株式会社グッピーズ
GUPPY's Inc.
新宿区西新宿6丁目14番1号 新宿グリーンタワービル24階
証券コード:51270
業界:情報・通信業
有価証券報告書の提出日:2022年12月09日

 

回次

第18期

第19期

第20期

第21期

第22期

決算年月

2018年8月

2019年8月

2020年8月

2021年8月

2022年8月

売上高

(千円)

582,838

696,753

936,636

1,396,238

1,850,489

経常利益

(千円)

38,947

44,951

104,994

304,562

484,579

当期純利益

(千円)

6,795

25,435

77,173

229,864

342,276

持分法を適用した
場合の投資利益

(千円)

資本金

(千円)

30,000

30,000

30,000

30,000

30,000

発行済株式総数

(株)

600

600

6,000

6,000

3,000,000

純資産額

(千円)

207,315

232,750

309,924

539,788

832,665

総資産額

(千円)

516,058

574,045

740,271

1,134,540

1,509,404

1株当たり純資産額

(円)

345,525.06

387,917.51

103.31

179.93

277.56

1株当たり配当額

(1株当たり中間配当額)

(円)

(―)

(―)

(―)

(―)

(―)

1株当たり当期純利益

(円)

11,325.14

42,392.45

25.72

76.62

114.09

潜在株式調整後
1株当たり当期純利益

(円)

自己資本比率

(%)

40.2

40.5

41.9

47.6

55.2

自己資本利益率

(%)

3.3

11.6

24.9

42.6

41.1

株価収益率

(倍)

配当性向

(%)

営業活動による

キャッシュ・フロー

(千円)

141,957

408,748

434,256

投資活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

102,831

4,183

51,002

財務活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

11,899

45,252

46,437

現金及び現金同等物
の期末残高

(千円)

403,871

771,550

1,108,367

従業員数
〔外、平均臨時雇用者数〕

(名)

24

32

41

56

73

1

2

2

3

4

株主総利回り

(%)

(比較指標:―)

(%)

(―)

(―)

(―)

(―)

(―)

最高株価

(円)

最低株価

(円)

 

 

(注) 1.当社は連結財務諸表を作成しておりませんので、連結会計年度に係る主要な経営指数等の推移については、記載しておりません。

2.持分法を適用した場合の投資利益については、関連会社が存在しないため、記載しておりません。

3.1株当たり配当額及び配当性向については、配当を実施していないため記載しておりません。

4.潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、新株予約権の残高はあるものの、当社株式は2022年8月期末において非上場であり、期中平均株価が把握できないため記載しておりません。

5.株価収益率は、当社株式が2022年8月期末において非上場であるため記載しておりません。

6.第18期及び第19期についてはキャッシュ・フロー計算書を作成しておりませんので、キャッシュ・フローに係る各項目については記載しておりません。

7.第20期、第21期及び第22期の財務諸表については、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵省令第59号)に基づき作成しており、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき有限責任監査法人トーマツにより監査を受けておりますが、第18期及び第19期については、「会社計算規則」(平成18年法務省令第13号)の規定に基づき算出した各数値を記載しており、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査は受けておりません。

8.当社は、2019年10月31日に普通株式1株につき10株の割合で、また2022年6月8日に普通株式1株につき500株の割合で株式分割を行っております。そのため第20期の期首に株式分割が行われたと仮定し、1株当たり純資産額及び1株当たり当期純利益を算定しております。

9. 従業員数には従業員兼務役員を含めております。臨時雇用者(パートタイマー及びアルバイトを含み、派遣社員は含まれておりません。)は、最近1年間の平均人員(1日8時間換算)を〔 〕にて外数で記載しております。

10.第18期、第19期、第20期、第21期及び第22期の株主総利回り及び比較指標、最高株価、最低株価については、2022年9月30日に東京証券取引所グロース市場に上場したため、記載しておりません。

11.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第22期の期首から適用しており、第22期に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。

 

 

2 【沿革】

当社代表取締役の肥田義光は有限会社グッピーにて医療系の人材サービスを開始し、2000年5月に医療系求人サイト「GUPPY(現:GUPPY求人)」をリリースいたしました。その後当社を設立し、「GUPPY」の業務を行っております。

 

年月

概要

2000年9月

東京都品川区にて株式会社グッピーズを設立(資本金1,000万円)

2006年1月

本社を東京都新宿区に移転

2007年6月

大阪府大阪市北区に大阪オフィス開設

2009年5月

「閲覧課金型」料金システムを導入

2010年4月

新卒学生向け求人サイト「GUPPY就職(現:GUPPY新卒)」リリース

2015年9月

医療・介護・福祉の就職情報誌発行

2016年7月

大阪オフィスを本社へ統合

2016年11月

健康管理アプリ「グッピー ヘルスケア」リリース

2017年6月

「グッピー ヘルスケア」企業向けサービス開始

2017年8月

東京都新宿区に開発職拠点を開設

2019年3月

ISMSISO/IEC27001:2013/JISQ27001:2014取得  (注)

2019年4月

神奈川県小田原市での「小田原市 健幸ポイント事業」実証実験スタート

2019年7月

東京都と「ラジオ体操プロジェクト」で事業連携

2019年10月

健康保険組合連合会と業務提携

2020年4月

新型コロナウイルス感染症拡大防止のため東京都と「“STAY HOME”家でできる『ラジオ体操キャンペーン』」で事業連携

2020年12月

開発職拠点を本社へ統合

2021年9月

新潟県と「にいがたヘルス&スポーツマイレージ事業」開始

2021年12月

デロイトトーマツグループ企業成長率ランキング「2021年日本テクノロジーFast50」受賞

2022年3月

経済産業省「健康経営優良法人2022(中小規模法人部門[ブライト500])に認定

2022年9月

東京証券取引所グロース市場に株式を上場

 

(注) ISMSISO/IEC27001とは世界150カ国が加盟するISO(国際標準化機構)により業務における情報セキュリティの側面をマネジメントするための枠組みを規定した国際規格であり、「JISQ27001」は「ISO/IEC27001」を基に技術的内容及び対応国際規格の構成を変更することなく作成された日本規格です。

 

 

3 【事業の内容】

当社は、「Goodな発想で、世界をHappyに。」をミッションに、医療・介護・福祉業界に特化した人材サービス事業と、スマートフォンを活用したヘルスケア事業の二つの事業を展開しております。

当社の各セグメントの事業内容は以下のとおりであります。なお、以下に示す事業区分は、「第5 経理の状況 1.財務諸表等(1)財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。

人材サービス事業は、医療・介護・福祉業界に特化した求人サイト「GUPPY」の運営を中心としております。求人サイト「GUPPY」は中途転職者向けに求人情報を提供する「GUPPY求人」と新卒学生向けに就職情報を提供する「GUPPY新卒」から構成されます。「GUPPY求人」の料金体系は、主に求人情報の詳細ページが閲覧されたときなどに料金が発生する閲覧課金(クリック課金)と求職者が採用されたときに料金が発生する採用課金となっております。また、「GUPPY新卒」の料金体系は、就職シーズン毎の固定料金となっております。本サービスの主な収益は、これらの料金体系に基づき、「GUPPY求人」及び「GUPPY新卒」を利用する求人者から得る対価となっております。当社は約20年にわたり医療・介護・福祉業界に特化した求人サイトを運営した実績、ノウハウを有しているものと考えております。

ヘルスケア事業は、スマートフォンを使った健康管理アプリを提供しております。2000年にWHOが健康寿命を提唱されてから、日本でも「健康日本21(http://www.kenkounippon21.gr.jp/index.html)」が行われるなど、健康寿命を延ばすことが重要な課題となっております。また、スマートフォンの所有率は急速に伸びており、令和3年8月末時点においてスマートフォン所有世帯は88.6%となっております。インターネット利用状況についても、20代から50代は90%超、70代でも59.4%がインターネットを利用している状況にあります。(総務省:令和4年5月27日公表『令和3年通信利用動向調査』より)。上記スマートフォン及びインターネットの普及を受けて、当社ではスマートフォンで自身の健康を見える化し、健康維持・向上に役立つ機能をアプリで提供しております。一般利用者向けには無料でアプリを提供しておりますが、企業や自治体、健康保険組合向けには従業員、地域住民、組合員等の利用者(以下、利用者)の健康活動に応じて健康ポイントが還元される有料版を提供しております。健康ポイントはamazonギフト券等の賞品に交換することができ、利用者への福利厚生にも活用することができます。企業向けにはID数に応じて料金が加算されるサブスクリプション型のサービスを提供しており、健康ポイントの付与数によって3つのプランを用意しております。自治体や健康保険組合向けには定額制のサービスを提供しており、利用者は健康ポイント獲得後の抽選で当選すると賞品を獲得することができます。本サービスの主な収益は、企業や自治体、健康保険組合向けに提供している有料版を利用する顧客から得る対価です。なお、一般利用者向けの無料アプリを含め広告収入はありません。

 

(1)人材サービス事業

医療・介護・福祉業界における主に有資格者(中途57職種、新卒27職種)に対応した求人サイト(求人情報・求職者情報提供事業)を運営しております。中途転職者向けは「GUPPY求人(https://www.guppy.jp)」、新卒学生向けは「GUPPY新卒(https://job.guppy.jp)」のサービス名で展開しており、両サイトの合計で62,877件の求人が掲載されております(2022年8月期)。

以下、人材サービス事業の特徴についてご説明いたします。

 

① 閲覧課金型の料金システム

中途転職者向けの求人サイト「GUPPY求人」では、主に閲覧課金(クリック課金)型の料金システムを適用しております。閲覧課金は、初期費用はかからず求人者にポイントを購入していただき、求人情報(詳細)が求職者に閲覧されたときに120ポイント、求職者に対してスカウトを送信したときに1,000ポイント等定額のポイントが消費される仕組みです。WEB広告では一般的な閲覧課金(クリック課金)ですが、求人サイトは期間掲載型料金または成功報酬型料金が一般的であるため、他社サービスとは一線を画しております。なお、ポイントは1ポイント1円で購入することができます。

 

 


当求人サイトは斡旋や仲介を行う職業紹介ではなく、直接求人者と求職者がWEBまたは電話等でやり取りを行うことから、低コストでの運営が可能となっております。当社としては低コストでの運営を維持しつつ、スカウトの送信機能などのサービス展開を行うことで顧客単価の向上にも努めており、以下のグラフのとおり閲覧課金におけるクリック単価は着実に増加しております。なお一定程度求人者のニーズがあることから、採用が決まった時に費用が発生する成功報酬型の採用課金制度も設けております。


 

売上構成は以下のとおりです。「料金形態別 売上比率」のグラフは「売上構成」グラフのうち中途転職者向け売上についての比率でございます。なお閲覧課金売上は売上全体の65.1%、人材サービス事業売上の72.9%を占めております。

 


 

② 全国の歯科医院の約29%、歯科職種就業者の約42%が登録

全国67,764の歯科診療所(厚生労働省 令和4年2月発表 医療施設動態調査)のうち19,601診療所(2022年8月現在)が当社求人サイトに登録いただいております。


また、求職者についても歯科3職種(歯科医師、歯科衛生士、歯科技工士)の就業者約22.6万人(厚生労働省「令和2年医師・歯科医師・薬剤師統計の概況」「令和2年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」)のうち、当社会員数は約10.3万人(2022年8月期)となっております。さらに歯科3職種のユニークユーザー数(1年間で「GUPPY求人」に訪問したユーザーの数)では約297.8万人(2022年8月現在)となっており、ユニークユーザー数は5年で約2.4倍に増加しております。なお、「GUPPY求人」全体での会員数は約51万人(2022年8月期)となっております。

 

 

③ 新卒学生向けも注力

医療・介護・福祉業界を目指す有資格者27職種に対応した新卒学生向け就職サイト「GUPPY新卒」を運営しております。またサイト運営以外にも、多くのサービスを提供しており、国家試験過去問対策アプリや就職情報誌、合同就職説明会、学校への求人票発送代行なども行っております。「GUPPY新卒」の料金体系は採用年度ごとの期間掲載型固定料金であり、採用が決まっても追加の料金は発生いたしません。なお、「GUPPY新卒」の会員数は35,840人(2022年卒)となっております。

その他のサービスとしては、まずオプションとして、合同就職説明会(就職café)の開催や求人票の発送代行を行っております。合同就職説明会は歯科衛生士・歯科医師の求職者に対しオフラインで開催しており、求人者(歯科医院)に説明会に出展する権利を販売しております。求人票の発送代行は求人者に代わり求人票の印刷と全国の学校への発送を行うもので、求人者より別途料金をいただくサービスです。求職者は当社で作成した求人票のQRコードから「GUPPY新卒」経由で応募することが可能です。なお、合同就職説明会には新卒学生以外にも既卒者・転職者も求職者側として参加することができます。

さらに、新卒学生への「GUPPY新卒」訴求のため就職情報誌の発行や国家試験過去問対策アプリの提供をしております。医療・介護・福祉領域の10職種において作成される就職情報誌は「GUPPY新卒」にお申込みいただいた求人者が無料で掲載できるものとなっており、全国の学生向けに約11万部発行しております(2022年3月卒)。また国家試験過去問対策アプリは最大過去10年分の過去問を無償で提供するもので、アプリ利用時に登録いただく会員情報が当社求人サイトの会員登録情報と共通となっていることから、登録後にアプリ内で「GUPPY新卒」に掲載されている求人を閲覧し応募をすることが可能となっております。これにより、国家試験受験者の新規登録者を増やし、当社の知名度を高めることにより、「GUPPY新卒」の登録者数の増加だけでなく、将来の中途転職での当社求人サイトの利用につながる仕組みとなっており、歯科衛生士や管理栄養士分野では約8割の学生にご利用いただいております。なお、国家試験過去問対策アプリは新卒学生以外にも既卒者・転職者も利用可能なサービスとなっております。

 

(2)ヘルスケア事業

医療・介護の効率化、高齢化社会での健康寿命の延伸に向けて、情報通信技術の活用に大きな期待が寄せられております。政府は健康寿命の延伸に向けた予防・重症化予防・健康づくりやデータヘルス改革の推進に対し総額で1,168億円の予算を計上しており、データを活用した持続可能な社会保障の実現に向けた取り組みを行っております(厚生労働省『令和4年度予算案の概要』

当社は健康寿命の延伸、医療費削減等、持続可能な社会保障の実現のために、スマートフォンによる健康管理アプリ「グッピー ヘルスケア(https://guppy.healthcare)」を開発・提供しております。

以下、ヘルスケア事業の特徴についてご説明いたします。

 

① 19種類の機能

一般利用者向けの健康管理アプリは歩数や体重管理を含めた19種類の健康管理コンテンツを搭載しており、ダイエットや生活習慣の改善など個人の目的に沿ってサービスを無償で利用することができます。利用者は日々のデータを参照することにより目的達成に向けた行動を取ることができます。また、各コンテンツをどのように利用者が使用しているかのデータを分析することで、品質の向上に繋げております。

 

 


 

② 企業の福利厚生に利用

企業向けには機能を拡張した有料サービスを提供しております。従業員1人あたりの月額のシステム利用料を支払うことで、従業員の健康維持・増進を目的とした福利厚生として企業に利用されております。従業員は健康管理アプリを使って、運動、飲食、睡眠等を管理記録します。その中で運動、飲食、睡眠等に関して当社が設定する一定の基準を満たすと健康ポイントが貯まり、健康ポイントはAmazonギフト券等と交換できます。企業は従業員の健康状態を可視化することにより、従業員のモチベーションや退職リスクなどを事前に把握することができ、それにより生産性向上等の成果が期待できます。なお、企業向けサービスの利用者数は9,143IDとなっております(2022年8月期末)。

 


 

③ カスタマイズやサービスの拡張が可能

自治体や健康保険組合向けにもサービスを展開しております。自治体向けについては7自治体(2022年8月期)への有償サービスの提供のほか、東京都との連携事業も行っており、市民の健康維持・増進を図るサービスを提供しております。また各社の健康保険組合には保健事業としてアプリをご利用いただいております。今後も企業や団体との連携・提携によりサービスを拡張する予定です。

 

当社の事業系統図は下記のとおりであります。

 


 

 

4 【関係会社の状況】

該当事項はありません。

 

 

5 【従業員の状況】
(1) 提出会社の状況

2022年8月31日現在

従業員数(名)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

73

4

36.3

3.4

5,217

 

 

セグメントの名称

従業員数(名)

人材サービス事業

46

4

ヘルスケア事業

19

―〕

報告セグメント計

65

4

全社(共通)

8

―〕

合計

73

4

 

(注) 1.従業員数には従業員兼務役員を含めております。臨時雇用者(パートタイマー及びアルバイトを含み、派遣社員は含まれておりません。)は、最近1年間の平均人員(1日8時間換算)を〔 〕外数で記載しております。

2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

3.全社(共通)として記載されている従業員数は、管理部門に所属している従業員及び配属決定前の従業員であります。

4.直近1年間において従業員数が17名増加しております。主な理由は、業容の拡大に伴い期中採用が増加したことによるものであります。

 

(2) 労働組合の状況

当社では労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。

 

(1) 経営方針

当社は、「Goodな発想で、世界をHappyに。」をミッションとし、また行動指針としてGrit(やり抜く)、Unique(独自)、Passion(情熱)、Pioneer(先駆者)、Youth(元気)を掲げております。健全で楽しい職場環境を構築するため「楽しい職場宣言」を策定し、「ハラスメントの撲滅」「コミュニケーションの活性化」を会社として真剣に取り組んでおります。「健康宣言」も策定し、ヘルスケアをサポートする企業として、一企業としてのみでなく、社会の模範となるような企業となるべく、従業員とともに皆様の健康維持向上に努めております。

私たちは、情報通信技術を活用し、今までになかった魅力あるサービスを開発・提供し、従業員とともに社会を幸せにすることを目指しております。

 

(2) 経営戦略等

当社は、主力事業である人材サービス事業において事業領域を拡張し経営基盤の安定化を図るとともに、まだ市場が成長過程にあるヘルスケア分野において法人向け・自治体向けのサービスの充実化を進めることで導入事業者数を増加させ、企業としてのもう1つの柱を確立することで中長期的な企業価値の向上を目指したいと考えております。

 

(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための指標等

当社は、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目指し、適切な事業規模の拡大と効率的な企業運営を重視しております。そのため当社は売上高前年対比、売上高営業利益率の2指標を、重要な経営指標として位置づけております。

またこれに加え、セグメントごとの成長性を測定する係数として下記指標を重視しております。①を係数とした理由は、当社求人サイトの閲覧数と採用決定数双方に影響を与えるものであり、経営上重要な指標であると判断したためです。②を係数とした理由は、当社健康管理アプリの売上が導入事業者数に左右されるものであり、経営上重要な係数であると判断したためです。

① 人材サービス事業:累計求人数

② ヘルスケア事業:健康管理アプリ利用事業者数

 

①、②の過去5期分の数字

 

2018年8月期

2019年8月期

2020年8月期

2021年8月期

2022年8月期

人材サービス事業

累計求人数(件)

204,504

274,715

293,979

399,409

463,704

ヘルスケア事業

健康管理アプリ利用事業者数(社)

20

30

57

90

155

 

 

(4) 経営環境

医療・介護・福祉業界の人材サービス市場においては、高齢化社会の進展等により、2022年度8月の有効求人倍率が2.41倍と求人ニーズが高い水準で継続しております。また2021年12月時点の産業別の雇用者数において、前年同期比で産業計は5万人の増加と横ばいで推移しており、業界別にみても、製造業△2万人、卸売業、小売業は△5万人、運輸業、郵便業は+8万人とあまり増減がない中、医療、福祉は17万人の増加(厚生労働省:2022年9月6日公表 「令和4年版 労働経済の分析」より)となっており、当社がターゲットとする医療・介護・福祉業界の雇用は拡大を続けております。当社は医療・介護・福祉に特化し、ニッチな領域で閲覧課金型、採用課金型、期間掲載型など多様なサービスを提供することで他社との差別化を図っております。

また、ヘルスケア市場は社会保障給付費の増大、1人当たりの年間医療費が65歳以降急速に増加するという傾向、医科診療費(2013年度)の3分の1以上が生活習慣病関連、特定健康診査の未受診者をターゲットにした予防対策の必要性、平均寿命と健康寿命の差は約10年という背景を基に、公的保険外の予防・健康管理サービスの活用を通じて、生活習慣の改善や受診勧奨等を促すことにより、『国民の健康寿命の延伸』と『新産業の創出』を同時に達成し、『あるべき医療費・介護費の実現』を目的に国家戦略の一環として政府が力を入れている市場でございます。加えて企業においても、従業員の健康保持・増進の取組が、将来的に収益性等を高める投資であるとの考えの下、健康管理を経営的視点から考え、戦略的に実践する健康経営への関心が高まっております。当社は提供する健康管理アプリにおいて19種類のコンテンツを搭載し、個人だけでなく様々な機関の用途に合ったサービスを提供することで他社との差別化を図っております。

 

(5) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当社の対処すべき主な課題は以下のとおりであります。なお、財務上の対処すべき課題につきましては、自己資金及び営業活動によるキャッシュ・フローを源泉とした手元資金で資金需要を賄っていることに加え、当社が人材サービス事業において適用している閲覧課金型の料金システムが前金制のサービスであることから、現時点で認識しているものはございません。上記に加え株式上場により資金調達手段が多様化したことから、今後も財務上の課題が発生する可能性は低いと考えておりますが、多額の投資等で課題が発生した場合に備え、金融機関との協議を行い機動的な資金の調達ができるよう対応しております。

 

① 情報管理体制の強化

当社は、個人情報を保有しており、また顧客企業の機密情報を取り扱うこともあるため、情報管理が重要な課題であると認識しております。今後につきましても社内規程の厳格な運用、役職員に対する定期的な社内教育の実施、セキュリティシステムの整備等に取り組み、一層の情報管理体制の強化、徹底を図ってまいります。

 

② システム開発投資の拡大

当社の人材サービス事業において事業領域を拡張し経営基盤の安定化を図るとともに、市場が成長過程にあるヘルスケア分野において法人向け・自治体向けのサービスの充実化を進めるために、各種システム対応の強化や追加のサービスの開発が必要であると考えており、それに伴うリソースの確保が重要な課題であると認識しております。ここについては採用活動の強化に加えフリーランス人材の活用や外注先の確保など様々なチャネルを利用することでリソースを確保し、さらなる開発の強化に取り組んでまいります。

 

③ GUPPYのさらなる認知度向上と集客の強化

当社が成長を維持するためには、利用者に選ばれるサービスであり続けることが重要であると認識しております。その中で、特に人材サービス事業における歯科業界以外の業界や、ヘルスケア事業については、当社サービスが市場に浸透していないことを課題として認識しております。そのため、サービスの向上に加え積極的に広告投資や営業人員の強化を推進することで、GUPPYのさらなる認知度向上と集客の強化に取り組んでまいります。

 

④ 歯科業界への展開

当社の人材サービス事業は売上の8割強を歯科業界に依存しております。歯科業界については既に全国の歯科医院の約29%にご利用いただいておりますので、歯科業界に対する事業展開を進めていくことが更なる売上の伸長につながると認識しております。今後は既存の人材サービス事業のさらなる充実に加え、新たなサービスの開発についても検討してまいります。

 

⑤ 優秀な人材の確保と育成

当社は、今後の継続的な成長のためには、優秀な人材の確保と育成が重要な課題であると認識しております。引き続き、積極的な採用活動を行い優秀な人材を採用していくとともに、社内における教育体制の強化に取り組んでまいります。

 

⑥ 内部管理体制の整備

当社のさらなる成長のためには、業務の効率化及び事業の規模やリスクに応じた内部管理体制の強化が重要な課題であると認識しております。今後も事業上のリスクを適時・適切に把握・分析した上で、社内諸規程や各種マニュアルの整備、社内教育の充実等、適正な内部管理体制の整備に取り組んでまいります。

 

 

2 【事業等のリスク】

本有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。当社はこれらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針であります。また、必ずしもリスク要因には該当しない事項につきましても、投資判断上重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から開示しております。

なお、文中の将来に対する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであり、将来において発生の可能性がある全てのリスクを網羅するものでありません。

 

(1) 事業環境に関するリスクについて(発生可能性:中/影響度:中)

当社は人材サービス事業、ヘルスケア事業を展開しております。

人材サービス業界の形態は主に職業紹介事業、派遣事業、募集情報等提供事業、請負事業の4つです。その中で職業紹介事業と募集情報等提供事業は職業安定法が、派遣事業は労働者派遣法が適用されることから、これらの事業形態は関連法令を遵守し継続的に健全な運営を確保できる仕組みが求められております。なお、今後当社の人材サービス事業を適用対象とする新たな法令等の規制や既存法令等の解釈変更がなされた場合には、事業活動が制限され、新たな法的規制を遵守するための費用増加にもつながる蓋然性があり、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

また、ヘルスケアアプリ業界に関連する可能性がある規制・法令として、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」があります。当社ヘルスケアアプリは医療機器に該当しない健康管理アプリであることから上記法令等に抵触する事実はないと認識しておりますが、今後法令等が改定・新設されることで、それに対応する業務の発生等に伴い事業展開の制限や事業を中断せざるを得ない事態等が発生し当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 事業内容に関するリスクについて
① 個人情報の漏洩リスクについて(発生可能性:中/影響度:大)

当社は、求人者や求職者、アプリ利用者の個人情報を取り扱っており「個人情報の保護に関する法律」に規定される個人情報取扱事業者に該当致します。当社は、個人情報の適切な保護措置を講ずる体制の構築・維持の一環として、プライバシーマークやISO/ISE27001の認証を受けており、個人情報の適切な取扱いに努めております。しかしながら、万一、個人情報が外部に流出した場合には、当社の社会的信用が毀損され企業イメージの低下を招くなど、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、損害賠償請求等、不測の損害が生じる可能性もあります。

当社といたしましては、マニュアルの見直しやウイルス対策ソフトのアップデート、従業員向けの研修の実施などを随時行っていくことで、当該リスクの低減に努めてまいります。

 

② 検索エンジンへの対応について(発生可能性:高/影響度:中)

当社の人材サービス事業における求職者の集客については、特定の検索エンジン「Yahoo!Japan」及び「Google」の検索結果からの誘導によるものが一定の割合を占めております。当社は、検索結果において上位表示されるべく、必要な対応を推進しておりますが、今後、検索エンジンにおける上位表示方針及びアルゴリズムの変更、または他の要因によって検索結果の表示が当社にとって不利に働く状況が生じる可能性があります。この場合、当社サイトへの集客力が低下し、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 集客について(発生可能性:中/影響度:中)

当社の人材サービス事業が事業規模を維持・拡大していくためには、求人数と求職者の集客が必要になります。医療・介護・福祉業界における人材サービス事業においては、有資格者による業務が義務付けられている場合が多く、関連する資格を有する求職者を確保する必要があります。当社は求職者の集客のため、ブランディングや広告などの周知、LINEとの連携による発信力強化などの施策を実施しておりますが、全般的に医療・介護・福祉業界の慢性的な人材不足、求人倍率の増加により、優秀な求職者の集客が難しく、医療・介護・福祉業界の求人に対して求職者の集客ができず、サービス価値の低下を招くおそれがあり、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

また、ヘルスケア事業に関しましては事業規模を拡大していくにあたり健康管理アプリ利用事業者の集客が必要となります。当社は利用事業者の集客のため広報活動や広告での周知を実施しておりますが、広告宣伝による販促効果が期待通りに得られない等の事情により、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 競合について(発生可能性:中/影響度:中)

人材サービス業界には多数の会社が存在しておりますが、当社は医療・介護・福祉業界に特化しているため、他の人材サービスとはターゲットが異なっております。当社は2000年の事業開始から現在に至るまでの経験・実績から生まれた信頼と、他社とは一線を画すサービスを最大限に活かしてまいりたいと考えておりますが、医療・介護・福祉業界の人材サービス事業への参入企業が増加した場合には競争が激化し、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

ヘルスケア業界に関しましても多数の会社が存在しておりますが、当アプリは19種類の機能やサービスの拡張性を特徴としております。そして、当社は法人、自治体、健康保険組合等あらゆる方面へのお客様に対してのサービス展開を中長期的に取り組んでいく方針です。ただし、市場環境が大きく変化することや、技術革新が急速に進展する中で競合企業との差別化を図ることが出来ず、経営戦略の変更を余儀なくされ、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

当社といたしましては、広告宣伝の強化によりブランド力の向上を図るとともに、カスタマーサポート体制の強化により顧客満足度の向上を図ってまいります。

 

⑤ 風評リスクについて(発生可能性:中/影響度:中)

当社は、医療・介護・福祉業界に特化した人材サービス事業を展開しており、顧客である求人者は当社サイトに求人広告を掲載しておりますが、当社の顧客である求人者が当社求人サイトに対して期待以上の成果(人材採用)が得られないと判断した場合、また当社に対して何らかの否定的な風評が広まった場合等には、その真偽に関わらず、当社の評判や事業に対する信頼が低下する可能性があり、そのような否定的な風評被害により求人者や求職者、取引先からの信用を失い、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

ヘルスケア事業に関しましても、当アプリの利用者から期待していた効果が得られないと判断された場合等には当社の評判や事業に対する信頼が低下する可能性があります。

当社といたしましては、カスタマーサポート体制の強化により顧客満足度を高めていくとともに、悪意のある風評が発生した場合には顧問弁護士等と相談のうえ対処してまいります。

 

⑥ 法的規制について(発生可能性:低/影響度:中)

当社が事業活動を行うに際しては「電気通信事業法」、「個人情報保護法」といった当社の事業活動に適用される法規制、及び「会社法」、「法人税法」、「下請代金支払遅延等防止法」、「労働基準法」といった会社運営上遵守が必要な法規制等各種法規制の適用を受けております。今後これらの法的規制等が新設や改正された場合や当社の事業が新たな規制の対象となった場合には、当社の事業展開に支障をきたし、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦ 業界の動向について(発生可能性:低/影響度:中)

人材サービス業界は、景気の変動や社会情勢、規制緩和、法律改正など様々な事象による影響を受けやすい業界でありますが、当社が営業基盤としている医療・介護・福祉業界においては慢性的な人手不足が続いており、高齢化社会の進展に伴い今後も人材の需要は増加するものと見込んでおります。しかし、今後人材不足が解消された場合には、当社に対する求人広告の需要が減少し、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

ヘルスケア業界は成長過程の市場でありますが、当該市場の動向を確実に予測することは困難であるため、予期せぬ変化により当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑧ 集客にかかわる広告宣伝活動について(発生可能性:低/影響度:中)

当社はサービスの認知度向上、当社サイトへの集客及びサービス利用拡大等を目的として、継続した広告宣伝活動を行っており、広告手法は、インターネット(運用型及び、検索連動型)を中心としております。当社の広告宣伝においては、広告手法や媒体、その実施方法及びタイミング等について、費用対効果を検討した上で効果的かつ効率的な費用の投下に努めておりますが、当社が行う広告宣伝について、著しい広告効果の低下や広告費用の上昇が生じた場合、求職者や健康管理アプリ利用事業者の集客等に影響が生じ、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 事業の運営体制に関するリスクについて
① サービス等の不具合について(発生可能性:低/影響度:大)

当社は自社システムで人材サービス事業を展開しております。一般的に、高度なソフトウエアは不具合の発生を完全に解消することは不可能と言われており、当社のソフトウエアやシステム、アプリケーションにおいても、各種不具合が発生する可能性があります。今後も開発体制を維持・構築してまいりますが、当社事業に関し致命的な不具合が発見され、その不具合を適時・適切に解決できない場合には、当社の財政状態及び経営成績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

② 自然災害、事故等によるシステムの影響について(発生可能性:低/影響度:大)

当社は、求人者情報及び求職者情報の管理・利用についてはコンピュータシステム及びネットワークシステムを利用しております。また、その情報が存在するサーバは当社が契約するクラウドサービスプラットフォームで管理されており、複数のサーバによる負荷の分散、定期的なバックアップの実施等を図り、システム障害を未然に防ぐべく取り組みを行っております。しかしながら、想定を超えた自然災害、人的ミスによるシステム障害、その他予期せぬ事象の発生により、万一当社のシステムの利用に支障が生じた場合には、サービス停止等を余儀なくされることとなり、当社の財政状態及び経営成績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 特定業界の依存について(発生可能性:低/影響度:大)

当社は医療・介護・福祉業界に特化した人材サービス事業を展開しております。売上高に関して特定の求人者に対する依存度は低いものの、人材サービス事業の売上高のうち88.8%を歯科業界に依存をしており(2022年8月期末)、現時点では代替となる収益基盤を構築するに至っておりません。今後は人材サービス事業での歯科業界以外やヘルスケア事業の顧客獲得をすることで特定業種の依存を解消していく方針でありますが、依存を解消できなかった場合には市況の悪化等の要因によって、当社の財政状態及び経営成績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 特定の人物への依存について(発生可能性:低/影響度:中)

当社の代表取締役である肥田義光は当社の創業者で、創業以来代表取締役を務めており、当社の経営方針や事業戦略の決定及びその遂行において重要な役割を果たしております。当社は取締役会や経営会議等の会議体を整備・運用するとともに、役員及び部長への情報共有の強化を行うことにより、同人に過度に依存しない経営体制の整備・強化を図っております。しかしながら、何らかの理由により同人が当社の業務を継続することが困難になった場合には、当社の財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

⑤ 訴訟等について(発生可能性:低/影響度:中)

将来において当社の取締役、従業員の法令違反等の有無にかかわらず、予期せぬトラブルや訴訟等が発生する可能性があります。その場合には、その内容や賠償金額によって、当社の財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。なお、現時点で訴訟の発生はありません。当社はコンプライアンス活動の推進により法令違反等を防止し、法改正等への適切な対応及び契約行為による法的効果の十分な検討を行うことで、訴訟に発展するリスクを排除するように努めております。

 

⑥ 知的財産権侵害の可能性について(発生可能性:低/影響度:中)

当社では、当社が運営する事業に関する商標等の知的財産権を確保するとともに、新サービス開始の際は弁理士に確認を取るなど第三者の知的財産権を侵害しない体制の構築に努めており、現在まで第三者の知的財産権を侵害したとして損害賠償や使用差し止めの請求を受けたことはありません。しかしながら、当社の認識していない知的財産権が既に成立していることにより第三者からの損害賠償請求、使用差止請求等の訴えを起こされた場合、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦ 大株主について(発生可能性:低/影響度:中)

当社の代表取締役である肥田義光は、当社の大株主であり、本書提出日現在で発行済株式総数の61.7%(同人の資産管理会社である有限会社グッピー含む)を所有しており、本株式の募集後も引き続き大株主となる見込みであります。同人は、安定株主として一定の議決権を保有し、その議決権行使に当たっては、株主共同の利益を追求するとともに、少数株主の利益にも配慮する方針であります。

当社といたしましても、同人は安定株主であると認識しておりますが、何らかの事情により、大株主である同人の株式が減少した場合には、当社株式の市場価格及び議決権行使の状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑧ 株式価値の希薄化について(発生可能性:高/影響度:小)

当社は取締役及び従業員に対し、長期的な企業価値向上に対するインセンティブを目的とし、新株予約権を付与しており、本書提出日における発行済株式総数に対する潜在株式数の割合は約9.2%となっております。これらの新株予約権が行使された場合には、当社の株式が発行され、株主が有する株式の価値及び議決権が希薄化する可能性があります。

 

⑨ 感染症の発生及び流行拡大について(発生可能性:中/影響度:小)

新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、当社では、社内外の会議のオンライン化、在宅勤務の推進、出勤時の座席間隔の確保やマスク着用、消毒の徹底等の対応を行っております。また、当社主催の求職者に対する合同就職説明会に関しては、求人者と求職者間へアクリルパネル設置を行い、こまめな消毒の徹底や会場への入場制限、検温実施の対応を行うなど、柔軟に事業を継続できる体制の整備に努めております。しかしながら、感染の再拡大により経済活動の停滞が長期化した場合には、人材サービス事業における求人広告需要の減少やヘルスケア事業における「グッピー ヘルスケア」の登録企業数が減少し、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑩ 人材の育成及び採用について(発生可能性:中/影響度:小)

当社は、積極的に優秀な人材を採用し、社内教育等を行うことにより社内体制の拡充を図っております。しかし、事業拡大に応じた適切な人材の確保が思うように進まない場合、または在職中の従業員が退職した場合には、事業拡大の制約となり、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑪ 技術革新の対応について(発生可能性:中/影響度:小)

当社は各事業においてインターネットを活用した事業展開を行っております。

今後は、インターネット関連サービスの利用動向やそのあり方等の変化、サービス利用又は提供にかかる新たな規制の導入、通信・インフラ事業者等の利用料又は料金体系にかかる重要な変更、急激な技術革新等が生じた場合、また、これらの外部環境の変化に対して、当社として機動的に対応していくことが困難となる場合、当社の事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑫ 配当政策について(発生可能性:中/影響度:小)

当社は、設立以来配当を実施しておりません。しかしながら、株主に対する利益還元を重要な経営課題として認識しており、内部留保の充実を図り、内部留保を将来の事業展開及び経営体質の強化のための投資等に充当し、より一層の事業拡大を目指すことが、株主に対する利益還元につながると考えております。将来的には、各期の財政状態及び経営成績を勘案しながら株主に対して配当による利益還元を実施していく方針ではありますが、現時点において配当実施の可能性及びその実施時期等については未定であります。

 

⑬ 内部管理体制について(発生可能性:低/影響度:小)

当社は、創業以来比較的小規模な役職員数で事業活動を行ってきたことから、各業務分野、内部管理においても少人数の人材に依存しております。事業の拡大及び従業員の増員に合わせて内部管理体制の整備を進めており、今後も人員の増強及び内部管理体制や業務執行体制の一層の充実を図っていく予定ではありますが、急速な事業拡大や人員の急増に対し組織的な対応ができずに、事業規模に応じた事業体制、十分な内部管理体制の構築が追いつかない場合には、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑭ 資金使途について(発生可能性:低/影響度:小)

東京証券取引所グロース市場への上場に伴う公募増資資金に関しましては、当社サービスの認知度向上と顧客獲得を目的とした広告宣伝費への投資、事業拡大を目的とした人的投資に充当する予定でおります。しかしながら、経営環境の変化等の理由により、投資効果が期待通りの成果を上げられない場合や、より投資効果が見込める使途等が生じた場合には、現時点の資金使途計画以外の使途に充当する可能性があります。なお、資金使途を変更する決議を行った場合には、適時開示を行う方針であります。

 

(4) 事業成長のためのシステム開発強化に関するリスクについて(発生可能性:中/影響度:中)

当社は、求人サイト、健康管理アプリなど継続的なシステム開発を実施しております。また、今後においては、当社の事業成長に必要と考えられる各種システムの強化を実施していく方針であり、業務オペレーションの効率化、当社サービス及びサイトにおける機能強化並びに利便性向上、トラフィック拡大等への対応強化等に対する開発投資を計画しております。

今後におけるシステム開発投資(設備投資)は、過年度と比較して増加を想定しており、外部事業者の活用等を含めた対応を計画しております。当社の今後のシステム開発投資について、十分な開発人員が確保出来ない場合や開発コストが著しく上昇した場合、各種要因から開発プロジェクトの中断や失敗が生じた場合、開発後において想定どおりの効果を発揮出来ない場合等においては、償却及び減損計上、その他の費用負担の増加により、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要並びに経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、下記のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものです。

 

(1) 経営成績等の状況の概要
① 財政状態及び経営成績の状況

当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症に対するワクチン接種の促進等による改善傾向が見られた一方で、金融資本市場の変動の影響等により先行きが懸念される不透明な状況が続いておりました。

このような経済環境の中においても、当社の注力市場である医療・介護・福祉業界におきましては、依然として人手不足が大きな課題になっており厚生労働省が発表した2022年度8月の有効求人倍率は、医療・介護・福祉業界が2.41倍と全職業合計の有効求人倍率1.32倍を大きく上回っております。

当社では医療・介護・福祉分野の医療従事者の不足や偏在、また、介護事業者・介護従事者の不足を解消するため、医療提供機関、医療従事者の良きパートナーとなり、人材サービスをベースにした経営サポートを行うなど、新たなサービスの開発にも取り組んでまいりました。

この結果、売上高は1,850,489千円(前期比32.5%増)、営業利益は470,395千円(前期比54.5%増)、経常利益は484,579千円(前期比59.1%増)となり、当期純利益は342,276千円(前期比48.9%増)となりました。なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等の適用により、売上高、営業利益、経常利益、税引前当期純利益がそれぞれ71,201千円増加しております。

 

セグメントの業績は、次のとおりであります。

 

a) 人材サービス事業

医療・介護・福祉業界における主に有資格者に対応した求人サイト「GUPPY」において、中途転職者においては求人広告事業、就職新卒者においては国家試験過去問アプリの提供、求人広告、就職情報誌、また求職者全体への就職合同説明会などを展開し、国家試験対策から就職活動、転職までのサポートを提供しております。特に中途転職の求人広告において、医療・介護・福祉業界の人材不足の影響もあり掲載数の増加となりました。また新卒向けにも営業を強化するとともにサイトの利便性向上を進め、求職者・求人者双方の獲得に努めてまいりました。

以上の結果、売上高は1,651,427千円(前期比37.3%増)、セグメント利益は753,274千円(前期比34.3%増)となりました。なお、収益認識会計基準等の適用により、売上高及びセグメント利益は71,201千円増加しております。

 

b) ヘルスケア事業

スマートフォンによる健康アプリ「グッピーヘルスケア」は、展示会への出展や企業へのダイレクトメールなどを発送し、認知度・信頼性の向上に努め、企業への利用促進を促してきました。一般利用者向けは無料で利用ができ、利用登録者は堅調に推移しております。一方企業向けには、3段階でのサービス利用料金でサービスを提供し、自治体、健康保険組合向けには、事業特性にあわせた料金でのサービス提供に努めております。 

以上の結果、売上高は199,061千円(前期比3.0%増)、セグメント損失は69,699千円(前期はセグメント損失80,718千円)となりました。なお、収益認識会計基準等の適用による影響はありません。

 

イ 流動資産

当事業年度末における流動資産は1,340,775千円と前事業年度末比338,771千円増加しました。これは主に当期純利益の増加に伴う現金及び預金336,816千円の増加、売上の増加に伴う売掛金6,027千円の増加によるものであります。

 

ロ 固定資産

当事業年度末における固定資産は168,628千円と前事業年度末比36,092千円増加しました。これは主に本社移転に伴う建物附属設備24,754千円の増加、工具、器具及び備品12,018千円の増加によるものであります。

以上の結果、当事業年度末の総資産は1,509,404千円となり、前事業年度末比374,863千円増加しました。

 

ハ 流動負債

当事業年度末における流動負債は650,884千円と前事業年度末比77,021千円増加しました。これは主に借入金の返済に伴う1年内返済予定の長期借入金28,542千円の減少、契約負債への振替に伴う前受金159,213千円及び前受収益32,857千円の減少、前受金及び前受収益からの振替及び顧客の増加に伴う契約負債310,452千円の増加によるものであります。なお、科目の振替は収益認識に関する会計基準適用によるものです。

 

二 固定負債

当事業年度末における固定負債は25,854千円と前事業年度末比4,966千円増加しました。

これは主に返済に伴う長期借入金17,223千円の減少、本社移転に伴う資産除去債務14,540千円の増加、新規リース契約に伴うリース債務4,688千円の増加によるものであります。

以上の結果、当事業年度末の負債合計は676,739千円となり、前事業年度末比81,987千円増加しました。

 

ホ 純資産

当事業年度末における純資産は832,665千円と前事業年度末比292,876千円増加しました。これは主に当期純利益342,276千円の計上に伴う利益剰余金の増加によるものであります。なお、収益認識会計基準等の適用により、利益剰余金の期首残高が49,399千円減少しております。

 

② キャッシュ・フローの状況

当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末と比較して336,816千円増加し、1,108,367千円となりました。

当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は434,256千円(前年同期は408,748千円の資金の獲得)となりました。これは主に減少要因として法人税等の支払額142,870千円(前年同期は8,655千円)があった一方で、増加要因として税引前当期純利益484,579千円(前年同期は304,562千円)、減価償却費41,250千円(前年同期は55,029千円)、契約負債の増加額47,180千円(前年同期は発生なし)があったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果支出した資金は51,002千円(前年同期は4,183千円の資金の獲得)となりました。これは主に減少要因として有形固定資産の取得による支出37,194千円(前年同期は2,279千円)があったことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果支出した資金は46,437千円(前年同期は45,252千円の資金の支出)となりました。これは主に減少要因として長期借入金の返済による支出45,765千円(前年同期は45,252千円)があったことによるものであります。

 

   生産、受注及び販売の実績
a 生産実績

当社で行う事業は、提供する商品・サービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。

 

b 受注実績

当社で行う事業は、提供する商品・サービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。

 

c 販売実績

 当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(千円)

前年同期比(%)

人材サービス事業

1,651,427

137.3

ヘルスケア事業

199,061

103.0

合計

1,850,489

132.5

 

(注) 最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。なお、第22期事業年度については、総販売実績に対する割合が10%以上の販売先がないため、省略しております。

相手先

第21期事業年度

第22期事業年度

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

健康保険組合連合会

164,946

11.8

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。

 

① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積りには特有の不確実性があります。詳細は「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (重要な会計上の見積り)」をご参照ください。なお、当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等(重要な会計方針)」に記載のとおりであります。

 

②   キャッシュ・フローの分析

キャッシュ・フローの状況とそれらの要因については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

 

③ 経営成績の分析

(売上高)

当事業年度における売上高は1,850,489千円(前期比32.5%増)となりました。主な要因は人材サービス事業において、医療・介護・福祉業界における主に有資格者に対応した求人サイト「GUPPY求人」の利用者が増加したことに加え、スカウトサービスの利用数等の増加により顧客単価も増加したからです。

 

(売上原価、売上総利益)

当事業年度における売上原価は123,767千円(前期比2.8%増)となりました。主な要因は人材サービス事業の新卒学生向けサービスの売上の増加等に伴い外注費が増加したことです。

この結果、売上総利益は1,726,722千円(前期比35.3%増)となりました。

 

(販売費及び一般管理費、営業利益)

当事業年度における販売費及び一般管理費は1,256,326千円(前期比29.3%増)となりました。主な要因は事業拡大のために新規採用を行い人件費が増加したこと、及び広告活動を行ったことにより広告宣伝費が増加したことによります。

この結果、営業利益は470,395千円(前期比54.5%増)となりました。

 

(営業外収益、営業外費用、経常利益)

当事業年度における営業外収益は15,164千円(前期比1349.2%増)、営業外費用979千円(前期比2.8%増)となりました。営業外収益増加の主な要因は、役員向け保険の解約を行ったためです。一方営業外費用は本社移転に伴い固定資産除却損が発生したため増加しております。

この結果、経常利益は484,579千円(前期比59.1%増)となりました。

 

(特別損益、法人税等、当期純利益)

前事業年度及び当事業年度において、特別利益及び特別損失の計上はありません。

当事業年度は税金費用(法人税、住民税及び事業税並びに法人税等調整額)を142,303千円計上した結果、当期純利益は342,276千円(前期比48.9%増)となりました。

 

④ 財政状態の分析

「第2 事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」をご確認下さい。

 

⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因について

「第2 事業の状況 2事業等のリスク」をご確認下さい。

 

⑥ 資本の財源及び資金の流動性について

当社の人材サービス事業におけるビジネスモデルの大半は、前受制の求人広告事業を展開しており、求人広告を掲載している既存顧客が継続的に利用する限りにおいては、安定的な収入が計上されます。したがって、今後の資金戦略としては、事業活動によって獲得した資金を人件費や広告宣伝費、システム開発費といった運転資金に充当していく方針でございます。

なお、資金の流動性については当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は1,108,367千円となっており、当事業年度末におけるフリーキャッシュ・フロー(営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローの合計額)が383,254千円の収入となっております。

また、当事業年度における借入金の残高は18,564千円となっております。

 

⑦ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標」をご参照ください。

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

 

2 【主要な設備の状況】

 

 

 

 

 

 

2022年8月31日現在

事業所名
(所在地)

セグメントの名称

設備の内容

帳簿価額(千円)

従業員数
(名)

建物附属
設備

工具、器具
及び備品

ソフトウエア仮勘定

その他

合計

本社

(新宿区)

人材サービス事業及びヘルスケア事業

本社機能

36,978

11,685

 

5,739

54,404

73

人材サービス事業

自社開発ソフトウエア

 

 

10,300

 

10,300

 

(注) 1.現在休止中の主要な設備はありません。

2.その他にはリース資産及び電話加入権を含めております。

3.建物は賃借であり、年間の賃借料は40,824千円であります。

 

 

① 【株式の総数】

 

種類

発行可能株式総数(株)

普通株式

12,000,000

12,000,000

 

 

② 【発行済株式】

 

種類

事業年度末現在
発行数(株)
(2022年8月31日)

提出日現在
発行数(株)
(2022年11月28日)

上場金融商品取引所名又は登録認可金融商品取引業協会名

内容

普通株式

3,000,000

3,529,300

東京証券取引所
 グロース市場

完全議決権株式であり、権利内容に何ら限定のない当社における標準となる株式であります。
なお、単元株式数は100株であります。

3,000,000

3,529,300

 

(注)1.2022年9月29日を払込期日とする有償一般募集(ブックビルディング方式)による公募増資により、発行済株式総数が363,000株増加しております。

2.当社は2022年9月30日付で、東京証券取引所グロース市場に上場しております。

3.2022年11月2日を払込期日とする有償第三者割当増資(オーバーアロットメントによる売出しに関連した第三者割当増資)による新株式発行により、発行済株式総数が166,300株増加しております。

 

① 【ストックオプション制度の内容】

 

名称

第5回新株予約権

第6回新株予約権

決議年月日

2019年8月24日

2020年11月27日

付与対象者の区分及び人数(名) ※1

当社取締役 3

当社従業員 32

当社取締役 1

当社従業員 1

新株予約権の数(個) ※2

558(注)1

90(注)1

新株予約権の目的となる株式の種類、内容及び数(株) ※2

普通株式 279,000(注)1、4

普通株式 45,000(注)1、4

新株予約権の行使時の払込金額(円) ※2

400(注)2

480(注)2

新株予約権の行使期間 ※2

自 2021年11月1日 至 2029年8月31日

自 2022年12月1日 至 2030年7月31日

新株予約権の行使により株式を発行する場合の株式の発行価格及び資本組入額(円) ※2

発行価格   400

資本組入額  200

発行価格   480

資本組入額  240

新株予約権の行使の条件 ※2

(1) 権利行使時において当社の取締役、監査役、従業員またはこれに準ずる地位を有しているものとする。ただし、定年退職その他取締役会が正当な理由があると認めた場合は、この限りではない。

(2) 新株予約権者が死亡した場合、その者の相続人は新株予約権を行使することができない。

(3) 当社の普通株式にかかる株券が、いずれかの金融商品取引所に上場された場合に限り、新株予約権を行使することができるものとする。

(4) その他の条件は、株主総会決議及び取締役会決議に基づき、当社と新株予約権者との間で締結する「新株予約権割当契約書」に定めるところによる。

(1) 権利行使時において当社の取締役、監査役、従業員またはこれに準ずる地位を有しているものとする。ただし、定年退職その他取締役会が正当な理由があると認めた場合は、この限りではない。

(2) 新株予約権者が死亡した場合、その者の相続人は新株予約権を行使することができない。

(3) 当社の普通株式にかかる株券が、いずれかの金融商品取引所に上場された場合に限り、新株予約権を行使することができるものとする。

(4) その他の条件は、株主総会決議及び取締役会決議に基づき、当社と新株予約権者との間で締結する「新株予約権割当契約書」に定めるところによる。

新株予約権の譲渡に関する事項 ※2

新株予約権について譲渡、担保権の設定、その他一切の処分をすることができないものとする。

新株予約権について譲渡、担保権の設定、その他一切の処分をすることができないものとする。

組織再編成行為に伴う新株予約権の交付に関する事項 ※2

(注)3

(注)3

 

※1 第5回新株予約権について、付与対象者の退職に伴う権利の喪失により、本書提出日現在の「付与対象者の区分及び人数」は、当社取締役3名、当社従業員26名となっております。

2 当事業年度の末日(2022年8月31日)における内容を記載しております。なお、提出日の前月末(2022年10月31日)現在において、これらの事項に変更はありません。

 

(注) 1.新株予約権1個につき目的となる株式数は500株であります。

ただし、新株予約権の割当日後、当社が株式分割、株式併合を行う場合は、次の算式により付与株式数を調整、調整の結果生じる1株未満の端数は、これを切り捨てる。

 

調整後付与株式数

調整前付与株式数

×

分割・併合の比率

 

 

2.新株予約権の割当日後、当社が株式分割、株式併合を行う場合は、次の算式により払込金額を調整し、調整により生ずる1円未満の端数は切り上げる。

 

調整後払込金額

調整前払込金額

×

分割・併合の比率

 

 

また、新株予約権の割当日後に時価を下回る価額で新株式の発行または自己株式の処分を行う場合は、次の算式により払込金額を調整し、調整により生ずる1円未満の端数は切り上げる。

 

 

 

調整後払込金額

 

 

調整前払込金額

 

×

既発行株式数

新株発行(処分)株式数×1株当たり払込金額

1株当たり時価

既発行株式数+新株発行(処分)株式数

 

 

3.当社が、合併(当社が合併により消滅する場合に限る。)、吸収分割、新設分割、株式交換又は株式移転(以上を総称して以下、「組織再編行為」という。)をする場合において、組織再編行為の効力発生日において残存する新株予約権(以下、「残存新株予約権」という。)については、会社法第236条第1項第8号イからホまでに掲げる株式会社(以下「再編対象会社」という。)の新株予約権を以下の条件に基づき、新株予約権者に交付することとする。この場合においては、残存新株予約権は消滅し、再編対象会社の新株予約権を新たに交付するものとする。ただし、以下の条件に沿って再編対象会社の新株予約権を交付する旨を、合併契約、吸収分割契約、新設分割計画、株式交換契約又は株式移転計画において定めた場合に限るものとする。

(1) 交付する再編対象会社の新株予約権の数

新株予約権者が保有する残存新株予約権の数と同一の数を交付するものとする。

(2) 新株予約権の目的となる再編対象会社の株式の種類及び数

再編対象会社の普通株式を交付する。数については組織再編行為の条件等を勘案のうえ、上記1.に準じて決定する。

(3) 新株予約権の行使に際して出資される財産の価額

組織再編行為の条件等を勘案の上、上記「新株予約権の行使時の払込金額」で定められた行使価額を調整して得られる再編後行使価額に上記(2)に従って決定される新株予約権の目的である再編対象会社の株式の数を乗じて得られる金額とする。

(4) 新株予約権を行使することができる期間

上記「新株予約権の行使期間」に定める新株予約権を行使することができる期間の開始日と組織再編行為の効力発生日のいずれか遅い日から「新株予約権の行使期間」に定める新株予約権を行使することができる期間の満了日までとする。

(5) 新株予約権の取得に関する事項

① 新株予約権者が権利行使をする前に「新株予約権の行使の条件」の定め又は新株予約権割当契約の定めにより新株予約権を行使できなくなった場合、当社は当社の取締役会が別途定める日をもって当該新株予約権を無償で取得することができる。

② 当社が消滅会社となる合併契約、当社が分割会社となる吸収分割契約若しくは新設分割計画又は当社が完全子会社となる株式交換契約若しくは株式移転計画の承認の議案が当社の株主総会(株主総会が不要な場合は当社の取締役会)において承認された場合は、当社の取締役会が別途定める日をもって、同日時点で権利行使されていない新株予約権を無償で取得することができる。

(6) 新株予約権の譲渡制限

上記「新株予約権の譲渡に関する事項」に準じて決定する。

(7) 新株予約権の行使により株式を発行する場合における増加する資本金及び資本準備金に関する事項

上記「新株予約権の行使により株式を発行する場合の株式の発行価格及び資本組入額」に準じて決定する。

4.2022年6月8日付で、普通株式1株につき500株の割合で株式分割を行っております。これにより、「新株予約権の目的となる株式の種類、内容及び数」、「新株予約権の行使時の払込価額」及び「新株予約権の行使により株式を発行する場合の株式の発行価格及び資本組入額」が調整されております。

 

② 【ライツプランの内容】

該当事項はありません。

 

 

(4) 【発行済株式総数、資本金等の推移】

 

年月日

発行済株式
総数増減数
(株)

発行済株式
総数残高
(株)

資本金増減額
 
(千円)

資本金残高
 
(千円)

資本準備金
増減額
(千円)

資本準備金
残高
(千円)

2019年10月31日(注)1

5,400

6,000

30,000

2022年6月8日(注)2

2,994,000

3,000,000

30,000

 

(注) 1.株式分割(1:10)によるものであります。

2.株式分割(1:500)によるものであります。

3.決算日後、2022年9月29日を払込期日とする有償一般募集(ブックビルディング方式)増資による新株式363,000株(発行価格1,550円、引受価額1,426円、資本組入額713円)発行により、資本金及び資本準備金はそれぞれ258,819千円増加しております。

4.決算日後、2022年11月2日を払込期日とする有償第三者割当増資(オーバーアロットメントによる売出しに関連した第三者割当増資)による新株式166,300株(発行価格1,550円、引受価額1,426円、資本組入額713円)発行により、資本金及び資本準備金はそれぞれ118,571千円増加しております。

 

(5) 【所有者別状況】

2022年8月31日現在

区分

株式の状況(1単元の株式数100株)

単元未満
株式の状況
(株)

政府及び
地方公共
団体

金融機関

金融商品
取引業者

その他の
法人

外国法人等

個人
その他

個人以外

個人

株主数
(人)

1

3

4

所有株式数
(単元)

3,000

27,000

30,000

所有株式数
の割合(%)

10

90

100

 

 

(6) 【大株主の状況】

2022年8月31日現在

氏名又は名称

住所

所有株式数
(株)

発行済株式
(自己株式を
除く。)の
総数に対する
所有株式数
の割合(%)

肥田 義光

東京都品川区

2,250,000

75.00

伊良皆 教弘

大阪府大阪市鶴見区

425,000

14.17

有限会社グッピー

東京都品川区西五反田1-26-2

300,000

10.00

池田 勝彦

千葉県松戸市

25,000

0.83

3,000,000

100.00

 

① 【貸借対照表】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:千円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前事業年度

(2021年8月31日)

当事業年度

(2022年8月31日)

資産の部

 

 

 

流動資産

 

 

 

 

現金及び預金

774,553

1,111,370

 

 

売掛金

203,391

209,418

 

 

貯蔵品

7,346

6,395

 

 

前渡金

5,163

636

 

 

前払費用

11,657

13,033

 

 

その他

446

50

 

 

貸倒引当金

554

128

 

 

流動資産合計

1,002,004

1,340,775

 

固定資産

 

 

 

 

有形固定資産

 

 

 

 

 

建物附属設備

14,025

38,779

 

 

 

工具、器具及び備品

8,175

20,193

 

 

 

リース資産

6,500

 

 

 

減価償却累計額

10,241

11,121

 

 

 

有形固定資産合計

11,959

54,352

 

 

無形固定資産

 

 

 

 

 

ソフトウエア

25,743

 

 

 

ソフトウエア仮勘定

10,300

 

 

 

その他

52

52

 

 

 

無形固定資産合計

25,795

10,352

 

 

投資その他の資産

 

 

 

 

 

破産更生債権等

0

0

 

 

 

長期前払費用

441

49

 

 

 

繰延税金資産

66,620

79,061

 

 

 

その他

27,718

24,813

 

 

 

投資その他の資産合計

94,780

103,923

 

 

固定資産合計

132,535

168,628

 

資産合計

1,134,540

1,509,404

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:千円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前事業年度

(2021年8月31日)

当事業年度

(2022年8月31日)

負債の部

 

 

 

流動負債

 

 

 

 

1年内返済予定の長期借入金

※1 45,252

※1 16,710

 

 

リース債務

1,043

 

 

未払金

126,024

108,719

 

 

未払費用

38,260

70,353

 

 

未払法人税等

94,321

84,393

 

 

契約負債

310,452

 

 

前受金

159,213

 

 

預り金

2,763

2,998

 

 

前受収益

32,857

 

 

褒賞費用引当金

7,961

12,441

 

 

賞与引当金

7,387

10,241

 

 

資産除去債務

6,499

 

 

その他

53,323

33,531

 

 

流動負債合計

573,863

650,884

 

固定負債

 

 

 

 

長期借入金

※1 19,077

※1 1,854

 

 

リース債務

4,688

 

 

健康ポイント引当金

1,811

4,771

 

 

資産除去債務

14,540

 

 

固定負債合計

20,888

25,854

 

負債合計

594,751

676,739

純資産の部

 

 

 

株主資本

 

 

 

 

資本金

30,000

30,000

 

 

利益剰余金

 

 

 

 

 

その他利益剰余金

 

 

 

 

 

 

繰越利益剰余金

509,788

802,665

 

 

 

利益剰余金合計

509,788

802,665

 

 

株主資本合計

539,788

832,665

 

純資産合計

539,788

832,665

負債純資産合計

1,134,540

1,509,404

 

 

② 【損益計算書】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:千円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前事業年度

(自 2020年9月1日

 至 2021年8月31日)

当事業年度

(自 2021年9月1日

 至 2022年8月31日)

売上高

1,396,238

※1 1,850,489

売上原価

120,407

123,767

売上総利益

1,275,830

1,726,722

販売費及び一般管理費

※2 971,361

※2 1,256,326

営業利益

304,469

470,395

営業外収益

 

 

 

受取利息配当金

5

8

 

保険解約返戻金

-

14,760

 

助成金収入

820

-

 

受取返戻金

205

392

 

雑収入

15

3

 

営業外収益合計

1,046

15,164

営業外費用

 

 

 

支払利息

855

772

 

固定資産除却損

※3 66

※3 207

 

雑損失

30

 

営業外費用合計

952

979

経常利益

304,562

484,579

税引前当期純利益

304,562

484,579

法人税、住民税及び事業税

97,097

132,941

法人税等調整額

22,399

9,361

法人税等合計

74,698

142,303

当期純利益

229,864

342,276

 

 

1 報告セグメントの概要

(1) 報告セグメントの決定方法

当社の報告セグメントは、当社の構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。当社は、「人材サービス事業」及び「ヘルスケア事業」の2つを報告セグメントとしております。

 

(2) 各報告セグメントに属する製品及びサービスの種類

「人材サービス事業」は、「人材サービス事業」として医療・介護・福祉業界に特化した求人情報サイト「GUPPY」を運営しております。求人情報サイト「GUPPY」は中途転職者向けに求人情報を提供する「GUPPY求人」と新卒学生向けに就職情報を提供する「GUPPY新卒」から構成されております。

「ヘルスケア事業」は、一般利用者向け、企業、自治体、及び健康保険組合向けにスマートフォンによる健康管理アプリを提供しております。