株式会社アイビス
(注) 1.当社は連結財務諸表を作成しておりませんので、連結会計年度に係る主要な経営指標等の推移については記載しておりません。
2.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第24期の期首から適用しており、第24期に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
3.第22期については、広告宣伝費が増加したことにより、経常損失及び当期純損失を計上しております。
4.持分法を適用した場合の投資利益については、関連会社を有しておりませんので記載しておりません。
5.1株当たり配当額及び配当性向については、配当を実施していないため記載しておりません。
6.潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式は存在するものの、当社株式は非上場であり、期中平均株価が把握できないため記載しておりません。
7.株価収益率は、当社株式が非上場であるため記載しておりません。
8. 第19期から第21期まではキャッシュ・フロー計算書を作成していないため、キャッシュ・フローに係る各項目については記載しておりません。
9.従業員数には正社員の他、使用人兼務役員、契約社員を含んでおり、臨時雇用者(パート・アルバイト及び派遣社員)は含んでおりません。なお、平均臨時雇用者数は、臨時雇用者数の総数が従業員数の100分の10未満であるため記載を省略しております。
10.第21期は決算期変更により2019年10月1日から2019年12月31日までの3ヶ月間となっております。
11.第22期から第24期の財務諸表については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、仰星監査法人により監査を受けております。なお、第19期から第21期については、会社計算規則(平成18年法務省令第13号)の規定に基づき算出した各数値を記載しており、金融商品取引法第193条の2第1項の規定による監査証明を受けておりません。
12.2019年7月19日付で1株につき100株の株式分割を行いましたが、第19期の期首に当該株式分割が行われたと仮定し、1株当たり純資産額及び1株当たり当期純利益又は1株当たり当期純損失を算定しております。
13.第19期から第24期の株主総利回り及び比較指標、最高株価、最低株価については、2023年3月23日に東京証券取引所グロース市場に上場したため、記載しておりません。
(注)株式会社アイビスモバイルは、2016年12月1日に吸収分割契約により当社からモバイル事業に係る権利義務を承継した会社であり、2016年12月から2019年9月までモバイルペイントアプリ『ibisPaint』の開発及び運営を行っておりましたが、株式上場を見据え、2019年9月30日に当社が株式会社アイビスモバイルを吸収合併いたしました。このため、2016年12月から2019年9月までの『ibisPaint』の数値は当社の財務諸表に含まれておりません。
当社は事業の種類別に、「モバイル事業」と「ソリューション事業」を展開しております。事業の区分は「第5 経理の状況 1財務諸表等(1)財務諸表 注記事項」に揚げるセグメント情報の区分と同一であります。

※ 売上構成比は2022年12月期の実績を基に算出しております。
(1) モバイル事業
モバイル事業においては「モバイル無双で世界中に“ワォ!”を創り続ける」をミッションとしております。「作画工程を動画にして絵を描く楽しさを共有したい」というコンセプトから、当社が自社開発したiOS・Android用モバイルペイントアプリ『ibisPaint』の開発、サービス運営、さらには『ibisPaint』で制作された全世界のユーザコンテンツに発表の場を与えるオンラインギャラリー「ibispaint.com」の運営を行う事業セグメントであります。モバイル事業に関する事業系統図は、次のとおりであります。

※SSPとは「Supply Side Platform」の略で、Supply-Side(媒体社、メディア)が広告収益を最大化するためのプラットフォームのこと。
※プラットフォーム事業者とは「Google Play」を運営するGoogle LLCや「App Store」を運営するApple Inc.等のこと。
■ ビジネスモデル
当社は『ibisPaint』をモバイルアプリ提供プラットフォームである「Google Play」や「App Store」等を通じてユーザに提供しております。
『ibisPaint』は無料で基本的な機能を使用することのできるアプリで、『ibisPaint』上にバナー広告や動画広告等が表示されるようになっており、当社はこの広告枠に複数のSSP事業者から提供される広告をアドネットワーク(注1)を通じて表示することにより、SSP事業者ごとに最適化された広告収益を得ております。SSP事業者への広告枠の提供は本事業の広告ビジネスにおける主な収益源となっております。また、より快適に利用していただくために、2つの有料サービスを提供しております。1つは、広告非表示機能を含む追加機能や追加素材等の利用が可能となる定額課金型のプレミアム会員サービスの提供(サブスクリプション)であり、月額課金制と年額課金制の2種類の方法があります。もう1つは、アプリ上の広告が非表示となる売切型アプリの提供であり、初回インストール時に広告非表示機能付の有料版を購入する方法と無料版のインストール後に広告除去アドオンを購入する方法があります。両サービスは本事業のBtoCビジネスモデルにおける主な収益源となっております。
上記、アプリ広告売上及びアプリ課金収入については、ユーザの獲得・維持が収益構造の源泉となっております。そのため広告投資(広告宣伝費)を計画的に行っております。また『ibisPaint』は、世界の19言語に対応したアプリであり、積極的な海外プロモーション投資(投資対象国は61ヶ国)を実施し、ユーザ数の増加及び収益の拡大に繋げております。
(注1):複数の広告媒体を集めて広告配信ネットワークを作り、それらの媒体に広告をまとめて配信する仕組みのこと。

※ 売上高及び売上構成比は2022年12月期の実績を基に算出しております。
■ 事業の特徴
① 無料でほぼフル機能、全世界で2.9億ダウンロード超え
『ibisPaint』は自社開発のモバイルペイントアプリであります。世界各国、趣味としてイラストを描く人、職業としてイラストを描く人、すき間時間にイラストを描く人が多く存在します。イラストを描く年齢層も幅広く、スマホを使い始めた子供からシニアまでほとんど網羅しています。このアプリの最大の特徴は「ほぼフル機能を無料で提供している」ことです。結果的に2021年日本企業発のアプリとして世界ダウンロード数No.1(注2)を記録しており、MAU(注3)においても2022年12月に全世界で4,000万人に達しております。『ibisPaint』は、世界のどこかで「1秒で2.7人にダウンロード」(注4)され拡がり続けています。
(注2):No.1表記はApple Store+Google Play合算(Data.ai調べ)。
(注3):「Monthly Active Users」の略で、月あたりのアクティブユーザ数を示す。
ソーシャルメディアやソーシャルアプリなどで、適切な利用者数を示す値として使われる指標。
(注4):2022年の年間新規DL数84,888,447を基に算出。

※ 2016年12月から2019年9月までの『ibisPaint』の数値は当社の財務諸表に含まれておりませんが、参考情報として記載しております。
② 自社運営のオンラインギャラリー「ibispaint.com」(注5)
『ibisPaint』で創り出されたイラストを投稿できるメディア「ibispaint.com」は、ユーザから投稿された作品がイラスト、マンガ等の種別に日別、月間、年間ランキング形式で閲覧できるようになっている他、投稿されている作品データをダウンロードすることができ、お絵かきのテクニックを学ぶこともできるようになっております。これらの特色により、作品へのコメント等を通じてユーザ同士のコラボレーションが活発に行われております。
(注5):「ibispaint.com」は、作品の投稿、ユーザの交流等のサービス提供を目的としており、収益はありません。
③ 海外ユーザ数が日本国内ユーザ数を上回る
当社アプリの最大の特徴は全世界で支持されていることです。2022年12月末現在『ibisPaint』の累計ダウンロード数において、海外のユーザ数は全体の92.5%に達しており、日本国内のユーザ数を上回っております。この理由としては、「言語を要しないイラスト制作」分野であること、主要な「19ヶ国語の言語対応」をしていること、有料版を購入しなくても「ほぼフル機能が無料で使える」ことが挙げられます。
ユーザ獲得手法については、2016年9月期以降、世界61ヶ国のインターネット広告に出稿しており、広告出稿による効果に関するデータをモニタリングすることで、効果的な海外プロモーションを実施しております。国内人口は減少が見込まれるなかで、まだまだ増える世界人口を相手にすること、増え続ける「モバイル」ユーザを対象にしていることは大きなアドバンテージであります。
④ Z世代のユーザ割合が多い
1990年代中盤以降に生まれた世代が、Z世代です。ニュースにも頻繁に取り上げられているZ世代は、SNS等の発信力もあり、これからの社会の消費行動や価値観の中心になり得る存在です。また顧客生涯価値(注6)を高めることにおいてZ世代を取り込むことは極めて重要であると考えております。
『ibisPaint』のユーザ属性を年代別に分析したところ、『ibisPaint』のZ世代はすでに61.6%に達しています(2022年12月末時点の数値:data.ai調べ)。『ibisPaint』は全世界のZ世代を中心にユーザを拡大しております。
(注6):顧客が生涯を通じて企業にもたらす利益(Life Time Value)のこと。
⑤ 無料版ユーザからの収益
無料版でも「ほぼフル機能のアプリ」を提供、という部分に、当社の一番の強みがあります。通常、アプリビジネスは、サブスクリプション(継続課金)や購入(売切課金)をどれだけ獲得するかが鍵になると考えられています。当社の無料版アプリはユーザに配信される広告から収益を得ています。無料だから簡素なアプリでいい、無料だから縮小版でいい、という考えではなく、全世界中イラストを思い思いの場所・タイミングで描いてほしい、そんな気持ちから「ほぼフル機能」のアプリを無料で提供し続けています。また、無料版が充実していることから、高い水準の顧客満足度を実現しています。満足度が高いことで以下のユーザ行動につながっております。

※ 2022年12月末時点のアプリストア評価
a. リテンション(顧客の囲い込み、流失防止)
顧客満足度が低いアプリであれば、顧客は使用を停止し、競合アプリに乗り換えてしまいます。顧客満足度の高さはリテンションに直結しています。またイラストを描くという行動上、慣れたアプリから他のアプリにスイッチする、ということは時間が経てば経つほど難しくなります。
b. 顧客生涯価値への貢献
無料版であっても顧客がアクティブであり続ける限り広告料収入をもたらします。
⑥ 差別化の源泉
モバイル事業では、モバイル最適化、優秀なエンジニア、スピードへのこだわりが三位一体となって、『ibisPaint』の開発力・サービス運営において他社製品との差別化を図っております。

※ GPUとは「Graphics Processing Unit」の略で、3D画像描写などを行う際に必要となる計算処理を行う半導体チップ(プロセッサ)のこと。
※ UIとは「User Interface」の略で、ユーザとモバイルアプリとのインターフェース(接点)全てのことを表す。
※ UXとは「User experience」の略で、ユーザがモバイルアプリを通じて得られる体験を表す。
(2) ソリューション事業
ソリューション事業では大きく分けて2つのサービスを展開しております。1つは労働者派遣法に基づくシステムエンジニア等のIT技術者派遣サービス、そしてもう1つはモバイルアプリやWebアプリ等の受託開発・運用保守及びクラウドコンピューティングサービスである「AWS(注7)」を用いたサーバ構築・移行・運用保守等の受託開発サービスであります。当社には20年以上培ってきた開発力があり、新技術・開発環境に対応可能な優秀なエンジニアも在籍しております。その技術力をIT技術者派遣・受託開発として企業向けに提供を行う事業セグメントであります。本事業のビジネスモデルは以下のとおりであります。
(注7):AWSとは、Amazon Web Services,Inc.のクラウドコンピューティングサービス「Amazon Web Service」の略称のこと。
■ ビジネスモデル
IT技術者派遣は、当社が無期雇用契約を締結したシステムエンジニア等の技術者を、労働者派遣契約に基づき、顧客である求人企業(派遣先企業)に派遣し、その人材派遣料を収益源とするビジネスモデルであります。
受託開発は主に請負契約又は準委任契約によるもので、モバイルアプリの受託開発・運用保守を受託しております。受託開発に係る売上は、フロー型の収益モデルであり、運用保守に係る売上は受託開発したアプリの運用が継続する限りは安定的に収益が見込めるストック型の収益モデルであります。AWSを用いたサーバ構築・移行・運用保守については原則として当社内のみで行っており、収益モデルはアプリの受託開発・運用保守と同様であります。

※ 売上高及び売上構成比は2022年12月期の実績を基に算出しております。
ソリューション事業に関する事業系統図は、次のとおりであります。

■ 事業の特徴
① IT技術者派遣の特徴
当社は2001年12月に常時雇用される労働者(無期雇用者)だけを派遣の対象とする特定労働者派遣事業の届け出を行いました。以降、システムエンジニア等のIT技術者派遣に特化して事業を行っております。また、2018年3月には労働者派遣事業の許認可を取得し、有期雇用者の派遣も行えるようになりましたが、高い技術力や豊富な経験を有するシステムエンジニア等を自社で育て、派遣先企業との長期的な関係を構築するという方針の下、引き続き、無期雇用者の派遣のみ行っております。雇用者に対しては、能力や職位に応じた教育カリキュラムを構築し、当社の経験豊富なエンジニアが講師として研修を行う等、スキルアップの機会を多く設けるように努めております。
『ibisPaint』の開発・運用実績やソリューション事業における様々なアプリ等の受託開発実績は本サービスの強みとなっており、ホームページを見た顧客からの直接受注獲得や受託開発の顧客からの紹介受注獲得に繋がっております。
派遣先社数及び派遣人数は下記のとおり、2016年9月期以降、増加傾向で推移しておりました。2020年12月期からは新型コロナウイルス感染症の影響を受けて派遣先社数が減少しておりますが、情報通信技術の発展によるデジタルトランスフォーメーション(DX)や多様なITサービスが展開している中においてIT人材の需要は今後も高まる傾向が見込まれ、引き続き本サービスを拡大していく方針であります。
派遣先社数及び派遣人数の推移

※ 派遣先社数は各事業年度の平均値を集計。派遣技術者数は待機人員を除いた各事業年度の平均値を集計。
② 受託開発の特徴
スマートフォンやタブレット端末の登場以降、急速な情報通信技術の発展により様々な分野においてデジタルサービスの創出、利活用が進む中において、当社は顧客のIT戦略を推進するためのベストパートナーとして技術を提供し、よりエキサイティングでスピーディな社会の創出の一役を担いたいという考えから以下の5つのポリシーを掲げております。
・顧客第一主義
顧客視点に立った場合、時にはお客様と意見が食い違う場合もありますが、過去事例や最新の動向をふまえ、双方納得がいくまでディスカッションし、最良の解を導き出します。
・プロジェクトマネジメント
最初に開発するアプリに最適なプロジェクトスコープをご提案し、合意されたスコープに基づき、安心してお任せいただけるマネジメント体制を確立いたします。
・蓄積された高い技術力
これまで自社アプリを含め、数多くの開発案件に携わり培ってきた高い技術力を最大限に活かし、最新の技術も取り入れながら開発を進めていきます。
・スピード対応
顧客のニーズ、お客様のご要望、トレンドの変化などに、スピーディに対応。また高い技術をもった技術者が密に連携をとってスピーディに開発します。
・ワンストップ
アプリの企画から、設計・開発・テスト・リリースまではもちろんのこと、インフラ設計、構築、運用支援までワンストップでサポートします。
有限会社アイビスとして設立以降、当社はNTTドコモ社フィーチャーフォンi-mode用サイト『NetIbis』のリリースを皮切りに、Eコマースシステム『Ibis Ecom System』、フィーチャーフォン用フルブラウザアプリ『ibisBrowser』、フィーチャーフォン用フルメーラアプリ『ibisMail』及びiPhone・iPad用メールアプリ『ibisMail for iPhone/iPad』といった様々なモバイルアプリを時代のニーズに合わせて開発し、提供してまいりました。モバイル事業で培ったこれらアプリの開発技術やリリース、運用ノウハウを有していることがソリューション事業としての強みにもなっており、企画段階やユーザインターフェース(UI)/ユーザエクスペリエンス(UX) に関するご相談にも対応することができる他、アプリと連携するバックエンドのWebシステム等も含めた設計から開発・運用までを自社においてワンストップで開発することが可能となっております。
また、当社は「AWS Partner Network(APN)」として、サーバ上で動作するアプリケーションに最適な設計を考慮したAWSでのサーバ構築や移行等から運用・保守及び新規事業への導入コンサルティング等も行っております。
該当事項はありません。
(注) 1.従業員数には正社員の他、契約社員を含んでおり、臨時雇用者(パート・アルバイト及び派遣社員)は含んでおりません。なお、平均臨時雇用者数は、臨時雇用者数の総数が従業員数の100分の10未満であるため記載を省略しております。
2.平均年間給与には賞与及び基準外賃金を含んでおります。
3.前事業年度末に比べ従業員数が29名増加しております。主な理由は、業容の拡大に伴い期中採用が増加したことによるものであります。
(注) 1.従業員数には正社員の他、契約社員を含んでおり、臨時雇用者(パート・アルバイト及び派遣社員)は含んでおりません。なお、平均臨時雇用者数は、臨時雇用者数の総数が従業員数の100分の10未満であるため記載を省略しております。
2.全社共通として記載されている従業員数は、管理部門に所属している従業員数であります。
労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。
文中の将来に関する事項は、提出日現在において当社が判断したものであります。
(1) 経営方針
当社は以下のミッション、ビジョン及び経営理念を掲げております。
<ミッション>

アイビスはモバイルに精通した技術者集団。
「モバイルペイントアプリ」で世界のコミュニケーションを創造する。
<ビジョン>

アイビスの「IBIS」は、"Ibis is Beyond the Internet Service"を意味しています。これは、アイビスが、ネットワークサービスを通じて、「人と人をつなぐ」ことを目的として設立された会社であることを表しています。アイビスは、これからのネットワーク社会において、顧客に対し、我々の技術を提供し、よりエキサイティングでスピーディな社会の創出の一役を担えればと思っております。
<経営理念>
■高い技術とスピードのアイビス
アイビスは、単にネットワークサービスを提供する会社ではありません。常に顧客に最もマッチしたソフトウェアを開発し、高い技術力でいかなる障壁も打破します。また、スピーディな経営と、素早い顧客対応を行い、お客様のIT戦略をいち早く実現します。
■顧客第一主義
アイビスは、顧客を第一に考えています。まず、顧客の方向へ向き(Oriented)、対話をし(Communication)、問題を解決し(Solution)、満足していただき(Satisfaction)、信頼を得る(Reliance)というプラスのスパイラルの構築を行います。

■大きくなってもベンチャー魂
アイビスは、会社の規模が大きくなっても初心を忘れず、高い技術とスピードを維持し続け、熱いベンチャー魂で未来の社会を開拓し続けます。
(2) 経営環境
<モバイル事業>
2020年は世界的に消費者の物理的欲求、購買行動がオンラインの場に移行し、巣ごもり需要から家の中でも楽しめるゲーム、動画、音楽、書籍等のデジタルコンテンツ需要が全般的に高まったと考えられます。当社の主要サービスである『ibisPaint』を含むモバイル向けアプリ市場規模は、日本だけでなく世界においても年々拡大しており、総務省が公表する令和3年版情報通信白書によると、2016年以降右肩上がりで推移しており、2023年以降も拡大していく予測がされております。また、2021年の広告市場は新型コロナウイルス感染症の影響が緩和したことで拡大しており、その中でもインターネット広告費は他の媒体と比べ最も大きな成長率(株式会社電通「2021年日本の広告費」)となっており、モバイル向けアプリ市場規模の拡大と相関して今後も拡大していくと予測しております。
当社のアプリは累計92.5%が海外からのダウンロードですが、同市場においては、発展途上段階や人口増加の国も多数あり、『ibisPaint』にはまだまだ多くの未開拓ユーザが全世界に存在すると考えております。
当社は市場の大きさを以下に想定しております。
a.ネット広告市場
(注1):TAM(Total Addressable Market)獲得可能な最大市場規模のこと。
(注2):当社売上高実績は2022年12月期の数値(以下、同様)。
(注3):ネット広告市場(国内)におけるTAMの額は、株式会社電通が作成した調査レポート「2021年 日本の広告費」の2021年「インターネット広告媒体費」より抜粋。ターゲット市場の額は、デジタル絵を描くユーザの割合11.1%(2022年3月25日~2022年3月28日に株式会社クロス・マーケティングで実施した日本でのお絵かきアプリに関するアンケート調査を基に算定)をTAMの額に掛けて算出。
(注4):ネット広告市場(海外)におけるTAMの額は、Grand View Research, Inc.が作成した「In-app Advertising Market Report Scope」の「Market size value in 2021」14兆6,055億円(USD 110.9 billion。円へは2022年12月30日時点のTTBレート131.7円で換算)に株式会社電通が作成した調査レポート「2021年 日本の広告費」のインターネット広告費に対する媒体費三種類の割合59.9%を掛けて算出。ターゲット市場の額は、デジタル絵を描くユーザの割合11.1%をTAMの額に掛けて算出。
b.アプリ販売市場
(注5):アプリ販売市場(国内)におけるTAMの額は、経済産業省が作成した調査レポート「電子商取引に関する市場調査の結果(2022年8月12日公表)」の2021年「デジタル系分野のBtoC-EC市場規模 > ⑤その他」より抜粋。ターゲット市場の額は、デジタル絵を描くユーザの割合11.1%をTAMの額に掛けて算出。
(注6):アプリ販売市場(海外)におけるTAMの額は、Grand View Research, Inc.が作成した「Mobile Application Market Report Scope」の「Market size value in 2021」24兆7,042億円(USD 187.58 billion。円への換算方法は(注3)と同じ)に、2021年の「デジタル系分野のBtoC-EC市場規模」の「合計」に対する「⑤その他」の割合6.0%を掛けて算出。ターゲット市場の額は、デジタル絵を描くユーザの割合11.1%をTAMの額に掛けて算出。
<ソリューション事業>
2019年3月に経済産業省が公表したIT人材需給に関する調査によると、IT人材の供給数は減っていく一方で、需要数が高まることから需給ギャップが拡がり、2030年には約41万人から79万人のIT人材不足が生じると見られております。2020年においてはコロナ禍による世界的な経済停滞の影響を受け、派遣技術者の待機コスト増加等により当社は減益となりましたが、IT分野は製造業等と比較するとテレワークによる稼働も容易であり、IT人材需要の底堅さがあると考えられることから、コロナ禍がどこまで続くか不透明な状況においても、影響は限定的であり、中長期的に市場は拡大していくものと考えております。
また、日本企業において「DX化」というトレンドがあります。特に業務の効率化、働き方改革などでは「スマホ化」の需要は一段と増えております。さらに受託開発に目を向けると、大手企業からのロボティクス案件などもあり、これからも当社の最新技術思考が顧客にアピールできると考えております。PCから「スマホ×DX化」という相乗効果による追い風を受けて、ソフトウェア開発市場は持続的に拡大していくものと考えられます。
(注7):IT技術者派遣市場におけるTAMの額は、「令和2年度労働者派遣事業報告書の集計結果(厚生労働省)」及び「労働者派遣事業の令和3年6月1日現在の状況(厚生労働省)」より算出。ターゲット市場の額は、「令和2年度労働者派遣事業報告書の集計結果(厚生労働省)」の労働者派遣事業に係る総売上高のうち、当社事業者拠点が属する地域の割合をTAMの額に掛けて算出。
(注8):受託開発市場におけるTAMの額は、「平成30年特定サービス産業実態調査(経済産業省)」の「受注ソフトウェア開発」の年間売上高より抜粋。ターゲット市場の額は、当社の事業所が存在する都道府県の「受注ソフトウェア開発」の年間売上高(東京都4兆7,585億円、愛知県6,245億円、大阪府1兆4億円)の合計額から算出。
(3) 経営戦略
<モバイル事業>
モバイル事業は、ターゲット市場に対して売上規模が極めて小さく、当面は世界的なマーケットで売上拡大に注力するステージであると考えております。
① 高機能戦略
『ibisPaint』はリリース当初より、モバイル端末用に適合、最適化することを念頭に置いて開発した自社製品ですが、競合他社の製品は、一般的にハードウェアの性能が高いPC端末用に開発された製品が多く、かつ、開発において多大な人件費を継続的に投入しております。当社の製品は、プロのイラストレーター等が使用するパソコンのペイントソフト並みの機能を搭載しているものの、他社との差別化において、継続的な改善と新機能の追加、及びモバイル端末用としてのさらなるUI(ユーザインターフェイス)の強化は事業戦略上の根幹をなすものであります。加えて、昨今のAI(人工知能)技術の発展等により、さらに付加価値を高めた製品の開発も可能となっていることから、当面は、高機能戦略を踏襲し、ユーザにとって魅力のある製品を開発し続けることによって、全世界でのシェアの拡大を進めてまいります。
② 定額課金(サブスクリプション)強化
同事業におけるBtoCビジネスにおける収益源としましては、広告非表示機能を含む追加機能や追加素材等の利用が可能となるサブスクリプション(定額課金)型のプレミアム会員サービスと、アプリ上の広告が非表示となる売切型アプリの2種類の方法があります。これまでは累計ダウンロード数の増加=広告ビジネスにおける収益を最重視しておりましたが、今後は、プレミアム会員サービスへの誘導を強化するプロモーション策を実施し、同サービス経由での売上も増加させることにより、同事業内において、市況の影響を直接受けやすい広告ビジネスの売上に過度に依拠しないような収益構造を目指し、リスク分散してまいります。
③ 人材採用・育成強化
同事業におけるアプリ開発は、プログラミングの知識はもちろんのこと、線形代数等の数学的知識も必要とされるため、従来までは優秀な中途未経験者を厳選して採用し、中長期にわたって継続的に人材育成を行ってまいりました。しかし、付加価値の高い自社製品を継続的に開発するためには、今迄以上にモバイルアプリ開発エンジニアの採用及び人材育成を強化する必要があることから、今後は新卒・中途の両方において、高度な知識・経験のある人材の確保に積極的に取り組むとともに、体系的な研修制度の導入や、公正な人事評価制度などを整備し、人材の育成や定着に努めてまいります。
<ソリューション事業>
ソリューション事業も、モバイル事業と同様、ターゲット市場に対して売上規模が極めて小さく、当面は売上拡大に注力するステージであると考えております。
① SI(システムインテグレーション)体制構築
当社のソリューション事業は、IT技術者派遣と受託開発の2つのサービスを提供しておりますが、いずれもソフトウェアベンダーの域を出るものではありません。経営理念のとおり顧客に選定してもらえるよう、当社ならではの技術を磨き、上流工程であるシステム導入におけるコンサルティングから、下流行程である開発、運用までワンストップで構築、提供できる体制を積極的に推進してまいります。
② モバイルDX(デジタルトランスフォーメーション)支援
卓越したモバイル技術という強みを活かし、モバイルDXという追い風に乗って、新しい顧客を開発してまいります。
③ eラーニング強化
当社においては、従業員IT技術者の教育研修のため、eラーニングサービスを2018年より導入・運用しておりましたが、技術革新が著しい昨今において、より専門性が高く、より実務に役立つeラーニングサービスの追加提供や社外研修を新規導入するなど、より充実した教育訓練を実施してまいります。
④ 品質リスクマネジメント
モバイルアプリの受託開発については、主に請負契約で受注することが多く、時代に適合した品質管理の確立が重要となっております。会社として標準化された品質管理手法を取り入れることによって、より良い品質のシステムを顧客へ提供できるように事業を推進してまいります。
⑤ 人材採用
モバイル事業と同じく、ソリューション事業においても、あらゆる顧客の開発ニーズに応えられる、高い技術力を有する経験豊かなシステムエンジニアの採用を強化する必要があることから、これらの人材の確保に積極的に取り組んでまいります。
(4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は事業の成長性、収益性及び当社全体としての収益性を判断する指標として売上高、営業利益を重視しております。また、サービス別ではモバイル事業の主要サービスである『ibisPaint』の新規ダウンロード数、DAU(注)、及びソリューション事業の派遣技術者数を重要な指標として位置づけ、増加に向けた企業運営に努めております。なお、各指標の推移は以下のとおりであります。
(注):DAUは「Daily Active Users」の略で一日あたりのアクティブユーザのこと。
(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
① 営業強化策
<モバイル事業>
自社開発のモバイルペイントアプリ『ibisPaint』においては、ユーザのニーズ、トレンドの変化などにスピーディに対応し、AIやディープラーニングなど最先端の技術を活用することによって、顧客のさらなる拡大を図り、広告収入、及びサブスクリプション収入の増加を目指してまいります。
<ソリューション事業>
モバイルアプリの受託開発においては、コンシューマ向けアプリから業務アプリまで、常に新しい技術を取り入れながら、企画・設計から開発・運用・保守まで、ワンストップでトータルにSIサービスを提供する体制を構築してまいります。
IT技術者派遣においては、東京・名古屋・大阪の拠点を中心に、各クライアントの高い要望に対してスピーディかつ、的確に派遣技術者を送り込む体制を構築するとともに、クライアント・取引エリアの開拓・拡大を図ってまいります。
② 人材の確保及び育成
急速な技術革新への対応と、あらゆる職種での人材の質及び量の向上が事業拡大には不可欠であり、このような環境や変化に対応し、適切にニーズにあったサービスを提供できる体制を構築していくことが重要であると認識しております。そのために、優秀な人材の確保と育成は、事業発展のための根幹と考え、当社として必要な人材の定義を改めて明確化した上で、適時必要な戦力となる社員の採用を行い、育成していくことを、業容拡大への源泉としてまいります。
③ 内部管理体制の強化
当社は管理機能集中や各種システム導入による情報セキュリティ機能の向上及び、会社法だけでなく金融商品取引法にも対応した内部統制システムの整備を行うなど、有効性が高く、効率の良い内部管理体制の強化を行ってまいりました。今後は、前事業年度までに構築した体制を高機能に維持していくために人員の採用と育成に注力しながら、引き続き内部管理体制を強化していく方針であります。
④ 健全な財務基盤の構築
優秀な人材の採用及び育成、製品開発及び研究開発活動への対応を行うために、事業資金の安定的な確保が必要不可欠であると考えております。資金確保については、自己資金、金融機関からの借入、及び営業活動によるキャッシュ・フローから充当していくことを基本方針としております。
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において当社が判断したものであります。
(1) 事業環境に関するリスク
① インターネット広告市場動向の変化(顕在化の可能性:高、発生時期:特定時期なし、影響度:大)
広告市場は市場変化や景気動向の変動による影響を受けやすく、今後、急激な景気の変化等が生じた場合、広告及びインターネット広告の需要に影響する可能性があります。
当社はモバイル事業において広告市場の影響を抑えるような収益構造を目指し、BtoCビジネスである『ibisPaint』のプレミアム会員サービスへの誘導を強化するプロモーション策を実施してまいりますが、急激な景気の変化等が生じた場合、広告掲載案件や広告単価の減少等により、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
② ユーザ嗜好の変化(顕在化の可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:大)
モバイルアプリ市場内外において新しいコンテンツサービスが次々とリリースされ、ユーザの嗜好の移り変わりが激しい競争環境において、当社の提供するモバイルアプリがユーザのニーズ及びトレンドの変化にスピーディに対応できなかった場合、当社の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社はマーケティングによるユーザ嗜好の把握や既存ユーザからの意見の適時収集を通じて、モバイルアプリの開発、改良を行い、最適なモバイルアプリの提供に努めることで事業の継続及び拡大を図ります。
③ システム投資動向の変化(顕在化の可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
生産性向上のためのシステム化需要や情報通信技術の発達に伴うデジタルサービス等の需要増加により、システム投資動向が上向きである中、IT人材の数が不足していると感じている企業が増加傾向にあることから、当社ソリューション事業に関連するIT技術者派遣、受託開発の市場は拡大していくものと予測しております。しかし、経済状況の変化や景気低迷により、当社の予測に反してシステム投資動向が抑制傾向になった場合は、受注量の減少や取引価格の低下等により当社の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社は顧客のニーズに的確に対応できる人材確保のためにIT技術者への研修及び優秀な人材の採用と育成を推進することで事業の継続及び拡大を図ります。
世界的にSNS系のアプリや動画、音楽、ゲーム等のコンテンツ系アプリの利用ユーザが年々増加傾向にあり、当社モバイル事業に関連するモバイルアプリ市場は今後も拡大していくものと予測しております。しかし、当社の予測に反してモバイルアプリ市場が急激に縮小した場合、当社の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社はモバイル事業だけでなくソリューション事業についても収益の柱として位置づけており、事業ポートフォリオを拡大することでリスクを分散してまいります。
⑤ 技術革新について(顕在化の可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
当社は情報通信技術との関連性が高い事業を行っておりますが、当該分野はハード面、ソフト面いずれにおいても技術革新の速度及びその変化が著しく、新技術の開発や新サービスの提供が次々と行われております。技術革新へ対応できるようにアプリ関連の研究開発、システムエンジニア等のIT技術者への研修及び優秀な人材の採用と育成に努めておりますが、これらの施策を上回る速度で技術革新が進んだ場合や適切な対応ができなかった場合には、競合他社に対する当社の競争力が低下し、当社の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 事業内容に関するリスク
① 『ibisPaint』への依存について(顕在化の可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:大)
当社の売上構成比において、特定のサービス『ibisPaint』の比重が高く、その売上高の大半はユーザの広告閲覧による広告収入となっております。当社は、『ibisPaint』の利用を維持・促進するため、機能改善や新機能の追加、各種プロモーション等によるユーザの利用の活性化を図っておりますが、かかる対策が適時適切に行えなかった場合、又はかかる対策が功を奏さなかった場合など、何らかの理由によってユーザの興味・関心を維持できない場合、又は競合他社が当社より魅力あるサービスをリリースするなどして『ibisPaint』の競争力が低下した場合、アクティブユーザ数の減少、広告収入の低下等により、当社の事業、業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
② 広告宣伝について(顕在化の可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:大)
当社モバイル事業においては、アプリダウンロード数の増加並びに新規ユーザの獲得が売上高増加に繋がることから、広告宣伝活動は重要な投資であると認識しております。広告宣伝費の支出に関しては、費用対効果を測定し、最適な広告宣伝を実施するように努めております。しかしながら、当社の想定どおりの効果が得られない場合や、競合環境の変化等により広告宣伝費が増加した場合には、当社の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ 特定の取引先への依存について(顕在化の可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
当社モバイル事業はビジネスモデル上、Apple Inc.やGoogle LLC等のプラットフォーム運営事業者への依存が大きくなっております。そのため、これらプラットフォーム運営事業者の事業戦略の転換及び動向によっては、プラットフォーム運営事業者へ支払う手数料率の変動等の理由により、当社の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクに対する予防策として、当社はプラットフォーム運営事業者の動向を注視するとともに、業界団体等からの情報収集を適時に行うことで適切な対応策を講じてまいります。
④ 海外展開について(顕在化の可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
当社はモバイルアプリ提供プラットフォームである「Google Play」や「App Store」等を通じて海外ユーザにもモバイルアプリを提供しており、さらなるダウンロード数、ユーザ数の増加を目指して事業展開を行っていく方針であります。しかし、ユーザの嗜好や商慣習等が国ごとに本邦と大きく異なることもあり、当社の提供するサービス内容によってはアプリの提供停止や想定どおりに事業展開できない可能性があります。海外展開にあたってはこれらのリスクが発現しないように調査、翻訳、サービスの実装等を行っているものの、リスクが顕在化した場合は、当社の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、2022年2月以降のロシアによるウクライナ侵攻の影響については、プラットフォームからのアプリ提供も含め、ロシア国内におけるサービスを一時的に停止しておりますが、当社の業績に及ぼす影響は限定的であります。ウクライナ情勢の長期化やその他地政学的リスクの顕在化等により経済状況が悪化した場合には、当社の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 風評に関するリスクについて(顕在化の可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:小)
当社は、法令順守違反などの不適切な行為が発覚した場合は、速やかに適切な対応を図ってまいりますが、当社に対する悪質な風評が、インターネット上の書き込み等により発生・流布した場合、それが正確な事実に基づくものであるか否かにかかわらず、当社の社会的信用が毀損し、経営成績等に影響を与える可能性があります。
⑥ サービスの健全性について(顕在化の可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
当社の運営するモバイルアプリは、数多くのアドネットワーク事業者へ広告の掲載を委託しており、『ibisPaint』を配信する前に国内外のプラットフォーム運営事業者の基準や当社の基準に照らし、『ibisPaint』に表示される広告、当社運営サイト「ibispaint.com」へ掲載されるコンテンツ、その表現等の健全性を確保するように努めております。当社はアドネットワーク事業者との取引開始時における審査の実施や社内にて広告掲載基準を設けるなど、広告及びリンク先のサイトの内容についての管理を実施しております。また、当社従業員が定期的に既に掲載されている広告、広告のリンク先サイト及び「ibispaint.com」を巡回し、広告掲載基準の遵守状況や公序良俗に違反するイラスト投稿の有無、当社広告の掲載状況を監視しております。広告掲載基準に違反する行為や公序良俗に違反するイラスト及び公序良俗に違反する媒体での当社広告掲載が発見された場合には、当該広告代理店やイラスト投稿ユーザに対する警告、契約解除といった措置を講じております。
しかしながら、こうした対応・措置等にもかかわらず公序良俗に反する広告が掲載されてしまう可能性があります。広告主等が公序良俗に反する広告や商品・サービスの提供、コンテンツの掲載を当社の意図に反して継続することにより、当社の提供するアプリや当社のアカウントがプラットフォーム運営事業者により削除された場合には、当社の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当社の運営するオンラインギャラリー「ibispaint.com」へ公序良俗に違反するイラストが多数投稿された場合や当社が広告主として出稿した広告が公序良俗に違反する媒体に掲載された場合においても、当社のブランドイメージの毀損、悪化に繋がり、当社の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 待機工数について(顕在化の可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
当社ソリューション事業のIT技術者派遣においては、システムエンジニア等のIT技術者と無期雇用契約を締結しております。そのため、これら派遣技術者に係る人件費は派遣先での稼働時間に関係なく発生し、固定費として売上原価に計上されます。経済状況の変化等に伴い、顧客の情勢が劇的に変化し、労働力に対する需要が減少した場合は、派遣技術者の稼働率、稼働単価の低下等により相対的に原価率が上昇し、当社の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社は取引先との長期・安定的な取引関係を構築し、顧客の多様化を図ることで外部環境に左右されづらい収益構造の構築に努め、顧客からソフトウェア投資計画や技術者需要を確認することで待機工数の最小化に努めてまいります。
⑧ 見積り違い及び納期遅延等について(顕在化の可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:小)
当社ソリューション事業の受託開発は、予定工数等に基づきコストの見積りを行っておりますが、仕様変更や追加作業に起因する作業工数の増大により実績が見積りを超えた場合、低採算又は採算割れとなる可能性があります。また、あらかじめ定めた期日までに顧客に対して作業を完了・納品できなかった場合には損害遅延金、最終的に作業完了・納品ができなかった場合には損害賠償請求が発生し、当社の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社はプロジェクト管理の徹底や各事業部責任者によるモニタリングを実施することで、リスクの早期発見、対策をしております。
(3) 法的規制に関するリスク
① 法的規制(顕在化の可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:大)
当社が行う事業では、主に不正競争防止法、不当景品類及び不当表示防止法、著作権法、労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(労働者派遣法)等の法的規制を受けております。特に、労働者派遣法においては、偽装請負に巻き込まれる等の何らかの理由により、同法に定める派遣元事業主としての欠格事由(労働者派遣法第6条)に該当した場合や当該許可の取消事由(同第14条)に該当した場合に、IT技術者派遣事業の全部又は一部の継続が困難となる可能性があります。また、法令等の改正・制定等により新たな制約を受けるリスクや既存の制約が強化されるリスクがあります。当社では関連する法令等の情報を適時収集し、定期的な内部監査やコンプライアンス研修により法令順守に努めているものの、これらのリスクが顕在化した場合は、当社の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社の提供する『ibisPaint』は、海外売上比率が高く、GDPR(注1)、CCPA(注2)等の国内外の個人情報に関する海外の法的規制等を受けております。当社ではEU代理人、DPO(注3)の設置及びアプリ内での同意画面の実装等を行い対応しておりますが、海外の法的規制内容の変更があった場合には、想定どおりに事業展開できない可能性があり、当社の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(注1):「EU一般データ保護規則」(GDPR:General Data Protection Regulation)の略称。
(注2):「カリフォルニア州消費者プライバシー法」(CCPA:California Consumer Privacy Act)の略称。
(注3):「データ保護責任者」(Data Protection Officer)の略称。
② 業務請負契約に基づく契約不適合責任について(顕在化の可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:小)
当社ソリューション事業の受託開発における契約は、業務請負契約となっており、設計・開発を請負って完成すべき業務の遂行や成果物に対して対価を受領しております。従って業務請負契約で完成すべき業務や成果物に係る契約不適合責任等の追及を受ける可能性があります。当社では契約不適合責任等に係るリスクを軽減するために、個別契約(注文書)において、完成すべき業務や成果物の仕様、検収方法を明確に定義しております。しかし、当該リスクが顕在化した場合は、当社の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ 知的財産権について(顕在化の可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
当社は所有する知的財産権を管理し、その権利を保護することによって社業の発展と業績の向上に努めておりますが、当該権利を第三者により侵害される可能性や何らかの理由により知的財産の権利化ができない可能性があります。一方で、当社が第三者の知的財産を侵害した場合には、損害賠償請求や使用差し止め請求等の訴えを起こされる可能性があり、これらのリスクが顕在化した場合は、当社の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社は「知的財産権管理規程」を定め、知的財産権の管理及び権利化を行うとともに、権利化に際しては特許事務所等を利用して他社の知的財産権を侵害する恐れがないか事前調査することでリスクへ対応しております。
(4) 組織体制に関するリスク
① 人材の確保及び育成について(顕在化の可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
当社が今後とも持続的に成長していくためには、市場動向の変化や技術革新に対応できる優秀なモバイルアプリ開発エンジニアをはじめ、システムエンジニア等のIT技術者や事業規模に適した内部管理体制を構築するための管理人材といったあらゆる職種での人材の質及び量の向上が不可欠であると認識しております。そのために、優秀な人材の確保と育成は、事業発展のための根幹と考え、当社として必要な人材の定義を改めて明確化した上で、適時必要な戦力となる社員の採用を行い、育成してまいりますが、人材獲得競争の激化や市場ニーズの変化等により、想定どおりの採用が進まない等優秀な人材の獲得が困難となる場合や、現在在職する人材の社外への流出が生じた場合には、当社の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
② 特定人物への依存について(顕在化の可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
当社代表取締役である神谷 栄治は、創業者であると同時に『ibisPaint』を始めとする当社のモバイルアプリ開発において、創業以来重要な役割を担ってまいりました。同氏はアプリ開発を中心に豊富な経験と知識を有しており、経営方針や事業戦略、新規開発において重要な役割を担っております。当社は取締役及び従業員への情報共有や権限委譲、組織体制の強化を図り、同氏に過度に依存しない経営体制の構築を進めておりますが、万が一、同氏に不測の事態が生じ、当社の経営執行を継続することが困難となった場合には、当社の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ 情報管理について(顕在化の可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
当社はモバイル事業においてアプリ利用者の個人情報を取得する場合があります。当社に起因する問題により個人情報の漏洩や不正使用等の事態が生じた場合、企業イメージの悪化、損害賠償請求の発生等の可能性があります。また、第三者の故意又は過失その他の事由により、アプリサービスの核となるソースコード等の機密情報が流出、模倣等された場合、当社の開発するモバイルアプリの優位性が損なわれる可能性があります。
ソリューション事業においては顧客が保有する各種機密情報、新製品開発等の設計に係る重要な情報を取り扱う場合があります。当社に起因する問題により顧客機密情報の漏洩や不正使用等の事態が生じた場合、取引解消請求、損害賠償請求の発生等の可能性があります。
当社は情報統括管理者を選定し、情報システム・セキュリティに関する規程類の整備運用を行っている他、プライバシーマーク制度に基づく個人情報保護マネジメントシステムの運用等により情報管理を徹底しているものの、リスクが顕在化した場合は、当社の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
④ システム障害について(顕在化の可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
当社の事業はスマートフォンやPC、コンピューターシステムを結ぶネットワークに依存しており、インターネットを利用したサービスを提供するにあたっては、バックアップ体制の構築等の様々なトラブル対策を実施しております。しかし、自然災害や不慮の事故等によって、これらのネットワークが正常に機能しなくなった場合は、当社の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 内部管理体制について(顕在化の可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:小)
企業価値の持続的な拡大にはコーポレート・ガバナンスが有効に機能することが不可欠であるとの認識のもと、当社は業務の適正性及び財務報告の信頼性の確保、さらに健全な倫理観に基づく法令遵守を徹底するため、管理部門の人員の充実及び内部管理体制の強化に努めております。しかし、事業の急速な拡大や事業内容等の変更により、事業規模に適した内部管理体制の構築、管理人材の確保及び育成が追いつかない状況が生じる場合には、適切な業務運営が困難となり、当社の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(5) その他のリスク
① 自然災害、事故等について(顕在化の可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
当社は自然災害、事故等に備え、定期的にシステムのバックアップ、稼働状況の常時監視等によりトラブルの事前防止又は回避に努めております。しかし、当社所在地近辺において、大地震等の自然災害が発生した場合、当社設備の損壊や電力供給の制限等の事業継続に支障をきたす事象が発生し、当社の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
② 感染症の拡大について(顕在化の可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、所謂巣ごもり需要の増加に伴うサービス利用者が増加した一方で、中長期的には国内及び世界的な景気の悪化による消費の冷え込みへの懸念等、先行きの不透明感は増しております。当社では感染拡大を想定し、リモートワークの導入や時間差出勤を行い、感染防止対策を徹底し、従業員の安全確保に努めるとともに、感染者が発生した場合の対応を検討する等、事業の継続に甚大な影響を及ぼすリスクを最小化するための施策を行っております。しかし、国内及び世界的流行が終息せず、長期にわたって人々の行動に制限が課され、今後、経済状況が悪化した場合には、当社の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ 株式の流動性について(顕在化の可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
当社は、当社株式の流動性の確保に努めることとしておりますが、株式会社東京証券取引所の定める流通株式比率は本書提出日現在において29.89%であります。今後は、当社の事業計画に沿った成長資金の公募増資による調達、ストック・オプションの行使による流通株式数の増加分を勘案し、これらの組み合わせにより、流動性の向上を図っていく方針ではありますが、何らかの事情により流動性が低下する場合には、当社株式の市場における売買が停滞する可能性があり、それにより当社株式の需給関係にも悪影響を及ぼす可能性があります。
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という))の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症が長期化するなか、行動制限や入国制限の緩和等により社会活動が正常化する動きが見られました。一方で引き続きウクライナ情勢による地政学リスクや原油価格・原材料価格の上昇が個人消費に与える影響など不安材料も抱えており、依然として先行き不透明な状況が続いております。
このような環境の下、当社は引き続き、コロナ禍における時差通勤、テレワークの実施、ビジネスチャットを活用したWeb会議等により、感染予防に努めながら、安定的な事業活動を推進するとともに、モバイルペイントアプリ『ibisPaint』を提供するモバイル事業及びIT技術者派遣と受託開発を行うソリューション事業の事業拡大を図ってまいりました。また、各種社内規程・マニュアルの整備やJ-SOXへの対応など、内部管理体制の整備に取り組んでまいりました。
以上の結果、当事業年度の経営成績は、売上高3,397,886千円(前年同期比23.8%増)、営業利益219,908千円(前年同期比266.2%増)、経常利益238,130千円(前年同期比121.5%増)、当期純利益168,692千円(前年同期比133.3%増)となりました。
事業セグメント別の状況につきましては、以下のとおりであります。
<モバイル事業>
当事業年度におきましては、主製品であるモバイルペイントアプリ『ibisPaint』シリーズについて、アプリ上の新機能や様々な改善・仕様変更に対応した最新バージョン(ver.9.4.9からver.10.0.6まで)のリリースや、第12~18回素材コンテストの開催及び様々な無料素材の新規追加、YouTubeお絵かき講座での継続的な動画投稿のほか、2022年12月に中国向けキャンペーン(売切型アプリの無料配布)を開催したことにより、シリーズ累計ダウンロード数が2022年12月末に2億9,848万件(前年同期比39.7%増)となりました。また、サブスクリプション型(月額課金・年額課金)のプレミアム会員数は66,257人(前年同期比81.0%増)、売切型アプリの累計販売数は740,657件(前年同期比66.8%増)となりました。本事業の広告ビジネスにおいて主な収入源となっているアプリ広告売上、及びBtoCビジネスにおいて主な収入源となっているプレミアム会員サービスのサブスクリプション売上等がいずれも好調に推移した結果、売上高は2,164,140千円(前年同期比30.4%増)となりました。また、モバイル事業全体の売上高に対する海外売上は1,587,446千円(前年同期比16.2%増)となり、その比率は73.4%と、依然高い水準で推移しております。前事業年度に引き続き、新規ユーザの獲得及び売上高の伸長を重視する方針の下、積極的に広告宣伝費を投下した結果、セグメント利益は391,623千円(前年同期比132.7%増)となりました。
<ソリューション事業>
当事業年度におけるIT技術者派遣につきましては、昨年からのコロナ禍で積みあがった派遣労働者の待機コスト解消に向けて営業活動を積極化するとともに、技術者派遣の需要が想定以上に増加したことから、高スキルの技術者を中心に、待機者の早期解消が進みました。しかしながら、経験の浅い技術者や外国籍の技術者等の需要は依然として低迷しており、需要の二極化が進んでおります。受託開発については、情報通信関連企業からの需要が想定以上に発生したなど、Webアプリケーションや業務システム等への投資は復調傾向にあります。以上の結果、売上高は1,233,745千円(前年同期比13.7%増)となり、内訳としては、IT技術者派遣が1,055,649千円(前年同期比10.2%増)、受託開発が178,096千円(前年同期比40.2%増)となりました。前事業年度は新型コロナウイルス感染症が本格的にまん延し、IT技術者派遣において人材採用費を抑制する方針で運営しておりましたが、当事業年度は人材採用費の投資を積極的に推進したことから、セグメント利益は161,606千円(前年同期比2.0%増)となりました。
② 財政状態の状況
(資産の部)
当事業年度末における資産合計は1,289,288千円となり、前事業年度末に比べ336,954千円の増加となりました。その主な要因は現金及び預金が289,194千円、前払費用が39,506千円、ソフトウエアが35,024千円増加した一方で、売掛金が70,455千円減少したこと等によるものであります。
(負債の部)
当事業年度末における負債合計は857,924千円となり、前事業年度末に比べ168,261千円の増加となりました。その主な要因は未払金が186,280千円、未払法人税等が55,273千円増加した一方で、短期借入金が100,000千円、長期借入金が34,380千円減少したこと等によるものであります。
(純資産の部)
当事業年度末における純資産合計は431,363千円となり、前事業年度末に比べ168,692千円の増加となりました。その要因は当期純利益168,692千円を計上したことによるものであります。
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)の残高は594,765千円となり、前事業年度末と比較して289,194千円増加となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における営業活動による資金の増加は553,487千円(前事業年度は43,866千円の増加)となりました。これは主に、税引前当期純利益237,998千円の計上及び未払金の増加196,829千円等があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における投資活動による資金の減少は129,912千円(前事業年度は58,796千円の減少)となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出73,584千円、差入保証金の差入による支出24,696千円等があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における財務活動による資金の減少は134,380千円(前事業年度は135,380千円の減少)となりました。これは、短期借入金の純減少額100,000千円及び長期借入金の返済による支出34,380千円によるものであります。
当社が提供するサービスの性質上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
当事業年度におけるソリューション事業の受託開発に係る受注実績は次のとおりです。なお、モバイル事業及びソリューション事業のIT技術者派遣は提供するサービスの性質上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。
c 販売実績
当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注) 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりです。
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a 財政状態及びキャッシュ・フローの状況の分析
財政状態の分析につきましては「(1)経営成績等の状況の概要 ② 財政状態の状況」に、キャッシュ・フローの状況の分析につきましては「(1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
b 経営成績の状況の分析
(売上高)
当事業年度における売上高は3,397,886千円(前年同期比23.8%増)となり、前事業年度と比較して653,735千円の増収となりました。これは主にモバイル事業の主製品であるモバイルペイントアプリ『ibisPaint』シリーズの累計ダウンロード数が2022年12月末に2億9,848万件(前年同期比39.7%増)となり、アプリ広告売上及びプレミアム会員サービスのサブスクリプション売上が順調に推移したことによるものであります。
(売上原価、売上総利益)
当事業年度における売上原価は1,028,130千円(前年同期比18.4%増)となりました。これは主にモバイル事業の開発人員採用に伴う人件費の増加、アプリダウンロード数が伸びたことによるサーバ利用料等の通信費の増加によるものであります。この結果、売上総利益は2,369,755千円(前年同期比26.3%増)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当事業年度における販売費及び一般管理費は2,149,847千円(前年同期比18.4%増)となりました。これは主に『ibisPaint』の積極的な販売促進活動による広告宣伝費の増加や、モバイル事業の売上増加に伴う販売手数料の増加によるものであります。この結果、営業利益は219,908千円(前年同期比266.2%増)となりました。
(営業外収益、営業外費用、経常利益)
当事業年度における営業外収益は主に為替差益の発生により24,541千円(前年同期比55.0%減)となりました。営業外費用は主に支払利息の計上や上場関連費用の計上により6,320千円(前年同期比11.4%減)となりました。この結果、経常利益は238,130千円(前年同期比121.5%増)となりました。
(当期純利益)
当事業年度における当期純利益は168,692千円(前年同期比133.3%増)となりました。これは法人税等調整額を含む法人税等合計69,305千円を計上したことによるものであります。
② 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社の主な資金需要はモバイル事業の『ibisPaint』アップデート及び新規アプリ開発投資に係る人件費であります。運転資金は主に営業活動によるキャッシュ・フロー及び金融機関からの借入により調達しております。設備投資の必要性が生じた際には投資金額、手元資金、資本コスト等を総合的に考慮して最適な手段により調達することとしております。
現金及び現金同等物の当事業年度末残高は594,765千円であり、資金の流動性は十分に確保できております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。経営者は債権、繰延税金資産、引当金等に関する見積り及び判断について、継続して評価を行っており、過去の実績や状況に応じて合理的と思われる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行っております。また、その結果は資産・負債の簿価及び収益・費用の報告数字についての判断の基礎となります。実際の結果は、見積り特有の不確実性のため、これら見積りと異なる場合があります。
当社の財務諸表で採用する重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。
なお、当社の財務諸表で採用した重要な会計上の見積りは、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載しております。
当事業年度中における経営上の重要な契約等は、次のとおりです。
2022年12月31日現在
(注) 1.現在休止中の主要な設備はありません。
2.名古屋本社及び東京本社は賃借物件であり、その年間賃借料は名古屋本社11,264千円、東京本社12,934千円であります。なお、2022年3月に東京本社を移転しておりますが、年間賃借料は移転前の賃借料も含めて記載しております。
3.従業員数には正社員の他、契約社員を含んでおり、臨時雇用者(パート・アルバイト及び派遣社員)は含んでおりません。
(注) 1.提出日現在の発行数には、2023年3月1日からこの有価証券報告書提出日までの新株予約権の行使により発行された株式数は、含まれておりません。
2.当社株式は2023年3月23日付で、東京証券取引所グロース市場に上場いたしました。
3.2023年3月22日を払込期日とする公募による新株式発行による増資により、発行済株式総数が700,000株増加しております。
2019年有償第1回新株予約権
※ 当事業年度の末日(2022年12月31日)における内容を記載しております。なお、提出日の前月末(2023年2月28日)現在において、これらの事項に変更はありません。
(注) 1.新株予約権1個につき目的となる株式数は1株であります。また、新株予約権1個につき17円で有償発行しております。
2.新株予約権の割当日後、当社が株式分割(株式無償割当を含む。)又は株式併合を行う場合、次の算式により目的となる株式の数を調整するものとしております。ただし、係る調整は本新株予約権のうち、当該時点で権利行使されていない新株予約権の目的である株式の数についてのみ行われ、調整の結果生じる1株未満の端数については、これを切り捨てるものとしております。
また、新株予約権の割当日後、当社が合併、会社分割又は資本金の額の減少を行う場合、その他これらの場合に準じ、付与株式数の調整を必要とする場合には、合理的な範囲で付与株式数は適切に調整されるものとしております。
3.新株予約権の割当日後、当社が株式分割(株式無償割当を含む。)又は株式併合を行う場合、次の算式により行使価格を調整し、調整による1円未満の端数は切り上げるものとしております。
また、割当日後、当社が時価を下回る価額で新株の発行又は自己株式の処分を行う場合(新株予約権の行使に基づく新株の発行及び自己株式の処分並びに株式交換による自己株式の移転の場合を除く。)、次の算式により行使価格を調整し、調整による1円未満の端数は切り上げるものとしております。
なお、上記算式において「既発行株式数」とは、当社の発行済株式総数から当社が保有する自己株式数を控除した数とし、自己株式の処分を行う場合には「新規発行株式数」を「処分する自己株式数」に読み替えるものとしております。
さらに、上記のほか、新株予約権の割当日後、当社が合併、会社分割を行う場合、その他これらの場合に準じ、行使価格の調整を必要とする場合には、当社は合理的な範囲で適切に行使価格の調整を行うことができるものとしております。
4.新株予約権の行使により株式を発行する場合において増加する資本金の額は、会社計算規則第17条第1項に従い算出される資本金等増加限度額の2分の1の金額とし、計算の結果1円未満の端数が生じたときは、その端数を切り上げるものとしております。また、新株予約権の行使により株式を発行する場合において増加する資本準備金の額は、前述した資本金等増加限度額から増加する資本金の額を減じた額としております。
5.新株予約権の行使の条件は以下のとおりです。
(1) 新株予約権者は当社普通株式が日本国内のいずれかの金融所品取引所に上場された場合、当社の筆頭株主が保有する当社普通株式の全部又は一部を第三者に対して売却する場合(当社の普通株式について、日本国内の金融商品取引所において上場されることに伴い、又は上場された後に売却される場合を除く。)もしくは合併その他の組織再編により当社の筆頭株主が保有する当社普通株式の全部又は一部をと引き換えに他の財産等の交付を受ける場合にのみ新株予約権を行使することができるものとしております。ただし、これらに該当する直前に手続き上の観点から事前に新株予約権の権利行使をする必要がある場合やその他正当な事由があると当社取締役会が認めた場合はこの限りではありません。
(2) 新株予約権の割り当てを受けた者(以下「新株予約権者」という。)は新株予約権の割当日から行使期間の満了日までにおいて、以下に掲げる各事項が生じた場合には、残存する全ての新株予約権を行使することができないこととしております。
① (注)3に記載する行使価格を下回る価格を対価とする当社普通株式の発行等が行われた場合(払込金額が会社法第199条第3項・同第200条第2項に定める「特に有利な金額である場合」、株主割当てによる場合、その他普通株式の株式価値とは異なると認められる価格で行われる場合を除く。)。
② (注)3に記載する行使価格を下回る価格を行使価格とする新株予約権の発行が行われたとき(ただし、当該行使価格が当該新株予約権の発行時点における当社普通株式の株価と異なる価格に設定されて発行された場合を除く。)。
③ 新株予約権の目的である当社普通株式が日本国内のいずれの金融商品取引所にも上場されていない場合、(注)3に記載する行使価格を下回る価格を対価とする売買、その他の取引が行われたとき(ただし、資本政策目的等により当該取引時点における株式価値よりも著しく低いと認められる価格で取引が行われた場合を除く。)。
④ 新株予約権の目的である当社普通株式が日本国内のいずれかの金融商品取引所に上場された場合、当該金融商品取引所における当社普通株式の普通取引の終値が(注)3に記載する行使価格を下回る価格となったとき。
(3) 新株予約権者は新株予約権の権利行使時においても、当社又は当社関係会社の取締役、監査役又は従業員であることを要します。ただし、任期満了による退任、退職(定年退職含む)、その他正当な理由があると当社取締役会が認めた場合はこの限りではありません。
(4) 新株予約権者の相続人による新株予約権の行使は認めておりません。
(5) 新株予約権の行使によって、当社の発行済株式総数が当該時点における授権株式数を超過することとなるときは、新株予約権の行使を行うことはできないものとしております。
(6) 各新株予約権1個未満の行使を行うことはできないものとしております。
6.当社が合併(当社が合併により消滅する場合に限る。)、吸収分割、新設分割、株式交換又は株式移転(以上を総称して以下「組織再編行為」という。)を行う場合において、組織再編行為の効力発生日に新株予約権者に対し、それぞれの場合につき、会社法第236条第1項第8号のイからホまでに掲げる株式会社(以下「再編対象会社」という。)の新株予約権を以下の条件に基づきそれぞれ交付することとしております。ただし、以下の条件に沿って再編対象会社の新株予約権を交付する旨を、吸収合併契約、新設合併契約、吸収分割契約、新設分割計画、株式交換契約又は株式移転計画において定めた場合に限るものとしております。
(1) 交付する再編対象会社の新株予約権の数
新株予約権者が保有する新株予約権の数と同一の株をそれぞれ交付する。
(2) 新株予約権の目的である再編対象会社の株式の種類
再編対象会社の普通株式とする。
(3) 新株予約権の目的である再編対象会社の株式の数
組織再編行為の条件等を勘案の上、(注)2に準じて決定する。
(4) 新株予約権の行使に際して出資される財産の価額
交付される各新株予約権の行使に際して出資される財産の価額は、組織再編行為の条件等を勘案の上、(注)3で定められる行使価額を調整して得られる再編後払込金額に、上記(3)に従って決定される当該新株予約権の目的である再編対象会社の株式の数を乗じて得られる金額とする。
(5) 新株予約権を行使することができる期間
上記「新株予約権の行使期間」に定める新株予約権を行使できる期間の開始日と組織再編行為の効力発生日のうち、いずれか遅い日から、上記「新株予約権の行使期間」に定める新株予約権を行使することができる期間の満了日までとする。
(6) 新株予約権の行使の条件
上記「新株予約権の行使の条件」に準じて決定する。
(7) 譲渡による新株予約権の取得の制限
譲渡による新株予約権の取得については、再編対象会社の取締役会の決議による承認を要する。
(8) 新株予約権の取得事由及び条件
以下の定めに準じて決定する。
組織再編行為について株主総会の承認(株主総会の承認を要しない場合には取締役会決議)がなされた場合、当社の取締役会が別途定める日の到来をもって、新株予約権の全部を無償で取得することができる。また、新株予約権者が権利行使をする前に上記「新株予約権の行使の条件」に記載する事項により権利行使ができなくなった場合、当社は新株予約権を無償で取得することができるものとする。
(9) その他条件については、再編対象会社の条件に準じて決定する。
2019年無償第1回新株予約権
※ 当事業年度の末日(2022年12月31日)における内容を記載しております。なお、提出日の前月末(2023年2月28日)現在において、これらの事項に変更はありません。
(注) 1.新株予約権1個につき目的となる株式数は1株であります。
2.新株予約権の割当日後、当社が株式分割(株式無償割当を含む。)又は株式併合を行う場合、次の算式により目的となる株式の数を調整するものとしております。ただし、係る調整は本新株予約権のうち、当該時点で権利行使されていない新株予約権の目的である株式の数についてのみ行われ、調整の結果生じる1株未満の端数については、これを切り捨てるものとしております。
また、新株予約権の割当日後、当社が合併、会社分割又は資本金の額の減少を行う場合、その他これらの場合に準じ、付与株式数の調整を必要とする場合には、合理的な範囲で付与株式数は適切に調整されるものとしております。
3.新株予約権の割当日後、当社が株式分割(株式無償割当を含む。)又は株式併合を行う場合、次の算式により行使価格を調整し、調整による1円未満の端数は切り上げるものとしております。
また、割当日後、当社が時価を下回る価額で新株の発行又は自己株式の処分を行う場合(新株予約権の行使に基づく新株の発行及び自己株式の処分並びに株式交換による自己株式の移転の場合を除く。)、次の算式により行使価格を調整し、調整による1円未満の端数は切り上げるものとしております。
なお、上記算式において「既発行株式数」とは、当社の発行済株式総数から当社が保有する自己株式数を控除した数とし、自己株式の処分を行う場合には「新規発行株式数」を「処分する自己株式数」に読み替えるものとしております。
さらに、上記のほか、新株予約権の割当日後、当社が合併、会社分割を行う場合、その他これらの場合に準じ、行使価格の調整を必要とする場合には、当社は合理的な範囲で適切に行使価格の調整を行うことができるものとしております。
4.新株予約権の行使により株式を発行する場合において増加する資本金の額は、会社計算規則第17条第1項に従い算出される資本金等増加限度額の2分の1の金額とし、計算の結果1円未満の端数が生じたときは、その端数を切り上げるものとしております。また、新株予約権の行使により株式を発行する場合において増加する資本準備金の額は、前述した資本金等増加限度額から増加する資本金の額を減じた額としております。
5.新株予約権の行使の条件は以下のとおりです。
(1) 新株予約権者は新株予約権の権利行使時においても、当社又は当社関係会社の取締役、監査役又は従業員であることを要します。ただし、任期満了による退任、退職(定年退職含む)、その他正当な理由があると当社取締役会が認めた場合はこの限りではありません。
(2) 新株予約権者の相続人による新株予約権の行使は認めておりません。
(3) 新株予約権の行使によって、当社の発行済株式総数が当該時点における授権株式数を超過することとなるときは、新株予約権の行使を行うことはできないものとしております。
(4) 各新株予約権1個未満の行使を行うことはできないものとしております。
6.当社が合併(当社が合併により消滅する場合に限る。)、吸収分割、新設分割、株式交換又は株式移転(以上を総称して以下「組織再編行為」という。)を行う場合において、組織再編行為の効力発生日に新株予約権者に対し、それぞれの場合につき、会社法第236条第1項第8号のイからホまでに掲げる株式会社(以下「再編対象会社」という。)の新株予約権を以下の条件に基づきそれぞれ交付することとしております。ただし、以下の条件に沿って再編対象会社の新株予約権を交付する旨を、吸収合併契約、新設合併契約、吸収分割契約、新設分割計画、株式交換契約又は株式移転計画において定めた場合に限るものとしております。
(1) 交付する再編対象会社の新株予約権の数
新株予約権者が保有する新株予約権の数と同一の株をそれぞれ交付する。
(2) 新株予約権の目的である再編対象会社の株式の種類
再編対象会社の普通株式とする。
(3) 新株予約権の目的である再編対象会社の株式の数
組織再編行為の条件等を勘案の上、(注)2に準じて決定する。
(4) 新株予約権の行使に際して出資される財産の価額
交付される各新株予約権の行使に際して出資される財産の価額は、組織再編行為の条件等を勘案の上、(注)3で定められる行使価額を調整して得られる再編後払込金額に、上記(3)に従って決定される当該新株予約権の目的である再編対象会社の株式の数を乗じて得られる金額とする。
(5) 新株予約権を行使することができる期間
上記「新株予約権の行使期間」に定める新株予約権を行使できる期間の開始日と組織再編行為の効力発生日のうち、いずれか遅い日から、上記「新株予約権の行使期間」に定める新株予約権を行使することができる期間の満了日までとする。
(6) 新株予約権の行使の条件
上記「新株予約権の行使の条件」に準じて決定する。
(7) 譲渡による新株予約権の取得の制限
譲渡による新株予約権の取得については、再編対象会社の取締役会の決議による承認を要する。
(8) 新株予約権の取得事由及び条件
以下の定めに準じて決定する。
組織再編行為について株主総会の承認(株主総会の承認を要しない場合には取締役会決議)がなされた場合、当社の取締役会が別途定める日の到来をもって、新株予約権の全部を無償で取得することができる。また、新株予約権者が権利行使をする前に上記「新株予約権の行使の条件」に記載する事項により権利行使ができなくなった場合、当社は新株予約権を無償で取得することができるものとする。
(9) その他条件については、再編対象会社の条件に準じて決定する。
2020年無償第1回新株予約権
※ 当事業年度の末日(2022年12月31日)における内容を記載しております。なお、提出日の前月末(2023年2月28日)現在において、これらの事項に変更はありません。
(注) 1~6.「2019年無償第1回新株予約権」の(注)1~6.に記載の内容と同様であります。
2021年無償第1回新株予約権
※ 当事業年度の末日(2022年12月31日)における内容を記載しております。なお、提出日の前月末(2023年2月28日)現在において、これらの事項に変更はありません。
(注) 1~6.「2019年無償第1回新株予約権」の(注)1~6.に記載の内容と同様であります。
該当事項はありません。
(注) 1.株式分割(1:100)によるものであります。
2.株式会社アイビスモバイルを吸収合併(合併比率1:117)したことによるものであります。
3.2023年3月23日付で当社は東京証券取引所グロース市場に上場いたしました。これに伴い実施した公募増資により、発行済株式数が700,000株、資本金及び資本準備金がそれぞれ235,060千円増加しております。
2022年12月31日現在
(注) 発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合は、小数点以下第3位を四捨五入しております。
当社の報告セグメントは、当社の構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。
当社は、「モバイル事業」及び「ソリューション事業」の2つを報告セグメントとしております。
「モバイル事業」は、モバイル端末向け応用ソフトウエアの研究・開発・配信及び販売を行っております。
「ソリューション事業」は、IT技術者派遣及びモバイル端末向けアプリケーションの受託開発を行っております。