株式会社オービーシステム
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回次 |
第47期 |
第48期 |
第49期 |
第50期 |
第51期 |
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決算年月 |
2019年3月 |
2020年3月 |
2021年3月 |
2022年3月 |
2023年3月 |
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売上高 |
(千円) |
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経常利益 |
(千円) |
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当期純利益 |
(千円) |
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持分法を適用した場合の投資利益 |
(千円) |
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資本金 |
(千円) |
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発行済株式総数 |
(株) |
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純資産額 |
(千円) |
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総資産額 |
(千円) |
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1株当たり純資産額 |
(円) |
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1株当たり配当額 |
(円) |
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(うち1株当たり中間配当額) |
( |
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( |
( |
( |
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1株当たり当期純利益 |
(円) |
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潜在株式調整後1株当たり当期純利益 |
(円) |
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自己資本比率 |
(%) |
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自己資本利益率 |
(%) |
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株価収益率 |
(倍) |
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配当性向 |
(%) |
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営業活動によるキャッシュ・フロー |
(千円) |
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投資活動によるキャッシュ・フロー |
(千円) |
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△ |
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△ |
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財務活動によるキャッシュ・フロー |
(千円) |
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△ |
△ |
△ |
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現金及び現金同等物の期末残高 |
(千円) |
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従業員数 |
(人) |
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(外、平均臨時雇用者数) |
( |
( |
( |
( |
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株主総利回り |
(%) |
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(比較指標:-) |
(%) |
( |
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( |
( |
( |
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最高株価 |
(円) |
- |
- |
- |
- |
- |
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最低株価 |
(円) |
- |
- |
- |
- |
- |
(注)1.当社は連結財務諸表を作成しておりませんので、連結会計年度に係る主要な経営指標等の推移については記載しておりません。
2.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第50期の期首から適用しており、第50期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
3.持分法を適用した場合の投資利益については、当社は関連会社を有していないため記載しておりません。
4.潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。
5.株価収益率については、当社株式は非上場であるため、記載しておりません。
6.当社は、第48期まではキャッシュ・フロー計算書を作成しておりませんので、キャッシュ・フローに係る各項目については記載しておりません。
7.第49期以降の財務諸表については、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵省令第59号)に基づき作成しており、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、東陽監査法人の監査を受けております。
なお、第47期及び第48期については、「会社計算規則」(平成18年法務省令第13号)の規定に基づき算出した各数値を記載しております。また、当該各数値については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく東陽監査法人の監査を受けておりません。
8.当社は、2022年10月18日開催の取締役会決議により、2022年11月18日付で普通株式1株につき20株の割合で株式分割を行っております。第49期の期首に当該株式分割が行われたと仮定し、1株当たり純資産額及び1株当たり当期純利益を算定しております。
9.株主総利回り、比較指標、最高株価及び最低株価については、当社株式は非上場でありましたので記載しておりません。
なお、当社株式は2023年6月21日付で、東京証券取引所スタンダード市場に上場いたしました。
当社は、株式会社大阪ビジネス(現 株式会社オービック)向けソフトウェア開発会社として設立(同社は本書提出日現在、当社に28.99%出資)いたしました。
その後、株式会社日立製作所による関西進出時にビジネスパートナーとして取引を開始し、地銀の勘定系システム開発以後、同社グループとの取引関係を拡大してまいりました。
現在は、産業流通系、金融系に加え、社会公共領域、ITイノベーション領域に事業を展開しております。
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1972年8月 |
大阪市東区(現 中央区)でシステム開発を担う情報企業として当社を設立 |
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事務用コンピュータのソフトウェア開発を開始(現在の産業流通事業を開始) |
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1974年4月 |
小型電子計算機を得意先に導入し、運用保守を開始 |
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1975年10月 |
大阪市浪速区に本社(現 大阪本社)を移転 |
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1976年4月 |
株式会社日立製作所との取引を開始 |
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1979年11月 |
大阪市南区(現 中央区)に本社を移転 |
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1980年4月 |
金融グループを立ち上げ(現在の金融事業を開始) |
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1984年8月 |
神奈川県川崎市川崎区に川崎システムセンターを開設 |
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1985年3月 |
川崎システムセンターを東京都港区に移転し、東京支店として発足 |
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1988年1月 |
大阪市住之江区にテクノセンターを開設 |
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1989年4月 |
社会グループを立ち上げ(現在の社会公共事業を開始) |
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1990年9月 |
東京都品川区に東京支店を移転 |
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1990年10月 |
中華人民共和国北京市に北京欧比阿斯電脳公司を設立(2004年3月清算) |
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1991年2月 |
通商産業省(現 経済産業省)システムインテグレーター(注1)に登録 |
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1992年2月 |
業務拡大にともないテクノセンターを増築 |
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1992年9月 |
本社をテクノセンターに移転統合 |
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1999年3月 |
東京及び東京周辺の事業拡大のため東京支店を増床し、大阪本社・東京本社2本社体制 |
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2000年4月 |
臨床検査システム/CLIP発表 |
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2001年4月 |
公共グループを立ち上げ(現在の社会公共事業に統合) |
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2003年11月 |
業務拡大にともない東京本社を東京都品川区内で移転 |
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2004年6月 |
中華人民共和国上海市に上海欧比愛思晟峰軟件有限公司を設立(2019年7月売却) |
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2005年2月 |
新健診システム/MEX-Plus発表 |
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2006年3月 |
業務拡大にともない大阪本社を大阪市中央区に移転 |
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2007年1月 |
プライバシーマーク取得(注2) |
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中華人民共和国大連市に拠点を置く大連晟峰中天軟件有限公司に出資(2010年3月清算) |
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2017年3月 |
名古屋市中区に中部支店を開設 |
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2019年3月 |
ISO/IEC 27001:2013 / JIS Q 27001:2014認証取得(注3) |
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2021年8月 |
臨床検査システム/CLIP-Version5発表 |
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2021年11月 |
ISO 9001:2015「品質マネジメントシステム」認証取得(注4) |
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2022年4月 |
ITイノベーション事業を立ち上げ |
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2023年6月 |
東京証券取引所スタンダード市場に株式を上場 |
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(注)1.システムインテグレーター(SIer)とは、企業情報システム構築において、顧客企業の業務内容を分析し、情報システムの企画・立案、基本設計、プログラムの製造、ハードウェア・ソフトウェアの選定・導入、完成したシステムの保守・運用までの一連の業務を請け負う事業者のことを意味しております。
2.プライバシーマーク制度とは、日本産業規格「JIS Q 15001個人情報保護マネジメントシステム-要求事項」に適合して、個人情報について適切な保護措置を講ずる体制を整備している事業者等を評価して、その旨を示すプライバシーマークを付与し、事業活動に関してプライバシーマークの使用を認める制度であります。
3.ISO27001とは、国際標準化機構(ISO)が企業・組織の活動に係る情報資産のセキュリティリスクを低減し、発生を予防するためのセキュリティ管理の要求事項を制定した国際規格で、信頼性が高い情報システム管理体制を確立・実施する企業等に対して認証が付与されるものであります。
4.ISO9001とは、国際標準化機構(ISO)が制定した国際規格で、企業等が製品やサービスの品質保証を通じて、顧客満足度向上と品質マネジメントシステムの継続的な改善を実現するための規格であります。
当社は、技術革新が急速に進む情報サービス産業において、システムインテグレーション(注1)サービスの提供を役務としており、既存技術の強化に加え、DX(デジタルトランスフォーメーション)(注2)やクラウドコンピューティングなど新たな技術分野にも事業展開しております。
当社は、この50年の歴史の中で、株式会社日立製作所と40年以上、三菱電機ソフトウエア株式会社と30年以上にわたりシステム開発実績を積み重ねることで、ビジネスパートナーとしての関係を築いており、売上高の大きな割合を占める大口取引先となっております。
当社事業は、システムインテグレーションサービス事業の単一セグメントでありますが、事業戦略上、事業領域を「金融事業」、「産業流通事業」、「社会公共事業」、「ITイノベーション事業」の4つのサービスラインに区分しております。
各サービスラインの概要及び特徴と、協力会社との連携は以下のとおりであります。
(1)サービスラインの概要
① 金融事業
地銀・都銀、取引所、保険、証券、クレジットの各分野のシステムインテグレーション、コンサルティング、ソフトウェアの設計・開発・保守等、ソフトウェア開発の全領域に対応した総合的なサービス事業を、顧客であるエンドユーザや国内ITメーカ、元請システムインテグレーターからの受託開発、運用保守を中心に展開しております。
当サービスラインは、以下の分野で構成しております。
<地銀・都銀分野> 基幹系三大業務(預金、貸付、為替)及び付随業務、周辺業務のシステム開発、保守並びにミドルウェア(注3)の開発、保守
<取引所分野> 清算業務のシステム開発、保守
<保険分野> 損害保険業務(火災、自動車)及び生命保険業務(養老、終身、医療)のシステム
開発、保守
<証券分野> 保管振替システムの構築
<クレジット分野> 請求管理業務及び審査業務、個人ローン業務のシステム開発、保守
② 産業流通事業
産業流通、マイコン、医療の各分野は東京・名古屋・大阪に組織を配置し、ソフトウェアの設計・開発・保守全般における総合サービス事業を、顧客であるエンドユーザや国内ITメーカ、元請システムインテグレーターからの受託開発、運用保守を中心に展開しております。
当サービスラインは、以下の分野で構成しております。
<産業流通分野> 流通/医薬ユーザや自動車関連システムの開発、保守
<マイコン分野> 家電製品のマイコンソフト、モータ・ロボット系組み込みソフトの受託開発
<医療分野> 自社製品「臨床検査システム/CLIP」(注4)、「健診システム/MEX-Plus」(注5)の販売及び顧客ニーズに即したカスタマイズ開発、保守
③ 社会公共事業
社会基盤(電力ICT、社会インフラ、電力系統、交通)分野、メディア情報分野、公共分野、文教・教育系分野のシステムインテグレーション、コンサルティング、ソフトウェアの設計・開発・保守等、ソフトウェア開発の全領域に対応した総合的なサービス事業を、顧客であるエンドユーザや国内ITメーカ、元請システムインテグレーターからの受託開発を中心に展開しております。
当サービスラインは、以下の分野で構成しております。
<電力ICT分野> 託送システム(注6)の開発
<社会インフラ分野> 道路、河川、ダム等の監視制御システムの開発
<電力系統分野> 電力系統制御システムの開発
<交通分野> 鉄道電力管理システムの開発
<メディア情報分野> クラウド環境でのWEBシステム(注7)、ビッグデータ加工システム(注8)の開発
<公共分野> 自治体業務システムの開発、稼働維持並びに官公庁のシステム再構築
<文教・教育系分野> 教学事務(入試・教務・学生生活)及び教育支援システムの開発、保守
④ ITイノベーション事業
2022年4月から追加(金融事業から独立)したサービスラインです。
自社の競争力強化に向け、先端技術をリードする人材育成及び、さまざまな事業領域のデジタルソリューションサービス事業拡大に向け、元請システムインテグレーターとの協業を推進しております。また、各分野のシステム全体を支えるフロントシステムエンジニア(注9)として、システム全体の見積り、業務支援アプリケーションパッケージの設定、オンプレミスシステム(注10)及びクラウドシステムのインフラ構築、プロジェクトマネージメントのサービス事業を、顧客であるエンドユーザや国内ITメーカ、元請システムインテグレーターからの受託開発、運用保守を中心に展開しております。
当サービスラインは、以下の分野で構成しております。
<地銀・信金分野> サーバ環境の維持保守、投資信託システムの開発、保守
<保険分野> 生命保険基幹システムの開発、保守
<クレジット分野> クレジットカードセキュリティ基準(注11)導入システムの基盤構築、運用保守
<産業流通分野> サーバ環境の運用保守、クラウド環境の基盤構築
<総合情報サービス分野> サーバ環境の構築、携帯OSの開発、保守
(2)サービスラインの特徴
① 金融事業
地銀・都銀のほか、流通系銀行の勘定系システムに加え、ネットバンキングシステムなどのサブシステムの開発・保守を基盤事業としておりますが、今後は、オープンイノベーション(注12)に関わるDX化へと基軸を移行しつつあります。
これらDX化への取組みとしまして、次世代オープン勘定系システム(注13)開発への参画、保険分野での現行システムをサーバ環境で動作させるためのマイグレーション(注14)事業及び、ビッグデータ活用に向けたシステムのオープン化事業への参画等のDX化事業にも注力しております。
② 産業流通事業
産業流通分野では、ビッグデータを活用した受注予測システムの構築やクラウドコンピューティング需要が増加しております。DX関連事業は伸長しており、これまで培った要素技術に加え、分野間での技術融合による新しいソリューション事業の構築を目指しております。小売り事業者の販売、物流管理システム開発等に参画しております。また、マイコン分野では培った開発技術によるIoT組込みソリューション事業の拡大に注力しております。
更に、医療分野では2021年8月に臨床検査システム新製品「CLIP-Version5」を販売開始しました。この製品は、電子カルテ等の他システムとの連携性や操作性の向上を図っております。新健診システム「MEX-Plus」含め、ご利用いただいております全国の病院・施設システムの更改や新しい顧客への導入を目指しております。
③ 社会公共事業
メディア情報分野では、2020年10月から作業開始した新分野であり、クラウド環境でのWEBシステム開発、ビッグデータ加工システム開発を中心とした、DX化に力を入れ顧客ニーズに対応しております。この一環として、電力ICT分野のシステム開発にも積極的に取組んでおり、大きな成長分野となっております。
また、公共分野では自治体のガバメントクラウド(注15)(Gov-Cloud)活用を見据えて、自治体情報システムの標準化対応へ参画する等、DX化事業にも注力しております。
④ ITイノベーション事業
当サービスラインの主な特徴は、顧客ファーストの観点で、一人ひとりがお客様目線で考え、お客様の事業継続、発展に貢献し、お客様に近いところでシステム全体を支えるフロントシステムエンジニアとして活動している集団であります。
顧客のDX化事業を含めた業務改革の取組みを支援するシステム開発や、元請システムインテグレーターとの協業によるデジタルソリューション事業の拡大に注力しております。
(3)協力会社との連携
顧客ニーズの高度化、オープン化(注16)の進展によるシステムの複雑化が進み、開発の難易度がますます増加しております。各サービスラインにおいては、システムインテグレーションサービスの提供にあたって、システムの構築にかかる顧客ニーズに柔軟に応えられるよう当社の社員のみならず、当社と協力会社(外注先)が技術を共有し連携して一体となってプロジェクトに参画しております。当社では協力会社のシステムエンジニアが当社と一体になれるよう安定的、継続的な発注、定期的な情報交換を実施し、長期的な協力関係を構築できるよう推進しており、大型プロジェクトへの参画可能な環境を整えております。
(注)1.システムインテグレーションとは、利用目的に合わせて、多種多様のハードウエア・ソフトウエア・メディア・通信ネットワークなどのなかから最適のものを選択し、組み合わせて、コンピューターシステムを構築することであります。
2.DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、デジタル技術の活用によって企業のビジネスモデルを変革し、新たなデジタル時代にも十分に勝ち残れるように自社の競争力を高めていくことであります。
3.ミドルウェアとは、OS(基本機能を提供するオペレーティングシステム)と、アプリケーション(各種業務処理の遂行に特化したソフトウェア)との間に位置付けられ、OSが提供する基本機能を用いてアプリケーションの開発負担を軽減することに重点を置いたソフトウェアのことをいいます。
4.自社製品「臨床検査システム/CLIP」とは、血液、血清、細菌、病理、生理といった各検査部門ごとにデータ管理する分散型処理機構と検査室の依頼、検査データを一元管理する臨床検査システムです。
5.自社製品「健診システム/MEX-Plus」とは、病院及び健診センターにおける、人間ドックや企業健診などをサポートする健康診断支援システムです。
6.託送システムとは、電力会社が所有する送配電網を利用して需要家に電気を供給する電力小売事業者に対して、請求する託送料金を送電線の使用量に応じて計算するシステムです。
7.当社開発のWEBシステムには、違法動画コンテンツ検出システム及びテレビCM枠購入予約システム等があります。
8.当社開発のビッグデータ加工システムには、テレビメーカ視聴ログを活用する各種システムがあります。
9.フロントシステムエンジニアとは、ユーザの要望を的確に把握し、ITの技術をどう活かせば要望を満たせるかユーザと一緒に考え、システム導入に向けユーザと一緒にプロジェクトを推進していくエンジニアをいいます。
10.オンプレミスシステムとは、サーバやソフトウェアなどの情報システムを、使用者が管理している施設の構内に機器を設置して運用することです。
11.クレジットカードセキュリティ基準:PCI DSS(Payment Card Industry Data Security Standard)とは、クレジットカード会員の情報を保護することを目的に定められた、クレジットカード業界の情報セキュリティ基準です。2004年に国際カードブランドのAmerican Express、Discover、JCB、MasterCard、VISAの5社によって策定されました。
12.オープンイノベーションとは、メーカやベンダに拘らず、異業種、異分野が持つ技術やアイデア、サービス、ノウハウを組合せ、革新的なビジネスモデルにつなげる方法論です。
13.次世代オープン勘定系システムとは、株式会社静岡銀行と株式会社日立製作所が共同開発したオープン基盤上で稼働する勘定系システムです。株式会社日立製作所は本システムを製品化し、他の金融機関への導入を進めています。
14.マイグレーションとは、サーバを移行することです。最近では、クラウド環境への移行が主流となってきております。
15.ガバメントクラウドとは、政府の情報システムについて、共通的な基盤・機能を提供する複数のクラウドサービス(IaaS、PaaS、SaaS)の利用環境のことです。
16.オープン化とは、従来、大規模な情報システムで採用されていた、メーカごとに非公開の固有の仕様を持つメインフレーム(大型汎用機)を中核とするシステム構成から、標準規格や公開仕様に基づく汎用製品を主体としたシステム構成に置き換えることです。
[事業系統図]
当社の主要なサービスライン別に、当社と顧客等との関連を事業系統図で示すと以下のとおりであります。
その他の関係会社
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名称 |
住所 |
資本金 (百万円) |
主要な事業の内容 |
議決権の所有割合又は被所有割合 (%) |
関係内容 |
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株式会社オービック (注) |
東京都中央区 |
19,178 |
企業情報システムのシステムインテグレーション事業及びシステムサポート事業 |
被所有 38.52 |
役員の兼任1名 |
(注)有価証券報告書を提出しております。
(1)提出会社の状況
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2023年3月31日現在 |
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従業員数(人) |
平均年齢(歳) |
平均勤続年数(年) |
平均年間給与(千円) |
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( |
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当社はシステムインテグレーションサービス事業の単一セグメントであるため、サービスライン別に記載しております。
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サービスラインの名称 |
従業員数(人) |
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金融事業 |
144 |
(52) |
|
産業流通事業 |
134 |
(14) |
|
社会公共事業 |
94 |
(15) |
|
ITイノベーション事業 |
33 |
(14) |
|
サービスライン計 |
405 |
(95) |
|
全社(共通) |
38 |
(-) |
|
合計 |
|
( |
(注)1.従業員数は、就業人員(社外から当社への出向を含む)であります。なお、臨時雇用者数(派遣社員)は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。
2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
3.全社(共通)として記載されている従業員数は、管理部門に所属しているものであります。
(2)労働組合の状況
当社において労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。
(3)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
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当事業年度 |
補足説明 |
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管理職に占める女性労働者の割合(%) (注)2. |
男性労働者の育児休業取得率(%) (注)2. |
労働者の男女の賃金の差異(%) (注)1. |
|||
|
全労働者 |
うち正規雇用 労働者 |
うちパート・有期労働者 |
|||
|
- |
- |
75.6 |
75.5 |
77.9 |
「労働者の男女の賃金の差異」について、賃金規程・制度上、男女で差異を設けてはおらず、賃金基準に相違はありません。男女の賃金の差異は、男女間の勤続年数・平均年齢の差異によるものです。 |
(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2.当社は、当該事項について情報の公表をしていないため、算出しておりません。
当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)経営方針
当社は、当社が果たすべき使命と役割を十分に認識し、「永遠に伸びる会社」、「社員一人ひとりが幸せになれる会社」、「社会に貢献できる会社」を目指して、経営理念として以下の「四つの心」に基づき、確かな技術と先進のソリューションの提供を通して、お客様と社会の発展に貢献することを目指しております。
あわせて、当社は、企業が社会の一員であることを深く認識し、公正かつ透明な企業行動に徹し、国の内外を問わず、人権を尊重し、関係法令及びその精神を遵守するとともに、良識ある市民として真に豊かな社会の実現に尽力することを目指しております。
経営理念 四つの心で
「永遠に伸びる会社」
「社員一人ひとりが幸せになれる会社」
「社会に貢献できる会社」
にしよう
1. 感謝の心
今ある自分に感謝し、働く喜び、生き甲斐を持とう
2. 人格向上の心
仕事を通じて自己啓発し、人格向上を図ろう
3. 生活向上の心
豊かな安定した生活を目指そう
4. 企業の心
デジタル・IT関連などの情報システム技術、サービスの提供を通じて持続可能な社会の実現に
貢献しよう
(2)中長期的な会社の経営戦略
当社は、創業以来、「情報を通じて、お客様や社会に貢献する」ということを使命に、持続可能な社会の実現性を目指す、公共性・社会性の高いシステム開発を中心に、システムインテグレーターとしてお客様にサービスを提供してきました。
サービスラインとして、「金融事業」、「産業流通事業」、「社会公共事業」、「ITイノベーション事業」を展開しており、当社の強みとしましては全てのサービスラインにおいて、売上の半数以上を長年のシステム開発実績を有する同一の大口顧客である元請システムインテグレーター企業からの継続案件や運用保守案件が占めていることです。これにより、安定的な経営基盤を確立していると認識しております。
強みとなる長年のシステム開発実績を積み重ね、元請システムインテグレーター企業との信用度を向上することで、継続案件及び新規案件の受注及び拡大を図ってまいります。さらに、長年のシステム開発実績をより深化させることで、新規取引先の構築に努めてまいります。
当社は、業務知識、生産技術、品質管理技術、プロジェクトマネジメント力を蓄積し、情報サービス産業界における優位性の確立を目指してまいります。
当社は、中期経営計画における以下の基本戦略を展開してまいります。
① 経営基盤の向上
サービスライン毎に、主力事業ドメインを核としたドメイン別戦略(注1)を計画することにより、中長期的に成長していくビジネス基盤を構築してまいります。取引先企業の旺盛なDX関連システム開発ニーズに対応し、2025年3月期を最終年度とした中期経営計画に於いては、このドメイン別戦略の中でDX関連事業(注2)の成長を倍増計画していくことにより、売上高の拡大と収益力のアップを目指します。
(注)1.当社のドメイン別戦略は、以下のとおりであります。
・主力事業ドメイン:事業維持の主力となる活動領域
・成長事業ドメイン:事業拡大を計画する活動領域
・新規事業ドメイン:新規顧客や新規分野となる活動領域
2.当社のDX関連事業とは、エンドユーザのDX化事業に貢献するものであり、それぞれのドメイン別戦略の要素として売上高を管理しております。
② 教育投資の強化
DX技術に対応するための、教育投資を特に強化していきます。また、AIやIoT、ロボティクス関連、クラウド関連等の新技術は、新デジタル分野として当社に必須の技術であることから、これらの社員教育についても機動的に対応してまいります。
③ システムの品質確保
システム開発においては、オープン化の進展・開発規模の大型化・短納期化、さらにはDXを中心とした顧客要求の高度化等が進み、開発の難易度がますます増大しております。このような環境変化に対応し、独立した第三者的部門として、開発推進本部に設置したプロジェクト管理部を中心に、「プロジェクトの進捗」について全社的最適化の視点から監視するとともに、開発にともなうリスクの低減に努めてまいります。また、当社全部門において、ISO9001の認証を取得しており、「お客様に満足していただけるシステムの品質確保」に努めてまいります。
(3)経営環境
当社が属する情報サービス業界において、DX関連案件の増加や、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大をきっかけとした、新たな労働環境(テレワークの導入やクラウド環境の構築)の整備を進める企業が増加しております。2021年9月「デジタル庁」発足により、わが国のデジタル化の遅れを取り戻すDX推進の流れはますます加速しており、中長期的には市場規模の拡大が期待されております。
こうした環境を背景に当社は、協力会社(外注先)を含む社員及びお客様の健康と安全を確保しながら生産性を維持するため、テレワークや時差通勤、リモートによる商談、オンライン会議等を積極的に推進し、事業活動の維持・継続に注力してまいりました。
今後も引き続き、お客様とのパートナーシップの強化による事業領域の拡大及び顧客満足度の向上に努め、さらにサービスラインであります、金融事業・産業流通事業・社会公共事業・ITイノベーション事業において、DX関連システム事業を中心とした新デジタル分野及び、クラウドコンピューティングへの取り組みに注力し、これらに必要な教育投資を強化するとともに、協力会社とのさらなる連携強化に努めてまいります。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社は、前述の経営方針、経営戦略、経営環境のもと、継続的な事業収益の拡大による成長と、より強固な経営基盤を構築するため以下の事項を対処すべき重要課題と捉え、その対応に引き続き取組んでまいります。
① 優秀な人材の確保
当社が属する情報サービス業界は、技術革新が急速に進んでいるため、常に最新技術への対応が求められております。これに応えられる優秀な人材を確保することが、今後の重要な課題であります。
当社では、優秀な人材を確保するために採用選考基準を明確化し、新卒採用、経験者採用を問わず積極的な採用活動を行っております。
② 人材育成
人材教育投資を当社の成長戦略の最重要課題と位置付け、官民あげてのDX化・IT化の流れに遅れないよう技術スキルの向上を図るために、人材教育予算を拡充してまいります。また、ますます重要性を増しているクラウド化技術の習得、AIやロボティクス等DX関連技術の習得のための教育プログラム(OFF-JT教育)の充実を図ってまいります。なお、当社の教育は、現場教育(OJT教育)が基本でありますが、新技術についてはOJTとOFF-JTが連動できるような形で進めてまいります。
③ 既存事業分野のさらなる強化
当社が属する情報サービス業界におきましては、顧客ニーズの高度化・多様化、オフショア活用の拡大やサービスの低価格化等により、ますます競争が激しくなる中、継続的な事業の拡大は一段と厳しい状況となっております。このような状況の中で継続的に安定した収益を確保していくためには、高度な専門性で付加価値を創造し、競合他社との差別化を図っていく必要があるとの理解のもと、これまで培ってきた業務知識・技術を基に、主力のサービスラインであります金融事業から、2022年4月にITイノベーション事業を分離独立させてシステムのDX化に備えております。
この事業は、元請システムインテグレーター企業の「DX事業拡大の取組」案件に参画しており、デジタル技術(AIやデータ利活用等)を活用したデジタルソリューションサービス事業の拡大に取組んでおります。
④ DX関連事業の拡大
当社が属する情報サービス業界におきましては、コロナ禍による働き方改革(業務効率化、テレワークの導入)等を背景にした、先端技術の普及やDX関連技術の進展等により、FinTech(金融サービスのITイノベーション)、IoT、AI、ビッグデータ、RPA(ロボットによる業務自動化)等のITを利用した生産性向上や省人化・自動化による労働力不足等への対応等、今後ますますDX関連サービスへの需要が高まることが予測されます。このような状況の中で、当社は、以下に注力しDX関連事業の拡大を図ってまいります。
<ユーザのDXを含めた業務改革の取組みを支援するビジネス>
・各ユーザよりさまざまな事業領域のDX案件(オープン化、モダナイゼーション(注))への参画要請に対応
・データ利活用等、DX領域での日立製作所グループとの協業
<マネジメント力と開発力のある人材群の構築>
・ITイノベーション事業本部を設立し、事業領域にとらわれないDX案件獲得、技術・ノウハウの共有を
促進
・クラウド環境における技術検証・研究開発の促進
・技術者を育成(リスキリング(研修・講習・教育))
<DX案件拡大営業アプローチ>
・2022年新設の営業本部主体にサービスラインの枠を超えたDX案件獲得活動の推進
・主要取引先のDX案件開発企画等上流フェーズへの提案活動を推進し案件を早期獲得
⑤ 品質向上と生産性向上
お客様のシステム開発に対する要求事項の高度化が進む中、お客様に満足していただけるシステムの品質 確保が重要な課題と認識し、継続的な取組みを行っております。
具体的には、品質管理部による「品質保証検査」をより一層徹底するとともに、当社標準品質目標値の継続的な整備を行い、組織的な品質向上・生産性向上に取組んでおります。
⑥ 人と組織力の強化
人材が当社の最大の財産であるという認識のもと、基礎技術スキルや先端技術スキルをはじめ、ヒューマ ンスキルの向上によるプロジェクトマネジメント力の向上等、常に研修等の充実を図り優秀な人材の育成を積極的に推進しております。
IT技術進化の流れに対応し、今後のDX関連システム事業の強化を図るために、より高度な先端技術スキル・プロジェクトマネジメント力の向上に注力し、人材を活かす組織の基盤を作ってまいります。
(5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、成長性と収益性を重視しておりますので、重要な経営目標は以下と捉えております。
・成長性:売上高成長率(対前期増加率)
対前期増加率 5.0% を目標として設けております。
・収益性:売上高営業利益率
売上高営業利益率 10% を重要な目標としております。
(注)モダナイゼーションとは、現行のIT資産を新技術に対応する形に更新することで、ソフトウェアやハードウェアのシステム基盤の最適化、近代化を行う手法をいいます。
当社の事業その他に関するリスクについて、投資者の判断に影響を及ぼす可能性があると考えられる主なものとしては、以下の内容が挙げられます。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資者に対する積極的な情報開示の観点から、以下に開示しております。
当社では様々なリスクについて、「顕在化可能性/影響度/発生時期」による重要性を認識した上で、『当社事業をとりまく環境に関するリスク』・『当社事業に関するリスク』・『その他のリスク』にリスク分類しております。
なお、本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
『当社事業をとりまく環境に関するリスク』
(1)景気変動によるリスク
「顕在化可能性:低/影響度:中/発生時期:特定時期なし」
当社が提供するシステムインテグレーションサービスは、景気の影響を受けやすい傾向にあります。経済情勢や景気動向等の理由による、顧客企業におけるシステム投資の縮小や製品開発の遅れ、事業縮小、システム開発の内製化等により、当社が提供するサービスに係る市場規模が縮小される可能性があります。したがって、国内システム投資動向が悪化した場合及び当社の顧客が属する事業分野の市況が悪化した場合等には、既存顧客からの受注の減少や新規顧客開拓の低迷により、当社の業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、金融事業・産業流通事業・社会公共事業・ITイノベーション事業の4つのサービスラインを有しており、事業領域を分散しバランスを取ることにより業績の安定化を図っております。
(2)技術革新によるリスク
「顕在化可能性:低/影響度:中/発生時期:特定時期なし」
当社は、長期的な視点に立って技術革新に対応するため、DX関連事業への投資を行っております。高度な技術に対応できる人材確保や、クラウド関連技術教育への投資を行い確実な競争力を持つべく注力しております。
しかし、当社が属する情報サービス産業においては、技術革新が急速に進んでおり、当社が急激な技術変化等の方向性を予測、認識できない場合や、適時適切に対応できない場合及び競合他社に対して技術革新に遅れを取った場合等には、既存顧客からの受注の減少や新規顧客開拓の低迷により、当社の業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
『当社事業に関するリスク』
(3)プロジェクト管理に関するリスク
「顕在化可能性:低/影響度:大/発生時期:特定時期なし」
システム開発においては、開発規模の「大型化」と顧客の要求の「高度化」、オープン化の進展によるシステムの「複雑化」が進み、開発の難易度がますます増大しております。さらに、顧客に提供するサービスや構築システムは、社会的にも重要性が高く、納期厳守と高い品質の確保が要求されることにより、テスト段階以降のシステムエンジニアの負担が増加するケースが多く、開発時間の超過につながる可能性があります。これに対し、当社では開発推進本部(注)が、商談発生時からプロジェクトの進行監視を通じてリスク管理を行っております。
また、請負契約に関しては各工程の成果物について品質管理を行っておりますが、対応の遅れ等による不適合責任が発生した場合には、賠償金の支払いを含めプロジェクトの収支が不採算となるだけでなく、顧客の信頼を失うことでクレームやトラブルに発展し、商流の喪失につながる可能性があり、当社の業績や財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。
(注)開発推進本部は、プロジェクトのリスク管理と品質管理の標準化を推進しております。
(4)特定顧客依存に関するリスク
「顕在化可能性:低/影響度:大/発生時期:特定時期なし」
当社の売上高比率は、2023年3月期において、取引年数40年以上の大口顧客である株式会社日立製作所が44.7%(日立製作所グループ全体では70.9%)、取引年数30年以上の顧客である三菱電機ソフトウエア株式会社が9.7%となっており、安定的な収益基盤となっております。また、日立製作所グループからは取引安定性確保の観点から、パートナー認定を継続的に得ている状況です。
当社は、日立製作所グループ及び三菱電機ソフトウエア株式会社との売上高比率を月次で定量的に管理するとともに、特定顧客以外への営業活動も行い直接取引等の拡大を図ることで、過度な依存とならないように努めてまいります。
なお、今般の上場時売出しにより、株式会社日立ソリューションズが全株を売却し、日立製作所グループによる当社株式の保有はゼロとなりましたが、これは日立製作所グループの株式保有方針と整合するものであり、売却によっても今後の同社グループとの取引関係及び当社の業績への影響はないと考えています。また、当社の取締役であり、日立製作所グループ出身の小島一翁は、2023年6月の株主総会をもって任期満了に伴い退任し、同年7月より顧問に就任する予定であり、2023年4月に日立製作所グループ出身の長谷川篤が執行役員に就任しております。小島一翁の退任によっても今後の同社グループとの取引関係や当社の業績への影響はないと考えています。
当社としましては、継続的に大口顧客との良好なパートナーシップ関係の構築に努めてまいりますが、業界環境の大きな変化や営業施策の変更等により、当社の受注が大幅に減少した場合や受注条件が大幅に悪化した場合には、大幅な売上の減少により、当社の業績や財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。
(5)人材確保、育成及び労務管理に関するリスク
「顕在化可能性:低/影響度:中/発生時期:特定時期なし」
当社の成長と利益は、人材に大きく依存いたします。人件費高騰が予想される中で、優秀な技術者やシステムエンジニア、管理者等、必要とする人材を厚待遇(給与・休日等)で採用、育成することは当社にとって重要であり、これに対して積極的な新卒採用やキャリア採用の促進を、十分な予算を確保し実施しております。
また、従業員の学習意欲に応えるために、当社の教育体系表を用いた階層別、技術ランク別の「技術・ヒューマンスキル研修」及びリスキリングによる「DX技術研修」に教育研修費予算を十分に確保し実施しておりますが、このような人材を採用又は育成することができない場合には、適切な人材配置が困難となり、延いては長時間労働の発生に繋がると従業員の心身の健康状態が悪くなり、労働災害に至る可能性があります。
この対策として、当社では労働時間の把握・管理をシステムによる客観的方法により行っており、加えて健康管理・メンタルヘルス研修等を実施しております。
しかし、人材採用及び労務管理に関して、適時適切に対応できなかった場合には、事業拡大に制約が発生するなどにより、当社の業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(6)協力会社依存に関するリスク
「顕在化可能性:低/影響度:中/発生時期:特定時期なし」
当社は業務上必要に応じて、生産性向上及び専門性の高いノウハウ活用等のため、情報システムの構築に関する業務を協力会社(外注先)に委託しております。協力会社への委託は、顧客要請への迅速な対応を実現し、受注の機会損失を防ぐことを目的としており、当社の受注拡大には協力会社の確保及び良好な取引関係の維持が必要不可欠であります。
協力会社との関係をより確実なものにするために、当社の外注管理規程による新規協力会社選定、継続評価等の各施策を実施しておりますが、2023年3月期における当社の製造費用に占める外注費の割合は41.3%となっており、外注費高騰等により協力会社から役務の提供を十分に受けることができない場合、当社の業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(7)顧客情報等漏洩のリスク
「顕在化可能性:低/影響度:中/発生時期:特定時期なし」
当社は、顧客の情報システムの構築、保守並びに運用にあたり、個人や顧客情報を含んだ情報資産を取り扱っております。当社では、このような情報資産の漏洩、紛失、破壊のリスクを回避するために、様々な対策を講じております。情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)認証取得やプライバシーマーク認証取得はもとより、各部門担当者と管理者から選出された委員で構成する「情報セキュリティ委員会」を設置し、従業員教育、各種ソフトウェアの監視、情報資産へのアクセス証跡の記録等各種の情報セキュリティ対策を講じ、個人情報を含む重要な情報資産の管理を実施し、情報漏洩のリスクの回避を図っております。
しかし、万が一にも、コンピュータウイルスをはじめとしたサイバー攻撃や、人為的過失等により情報の漏洩が発生した場合には、顧客からの損害賠償請求や当社の信用失墜・損害賠償請求の発生等により、当社の業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(8)業績の季節変動
「顕在化可能性:低/影響度:小/発生時期:第2四半期、第4四半期」
当社が提供するシステムインテグレーションサービスは、顧客である国内ITメーカ及び元請システムインテグレーターやエンドユーザのシステム投資予算の対象となり、顧客企業の予算執行のタイミングや開発システム工期との兼ね合いから、第2四半期会計期間及び第4四半期会計期間に売上計上が集中する傾向があり、営業利益もこの期間に偏重する傾向があります。
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前事業年度(自 2021年4月1日・至 2022年3月31日) |
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上半期 |
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下半期 |
通期 |
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第1四半期 |
第2四半期 |
第3四半期 |
第4四半期 |
||||
|
売上高 (千円) |
1,400,167 |
1,506,858 |
2,907,026 |
1,452,507 |
1,632,655 |
3,085,162 |
5,992,188 |
|
構成比 |
23.4% |
25.1% |
48.5% |
24.2% |
27.3% |
51.5% |
100.0% |
|
営業利益 (千円) |
37,195 |
126,148 |
163,343 |
110,572 |
139,734 |
250,306 |
413,650 |
|
構成比 |
9.0% |
30.5% |
39.5% |
26.7% |
33.8% |
60.5% |
100.0% |
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当事業年度(自 2022年4月1日・至 2023年3月31日) |
||||||
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|
上半期 |
|
下半期 |
通期 |
|||
|
第1四半期 |
第2四半期 |
第3四半期 |
第4四半期 |
||||
|
売上高 (千円) |
1,449,714 |
1,568,961 |
3,018,675 |
1,522,335 |
1,622,825 |
3,145,160 |
6,163,836 |
|
構成比 |
23.5% |
25.5% |
49.0% |
24.7% |
26.3% |
51.0% |
100.0% |
|
営業利益 (千円) |
61,115 |
152,673 |
213,789 |
148,562 |
139,800 |
288,363 |
502,153 |
|
構成比 |
12.2% |
30.4% |
42.6% |
29.6% |
27.8% |
57.4% |
100.0% |
(9)許認可について
「顕在化可能性:低/影響度:中/発生時期:特定時期なし」
当社は、顧客先に社員を派遣してシステム開発等を行う場合があるため、労働者派遣事業者として厚生労働大臣の許可等を受け事業を行っております。当社の許可・届出状況については以下のとおりであります。
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取得・登録者名 |
許可名称及び 所管官庁 |
許可番号 |
取得年月 |
有効期限 |
|
当社 |
労働者派遣事業許可 厚生労働省 |
派27-302462 |
平成29年3月1日 |
令和7年2月28日 |
当社は、労働者派遣法の遵守に努めており、事業活動に支障をきたす要因は発生しておりません。しかし、労働者派遣法に定める派遣元事業主としての欠格事由に該当したり、法的規制の変更に当社が的確に対応できなかった等により関係法令に違反があった場合には、当該許可等の取消し又は事業の停止を命じられること等により、当社の事業活動に支障をきたすとともに当社の業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(10)知的財産権について
「顕在化可能性:低/影響度:大/発生時期:特定時期なし」
当社が行うシステム開発等において、当社の認識の範囲外で他社の所有する著作権及び特許権を侵害する可能性があります。このように、第三者の知的財産権を侵害してしまった場合には、多額の費用負担が生じたり、損害賠償請求をうける等、当社の業績や財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。当社では、システム開発等において、他社の所有する著作権や特許権を侵害しないように、「知的財産に関する教育研修規程」に基づき、従業員全員に知的財産保護に関する指導や教育の実施を行うと共に、「コンプライアンス・リスク管理委員会」においても該当する事案がないか常に注意を払い、全社的な取組みを推進しております。
『その他のリスク』
(11)大株主に関するリスク
「顕在化可能性:低/影響度:中/発生時期:特定時期なし」
株式会社オービック(以下「同社」という。)は、本書提出日現在、当社の発行済株式総数の28.99%を保有しており、当社は同社の持分法適用会社であり、同社は当社の「その他の関係会社」であります。
現在は同社との取引は一切ありませんが、将来は当社の取引先を通じて競合する可能性があります。ただし、同社はシステム開発について内製化の方針(自前主義)を有していることから、重大な競合関係が生じる可能性は低いと考えております。
当社の監査役である阿南友則は、同社の執行役員経営企画室長兼経理本部長でかつ、同社の複数ある子会社の監査役を兼務しております。当社と兼任が生じている理由は、当社はシステムインテグレーターであり、システムインテグレーション事業を長年営んできた同社における経営にかかる知見を、監査役として当社の経営体制強化に活かすことを目的としているためです。
同社は、今後も引き続き大株主であり、その結果当社の取締役の選任・解任などの株主総会決議事項の決定に影響を与える可能性があります。しかし、同社との間に事前承認事項はなく、当社として独自に意思決定を行っております。役員指名につきましては、社外役員を過半数とする指名報酬委員会を設置し客観性と合理性を高めており、将来の役員兼任の必要性につきましてもその都度検討を行う方針です。
このように、同社との相互の独立性は引き続き十分確保しておく方針です。今後、同社の経営方針に変更があり、当社議決権の保有比率に大きな変更があった場合には、当社の事業運営に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社創業者であり、大株主(本書提出日現在、当社の発行済株式総数の33.16%(オーバーアロットメントによる貸株分を考慮しておりません。)を保有)でもある取締役会長の山田孝は、2023年6月の株主総会をもって退任し、同年7月より当社の相談役に就任する予定です。今後も持株については安定保有の方針ですが、同氏の株式保有方針に変更があり、当社議決権の保有比率に大きな変更があった場合には、当社の事業運営に影響を及ぼす可能性があります。
(12)自然災害等に関するリスク
「顕在化可能性:低/影響度:中/発生時期:特定時期なし」
台風、地震、集中豪雨等の自然災害や異常気象によるリスクは年々高まってきております。当社において、直接的な被害の発生や通信障害等による情報システムの深刻なトラブルの発生等により、外的な脅威が顕在化した際には、事務所・オフィスの確保、要員の確保、安全の確保等の観点から事業の継続に支障をきたす可能性があります。当社は自然災害等に備え、事業継続のためのインフラ・人員計画や対応策の優先順位について整備する等、自然災害の発生等を想定した緊急事態発生時対応体制の整備を実施しておりますが、想定外の事態が発生した場合には、当社の業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(13)新型コロナウイルス等感染拡大によるリスク
「顕在化可能性:低/影響度:中/発生時期:特定時期なし」
当社は、複数の事業拠点を有し事業運営をしておりますので、新型コロナウイルス感染症等の拡大によって、拡散の脅威や経済活動の停滞等が発生する場合には、顧客企業のIT投資抑制(受注減少、プロジェクト中断・中止・延期等)が予想され、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、テレワーク等勤務に必要なIT設備予算を十分に確保するとともに、コンプライアンス・リスク管理委員会で検討し、事業リスクの最小化に向けた施策を実施しております。
(1)経営成績等の状況の概要
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
a.財政状態の状況
(資産)
当事業年度末における流動資産は4,402,930千円となり、前事業年度末に比べ195,642千円増加いたしました。これは主に現金及び預金が180,858千円、仕掛品が10,777千円、前払費用が6,199千円増加した一方、売掛金が3,311千円減少したことによるものであります。固定資産は816,263千円となり、前事業年度末に比べ186,239千円増加いたしました。これは主に工具、器具及び備品が2,518千円、投資有価証券が76,416千円、繰延税金資産が101,887千円増加したことによるものであります。
(負債)
当事業年度末における流動負債は1,247,235千円となり、前事業年度末に比べ446,836千円増加いたしました。これは主に長期未払金が振り替わったこと等により未払金が507,825千円増加した一方、買掛金が22,193千円、未払法人税等が14,095千円、賞与引当金が18,419千円減少したことによるものであります。固定負債は142,649千円となり、前事業年度末に比べ522,868千円減少いたしました。これは主に前述のとおり長期未払金が500,000千円減少したことによるものであります。
(純資産)
当事業年度末における純資産合計は3,829,308千円となり、前事業年度末に比べ457,912千円増加いたしました。これは利益剰余金が393,629千円、その他有価証券評価差額金が64,283千円増加したことによるものであります。
b.経営成績の状況
当事業年度における国内経済は、官民一体となって取組んできた新型コロナウイルス感染症対策の成果により、ウィズコロナのもとで各種政策の効果もあり、一部に弱さがみられるものの、景気は緩やかに持ち直してきました。一方、世界的な金融引締め等が続いており、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクや、物価上昇による企業の設備投資姿勢の慎重化や消費者の消費意欲の減退が、景気回復の抑制要因となることが懸念されました。
当社が属する情報サービス業界においては、設備投資に持ち直しの動きがみられ、ソフトウェア投資も緩やかに増加しております。また、アフターコロナを見据えた事業構造の変革や競争力の強化を狙うDX(デジタルトランスフォーメーション)推進の流れはますます加速しており、中長期的にも市場規模の拡大が期待されております。
こうした環境のもと、当社はクラウド、AI、ビッグデータ、ロボティクスなどのDX関連事業を成長の柱とする中期経営計画を推進しており、不足する人材を確保するために経験者採用へのアプローチを強化するとともに、DX人材の教育育成にも力を入れ、早期に戦力化することに全力をあげております。また、既存顧客とのパートナーシップの強化による当社事業領域の拡大及び顧客満足度の向上に努め、DX関連分野をはじめとする新分野に係る案件獲得に努めてまいりました。
また、当事業年度に係る株主総会の終結の時をもって、当社取締役会長の山田孝が取締役を任期満了に伴い退任する予定であり、退任に伴い支給を予定している役員退職慰労未払金に係る繰延税金資産がスケジューリング可能となったことに伴い、法人税等調整額が152,900千円減少いたしました。
この結果、当事業年度の業績は、売上高6,163,836千円(前年同期比2.9%増)、営業利益502,153千円(前年同期比21.4%増)、経常利益517,413千円(前年同期比7.2%増)、当期純利益497,479千円(前年同期比46.9%増)となりました。
当社事業は、システムインテグレーションサービス事業の単一セグメントでありますが、事業戦略上、事業領域を「金融事業」、「産業流通事業」、「社会公共事業」、「ITイノベーション事業」(注)の4つのサービスラインに区分しております。
(注)2022年4月から、新技術領域の強化を目的に「金融事業」から独立した、「ITイノベーション事業」を設置し、4つのサービスラインとしました。このサービスラインは、さまざまな事業領域のデジタルソリューション事業を担当するとともに、他のサービスラインと横断的に協力し、当社のDX関連事業を強化・推進させてまいります。
当社のサービスライン別の業績を示すと、次のとおりであります。
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前事業年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当事業年度 |
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(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
前年同期比(%) |
||||
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売上高 |
(千円) |
5,992,188 |
6,163,836 |
102.9 |
|
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金融事業 |
(千円) |
2,329,367 |
2,469,705 |
106.0 |
|
産業流通事業 |
(千円) |
1,774,051 |
1,757,123 |
99.0 |
|
|
社会公共事業 |
(千円) |
1,440,570 |
1,449,100 |
100.6 |
|
|
ITイノベーション事業(注) |
(千円) |
448,198 |
487,906 |
108.9 |
|
|
営業利益 |
(千円) |
413,650 |
502,153 |
121.4 |
|
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経常利益 |
(千円) |
482,609 |
517,413 |
107.2 |
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当期純利益 |
(千円) |
338,551 |
497,479 |
146.9 |
|
(注)前事業年度は、ITイノベーション事業(2022年4月に金融事業から独立)設置前にはなりますが、前事業年度における金融事業の売上高に含まれる、ITイノベーション事業相当の売上高を算出し、前事業年度のITイノベーション事業の売上高としております。また、同額を金融事業の売上高より控除して前事業年度の金融事業の売上高としております。
(a) 金融事業
金融事業は、地銀・都銀、取引所、保険、証券、クレジットの各分野のソフトウェア設計開発及び運用保守を中心に事業を展開しております。
引き続き主力である地銀・都銀分野での受注拡大に注力しつつ、引き合い件数が増加している保険分野での新規案件の受注獲得にも尽力し、両分野を中心として堅調に推移しております。
この結果、売上高は2,469,705千円(前年同期比6.0%増)となっております。
(b) 産業流通事業
産業流通事業は、産業流通、マイコン、医療の各分野のソフトウェア設計開発及び運用保守を中心に事業を展開しております。
主力である産業流通分野につきましては流通システム案件、自動車関連システム案件、医薬システム案件を中心に堅調に推移いたしましたが、期初における半導体不足等の影響により、マイコン分野、医療分野においては案件の遅延や案件金額の減少が生じました。
この結果、売上高は1,757,123千円(前年同期比1.0%減)となっております。
(c) 社会公共事業
社会公共事業は、社会基盤(電力ICT等)分野、メディア情報分野、公共分野、文教・教育系分野のソフトウェア設計開発及び運用保守を中心に事業を展開しております。
主力である電力ICT分野、社会インフラ分野につきましては堅調に推移いたしましたが、公共分野において得意先の入札結果の低迷や、メディア情報分野においての業容拡大の停滞等の影響を受け、事業全体としては鈍化いたしました。
この結果、売上高は1,449,100千円(前年同期比0.6%増)となっております。
(d) ITイノベーション事業
ITイノベーション事業は、システム全体を支えるフロントシステムエンジニアとして、受託開発、運用保守を中心に事業を展開しており、2022年4月から追加(金融事業から独立)したサービスラインになります。
一部の案件に開発開始の遅延が生じる等ありますが、総じてクラウドシステムのインフラ構築案件等、確実な受注ができていることにより堅調に推移しております。
この結果、売上高は487,906千円(前年同期比8.9%増)となっております。
② キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ180,858千円増加し、2,089,135千円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は305,821千円(前事業年度は210,723千円の収入)となりました。これは主に、税引前当期純利益が517,413千円、法人税等の支払額が148,049千円、仕入債務の減少額が22,193千円、退職給付引当金の減少額が22,873千円、賞与引当金の減少額が18,419千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は18,112千円(前事業年度は76,346千円の収入)となりました。これは主に、固定資産の取得によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は106,850千円(前事業年度は83,080千円の支出)となりました。これは主に、配当金の支払額103,850千円によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当事業年度の生産実績をサービスラインごとに示すと、次のとおりであります。
|
サービスライン名称 |
当事業年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
|
金融事業 |
(千円) |
2,096,746 |
104.6 |
|
産業流通事業 |
(千円) |
1,482,352 |
99.0 |
|
社会公共事業 |
(千円) |
1,130,281 |
97.8 |
|
ITイノベーション事業 |
(千円) |
408,129 |
110.1 |
|
合計 |
(千円) |
5,117,510 |
101.8 |
(注)金額は製造費用によっております。なお、サービスラインに共通して発生する品質管理等費用(33,787千円)は上記には含めておりません。
b.受注実績
当事業年度の受注実績をサービスラインごとに示すと、次のとおりであります。
|
サービスライン名称 |
当事業年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
|||
|
受注高 (千円) |
前年同期比 (%) |
受注残高 (千円) |
前年同期比 (%) |
|
|
金融事業 |
2,535,845 |
108.3 |
550,986 |
113.6 |
|
産業流通事業 |
1,811,174 |
102.3 |
340,973 |
118.8 |
|
社会公共事業 |
1,562,137 |
108.7 |
306,551 |
158.4 |
|
ITイノベーション事業 |
500,270 |
110.9 |
119,143 |
111.6 |
|
合計 |
6,409,427 |
106.8 |
1,317,655 |
122.9 |
(注)金額は販売価格で表示しております。
c.販売実績
当事業年度の販売実績をサービスラインごとに示すと、次のとおりであります。
|
サービスライン名称 |
当事業年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
|
金融事業 |
(千円) |
2,469,705 |
106.0 |
|
産業流通事業 |
(千円) |
1,757,123 |
99.0 |
|
社会公共事業 |
(千円) |
1,449,100 |
100.6 |
|
ITイノベーション事業 |
(千円) |
487,906 |
108.9 |
|
合計 |
(千円) |
6,163,836 |
102.9 |
(注)1.金額は販売価格で表示しております。
2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前事業年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当事業年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
||
|
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
|
株式会社日立製作所 |
2,655,373 |
44.3 |
2,755,932 |
44.7 |
|
メルコ・パワー・システムズ株式会社(注) |
636,013 |
10.6 |
- |
- |
(注)2022年4月に、同社を含む三菱電機株式会社のソフトウェア設計子会社6社が経営統合し、
「三菱電機ソフトウエア株式会社」に社名を変更しております。なお、当事業年度における同社に対する販売実績は、総販売実績に対する割合が10%未満のため記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態の状況
当事業年度末における総資産は5,219,193千円となり、前事業年度末と比較して381,881千円の増加となりました。また、当事業年度末における自己資本は、3,829,308千円となり、前事業年度末と比較して457,912千円の増加となりました。
以上の結果から、当事業年度末における自己資本比率は73.4%(前事業年度末は69.7%)となり前年同期比で3.7ポイント上昇いたしました。
b.経営成績の状況
(売上高、売上原価及び売上総利益)
当事業年度の売上高は6,163,836千円であり、前事業年度より171,647千円増加(2.9%増)いたしました。主な要因としては、DX関連案件の獲得が堅調であったことによるものであります。
また、売上原価は5,131,554千円となり、前事業年度より66,064千円増加(1.3%増)となりました。これにより、売上総利益につきましては、前事業年度より105,582千円増加(11.4%増)の1,032,282千円となっております。
当事業年度におけるサービスライン別の経営成績(売上高)の状況に関する認識及び分析は、4[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 b.経営成績の状況 の項目をご参照ください。
(販売費及び一般管理費並びに営業利益)
当事業年度の販売費及び一般管理費は530,128千円であり、前事業年度より17,079千円増加(3.3%増)いたしました。主な要因は、人員増加に伴い給料及び手当が11,112千円増加したことによるものであります。
その結果、営業利益は502,153千円となり、前事業年度より88,502千円増加(21.4%増)いたしました。
(営業外損益及び経常利益)
当事業年度の営業外収益は18,260千円となり、前事業年度より50,698千円減少(73.5%減)いたしました。これは保険解約返戻金が減少したことによるものであります。また、当事業年度の営業外費用は3,000千円であり、前事業年度より3,000千円増加いたしました。これは、上場関連費用を計上したことによるものであります。
その結果、経常利益は517,413千円となり、前事業年度より34,804千円増加(7.2%増)いたしました。
(当期純利益)
当事業年度の法人税等合計は19,933千円となり、前事業年度より124,123千円減少(86.2%減)いたしました。主な要因としては、スケジューリング可能となった長期未払金に係る繰延税金資産の計上(152,900千円)及び税率変更による繰延税金資産の取崩(36,793千円)等に伴い、法人税等調整額が124,454千円減少したことによるものであります。
以上の結果より、当期純利益は497,479千円となり、前事業年度より158,927千円増加(46.9%増)いたしました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(キャッシュ・フローの状況の分析・検討)
当事業年度におけるキャッシュ・フローの状況の分析につきましては、4[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況の項目をご参照ください。
当事業年度においては、財務活動で使用した資金は、営業活動により得られた資金で賄えており、財務健全性を維持できているものと判断しております。
(資本の財源及び資金の流動性)
当社の主な資金需要は、労務費、外注費、事務所の賃借料並びに経費等の支払いを目的とした運転資金となります。これらの資金需要につきましては、営業活動によるキャッシュ・フローや自己資金で賄うことを基本としております。今後、新型コロナウイルス感染症の広がりや収束時期に関連する必要な資金需要に対しては、財務健全性を勘案しながら金融機関からの借入等も含め、柔軟な資金調達を行ってまいります。
なお、当事業年度末現在、当社は通常の営業上の運転資金に対して十分な規模の現金及び現金同等物を保有しており、資金の流動性は十分に確保されているものと判断しております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 注記事項(重要な会計方針)」に記載されているとおりであります。この財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、特に以下の事項は、経営者の会計上の見積りの判断が財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすと考えております。
(繰延税金資産)
当社は、一時差異等のスケジューリングの結果、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。しかしながら、繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得水準の見積りに依存するため、結果として将来の繰延税金資産の計上額が変動し、税金費用に影響を与える可能性があります。
(受託開発のソフトウェアに係る収益及び費用の計上基準)
当社は、受託開発のソフトウェアに係る収益について、原則として、履行義務の充足に係る進捗度を合理的に見積ることができる場合に、その進捗を、発生したコストに基づくインプット法(原価比例法)により見積って収益を認識しております。
収益総額、見積原価総額及び決算日における進捗度について、最新の情報を使用しておりますが、作業内容及び工数等に不確実性を伴う要素が含まれるため、認識された損益に影響を及ぼす可能性があります。
(受注損失引当金)
当社は、受注契約に係る将来の損失に備えるため、当事業年度末において損失の発生可能性が高く、かつ、その金額を合理的に見積ることができる開発案件について、翌事業年度以降に発生が見込まれる損失を引当計上しております。損失見込額は最新の情報を使用して算定しておりますが、予見不能な事象の発生や作業内容及び工数等に不確実性を伴う要素が含まれるため、見積りと実績に差異が生じる可能性があります。なお、当事業年度末におきましては、計上はありません。
(プログラム保証引当金)
当社は、販売済ソフトウェアの保証期間中における補修費に備えるため、過去の実績に基づく補修見込額及び個別案件に対する補修見込額を引当計上しております。補修見込額は最新の情報を使用して算定しておりますが、予見不能な事象の発生や作業内容及び工数等に不確実性を伴う要素が含まれるため、見積りと実績に差異が生じる可能性があります。
該当事項はありません。
当社の主要な設備は、以下のとおりであります。
なお、当社はシステムインテグレーションサービス事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
|
2023年3月31日現在 |
|
事業所名 (所在地) |
設備の内容 |
帳簿価額 |
従業員数 (人) |
|||
|
建物 (千円) |
工具、器具 及び備品 (千円) |
ソフトウェア (千円) |
合計 (千円) |
|||
|
大阪本社 (大阪市中央区) |
事務所設備 |
2,083 |
8,715 |
14,677 |
25,477 |
241 (55) |
|
東京本社 (東京都品川区) |
事務所設備 |
753 |
3,276 |
146 |
4,177 |
181 (40) |
|
中部支店 (名古屋市中区) |
事務所設備 |
1,028 |
240 |
- |
1,269 |
21 (-) |
(注)1.事務所は全て賃借しており、年間の賃借料は52,497千円であります。
2.従業員数の( )は、臨時雇用者数を外書しております。
|
種類 |
発行可能株式総数(株) |
|
普通株式 |
8,000,000 |
|
計 |
8,000,000 |
|
種類 |
事業年度末現在発行数 (株) (2023年3月31日) |
提出日現在発行数(株) (2023年6月29日) |
上場金融商品取引所名又は登録認可金融商品取引業協会名 |
内容 |
|
|
|
|
東京証券取引所 スタンダード市場 |
|
|
計 |
|
|
- |
- |
(注)当社株式は2023年6月21日付で、東京証券取引所スタンダード市場に上場いたしました。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
|
年月日 |
発行済株式総数増減数(株) |
発行済株式総数残高(株) |
資本金増減額 (千円) |
資本金残高 (千円) |
資本準備金増減額(千円) |
資本準備金残高(千円) |
|
2022年11月18日 (注)1 |
2,109,000 |
2,220,000 |
- |
74,750 |
- |
24,750 |
(注)1.株式分割(1:20)によるものであります。
2.決算日後、2023年6月20日を払込期日とする有償一般募集増資による新株式57,000株(発行価格1,710円、引受価額1,573.20円、資本組入額786.60円)発行により、資本金及び資本準備金はそれぞれ44,836千円増加しております。
|
|
|
|
|
|
|
|
2023年3月31日現在 |
||
|
区分 |
株式の状況(1単元の株式数 |
単元未満株式の状況 (株) |
|||||||
|
政府及び地方公共団体 |
金融機関 |
金融商品取引業者 |
その他の法人 |
外国法人等 |
個人その他 |
計 |
|||
|
個人以外 |
個人 |
||||||||
|
株主数(人) |
|
|
|
|
|
|
|
|
- |
|
所有株式数 (単元) |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
所有株式数の割合(%) |
|
|
|
|
|
|
|
100 |
- |
(注)1.オービーシステム従業員持株会は「個人その他」に含め記載しております。
2.自己株式143,000株は「個人その他」に含め記載しております。
|
|
|
2023年3月31日現在 |
|
|
氏名又は名称 |
住所 |
所有株式数 (株) |
発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合(%) |
|
|
|
|
|
|
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|
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|
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|
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|
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|
|
|
|
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|
|
|
|
|
|
|
計 |
- |
|
|
|
|
|
(単位:千円) |
|
|
前事業年度 (2022年3月31日) |
当事業年度 (2023年3月31日) |
|
資産の部 |
|
|
|
流動資産 |
|
|
|
現金及び預金 |
|
|
|
受取手形 |
|
|
|
売掛金 |
|
|
|
仕掛品 |
|
|
|
前払費用 |
|
|
|
その他 |
|
|
|
流動資産合計 |
|
|
|
固定資産 |
|
|
|
有形固定資産 |
|
|
|
建物 |
|
|
|
減価償却累計額 |
△ |
△ |
|
建物(純額) |
|
|
|
工具、器具及び備品 |
|
|
|
減価償却累計額 |
△ |
△ |
|
工具、器具及び備品(純額) |
|
|
|
有形固定資産合計 |
|
|
|
無形固定資産 |
|
|
|
ソフトウエア |
|
|
|
無形固定資産合計 |
|
|
|
投資その他の資産 |
|
|
|
投資有価証券 |
|
|
|
出資金 |
|
|
|
長期前払費用 |
|
|
|
繰延税金資産 |
|
|
|
その他 |
|
|
|
投資その他の資産合計 |
|
|
|
固定資産合計 |
|
|
|
資産合計 |
|
|
|
|
|
(単位:千円) |
|
|
前事業年度 (2022年3月31日) |
当事業年度 (2023年3月31日) |
|
負債の部 |
|
|
|
流動負債 |
|
|
|
買掛金 |
|
|
|
未払金 |
|
|
|
未払費用 |
|
|
|
未払法人税等 |
|
|
|
契約負債 |
|
|
|
預り金 |
|
|
|
賞与引当金 |
|
|
|
プログラム保証引当金 |
|
|
|
その他 |
|
|
|
流動負債合計 |
|
|
|
固定負債 |
|
|
|
退職給付引当金 |
|
|
|
長期未払金 |
|
|
|
資産除去債務 |
|
|
|
固定負債合計 |
|
|
|
負債合計 |
|
|
|
純資産の部 |
|
|
|
株主資本 |
|
|
|
資本金 |
|
|
|
資本剰余金 |
|
|
|
資本準備金 |
|
|
|
その他資本剰余金 |
|
|
|
資本剰余金合計 |
|
|
|
利益剰余金 |
|
|
|
利益準備金 |
|
|
|
その他利益剰余金 |
|
|
|
別途積立金 |
|
|
|
繰越利益剰余金 |
|
|
|
利益剰余金合計 |
|
|
|
自己株式 |
△ |
△ |
|
株主資本合計 |
|
|
|
評価・換算差額等 |
|
|
|
その他有価証券評価差額金 |
|
|
|
評価・換算差額等合計 |
|
|
|
純資産合計 |
|
|
|
負債純資産合計 |
|
|
|
|
|
(単位:千円) |
|
|
前事業年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当事業年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
|
売上高 |
|
|
|
売上原価 |
|
|
|
売上総利益 |
|
|
|
販売費及び一般管理費 |
|
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役員報酬 |
|
|
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給料及び手当 |
|
|
|
法定福利費 |
|
|
|
教育研修費 |
|
|
|
賞与引当金繰入額 |
|
|
|
減価償却費 |
|
|
|
その他 |
|
|
|
販売費及び一般管理費合計 |
|
|
|
営業利益 |
|
|
|
営業外収益 |
|
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|
受取利息 |
|
|
|
受取配当金 |
|
|
|
保険配当金 |
|
|
|
保険解約返戻金 |
|
|
|
助成金収入 |
|
|
|
その他 |
|
|
|
営業外収益合計 |
|
|
|
営業外費用 |
|
|
|
上場関連費用 |
|
|
|
営業外費用合計 |
|
|
|
経常利益 |
|
|
|
税引前当期純利益 |
|
|
|
法人税、住民税及び事業税 |
|
|
|
法人税等調整額 |
|
△ |
|
法人税等合計 |
|
|
|
当期純利益 |
|
|