付する旨を、吸収合併契約、新設合併契約、吸収分割契約、新設分割計画、株式交換契約又は株式移転計画において定めた場合に限るものとする。
(1) 交付する再編対象会社の新株予約権の数
新株予約権者が保有する新株予約権の数と同一の数をそれぞれ交付する。
(2) 新株予約権の目的である再編対象会社の株式の種類
再編対象会社の普通株式とする。
(3) 新株予約権の目的である再編対象会社の株式の数
組織再編行為の条件を勘案の上、上記(注)2に準じて決定する。
(4) 新株予約権の行使に際して出資される財産の価額
交付される各新株予約権の行使に際して出資される財産の価額は、組織再編行為の条件等を勘案の上、上記(注)3で定められる払込価額を調整して得られる再編後払込価額に、上記(注)6.(3)に従って決定される当該新株予約権の目的である再編対象会社の株式の数を乗じた額とする。
(5) 新株予約権を行使することができる期間
上記表中「新株予約権の行使期間」に定める行使期間の初日と組織再編行為の効力発生日のうち、いずれか遅い日から上記表中「新株予約権の行使期間」に定める行使期間の末日までとする。
(6) 新株予約権の行使により株式を発行する場合における増加する資本金及び資本準備金に関する事項
本新株予約権の行使により株式を発行する場合において増加する資本金の額は、会社計算規則第17条第1項に従い算出される資本金等増加限度額の2分の1の金額とする。計算の結果1円未満の端数が生じたときは、その端数を切り上げるものとする。またこの場合、本新株予約権の行使により株式を発行する場合における増加する資本準備金の額は、上記の資本金等増加限度額から、増加する資本金の額を減じた額とする。
(7) 譲渡による新株予約権の取得の制限
譲渡による取得の制限については、再編対象会社の取締役会の決議による承認を要するものとする。
(8) その他新株予約権の行使の条件
上記(注)4に準じて決定する。
(9) 新株予約権の取得事由及び条件
上記(注)5に準じて決定する。
(10) その他の条件については、再編対象会社の条件に準じて決定する。
7.当社グループの企業価値増大を図ることを目的に、将来の当社グループの役職員等に対するインセンティブ・プランとして、2017年11月27日開催の臨時株主総会並びに臨時普通株主種類株主総会決議に基づき、同日付で公認会計士・税理士 伊藤英佑を受託者として「時価発行新株予約権信託」(以下「本信託(第2回新株予約権)」といいます。)を設定しており、当社は本信託(第2回新株予約権)に対して、会社法に基づき2017年11月30日に第2回新株予約権(2017年11月27日臨時株主総会並びに臨時普通株主種類株主総会決議)を発行しております。
本信託(第2回新株予約権)は、当社グループの役職員等に対して、将来の功績に応じて、公認会計士・税理士 伊藤英佑に付与した第2回新株予約権17,190個(1個あたり100株相当)を分配するものです。
既存の新株予約権を用いたインセンティブ・プランと異なり、当社グループの役職員等に対して、将来の功績評価を基に将来時点でインセンティブの分配の多寡を決定することを可能とし、より一層個人の努力に報いることができるようにするとともに、将来採用された当社グループの役職員等に対しても、新株予約権の分配を可能とするものであります。
第2回新株予約権の分配を受けた者は、当該第2回新株予約権の発行要領及び取扱いに関する契約の内容に従って、当該新株予約権を行使することができます。
本信託(第2回新株予約権)は2つの契約(A01とA02)により構成され、それらの概要は以下のとおりであります。
ハ.第3回新株予約権
※ 当事業年度の末日(2023年3月31日)における内容を記載しております。提出日の前月末現在における内容の変更はありません。
(注) 1.本新株予約権は、新株予約権1個につき170円で有償発行しております。
2.新株予約権1個につき目的となる株式の数(以下、「付与株式数」という。)は、当社普通株式100株であります。
ただし、新株予約権の割当日後、当社が株式分割、株式併合を行う場合は、次の算式により付与株式数を調整(ただし、当該時点で行使されていない新株予約権の目的である株式の数についてのみ)、調整の結果生じる1株未満の端数は、これを切り捨てる。
また本新株予約権の割当日後、当社が合併、会社分割又は資本金の額の減少を行う場合その他これらの場合に準じ付与株式数の調整を必要とする場合には、合理的な範囲で付与株式数は適切に調整されるものとする。
3.新株予約権の割当日後、当社が株式分割、株式併合を行う場合は、次の算式により払込金額を調整し、調整により生ずる1円未満の端数は切り上げる。
また、新株予約権の割当日後に時価を下回る価額で新株式の発行又は自己株式の処分を行う場合(新株予約権の行使に基づく新株の発行及び自己株式の処分並びに株式交換による自己株式の移転の場合を除く。)は、次の算式により払込金額を調整し、調整により生ずる1円未満の端数は切り上げる。
なお、上記算式において「既発行株式数」とは、当社普通株式にかかる発行済株式総数から当社普通株式にかかる自己株式数を控除した数とし、また、当社普通株式にかかる自己株式の処分を行う場合には、「新規発行株式数」を「処分する自己株式数」に読み替えるものとする。
上記の他、新株予約権の割当日後、当社が他社と合併する場合、会社分割を行う場合、その他これらの場合に準じて払込価格の調整を必要とする場合には、当社は、合理的な範囲で適切に払込価格の調整を行うことができるものとする。
4.新株予約権の行使の条件
(1) 新株予約権の割当てを受けた者(以下「新株予約権者」という。)は、本新株予約権の割当日から行使期間の満了日までにおいて、次に掲げる各事由が生じた場合には、新株予約権者は残存するすべての本新株予約権を行使することができない。
① 上記(注)3において定められた払込価額を下回る価格を対価とする、当社普通株式の発行等が行われた場合(払込金額が会社法第199条第3項・同第200条第2項に定める「特に有利な金額である場合」、株主割当てによる場合その他普通株式の株式価値とは異なると認められる価格で行われる場合を除く。)。
② 本新株予約権の目的である当社普通株式が日本国内のいずれの金融商品取引所にも上場されていない場合、上記(注)3において定められた払込価額を下回る価格を対価とする売買、その他の取引が行われたとき(但し、株主間契約や従業員持株会の規則に基づく場合等、当該取引時点における株式価値よりも著しく低いと認められる価格で取引が行われた場合を除く。)。
③ 本新株予約権の目的である当社普通株式が日本国内のいずれかの金融商品取引所に上場された場合、当該金融商品取引所における当社普通株式の普通取引の終値が、上記(注)3において定められた払込価額を下回る価格となったとき。
④ 本新株予約権の目的である当社普通株式が日本国内のいずれの金融商品取引所にも上場されていない場合、第三者評価機関等によりDCF法ならびに類似会社比較法等の方法により評価された株式評価額が、上記(注)3において定められた払込価額を下回ったとき(但し、株式評価額が一定の幅をもって示された場合、当社の取締役会が第三者評価機関等と協議の上本項への該当を判断するものとする。)
(2) 本新株予約権者は、本新株予約権を行使する時まで継続して、当社及びその子会社・関連会社の取締役及び従業員であることを要する。ただし、定年退職、その他正当な理由があると取締役会が認めた場合は、この限りではない。
(3) 本新株予約権者の相続人による本新株予約権の行使は認めない。
(4) 本新株予約権の行使によって、当社の発行済株式総数が当該時点における発行可能株式数を超過することとなるときは、当該本新株予約権の行使を行うことはできない。
(5) 各本新株予約権1個未満の行使を行うことはできない。
5.新株予約権の取得条項
(1) 当社が消滅会社となる合併契約、当社が分割会社となる会社分割についての分割契約若しくは分割計画、又は当社が完全子会社となる株式交換契約若しくは株式移転計画について株主総会の承認(株主総会の承認を要しない場合には取締役会決議)がなされた場合は、当社は、当社取締役会が別途定める日の到来をもって、本新株予約権の全部を無償で取得することができる。
(2) 新株予約権者が権利行使をする前に、上記(注)4に定める規定により本新株予約権の行使ができなくなった場合は、当社は新株予約権を無償で取得することができる。
(3) 当社は相続の対象とならなかった本新株予約権を無償で取得することができるものとし、会社法第274条第3項に基づく本新株予約権者に対する通知は、本新株予約権者の法定相続人のうち当社が適切と判断する者に対して行えば足りるものとする。但し、法令の解釈によりかかる通知が不要とされる場合には、通知を省略して本新株予約権を無償で取得することができるものとする。
6.組織再編成行為に伴う新株予約権の交付に関する事項
当社が、合併(当社が合併により消滅する場合に限る。)、吸収分割、新設分割、株式交換又は株式移転(以上を総称して以下、「組織再編行為」という。)を行う場合において、組織再編行為の効力発生日に新株予約権者に対し、それぞれの場合につき、会社法第236条第1項第8号イからホまでに掲げる株式会社(以下、「再編対象会社」という。)の新株予約権を以下の条件に基づきそれぞれ交付することとする。ただし、以下の条件に沿って再編対象会社の新株予約権を交付する旨を、吸収合併契約、新設合併契約、吸収分割契約、新設分割計画、株式交換契約又は株式移転計画において定めた場合に限るものとする。
(1) 交付する再編対象会社の新株予約権の数
新株予約権者が保有する新株予約権の数と同一の数をそれぞれ交付する。
(2) 新株予約権の目的である再編対象会社の株式の種類
再編対象会社の普通株式とする。
(3) 新株予約権の目的である再編対象会社の株式の数
組織再編行為の条件を勘案の上、上記(注)2に準じて決定する。
(4) 新株予約権の行使に際して出資される財産の価額
交付される各新株予約権の行使に際して出資される財産の価額は、組織再編行為の条件等を勘案の上、上記(注)3で定められる払込価額を調整して得られる再編後払込価額に、上記(注)6(3)に従って決定される当該新株予約権の目的である再編対象会社の株式の数を乗じた額とする。
(5) 新株予約権を行使することができる期間
上記表中「新株予約権の行使期間」に定める行使期間の初日と組織再編行為の効力発生日のうち、いずれか遅い日から上記表中「新株予約権の行使期間」に定める行使期間の末日までとする。
(6) 新株予約権の行使により株式を発行する場合における増加する資本金及び資本準備金に関する事項
本新株予約権の行使により株式を発行する場合において増加する資本金の額は、会社計算規則第17条第1項に従い算出される資本金等増加限度額の2分の1の金額とする。計算の結果1円未満の端数が生じたときは、その端数を切り上げるものとする。またこの場合、本新株予約権の行使により株式を発行する場合における増加する資本準備金の額は、上記の資本金等増加限度額から、増加する資本金の額を減じた額とする。
(7) 譲渡による新株予約権の取得の制限
譲渡による取得の制限については、再編対象会社の取締役会の決議による承認を要するものとする。
(8) その他新株予約権の行使の条件
上記(注)4に準じて決定する。
(9) 新株予約権の取得事由及び条件
上記(注)5に準じて決定する。
(10) その他の条件については、再編対象会社の条件に準じて決定する。
ニ.第4回新株予約権
※ 当事業年度の末日(2023年3月31日)における内容を記載しております。提出日の前月末現在における内容の変更はありません。
(注) 1.本新株予約権は、新株予約権1個につき170円で有償発行しております。
2.新株予約権1個につき目的となる株式の数(以下、「付与株式数」という。)は、当社普通株式100株であります。
ただし、新株予約権の割当日後、当社が株式分割、株式併合を行う場合は、次の算式により付与株式数を調整(ただし、当該時点で行使されていない新株予約権の目的である株式の数についてのみ)、調整の結果生じる1株未満の端数は、これを切り捨てる。
また本新株予約権の割当日後、当社が合併、会社分割又は資本金の額の減少を行う場合その他これらの場合に準じ付与株式数の調整を必要とする場合には、合理的な範囲で付与株式数は適切に調整されるものとする。
3.新株予約権の割当日後、当社が株式分割、株式併合を行う場合は、次の算式により払込金額を調整し、調整により生ずる1円未満の端数は切り上げる。
また、新株予約権の割当日後に時価を下回る価額で新株式の発行又は自己株式の処分を行う場合(新株予約権の行使に基づく新株の発行及び自己株式の処分並びに株式交換による自己株式の移転の場合を除く。)は、次の算式により払込金額を調整し、調整により生ずる1円未満の端数は切り上げる。
なお、上記算式において「既発行株式数」とは、当社普通株式にかかる発行済株式総数から当社普通株式にかかる自己株式数を控除した数とし、また、当社普通株式にかかる自己株式の処分を行う場合には、「新規発行株式数」を「処分する自己株式数」に読み替えるものとする。
上記の他、新株予約権の割当日後、当社が他社と合併する場合、会社分割を行う場合、その他これらの場合に準じて払込価格の調整を必要とする場合には、当社は、合理的な範囲で適切に払込価格の調整を行うことができるものとする。
4.新株予約権の行使の条件
(1) 新株予約権の割当てを受けた者(以下「新株予約権者」という。)は、本新株予約権の割当日から行使期間の満了日までにおいて、次に掲げる各事由が生じた場合には、新株予約権者は残存するすべての本新株予約権を行使することができない。
① 上記(注)3において定められた払込価額を下回る価格を対価とする、当社普通株式の発行等が行われた場合(払込金額が会社法第199条第3項・同第200条第2項に定める「特に有利な金額である場合」、株主割当てによる場合その他普通株式の株式価値とは異なると認められる価格で行われる場合を除く。)。
② 本新株予約権の目的である当社普通株式が日本国内のいずれの金融商品取引所にも上場されていない場合、上記(注)3において定められた払込価額を下回る価格を対価とする売買、その他の取引が行われたとき(但し、株主間契約や従業員持株会の規則に基づく場合等、当該取引時点における株式価値よりも著しく低いと認められる価格で取引が行われた場合を除く。)。
③ 本新株予約権の目的である当社普通株式が日本国内のいずれかの金融商品取引所に上場された場合、当該金融商品取引所における当社普通株式の普通取引の終値が、上記(注)3において定められた払込価額を下回る価格となったとき。
④ 本新株予約権の目的である当社普通株式が日本国内のいずれの金融商品取引所にも上場されていない場合、第三者評価機関等によりDCF法ならびに類似会社比較法等の方法により評価された株式評価額が、上記(注)3において定められた払込価額を下回ったとき(但し、株式評価額が一定の幅をもって示された場合、当社の取締役会が第三者評価機関等と協議の上本項への該当を判断するものとする。)
(2) 本新株予約権者は、本新株予約権を行使する時まで継続して、当社及びその子会社・関連会社の取締役及び従業員であることを要する。ただし、定年退職、その他正当な理由があると取締役会が認めた場合は、この限りではない。
(3) 本新株予約権者の相続人による本新株予約権の行使は認めない。
(4) 本新株予約権の行使によって、当社の発行済株式総数が当該時点における発行可能株式数を超過することとなるときは、当該本新株予約権の行使を行うことはできない。
(5) 各本新株予約権1個未満の行使を行うことはできない。
5.新株予約権の取得条項
(1) 当社が消滅会社となる合併契約、当社が分割会社となる会社分割についての分割契約若しくは分割計画、又は当社が完全子会社となる株式交換契約若しくは株式移転計画について株主総会の承認(株主総会の承認を要しない場合には取締役会決議)がなされた場合は、当社は、当社取締役会が別途定める日の到来をもって、本新株予約権の全部を無償で取得することができる。
(2) 新株予約権者が権利行使をする前に、上記(注)4に定める規定により本新株予約権の行使ができなくなった場合は、当社は新株予約権を無償で取得することができる。
(3) 当社は相続の対象とならなかった本新株予約権を無償で取得することができるものとし、会社法第274条第3項に基づく本新株予約権者に対する通知は、本新株予約権者の法定相続人のうち当社が適切と判断する者に対して行えば足りるものとする。但し、法令の解釈によりかかる通知が不要とされる場合には、通知を省略して本新株予約権を無償で取得することができるものとする。
6.組織再編成行為に伴う新株予約権の交付に関する事項
当社が、合併(当社が合併により消滅する場合に限る。)、吸収分割、新設分割、株式交換又は株式移転(以上を総称して以下、「組織再編行為」という。)を行う場合において、組織再編行為の効力発生日に新株予約権者に対し、それぞれの場合につき、会社法第236条第1項第8号イからホまでに掲げる株式会社(以下、「再編対象会社」という。)の新株予約権を以下の条件に基づきそれぞれ交付することとする。ただし、以下の条件に沿って再編対象会社の新株予約権を交付する旨を、吸収合併契約、新設合併契約、吸収分割契約、新設分割計画、株式交換契約又は株式移転計画において定めた場合に限るものとする。
(1) 交付する再編対象会社の新株予約権の数
新株予約権者が保有する新株予約権の数と同一の数をそれぞれ交付する。
(2) 新株予約権の目的である再編対象会社の株式の種類
再編対象会社の普通株式とする。
(3) 新株予約権の目的である再編対象会社の株式の数
組織再編行為の条件を勘案の上、上記(注)2に準じて決定する。
(4) 新株予約権の行使に際して出資される財産の価額
交付される各新株予約権の行使に際して出資される財産の価額は、組織再編行為の条件等を勘案の上、上記(注)3で定められる払込価額を調整して得られる再編後払込価額に、上記(注)6(3)に従って決定される当該新株予約権の目的である再編対象会社の株式の数を乗じた額とする。
(5) 新株予約権を行使することができる期間
上記表中「新株予約権の行使期間」に定める行使期間の初日と組織再編行為の効力発生日のうち、いずれか遅い日から上記表中「新株予約権の行使期間」に定める行使期間の末日までとする。
(6) 新株予約権の行使により株式を発行する場合における増加する資本金及び資本準備金に関する事項
本新株予約権の行使により株式を発行する場合において増加する資本金の額は、会社計算規則第17条第1項に従い算出される資本金等増加限度額の2分の1の金額とする。計算の結果1円未満の端数が生じたときは、その端数を切り上げるものとする。またこの場合、本新株予約権の行使により株式を発行する場合における増加する資本準備金の額は、上記の資本金等増加限度額から、増加する資本金の額を減じた額とする。
(7) 譲渡による新株予約権の取得の制限
譲渡による取得の制限については、再編対象会社の取締役会の決議による承認を要するものとする。
(8) その他新株予約権の行使の条件
上記(注)4に準じて決定する。
(9) 新株予約権の取得事由及び条件
上記(注)5に準じて決定する。
(10) その他の条件については、再編対象会社の条件に準じて決定する。
ホ.第5回新株予約権
※ 当事業年度の末日(2023年3月31日)における内容を記載しております。提出日の前月末現在における内容の変更はありません。
(注) 1.本新株予約権は、新株予約権1個につき7,338円で有償発行しております。
2.新株予約権1個につき目的となる株式の数(以下、「付与株式数」という。)は、当社普通株式100株であります。
ただし、新株予約権の割当日後、当社が株式分割、株式併合を行う場合は、次の算式により付与株式数を調整(ただし、当該時点で行使されていない新株予約権の目的である株式の数についてのみ)、調整の結果生じる1株未満の端数は、これを切り捨てる。
また本新株予約権の割当日後、当社が合併、会社分割又は資本金の額の減少を行う場合その他これらの場合に準じ付与株式数の調整を必要とする場合には、合理的な範囲で付与株式数は適切に調整されるものとする。
3.新株予約権の割当日後、当社が株式分割、株式併合を行う場合は、次の算式により払込金額を調整し、調整により生ずる1円未満の端数は切り上げる。
また、新株予約権の割当日後に時価を下回る価額で新株式の発行又は自己株式の処分を行う場合(新株予約権の行使に基づく新株の発行及び自己株式の処分並びに株式交換による自己株式の移転の場合を除く。)は、次の算式により払込金額を調整し、調整により生ずる1円未満の端数は切り上げる。
なお、上記算式において「既発行株式数」とは、当社普通株式にかかる発行済株式総数から当社普通株式にかかる自己株式数を控除した数とし、また、当社普通株式にかかる自己株式の処分を行う場合には、「新規発行株式数」を「処分する自己株式数」に読み替えるものとする。
上記の他、新株予約権の割当日後、当社が他社と合併する場合、会社分割を行う場合、その他これらの場合に準じて払込価格の調整を必要とする場合には、当社は、合理的な範囲で適切に払込価格の調整を行うことができるものとする。
4.新株予約権の行使の条件
(1) 新株予約権者は、行使期間中に東京証券取引所における当社普通株式の普通取引の終値が一度でも1,290円以上となった場合に、これ以降本新株予約権を行使することができる。
(2) 本新株予約権者の相続人による本新株予約権の行使は認めない。
(3) 本新株予約権の行使によって、当社の発行済株式総数が当該時点における発行可能株式数を超過することとなるときは、当該本新株予約権の行使を行うことはできない。
(4) 各本新株予約権1個未満の行使を行うことはできない。
5.新株予約権の取得条項
(1) 当社が消滅会社となる合併契約、当社が分割会社となる会社分割についての分割契約若しくは分割計画、又は当社が完全子会社となる株式交換契約若しくは株式移転計画について株主総会の承認(株主総会の承認を要しない場合には取締役会決議)がなされた場合は、当社は、当社取締役会が別途定める日の到来をもって、本新株予約権の全部を無償で取得することができる。
(2) 新株予約権者が権利行使をする前に、上記(注)4に定める規定により本新株予約権の行使ができなくなった場合は、当社は新株予約権を無償で取得することができる。
(3) 当社は相続の対象とならなかった本新株予約権を無償で取得することができるものとし、会社法第274条第3項に基づく本新株予約権者に対する通知は、本新株予約権者の法定相続人のうち当社が適切と判断する者に対して行えば足りるものとする。但し、法令の解釈によりかかる通知が不要とされる場合には、通知を省略して本新株予約権を無償で取得することができるものとする。
6.組織再編成行為に伴う新株予約権の交付に関する事項
当社が、合併(当社が合併により消滅する場合に限る。)、吸収分割、新設分割、株式交換又は株式移転(以上を総称して以下、「組織再編行為」という。)を行う場合において、組織再編行為の効力発生日に新株予約権者に対し、それぞれの場合につき、会社法第236条第1項第8号イからホまでに掲げる株式会社(以下、「再編対象会社」という。)の新株予約権を以下の条件に基づきそれぞれ交付することとする。ただし、以下の条件に沿って再編対象会社の新株予約権を交付する旨を、吸収合併契約、新設合併契約、吸収分割契約、新設分割計画、株式交換契約又は株式移転計画において定めた場合に限るものとする。
(1) 交付する再編対象会社の新株予約権の数
新株予約権者が保有する新株予約権の数と同一の数をそれぞれ交付する。
(2) 新株予約権の目的である再編対象会社の株式の種類
再編対象会社の普通株式とする。
(3) 新株予約権の目的である再編対象会社の株式の数
組織再編行為の条件を勘案の上、上記(注)2に準じて決定する。
(4) 新株予約権の行使に際して出資される財産の価額
交付される各新株予約権の行使に際して出資される財産の価額は、組織再編行為の条件等を勘案の上、上記(注)3で定められる払込価額を調整して得られる再編後払込価額に、上記(注)6(3)に従って決定される当該新株予約権の目的である再編対象会社の株式の数を乗じた額とする。
(5) 新株予約権を行使することができる期間
上記表中「新株予約権の行使期間」に定める行使期間の初日と組織再編行為の効力発生日のうち、いずれか遅い日から上記表中「新株予約権の行使期間」に定める行使期間の末日までとする。
(6) 新株予約権の行使により株式を発行する場合における増加する資本金及び資本準備金に関する事項
本新株予約権の行使により株式を発行する場合において増加する資本金の額は、会社計算規則第17条第1項に従い算出される資本金等増加限度額の2分の1の金額とする。計算の結果1円未満の端数が生じたときは、その端数を切り上げるものとする。またこの場合、本新株予約権の行使により株式を発行する場合における増加する資本準備金の額は、上記の資本金等増加限度額から、増加する資本金の額を減じた額とする。
(7) 譲渡による新株予約権の取得の制限
譲渡による取得の制限については、再編対象会社の取締役会の決議による承認を要するものとする。
(8) その他新株予約権の行使の条件
上記(注)4に準じて決定する。
(9) 新株予約権の取得事由及び条件
上記(注)5に準じて決定する。
(10) その他の条件については、再編対象会社の条件に準じて決定する。
該当事項はありません。
(注)1.2018年5月28日開催の取締役会決議に基づき、自己株式の消却を行ったものです。
2.有償第三者割当
C種優先株式 発行価格 718円
資本組入額 359円
割当先 KDDI株式会社
ジャフコSV5共有投資事業有限責任組合
ジャフコSV5スター投資事業有限責任組合
株式会社SMBC信託銀行
3.2018年7月25日開催の臨時株主総会決議に基づき、今後の資本政策上の柔軟性及び機動性を確保することを目的に、資本金額を減少させ、資本準備金に振り替えたものであります。なお、資本金の減資割合は96.8%となっております。
4.大和証券株式会社からの要請に基づき、2021年7月28日開催の臨時取締役会決議により、A種、B種及びC種優先株式の全部を取得し、これと引換えにA種優先株主、B種優先株主及びC種優先株主に対し普通株式を交付したものです。また、取得したA種、B種及びC種優先株式の全部を、2021年7月28日開催の臨時取締役会決議に基づき、消却を行っております。
5.UTEC3号投資事業有限責任組合に対し、2016年8月17日付で発行した第1回無担保転換社債型新株予約権付社債の社債要項に基づき、2021年8月6日付で新株予約権が行使されたものです。
6.有償一般募集(ブックビルディング方式による募集)
発行価格 1,290円
引受価額 1,193.25円
資本組入額 596.625円
7.新株予約権(ストックオプション)の権利行使による増加であります。
8.2022年6月22日開催の定時株主総会の決議に基づき、資本政策の柔軟性及び機動性を確保すること等を目的に減資を行いました。この結果、資本金が1,797,112千円減少し(減資割合96.7%)、その減少額全額を資本剰余金に振り替えております。
2023年3月31日現在
1 報告セグメントの概要
報告セグメントの決定方法並びに報告セグメントの属する製品及びサービスの内容
当社グループの報告セグメントは、当社の構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。
当社グループは、国内外において、金融サービスを運営するために必要となる複雑な基幹システムを、クラウドベースでSaaS型のシステムとしてお客様に提供する「金融インフラストラクチャ事業」、金融機関向けにデジタルトランスフォーメーション及びデジタルマーケティングの支援を行う「フィンテックソリューション事業」、及びビッグデータを保有する企業のデータ利活用の促進を支援する「ビッグデータ解析事業」を展開しております。したがって、当社グループは、「金融インフラストラクチャ事業」、「フィンテックソリューション事業」、「ビッグデータ解析事業」の3つを報告セグメントとしております。各報告セグメントに属するサービスの種類は、下記の通りであります。
当連結会計期間より、これまで「フィンテックソリューション事業」に含めておりましたクレジット事業について、インフラストラクチャビジネスの売上比率が高まり始めており、今後ますます当事業におけるインフラストラクチャビジネスへの依存度が高まることを鑑み、「金融インフラストラクチャ事業」に含めて記載する方法に変更しております。
また、収益の分解情報の区分についても、これまで「ソリューションビジネス」に含めておりましたクレジット事業について、同様の理由により、「クレジットインフラストラクチャビジネス」の区分を追加して記載する方法に変更しております。
なお、前連結会計年度のセグメント情報については変更後の区分により作成したものを記載しております。