株式会社エコム
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回次 |
第34期 |
第35期 |
第36期 |
第37期 |
第38期 |
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決算年月 |
2019年7月 |
2020年7月 |
2021年7月 |
2022年7月 |
2023年7月 |
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売上高 |
(千円) |
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経常利益 |
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当期純利益 |
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持分法を適用した場合の投資利益 |
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資本金 |
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発行済株式総数 |
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純資産額 |
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総資産額 |
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1株当たり純資産額 |
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1株当たり配当額 |
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(うち1株当たり中間配当額) |
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1株当たり当期純利益 |
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潜在株式調整後1株当たり当期純利益 |
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自己資本比率 |
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自己資本利益率 |
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株価収益率 |
(倍) |
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配当性向 |
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営業活動によるキャッシュ・フロー |
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投資活動によるキャッシュ・フロー |
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△ |
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財務活動によるキャッシュ・フロー |
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△ |
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△ |
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現金及び現金同等物の期末残高 |
(千円) |
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従業員数 |
(人) |
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株主総利回り |
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(比較指標:-) |
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最高株価 |
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3,750 |
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最低株価 |
(円) |
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- |
- |
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1,519 |
(注)1.当社は連結財務諸表を作成しておりませんので、連結会計年度に係る主要な経営指標等の推移については記載しておりません。
2.第36期以降の財務諸表については、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵省令第59号)に基づき作成しており、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、有限責任監査法人トーマツの監査を受けております。なお、第34期及び第35期については、「会社計算規則」(平成18年法務省令第13号)の規定に基づき算出した各数値を記載しており、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく有限責任監査法人トーマツの監査を受けておりません。
3.第34期の期首から「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2018年3月30日)及び「収益認識に関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第30号 2018年3月30日)を適用しており、第36期の期首から「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)及び「収益認識に関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第30号 2020年3月26日)を適用しております。なお、第34期以降の主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
4.持分法を適用した場合の投資利益については、関連会社がないため記載しておりません。
5.当社は、2022年9月21日開催の取締役会決議及び2022年10月27日開催の定時株主総会決議により、2022年10月27日付で普通株式1株につき500株の割合で株式分割を行っております。第36期の期首に当該株式分割が行われたと仮定し、1株当たり純資産額及び1株当たり当期純利益を算出しております。
6.第34期、第35期、第36期及び第37期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在するものの、当社株式は非上場であり、期中平均株価が把握できないため、記載しておりません。
7.第38期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、希薄化効果を有している潜在株式が存在しないため記載しておりません。
8.第34期から第37期までの株価収益率については、当社株式は非上場であるため、記載しておりません。
9.当社は、第36期よりキャッシュ・フロー計算書を作成しておりますので、第34期及び第35期のキャッシュ・フロー計算書に係る各項目については記載しておりません。
10.従業員数は就業人員(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む。)であります。また、臨時従業員は従業員数の100分の10未満であるため、記載を省略しております。
11.2023年3月31日をもって名古屋証券取引所メイン市場に株式を上場いたしましたので、第34期から第38期までの株主総利回り及び比較指標については記載しておりません。
12.最高株価及び最低株価は名古屋証券取引所メイン市場におけるものであります。
なお、2023年3月31日をもって同取引所に株式を上場いたしましたので、それ以前の株価については記載しておりません。
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当社は、1985年8月に株式会社正英バンズを前身とし、工業用ガスバーナーのメンテナンス業を目的に創業しました。その後2004年8月に、商号を株式会社エコムに変更し、メンテナンスで培った技術力を糧に新規設備の設計製造も行い、自動車分野やエレクトロニクス分野の加熱設備専業のセットメーカーとして、事業を展開しております。 現在までの沿革は、次のとおりであります。
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1985年8月
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静岡県浜松市馬郡町(現:浜松市西区馬郡町)に資本金1,500万円にて前身の株式会社正英バンズを設立し工業用ガスバーナーのメンテナンスサービスを開始 |
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1988年7月 1992年7月 1996年8月 2003年4月 2004年8月 2004年9月 2005年8月 |
資本金を3,000万円に増資 資本金を5,000万円に増資 本社工場を静岡県浜松市新都田(現:浜松市北区新都田)(都田テクノポリス)へ移転 静岡県中小企業経営革新支援企業に認定 商号を株式会社エコムに変更 一般建設業許可を取得 太陽電池パネル熱処理装置を発売 |
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2006年11月 2008年4月 2008年8月 2011年10月 2013年5月 2015年12月 2016年3月 2017年4月 2017年4月 2017年8月 2017年9月 2018年7月 2018年10月 2019年6月 2020年7月 2020年9月 2020年10月 |
資本金を8,800万円に増資 浜松市浜北区に「第3エンジニアリング工場」を設立 省エネルギーバーナー「ecoNext(エコネクスト)」を発売 三菱重工業株式会社より取引先認定書を取得 第1回工業用ガスバーナーのメンテナンスセミナー開催し、現在に至る 資本金を1億円に増資 第3エンジニアリング工場内に組立試運転工場(B棟)を増築 株式会社札幌ダイトーテクノから事業譲渡を受け、メンテナンス部門を当社が継承 札幌支店を開設 本社工場内に「エコムテクニカルセンター(ETC)」を開設 トヨタ自動車株式会社・草野産業株式会社と熱処理装置関連の共同出願特許を登録 関西支店を開設 フレームレス燃焼装置の特許を登録し低NOx技術の確立 株式会社サーモファインテックを吸収合併し、遠赤外線事業を当社が継承 関西電力株式会社と資本提携 株式会社ノリタケカンパニーリミテドと包括的な業務提携契約を締結 工業炉のIoTメンテナンスサービス「Miterune(ミテルネ)」を発売 |
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2021年9月 2021年10月 2022年1月 2022年8月 |
株式会社ノリタケカンパニーリミテドと資本提携 省エネルギーバーナー「新型ecoNext(エコネクスト)」を発売 浜松市浜北区に「エコムヒートスクエア」を新設 「エコムヒートスクエア」を稼働 |
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2023年3月 2023年4月 |
名古屋証券取引所メイン市場に株式を上場 公募増資を実施(資本金115,456千円) 第三者割当増資を実施(資本金131,684千円) |
当社は工業炉の設計から稼働後の保守サービスまで全工程を一貫して行う、「熱技術総合エンジニアリング企業」です。エコムという社名はEcology(環境) & Combustion(燃焼)から派生する造語であります。「熱のスペシャリスト集団」として、工場の省エネルギー化を実現し「加熱技術で環境問題に取り組む企業」を企業目標に掲げております。
特に、気候変動の要因と考えられる二酸化炭素(CO₂)の排出量低減に、当社の加熱技術を活かしていきたいと考えております。2023年4月に環境省から発表されたデータ(出典:2021年度(令和3年度)の温室効果ガス排出・吸収量(確報値)について 2023年4月発表)によると、この二酸化炭素(CO₂)の排出量の約35%は「工場等の産業部門」からの排出であります。これは、自動車を中心とする運輸部門を大きく上回る数字であります。さらに、その産業部門から排出される二酸化炭素(CO₂)の約40%は「工業炉」からの排出であります。(出典:日本工業炉協会文献資料「産業界の省エネルギー/環境負荷低減に大きく貢献する高性能工業炉」)これは、日本全体の排出量の約14%にも及びます。このような現状から、2050年に二酸化炭素(CO2)排出量実質ゼロ(カーボンニュートラル)を目指す我が国の社会的要請に対して、工業炉メーカー(工場の生産ラインの中でも、特に「加熱工程」を専門とした機械メーカー)に属する当社は、この脱炭素社会の中で求められる工業炉の省エネルギー化を事業活動の中心に位置付け、その事業活動と社会貢献を両立し、持続可能な成長を目指します。
事業セグメントは、①工業炉の開発・設計・製造を行う「産業システム事業」と、②工業炉の点検、監視、改造工事を行う「保守サービス事業」で構成されております。設計のみ、製造のみを請け負うメーカーが多い中、川上の設計から川下の保守までの一連の工程すべてを自社で行えることが当社の強みであります。
セグメント別の事業内容は以下のとおりであります。
① 産業システム事業
産業用の大型工業炉を、オーダーメイドで設計・製造する事業であります。
産業システム事業は、「ファーネスプロダクツ」、「ヒートトライアル」及び「省エネ環境デバイス」の3つの分野で構成されております。
a.ファーネスプロダクツ
世の中で使用されている様々な商品や製品については、強度を増したり、物性を変化させて安定させたりするために、いわゆる「熱処理」が施され、その品質が維持されています。そして、その「熱処理」を通して、商品や製品は「硬く」「強く」「精度よく」「美しく」なり、機能し始めます。当社は、これらの「熱処理」を行う工業炉をオーダーメイドで設計、製造します。工業炉には、金属を溶解する「溶解炉」、塗装を乾燥する「乾燥炉」、樹脂を硬化する「硬化炉」など、様々な種類があります。それらの工業炉を用いて、アルミ・ガラス・炭素繊維などの素材から、車やスマートフォンの部品などが作り出されています。「部品を作る機械を作る」のがファーネスプロダクツ事業であります。
なお、当社の産業システム事業の主要顧客は自動車業界となります。自動車部品の製造には、アルミ溶解、塗装乾燥、部品の強度を高めるためのアニール処理など、様々な熱処理が必要となります。特にエンジン系やブレーキ系を始めとする重要保安部品に要求される品質基準は非常に高く、精緻な加熱コントロールが求められます。
また、中長期的には自動車業界は「100年に一度の大変革期」にあり、自動車メーカー各社はCASE対応(Connected Autonomous Shared & Services Electric)に多額の資金を投入しております。
駆動が「エンジン」から「EVモーター+電池」へ移行する中、当社は、Electric(電動化)から派生する新たな自動車部品(モーター、インバーター、水素タンクなど)の製造に必要な工業炉を受注するために、エコムテクニカルセンター(ETC)を積極活用し、設備開発段階からプロジェクトに参加できる体制を構築しております。
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製品例1:エレベーター式アルミ熱処理装置 (熱処理装置) |
製品例2:遠赤外線アニール装置 (硬化炉) |
製品例1:エレベーター式アルミ熱処理装置(熱処理装置)
熱源はガスバーナーを使用しております。炉は上下2段に分かれており、地下に焼入れ水槽があります。エレベーターにより製品を投入すると、溶体化処理(注1)→焼入れ処理(注2)→時効処理(注3)の順に自動で熱処理が行われます。
注1.溶体化処理とは、アルミ合金を充分に加熱して、元素を均一に溶け込ませる熱処理のことであります。
注2.焼入れ処理とは、アルミ合金を高温に加熱してから、水や油などに入れて急激に冷却する処理のことであります。
注3.時効処理とは、時間の経過に伴って、アルミ合金の硬さなどの機械的性質が変化すること(時効)を利用して行う熱処理のことであります。
(熱処理の目的)
近年、自動車の軽量化の為に、アルミ部品の採用が増えております。本処理を行う事で、鋳造後のアルミ部品の硬度の向上と歪の除去を行っております。エンジンブロックなど、部品の中でも重要保安部品に必要な処理となります。
製品例2:遠赤外線アニール装置(硬化炉)
熱源は遠赤外線ヒーターを使用しております。樹脂やプラスチックなどの対象物に遠赤外線を放射し、物質の元である分子が振動し振動熱を発生させることで加熱処理を行います。この振動熱を利用することで、対象物の内部まで短時間で加熱することが可能となります。
(熱処理の目的)
自動車や家電などに使用される樹脂系部品の硬化処理やプラスチック成形品の残留応力(歪み)を除去するために行います。
受注の多くは開発機(テスト機)として1台の受注から始まりますが、最終的には複数台の量産機となり、将来的なリピート受注が期待できるビジネスモデルとなっております。逆に言えば「いかに開発機を受注するか」が営業上のポイントであり、そのための具体的な取り組みが、次に述べる「ヒートトライアル」になります。
その他製品例

その他製品例1:ハイブリッド熱処理炉 その他製品例2:省エネバーナー搭載焼鈍炉
(熱処理炉) (焼鈍炉)
その他製品例1:ハイブリッド熱処理炉
昇温部はガスを利用し、均熱部は電気を利用する事でエネルギー使用量と二酸化炭素(CO₂)排出量の低減が可能となる新しいコンセプトの工業炉です。
その他製品例2:省エネバーナー搭載焼鈍炉
金属熱処理を目的とした焼鈍炉に排熱回収式熱交換器搭載型の省エネバーナー「ecoNext(エコネクスト)」を搭載する事でエネルギー使用量と二酸化炭素(CO₂)排出量を低減しています。
b.ヒートトライアル(製品加熱テスト)
「何度で何分加熱すればよいのか?」その最適解を見つけるのがヒートトライアルであります。
当社のエコムテクニカルセンター(ETC)では、顧客企業が「ワーク」を持ち込んで当社とともに加熱テストを行っております。ワークとは、エンジンブロックやホイール、モーター、フィルムなどの加熱対象物のことであります。熱処理には、熱源(ガス又は電気)、温度、圧力、風速、加熱方向、ノズル形状、及び搬送方法など様々なパラメータがあり、品質を担保しながら最短の処理時間を模索します。顧客企業が工業炉を発注するには、これらのパラメータを記した仕様書が必要となります。当社は、この仕様書を顧客企業とともにテストを重ねながら作り上げていきます。ヒートトライアルの結果、既存の炉と比較して50%の省エネに成功するケースも少なくありません。
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エコムテクニカルセンター(ETC) |
ヒートトライアルの様子 |
また、試験機を保有している競合他社はありますが、複数種類の試験機を常に使える状態でスタンバイさせている企業は業界内でも限られております。
当社にとってヒートトライアルは、強力な開発ツールでもあり、営業ツールでもあります。そして、テストで良好な結果を出すことで、①省エネ、②省時間(時短)、③省スペースを実現した付加価値の高い製品提案が可能となります。
図:当社の引合い段階から受注までの営業フロー
ヒートトライアルが終了したら、次に3D-CADによる構想設計、及び「3D熱流体解析シミュレーション」(注1)に着手します。オーダーメイドの工業炉は、「実際作ってみるまで仕様どおりの温度が出せるかわからない」というのが従来からの問題でした。いったん炉ができてからの作り直しは、製造コストを増大させます。当社は、この「作り直し問題」を解決するため、「ヒートトライアル」によるアナログ試験データと「3D熱流体解析シミュレーション」によるデジタルデータを融合させ、失敗の少ない「ものづくり」を可能にしております。
注1.3D熱流体解析シミュレーションでは、設備内の熱の移動、空気の流れや速度、圧力の大きさ、温度の分布など、様々な状況を再現し3D図面上で立体的に可視化することで、設備製作を行うことなく最適な条件の検証・追求を行います。

画像:3D熱流体解析シミュレーション 画像:3D-CAD図面
c.省エネ環境デバイス
工業炉は大量のエネルギーを消費するため、同時に多くの二酸化炭素(CO₂)を排出します。日本の産業部門のエネルギー消費量のうち、工業炉が占める割合は約40%と言われており、地球温暖化の大きな一因となっております。当社の顧客の中心である大手メーカーは、カーボンニュートラル実現に向け二酸化炭素(CO₂)排出削減目標を掲げており、よりエネルギー効率の高い設備の導入を求めております。当社はそのニーズに応えるべく、省エネ環境デバイスを開発しております。代表的な製品としては、高温空気燃焼技術を採用し通常のバーナーに比べ窒素酸化物(NOx)と二酸化炭素(CO₂)の排出を抑制した排熱回収式熱交換器搭載型の省エネバーナー「ecoNext(エコネクスト)」、遠赤外線効果により加熱処理時間を短縮可能とした遠赤外線パネルヒーター「EIRヒーター」が挙げられます。省エネ環境デバイス単体での販売だけでなく、自社提案のファーネスプロダクトに搭載する事で、より付加価値の高い高利益率な装置提案が可能となります。
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排熱回収式熱交換器搭載型の省エネバーナー 「ecoNext(エコネクスト)」
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遠赤外線パネルヒーター 「EIRヒーター」 |
② 保守サービス事業
保守サービス事業は、当社の祖業のビジネスであります。創業者が、工具箱を片手に工業炉のメンテナンスを始めたのが当社の出発点であり、そこで得たノウハウをもとに産業システム事業を立ち上げ、成長してまいりました。現在全国で500社、1,200設備を超える工業炉のメンテナンスを請け負っております。お客様が保有する工業炉を、安全にかつ省エネルギーで長い間稼働、使用し続けられるように、定期・不定期の点検や改修工事の提案などを行っております。利益率が高く、景気に左右されにくいのが特徴であります。コロナ禍により経営環境が悪化する中でも、保守サービス事業の売上高は堅調な実績を残しております。
保守サービス事業は、「ファーネスエンジニアリング」、「IoTメンテナンスサービス」及び「パーツセールス」の3つの分野で構成されております。
a.ファーネスエンジニアリング
ファーネスエンジニアリングは、顧客企業の工場に出向き、改造工事などを行う「オンサイトサービス」であります。
昨今、顧客企業は「カーボンニュートラルの実現」に向けた投資を加速しており、省エネ改造工事を行う「ファーネスエンジニアリング」は、成長ビジネスの一つと位置付けております。このような(顧客企業からの)要望に対し、自社製作設備に限らず、他社が製作した装置に対しても工事を行っております。
また、省エネ改造工事の前後には「省エネ診断」にて、二酸化炭素(CO₂)削減量などの効果を数値で測定、評価します。
そして、顧客の要望に応える事で、「IoTメンテナンスサービス」であるストック型の安定収入ビジネスに繋げていきます。
工業炉メーカーである当社にとって、現場で起きた様々な問題点を実感できることは技術的に大きなメリットがあり、そこで得た気づき、これらの対処方法やノウハウを産業システム事業の「ものづくり」に反映することができます。
b. IoTメンテナンスサービス
IoTメンテナンスサービスは、「定期点検」を中心とした「ストック型のオンサイトサービス」であります。点検業務は、「自社で製作した設備しか保守はしない」のが一般的でありますが、当社は、自社製はもちろん、他社製の工業炉も積極的に点検しております。なお、当社における点検業務の約80%が他社製品を対象とするものとなっております。
現在では500社、1,200設備を超える工業炉の定期点検をストック型ビジネスとして全国で展開しております。加えて、2020年10月に新しい定期点検の形として、IoTメンテナンスサービス「Miterune(ミテルネ)」をリリースしました。
従来では、年に1~2回の定期点検において問題点を抽出し、設備保全に努めていましたが、顧客企業の工業炉にセンサーを設置し、クラウド上に収集した各種燃焼データを、当社が遠隔監視することで、設備の不具合や故障を事前に予知し、生産停止などの企業にとって致命的なトラブルを未然に防ぎます。
アナログの「オンサイトサービス」とデジタルの「クラウドサービス」を融合することで、付加価値の高いメンテナンスサービスを提供しております。
「Miterune(ミテルネ)」を使用することで、従来、現場にいないと把握できなかった工業炉の稼働状況をPCやタブレットなどの画面にグラフィカルに表示し、いつでもどこでも精度の高い運転管理が可能になります。当社のスタッフが、工業炉の稼働状況を監視し、自動で緊急アラートを上げるのはもちろん、省エネのための運用サポートもいたします。
そして、カルテ形式の「Miterune(ミテルネ)診断レポート」を定期配信することで、炉の稼働状況を継続的かつ客観的なデータとして蓄積することが可能であります。当サービスは、関西電力株式会社と共同開発した当社オリジナルのIoTサービスとして注目されております。また、今後の更なるサービス向上を目的に、2020年7月に関西電力株式会社と資本提携契約を締結しております。
c. パーツセールス
パーツセールスは、工業炉に必要な各種消耗用品、交換部品を販売するサービスであります。
プロテクトリレー(注1)、コントロールモーター(注2)、温度調節計(注3)、温度センサーなど、工業炉を構成するパーツの大部分を取り扱っております。また、常時600以上のパーツを在庫として常備し、緊急対応できる体制を整えております。工業炉のパーツは購入できても、その取り付けには技術や調整が必要なものが多くあります。さらに、工業炉は他の工作機械と比べ比較的使用年数が長く、構成部品が古くて廃番になっていたり、型式がわからなかったりと選定が困難なケースもあります。部品を販売するだけでなく、最適な機器選定、取り付け、設定まで行うことができるのが当社のパーツセールスの特徴であります。
注1.プロテクトリレーとは、バーナーにトラブルが生じたときに、安全に燃料の供給を遮断する指令を出すコントローラーのことで、火炎検出器や燃焼遮断弁等と組み合わせて使用するものであります。
注2.コントロールモーターとは、工業炉では流量調整弁とダンパー等と組合せて使用する電動操作機器であります。
注3.温度調節計とは温度センサーから測定温度信号を入力し、設定温度になるよう操作機を制御する調節計であります。
[事業系統図]
該当事項はありません。
(1)提出会社の状況
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2023年7月31日現在 |
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従業員数(人) |
平均年齢(歳) |
平均勤続年数(年) |
平均年間給与(円) |
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セグメントの名称 |
従業員数(人) |
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産業システム事業 |
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保守サービス事業 |
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報告セグメント計 |
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全社(共通) |
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合計 |
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(注)1.従業員数は就業人員(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む。)であります。また、臨時従業員は従業員数の100分の10未満であるため、記載を省略しております。
2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
3.全社(共通)として記載されている従業員数は、管理部門に所属しているものであります。
(2)労働組合の状況
当社において労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。
(3)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
当社は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しております。
当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末において当社が判断したものであります。
(1)経営方針
当社の「エコム」という社名は、Ecology(自然環境)& Combustion(燃焼)を意味する造語であります。「熱のスペシャリスト集団」として、工場の省エネルギー化を実現し、「加熱技術で環境問題に取り組む企業」を企業目標に掲げております。
(2)経営環境、経営戦略等
我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の5類感染症移行により、社会経済活動の正常化に向けた大きな区切りを迎えました。しかしながら、ウクライナ紛争等地政学リスク継続を原因としたエネルギー価格や原材料価格の高止まりによる消費マインドの低下や、円安の進行等の影響から、依然として景気の先行きは不透明な状況で推移いたしました。
製造業においては、世界的に広まるカーボンニュートラルに向けた潮流をうけ、大手メーカーを中心にCO2排出量削減を実現するための生産設備の更新や改造工事への投資需要の高まりが見受けられました。また、当社の主要顧客である自動車業界ではCASE対応に向けて多額の資金投入が観測されております。
上記のような経営環境のもと、産業システム事業においては、産業構造変化にともなう、設備ニーズの変化に対し、燃焼技術とエネルギー管理という専門性を追求し、最適な技術の提供を継続していきます。また、多品種少量生産のニーズに合わせた、セル生産向けの加熱設備を提供し生産効率向上への貢献をいたします。そして、カーボンニュートラルや排ガス規制などの世界的環境規制をクリアした省エネデバイスの提供により、社会環境への貢献を目指します。
また、保守サービス事業においては、他メーカーの加熱設備、加熱機器を点検できる点検技術を有し、熱設備の不具合に対して困ったときの窓口としての存在感を発揮いたします。そして、IoTを駆使して、いつでも、どこでも設備の稼働状況を把握する設備の予防保全サービスの確立を目指していきます。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社の目標とする経営指標は、変動費率、売上高総利益率及び売上高営業利益率であります。当社の特色として、産業システム事業は1件ごとの受注額が大きい反面、市場の影響を受けやすく、変動費率の高い特色のセグメントであります。反対に、保守サービス事業は安定的な受注が見込めますが、受注額が小さく変動費率の低い特色のセグメントであります。そのため、当社の経営状況を読み取るには、掲げた3つの経営指標を総合的に判断する必要があります。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
コロナ後の世界は、各産業とも新たな生活様式に合わせた構造変化が求められることが予測されるほか、日本は未曽有の人口減少という人口構造の変化により労働力の減少も予想され、業務効率化が急務となっております。当社といたしましては、社会変化に対応した人材育成を重視し、社是である「共育」のもと、以下の課題に取り組んでまいります。
① 優秀な人材の採用と育成・活用
アフターコロナのもと急激に変化する事業環境の中、今後の事業拡大を推進するにあたり、優秀で熱意のある人材を適時に採用することが重要な課題と認識しているため、採用の強化及び従業員が高いモチベーションをもって働ける環境や仕組みの整備・運用を進めてまいります。今後も従業員満足度を高める取り組み、定着に向けた施策を講じながら、優秀な人材の採用とさらなる育成に投資を行っていく方針であります。
② 技術革新への対応
当社は、自動車産業を中心とした様々な業種のお客様にサービスを展開しておりますが、電気自動車への技術革新や進歩に対してタイムリーに対応することが、今後の事業展開上重要な要素であると認識しております。そのために、ヒートトライアルを通じて顧客の動向やニーズを的確に把握し、独自の熱技術を提供することで、自社の先進性や独自性を確保していく方針であります。さらに、自社の得意分野である加熱技術による省エネルギー化した設備を提供することにより、環境に配慮した持続可能な成長を実現してまいります。
③ 海外進出への対応
当社では、日本市場で展開してきた独自の熱技術を海外市場でも活用するべく、海外に拠点を持つ既存顧客へのサービス展開をベースとしながら、様々なネットワークや情報収集を通じて更なる顧客の開拓を図り、サービスの多国展開を達成することが、事業の一層の発展に貢献し得る要素であると考えております。その一環として、株式会社ノリタケカンパニーリミテドとの提携を図り、海外事業の拡大・成長の機会を検討してまいります。
④ 内部管理体制の強化
当社は、アフターコロナのもと急激に変化する事業環境に適応し、持続的な成長を維持していくために、内部管理体制の強化が重要であると認識しております。このため、事業規模や成長ステージに合わせバックオフィス機能を拡充していくとともに、経営の公正性・透明性を確保するため、また、円滑で効率的な業務運営を行うため、各種会議体の運営における工夫にも注力してまいります。併せて、事業運営上のリスク管理や定期的な内部監査の実施によるコンプライアンスに関する意識を高く持つ体制の一層の強化を図るとともに、内部統制システムを活用した監査の実施によるコーポレート・ガバナンス機能の充実等を行ってまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)景気変動のリスクについて
発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中
当社製品に対する需要は、自動車産業を中心とした工場等の設備投資規模に連動する傾向があり、景気変動により、受注状況が変動することになります。今後、受注状況が芳しくなく減少する場合には、それによって当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(2)海外情勢等のリスクについて
発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小
当社は、主に日本企業が世界各国に展開している現地法人、現地工場へ加熱設備を提供しております。従って、海外の経済情勢、紛争、政変等により現地への輸出・納入が困難になった場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(3)海外業務のリスクについて
発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中
当社は、お客様の工場立地が海外である場合もあり、既に製品の輸出、納入、据え付けなど海外業務を行っております。今後、市場の拡大を目指し海外業務を独自で行っていく際には、リスクの洗い出しを入念に行ってまいります。しかし、諸外国における法規制の強化、テロ、紛争その他予期し得ない政治又は社会情勢の変動、景気動向及び為替動向等の経済情勢の変化、言語、文化及び商慣習の違いによるトラブル等業務上の非効率が生じた場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(4)大規模災害のリスクについて
発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大
当社は地震、落雷、火災、風水害、パンデミック等の各種災害に対して発生時の損失を最小限に抑えるため、損害保険の加入のほか、緊急連絡体制の整備、非常時を想定した訓練の実施等を進めております。しかし、生産拠点が静岡県浜松市に集中していることから、このような災害に伴う人的・物的被害の発生や資材・物流の停滞等により、生産活動の中止等を余儀なくされた場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(5)情報漏洩のリスクについて
発生可能性:中、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中
当社は業務を通じて入手した取引先の機密情報や個人情報、又は設計・技術・営業等の事業活動に係る機密情報を多数保有しております。これらの情報を保護するため、情報管理体制の構築や従業員への教育等を行い、情報漏洩防止に努めております。しかし、コンピューターウイルスによる攻撃、不正アクセス、盗難等により機密情報が漏洩した場合、それによって当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(6)品質管理に関するリスクについて
発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中
当社は品質や安全に関する法令・規制の遵守に努めるとともに、製品の品質確保や安全性、機械安全のリスクアセスメントを通じて、常に信頼性の向上に努めております。さらに、製品の品質に起因する事故、あるいはクレームやリコールに備え、製造物責任賠償保険への加入を行っておりますが、付保金額を上回る損害賠償が発生した場合や、会社に対する信頼が低下した場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(7)競合リスクについて
発生可能性:中、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小
当社は、産業システム事業及び保守サービス事業を行っております。これら事業を推進する中で、お客様の置かれた状況・環境に応じたご提案を行い、生産性の向上に資する改善提案等にも努めることにより、付加価値を高め、競合他社との差別化を継続的に図っております。しかし、これらの取組みが奏功せず、将来にわたって差別化を維持できなくなる場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(8)訴訟・クレームのリスクについて
発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中
当社は、事業運営において、サービス品質等のトラブルなどの問題が生じた場合、当社の瑕疵の有無にかかわらず、サービス品質等のトラブルや問題に起因する損害の賠償請求や訴訟(以下「訴訟等」という。)の提起を受ける可能性があります。当社は事前に取引基本契約書を締結する等により訴訟等のリスクを低減し、またトラブルや問題等が発生した場合は可能な限り迅速に対応する等して訴訟等のリスクに対する対策を講じております。しかし、万が一訴訟等が生じた場合は、訴訟等の内容や損害賠償請求額によっては、社会的信用の低下を招き、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(9)サービス品質の低下リスクについて
発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小
当社は、産業システム事業及び保守サービス事業のサービス提供にあたって、製品・サービスの品質維持・向上を図り、お客様満足度の向上に努めております。しかしながら、これらの取組みが奏功せず、製品・サービス品質の低下を招く等、お客様満足度が低下することがあった場合は、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(10)コスト上昇リスクについて
発生可能性:高、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小
当社は、新規設備の導入等による生産性の向上や業務改善を実施し、常に原価低減への取組みを行っております。また、世界的な半導体不足などの材料不足あるいは原油、鉄、非鉄金属などの資源高騰の影響から、材料費や外注費等の直接原価が高騰した場合は、お客様にご理解いただき値上げ対応させていただく方針であります。しかしながら、その交渉が難航するケースにおいては、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(11)業績変動のリスクについて
発生可能性:高、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小
当社のファーネスプロダクツに関する売上は、お客様の指定工場の据付等作業の受入事情によって検収日程が延期することがあり、売上が当初の計画どおり計上できない場合があります。経済や業界の動向に伴うお客様の工場稼働に係る受入事情などにより、計画どおり検収が進捗しない場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(12)投資成果に関するリスクについて
発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小
当社は、今後も、生産性向上やお客様ニーズに対応した生産拠点・営業拠点の整備、取得等にかかる設備資金、並びに事業拡大に伴う運転資金へ資金を充当していく予定であります。しかしながら、予定どおりの使途に資金を充当した場合でも、計画したとおりの売上高が見込めず、また、設備にかかる投資効果が得られない場合には、固定資産に減損損失が発生する恐れがあり、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(13)金利変動のリスクについて
発生可能性:高、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小
当社は、今後拠点の新設や事業展開に必要な資金を借入等により調達することも選択肢として考えております。変動金利による借入金は、金利の変動リスクに晒されているため、固定・変動調達比率の調整を行い、極力低金利による固定化等でリスク管理していく予定でありますが、リスクを完全に回避できるものではなく、変動金利での借入を行い予測を上回る金利の上昇等があった場合、調達コストが増加し、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(14)人材確保のリスクについて
発生可能性:中、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中
当社では、今後保守サービス事業の拡大にともない人材の確保が重要となります。当社の事業計画を遂行する上で必要な人材を継続的に採用し、労働環境の整備や教育体制の充実等により人材の定着を図ることが、当社の持続的な成長にとって必要となります。しかし、これらが達成できなかった場合、また、達成のために人件費等の増加が生じた場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(15)システムダウンによるリスクについて
発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中
当社では、基幹システム等に対する被害を防御し、又は最小限に抑えるべく、ウイルス対策やデータのバックアップ等の予防策を講じております。しかしながら、万が一、災害やコンピューターウイルス等によりシステムがダウン又は破壊された場合、業務に多大な被害を受ける可能性があり、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(16)M&A及び資本業務提携等のリスクについて
発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小
当社は、持続的な成長のため、M&Aや資本業務提携等を行うことがあります。これらの実施にあたっては、事前に対象企業の財務内容や契約内容等の審査を十分行い、リスクを検討した上で決定することになります。しかし、実施後の事業環境の変化等により、当初想定していた成果が得られないと判断した場合や、資本業務提携等を解消・変更する場合など、のれんや投資の減損損失等の発生により、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(17)配当方針にかかるリスクについて
発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中
株主に対する利益還元を経営上の重要な課題と認識しており、剰余金の配当については、将来の事業展開及び財務体質の強化のために必要な内部留保資金を確保しつつ、安定した剰余金の配当を実施していく方針であります。しかしながら、外部環境の影響等様々な要因により、想定どおりの収益を確保することができない場合、配当方針に影響を及ぼす可能性があります。
(18)大株主のリスクについて
発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中
当社の代表取締役であり、大株主である髙梨智志は本書提出日現在では発行済株式総数の24.80%を所有しており、引き続き大株主となる見込みであります。また、同人の二親等内の親族である髙梨今日子、髙梨千宙の所有分を合算した場合は44.57%となっております。同人は安定株主として引続き一定の議決権を保有し、その議決権の行使に当たっては、株主共同利益を追求するとともに少数株主の利益にも配慮する方針を有しております。同人は、当社の代表取締役であるため、当社といたしましても安定株主であると認識しておりますが、将来的に何らかの事情によって、同人が当社株式を売却することとなった場合、当社株式の市場価格及び流通状況に影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は、以下のとおりであります。
① 財政状態の状況
(資産の部)
当事業年度末における資産合計は4,032百万円となり、前事業年度末に比べ28百万円減少いたしました。
(流動資産)
当事業年度末における流動資産は2,713百万円となり、前事業年度末に比べ182百万円増加いたしました。これは主に現金及び預金が375百万円増加した一方で、流動資産のその他に含まれる未収消費税等が83百万円、受取手形が75百万円、仕掛品が67百万円減少したことによるものであります。
(固定資産)
当事業年度末における固定資産は1,319百万円となり、前事業年度末に比べ211百万円減少いたしました。これは主に新社屋の稼働開始に伴う建設仮勘定の振替及び旧社屋の売却の結果、建物が514百万円増加した一方で、建設仮勘定が695百万円、土地が94百万円減少したことによるものであります。
(負債の部)
当事業年度末における負債合計は1,130百万円となり、前事業年度末に比べ359百万円減少いたしました。
(流動負債)
当事業年度末における流動負債は737百万円となり、前事業年度末に比べ324百万円減少いたしました。これは主に支払手形が204百万円、買掛金が189百万円減少した一方で、未払法人税等が54百万円増加したことによるものであります。
(固定負債)
当事業年度末における固定負債は393百万円となり、前事業年度末に比べ35百万円減少いたしました。これは主に長期借入金が42百万円減少したことによるものであります。
(純資産の部)
当事業年度末における純資産合計は、2,902百万円となり、前事業年度末に比べ331百万円増加いたしました。これは、2023年3月31日付での名古屋証券取引所メイン市場への上場に伴い普通株式20,000株の公募増資を実施し、加えて当該公募増資に伴うオーバーアロットメントによる株式売出しに関連して普通株式21,000株の第三者割当増資を実施したことにより、資本金及び資本剰余金がそれぞれ31百万円増加したことに加え、当期純利益の計上及び配当金の支払いにより利益剰余金が268百万円増加したことによるものであります。
② 経営成績の状況
当事業年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の5類感染症移行により、社会経済活動の正常化に向けた大きな区切りを迎えました。しかしながら、ウクライナ紛争等地政学リスクの継続を原因としたエネルギー価格や原材料価格の高止まりによる消費マインドの低下や、円安の進行等の影響から、依然として景気の先行きは不透明な状況で推移いたしました。
製造業においては、世界的に広まるカーボンニュートラルに向けた潮流をうけ、大手メーカーを中心にCO2排出量削減を実現するための生産設備の更新や改造工事への投資需要の高まりが見受けられました。また、当社の主要顧客である自動車業界ではCASE対応に向けて多額の資金投入が観測されております。
このような状況の中、当社は、主要取引先である自動車業界を中心とした製造業における設備需要の回復の影響を受け、当事業年度の経営成績は、売上高2,381百万円(前年同期比58.7%増)、営業利益243百万円(前年同期比149.1%増)、経常利益228百万円(前年同期比115.0%増)、当期純利益277百万円(前年同期比174.3%増)となりました。
セグメントの経営成績は、次のとおりであります。
(産業システム事業)
産業システム事業におきましては、自動車業界を中心としたアフターコロナへ向けた増産体制の強化を図るための設備需要の回復が見受けられ、その影響からファーネスプロダクツが好調に推移し売上が増加いたしました。また、業務提携先から移管された新規商材のアニール炉の拡販に努めてまいりました。一方、世界的なインフレーションの進行から、半導体や鋼材不足による製造部材の仕入価格の高騰、代替品の選定などによる人的コストの増加、光熱費の上昇等の影響から製造原価が上昇いたしました。他方で、設計コストが削減できるリピート品等の生産や新規外注委託先を開拓し生産高の向上を図ることにより、売上総利益率を微減に留める結果となりました。
この結果、当事業年度のセグメント売上高は1,687百万円(前年同期比92.7%増)となりました。また、セグメント利益は199百万円(前年同期比293.8%増)となりました。
(保守サービス事業)
保守サービス事業におきましては、新型コロナウイルス感染症の影響からの回復基調による各業界の生産再開、増産に向けた設備修繕・工事の需要拡大は落ち着きつつあるものの、依然堅調に推移いたしました。また、業務提携先の製品の点検保守や大型工事の獲得に注力してまいりました。加えて、製造業においてカーボンニュートラル達成に向けた取り組みが加速し、省エネルギー改造工事の需要が高まっていることから、その需要の獲得に努めてまいりました。
この結果、当事業年度のセグメント売上高は694百万円(前年同期比10.9%増)となりました。また、セグメント利益は199百万円(前年同期比21.9%増)となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は前事業年度末より375百万円増加し、1,783百万円となりました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果により獲得した資金は179百万円(前事業年度は9百万円の収入)となりました。これは主に、税引前当期純利益が390百万円であり、未払又は未収消費税等の増減額156百万円があった一方、仕入債務の減少額393百万円があったためであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果により獲得した資金は201百万円(前事業年度は574百万円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の売却による収入217百万円があったためであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果により支出した資金は5百万円(前事業年度は243百万円の収入)となりました。これは主に、株式の発行による収入63百万円があった一方、長期借入金の返済による支出42百万円及び上場関連費用の支出17百万円があったためであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当事業年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当事業年度 (自 2022年8月1日 至 2023年7月31日) |
|
|
金額(千円) |
前年同期比(%) |
|
|
産業システム事業 |
1,549,241 |
141.8 |
|
保守サービス事業 |
682,983 |
107.1 |
|
合 計 |
2,232,224 |
129.0 |
(注)金額は販売価格によっており、当社はセグメント間の取引についてはありません。
b.受注実績
当事業年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当事業年度 (自 2022年8月1日 至 2023年7月31日) |
|||
|
受注高 (千円) |
前年同期比(%) |
受注残高 (千円) |
前年同期比(%) |
|
|
産業システム事業 |
1,489,946 |
70.3 |
1,447,233 |
88.0 |
|
保守サービス事業 |
657,593 |
101.0 |
162,915 |
81.7 |
|
合 計 |
2,147,540 |
77.5 |
1,610,148 |
87.3 |
(注)金額は販売価格によっており、当社はセグメント間の取引についてはありません。
c.販売実績
当事業年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当事業年度 (自 2022年8月1日 至 2023年7月31日) |
|
|
金額(千円) |
前年同期比(%) |
|
|
産業システム事業 |
1,687,682 |
192.7 |
|
保守サービス事業 |
694,171 |
110.9 |
|
合 計 |
2,381,854 |
158.7 |
(注)1.当社はセグメント間の取引についてはありません。
2.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前事業年度 (自 2021年8月1日 至 2022年7月31日) |
当事業年度 (自 2022年8月1日 至 2023年7月31日) |
||
|
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
|
株式会社キャタラー |
241,894 |
16.1 |
474,942 |
19.9 |
|
明和テクノス株式会社 |
50,463 |
3.4 |
278,422 |
11.7 |
|
草野産業株式会社 |
215,745 |
14.4 |
80,419 |
3.4 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたりまして、採用した会計方針及びその適用方法並びに見積りの評価については、当社が現在入手している情報及び合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の結果は様々な要因により大きく異なる可能性があります。
財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載のとおりであります。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
(売上高)
当事業年度における売上高は、2,381百万円(前年同期比58.7%増)となり、前事業年度に比べて880百万円増加いたしました。
これは、産業システム事業において、アフターコロナを見据えた設備投資への反動需要が集中したことによるものであります。加えて、全世界的な需要の拡大の影響から半導体を始めとした各種部品の長納期化したため、通常6ヶ月を想定している設備製造にかかるリードタイムが長期化し、前事業年度に売上が見込まれていた多くの案件が当事業年度の売上になったことが大きく影響しております。この結果、産業システム事業の売上高は、1,687百万円(前年同期比92.7%増)となりました。
一方、点検、メンテナンスを主とする保守サービス事業においては、業務提携先企業との協調を進め、新規顧客層の獲得に注力することで、堅調に売上を拡大することができました。また、カーボンニュートラルに向けた既存設備の省エネ改造工事の需要を取り込むことができました。この結果、保守サービス事業の売上高は、694百万円(前年同期比10.9%増)となりました。
(売上原価、売上総利益)
売上原価は、1,738百万円(前年同期比66.9%増)となり、前事業年度に比べ696百万円増加いたしました。これは主に産業システム事業における売上高の増加に紐づく、製造原価の増加によるものであります。また、世界的な景気回復基調を受けた半導体や鋼材を中心とした仕入価格の高騰や原油価格の高騰による物流コストの拡大の影響、短納期の代替部品の確保やそれに伴い追加される再設計などによる製造経費の増加により売上原価率が増加したことに起因しております。この結果、売上総利益は643百万円(前年同期比40.0%増)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
販売費及び一般管理費は、399百万円(前年同期比10.4%増)となり、前事業年度に比べ37百万円増加いたしました。これは主に新工場の稼働に伴う減価償却費及び管理諸費の増加、株式上場により資本金が増加したことによる外形標準課税が適用されたことに伴う租税公課の増加によるものであります。この結果、営業利益は243百万円(前年同期比149.1%増)となり、前事業年度に比べ145百万円増加いたしました。
(営業外収益、営業外費用及び経常利益)
営業外収益は5百万円(前年同期比45.0%減)となり、前事業年度に比べ4百万円減少いたしました。これは主に前事業年度に発生した補助金収入や為替差益が減少したことによるものであります。営業外費用は19百万円(前年同期比3,183.1%増)となり、前事業年度に比べ19百万円増加いたしました。これは主に株式上場に伴う上場関連費用が発生したことによるものであります。この結果、経常利益は228百万円(前年同期比115.0%増)となり、前事業年度に比べ122百万円増加いたしました。
(特別利益、特別損失及び当期純利益)
特別利益として旧社屋の売却に伴う固定資産売却益96百万円、新工場建設に対する補助金収入57百万円等を計上した結果、税引前当期純利益は390百万円(前年同期比148.9%増)となりました。また、法人税等合計は113百万円となり、前事業年度に比べ57百万円増加いたしました。
以上の結果、当期純利益は277百万円(前年同期比174.3%増)となり、前事業年度に比べ176百万円増加いたしました。
③ 目標とする経営指標の達成状況等
当社の経営指標は変動費率55%以下、売上高総利益率29.5%以上、売上高営業利益率9%以上を目標としております。
当事業年度においては、変動費率、売上高総利益率、売上高営業利益率はそれぞれ57.5%、27.0%、10.2%となり、売上高営業利益率は達成いたしました。これは、アフターコロナを見据えた設備投資需要の回復の影響により、産業システム事業の売上高が大きく増加したことにより、原価高の影響を多大に受けている産業システム事業の売上高に占める割合が増加したことで相対的に製造原価が増加したことにより、変動費率が増加し、売上高総利益率が減少したことによるものと分析しております。一方、売上高自体が新型コロナウイルス感染症の影響から回復したことにより、相対的に販売費及び一般管理費の割合が減少した結果、売上高営業利益率は増加いたしました。
④ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
資金需要
当社における資金需要は主に運転資金需要があります。運転資金需要のうち主なものは、当社の産業システム事業の設備製造にかかわる材料費、外注費、労務費及び保守サービス事業のメンテナンスにかかわる材料費、労務費があります。また、各事業に共通するものとして販売費及び一般管理費の人件費があります。その他に設備投資需要としまして、各種固定資産購入費用があります。
財務政策
当社は現在、運転資金については営業キャッシュ・フローで獲得した内部資金を充当しております。不足が生じた場合は金融機関からの短期借入金で調達するために、金融機関に十分な借入枠を有しております。
設備投資需要に係る資金につきましては、原則として自己資本により賄うこととしておりますが、必要に応じて長期借入金により資金調達を行う等、柔軟に対応することとしております。
当事業年度末における長期借入金の残高は、1年内返済予定の長期借入金の残高を含め、235百万円の借入であります。
手元資金の流動性について
当社は当事業年度末において、1,817百万円の現金及び預金を保有し、そのうち334百万円の定期預金を保有しておりますが、これは短期の定期預金のため、十分な手元流動性を確保しております。また、今後、必要に応じて金融機関との間で資金調達を検討するとともに、新規投資の時期を慎重に見極め、経費抑制によりキャッシュ・フロー管理を徹底し、十分な手元流動性の確保に努めてまいります。
⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおり、景気変動、海外情勢等、海外業務、大規模災害、情報漏洩、品質管理等様々なリスクが存在するものと認識しております。そのため、当社は常に市場動向に留意しつつ、内部管理体制の強化や、人材の確保と育成等に力を入れ、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散・低減し、適切な対応に努め、改善に取り組みます。
⑥ 経営者の問題意識と今後の方針
当社が今後、事業を拡大し、継続的な成長を実現するためには、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環
境及び対処すべき課題等」に記載しておりますとおり、「カーボンニュートラル実現」に向けた加熱技術の省エネルギー・省CO2化、インフレによる材料価格の高騰に対する対応、工業炉業界での市場規模の拡大等の課題について適切に対処していく必要があると認識しております。
それらの課題に対応するための経営者の方針として、経営者は、常に市場のニーズや内部環境並びに外部環境の変化に関する情報の入手及び分析を積極的に行い、当社経営資源を最適に配分し、最適な解決策を実施していく方針であります。
加えて、外部企業とのアライアンスを積極的に推進し、当社の強みを活かし、弱みを補う形で業務の拡大及び
事業補完を目指して取り組んでまいります。また、新規販路拡大や必要な人材を安定的に確保するため企業のブ
ランド力の強化を図ります。併せて、若い世代への技術継承をシステマティックに行う土壌を作成し、人材育
成・定着に注力し、基幹事業の継続体制の盤石化に注力してまいります。
さらには、IoT技術(DX)を活用したリモートメンテナンスシステムの構築、省エネ環境デバイスの開発を推進し、予防メンテナンスや省エネルギーに貢献できる商材を提供することで保守サービス事業の拡充に努めてまいります。
該当事項はありません。
当社は、国内に本社の他、製造拠点として1か所の工場と、営業拠点として2か所の支店を有しております。
以上のうち、主要な設備は、以下のとおりであります。
|
2023年7月31日現在 |
|
事業所名 (所在地) |
セグメントの名称 |
設備の内容 |
帳簿価額 |
従業 員数 (人) |
||||||
|
建物 (千円) |
構築物 (千円) |
機械及び装置 (千円) |
車両 運搬具 (千円) |
工具、器具及び備品 (千円) |
土地 (千円) (面積㎡) |
合計 (千円) |
||||
|
本社 (静岡県浜松市浜北区) |
産業システム事業 保守サービス事業 共通 |
統括業務施設 測定設備 |
582,516 |
61,744 |
16,534 |
324 |
20,113 |
186,811 (8,040.53) |
868,044 |
45 |
|
第3エンジニアリング工場 (静岡県浜松市浜北区) |
産業システム事業 |
産業機械生産設備 |
235,009 |
4,482 |
6,241 |
- |
1,801 |
151,752 (9,999.00) |
399,287 |
18 |
|
札幌支店 (北海道札幌市東区) |
保守サービス事業 |
事務所 |
- |
- |
- |
- |
- |
- 〈119.28〉 |
- |
1 |
|
関西支店 (大阪府大阪市鶴見区) |
保守サービス事業 |
事務所 |
3,584 |
- |
- |
- |
34 |
- 〈57.24〉 |
3,618 |
3 |
|
その他 (静岡県浜松市西区) |
共通 |
福利厚生施設 |
- |
- |
- |
- |
- |
91 (41.48) |
91 |
- |
(注)1.土地の欄の( )は所有する土地の面積を表し、< >は賃借している土地の面積を外数で記載しております。
2.札幌支店及び関西支店事務所は賃借しており、その年間賃料は1,584千円及び1,980千円であります。
3.従業員数は、就業人員(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む。)であります。
また、臨時雇用者は従業員数の100分の10未満であるため、記載を省略しております。
|
種類 |
発行可能株式総数(株) |
|
普通株式 |
4,000,000 |
|
計 |
4,000,000 |
|
種類 |
事業年度末現在発行数 (株) (2023年7月31日) |
提出日現在発行数(株) (2023年10月27日) |
上場金融商品取引所名又は登録認可金融商品取引業協会名 |
内容 |
|
|
|
|
名古屋証券取引所 メイン市場 |
単元株式数 100株 |
|
計 |
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- |
- |
(注)2023年3月31日に名古屋証券取引所メイン市場に上場しております。
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決議年月日 |
2019年6月20日 (第1回新株予約権) |
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付与対象者の区分及び人数(名) |
当社従業員 3(注)1 |
|
新株予約権の数(個)※ |
30 |
|
新株予約権の目的となる株式の種類、内容及び数(株)※ |
普通株式 15,000(注)2.10. |
|
新株予約権の行使時の払込金額(円)※ |
2,600(注)3.10. |
|
新株予約権の行使期間※ |
自 2021年8月1日 至 2029年6月19日 |
|
新株予約権の行使により株式を発行する場合の株式の発行価格及び資本組入額(円)※ |
発行価格 2,600 資本組入額 1,300(注)4.10. |
|
新株予約権の行使の条件 ※ |
(注)7. |
|
新株予約権の譲渡に関する事項 ※ |
(注)5.6. |
|
組織再編成行為に伴う新株予約権の交付に関する事項 ※ |
(注)8. |
※ 当事業年度の末日(2023年7月31日)における内容を記載しております。提出日の前月末現在(2023年9月30日)において、記載すべき内容が当事業年度の末日における内容から変更がないため、提出日の前月末現在に係る記載を省略しております。
(注)1.2019年6月20日付与時点においては、3名とも当社従業員でありましたが、当事業年度の末日現在においては3名とも当社取締役に就任しております。
2.新株予約権の目的である株式の種類及び数
新株予約権の目的である株式の種類は当社普通株式とし、新株予約権1個につき目的となる株式数は、当事業年度の末日現在は500株であります。
なお、当社が株式分割又は株式併合を行う場合、次の算式により目的である株式の数を調整するものとしております。ただし、かかる調整は、新株予約権のうち、当該時点で行使されていない新株予約権の目的である株式の数について行われ、調整の結果生じる1株未満の端数については、これを切り捨てるものとしております。
調整後株式数=調整前株式数×分割・併合の比率
また、上記のほか、(注)2に定める行使価額の調整事由が生じた場合にも、各新株予約権につき、調整後株式数に調整後行使価額を乗じた額が調整前株式数に調整前行使価額を乗じた額と同額になるよう、各新株予約権の行使により発行される株式の数は適切に調整されるものとしております。ただし、かかる調整は、新株予約権のうち、当該時点で行使されていない新株予約権の目的である株式の数について行われ、調整の結果生じる1株未満の端数については、これを切り捨てるものとしております。
3.新株予約権の行使に際して出資される財産の価額
各新株予約権の行使に際して出資される財産の価額は、各新株予約権を行使することにより交付を受けることができる株式1株当たりの払込金額(以下「行使価額」とします。)に当該新株予約権の目的である株式の数を乗じた金額としております。
なお、当社が株式分割又は株式併合を行う場合、行使価額は次の算式により調整されるものとし、調整による1円未満の端数は切り上げます。
|
調整後行使価額=調整前行使価額× |
1 |
|
分割・併合の比率 |
また、新株予約権の割当日後、時価を下回る価額で新株を発行擦る場合又は自己株式を処分する場合(新株予約権の行使、株式交換による自己株式の移転の場合によるものを除きます。)は、次の算式により行使価額を調整し、調整により生ずる1円未満の端数は切り上げます。
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|
既発行株式数+ |
新規発行株式数×1株当たり払込金額 |
|
調整後行使価額=調整前行使価額× |
1株当たり時価 |
|
|
既発行株式数+新規発行株式数 |
||
上記算式において「既発行株式数」とは、当社の発行済株式総数から当社が保有する自己株式数を控除した数とし、自己株式の処分を行う場合には「新規発行」を「自己株式の処分」と読み替えるものとします。
さらに上記のほか、本新株予約権の割当日後、当社が他社と合併する場合、会社分割を行う場合、その他これらの場合に準じて行使価額の調整を必要とする場合には、当社は、合理的な範囲で適切に行使価額の調整を行うことができるものとします。
4.資本金及び資本準備金に関する事項
新株予約権の行使により株式を発行する場合において増加する資本金の額は、会社計算規則第17条第1項に従い算出される資本金等増加限度額の2分の1の金額とし、計算の結果端数が生じたときは、その端数を切り上げるものとします。
新株予約権の行使により株式を発行する場合において増加する資本準備金の額は、上記記載の資本金等増加限度額から増加する資本金の額を減じた額とします。
5.譲渡による新株予約権の取得の制限
譲渡による新株予約権の取得については、当社取締役会の決議による承認を要するものとします。
6.新株予約権の取得条項
当社は、新株予約権の割当を受けた者が新株予約権の行使の条件に定める規定により、権利を行使する条件に該当しなくなった場合には、当該新株予約権を無償で取得することができるものとします。
当社が消滅会社となる合併、当社が分割会社となる吸収分割若しくは新設分割、又は当社が完全子会社となる株式交換又は株式移転について株主総会の承認(株主総会の承認を要しない場合には取締役会決議)がなされた場合、当社は無償で本新株予約権を取得することができるものとします。
当社は、新株予約権者が新株予約権の全部又は一部を放棄した場合は、取締役会が別途定める日に、当該新株予約権を無償で取得することができるものとします。
7.新株予約権の行使の条件
当社の発行に係る普通株式の株式上場(当該普通株式に係る株券がいずれかの国内の金融商品取引所に上場され取引が開始されることをいいます。)の日以降、行使することができるものとします。
新株予約権発行時において当社取締役若しくは従業員であった者は、新株予約権の行使時において、当社又は当社子会社の取締役若しくは従業員の地位にあることを要します。ただし、当社取締役会が正当な理由があると認めた場合については、この限りではないものとします。
新株予約権者の相続人による新株予約権の行使は認めないものとします。
8.組織再編に伴う新株予約権の承継
当社が、合併(当社が合併により消滅する場合に限ります。)、吸収分割、新設分割、株式交換又は株式移転(以上を総称して以下「組織再編行為」とします。)をする場合において、組織再編行為の効力発生の時点において残存する新株予約権(以下「残存新株予約権」とします。)の新株予約権者に対し、それぞれの場合につき、会社法第236条第1項第8号のイからホまでに掲げる株式会社(以下「再編対象会社」とします。)の新株予約権を以下の条件に沿ってそれぞれ交付するものとします。この場合においては、残存する新株予約権は消滅し、再編対象会社は新株予約権を新たに発行するものとします。ただし、本号の取扱いは、本号に定める条件に沿って再編対象会社の新株予約権を交付する旨を、吸収合併契約、新設合併契約、吸収分割契約、新設分割計画、株式交換契約又は株式移転計画において定めた場合に限るものとします。
(1)交付する再編対象会社の新株予約権の数
残存新株予約権の新株予約権者が保有する新株予約権の数と同一の数をそれぞれ交付します。
(2)新株予約権の目的である再編対象会社の株式の種類
再編対象会社の普通株式とします。
(3)新株予約権の目的である再編対象会社の株式の数
組織再編行為の条件等を勘案の上、(注)1に準じて決定します。
(4)新株予約権の行使に際して出資される財産の価額
交付される各新株予約権の行使に際して出資される財産の価額は、組織再編行為の条件等を勘案の上調整した再編後の行使価額に上記(3)に従って決定される当該新株予約権の目的である株式の数を乗じて得られるものとします。
(5)新株予約権を行使することができる期間
新株予約権を行使することができる期間の開始日と組織再編行為の効力発生日のいずれか遅い日から、新株予約権を行使することができる期間の満了日までとします。
(6)譲渡による新株予約権の取得の制限
譲渡による新株予約権の取得については、再編対象会社の承認を要するものとします。
(7)再編対象会社による新株予約権の取得
(注)5に準じて決定します。
(8)新株予約権の行使により株式を発行する場合における増加する資本金及び資本準備金に関する事項
(注)3に準じて決定します。
9.新株予約権の行使により発生する端数の処理
新株予約権を行使した新株予約権者に交付する株式の数に1株に満たない端数がある場合には、これを切り捨てるものとします。
10.2022年9月21日開催の取締役会決議及び2022年10月27日開催の定時株主総会決議により、2022年10月27日付で普通株式1株につき500株の割合で株式分割を行っております。これにより「新株予約権の目的となる株式の種類、内容及び数」、「新株予約権の行使時の払込金額」及び「新株予約権の行使により株式を発行する場合の株式の発行価格及び資本組入額」が調整されております。
該当事項はありません。
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年月日 |
発行済株式総数増減数(株) |
発行済株式総数残高(株) |
資本金増減額 (千円) |
資本金残高 (千円) |
資本準備金増減額(千円) |
資本準備金残高(千円) |
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2022年10月27日 (注)1 |
1,011,473 |
1,013,500 |
- |
100,000 |
- |
28,169 |
|
2023年3月30日 (注)2 |
20,000 |
1,033,500 |
15,456 |
115,456 |
15,456 |
43,625 |
|
2023年4月26日 (注)3 |
21,000 |
1,054,500 |
16,228 |
131,684 |
16,228 |
59,854 |
(注)1.株式分割(1:500)によるものであります。
2.有償一般募集(ブックビルディング方式による募集)
発行価格 1,680円
引受価額 1,545.60円
資本組入額 772.80円
払込金総額 30,912千円
3.有償第三者割当(オーバーアロットメントによる売出しに関連した第三者割当増資)
割当価格 1,545.60円
資本組入額 772.80円
割当先 東海東京証券株式会社
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2023年7月31日現在 |
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区分 |
株式の状況(1単元の株式数 |
単元未満 株式の状況 (株) |
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政府及び 地方公共 団体 |
金融機関 |
金融商品 取引業者 |
その他の 法人 |
外国法人等 |
個人 その他 |
計 |
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個人以外 |
個人 |
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株主数(人) |
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- |
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所有株式数 (単元) |
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所有株式数の割合(%) |
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100 |
- |
(注)自己株式142,000株は、「個人その他」に1,420単元を含めて記載しております。
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2023年7月31日現在 |
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氏名又は名称 |
住所 |
所有株式数 (株) |
発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合(%) |
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計 |
- |
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(注)2023年3月31日の当社株式の名古屋証券取引所メイン市場への新規上場に伴う募集株式の発行及び株式売出しにより、当社の主要株主であった東京中小企業投資育成株式会社が当社の主要株主でなくなっております。
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(単位:千円) |
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前事業年度 (2022年7月31日) |
当事業年度 (2023年7月31日) |
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資産の部 |
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流動資産 |
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現金及び預金 |
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受取手形 |
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売掛金 |
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仕掛品 |
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原材料 |
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前渡金 |
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前払費用 |
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その他 |
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流動資産合計 |
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固定資産 |
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有形固定資産 |
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建物(純額) |
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構築物(純額) |
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機械及び装置(純額) |
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車両運搬具(純額) |
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工具、器具及び備品(純額) |
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土地 |
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建設仮勘定 |
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有形固定資産合計 |
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無形固定資産 |
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ソフトウエア |
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その他 |
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無形固定資産合計 |
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投資その他の資産 |
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出資金 |
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長期前払費用 |
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その他 |
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投資その他の資産合計 |
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固定資産合計 |
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資産合計 |
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(単位:千円) |
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前事業年度 (2022年7月31日) |
当事業年度 (2023年7月31日) |
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負債の部 |
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流動負債 |
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支払手形 |
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買掛金 |
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1年内返済予定の長期借入金 |
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未払金 |
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未払費用 |
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未払法人税等 |
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契約負債 |
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預り金 |
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製品保証引当金 |
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受注損失引当金 |
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本社移転費用引当金 |
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その他 |
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|
流動負債合計 |
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固定負債 |
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長期借入金 |
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繰延税金負債 |
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役員退職慰労引当金 |
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退職給付引当金 |
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固定負債合計 |
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負債合計 |
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純資産の部 |
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株主資本 |
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資本金 |
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資本剰余金 |
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資本準備金 |
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資本剰余金合計 |
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利益剰余金 |
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利益準備金 |
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その他利益剰余金 |
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別途積立金 |
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圧縮積立金 |
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繰越利益剰余金 |
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利益剰余金合計 |
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自己株式 |
△ |
△ |
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株主資本合計 |
|
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純資産合計 |
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|
負債純資産合計 |
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(単位:千円) |
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前事業年度 (自2021年8月1日 至2022年7月31日) |
当事業年度 (自2022年8月1日 至2023年7月31日) |
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売上高 |
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売上原価 |
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当期製品製造原価 |
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売上原価合計 |
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売上総利益 |
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販売費及び一般管理費 |
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給料及び手当 |
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役員報酬 |
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減価償却費 |
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役員退職慰労引当金繰入額 |
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その他 |
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販売費及び一般管理費合計 |
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営業利益 |
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営業外収益 |
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受取利息 |
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受取配当金 |
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出向者負担金受入額 |
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スクラップ売却益 |
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固定資産税還付金 |
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|
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その他 |
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営業外収益合計 |
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営業外費用 |
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|
支払利息 |
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|
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上場関連費用 |
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|
|
その他 |
|
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|
営業外費用合計 |
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経常利益 |
|
|
|
特別利益 |
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|
固定資産売却益 |
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|
|
補助金収入 |
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|
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保険解約返戻金 |
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|
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特別利益合計 |
|
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|
特別損失 |
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|
固定資産除売却損 |
|
|
|
その他 |
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|
|
特別損失合計 |
|
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税引前当期純利益 |
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|
|
法人税、住民税及び事業税 |
|
|
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法人税等調整額 |
△ |
△ |
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法人税等合計 |
|
|
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当期純利益 |
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1.報告セグメントの概要
当社の報告セグメントは、当社の構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び経営成績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。
当社は、加熱トライによる熱設備の最適条件をお客様へ提案しオーダーメイド型の加熱設備を設計・製造・販売を行う「産業システム事業」と、自社制作品であるかを問わず幅広くメンテナンスを手掛ける「保守サービス事業」との2つのビジネスモデルを主軸としております。
したがって、当社はこのビジネスモデル別のセグメントから構成されており、「産業システム事業」と「保守サービス事業」の2つを報告セグメントとしております。