株式会社テクニスコ
TECNISCO, LTD.
品川区南品川二丁目2番15号
証券コード:29620
業界:金属製品
有価証券報告書の提出日:2023年9月29日

(1)連結経営指標等

回次

第53期

第54期

第55期

決算年月

2021年6月

2022年6月

2023年6月

売上高

(千円)

4,346,629

5,480,794

5,347,037

経常利益

(千円)

353,696

887,583

329,351

親会社株主に帰属する当期純利益

(千円)

277,328

802,787

222,341

包括利益

(千円)

342,767

1,088,602

220,997

純資産額

(千円)

2,429,944

3,518,547

3,739,544

総資産額

(千円)

6,568,798

8,140,781

8,271,390

1株当たり純資産額

(円)

372.86

539.89

573.81

1株当たり当期純利益

(円)

42.55

123.18

34.12

潜在株式調整後1株当たり当期純利益

(円)

自己資本比率

(%)

36.99

43.22

45.21

自己資本利益率

(%)

11.15

26.99

6.13

株価収益率

(倍)

営業活動によるキャッシュ・フロー

(千円)

837,108

1,042,504

361,148

投資活動によるキャッシュ・フロー

(千円)

337,646

634,366

792,779

財務活動によるキャッシュ・フロー

(千円)

380,790

247,852

416,066

現金及び現金同等物の期末残高

(千円)

612,993

835,848

729,487

従業員数

(人)

301

315

322

(外、平均臨時雇用者数)

(5)

(9)

(11)

 (注)1.潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。

2.株価収益率については、当社株式は非上場でありましたので、記載しておりません。

3.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数(パートタイマー、人材会社からの派遣社員、季節工を含む。)は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。

4.第53期、第54期及び第55期の投資活動によるキャッシュ・フローがマイナスになっているのは、主に有形固定資産の取得による支出によるものであります。

5.第53期及び第54期の財務活動によるキャッシュ・フローがマイナスになっているのは、主に長期借入金の返済による支出によるものであります。

6.第54期の経常利益等の利益が大幅に増加になっているのは、主に海外向けの高機能ヒートシンク製品の売上高増加によるものであります。

7.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第54期の期首から適用しており、第54期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。

8.第53期以降の連結財務諸表については、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号)に基づき作成しており、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、PwC京都監査法人の監査を受けております。

 

(2)提出会社の経営指標等

回次

第50期

第51期

第52期

第53期

第54期

第55期

決算年月

2019年3月

2019年6月

2020年6月

2021年6月

2022年6月

2023年6月

売上高

(千円)

3,648,853

799,586

3,342,242

3,653,388

4,831,878

4,555,355

経常利益

(千円)

220,287

36,708

182,552

87,575

496,234

154,505

当期純利益又は当期純損失(△)

(千円)

135,223

1,874

131,901

490,031

398,650

89,409

資本金

(千円)

100,000

100,000

100,000

100,000

100,000

100,000

発行済株式総数

(株)

6,517,100

6,517,100

6,517,100

6,517,100

6,517,100

6,517,100

純資産額

(千円)

3,290,146

3,288,271

3,410,359

2,920,328

3,318,978

3,408,387

総資産額

(千円)

6,445,128

6,531,082

7,269,091

7,022,917

7,691,775

7,835,620

1株当たり純資産額

(円)

504.85

504.56

523.29

448.10

509.27

522.99

1株当たり配当額

(円)

(うち1株当たり中間配当額)

(-)

(-)

(-)

(-)

(-)

(-)

1株当たり当期純利益又は1株当たり当期純損失(△)

(円)

20.75

0.29

20.24

75.19

61.17

13.72

潜在株式調整後1株当たり当期純利益

(円)

自己資本比率

(%)

51.05

50.35

46.92

41.58

43.15

43.50

自己資本利益率

(%)

4.20

3.94

12.78

2.66

株価収益率

(倍)

配当性向

(%)

従業員数

(人)

147

147

169

179

195

204

(外、平均臨時雇用者数)

(10)

(10)

(5)

(5)

(9)

(11)

株主総利回り

(%)

(比較指標:-)

(%)

(-)

(-)

(-)

(-)

(-)

(-)

最高株価

(円)

最低株価

(円)

 (注)1.潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。

2.株価収益率については、当社株式は非上場でありましたので、記載しておりません。

3.当社は配当を行っておりませんので、1株当たり配当額及び配当性向については、それぞれ記載しておりません。

4.従業員数は就業人員(当社から社外への出向者を除く。)であり、臨時雇用者数(パートタイマー、人材会社からの派遣社員、季節工を含む。)は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。

5.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第54期の期首から適用しており、第54期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。

6.第53期以降の財務諸表については、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵省令第59号)に基づき作成しており、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、PwC京都監査法人の監査を受けておりますが、第50期、第51期及び第52期の財務諸表については、「会社計算規則」(平成18年法務省令第13号)に基づき算定しており、当該監査を受けておりません。

7.第51期については、法人税等調整額37,766千円を計上したことにより、当期純損失を計上しております。

8.第51期及び第53期の自己資本利益率については、当期純損失であるため記載しておりません。

9.第53期については、TECNISCO Advanced Materials Pte. Ltd.のデット・エクイティ・スワップ(債務の株式化)に伴い、債権の帳簿価額と株式の時価との差額を特別損失に計上したことにより、当期純損失を計上しております。

10.第54期については、主に海外向けの高機能ヒートシンク製品の売上高増加により、経常利益等の利益が大幅に増加にしております。

11.2019年6月21日開催の定時株主総会決議により、第51期の決算期を3月31日から6月30日に変更しました。従って、第51期は、決算期変更により2019年4月1日から2019年6月30日までの3ヶ月間となっております。

12.株主総利回り、比較指標、最高株価及び最低株価については、当社株式は非上場でありましたので記載しておりません。

なお、当社株式は2023年7月26日付で、東京証券取引所スタンダード市場に上場いたしました。

 

2【沿革】

1970年2月

東京都港区芝に、株式会社第一製砥所(現株式会社ディスコ)の研削切断加工技術を研究開発する目的で、株式会社精密切断研究所を個人出資により設立

1971年9月

東京都品川区南品川に切断加工工場である品川工場を新設し株式会社テクニスコに商号変更

1972年9月

株式会社ディスコ66.7%出資によりディスコグループに参加

1987年8月

広島県呉市広多賀谷に広島工場を新設

1989年4月

株式譲渡により株式会社ディスコ100%出資の子会社となる

1993年8月

品川工場を広島工場に移転し加工部門を増強

1999年10月

品質マネジメントシステムISO9002を取得

2001年12月

東京都品川区南品川に新社屋を竣工

2002年1月

東京都品川区南品川の新社屋に本店を移転

2002年7月

広島工場にて環境マネジメントシステムISO14001を取得

2005年9月

中華人民共和国にTECNISCO (SuZhou) CO.,Ltd.を100%子会社として設立

2005年11月

品質マネジメントシステムISO9001を取得

2008年1月

TECNISCO (SuZhou) CO.,Ltd.にて、品質マネジメントシステムISO9001を取得

2009年2月

TECNISCO (SuZhou) CO.,Ltd.にて、環境マネジメントシステムISO14001を取得

2014年10月

MBO(マネジメント・バイアウト)の実施により株式会社ディスコより独立

2015年3月

TECNISCO (SuZhou) CO.,Ltd.にて、自動車産業特化品質マネジメントシステムISO/TS16949を取得

2016年12月

海外企業より、シルバーダイヤ(高い熱伝導を持つ銀とダイヤモンドの複合材料)製造に関する特許の使用許諾契約を締結

2017年8月

シンガポールにTECNISCO Advanced Materials Pte. Ltd.を100%子会社として設立

2018年4月

TECNISCO Advanced Materials Pte. Ltd.にて、シルバーダイヤの製造を開始

2018年8月

シルバーダイヤ製品のサンプル提供を開始

2019年5月

ドイツにTECNISCO EUROPE GmbHを100%子会社として設立

2022年4月

2023年7月

TECNISCO Advanced Materials Pte. Ltd.にて、品質マネジメントシステムISO9001を取得

TECNISCO Advanced Materials Pte. Ltd.にて、環境マネジメントシステムISO14001を取得

2023年7月

 

2023年7月

TECNISCO Advanced Materials Pte. Ltd.にて、労働安全衛生マネジメントシステムISO45001を取得

東京証券取引所スタンダード市場に株式を上場

 

3【事業の内容】

 当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社及び連結子会社2社、非連結子会社1社により構成されており、精密加工部品事業の単一セグメントを営んでおります。

 当社グループが製造販売する製品群は、「ヒートシンク(*)製品」、「ガラス製品」及び「その他」に区分され、それぞれ以下のとおりとなります。なお、(*)を付している用語については、章末に「用語解説」を設け、説明しております。

・ヒートシンク製品

 当社グループが扱う「ヒートシンク製品」は、電子部品が機能する際に発生する熱を吸収し放熱して、性能低下や故障を防ぐことを目的とした構成部品であり、半導体レーザー(*)向け、パワー半導体(*)向け、MPU(*)向け等の高機能ヒートシンク製品を提供しております。

・ガラス製品

 当社グループが扱う「ガラス製品」は、光透過性、電気的絶縁性、気密性、耐薬品性などの特徴を持つ電子部品用ガラスに、微細な形状加工や金属回路形成加工を行い、電子デバイスと組み合わせることで電子デバイスの機能性を上げる構成部品で、半導体センサー(*)などの電子デバイスの小型化、高機能化を可能とするための付加価値を高めた「ガラス製品」が求められており、各種センサー向け、モバイル機器向け、バイオ・医療向け等の精密ガラス製品を提供しております。

・その他

 各種金属材料、シリコン(Si)材料、窒化アルミニウム(AlN)や酸化アルミニウム(Al)などのセラミック材料の加工製品を提供しております。また、ガラスやセラミック加工用のダイヤモンドツールも提供しております。

製品群ごとの主要製品は下記の図に記載の内容となります。

 

0101010_001.png

 

 

 当社グループは、産業機器市場、自動車市場、光・無線通信市場、ライフサイエンス市場、航空宇宙市場、環境エネルギー市場向けのヒートシンク製品、ガラス製品及びその他の精密加工部品の製造販売を行っております。製造拠点は、当社の広島工場を中心に、中国子会社であるTECNISCO (SuZhou) CO.,Ltd.の蘇州工場及びシンガポール子会社であるTECNISCO Advanced Materials Pte. Ltd.のシンガポール工場を含めたグループ製造体制を構築しております。

 当社グループが製造販売する製品は、顧客製品の中の構成部品として組み込まれるものであり、基本的には顧客ごとの要求仕様を受託し、試作から量産までにおいて製品化していく受注生産となります。

 「切る」「削る」「磨く」「メタライズ(非金属の表面への金属膜化)」「接合」の加工技術を組み合わせる「クロスエッジ®Technology」を、最先端の開発や生産に活かし、顧客の要望を叶え製品化させる技術力及び実現力が、当社の強みとなります。

 一般的な専業メーカーの場合、例えば「切る」を専業とするメーカーであれば、その後に「磨く」工程や「メタライズ」といった加工工程が必要である場合、それぞれを専業とするメーカーに外注することで最終的に製品化することになります。一方で、当社グループはこれらの複数加工技術を自ら組み合わせて製品を完成させます。これにより、顧客へ、以下の「クロスエッジ®Technology」の特長におけるメリットを提供することが可能と考えております。

 

 

0101010_002.png

 

 

 当社グループは、もとは株式会社ディスコの研削切断加工技術を活かした受託加工を提供してまいりました。そのような中、「クロスエッジ®Technology」を展開する契機となったのは、2000年頃の海底ケーブルなどによる長距離光通信網敷設急増での光通信バブルであります。顧客からのニーズも踏まえ、切断だけでない様々な加工の必要性を模索していた時期でもあり、そこで創出した利益をもとに、メタライズ技術である薄膜蒸着設備を導入しました。導入した設備を当社事業に活用していくための技術開発を地道に続け、新たな加工技術を身に付けることができました。その後、顧客からのニーズに応えていくための技術開発を繰り返し、一つ一つ新しい技術をものにしていきました。その過程で、「切る」「削る」「磨く」等それぞれの要素技術において、模倣が難しいコア技術も習得してまいりました。これらコア技術を中心に複数工程を組み合わせることにより、独創的な加工技術を生み出し製品化へとつなげていき、専業メーカーだけでは対応できない技術力を蓄積してまいりました。これにより、当社の強みである「クロスエッジ®Technology」が確立されました。さらに、「クロスエッジ®Technology」の継続的な進化のために要素技術そのものを増やすとともに、それぞれの要素技術のレベルアップを図り、その中でコアとなる技術を増やし進化へとつなげることが重要であり、そのための技術開発に注力しております。

 

0101010_003.jpg

 

 当社グループは、サービスの付加価値をより高めていくという観点から、従来、高機能ヒートシンクの開発に注力しております。

 一般的なヒートシンクの材料としては銅(Cu)やアルミニウム(Al)がありますが、これら材料の素材は、熱を吸収するための熱伝導(熱の伝わりやすさ)は高い一方で、熱膨張(熱による物質の伸縮)が大きい面があります。高い出力のレーザーを出す半導体素子は非常に高い発熱となるため、CuやAlなどを材料としたヒートシンクでは素子とヒートシンクの伸縮の差により損傷してしまいます。しかし、当社の得意領域である高出力レーザー用のヒートシンクは、高い熱伝導を持つ上で、素子の熱膨張に近い素材である窒化アルミニウム(AlN)とCuを複合構造としたCu/AlN/Cu(*)や、銅タングステン(CuW)を主な材料とした高機能ヒートシンクとして製品化しております。これらの材料は、CuやAlに比較して複数素材からなる複合材であるため、切断、切削やめっきなど加工が難しくなる側面がありますが、顧客からの様々な仕様要求に応えるよう製品化に注力しております。

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 さらに、高出力レーザー用途の機器は、年々高性能化、高出力化が進み、より高機能なヒートシンクが求められており、当社グループにおいては、それらのニーズに対応する手段の一つとして、非常に高い熱伝導を持つ銀とダイヤモンドの複合材料として、2016年にシルバーダイヤの製造に関する特許を所有する海外企業と当該特許の使用許諾契約を締結し、製造を当社のシンガポール子会社であるTECNISCO Advanced Materials Pte. Ltd.にて行っております。また、同社(子会社)では製造したシルバーダイヤを素材とした高機能ヒートシンク製品の開発及び製造を行っております。

 シルバーダイヤは素材にダイヤモンドを包有するため、加工が難しい側面を有しておりますが、当社が持つ「クロスエッジ®Technology」を駆使し、次世代高出力レーザー用サブマウントや次世代の無線通信規格である5G・6G通信(*)の通信デバイス用のヒートシンク等、様々な用途に適したシルバーダイヤ製ヒートシンク製品の開発を進めております。

 このように、当社グループでは、これまでの受託加工を中心とした事業展開に加え、自社製造の素材をもとにした自社開発製品を新たな事業展開の柱とすべく、当社が提供するサービス等の付加価値をさらに高めていくこととしております。

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 当社グループの加工技術はガラス製品に活かされております。ガラス製品の用途市場は幅広く、自動車における車載エレクトロニクス市場での半導体センサーをはじめ、自動運転技術でのLiDARセンサー(*)、産業機器における制御装置市場での高周波(RF)スイッチ(*)や画像センサー、また、医療機器における分析装置市場での内視鏡やDNA/血液分析などの用途に向けた製品として、ガラス貫通配線基板、立体配線ガラス、マイクロ流路ガラス、キャップガラスなどのガラス製品を提供しております。

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 当社の加工技術はヒートシンク製品、ガラス製品だけでなく、その他として各種金属、シリコン、セラミックなどの材料などの微細加工にも活かされ、切断、切削の加工を受託しております。また、独自の切断・切削技術への創意工夫の蓄積で得たガラス・セラミック加工用ダイヤモンドツールも製造販売しております。

 当社グループの海外販売は、連結売上高の71.8%を占めております。これは、地域別のニーズに即した製品の提供による事業を展開しており、主に中国における高出力の半導体レーザー向けヒートシンクや米国における車載向けガラス製品の販売になります。

 

[事業系統図]

 以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。0101010_007.png

 

 

 

 

 

 

<用語解説>

ヒートシンク

電子部品や電子機器などが発生する熱を吸収し放熱することで、性能低下や故障を防ぐことを目的とした部品で「放熱板」とも呼ばれます。

半導体レーザー

電圧を与えるとレーザーを出す半導体素子を利用したもので、レーザーダイオード(Laser diode)やLaser diodeを略してLDとも呼ばれます。小型で低電圧、低電流でも高効率のレーザーを出すことができ、年々、半導体レーザーの出力は向上しており、長距離光通信用のレーザー、外科手術などの医療用レーザーから、溶接機器などの溶接用レーザーまで、用途が広がり性能も向上してきております。

パワー半導体

電流を直流と交流に変換したり、電圧や周波数を変えて電気を効率的に使うようにするため半導体で、高い電圧や大きな電流を扱うため高熱が発生します。

MPU

Micro Processing Unit(マイクロプロセッサーユニット)の略で、デジタルコンピューターが演算処理を行う演算回路(プロセッサ)をシリコンなどの半導体上に形成し、マイクロチップに実装したものです。

半導体センサー

半導体の物性によって、温度、光、圧力などが変化した際に、半導体の電気抵抗などの変化を検知してセンサーとするもので、家電、自動車、産業機器、など幅広く使用されております。センサーの種類で代表的な例では温度センサー、光センサー、圧力センサー、加速度センサー、ジャイロセンサーがあり、特に自動車はこのようなセンサーが数多く搭載されており、温度センサーや圧力センサーはエンジン制御やブレーキなどの油圧の制御、加速度センサーやジャイロセンサーはエアバッグや横滑り防止装置の制御、また光センサーはライトや最近では駐車支援システムにも使用されております。

Cu/AlN/Cu

発熱する高出力レーザーの半導体素子の熱膨張に近く、熱伝導も高い窒化アルミニウム(AlN)の両面に、非常に高い熱伝導を持つCuが形成されている構造のヒートシンク材。Cuは熱膨張が大きいため、その熱膨張を緩和するためAlNがCuとCu間にサンドイッチされる構造としております。

5G・6G通信

2020年に主流である携帯電話などの移動通信システムの通信規格は4G(GはGeneration<=世代>の頭文字をとったもので4th Generation<=第4世代>)と呼ばれ、2020年以降から現在は次世代規格である5Gの通信規格へ置き換わってきており、4G通信の20倍の高速化、高信頼性および低遅延の通信を実現するものとなり、さらに高速化し進化した6G通信が2030年を目途に導入されることが予想されております。次世代通信を実現するためには、高い出力、高い周波数に対応できる通信機器が必要とされます。

LiDARセンサー

「light detection and ranging(レーザー画像検出と測距)」の頭文字をとったLiDAR(ライダー)センサーは、物体との距離や形状を測るためのセンサーで、レーザー光を使うことで、電波を使って測定するレーダー方式に比べ、高精度に距離、形状や位置関係などを立体的に検知できる特徴があり、自動車の自動運転技術への広がりが進んでおります。

高周波(RF)スイッチ

携帯電話や無線LAN、近年の衛星通信などの電波通信は高い周波数が使用され、その通信経路を切り換えるための電子回路部品であり、小型化、高機能化のため微細な回路内にスイッチの機能を持たせるようになってきております。

4【関係会社の状況】

名称

住所

資本金

主要な事業の内容

議決権の所有割合又は被所有割合

(%)

関係内容

(連結子会社)

 

 

 

 

 

TECNISCO (SuZhou) CO.,Ltd.

(注)2.3

中華人民共和国江蘇省蘇州市

1,050,000千円

ガラス製品の製造、販売及びヒートシンク製品の販売

100.00

当社ヒートシンク製品の販売並びに当社ガラス製品を製造している他、同製品を中国に販売している。

役員の兼任6名。

TECNISCO Advanced Materials Pte. Ltd.

(注)2

シンガポール共和国

3,000

千SGドル

シルバーダイヤ製造及びヒートシンク製品の開発、製造、販売

100.00

ヒートシンク材料であるシルバーダイヤの製造並びに、当社ヒートシンク製品を製造している他、同製品を中国以外の海外に販売している。

役員の兼任2名。

運転資金及び設備投資資金の貸付。

 (注)1.有価証券届出書又は有価証券報告書を提出している会社はありません。

2.特定子会社に該当しております。

3.TECNISCO (SuZhou) CO.,Ltd.については、売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く。)の連結売上高に占める割合が10%を超えております。2023年6月期の主な損益情報等は以下のとおりとなります。

主要な損益情報等  (1)売上高    2,701,657千円

(2)経常利益    151,011千円

(3)当期純利益   130,596千円

(4)純資産額   1,583,836千円

(5)総資産額   2,067,057千円

 

5【従業員の状況】

(1)連結会社の状況

 

2023年6月30日現在

セグメントの名称

従業員数(人)

精密加工部品事業

322

(11)

 (注)1.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数(パートタイマー、人材会社からの派遣社員、季節工を含む。)は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。

2.当社グループは精密加工部品事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

 

(2)提出会社の状況

 

 

 

 

2023年6月30日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

204

(11)

42.4

13.3

6,346,599

 (注)1.従業員数は就業人員(当社から社外への出向者を除く。)であり、臨時雇用者数(パートタイマー、人材会社からの派遣社員、季節工を含む。)は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。

2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

3.当社は精密加工部品事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

 

(3)労働組合の状況

 当社グループにおいて労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。

 

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針

 当社グループは、社会的使命、永続的な目標および企業としての姿勢を「The TECNISCO WAY」として企業理念に掲げており、その社会的使命として掲げた「高度なクロスエッジ®Technologyへの継続的なチャレンジによって人びとの喜びの実現の一助となる」を果たすため、「切る」「削る」「磨く」「メタライズ」「接合」を中心とした複数の先端加工技術を融合させた「クロスエッジ®Technology」で、真の顧客ニーズと市場ニーズを捉えたモノづくりに取り組んでおります。また、永続的な目標の“いつの時代にも人びとから「次も」期待される存在となる”において、顧客より求められる部品加工の領域は幅広くありますが、当社グループはその中でも高機能ヒートシンク及びガラスの領域においては、顧客が困ったときには当社に相談したいと思わせられる存在になりたいと考えており、企業としての姿勢の“誠実な企業として生きる 独創の企業として生きる”を基に、世の中の快適につながる部品加工の技術開発を進めております。

 なお、企業を構成する主要な要素と当社を取り巻くステークホルダーとの関係性という観点から、当社グループが2023年度に実現すべき姿を「VISION 2023」として定義し、その具現化を継続して進め、景気の波に左右されず着実に成長・拡大するビジネスモデルを構築すること、企業としての基礎体力を強化して安定的な収益構造を実現することを中期的な課題として継続的に取り組んでおります。

 

(2)経営戦略等

 果たすべき社会的使命、「高度なクロスエッジ®Technologyへの継続的なチャレンジによって人々の喜びの実現の一助になる」の実現を目指す上で、当社グループは、中長期のマイルストーンとして「VISION 2023」を策定しています。その策定にあたっては、「VISION 2018」の活動の振り返りを行い、進化を目指して未来からの視点で描かれており、売上高や利益などの定量的な要素によらず、より定性的な要素も含めた内容になっています。事業や技術、会社、文化といった企業を構成する様々な要素の姿と「顧客」「サプライヤー」「従業員」「株主」などのステークホルダーとの関係性から、当社グループの2023年度末(2024年6月期)の到達点を定義しています。例えば中長期の経営指標に関して、事業の姿においては7つの事業の柱をもっていること、独自の製品が事業の柱の1つとなっていること、リスクマネジメントの仕組みが構築・運用されていることを掲げています。

 現在、当社グループは、ヒートシンク製品、ガラス製品の製造販売を主な事業として、産業機器市場、自動車市場、光・無線通信市場、ライフサイエンス市場、航空宇宙市場、環境エネルギー市場の合計6つの市場を主な展開領域として当社製品の浸透を図っております。そのためには、これまで取引先からのニーズに対し、どうやって作るか(HOW)に主眼を置いた受託加工を主体としたビジネスモデルから、新たに何を作るか(WHAT)を主眼にした自社素材及び自社製品の開発、製造も並列させたビジネスモデルへの転換に取り組んでまいります。

 これらを実現させるために、ヒートシンク製品においては産業機器市場、自動車市場、光・無線通信市場及び航空宇宙市場でのサーマルマネジメント用途に向けた高性能ヒートシンク材料の開発、また、複合加工技術の開発による高機能ヒートシンク製品の製造、ガラス製品においてはライフサイエンス市場に向けた高信頼性製品の開発、さらに、成長市場である環境エネルギー市場へ独自加工技術による展開など、技術開発と製造の効率化を継続的に実施してまいります。

 また、社会的使命を果たすために、企業体質の強化は不可欠ですが、リスクマネジメントシステムの推進、働き方改革の推進、健康経営の推進、人材の育成開発、スピーディな情報連携、内部統制整備運用などを継続的に実施してまいります。特に果たすべき社会的使命について、継続的なチャレンジによって「人々の喜びの実現の一助になる」と定義しているように、人々の喜びを実現するのは、顧客です。すなわち当社グループが「クロスエッジ®Technology」を求める先端製品開発に携わる人々から、認められた存在であることがマテリアリティ(最重要課題)です。当社グループは、これを推進する体制として「テクニスコCSマネジメントシステム」という全社的な体制にて、顧客の正直な声を全従業員に届け、CS向上のための活動を行ってまいります。

 

(3)経営環境

 当社グループの主要製品であるヒートシンク製品は、産業機器市場、自動車市場、光・無線通信市場等において、様々な領域の機器の一部を構成する部品として利用されております。

 現況において、当社グループは、半導体レーザーの市場セグメント、材料処理、医療、光通信、LiDARセンサー、ディスプレイと照明など様々な分野における主要な半導体レーザーメーカーと取引実績があります。現在、地域別売上では、特に中国メーカーの顧客から旺盛な需要がありますが、競合である日米欧等の主要メーカーも当社グループの顧客であり、その需要を確実に取り込めるように、既存取引先との関係強化及び新規取引先開拓に取り組んでまいります。また、半導体レーザー用途以外でもパワー半導体、MPU向けの高機能ヒートシンク製品を提供しておりますが、これらを含めた半導体市場全体は、デジタル革命の進展に伴い今後も右肩上がりで成長し、2030年には、現在(2020年)の約2倍に匹敵する約100兆円(経済産業省:2021年6月 半導体戦略 参考資料より)に達すると言われています。半導体の微細化、極小化により大容量、高速、高信頼性や低消費電力、性能比低価格化など、半導体の進化に向けた追求は止まることがありません。当社グループは、顧客の最先端製品のR&D・開発担当者と直接対話し、共に解決する提案型の営業を行うことで、顧客製品の信頼性、長寿命化に必要不可欠な電気の放熱問題を解決する、ヒートシンク製品を提供してまいります。

 もう一つの当社グループの主要製品であるガラス製品は、自動車市場、ライフサイエンス市場等における様々な領域の機器の一部を構成する部品として利用されております。

 ガラス製品は、光透過性、電気的絶縁性、気密性、耐薬品性などの特徴を持つ電子部品用ガラスに、微細な形状加工や金属回路形成加工を行い、電子デバイスと組み合わせることで電子デバイスの小型化、高機能化を可能とする構成部品です。特に車の自動運転技術が進む自動車市場向けの各種センサーやモバイル機器向け、バイオ・医療向け等に精密ガラス製品を提供しております。それぞれの市場においては、顧客製品の高性能化、小型化が進んでおり、当社グループは顧客ニーズを確実に取り込めるように、取り組んでおります。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当社は、株式会社ディスコの研削切断加工技術をもとに受託加工を提供しておりましたが、2000年代、顧客ニーズも踏まえてコーティング技術である薄膜の設備を導入し、新たな加工技術を身に付けました。その後、技術開発を繰り返し、さらなるコア技術を中心に複数工程を組み合わせ、独創的な加工技術を生み出し製品化へとつなげ、専業メーカーでは対応できない技術力を蓄積してまいりました。当社の強みである「クロスエッジ®Technology」は、このように確立された歴史があります。当社グループでは、下記の事項を対処すべき課題と認識して、さらなる進化のためにコア技術を増やし、レベルアップを図る研究開発活動に取り組み、安定的な収益構造の実現を推進してまいります。

 

①ヒートシンク製品でのサーマルマネジメント用途に向けた高性能ヒートシンク材料の開発

 当社グループの主力製品であるレーザー機器用ヒートシンクは、主に窒化アルミニウム(AIN)、銅タングステン(CuW)が原材料ですが、高出力用レーザーを出す半導体素子に直接接合されるため、熱膨張が半導体素子に近くないと、素子自体を損傷します。一方でレーザー加工機は、用途の多様化により高出力化や微細加工のために信頼性が求められ、機器や部品の冷却需要が高まっております。当社グループは、より効率よく熱を吸収し、放熱する高性能ヒートシンク材料の開発に注力しております。

 

②ヒートシンク製品での複合加工技術の開発による高機能ヒートシンク製品の製造

 上記研究開発の一環で、当社のシンガポール子会社であるTECNISCO Advanced Materials Pte. Ltd.において、さらに熱伝導が高い素材として、銀とダイヤモンドを原材料としたシルバーダイヤによる高機能ヒートシンクの製造開発を行っています。この製品は、熱膨張が様々な半導体素子の数値に近く、熱伝導が当社従来品の2~2.5倍の性能を有しています。今後の用途は、データセンターのサーバー、ハイパーフォーマンスコンピューティング、MPU向けヒートシンク、通信用RF増幅器、高出力レーザー用ヒートシンク、X線装置などで、将来性のある用途を見込んでおります。

 

③ガラス製品での高信頼性製品の開発

 ガラス製品は、微細加工を施す精密部品で、当社グループは、顧客の真のニーズを引出し、提案、製品化しております。用途は、CMOSイメージセンサー、MEMS(微小機械システム)の各種センサー、半導体パッケージ等です。近年、使われる環境が人体である医療用チップや、自動運転車の各種センサー、LiDAR(レーザー光による距離計測システム他)など人命に係わる製品の部品になりますので、高信頼製品を開発しております。

 

④ガラス製品での独自加工技術による展開

 従来の機械加工技術に加えレーザー加工機の試験導入と、原点である「クロスエッジ®Technology」を併せ、それぞれのメリットを活かす複合加工へと発展させる取り組みを進めています。さらに将来的には、金属・ガラスとセラミック複合体など新たな技術開発の必要性も認識しており、将来的なお客様への提案力の強化に努めております。

 

⑤優秀な人材の確保

 「クロスエッジ®Technology」を継続して進化し成長を続けるためには、優秀な人材の確保が重要であると考えております。当社ではこれまで、経験者を中心とした積極的な人員の確保に努めるとともに、社員に対してもハラスメントの防止や労働環境改善のES(従業員満足度)調査への配慮に加え、健康経営による働き方改革等を踏まえた人事施策を行っており、今後も継続、強化を図ってまいります。また、社員一人ひとりが独創的な挑戦を継続し、進化し続ける企業風土の醸成を推進してまいります。

 

⑥安定的な資金調達の構築

 当社グループがメーカーとして最新の設備を保持し、生産設備を維持していくためには、安定的な資金調達が重要であります。今後の事業拡大に向けては、大きな資金需要を見込んでいることから、そのために、安定した調達能力の維持、拡大し、十分な手許資金の確保を可能とすることに取り組んでまいります。

 

(5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは、企業理念に掲げている「高度なクロスエッジ®Technologyへの継続的なチャレンジによって人びとの喜びの実現の一助となる」という社会的使命のもと、「切る」「削る」「磨く」「メタライズ」「接合」を中心とした複数の先端加工技術を融合させた「クロスエッジ®Technology」の提供により、“いつの時代にも人びとから「次も」期待される存在となる”の実現に向けて取り組んでおります。

 このことから当社グループでは、現在展開している市場での事業規模拡大及び新たな市場への展開を推進し、安定的な収益構造を実現することを中期的な課題としていることから、売上総利益率の向上と経常利益の拡大を経営において重視しております。

 

3【事業等のリスク】

 本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 当社グループでは、リスクマネジメント・コンプライアンス委員会を設置することにより、当社グループにおけるあらゆるリスク等への対応および未然防止の体制を構築しております。詳細については、「4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要」をご参照ください。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1)経済状況について(発生可能性:高、発生時期:特定時期なし、影響度:中)

 当社グループは国内・外の電子部品メーカー向けに製品を製造・販売しているため、その販売先の国又は地域の経済状況、自然災害、戦争・テロ、金融・資本市場、法令や政府による規制、および顧客の設備投資動向や生産動向の影響を受けます。特に当社グループは、高い海外売上高比率(2023年6月期は連結売上高に対し、71.8%)となっております。

 当リスクへの対応として、販売先の国又は地域の情報収集や、市場環境・受注状況を取締役会等の重要会議における定期的なレビューの実施、また全社的な業務改善活動(PIM活動)の継続的な取り組み等により、予期せぬ需要や景気の変化に対し柔軟に対応できる体制を整備し、リスクの低減を図っております。

 しかしながら、世界各地において予期せぬ景気後退による需要の減少および顧客が設備投資凍結や減産などを行った場合には、売上の減少等により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)中国リスクについて(発生可能性:高、発生時期:特定時期なし、影響度:中)

 当社グループは、中国・蘇州に現地法人を置き、製品の生産や営業活動を行っております。近年、中国では米中貿易摩擦、近隣との地政学的な緊張関係、感染症への大幅な政策転換等、経済情勢に大きく影響する事象が続いております。

 当社グループでは現地法人を通じ、中国の経済・社会・政治的状況や法規制の動向について情報を収集し、対応が必要な事象が生じた際には、現地法人や専門家等と連携して対処していくことで、リスクの低減を図ってまいります。

 しかしながら、現地での法律・規制や租税制度の変更や、予期し得ない経済情勢の悪化等が生じた場合には、追加的な納税義務並びにコストの増加や、売上の減少等により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)為替レートの変動について(発生可能性:高、発生時期:特定時期なし、影響度:中)

 当社グループの事業には、海外における生産と販売が含まれております。各地域における現地通貨建の取引は、連結財務諸表作成のために円換算されております。換算の為替レートにより、現地通貨における価値が変わらなかったとしても、円換算後の価値が影響を受ける可能性があります。一般的に円安は事業に好影響をもたらしますが、円高は当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 当リスクへの対応として、当社グループは、為替変動の情報を注視するとともに、為替予約等を行うことにより、リスクの低減に努めております。

 しかしながら、予期しない大幅な円高が生じた場合、円換算後の価値が大きく影響を受け、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)新規事業の開発について(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中)

 当社グループは、高機能ヒートシンク用の新素材および製品の開発・製造に取り組んでおりますが、開発の遅れ、各種実証や認証の対応等に時間を要する等のリスクが潜んでおります。

 当社グループは、開発・実証・認証等の進捗状況について、逐一キャッチアップし毎回の経営会議および取締役会において状況の共有及び議論を行うことにより、リスクの低減に努めております。

 しかしながら、これらに大幅な遅れが生じた場合、当該事業への投下資本に対する回収が進まず、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)人材の確保および育成について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:小)

 当社グループは、将来にわたる持続的な発展のために、優秀な人材の継続的な採用や育成が重要な課題であると認識しておりますが、雇用情勢の変化等により採用難や人材流出が進んだ場合、ベテラン社員の技能やノウハウ等の伝承や、後継人材の育成が適切になされないリスクが潜んでおります。

 当社グループは、人材育成により生産性向上と残業時間の抑制を図る取り組み等を継続して行っているほか、一層の技術革新、生産性の向上を進めるための優秀な人材確保と従業員のモチベーション向上を図るべく、積極的な採用活動、人事評価制度の整備、技能の伝承、研修の実施等の施策を講ずることにより、リスクの軽減を図っております。しかしながら、雇用情勢がいわゆる「売り手市場」となった場合、人材が知名度や給与等において優位な他社に流れ、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)技術革新について(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中)

 当社グループの製品販売先である電子機器、自動車、航空宇宙、医療、設備産業等の業界においては、技術革新や事業環境の変化が急速に進んでおり、顧客が当社グループに求める技術レベルも高度化してきております。

 当社グループは、シルバーダイヤによる高機能ヒートシンクの製品開発をはじめとした、新製品の開発や技術力の研鑽等に積極的に取り組んでいるほか、大学等研究機関との共同開発による産学官連携を積極的に実施するとともに、顧客との密接なコミュニケーションによりニーズの捕捉に努め、高度なニーズに対応し続けることにより、リスクの低減を図っております。

 しかしながら、新技術や顧客ニーズへの対応の遅れなどが発生した場合、顧客が求める技術レベルに対応できず、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)研究開発活動について(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中)

 当社グループでは、新製品開発、製品改良、生産工程の改善等を研究開発活動として、継続的に実施しておりますが、開発の遅れが生じた場合や、開発した製品が顧客ニーズに合致しなかった場合、また、競合他社による新技術・製品が先行投入された場合には、開発コストの回収が困難となる等のリスクが潜んでおります。

 当社グループは、大学等研究機関との共同開発による産学官連携の積極的な実施や、開発・実証・認証等の進捗状況について逐一キャッチアップし状況の共有及び議論を行うことにより、リスクの低減に努めております。

 しかしながら、当社グループが顧客ニーズを把握しきれず、これに応えるための製品を正しく開発できない場合や、上記(6)にもあるように、新技術等への対応の遅れなどが発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)原材料価格の変動及び調達について(発生可能性:高、発生時期:特定時期なし、影響度:中)

 当社グループは、金属、ガラス、非金属、貴金属等を原材料に使用しており、これらの材料価格が変動する懸念や、調達そのものが困難となるリスクも潜んでおります。

 当リスクへの対応として、当社グループは、貴金属等の重要な原材料の複数社購買、政策的な在庫の確保、客先の需要見通し情報を仕入先と共有するなど関係強化等の対策を行い安定供給の確立に取り組んでおります。

 しかしながら、景気や為替の変動、政情の不安等の社会的混乱、投機筋の動向により、材料価格の大幅な変動や、調達そのものが困難となった場合、価格転嫁や生産活動等への影響により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)サプライチェーンについて(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)

 当社グループは、十分な品質の原材料等の提供を社外のサプライヤーより受けることが、製品の開発・生産活動において必要不可欠であると認識しております。需給動向の変化に伴い調達競争が激化した場合、開発・生産活動に支障が生じ、当社グループの業績や財政状態に影響を与える可能性がありますが、当社グループはサプライヤーを複数確保することにより、リスクの軽減を図っております。

 しかしながら、独自の製品・技術等を有するサプライヤーから調達している原材料等の調達競争が激化した場合、代替での調達が進まず、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10)外部委託先について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)

 当社グループは、十分な品質の外注加工サービスの提供を社外の委託先より受けることが、製品の開発・生産活動において必要不可欠であると認識しております。現在、これらの外部委託先との関係は良好ですが、外部事業者との関係が悪化した場合、開発・生産活動に支障が生じるリスクが潜んでおります。

 当社グループは、品質、コスト、生産能力に問題がなければ内製にて対応するのが基本的なスタンスであり、代替可能な領域の一部のみを、社内の稼働に応じて外部委託先を利用するというのが典型的な利用ケースであることから、こうしたリスクは相対的には高くないものと考えられます。また、当社グループは委託先を複数確保することにより、リスクの軽減を図っております。

 しかしながら、独自の技術等を有する外部委託先との関係が悪化した場合、代替での委託が進まず、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11)公的規制・コンプライアンスについて(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:大)

 当社グループの事業活動において、国内外の法令や規制に反する事象が発生した場合、監督官庁による処分、訴訟の提起、当社の社会的信用の低下等が発生するリスクが潜んでおります。

 当社グループでは、法令遵守および法的要求事項への対応として、リスクマネジメント・コンプライアンス委員会を設置すると共にコンプライアンスマニュアル・行動規範を策定しております。また、社員に対するコンプライアンス教育と行動規範の周知を行い、法令遵守の徹底に努めています。

 しかしながら、法規制の変更等の把握等が漏れ、予期せぬ法規制への抵触が生じた場合には、監督官庁や訴訟への対応、レピュテーションへの影響等により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(12)環境規制について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:小)

 当社グループは、水質汚濁、劇物・有機溶剤使用、廃棄物等多様な環境問題に対し各種環境法令及び規制の影響を受けており、年々それらの規制が厳しくなっております。

 当社グループとしては、こうした規制の制改定動向をタイムリーに捕捉し、遵守の徹底に努めるとともに、企業としての社会的責任の観点からも事業活動を通じて地球の環境保全や環境リスク低減に努めて取り組んでおります。

 しかしながら、各種環境法令等が大きく厳格化された場合、大幅な追加的義務並びにコスト増加が発生し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(13)新型コロナウイルス感染症(COVID-19)等について(発生可能性:高、発生時期:現在、影響度:低)

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)等の感染拡大によっては、当社グループの事業活動において影響が生じる可能性があります。

 当社は感染拡大を想定し、リモートワーク制度やWEB会議の活用等により、感染拡大期においても円滑なコミュニケーションを取り、業務を継続できる体制を構築しております。

 しかしながら、感染が大きく拡大・長期化した場合には、当社グループ各社や顧客の事業活動が停滞する事態が発生し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(14)自然災害、人的災害等について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:大)

 当社グループは、生産拠点を広島県、中国・蘇州、シンガポールの3箇所に構えており、災害等が発生した場合、生産設備への損害、ラインの停止等が発生するリスクが潜んでおります。

 ただし、これらの各拠点が、自然災害等により同時に生産活動の停止が発生する可能性は極めて低いと考えられます。また、当社グループとしては、各拠点における防災設備や防災体制の整備、防災訓練の実施などの対策を行うほか、社外サプライヤーへの加工委託等を一部行うことにより、リスクの低減を図っております。

 しかしながら、広島は各製品の開発拠点、蘇州は量産品の生産拠点、シンガポールは高性能ヒートシンク材料の開発・生産拠点と、各工場特有の機能を有しており、全ての機能において直ちに代替が効くものではないことから、被害の復旧が長期化した場合、生産活動が停滞し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(15)生産拠点の集中に関するリスクについて(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)

 当社グループは、上記(14)のとおり、国内外に計3箇所の生産拠点を構えており、設備等のトラブル発生による生産活動の停止が発生するリスクが潜んでおります。

 ただし、これらの各拠点において、同時多発的に設備等のトラブル発生による生産活動の停止が発生する可能性は極めて低いと考えられます。当社グループとしては、設備のメンテナンスの定期的な実施、設備投資計画に基づく計画的な設備の更新、さらに、社外サプライヤーへの加工委託等を一部行うことにより、リスクの低減を図っております。

 しかしながら、各工場はそれぞれ特有の機能を有しており、全ての機能において直ちに代替が効くものではないことから、復旧が長期化した場合、生産活動が停滞し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 なお、中国・蘇州の工場が立地する工業団地「蘇州日本工業村」には再開発計画があり、これにより、移転が求められておりますが、当社グループでは、関係各所とも十分に協議のうえ、近隣地区への移転に向けた生産計画や工事計画を進めており、現工場と移転先工場での操業にブランクが生じる可能性は極めて低いと考えられます。

 

 

(16)固定資産の減損について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:小)

 当社は開発・生産設備をはじめとする固定資産を多数所有しております。経営環境の著しい悪化等によっては、減損損失を認識する必要が生じるリスクが潜んでおります。

 当社グループは過去に必要な固定資産の減損は実施済であり、現時点において遊休資産を含め、収益性の低下を認識すべき資産の保有はなく、こうしたリスクは相対的には高くないものと考えられます。

 しかしながら、予期せぬ急激な経営環境の悪化が生じた場合、固定資産について、更なる減損損失を認識する必要が生じ、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(17)設備投資について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)

 当社グループは生産能力および研究開発力の維持・増大のため、設備投資を継続的に行なっておりますが、設備投資の結果、増強した能力が必ずしも業績に貢献しないリスクがあるほか、これらの老朽化等に伴う更新が進まなかった場合、現在と同程度の水準の生産設備を維持できないリスクが潜んでおります。また、資金調達や設備納入等に遅れが生じた場合、生産能力の拡大が想定通り進まないリスクが潜んでおります。

 当社グループは、設備投資に際し、事前に収益性や投資回収可能に関する十分な検討や、可能な限り専用設備の導入を避け多用途の汎用設備を導入しているほか、設備投資計画に基づく計画的な設備の更新を実施することにより、これらのリスクの低減を図っております。

 しかしながら、予期せぬ急激な顧客ニーズの変化、経済状況の悪化等が生じた場合、増強した設備による貢献が不十分となる可能性があります。このほか、計画変更による設備更新の停滞や、資金調達・設備納入等の遅れが生じた場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(18)知的財産等について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)

 当社グループの技術・ノウハウを第三者が不正に模倣した場合や、知的財産を巡って紛争が生じた場合には、当社グループの製品の競争力低下等が生じるリスクが潜んでおります。

 当社グループでは、特許権その他の知的財産権や機密管理により知的財産の保護を徹底するとともに、第三者の知的財産権を侵害しないよう専門家とも連携しながら細心の注意を払うことにより、リスクの低減を図っております。

 しかしながら、予期せず第三者との紛争が発生した場合、多額の訴訟費用が生じ、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、知的財産権の保護が不十分な国または地域において模倣等が生じた場合には、当該模倣品が拡販され、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(19)情報の流出について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)

 当社グループは、事業活動おける重要情報や顧客から入手した個人情報、機密情報を保有しています。顧客の情報の漏洩や滅失等の事故が発生した場合には、損害賠償や当社グループの社会的信用の低下等が生じるリスクが潜んでおります。また、営業上・技術上の秘密情報の漏洩や滅失等の事故が発生した場合もしくは第三者に不正使用された場合には、生産や業務の停止、競争優位性の喪失等が生じるリスクが潜んでおります。

 当社グループは、「情報マネジメント規程」をはじめとする社内規程を制定しているほか、情報管理に関する社内研修を定期的に実施しております。さらに、サイバー攻撃等による不正アクセスや情報漏洩等を防ぐための管理体制を構築し、適切な安全措置を講じております。

 しかしながら、予期せぬサイバー攻撃等により当社グループから情報漏洩等が生じた場合や、当社と機密保持契約等を取り交わした第三者が、これに反し、当社に知られず情報を不正使用した場合、生産や業務の停止、競争優位性の喪失等が生じ、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(20)当社の競合環境について(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中)

 当社グループには国際的な大企業から小規模な企業、国内から海外まで、広範な競合企業が存在することから、競争の激化により新規受注数が減少し、または製品・サービス価格が下落するリスクが潜んでおります。

 当社の主力製品であるヒートシンクは新規参入も少なく、特にレーザー用ヒートシンクについては極めて高度な加工精度と品質管理が要求されるもので、これら技術を有する企業は、当社含め限られております。また、当社グループは、「切る」「削る」「磨く」「メタライズ」「接合」の5つの加工技術による「クロスエッジ®Technology」を保有するという優位性を存分に活かし、市場における競争力を高めることにより、リスクの低減を図っております。

 しかしながら、海外の新興企業をはじめ他社における技術力や営業力等の向上により、技術や価格等において、当社の競争力が低下し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(21)大株主の状況に関するリスク(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:小)

 当社の代表取締役社長である関家圭三の資産管理会社である合同会社XEホールディングスの当社議決権の所有割合は2023年6月30日現在で77.00%であり、同社の当社株式の保有・処分方針によっては、当社株式の流動性および株価形成等に影響を及ぼす可能性があります。

 同社は、今後も引き続き当社株式の継続保有を維持する方針であることから、こうしたリスクは相対的には高くないものと考えられます。また、議決権の行使にあたっては、株主共同利益を追求するとともに少数株主の利益にも配慮する方針であります。

 しかしながら、同社が、当社株式の保有・処分方針を大きく転換した場合、当該リスクが高まる可能性があります。

 

(22)有利子負債について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:小)

 当連結会計年度末において、当社グループの有利子負債は3,212,197千円、総資産に対する割合は38.8%となっており、金融市場、または当社グループの信用力の変動等により、借入金利の上昇、資金調達方法の制限等が発生するリスクが潜んでおります。また、借入金の一部には財務制限条項が付されております。

 当社は、公的優遇制度の活用等の対策を講じるとともに、健全な借入レベルを維持するよう努めており、金利が上昇した場合の影響は極めて限定的と考えております。また、当座貸越枠の積極的な活用により適切なタイミングでの調達を図るとともに、当社グループ内の資金融通を適時柔軟に行うこと等により資金効率の向上に努めております。

 しかしながら、予期せぬ急激な金利変動や経営環境の悪化が生じた場合、資金調達方法の制限や、財務状況の悪化による借入金の即時の返済により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 経営成績の状況

 世界経済は、新型コロナウイルス感染症が収束段階に入り経済活動の正常化への期待の高まりが見られますが、一方、ウクライナ情勢の長期化やエネルギー価格高騰、インフレリスク対応のための各国の政策金利引き上げの影響等、依然として先行き不透明な状況にあります。

 我が国経済についても、インバウンド需要の回復によりコロナ以前の水準への経済復興が期待されていますが、各国の金利や物価動向を含めた地政学リスクが与える影響等、今後の見通しが難しいところです。

 当社グループ製品の主要な用途市場である産業機器市場や自動車市場、光・無線通信市場、ライフサイエンス市場等は今後も成長が見込まれておりますが、半導体の需要逼迫による顧客の在庫調整やサプライチェーンの一時的な混乱が見られています。

 このような経営環境のもと、当社グループの主力製品である産業機器市場の高出力半導体レーザー装置向けの高性能ヒートシンク製品は、当期上期において、中国主要顧客においてゼロコロナ政策と電力不足の影響で取引先工場の稼働が制限され、各社の生産調整の影響による当社グループ製品の引取時期を後倒しする動きが相次いだほか、市場取引価格の低下による影響を受けました。2023年1月以降は、中国主要顧客の生産調整も一巡して後倒しとなっていたヒートシンク製品の出荷ベースは回復し、これに新規取引先からの受注増加の動きが加わり、市場取引価格の底打ちの傾向もあることから、ヒートシンク製品市場の好転の動きが見えました。一方ガラス製品は、海外のライフサイエンス市場向けを中心に検査用の消耗部品の需要が増加しており、売上高が増加しました。

 生産状況については、当期上期において中国取引先工場の生産調整の影響を受け当社広島工場の稼働率が一時的に低下したことや、今後の事業拡大に向けた人員増加や生産体制増強のための設備投資の影響等により、利益率は前年より減少となりました。

 以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高5,347,037千円(前年同期比2.4%減)、営業利益273,140千円(同55.9%減)、経常利益329,351千円(同62.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益222,341千円(同72.3%減)となりました。

 

② 財政状態の状況

(資産)

 当連結会計年度末における資産は、前連結会計年度末に比べて130,608千円増加し、8,271,390千円となりました。これは主に、原材料及び貯蔵品が97,409千円増加、建設仮勘定が155,814千円の増加であった一方で、商品及び製品が150,504千円減少したことによるものであります。

 

(負債)

 当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末に比べて90,388千円減少し、4,531,845千円となりました。これは主に、長期借入金が1,193,242千円の増加であった一方で、支払手形及び買掛金が240,636千円減少、短期借入金が682,146千円減少、未払法人税等が187,899千円減少したことによるものであります。

 

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べて220,997千円増加し、3,739,544千円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が増加したことによるものであります。この結果、自己資本比率は1.99ポイント増加して45.21%となりました。

 

 

③ キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、税金等調整前当期純利益、減価償却費の計上等の要因があったものの、仕入債務の減少、有形固定資産の取得による支出等により、前連結会計年度末に比べ106,360千円減少し、当連結会計年度末には729,487千円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において、営業活動の結果得られた資金は361,148千円(前年同期は1,042,504千円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益294,935千円、減価償却費541,118千円、仕入債務の減少422,380千円によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において、投資活動の結果使用した資金は792,779千円(前年同期は634,366千円の支出)となりました。これは主に、定期預金の預入による支出115,992千円、有形固定資産の取得による支出654,672千円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において、財務活動の結果得られた資金は416,066千円(前年同期は247,852千円の支出)となりました。これは主に、短期借入金の純減少額972,193千円、長期借入れによる収入2,025,000千円、長期借入金の返済による支出609,777千円によるものであります。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当社グループは精密加工部品事業の単一セグメントであり、当連結会計年度の生産実績は次のとおりであります。

 

当連結会計年度

(自 2022年7月1日

至 2023年6月30日)

セグメントの名称

金額(千円)

前年同期比(%)

精密加工部品事業

6,788,236

100.6

合計

6,788,236

100.6

 (注)金額は製造原価によっております。

 

b.受注実績

 当社グループは精密加工部品事業の単一セグメントであり、当連結会計年度の受注実績は次のとおりであります。

 

当連結会計年度

(自 2022年7月1日

至 2023年6月30日)

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

精密加工部品事業

3,453,039

52.3

1,662,388

47.0

合計

3,453,039

52.3

1,662,388

47.0

 

c.販売実績

 当社グループは精密加工部品事業の単一セグメントであり、当連結会計年度の販売実績は次のとおりであります。

 

当連結会計年度

(自 2022年7月1日

至 2023年6月30日)

セグメントの名称

金額(千円)

前年同期比(%)

精密加工部品事業

5,347,037

97.6

合計

5,347,037

97.6

 (注) 最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2021年7月1日

至 2022年6月30日)

当連結会計年度

(自 2022年7月1日

至 2023年6月30日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

Wuhan Raycus Fiber Laser Technologies Co., Ltd.

1,108,714

20.2

1,364,829

25.5

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

 

① 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

(売上高)

 ヒートシンク製品群については、産業機器市場向け高性能ヒートシンクが中国向け並びに欧州向けの需要は引続き旺盛ながら、当連結会計年度上期における中国主要取引先からの注文品の引取時期の後倒し要請や市場取引価格の低下の影響があり、売上高は3,054,433千円(前期比7.2%減)となりました。ガラス製品群については、国内市場ではライフサイエンス市場用並びに自動車市場用の製品の売上が大幅に増加し、米国市場や中国市場向けも増加したことから、売上高は1,438,272千円(前期比18.0%増)となりました。全体としては、売上高は5,347,037千円(前期比2.4%減)となりました。

 

(売上総利益)

 売上原価については、広島工場において、製造効率の向上によるコストダウン活動は継続しているものの、製品構成の変化により金などの貴金属を使用する工程が増加したことや水道光熱費の高騰などの影響等から、売上原価は3,397,135千円(前期比3.7%増)となり、売上総利益は1,949,902千円(前期比11.6%減)、売上総利益率は3.8ポイント減少しました。

 

(営業利益)

 販売費及び一般管理費については、コロナ感染症による行動制限解除により海外出張費が増加したことや、戦略製品であるシルバーダイヤ製品の販売促進用サンプル他広告宣伝費の増加などにより1,676,762千円(前期比5.7%増)となり、営業利益は273,140千円(前期比55.9%減)となりました。

 

(経常利益)

 営業外損益については、主に為替差益の計上により56,211千円の収益(純額)になったことで、経常利益は329,351千円(前期比62.9%減)となりました。

 

(親会社株主に帰属する当期純利益)

 特別損益については、TECNISCO(SuZhou)CO.,Ltd.の工場移転方針に伴い今後の使用が見込まれなくなった固定資産に関連する減損損失33,885千円を計上しました。この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は222,341千円(前期比72.3%減)となりました。

 当社グループは、精密加工部品事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

 財政状態の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ② 財政状態の状況」に記載のとおりであります。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析

 キャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

③ 資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原材料等の仕入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資によるものであります。

 当社グループは、運転資金、設備投資資金についてはまず営業キャッシュ・フローで獲得した資金を投入し、不足分について必要な資金を銀行等の金融機関から借入により調達しております。これらの自己資金は、機動的な事業経営、柔軟な研究開発活動を目的として、会社の対応力向上のために活用しており、設備投資の計画については、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載のとおりであります。

 なお、事業拡大に向けて急激な資金需要が生じる場合に備え、一部の金融機関と当座貸越契約を締結しております。

 

④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果はこれらの見積り及び仮定と異なる場合があります。

 連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 連結財務諸表で認識する金額に重要な影響を与える可能性のある見積り及び仮定は、以下のとおりであります。

 

(固定資産の減損)

 減損損失の認識において使用される将来キャッシュ・フロー、割引率等の前提条件については、一定の仮定に基づき設定しております。これらの仮定は、経営者が最善と判断した見積りに基づいて決定しておりますが、当初見込んでいた収益が得られなかった場合や将来キャッシュ・フロー等の前提条件に変更が生じた場合には、固定資産の減損を行い、翌連結会計年度以降の連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。

 

(繰延税金資産の回収可能性)

 繰延税金資産は、将来の課税所得の見積額及び実行可能なタックス・プランニング等を踏まえ、経営者が最善と判断した見積りに基づいて金額を算定しておりますが、将来の課税所得の見積額は業績等により変動するため、実際の課税所得の金額が見積りと異なった場合やタックス・プランニング等に変更が生じた場合には、翌連結会計年度以降の連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。

 

 

⑤ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の進捗について

 当社グループでは、売上総利益率の向上と経常利益の拡大を経営において重視しています。売上高は、主に産業機器市場の高出力半導体レーザー装置向けの高性能ヒートシンク製品は、当期上期において中国主要顧客における生産調整の影響を受けたものの、2023年1月以降は生産調整も一巡して後倒しとなっていたヒートシンク製品の出荷ベースは回復しました。生産状況については、中国主要顧客の生産調整の影響を受け当社広島工場の稼働率が一時的に低下したことや、今後の事業拡大に向けた人員増加や生産設備増強等による結果、第55期連結会計年度の数値については、次のとおりとなっております。

 

 

第54期連結会計年度

第55期連結会計年度

売上総利益率

40.3%

36.5%

経常利益

887,583千円

329,351千円

 

⑥ 経営者の問題意識と今後の方針について

 経営者の問題認識と今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。

 

5【経営上の重要な契約等】

(1)技術援助等を受けている契約

契約会社名

相手方の名称

国名

契約品目

契約締結日

契約内容

契約期間

㈱テクニスコ(当社)

Plansee SE

Austria

ダイヤモンド複合材

2016年12月21日

Technology Transfer and Technical Assistance Agreement Supply Agreement

(技術移転技術援助契約)

2016年12月21日から

2024年12月31日まで

 (注) 上記についてはロイヤリティとして売上高の一定率を支払う契約となっております。

 

(2)当社が技術援助等を与えている契約

 該当事項はありません。

 

(3)賃貸借契約

締結年月

2021年4月

2001年4月

契約の名称

土地賃貸借契約書

土地賃貸借契約書

相手先

常行寺

常行寺

契約の概要

自2021年4月24日

至2041年4月23日

当社本社土地(210.79㎡)の賃借にかかるものであります。

賃借料として月額262,554円を支払っております。

自2001年4月24日

至2031年4月23日

当社本社土地(443.93㎡)の賃借にかかるものであります。

賃借料として月額552,946円を支払っております。

 

2【主要な設備の状況】

 当社グループにおける主要な設備は、次のとおりであります。

 なお、現在休止中の主要な設備はありません。

(1)提出会社

2023年6月30日現在

 

事業所名

(所在地)

設備の内容

帳簿価額

従業員数

(人)

建物及び構築物

(千円)

機械装置及び運搬具

(千円)

土地

(千円)

(面積㎡)

その他

(千円)

合計

(千円)

本社

(東京都品川区)

統括業務施設

228,653

〔654.72〕

2,911

231,564

47

(-)

広島工場

(広島県呉市)

生産設備及び研究開発施設

356,106

752,015

280,132

(6,502.58)

613,445

2,001,699

157

(11)

 (注)1.帳簿価額のうち「その他」は、工具、器具及び備品並びにリース資産であり、建設仮勘定を含んでおります。

2.本社の土地は連結会社以外の者から賃借しており、年間の賃借料は10,236千円であります。

  なお、賃借している土地の面積については、〔 〕で外書きしております。

3.本社の建物は、一部を連結会社以外の者へ賃貸している設備であります。

4.従業員数は就業人員(当社から社外への出向者を除く。)であり、臨時雇用者数(パートタイマー、人材会社からの派遣社員、季節工を含む。)は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。

 

(2)在外子会社

2023年6月30日現在

 

会社名

事業所名

(所在地)

設備の内容

帳簿価額

従業員数

(人)

建物及び構築物

(千円)

機械装置及び運搬具

(千円)

土地

(千円)

(面積㎡)

その他

(千円)

合計

(千円)

TECNISCO (SuZhou) CO.,Ltd.

蘇州工場

(中華人民共和国江蘇省)

生産設備

10,705

335,125

(-)

12,095

357,925

86

(-)

TECNISCO Advanced Materials Pte. Ltd.

シンガポール工場

(シンガポール共和国)

生産設備

149,894

1,145,465

(-)

53,255

1,348,615

32

(-)

 (注)1.帳簿価額のうち「その他」は、工具、器具及び備品並びにリース資産であり、建設仮勘定を含んでおります。

2.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数(パートタイマー、人材会社からの派遣社員、季節工を含む。)は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。

3.TECNISCO Advanced Materials Pte. Ltd.は土地使用権を有しております。土地使用権の帳簿価額は18,323千円であり、土地使用権に係る土地の面積は2,294.50㎡であります。

 

①【株式の総数】

種類

発行可能株式総数(株)

普通株式

20,000,000

20,000,000

 

②【発行済株式】

種類

事業年度末現在発行数(株)

(2023年6月30日)

提出日現在発行数(株)

(2023年9月29日)

上場金融商品取引所名又は登録認可金融商品取引業協会名

内容

普通株式

6,517,100

9,140,200

東京証券取引所

スタンダード市場

完全議決権株式であり、権利内容に何ら制限のない当社における標準となる株式であります。なお、単元株数は100株であります。

6,517,100

9,140,200

(注) 当社株式は2023年7月26日付で、東京証券取引所スタンダード市場に上場いたしました。

 

①【ストックオプション制度の内容】

 該当事項はありません。

 

②【ライツプランの内容】

 該当事項はありません。

 

(4)【発行済株式総数、資本金等の推移】

年月日

発行済株式総数増減数(株)

発行済株式総数残高(株)

資本金増減額

(千円)

資本金残高

(千円)

資本準備金増減額(千円)

資本準備金残高(千円)

2018年3月23日

(注)1

6,517,100

△390,000

100,000

1,788,040

 (注)1.会社法第447条第1項の規定に基づき、資本金を減少し、その他資本剰余金に振替えたものであります。この結果、資本金が390,000千円減少(減資割合79.6%)しております。

2.決算日後、2023年7月25日を払込期日とする有償一般募集増資による新株式2,281,100株(発行価格560.00円、引受価額515.20円、資本組入額257.60円)発行により、資本金及び資本準備金はそれぞれ587,586千円増加しております。

3.決算日後、2023年8月22日を払込期日とする有償第三者割当増資(オーバーアロットメントによる売出しに関連した第三者割当増資)による新株式342,100株(割当価格515.20円、資本組入額257.60円)発行により、資本金及び資本準備金はそれぞれ88,125千円増加しております。

 

(5)【所有者別状況】

 

 

 

 

 

 

 

2023年6月30日現在

区分

株式の状況(1単元の株式数100株)

単元未満株式の状況

(株)

政府及び地方公共団体

金融機関

金融商品取引業者

その他の法人

外国法人等

個人その他

個人以外

個人

株主数(人)

1

16

17

所有株式数(単元)

50,182

14,989

65,171

所有株式数の割合

(%)

77.00

23.00

100

 

(6)【大株主の状況】

 

 

2023年6月30日現在

氏名又は名称

住所

所有株式数

(株)

発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合(%)

合同会社XEホールディングス

東京都港区高輪一丁目23番33号402

5,018,200

77.00

関家 圭三

東京都港区

541,000

8.30

野村信託銀行株式会社(信託口2052276)

東京都千代田区大手町二丁目2番2号

190,000

2.92

テクニスコ従業員持株会

東京都品川区南品川二丁目2番15号

175,300

2.69

関家 慶一郎

東京都港区

80,000

1.23

関家 理子

東京都港区

80,000

1.23

野村信託銀行株式会社(信託口2052277)

東京都千代田区大手町二丁目2番2号

80,000

1.23

野村信託銀行株式会社(信託口2052278)

東京都千代田区大手町二丁目2番2号

80,000

1.23

三宅川 泰二

東京都港区

60,000

0.92

吉岡 豊吉

広島県呉市

50,000

0.77

村上 友孝

神奈川県横浜市旭区

50,000

0.77

相原 正行

東京都世田谷区

50,000

0.77

平尾 誠

広島県東広島市

50,000

0.77

6,504,500

99.81

(注)発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合は、小数点以下第3位を四捨五入しております。

 

①【連結貸借対照表】

 

 

(単位:千円)

 

前連結会計年度

(2022年6月30日)

当連結会計年度

(2023年6月30日)

資産の部

 

 

流動資産

 

 

現金及び預金

835,848

845,479

受取手形

133,481

42,577

売掛金

1,410,562

1,409,693

商品及び製品

544,146

393,642

仕掛品

298,354

331,385

原材料及び貯蔵品

255,489

352,898

その他

380,184

446,691

流動資産合計

3,858,067

3,822,369

固定資産

 

 

有形固定資産

 

 

建物及び構築物

※2 1,590,600

※2 1,661,604

減価償却累計額

857,203

916,244

建物及び構築物(純額)

733,396

745,359

機械装置及び運搬具

4,491,550

4,780,953

減価償却累計額

2,368,319

2,621,464

機械装置及び運搬具(純額)

2,123,231

2,159,488

土地

※2 280,132

※2 280,132

リース資産

81,161

103,463

減価償却累計額

32,947

29,330

リース資産(純額)

48,214

74,133

建設仮勘定

390,435

546,249

その他

268,966

272,491

減価償却累計額

211,623

223,130

その他(純額)

57,343

49,361

有形固定資産合計

3,632,753

3,854,724

無形固定資産

 

 

のれん

27,492

借地権

367,650

367,650

その他

19,160

9,490

無形固定資産合計

414,302

377,140

投資その他の資産

 

 

投資有価証券

※1 3,921

※1 3,921

繰延税金資産

162,563

108,954

退職給付に係る資産

17,440

32,533

その他

51,730

71,746

投資その他の資産合計

235,656

217,156

固定資産合計

4,282,713

4,449,021

資産合計

8,140,781

8,271,390

 

 

 

 

(単位:千円)

 

前連結会計年度

(2022年6月30日)

当連結会計年度

(2023年6月30日)

負債の部

 

 

流動負債

 

 

支払手形及び買掛金

392,106

151,469

電子記録債務

258,191

273,054

短期借入金

※2,※3 1,221,345

※2,※3 539,199

1年内返済予定の長期借入金

※2 586,382

※2 521,053

リース債務

11,888

27,737

未払金

258,200

331,313

未払法人税等

190,873

2,973

賞与引当金

300,262

166,584

役員賞与引当金

67,904

26,939

設備関係支払手形

224,294

181,700

その他

99,573

84,290

流動負債合計

3,611,022

2,306,317

固定負債

 

 

長期借入金

※2 880,956

※2 2,074,198

リース債務

39,445

50,008

役員退職慰労引当金

90,810

101,320

固定負債合計

1,011,211

2,225,527

負債合計

4,622,233

4,531,845

純資産の部

 

 

株主資本

 

 

資本金

100,000

100,000

資本剰余金

2,341,916

2,341,916

利益剰余金

560,612

782,953

株主資本合計

3,002,528

3,224,870

その他の包括利益累計額

 

 

為替換算調整勘定

513,839

501,964

退職給付に係る調整累計額

2,178

12,710

その他の包括利益累計額合計

516,018

514,674

純資産合計

3,518,547

3,739,544

負債純資産合計

8,140,781

8,271,390

 

【連結損益計算書】

 

 

(単位:千円)

 

前連結会計年度

(自 2021年7月1日

至 2022年6月30日)

当連結会計年度

(自 2022年7月1日

至 2023年6月30日)

売上高

※1 5,480,794

※1 5,347,037

売上原価

※3 3,274,729

※3 3,397,135

売上総利益

2,206,064

1,949,902

販売費及び一般管理費

※2,※3 1,586,474

※2,※3 1,676,762

営業利益

619,590

273,140

営業外収益

 

 

受取利息

2,423

3,563

受取賃貸料

10,300

10,300

為替差益

249,613

50,340

助成金収入

10,525

その他

34,790

7,842

営業外収益合計

297,128

82,572

営業外費用

 

 

支払利息

24,313

22,051

租税公課

3,621

その他

1,200

4,309

営業外費用合計

29,135

26,361

経常利益

887,583

329,351

特別利益

 

 

固定資産売却益

※4 14,290

※4 18

特別利益合計

14,290

18

特別損失

 

 

固定資産売却損

※5 1,476

※5 388

固定資産除却損

※6 16,455

※6 160

減損損失

※7 33,885

特別損失合計

17,932

34,434

税金等調整前当期純利益

883,941

294,935

法人税、住民税及び事業税

186,960

23,442

法人税等調整額

105,806

49,151

法人税等合計

81,153

72,593

当期純利益

802,787

222,341

親会社株主に帰属する当期純利益

802,787

222,341

 

①【貸借対照表】

 

 

(単位:千円)

 

前事業年度

(2022年6月30日)

当事業年度

(2023年6月30日)

資産の部

 

 

流動資産

 

 

現金及び預金

241,221

173,795

受取手形

20,756

42,577

売掛金

※2 1,191,553

※2 1,178,155

商品及び製品

143,530

105,033

仕掛品

275,514

305,845

原材料及び貯蔵品

169,154

222,008

前渡金

108,385

91,318

前払費用

15,030

24,074

短期貸付金

※2 265,000

※2 365,000

未収入金

※2 100,575

※2 220,304

未収消費税等

163,413

138,577

その他

5,580

5,569

流動資産合計

2,699,715

2,872,260

固定資産

 

 

有形固定資産

 

 

建物

※1 554,731

※1 581,187

構築物

※1 4,074

※1 3,571

機械及び装置

628,020

752,015

工具、器具及び備品

49,923

45,900

土地

※1 280,132

※1 280,132

リース資産

21,348

22,369

建設仮勘定

400,719

548,086

有形固定資産合計

1,938,949

2,233,263

無形固定資産

 

 

借地権

367,650

367,650

ソフトウエア

2,535

788

その他

1,252

1,252

無形固定資産合計

371,437

369,690

投資その他の資産

 

 

関係会社株式

358,503

358,503

関係会社出資金

1,350,000

1,050,000

長期貸付金

※2 783,880

※2 797,980

長期前払費用

7,414

11,155

前払年金費用

14,110

14,213

繰延税金資産

163,553

101,364

その他

4,210

27,188

投資その他の資産合計

2,681,672

2,360,406

固定資産合計

4,992,060

4,963,360

資産合計

7,691,775

7,835,620

 

 

 

 

(単位:千円)

 

前事業年度

(2022年6月30日)

当事業年度

(2023年6月30日)

負債の部

 

 

流動負債

 

 

支払手形

74,391

7,595

電子記録債務

258,191

273,054

買掛金

※2 298,795

※2 297,312

短期借入金

※1,※3 1,216,800

※1,※3 539,199

1年内返済予定の長期借入金

※1 586,382

※1 511,264

リース債務

6,357

5,436

未払金

※2 147,736

※2 211,274

未払費用

54,882

32,424

未払法人税等

191,517

2,973

賞与引当金

285,610

165,390

役員賞与引当金

67,904

26,939

設備関係支払手形

224,294

181,700

その他

21,382

16,525

流動負債合計

3,434,245

2,271,090

固定負債

 

 

長期借入金

※1 832,750

※1 2,037,885

リース債務

14,991

16,937

役員退職慰労引当金

90,810

101,320

固定負債合計

938,551

2,156,142

負債合計

4,372,796

4,427,232

純資産の部

 

 

株主資本

 

 

資本金

100,000

100,000

資本剰余金

 

 

資本準備金

1,788,040

1,788,040

その他資本剰余金

553,875

553,875

資本剰余金合計

2,341,916

2,341,916

利益剰余金

 

 

利益準備金

29,144

29,144

その他利益剰余金

 

 

特別償却準備金

46,324

82,008

繰越利益剰余金

801,593

855,318

利益剰余金合計

877,061

966,471

株主資本合計

3,318,978

3,408,387

純資産合計

3,318,978

3,408,387

負債純資産合計

7,691,775

7,835,620

 

②【損益計算書】

 

 

(単位:千円)

 

前事業年度

(自 2021年7月1日

至 2022年6月30日)

当事業年度

(自 2022年7月1日

至 2023年6月30日)

売上高

※1 4,831,878

※1 4,555,355

売上原価

※1 3,018,235

※1 3,034,453

売上総利益

1,813,643

1,520,902

販売費及び一般管理費

※2 1,315,209

※1,※2 1,360,588

営業利益

498,433

160,314

営業外収益

 

 

受取利息

※1 10,007

※1 7,890

受取賃貸料

10,300

10,300

その他

2,983

3,209

営業外収益合計

23,291

21,401

営業外費用

 

 

支払利息

18,603

19,068

為替差損

3,200

6,035

租税公課

3,621

その他

65

2,105

営業外費用合計

25,490

27,209

経常利益

496,234

154,505

特別損失

 

 

固定資産売却損

388

固定資産除却損

16,267

117

特別損失合計

16,267

506

税引前当期純利益

479,966

153,999

法人税、住民税及び事業税

186,960

2,402

法人税等調整額

105,643

62,188

法人税等合計

81,316

64,590

当期純利益

398,650

89,409