Atlas Technologies株式会社
(注) 1.当社は連結財務諸表を作成しておりませんので、連結会計年度に係る主要な経営指標等の推移については記載しておりません。
2.持分法を適用した場合の投資利益については、関連会社が存在しないため記載しておりません。
3.1株当たり配当額及び配当性向については、配当を実施していないため記載しておりません。
4.第1期から第4期までの潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、潜在株式は存在するものの、当社株式は非上場であり、期中平均株価が把握できないため記載しておりません。また、第5期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、当社株式が2022年10月26日に東京証券取引所グロース市場に上場したため、新規上場日から第5期末までの平均株価を期中平均株価とみなして算定しております。
5.第1期から第4期までの株価収益率は当社株式が非上場であるため記載しておりません。
6.主要な経営指標等のうち、第1期及び第2期については会社計算規則(平成18年法務省令第13号)の規定に基づき算出した各数値を記載しており、金融商品取引法第193条の2第1項の規定による監査証明を受けておりません。
7.第3期から第5期までの財務諸表については、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵省令第59号)に基づき作成しており、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、EY新日本有限責任監査法人により監査を受けております。
8.第1期及び第2期につきましては、キャッシュ・フロー計算書を作成しておりませんので、キャッシュ・フローに係る各項目については記載しておりません。
9.従業員数は就業人員数であります。なお、臨時従業員数は、従業員の100分の10未満であるため、記載を省略しております。
10.2021年4月20日付で普通株式1株につき2,000株の割合で株式分割を、2022年4月1日付で普通株式1株につき10株の割合で株式分割を行っております。これに伴い、第3期の期首に当該株式分割が行われたと仮定して1株当たり純資産額、1株当たり当期純利益金額及び潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額を算定しております。
11.第1期から第5期の株主総利回り及び比較指標は、2022年10月26日に東京証券取引所グロース市場に上場したため、記載しておりません。
12.最高株価及び最低株価は、東京証券取引所グロース市場におけるものであります。
なお、2022年10月26日付をもって同取引所に株式を上場いたしましたので、それ以前の株価については記載しておりません。
13.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第5期の期首から適用しており、第5期に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
(注1)Fintechとは、金融(Finance)と技術(Technology)を組み合わせた言葉で、従来の金融サービスと情報技術
を結びつけた領域のことを意味しております。
(注2)シンガポール支店については2023年1月に本格稼働をしております。
当社は、「人と産業の可能性を、解き放つ」をビジョンに、「あらゆる産業とFintechの融合」をミッションとして、国内及び海外のクライアントに対して、決済(ペイメント)関連分野を中心としたFintech領域のコンサルティング及びプロジェクト実行支援サービスを提供しております。
当社は、独立系Fintechコンサルティング会社として、プロジェクトマネジメントに特化してクライアントの戦略立案から実行までを一気通貫で支援します。具体的には、「戦略策定・事業企画」などの上流フェーズから、その後の「要件定義」、「システム設計」、「業務構築」などのプロジェクト実行フェーズまで、クライアント企業のデジタルソリューション・パートナーとして現場でともに課題解決を推進するとともに、サービスイン後のシステム・業務運用などにおいても様々なソリューションを提供しております。


a コンサルティング
当社のコンサルティングサービスは、独立系であることの中立性及びFintech領域で蓄積した知見を活かし、事業の上流フェーズからクライアントと共創しながら戦略を立案します。各業界におけるリーディングカンパニーとの先進的プロジェクトを通じて獲得したナレッジ等も活用して、高付加価値なサービスを提供するとともに、グローバルレベルの専門知識とローカルレベルの知見を組み合わせ、国内案件のみならずクロスボーダー案件にも柔軟に対応します。
b プロジェクト実行支援
戦略策定後のプロジェクト実行段階においても、当社のチームがクライアント企業の現場で共に課題解決を推進しております。プロジェクトに最適なシステム・オペレーションを構築するためのパートナーの選定等を支援するとともに、クライアント企業の既存システム・業務運用とも効率的な統合を実現することで、プロジェクト全体を通して全体最適を実現することが可能です。
当社のコンサルティング及びプロジェクト実行支援サービスの特徴は、下記のとおりであります。
(a)Fintech領域に特化したサービスとプロジェクト実績
Fintech領域における各分野で蓄積した「金融関連の法令・規制」、「事業ライセンス」、「商品・システム・業務」、「決済機関」、「データ処理や利活用」、「不正対策やサイバーセキュリティ強化」、「顧客体験の構築」などのノウハウ・ナレッジの活用等により、高付加価値なサービスを提供します。
Fintech領域に特化した高付加価値サービス
当社は、決済関連分野を中心にFintech領域において蓄積したノウハウ・ナレッジの活用により、高付加価値なサービスを提供します。

(b)戦略立案から実行まで一気通貫でプロジェクトをマネジメント
プロジェクトにおけるプロセスの分断を引き起こすことなく、当社の多様性に富むコンサルタントが、「戦略立案・事業企画」から「要件定義」、「設計・開発・テスト」、「運用・保守」まで、一気通貫でクライアントに対して総合的なノウハウ・ナレッジの提供等を通じた支援を行っております。
この一気通貫のプロジェクトマネジメントなどを背景とする継続・追加受注の獲得に伴い、クライアントやプロジェクトのポートフォリオが積みあがっていくリカーリング性(注:3か月以上継続する準委任契約)を有するビジネスモデルとなっております。
戦略立案から実行まで、一気通貫でプロジェクトをマネジメント
多くの企業では社内のリソースや知見等が不足しており、自社単独でのFintech事業の立上げ・運営は難易度の高いものとなっています。当社はクライアントと協働しながら、実態に合わせて全体最適となるよう事業構築から運営まで一連のプロセスを提供しています。

(c)クロスボーダー案件への対応
国内クライアント企業の海外プレイヤーとのプロジェクトや、海外クライアントの日本国内におけるプロジェ クトの両方の支援が可能です。現地商習慣・競合環境・ローカル消費者理解などの市場ナレッジにより、スピーディーで柔軟にプロジェクトを支援します。
クロスボーダー案件のプロジェクト関連国としての実績は、米国、英国、ドイツ、中国、インド、豪州、シンガポール、タイ、インドネシア、マレーシアの10か国になります。
[事業系統図]
当社の事業系統図は、次のとおりであります。

(注1)ビジネスパートナーは、当社のコンサルタントとともにプロジェクトの一部の業務を担ってもらうエンジニア
などが所属する企業です。当社が戦略策定や事業企画などの上流フェーズを主導したのち、必要に応じて、ビジネスパートナーと協業します。プロジェクト実行段階における要件定義以降の業務の一部を再委託し、ビジネスパートナーのエンジニアなどと推進します。
該当事項はありません。
(注) 1.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数はその総数が従業員の100分の10未満であるため記載を省略して
おります。
2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
3.全社(共通)として記載されている従業員数は、管理部門に所属しているものであります。
労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1) 経営方針
ビジョン(Vision)
人と産業の可能性を、解き放つ
(Unleash the potential of every person and industry on the planet)
『新たな地図を描くように、価値を生み出す「機会」や「場」を世界中に創り出したい』
創業者が世界の多くの国や都市を旅し、ビジネスを通じて抱いた想いによって、「Atlas(地図)」という名を冠した「Atlas Technologies」は創業されました。そんな私たちのビジョンは「人と産業の可能性を解き放つ」ことです。テクノロジーの力によって、世界中の人・組織・産業が本来持っている力を最大限に発揮できる豊かな社会を実現したいと考えています。
ミッション(Mission)
あらゆる産業とFintechの融合
(To offer seamless solutions for embedding Fintech across all industries)
インターネットによって、人類は地球規模で情報を低コストに伝達できるようになりました。
その一方、日々生み出される経済的・社会的価値が世界中で途切れることなく移動し、交換されるためには、いまなお多くの課題があります。
私たちは、従来の金融機関のみならず、あらゆる産業がFintechと融合することで、決済・送金・投資・融資・預金・会計・保険・証券など従来の金融のあらゆる領域がテクノロジーによって再定義され、その結果創造された価値が世界中をなめらかに移動し、人と産業の可能性が解き放たれる社会を実現したいと考えています。
Set of Values(5つの価値観)
① Challenge the Possibilities(可能性に挑戦しよう)
自分たち自身が奮い立つような高い目標を成し遂げよう。解は必ずあると信じて行動する。
② Build Leadership(全員がリーダーであろう)
ゴールを掲げ、自らがチームの先頭を走ろう。勇気をもって決め、相手が行動を起こせるように伝える。
③ Act As One(一丸となってコトを成そう)
個人では成し遂げられないような驚くべきことをチームで実現しよう。
④ Have Integrity(常に誠実さを持とう)
顧客・パートナー・同僚、そして自分自身に誠実で謙虚であろう。
⑤ Keep It Fun(日常に遊び心を)
自らがその日常を楽しいと思えるような機会や場を創り出そう。余裕やユーモアをもって行動する。
(2) 経営環境
当社の主要事業であるコンサルティング及びプロジェクト実行支援サービスを提供するデジタルソリューション事業分野においては、国内コンサルティング市場規模が2025年には1兆2,551億円(出典:IDC Japan「国内ビジネスコンサルティング市場予測、2021年から2025年(2021年)」)、国内DX市場規模も2030年には3兆425億円(出典:富士キメラ総研「2020デジタルトランスフォーメーション市場の将来展望」)にまで拡大し、今後も右肩上がりで成長が続くものと予想されております。
また、グローバルにおけるFintechの潮流として、産業の垣根を越えたFintechとの融合により、既存の金融機関に加えて、金融サービスを提供する企業においても新たな事業機会を見出すために、自社サービスへのFintechの組み込みを活発化する動きがみられます。
国内におけるFintech領域の動向においても、収益力の向上や効率化、複雑化する金融領域への対応など、金融サービスに関係する企業や組織は様々な課題を抱えており、業界環境の変化やテクノロジーの進化といったマクロトレンドの影響を受け、デジタル活用の必然性が急速に高まっています。
金融サービスに関係する企業や組織は、限られたリソースの中で、このように複雑・高度化するFintech領域において、様々な課題に直面しています。
このような状況の中、様々な課題を解決するアプローチとしてのFintechコンサルティング及び実行支援サービスに係るニーズは大きいと認識しており、Fintech領域に強みを持つ当社のコンサルタントが、クライアント企業のFintech事業の戦略立案から実行までを一気通貫で支援することで、Fintechサービスの立上げやサービス強化を実現しております。
その結果、新規クライアントの獲得に加えて、既存のクライアント基盤におけるプロジェクトの受注が拡大しており、全体の売上高に占める継続クライアント(注:前期に取引があり、当期においても引き続き取引が継続しているクライアント)からの売上比率としては、2021年12月期が98.4%、2022年12月期が94.5%となっております。また、継続クライアントの2022年12月期の売上高は、前年比で22.3%の成長率となっております。
(3) 中長期的な経営戦略
当社では、中長期的な経営戦略として、次の3つを推進してまいります。
① サービスの高付加価値化と優秀な人材の採用/育成
② 新規クライアント獲得と既存クライアントの深耕
③ 活動エリアの拡大とサービス分野の強化

① サービスの高付加価値化と優秀な人材の採用/育成
コンサルティングサービスの高付加価値化により契約単価を向上させるとともに、優秀な人材の採用/育成などによりコンサルタント人数の増加及び稼働率の向上を図ります。

② 新規クライアント獲得と既存クライアントの深耕
各業界のリーディングカンパニーとの先進的なプロジェクト経験によって得られたノウハウ・ナレッジを他プレイヤーへも再現性をもって展開します。
クライアントからの高い信頼に基づき、1社あたり複数のプロジェクトを継続的に支援し、プロジェクトの層をさらに積み上げます。

③ 活動エリアの拡大とサービス分野の強化
国内の主要エリアへの拡大に加えて、世界中のFintech領域の企業や組織が集積するシンガポールを拠点とした東南アジアへの事業展開を推進します。また、Fintech領域の決済・送金・融資といった現状注力する戦略分野に加えて、投資・預金・保険・証券分野なども強化します。

当社は、主要クライアントである大手通信キャリアに加えて、カード会社・決済代行会社・総合商社・総合サービス企業・SIer・小売企業・国際ブランド企業・国際送金企業などの多くのプロジェクト実績があり、Fintechを活用する国内外全ての業種・業態の企業が当社の潜在的なクライアントとなり得ます。事業の収益力向上や効率化、新たな事業機会を見出すことなどを目指す新たな業種・業態のクライアントを今後獲得していくことにより、クライアントポートフォリオの多様化を図ります。

(4) 目標とする経営指標
当社では、持続的な成長と企業価値の向上を経営上の重要課題と認識しており、主な経営指標として、成長性については売上高、企業価値の向上については売上総利益及び営業利益を重視しております。
特に売上高については、継続クライアント数及びその売上高、継続クライアントの売上高成長率、新規クライアント数及びその売上高、新規プロジェクト数及びその売上高を事業KPIとして継続的に確認及び分析しております。
(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社が対処すべき主な課題は、以下の項目と考えております。
① 優秀な人材の確保
当社の企業規模拡大及び持続的な成長を推進するためには、Fintech分野の知識と経験を豊富に持つコンサルタントを中心とした優秀な人材を採用・育成することが必要不可欠であると考えております。そのために、当社では積極的な採用活動を推進し、当社のビジョンやミッション等を理解し、スピード感を持って事業を推進することができる人材を獲得してまいります。また、高い経験値を得られるプロジェクトへの参画や社内研修の充実などに加えて、社員がより働きやすい環境づくりを推進してまいります。
② 取引先及び取引額の拡大
当社のデジタルソリューション事業のクライアントは、大手通信キャリアを中心とした取引先からの収益が多くを占めておりますが、業界におけるリーディングカンパニーとの先進的なプロジェクト経験によって得られたノウハウ・ナレッジを、国内外においてFintech事業を展開している若しくは今後展開を検討している企業に対し、再現性をもって活用してまいります。
また、既存の取引先については、クライアントからの高い信頼に基づき、1社あたり複数のプロジェクトを継続的に支援することにより、取引額の拡大を推進してまいります。
③ コンサルティング力強化による付加価値向上と大型案件並びに新たな事業・サービスの創出
当社は、コンサルティング業務を通じてクライアントとともに課題解決に取り組んでおり、Fintechに関連する顧客業界の市場特性や課題解決に直結する分析などの知識や経験が豊富に蓄積されております。これらの知見を活かして、高付加価値のコンサルティングを提供するほか、プロジェクト経験やグローバルにおける最先端動向の研究などを通じて得られる知見のナレッジ化・アセット化を推進することにより、大型案件の獲得や新たな事業・サービスの開発につなげてまいります。
④ 内部管理体制の強化
当社は成長段階にあり、今後もより一層の企業規模拡大及び持続的な成長を見込んでおります。そのために、企業規模拡大に応じた内部管理体制の更なる強化が必要であると認識しております。具体的には、監査役監査の実施によるコーポレート・ガバナンス機能の強化、内部監査の実施等によるコンプライアンス体制の強化、内部統制報告制度の適用等も踏まえた内部統制の継続的な改善及び強化並びにリスクマネジメントの強化などを図ってまいります。
⑤ 事業拡大を支える財務基盤の構築
当社はこれまで金融機関からの借入を行ったことがなく、資金需要は自己資金により賄い、営業活動によるキャッシュ・フローを源泉に手元流動性を確保してまいりましたが、今後の事業拡大及び事業上の課題に対する対処により、更なる資金需要が生じると考えております。そのため、資金調達方法の多様化と柔軟な流動性確保を図るため、金融機関との良好な関係を構築し、資金調達が必要な場合には適時適切に対応することを検討いたします。
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
以下には、当社が事業展開その他に関してリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項について記載しております。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が独自に判断したものであり、将来において発生する可能性がある全てのリスクを網羅するものではありません。また当社にとっては必ずしもリスク要因に該当しない事項についても、投資者の投資判断において重要であると考えられる事項については記載しております。
当社はこれらのリスク発生の可能性を十分に認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に取り組む方針ではありますが、当社の経営状況、将来の事業についての判断及び当社株式に対する投資判断は、本項記載内容を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。
(1) 事業環境に関するリスクについて
① 市場動向について(顕在化可能性:低、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
当社が事業を展開するFintech領域のコンサルティング市場については、その市場規模が順調に拡大しており、また、Fintech分野に対する企業ニーズも拡大している状況にあると認識しております。
しかしながら、今後、経済情勢や景気動向等が変化し、クライアントのFintech事業に対する投資マインドが減退し、Fintech事業への投資及びコンサルティングサービスの利用が減少する場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
このようなリスクに対して、当社は常に市場の変化を注視しながらクライアントのニーズをつかみ、プロジェクトの上流工程であるコンサルティングフェーズのみならず、プロジェクト実行支援まで一気通貫のサービスを提供することにより、リスクの軽減を図っております。
② 競合について(顕在化可能性:中、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
当社が事業を展開するFintech領域におけるコンサルティングサービスに関しては、知識と経験が豊富な当社のコンサルタントが、付加価値の高いサービスを提供することによって、競合他社との差別化を図っております。
現時点においては直接的に競合する企業は少ないものと認識しておりますが、今後、当社と同様にFintech分野における豊富な知識と経験を有する人材を持つ企業が出現し、業界における競争が激化した場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社は多様な採用手段を講じて優秀な人材を確保し、プロジェクトの上流から下流までを一気通貫でサービスを提供できる人員体制を構築することにより、リスクの軽減を図っております。
③ クライアントの経営環境について(顕在化可能性:低、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響
度:中)
当社の主要な事業であるデジタルソリューション事業においては、主として大手通信会社を中心にコンサルティングサービスを提供しており、継続や追加受注によるリカーリング性の高いビジネスモデルを構築しております。
当社は、クライアントに対して付加価値の高いサービスの提供に努めてまいりますが、クライアントのFintech事業に対する需要が減少したり、同業他社との契約が増加し、当社との契約が減少したりした場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
このようなリスクに対して、当社は通信会社のみならず、Fintech事業の展開を検討している様々なクライアントに対して積極的にアプローチすることにより、プロジェクトの受注獲得を行うことでリスクの軽減を図っております。
④ 法的規制について(顕在化可能性:低、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小)
当社の主要な事業であるデジタルソリューション事業においては、ビジネスパートナーによるプロジェクトの支援を仰ぐことがあります。このような場合、当社は下請代金支払遅延等防止法(下請法)及び労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律に違反しないような対応を実施しておりますが、万が一、同法に違反し、当社の信用力低下を招くとともに損害賠償請求訴訟の提起等が発生した場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
このようなリスクに対して、当社は当該法律に抵触しないよう、法令改正の動向などの情報収集を適宜行うことと併せて、常にプロジェクトの運用状況を注視しながら、リスクの軽減を図っております。
(2) 事業内容に関するリスクについて
① 経営上の重要な契約について(顕在化可能性:低、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:
大)
当社の経営上重要と思われる契約の概要は、「第2 事業の状況 4 経営上の重要な契約等」に記載のとおりであります。当該契約が期間満了、解除、その他の理由に基づき終了となった場合、若しくは当社にとって不利な改定が行われた場合、または契約の相手方の経営状態が悪化したり、経営方針が変更されたりした場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
このようなリスクに対して、当社は取引先との良好な関係を継続的に構築することに努め、リスクの軽減を図っております。
② ビジネスパートナーの確保について(顕在化可能性:低、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響
度:中)
当社は、プロジェクト実行支援における業務の一部について、ビジネスパートナーと連携し、クライアント企業に対するサービスを提供しております。
今後の事業拡大にあたり、既存ビジネスパートナーとの安定的な取引関係の維持及び新規ビジネスパートナーの開拓を継続的に行ってまいりますが、当社の事業拡大に応じた適切なビジネスパートナーの確保ができない場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ 新規事業への投資について(顕在化可能性:低、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:低)
当社は、企業価値を高めるために事業規模の拡大をすべく、新規事業への取組みを積極的に行う予定であります。
本書提出日現在において、具体的な事業化に至っているものはありませんが、競争優位性を確保するため、常に新規事業に関する情報収集等に努めるなど、新規事業の創出に向けた努力を続けております。
新規事業を進めるにあたっては、事業計画を十分に検討した上で実施することとしておりますが、当該事業計画は、計画策定時点における予想や仮説に基づく部分も存在するため、当該予想や仮説が現実と大きく異なる場合や、当初の予測とは異なる状況が発生する場合があります。
このように、当初の事業計画通りに進捗しない場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
④ 特定クライアントの売上比率について(顕在化可能性:低、顕在化する可能性のある時期:10年以内、影響
度:大)
当社は、多くの取引先からプロジェクトを受託しております(2022年12月期のクライアント数は19社)が、中でも全社売上に占める株式会社NTTドコモの比率が2020年12月期93.2%、2021年12月期90.4%、2022年12月期81.8%となっております。同社のdカードプロジェクトにおいては、当社設立時より、プロジェクトの初期段階から参画しており、その後の営業活動を通じて取引額が増加したことにより、結果として同社の売上比率が上記の数値のとおりとなっております。
同プロジェクトの概要としましては、同社のクレジットカード「dカード」の契約数が1,900万(2018年6月30日時点)を突破し、取扱高も順調に拡大する一方、キャッシュレス化の急伸、スマートフォンの急速な普及等、同社を取り巻く業務環境が大きく変化していることから、同社は次のステージへと移行すべく、dカードの更なるサービス向上に向けた新たなシステム開発と運営体制の見直しの検討を進めるプロジェクトとなります。
同プロジェクトにおいて、当社は2019年1月より、ビジネス領域・システム領域・業務運用領域及びWeb・アプリ領域の各ワーキンググループ(以下「WG」)において、事業構築や新システム開発等の検討支援などを行っており、各WGにおいて当社は下記の業務を担当しています。
システムWG:システムの全体計画・試験計画、売上・債権/会員/インフラ等のシステム開発検討支援
ブランドWG:国際ブランドのライセンス取得・認定、外部接続先や提携先企業調整等に係る検討支援
業務企画・テストWG:カード業務運用の設計、フィールドテスト等の各種テストの検討支援
WebアプリWG:Webサービス・アプリケーションの設計、各種テストの検討支援
今後も当社は、高成長が期待されるコンサルティング市場において、あらゆる業種のFintech活用ニーズを取り込みながら、新規クライアントの獲得や既存クライアントからの追加・継続受注によりクライアントポートフォリオの多様化を図ることで、特定クライアントへの売上依存リスクのない事業成長を推進します。また、同社との良好な関係は維持しながら、取引の維持・拡大に努める方針でありますが、永続的な取引が確約されているものではなく、同社との契約においては、契約の相手方が規定の一にでも違反した場合、所定の手続きを経て契約の全部または一部を解除できる内容となっているため、万が一、同社との間において、当該解除条件に該当した場合や契約条件の重要な変更が生じた場合及び取引額が大幅に減少した場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 海外展開について(顕在化可能性:中、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
当社はシンガポールに支店を設置し、今後の事業活動を展開してまいります。海外事業においては、各国における内乱や大規模な騒乱、政治動向や経済に影響を与えるカントリーリスク、各国固有の商慣習や法的規制等、様々な潜在的リスクがあります。当社においては、現地におけるカントリーリスクの兆しを把握し早急に対応する体制を講じておりますが、これらのリスクが顕在化した場合には、当社の事業活動に影響を及ぼし、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
このようなリスクが顕在化する可能性は相応に存在すると認識しております。当社は、事業活動を展開する諸外国の動向に関する情報収集に努め、リスクの兆しが顕在化する可能性がある場合には、事業撤退を含めて迅速に対応することとしております。
(3) 事業運営体制に関するリスクについて
① 特定人物への依存について(顕在化可能性:低、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)
当社代表取締役社長である山本浩司は、当社の創業者かつ主要株主であるとともに、当社事業に関する豊富な経験と知識を有しており、当社の経営方針や事業戦略の決定などの事業活動全般において重要な役割を担っております。
当社では、業容拡大とともに経営幹部の拡充及び権限委譲を進め、山本浩司に過度に依存しない経営体制の整備や人材の育成など、リスクの軽減に努めております。しかしながら、山本浩司が何らかの理由により業務執行ができない事態となった場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
② 優秀な人材の確保及び定着について(顕在化可能性:中、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響
度:大)
当社は、継続的な事業拡大及び新規事業の推進等のためには、優秀な人材の確保及び定着が必要不可欠であると認識しております。
当社は、今後も継続的に優秀な人材の確保及び育成に努め、定着を図ってまいりますが、当社が求める人材を適切なタイミングで確保できず、また人材育成が計画通りに進まない場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ 小規模組織であることについて(顕在化可能性:中、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:
中)
当社は小規模組織であり、現在の組織及び管理体制も規模に応じたものとなっております。今後、事業拡大に伴い、組織の整備や内部管理体制の充実を図る予定であり、引き続き、適時適切に人材採用を進めてまいります。
しかしながら、事業拡大に応じた組織の整備や内部管理体制の充実が順調に進まなかった場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
④ M&Aや資本提携に関するリスク(顕在化可能性:低、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:
中)
当社では、通常の営業活動による取引先の拡大や新規事業の推進に加え、事業拡大への経営資源を獲得し、既存事業とのシナジー効果を得るために、M&Aによる企業買収や資本提携等を活用することを検討しております。これらの施策を実施する場合、対象企業の属する業界の市場規模、業界環境及び対象企業の競争力の源泉等を調査し、財務内容や事業についてデューデリジェンスを行うことに加えて、対象企業の株主を慎重に調査することで、事前に投資リスクを把握し、対象となる企業の収益性や投資の回収可能性について慎重に検討することとしております。
しかしながら、国内外の経済環境の変化や対象企業の属する業界の市場規模が想定よりも拡大しない場合や対象企業の競争力の源泉が衰えた場合等の理由から、当社がM&Aや資本提携等を行った企業の経営、事業、資産等に対して、十分に活用することができない場合や、買収した企業の人材や顧客基盤が流出する可能性もあり、当初に期待したシナジーを得られない可能性もあります。このような場合、当初の投資額を回収できず、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 情報管理について(顕在化可能性:低、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小)
当社は、その業務の性格上、顧客側で保有している機密情報に触れる場合があります。情報の取扱いについては、顧客側の管理ルール及び当社が認証を取得しているISO/IEC27001及びJIS Q 15001の運用ルールに則り、適切な運用を行っております。
しかしながら、このような対策にもかかわらず、当社の人的オペレーションのミス及びその他予期せぬ要因等により、情報漏洩等の事案が発生した場合には、当社が損害賠償責任を負う可能性や顧客からの信用を失うことに伴い取引関係が悪化する可能性があります。このような場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(4) その他のリスクについて
① 新株予約権の行使による株式価値の希薄化について(顕在化可能性:高、顕在化する可能性のある時期:特定
時期なし、影響度:小)
当社は、役員及び従業員に対するインセンティブを目的とした新株予約権(以下「ストック・オプション」という。)を付与しております。これらのストック・オプションの権利が行使された場合には、保有株式の価値が希薄化する可能性があります。
本書提出日現在におけるストック・オプションによる潜在株式数は350,000株であり、発行済株式総数7,100,000株に対する潜在株式の比率は約4.9%であります。
② 配当政策について(顕在化可能性:高、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小)
当社は、株主に対する利益還元は経営上の重要課題と認識しており、利益還元策の決定にあたっては、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状態や今後の経営計画等を十分に勘案し、剰余金の分配を検討する所存であります。
しかしながら、現時点においては、事業が成長段階にあることから、内部留保を充実させ、成長事業に投資を行うことを優先することが株主利益にかなう場合があるため、今後の配当実施の可能性及び実施時期については未定であります。
③ 資金使途について(顕在化可能性:低、顕在化する可能性のある時期:3年以内、影響度:小)
当社が株式上場時に実施した公募増資による資金の使途については、人材採用や教育等の人材関連、オフィス移転や情報セキュリティ等の設備投資関連等に充当する予定であります。
しかしながら、急速に変化する事業環境に柔軟に対応するため、上記計画以外の使途へ充当する可能性もあります。また、計画どおりの使途に充当された場合でも、想定どおりの効果が得られない可能性があり、このような場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
④ 新型コロナウイルス感染症拡大について(顕在化可能性:高、顕在化する可能性のある時期:10年以内、影響
度:小)
当社は、テレワークの導入、執務スペースにおける役職員間の距離の確保等、当社役職員への新型コロナウイルス感染症拡大を防止する諸対策を講じております。
現時点において当社への影響は限定的ですが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響がさらに深刻化・長期化した場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 訴訟等について(顕在化可能性:低、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
当社は本書提出日現在において、訴訟を提起されている事実はありません。また、当社は法令違反となるような行為を防止するための内部管理体制を構築するとともに、取引先、従業員その他第三者との関係において、訴訟リスクを低減するよう努めております。しかしながら、将来において、当社の事業に起因する訴訟等の提起を受ける可能性があります。これらの訴訟等の内容及び結果によりましては、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 自然災害について(顕在化可能性:低、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
当社は、安定的なサービス提供を維持するため、地震、落雷、火災等の災害に対して十分な耐性を有すると判断されるビルにオフィスを構えるとともに、大規模災害が発生した場合等、有事に備えた危機管理体制の整備に努め対策を講じております。しかしながら、台風、地震、津波、感染症等、自然災害等が当社の想定を大きく上回る規模で発生した場合、当社または当社の取引先の事業活動に影響を及ぼし、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 当社株式の流動性について(顕在化可能性:高、顕在化する可能性のある時期:1年以内、影響度:中)
当社の株主構成は代表取締役社長により、議決権の過半数を所有されている会社となっており、上場時の公募増資及び売出しによって当社株式の流動性の確保に努めましたが、㈱東京証券取引所の定める流通株式比率は当事業年度末において30.2%となっております。当事業年度末においての代表取締役社長の持ち株比率が69.8%となりますが、今後は段階的に売出しを行い、持ち株比率が過半数程度となるまで低下させることにより、更なる流動性の確保を行います。
上記株主は安定株主として引き続き一定の議決権を保有し、その議決権行使にあたっては、株主共同の利益を追求するとともに、少数株主の利益にも配慮する方針を有しております。
また、当社の事業計画に沿った成長資金の公募増資による調達、大株主からの売出、ストック・オプションの行使による流通株式数の増加分を勘案し、これらの組み合わせにより、一層の流動性の向上を図っていく方針ではありますが、何らかの事情により上場時よりも流動性が低下する場合には、当社株式の市場における売買が停滞する可能性があり、それにより当社株式の需給関係にも悪影響を及ぼす可能性があります。
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
(資産)
当事業年度末における資産合計は、前事業年度末より1,710,159千円増加し、2,853,949千円となりました。これは主に、上場に伴う増資等により現金及び預金が1,752,574千円増加したことによるものであります。
(負債)
当事業年度末における負債合計は、前事業年度末より20,196千円減少し、454,056千円となりました。これは主に、売上高の増加に伴い買掛金が15,964千円増加した一方で、賞与引当金が25,497千円、役員賞与引当金が8,761千円減少したことによるものであります。
(純資産)
当事業年度末における純資産合計は、前事業年度末より1,730,356千円増加し、2,399,893千円となりました。これは、上場に伴う増資により資本金及び資本剰余金がそれぞれ662,400千円増加、当期純利益の計上により利益剰余金が405,556千円増加したことによるものであります。
当事業年度における我が国経済は、ウィズコロナへの政策転換によって規制が緩和され、各種政策の効果もあって景気が持ち直していくことが期待される一方、インフレの進行が世界的な原料・燃料価格の高騰を招いています。さらにウクライナ情勢を端緒とする地政学的リスクの高まりが食料相場の高騰に拍車をかけるとともに、金融引き締め等を背景とした海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっています。今後も物価の上昇や金融資本市場の変動等、景気の先行きに対して不安定な状況にあり、その影響を注視する必要があります。
一方、当社を取り巻く環境は、国内コンサルティング市場規模が2025年には1兆2,551億円(出典:IDC「国内ビジネスコンサルティング市場予測、2021年から2025年(2021年)」)、国内DX市場規模も2030年には3兆425億円(出典:富士キメラ総研「2020デジタルトランスフォーメーション市場の将来展望」)にまで拡大し、今後も右肩上がりで成長が続くものと予想されております。
このような状況のもと、当社は継続的な企業価値の向上を実現すべく、デジタルソリューション事業の拡大に努めてまいりました。大手通信キャリアを中心とした既存クライアントのアップセルに加え、国内外の新規クライアントの獲得にも積極的に取り組んでまいりました。
以上の結果、当事業年度の売上高は2,806,295千円(前期比128.3%)、営業利益は627,924千円(前期比132.8%)、経常利益は614,920千円(前期比129.7%)、当期純利益は405,556千円(前期比130.5%)となりました。
なお、当社はデジタルソリューション事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載を省略しております。
③ キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前事業年度末より1,752,574千円増加し、2,357,304千円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は、433,117千円(前年同期は316,529千円の増加)となりました。これは主に、税引前当期純利益の計上614,920千円、売上債権の減少30,833千円による資金の増加があったものの、法人税等の支払額212,537千円が生じたことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は、5,342千円(前年同期は12,685千円の減少)となりました。これは主に、差入保証金の差入による支出2,164千円、保険積立金の積立による支出1,800千円、有形固定資産の取得による支出1,393千円が生じたことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により得られた資金は、1,324,800千円(前年同期は取引がありません)となりました。これは、上場に伴う株式の発行による収入1,324,800千円が生じたことによるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当社は、生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
b. 受注実績
当社で行う事業は、サービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
c. 販売実績
販売実績は、次のとおりであります。
なお、当社はデジタルソリューション事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載を省略しております。
(注) 1.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
2.販売実績の総販売実績に対する割合が10%未満の相手先については記載を省略しております。
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたって、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り自体に不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社の財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
② 経営成績の分析
(売上高)
当事業年度における売上高は、2,806,295千円(前期比128.3%)となりました。これは、主にクライアントの増加及び事業規模拡大によるものであります。
(売上原価、売上総利益)
当事業年度における売上原価は、1,765,619千円(前期比127.5%)となりました。これは、主に事業規模拡大に伴う人件費の増加及びビジネスパートナーへの業務委託費の増加によるものであります。この結果、売上総利益は1,040,675千円(前期比129.7%)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当事業年度における販売費及び一般管理費は、412,750千円(前期比125.1%)となりました。これは、主に管理体制整備に伴う人件費の増加、新規オフィス契約に伴う地代家賃の増加によるものであります。この結果、営業利益は627,924千円(前期比132.8%)となりました。
(営業外損益、経常利益)
当事業年度における営業外損益は、営業外収益が5,643千円となり、営業外費用が18,648千円となりました。営業外収益の主な内訳は、賞与引当金戻入額5,635千円、営業外費用の主な内訳は、上場関連費用18,570千円であります。この結果、経常利益は614,920千円(前期比129.7%)となりました。
(当期純利益)
当事業年度において、法人税等合計209,363千円を計上した結果、当事業年度の当期純利益は405,556千円(前期比130.5%)となりました。
③ 経営成績に重要な影響を与える要因
当社の経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
④ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社のキャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社における主な資金需要は、運転資金及び設備投資資金であります。これらの資金需要につきましては、自己資金を基本としつつ、必要な資金が生じた場合は、銀行借入により調達する方針であります。
なお、当事業年度末において、金融機関等からの借入はありません。
(注) 契約期間は3ヶ月単位の都度更新となっておりますが、本書提出日時点において本契約は継続しており、現時点
において契約解除は予定されておりません。
なお、両社との契約は、相手方が本契約の規定の一にでも違反した場合、所定の手順を経て契約の全部または一部を解除することができる内容となっております。
(注) 1.現在休止中の主要な設備はありません。
2.本社及びその他事務所の建物は賃借しており、その年間賃借料は90,588千円であります。
(注)1.2022年2月16日開催の取締役会決議により、2022年4月1日付で普通株式1株につき10株の割合で株式分割
を行っております。これにより、発行済株式総数は5,490,000株増加しております。
2.2022年3月29日開催の株主総会決議により、2022年4月1日付で1単元を100株とする単元株制度を採用して
おります。
3.当社株式は2022年10月26日付で、東京証券取引所グロース市場に上場いたしました。
4.2022年10月25日を払込期日とする公募による新株式発行による増資により、発行済株式総数が1,000,000株増
加しております。
第1回新株予約権
※ 当事業年度の末日(2022年12月31日)における内容を記載しております。なお、提出日の前月末現在(2023年2月28日)において、これらの事項に変更はありません。
(注) 1.新株予約権1個につき目的となる株式数は、20,000株であります。
当社が株式分割又は株式併合を行う場合、次の算式により目的となる株式の数を調整するものとする。ただし、かかる調整は、新株予約権のうち、当該時点で権利行使されていない新株予約権の目的となる株式の数について行われ、調整の結果生じる1株未満の端数については、これを切り捨てる。
2.新株予約権の割当日後、当社が株式分割(無償割当てを含む。)又は株式併合を行う場合は、次の算式により行使金額を調整し、調整により生ずる1円未満の端数は切り上げる。
また、当社が行使価額を下回る払込価額で募集株式の発行又は自己株式の処分を行う場合は、次の算式に
より行使価額を調整し、調整により生ずる1円未満の端数は切り上げる。
3.組織再編成行為に伴う新株予約権の交付に関する事項は、以下のとおりであります。
当社が消滅会社となる吸収合併若しくは新設合併、当社が分割会社となる吸収分割若しくは新設分割又は
当社が完全子会社となる株式交換若しくは株式移転(以下これらを総称して「組織再編行為」という。)を
行う場合は、組織再編行為の効力発生日の直前において残存する本新株予約権の権利者に対して、手続に応
じそれぞれ合併における存続会社若しくは新設会社、会社分割における承継会社若しくは新設会社、又は
株式交換若しくは株式移転における完全親会社(いずれの場合も株式会社に限る。以下総称して「再編対象
会社」という。)の新株予約権を、下記の方針に従って交付することとする。ただし、下記の方針に従って
再編対象会社の新株予約権を交付する旨を、組織再編行為にかかる契約又は計画において定めた場合に限
るものとする。
① 交付する再編対象会社の新株予約権の数
権利者が保有する本新株予約権の数と同一の数をそれぞれ交付するものとする。
② 新株予約権の目的である再編対象会社の株式の種類
再編対象会社の普通株式とする。
③ 新株予約権の目的である再編対象会社の株式の数
組織再編行為の条件等を勘案の上、(注)1.に準じて決定する。
④ 新株予約権の行使に際して出資される財産の価額又はその算定方法
組織再編行為の条件等を勘案の上、(注)2.で定められる行使価額を調整して得られる再編後行使価
額に(注)1.に従って決定される当該新株予約権の目的である再編対象会社の株式の数を乗じた額と
する。
⑤ 新株予約権を行使することができる期間
新株予約権を行使することができる期間の初日と組織再編行為の効力発生日のうちいずれか遅い日か
ら、新株予約権を行使することができる期間の末日までとする。
⑥ 権利行使の条件、取得事由、その他の新株予約権の内容
本新株予約権の内容に準じて、組織再編行為に係る契約又は計画において定めるものとする。
⑦ 新株予約権の譲渡制限
新株予約権の譲渡について、再編対象会社の取締役会(取締役会非設置会社の場合は株主総会)の承認
を要するものとする。
⑧ 組織再編行為の際の取扱い
本項に準じて決定する。
4.2021年3月15日開催の取締役会決議により、2021年4月20日付で普通株式1株につき2,000株の割合で株式
分割を、2022年2月16日開催の取締役会決議により、2022年4月1日付で普通株式1株につき10株の割合で株式分割を行っております。これにより、「新株予約権の目的となる株式の種類、内容及び数」、「新株予約権の行使時の払込金額」、「新株予約権の行使により株式を発行する場合の株式の発行価格及び資本組入額」が調整されております。
第2回新株予約権
※ 当事業年度の末日(2022年12月31日)における内容を記載しております。なお、提出日の前月末現在(2023年2月28日)において、これらの事項に変更はありません。
(注) 1.新株予約権1個につき目的となる株式数は、10株であります。
当社が株式分割又は株式併合を行う場合、次の算式により目的となる株式の数を調整するものとする。ただし、かかる調整は、新株予約権のうち、当該時点で権利行使されていない新株予約権の目的となる株式の数について行われ、調整の結果生じる1株未満の端数については、これを切り捨てる。
2.新株予約権の割当日後、当社が株式分割(無償割当てを含む。)又は株式併合を行う場合は、次の算式により行使金額を調整し、調整により生ずる1円未満の端数は切り上げる。
また、当社が行使価額を下回る払込価額で募集株式の発行又は自己株式の処分を行う場合は、次の算式に
より行使価額を調整し、調整により生ずる1円未満の端数は切り上げる。
3.組織再編成行為に伴う新株予約権の交付に関する事項は、以下のとおりであります。
当社が消滅会社となる吸収合併若しくは新設合併、当社が分割会社となる吸収分割若しくは新設分割又は
当社が完全子会社となる株式交換若しくは株式移転(以下これらを総称して「組織再編行為」という。)を
行う場合は、組織再編行為の効力発生日の直前において残存する本新株予約権の権利者に対して、手続に応
じそれぞれ合併における存続会社若しくは新設会社、会社分割における承継会社若しくは新設会社、又は
株式交換若しくは株式移転における完全親会社(いずれの場合も株式会社に限る。以下総称して「再編対象
会社」という。)の新株予約権を、下記の方針に従って交付することとする。ただし、下記の方針に従って
再編対象会社の新株予約権を交付する旨を、組織再編行為にかかる契約又は計画において定めた場合に限
るものとする。
① 交付する再編対象会社の新株予約権の数
権利者が保有する本新株予約権の数と同一の数をそれぞれ交付するものとする。
② 新株予約権の目的である再編対象会社の株式の種類
再編対象会社の普通株式とする。
③ 新株予約権の目的である再編対象会社の株式の数
組織再編行為の条件等を勘案の上、(注)1.に準じて決定する。
④ 新株予約権の行使に際して出資される財産の価額又はその算定方法
組織再編行為の条件等を勘案の上、(注)2.で定められる行使価額を調整して得られる再編後行使価
額に(注)1.に従って決定される当該新株予約権の目的である再編対象会社の株式の数を乗じた額と
する。
⑤ 新株予約権を行使することができる期間
新株予約権を行使することができる期間の初日と組織再編行為の効力発生日のうちいずれか遅い日から、新株予約権を行使することができる期間の末日までとする。
⑥ 権利行使の条件、取得事由、その他の新株予約権の内容
本新株予約権の内容に準じて、組織再編行為に係る契約又は計画において定めるものとする。
⑦ 新株予約権の譲渡制限
新株予約権の譲渡について、再編対象会社の取締役会(取締役会非設置会社の場合は株主総会)の承認
を要するものとする。
⑧ 組織再編行為の際の取扱い
本項に準じて決定する。
4.2022年2月16日開催の取締役会決議により、2022年4月1日付で普通株式1株につき10株の割合で株式分
割を行っております。これにより、「新株予約権の目的となる株式の種類、内容及び数」、「新株予約権の行使時の払込金額」、「新株予約権の行使により株式を発行する場合の株式の発行価格及び資本組入額」が調整されております。
第3回新株予約権
※ 当事業年度の末日(2022年12月31日)における内容を記載しております。なお、提出日の前月末現在(2023年2月28日)において、これらの事項に変更はありません。
(注) 1.新株予約権1個につき目的となる株式数は、10株であります。
当社が株式分割又は株式併合を行う場合、次の算式により目的となる株式の数を調整するものとする。ただし、かかる調整は、新株予約権のうち、当該時点で権利行使されていない新株予約権の目的となる株式の数について行われ、調整の結果生じる1株未満の端数については、これを切り捨てる。
2.新株予約権の割当日後、当社が株式分割(無償割当てを含む。)又は株式併合を行う場合は、次の算式により行使金額を調整し、調整により生ずる1円未満の端数は切り上げる。
また、当社が行使価額を下回る払込価額で募集株式の発行又は自己株式の処分を行う場合は、次の算式に
より行使価額を調整し、調整により生ずる1円未満の端数は切り上げる。
3.組織再編成行為に伴う新株予約権の交付に関する事項は、以下のとおりであります。
当社が消滅会社となる吸収合併若しくは新設合併、当社が分割会社となる吸収分割若しくは新設分割又は
当社が完全子会社となる株式交換若しくは株式移転(以下これらを総称して「組織再編行為」という。)を
行う場合は、組織再編行為の効力発生日の直前において残存する本新株予約権の権利者に対して、手続に応
じそれぞれ合併における存続会社若しくは新設会社、会社分割における承継会社若しくは新設会社、又は
株式交換若しくは株式移転における完全親会社(いずれの場合も株式会社に限る。以下総称して「再編対象
会社」という。)の新株予約権を、下記の方針に従って交付することとする。ただし、下記の方針に従って
再編対象会社の新株予約権を交付する旨を、組織再編行為にかかる契約又は計画において定めた場合に限
るものとする。
① 交付する再編対象会社の新株予約権の数
権利者が保有する本新株予約権の数と同一の数をそれぞれ交付するものとする。
② 新株予約権の目的である再編対象会社の株式の種類
再編対象会社の普通株式とする。
③ 新株予約権の目的である再編対象会社の株式の数
組織再編行為の条件等を勘案の上、(注)1.に準じて決定する。
④ 新株予約権の行使に際して出資される財産の価額又はその算定方法
組織再編行為の条件等を勘案の上、(注)2.で定められる行使価額を調整して得られる再編後行使価
額に(注)1.に従って決定される当該新株予約権の目的である再編対象会社の株式の数を乗じた額と
する。
⑤ 新株予約権を行使することができる期間
新株予約権を行使することができる期間の初日と組織再編行為の効力発生日のうちいずれか遅い日か
ら、新株予約権を行使することができる期間の末日までとする。
⑥ 権利行使の条件、取得事由、その他の新株予約権の内容
本新株予約権の内容に準じて、組織再編行為に係る契約又は計画において定めるものとする。
⑦ 新株予約権の譲渡制限
新株予約権の譲渡について、再編対象会社の取締役会(取締役会非設置会社の場合は株主総会)の承認
を要するものとする。
⑧ 組織再編行為の際の取扱い
本項に準じて決定する。
4.2022年2月16日開催の取締役会決議により、2022年4月1日付で普通株式1株につき10株の割合で株式分
割を行っております。これにより、「新株予約権の目的となる株式の種類、内容及び数」、「新株予約権の行使時の払込金額」、「新株予約権の行使により株式を発行する場合の株式の発行価格及び資本組入額」が調整されております。
5.付与対象者の退職による権利の喪失により、本書提出日現在の「付与対象者の区分及び人数」は、当社従
業員1名となっております。
該当事項はありません。
(注) 1.有償第三者割当
発行価格 10,000円
資本組入額 10,000円
割当先 山本浩司
2.資本金への組入
3.有償第三者割当
発行価格 900,000円
資本組入額 450,000円
割当先 小椋祐治
4.株式分割(1:2,000)によるものであります。
5.株式分割(1:10)によるものであります。
6.有償一般募集(ブックビルディング方式による募集)
発行価格 1,440円
引受価額 1,324.80円
資本組入額 662.40円
2022年12月31日現在