株式会社グリッド

GRID Inc.
港区北青山三丁目11番7号AOビル6階
証券コード:55820
業界:情報・通信業
有価証券報告書の提出日:2023年9月29日

 

 

回次

第10期

第11期

第12期

第13期

第14期

決算年月

2019年6月

2020年6月

2021年6月

2022年6月

2023年6月

売上高

(千円)

1,345,154

692,844

706,857

910,399

1,353,869

経常利益又は経常損失(△)

(千円)

45,431

626,939

198,538

67,651

204,135

当期純利益
又は当期純損失(△)

(千円)

49,718

676,867

210,748

91,967

228,532

持分法を適用した
場合の投資利益

(千円)

7,716

10,307

7,234

資本金

(千円)

82,100

100,000

100,000

100,000

100,000

発行済株式総数

 

 

 

 

 

 

 普通株式

(株)

1,062

1,062

1,062

1,062

3,636,000

 第一種優先株式

(株)

150

150

150

純資産額

(千円)

321,183

1,056,715

845,877

937,844

1,166,377

総資産額

(千円)

1,066,087

1,326,192

1,198,917

1,302,936

1,576,114

1株当たり純資産額

(円)

100.28

112.18

178.32

149.46

320.34

1株当たり配当額

(1株当たり中間配当額)

(円)

(―)

(―)

(―)

(―)

(―)

1株当たり当期純利益又は1株当たり当期純損失(△)

(円)

14.92

192.86

57.96

25.29

62.85

潜在株式調整後
1株当たり当期純利益

(円)

自己資本比率

(%)

30.0

79.6

70.4

71.9

73.9

自己資本利益率

(%)

10.3

21.8

株価収益率

(倍)

配当性向

(%)

営業活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

179,471

55,735

150,321

投資活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

8,360

103,371

36,874

財務活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

75,895

5,400

60,100

現金及び現金同等物
の期末残高

(千円)

782,969

618,463

671,809

従業員数
〔外、平均臨時
雇用者数〕

(名)

56

73

69

70

85

-〕

-〕

-〕

-〕

10

株主総利回り

(%)

(比較指標:―)

(%)

(-)

(-)

(-)

(-)

(-)

最高株価

(円)

最低株価

(円)

 

(注) 1.当社は連結財務諸表を作成しておりませんので、連結会計年度に係る主要な経営指標等の推移については記載しておりません。

2.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第13期の期首から適用しており、第13期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。

3.第10期から第12期は、エネルギーソリューション事業からAI開発事業へ事業転換するために収益を上回る規模で人件費等に対する先行投資を行ったため、経常損失及び当期純損失となりました。

4.第10期及び第11期の持分法を適用した場合の投資利益については、関連会社がなかったため記載しておりません。

5.第11期から第13期の1株当たり純資産額については、第一種優先株主に対する残余財産の分配額を控除して算定しております。

6.1株当たり配当額及び配当性向については、配当を実施していないため記載しておりません。

7.潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、第10期から第12期は1株当たり当期純損失であり、また、潜在株式は存在するものの、当社株式は非上場であり期中平均株価が把握できないため、第13期及び第14期は潜在株式が存在するものの、当社株式は非上場であり期中平均株価が把握できないため、いずれも記載しておりません。

8.第10期から第12期の自己資本利益率については、当期純損失であるため記載しておりません。

9.株価収益率については、当社株式が第14期末時点において非上場であるため記載しておりません。

10.第10期及び第11期については、キャッシュ・フロー計算書を作成していないため、キャッシュ・フローに係る各項目については記載しておりません。

11.第12期は将来的な事業拡大に向け収益を上回る規模で人件費等に対する先行投資を行い、第13期は人件費の増加に加え事業拡大により売上債権が増加したため、それぞれ営業活動によるキャッシュ・フローがマイナスとなりました。

12.従業員数は就業人員であり、平均臨時雇用者数については、臨時従業員(アルバイト、人材会社からの派遣社員)の年間平均雇用人員数(各月末時点の臨時従業員数の年間合計を12で除したもの)であります。

13.主要な経営指標等のうち、第10期及び第11期については会社計算規則(平成18年法務省令第13号)の規定に基づき算出した各数値を記載しており、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく、監査法人A&Aパートナーズの監査証明を受けておりません。

14.第12期以降の財務諸表については、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵省令第59号)に基づき作成しており、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、監査法人A&Aパートナーズの監査を受けております。

15.2023年3月3日開催の取締役会決議により、2023年3月3日付で第一種優先株式150株を自己株式として取得し、その対価として普通株式150株を交付しております。また、会社法第178条の規定に基づき2023年3月3日開催の取締役会決議により、自己株式として取得した当該第一種優先株式のすべてを2023年3月3日付で消却しております。

16.当社は、2023年3月23日開催の取締役会決議に基づき、2023年4月15日付で普通株式1株につき3,000株の割合で株式分割を行っております。第10期の期首に当該株式分割が行われたと仮定して1株当たり純資産額及び1株当たり当期純利益又は1株当たり当期純損失(△)を算定しております。

17.株主総利回り及び比較指標、最高株価並びに最低株価については、当社株式が第14期末時点において非上場であるため記載しておりません。

 

 

2 【沿革】

株式会社グリッドは、再生エネルギー事業に取り組む目的で、2009年10月に東京都港区において設立されました。集合住宅用の太陽光発電システムの販路拡大策を取る一方で、メガソーラー発電所の開発を行うエネルギーソリューション事業を手掛けるようになりましたが、その後、気象解析をベースに、発電所の発電電力量の予測に取り組んだことを契機に、AI開発事業に事業転換を行い、現在の事業を本格的に開始いたしました。

設立以後の当社に係る経緯は、次のとおりであります。

 

年月

概要

2009年10月

再生エネルギー事業の会社として東京都港区芝浦に株式会社グリッド(資本金10百万円)を設立

2010年2月

太陽光発電システムの販売開始(エネルギーソリューション事業を開始)

2010年6月

東京都港区赤坂に本社を移転

2011年2月

集合住宅用太陽光発電システムの販売開始

2013年6月

発電所運営を目的とし、グリッドソーラーファーム合同会社(完全子会社)設立

2014年3月

発電電力量予測アルゴリズムの研究開発を開始

2014年6月

発電所運営を目的とし、H&Gソーラー合同会社(関連会社)設立

2015年7月

AI開発事業開始

2016年5月

AIフレームワークReNom(リノーム)を開発

2016年12月

東京都港区北青山に本社を移転

2017年1月

エネルギーソリューション事業を縮小

2017年3月

三井物産株式会社、伊藤忠商事株式会社、丸紅株式会社と資本業務提携

2019年12月

輸送計画最適化でのサービス提供開始

2020年11月

エネルギーソリューション事業からの撤退

2020年12月

電力事業者向け需給計画最適化のサービス提供開始

2021年4月

スマートシティ分野でのサービス提供開始

2021年4月

生産計画最適化のサービス提供開始

2022年2月

グリッドソーラーファーム合同会社清算結了

2022年4月

電力需給計画支援システム実装、運用・サポートサービス提供開始

2022年8月

AI配船計画システムの提供、運用・サポートサービス提供開始

2022年8月

船舶運航管理システムの提供、運用・サポートサービス提供開始

2023年1月

渋滞予測システムの提供、運用・サポートサービス提供開始

2023年1月

物流販売計画支援システム実装、運用・サポートサービス提供開始

2023年7月

東京証券取引所グロース市場に株式を上場

 

 

 

3 【事業の内容】

当社はAI開発事業のみの単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

当社は、「INFRASTRUCTURE+LIFE+INNOVATION」(インフラ ライフ イノベーション)を企業理念と定め、社会インフラにイノベーションを起こし、インフラ全体の最適化を目指し、社会に貢献することをミッションに活動しております。

現在の社会経済は、エネルギー価格の変動、サプライチェーンの寸断、カーボンニュートラル(注1)に向けたエネルギー消費の効率化、DX化に伴う業務の効率化等、様々なリスクや課題を抱えております。その中で迅速に最適解を選択し、施策や事業を管理運営していくことが、企業ひいては社会の持続的な成長に必要不可欠となっております。

電力、物流、サプライチェーンといった社会インフラも同様に、ビジネス上の様々な要素を考慮した上で計画的に管理運営されておりますが、その計画業務は熟練の人材による多大な労力と時間により成立しており、現在の複雑かつ不確実性の高い環境下で迅速に最適解を選択することは困難な状況となっております。

そこで当社は、属人性を排し、インフラのオペレーションに関わる様々な制約を変数として、複雑かつ不確実性の高い多数の要素も考慮した上で、AI技術を用いて短時間で最適な計画を提供するため、計画最適化事業を展開しております。具体的には、当社の社会インフラに関する業務知識の豊富なエンジニアが各顧客の計画対象業務を数式化することにより、複雑な業務を再現するシミュレータを開発し、デジタル空間上に機器、設備、人、車両等の動きを再現します。シミュレータ上では、仮想的に設備、車両等を動かし、業務のシミュレーションを行うことができるため、ビッグデータを使用せずにシミュレーション結果を生み出すことが可能となります。そしてその結果から得られるデジタルデータを基にKPI(注2)の最大化や計画の最適化を可能とするアルゴリズムを開発し、業務システムに組み込みます。

計画の最適化は、組合せ最適化の一種となります。組合せ最適化とは、一般に、複数の制約を満たす有限個の解から最良の解(最適解)を探し出すことを意味し、その解法として数理最適化(注3)やメタヒューリスティクス(注4)等の手法が用いられてきました。複雑な業務の計画は様々な要素を考慮して策定されるため、最適解を探し出すには膨大な数の組合せを考慮する必要があり、実務に耐えうる時間で最適解を導くことは高い技術を必要とします。

そこで当社では数理最適化やメタヒューリスティクスの手法に加えて、機械学習(注5)や強化学習(注6)等のAI技術を応用し、各種の計画に適した数理最適化の手法とAI技術を組み合わせたアルゴリズムをAIエンジンとして開発することで、最適解を探索する範囲を限定し、実務に耐えうる時間で最適解を導く手法を採用しました。また、AIエンジン開発を中心に、その前段となるコンサルティングフェーズから、AIエンジンを組み込んだシステム実装・運用フェーズまでを手掛けることで顧客生涯価値(CLTV)(注7)を最大化し、かつ運用・サポートサービスを担うことで、安定的な収益に繋げることをビジネスモデルとしております。

 

[開発プロセス]


 

AI技術による計画の最適化を事業展開するにあたり、当社が注力している分野は、電力・エネルギー、物流・サプライチェーン、都市交通・スマートシティ(注8)の3分野となります。

機械学習・強化学習をはじめとしたAIアルゴリズム開発手法に加え、数理最適化等の手法を用い、ビジネス課題の解決に必要な技術手法を用いることで、実効性の高い効率的な各種計画の策定を支援するAI開発事業を展開しております。

以下では(1)事業分野、(2)事業の特徴、(3)テクノロジー、についてそれぞれ説明いたします。

 

(1) 事業分野

自動運転、翻訳、スマートフォン、画像認識等コンシューマー向け分野ではAIの実用化が進んでおりますが、インダストリアル分野、特に社会インフラ領域ではAIの実用化は必ずしも進んでおりません。当社は「インフラと社会を、その先へ」をミッションとし、AI技術の実用化に主眼を置き、社会インフラ領域における計画最適化のエンジニアリング及びサービス事業を展開しております。

計画最適化は生産計画、輸送計画、材料開発、拠点配置計画、スケジューリング計画、適正価格設定等様々な用途で活用が期待されておりますが、組み合わせるシナリオの数の多さに起因して計算量が増大し、現実的な時間内での計算が困難になることや問題の定式化に伴う実装の難しさから導入されている分野は限定的でした。当社は、画像認識、需要予測といった領域で広く利用が進んでいるAI技術を計画最適化に応用し、問題の難易度や要求事項に対して柔軟にAIアルゴリズムを組み合わせることで、エネルギー消費量の削減、輸送効率や生産効率の向上といった顧客の課題を解決しております。また、当社は社会インフラ領域にフォーカスし、特に①電力・エネルギー分野、②物流・サプライチェーン分野、③都市交通・スマートシティ分野の3つの分野に注力しており、各分野における計画最適化は化石燃料の削減に直結するため、重要な社会問題であるカーボンニュートラルの実現にも貢献することができると考えております。

 

[注力する社会インフラ3分野]

 


 

① 電力・エネルギー分野

国内電力事業者向けに発電所の需給計画の最適化プログラムを開発納入しております。電力自由化に伴い、電力需要に即した需給計画の立案が今後ますます重要になると思われ、脱炭素社会実現の観点からも効率的な需給計画を立案し、発電所を稼働させることが求められます。当社は電力需要を予測し同予測に基づく発電が可能となるよう、各発電所の需給計画をAIアルゴリズムで最適化する技術サービスを提供しております。これにより各発電所の発電機を電力需要に即して起電、停電させることで過剰な発電を抑え、発電に要する燃料の使用量を低減させることが可能になります。

② 物流・サプライチェーン分野

原油、セメント、鉄鋼、製紙、化学品、消費財等様々な分野で生産者は原材料や商品を船舶やトラック等で運搬しており実際の輸送計画は人の経験と知識に基づいて立案されているケースが殆どであります。輸送計画は気象条件、積荷集配箇所、納期等多くの制約条件に基づいて作成されるにもかかわらず、計画最適化に適したソフトウエアが開発されていないため、これまで特定の人材の知識と経験に基づいて計画作成が行われておりました。そのため、輸送計画業務が属人化することや、立案した輸送計画が最適な計画かどうかを検証することが難しいという問題が顕在化しております。

当社は、輸送計画にAIアルゴリズムを取り入れることで輸送計画を最適化する技術サービスを提供しております。様々なビジネス上の制約を加味しながら計算時間を短縮したAIエンジンの開発を行い、最適な輸送計画によって輸送に要する燃料コストの削減を実現しております。

また、輸送計画最適化の応用分野としてサプライチェーン分野での計画最適化の技術サービスも提供しております。調達、在庫、生産、配送、販売に至るサプライチェーンの全工程をデジタル空間に再現し、全体最適や部分最適に関し顧客のKPIに応じて対応可能な技術を有しております。製造事業者向けプロジェクトが複数進行中で、裾野の広い各種製造業分野への計画最適化の活用を促進しております。

③ 都市交通・スマートシティ分野

当社はスマートシティ分野でのAIの活用を新たな成長分野と位置付けております。当社はAIを用いて人の動き、消費活動、ビルのエネルギー使用状況等をデジタル空間に再現し、都市空間における人の動き、消費活動、エネルギー制御等の最適化を可能とするシミュレータを開発しております。その他にも、自動運転車やロボット、住宅等、モノや人がインターネットで繋がり、集めたデータを活用して最適なサービスを提供するスマートシティプロジェクトにおいて、エネルギーマネジメントのAI開発部分を担当しております。

また、計画最適化の他にも機械学習を応用し高速道路の渋滞予測システムを提供しており、スマートシティ周辺の都市交通からスマートシティへの導線を最適化するといったプロジェクトへの応用も考えられる点で、スマートシティ分野とのシナジー効果をもたらしております。

 

(2) 事業の特徴

当社は、新しいテクノロジーにチャレンジするアーリーアダプター顧客(注9)に向けて顧客要望に応じたAIエンジニアリングプロジェクトを成功させ、これまでに確立したノウハウをReNom APPS(注10)として集約し、クラウドサービス化して展開しております。AI技術を用いた社会インフラ領域における計画最適化にフォーカスし、PoC(Proof of Concept:概念実証)ではなく本番導入を前提としたAIエンジンの開発から入り、実装に至る実績を積み上げてまいりましたが、当社は、①明確な経済的導入効果、②CO2削減効果、③大手企業中心の顧客構成、④CLTV最大化、⑤ソリューション提供手法の共通化、⑥クラウドサービス提供、⑦人材戦略といった特徴を有しております。以下では、特徴に関し、それぞれ説明いたします。

① 明確な経済的導入効果

典型的なAI適用領域である画像認識や需要予測は、経済的な導入効果が曖昧と言われておりますが、AIによる計画最適化は、化石燃料削減やオペレーションコスト削減といった直接的なコスト削減効果をもたらすことが可能となります。顧客は利害関係者にAIに対する投資対効果を明確に説明することができ、新しいテクノロジーの価値に見合った規模の投資が可能になります。このようにAI導入効果をROI(注11)として明確に数値化できることは、受注確度を高める効果があり、当社の収益性の基盤となっております。

② CO2削減効果

当社が注力分野としている電力・エネルギー分野、物流・サプライチェーン分野、都市交通・スマートシティ分野の社会インフラ3分野はいずれも計画最適化により化石燃料の消費を削減することができ、結果としてCO2削減効果を期待することができます。顧客は利害関係者にカーボンニュートラルの実現に向けた取り組みとしてAIに対する投資効果を説明することができ、脱炭素経営の一環としての投資が可能になります。

③ 大手企業中心の顧客構成

電力・石油元売り・プラント・物流・都市交通等、当社がターゲットとする各種社会インフラ分野では、日本経済を支え続けている大手企業が活躍しております。当社の顧客は大半が大手企業となっております。当社は、社会インフラ領域におけるAI技術を用いた計画最適化に特化しているほか、明確な経済的導入効果の提示が可能であること、またCO2削減効果も期待できるといった特徴から大手企業に受け入れられているものと思われます。このような大手企業に最新のAIテクノロジーを提供することで、社会にイノベーションをもたらしていると考えております。

④ CLTV (Customer Life-Time Value)最大化:顧客との長期ライフサイクルビジネス

当社はAI技術の概念実証ではなく実用化をゴールにしていることから、AIエンジンの開発にとどまらずAIエンジンを搭載した業務システムの実装、その後のAIエンジンの性能維持や障害監視・対応を行う運用・サポートまでを総合的に提供することを前提としております。このため、単発のAIエンジン開発のみでは終わらず、顧客との中長期的な関係を構築しております。

⑤ ソリューション提供手法の共通化

当社事業の進め方は、異なる事業分野の計画問題を、共通のプラットフォームや開発メソッドに落とし込み、同一のアーキテクチャーで開発を行うことを特徴としております。既に、輸送計画最適化、電力需給計画最適化、生産計画最適化、スマートシティ分野での都市オペレーション最適化については、共通の設計思想に基づいてAIエンジンの開発を行っております。これにより、システム全体のアーキテクチャーが統一され、水平展開を行う際には、過去のモジュール等を再利用してソリューションを提供することが可能となります。その結果、計画最適化システムを効率的に開発することができると考えております。

⑥ クラウドサービス提供

ReNom APPSはAI技術を活用した計画最適化のためのインダストリークラウド(注12)となります。従来、個別プロジェクト用に開発したシミュレータや最適化モデルで利用したアルゴリズムをモジュール化(注13)・体系化の上、顧客ごとに組み合わせてプラットフォームとして提供するとともに、業種ごとの業務ベストプラクティスを前提としたシステム画面を用意しております。サービス提供の事業分野を、社会インフラ3分野に絞り込むことで、各分野内でのノウハウの再利用性を高めることが可能であり、高度な技術を多数の顧客にクラウドサービスとして提供することが可能となります。現在では、日々変動する需要に基づき最適な需給計画を自動立案するReNom POWER、配船の日々の運航計画を自動立案するReNom VESSEL、サプライチェーンにおける生産や物流計画の最適化を行うReNom SCM、企業価値最大化のシナリオをシミュレーションするReNom ValuationをReNom APPSとして展開しております。

⑦ 人材戦略

当社は、データサイエンティストやITエンジニアだけではなく、重電や社会インフラ業界出身で現場オペレーションに造詣が深い技術者を積極的に採用し、入社後にデータサイエンス教育(注14)を施すことにより社会インフラの業務知識を兼ね備えたAI技術者を多数育成しております。現場の業務をよく理解している技術者が、自らの業務知識とAI技術を掛け合わせ、実用的かつ効果的な計画最適化アルゴリズムの提供を実現しております。

人材育成の手法として、当社独自の育成プログラムを用意して様々な事業分野での経験と知識を持つ技術者をAIアルゴリズム開発の最前線で活躍できる人材に育成しております。

また、社外取締役を含めAIや産業分野を専門とする大学の研究者と連携することで、最新の研究技術を取り込む体制を構築しております。

 

(3) テクノロジー

当社は、社会インフラ分野でのAIの実用化を強く意識した独自のAI技術体系を確立しております。

① ReNom APPS

組合せの数の多さに起因して計算量が増大し、現実的な時間内で計算が困難になることや、問題の定式化に伴う実装の難しさといった技術課題に対応するため、シミュレータ開発技術と機械学習・深層学習・深層強化学習を組み合わせた当社独自のデジタルツインテクノロジー(注15)を搭載したReNom APPSを開発しました。シミュレータに実際の制約条件を組み込んでシミュレーションすることで現実に発生しうる状況のみを再現することができ、現実に発生し得ない状況を前提とした組合せを計算するといった無駄を排除しております。また、シミュレーションに基づき機械学習・深層学習・深層強化学習を用いて最適な計画を探索し、その結果策定された計画を評価し、学習することで、より最適な計画を策定することが可能となります。これまでの当社開発実績から共通化できる部分を取り纏め開発用にモジュール化したものの総称がReNom APPSとなります。

ReNom APPSにより、各産業分野における計画最適化のAIエンジン開発の効率化を図るとともに、それを顧客に提供する業務システムやクラウドベースのインフラ基盤を併せてプラットフォーム化し、顧客のシステムの導入までのリードタイムを大幅に短縮しております。

② ReNom SIMBASE:シミュレータ開発フレームワーク

シミュレータを開発する際に共通する処理や、拠点、ネットワーク、輸送手段、消費、生産、備蓄といった社会インフラ分野の計画業務全般で用いられる汎用的な機能をフレームワークとして開発し、実際のAIエンジニアリングプロジェクトで活用しております。これにより、複雑な業務を再現するシミュレータを短期間で開発することが可能となっております。

シミュレータを利用することで、デジタル空間上に機器、設備、物、人の流れを再現し、仮想的に設備や車両を動かし、その結果から得られるデジタルデータを基に、KPIの最大化や計画の最適化を行うことが可能になります。例えば、生産設備のシミュレータを利用することで、ボトルネックの発見と改善、在庫の削減、設備・人の稼働率向上、燃料費や材料費の削減を実現します。

③ Algorithm MIX = 最新技術と旧来技術の融合

組合せ最適化とは様々な制約の下で、無数にある選択肢の中から、ある指標(価値)を最も良くする変数の値(組合せ)を求める手法となります。例えばA地点からB地点へ向かうトラックの最短かつ最少燃料になる経路を求めるような問題があげられます。これは、無数の組合せの中から解を導く必要がありますが、当社は、最新のAI関連技術である機械学習や強化学習、旧来手法である数理最適化の手法を顧客課題ごとに柔軟に組み合わせることで、実ビジネスの課題を解決する手法を確立しました。例えば、無数の組合せの中から、過去に発生した組合せを機械学習で学習させることで、検討する組合せの範囲を絞り込み、その上で絞り込まれた範囲で、数理最適化の手法を用いることで計算時間を短縮し、実ビジネスで運用可能な計算時間による最適化システムを提供しております。

④ 量子アルゴリズムの研究開発

量子コンピュータ(注16)は次世代のコンピュータとして期待されておりますが、当社は量子アルゴリズム(注17)について2017年より研究開発を行っており、2018年より様々な論文発表、2021年より関連技術の特許出願を行っております。現在当社が行っている計画最適化分野においても量子コンピュータは広く活用が期待されている分野であり、計算の高速化や、コンピュータ上に再現できる状態の規模や精度においても現在のコンピュータを上回る可能性が示唆されております。当社は、最新のAI関連技術に加えて量子インスパイアコンピューティング(注18)等も適宜活用し、既存のコンピュータと組み合わせることで、実ビジネスの課題解決を加速していきます。今後さらに本格的な量子コンピュータが実用化された際には、研究開発で得た知見を活かし、量子テクノロジーを駆使したサービスを提供することが可能であると考えております。

 

(注) 1.カーボンニュートラルとは、温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させることを指します。

2.KPIとは、Key Performance Indicatorの略で、組織の目標達成の度合いを定義する補助となる計量基準群を指します。

3.数理最適化とは、利用可能な値の集合体から、ある条件に対して最も良い値を選択する手法で、複数の変数及び制約条件が与えられた関数(目的関数)を最大又は最小にする変数の値、並びに最大値、最小値を求める数学的方法を指します。

4.メタヒューリスティクスとは、現実空間において膨大な組合せが発生する最適化問題を解くための経験的手法(ヒューリスティクス)を有機的に結合させたアルゴリズムを指します。ある組合せをスタートに、少しずつ変化させていき、その組合せが良ければ採用、良くなければ別の変化を試す、といったことを繰り返して探索することを基本的な考え方とする手法となります。

5.機械学習とは、経験からの学習により自動で改善するコンピュータアルゴリズム又はその研究領域で、人工知能の一種であるとみなされている手法であり、訓練データ又は学習データと呼ばれるデータを使って学習し、その学習結果を用いて何らかのタスクをこなす手法を指します。

6.強化学習とは、人工知能の一種であり、訓練データ又は学習データを使わずに、選択した行動に対する報酬を最大化するようにシステム自身が試行錯誤しながら、行動を最適化する手法を指します。

7.CLTVとは、Customer Life-Time Value(顧客生涯価値)の略で、マーケティングでは、企業にとってある一人の顧客が将来の関係全体に寄与する価値の予測を指します。

8.スマートシティとは、「ICT 等の新技術を活用しつつ、マネジメント(計画、整備、管理・運営等)の高度化により、都市や地域の抱える諸課題の解決を行い、また新たな価値を創出し続ける、持続可能な都市や地域であり、Society 5.0の先行的な実現の場」(「スマートシティ・ガイドブック」内閣府、2021年1月)を指します。

9.アーリーアダプター顧客とは、米・スタンフォード大学の社会学者、エベレット・M・ロジャース教授(Everett M. Rogers)が提唱したイノベーション普及に関する理論で、流行に敏感で、情報収集を自ら行い、判断する人であり、他の消費層への影響力が大きく、オピニオンリーダーとも呼ばれる顧客のことを指します。

10.ReNom APPSとは、シミュレータや最適化モデルを部品化・体系化し、計画最適化サービスをプラットフォームとして提供するためのインダストリークラウドを指します。

11.ROIとは、return on investmentの略で、投じた費用に対してどれだけの利益を上げられるかを示す指標を指します。

12.インダストリークラウドとは、特定の業界、業種に合わせたサービスを提供するクラウドソリューションを指します。

13.モジュール化とは、計画最適化システムのプログラムソースコードを、当該システムを構成する機能単位で分解することを指します。これにより顧客の要望に応じた機能ごとにモジュールを組み合わせて提供することが可能となります。

14.データサイエンス教育とは、データを扱う手法である情報科学、統計学、アルゴリズム等を横断的に扱うための教育で、統計学、パターン認識、機械学習、データマイニング、可視化等、データサイエンティストを育成するための教育を指します。

15.デジタルツインテクノロジーとは、物理空間(現実空間)にある情報を基にデジタル空間上に当該物理空間を再現する技術をいい、当社では顧客のビジネス環境や業務環境全体をデジタル空間上に再現する技術を指します。

16.量子コンピュータとは、重ね合わせや量子もつれと言った量子力学的な現象を用いて従来のコンピュータでは現実的な時間や規模で解けなかった問題を解くことが期待されるコンピュータを指します。

 

17.量子アルゴリズムとは、量子コンピュータ上で動作するアルゴリズムを指します。

18.量子インスパイアコンピューティングとは、量子コンピュータで表現される量子の特性を従来のコンピュータ上で擬似的に表現する技術を指します。

 

[事業系統図]

 


 

 

4 【関係会社の状況】

 

名称

住所

資本金又は
出資金
(千円)

主要な事業
の内容

議決権の所有
割合(%)

関係内容

(関連会社)

H&Gソーラー合同会社

東京都港区

90,000

太陽光発電システムを利用した発電業務

39.0

資金の援助

太陽光パネルの保守

 

(注) 有価証券届出書又は有価証券報告書を提出している会社はありません。

 

5 【従業員の状況】
(1) 提出会社の状況

 

 

 

 2023年6月30日現在

従業員数(名)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

85

(10)

38.1

2.6

7,992

 

(注) 1.従業員数欄の(外書)は、臨時従業員(アルバイト、人材会社からの派遣社員)の年間平均雇用人員数(各月末時点の臨時従業員数の年間合計を12で除したもの)であります。

2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

3.当社はAI開発事業のみの単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

4.前事業年度末に比べ従業員数が15名増加しております。主な理由は、業容の拡大に伴い期中採用が増加したことによるものであります。

 

(2) 労働組合の状況

労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。

 

(3) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

当社は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(平成27年法律第64号)」及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(平成3年法律第76号)」の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しております。

 

 

3 【事業等のリスク】

当社は、事業展開上のリスクになる可能性があると考えられる主な要因として、以下の記載事項を認識しております。また、リスク要因に該当しない事項についても、投資者の投資判断上重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から開示しております。当社は、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社株式に関する投資判断は、以下の記載事項及び本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。

なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであり、将来において発生の可能性のあるすべてのリスクを網羅したものではありません。

 

(1) 事業環境に関するリスク
① 景気動向及び業界動向の変化について(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中)

企業を取り巻く環境や労働人口減少に伴う企業経営の効率化等の動きにより当社が事業を展開するAI技術を用いた計画最適化市場は今後も拡大すると予想されるものの、景気による影響や各種新技術の発展による影響を受ける可能性があります。当社が事業を展開する市場においては、経済情勢や世界的に研究開発が進んでいるAI関連技術の技術革新等により事業環境が急速に変化する可能性があり、そのような経済情勢及び技術革新等への対応が遅れた場合には当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。当社はこうした技術革新等による事業環境の変化に対応できるよう研究開発活動を推進することに加え、社外取締役を含むAIや産業分野を専門とする大学の研究者と連携し、最新の研究技術を取り込む体制を構築することで事業環境の変化に対応できるよう対策を講じております。

② 競合について(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中)

当社の事業に関する競合企業はあるものの、製品・サービスの特性、その導入実績、最適化技術等、様々な点から他社と比較して優位性を確保できていると認識しております。特に、当社は社会インフラ分野に特化して計画最適化システムの開発を行っており、当該開発を通じて蓄積されたノウハウ面で先行優位性があるほか、既に複数の大手企業にシステムを実装・提供し、運用・サポートサービスを開始しているため、競合企業にとっても参入障壁が高いものと認識しております。他方で、将来の成長が期待される市場であり、国内外の事業者がこの分野に参入してくる可能性があります。このため先行して事業を推進していくことで、さらに実績を積み上げて市場内での地位を早期に確立してまいります。しかしながら、今後において十分な差別化等が図られなかった場合や、新規参入により競争が激化した場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 業績変動に関するリスクについて
① 四半期ごとの業績変動等について(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中)

当社のAI開発事業における売上高は、顧客との契約形態に従った適切な収益認識基準に基づいて計上されております。各プロジェクトにおいては、見積り時に想定しなかった事実の発覚、不測の事態の発生等により、プロジェクトの開始時期や納期に変動があった場合、四半期ごとの業績に影響が生じ、結果として通期業績に影響が生じる可能性があります。このような事態を回避するため、顧客との業務範囲・要件の明確化を図るほか、プロジェクトの積み重ねによる工数見積り精度の向上を図ってまいります。

② プロジェクト収支の悪化による業績変動の可能性について(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:大)

当社は、プロジェクトごとに収支管理を行っておりますが、プロジェクトの状況によっては当社の業績に影響が生じる可能性があります。また、各プロジェクトについては、想定工数を基に見積りの作成をしており、乖離の生じないように工数管理を行っておりますが、見積り時に想定しなかった事実の発覚、不測の事態の発生等により工数が増加した場合、プロジェクト収支の悪化を招き、当社の業績に影響が生じる可能性があります。このような事態を回避するため、顧客との業務範囲・要件の明確化を図るほか、プロジェクトの積み重ねによる工数見積り精度の向上を図ってまいります。

③ AI開発事業の業容拡大期における業績変動について(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:大)

当社は、2016年6月期よりAI開発事業を始め、着実に実績を積み上げてまいりましたが、運用・サポートの開始は2022年6月期であり、開発の実績及び経験について今後も積上げが必要な段階にあると考えております。そのため、新規受注の進捗の遅れや開発期間の延長により売上が下振れる場合があり、当社の業績に影響が生じる可能性があります。また、AI開発及びプラットフォーム開発における新規受注の進捗の遅れは、運用・サポートというストック型売上の伸び悩みにも繋がり、同様に業績に影響が生じる可能性があります。このような事態を回避するため、受注進捗に合わせた営業活動の適切なマネジメントや開発の標準化及びモジュール化を推進してまいります。

④ 繰延税金資産の回収可能性の評価における影響について(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中)

当社は繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることに加え、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提となる条件や仮説に変更が生じた場合、繰延税金資産及び法人税等調整額に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 技術革新の影響によるリスク(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:大)

当社の事業に関連するAI技術は、世界的に研究開発が進んでおり、技術革新のスピードが極めて速い分野であります。当社はこうした技術革新に対応できる研究開発活動を推進することに加え、社外取締役を含むAIや産業分野を専門とする大学の研究者と連携し、最新の研究技術を取り込む体制を構築することで、AIを活用した事業により事業基盤の拡大を図ってまいります。しかしながら、技術革新への対応が遅れる可能性もあり、その場合には当社の競争力が低下し、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) コンプライアンス・法的規制に関するリスクについて
① 法的規制等について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)

当社は、当社の事業を制限する直接的かつ特有の法的規制は本書提出日時点において存在しないと考えております。しかしながら、今後、当社の事業を直接的に制限する法的規制がなされた場合には、当社の事業展開は制約を受ける可能性があります。当社としては引き続き法令を遵守した事業運営を行っていくべく、今後も法令遵守体制の強化や社内教育等を行っていく方針でありますが、今後当社の事業が新たな法的規制の対象となった場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

② 知的財産権について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)

当社は、事業運営の際に第三者の知的財産権侵害等が起こらないような管理体制を構築しておりますが、第三者の知的財産権に抵触しているか否かを完全に調査することは極めて困難であります。このため、知的財産権侵害とされた場合には、損害賠償又は当該知的財産権の使用に対する対価の支払い等が発生する可能性があり、その際には当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。このような可能性を最小化するため、特許の侵害調査については、新規の製品・サービスの提供開始に先立つ個別調査と、継続的な年次調査を行うこととしております。

③ 情報管理について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:大)

当社では、その業務の性格上、顧客側で保有している秘密情報(経営戦略上重要な情報等)に触れる場合があります。情報の取扱いについては、情報セキュリティ管理規程等を整備し、適切な運用を義務づけております。このような対策にもかかわらず当社の人的オペレーションのミス、サイバー攻撃、不正アクセス、コンピュータウイルスの侵入等による情報流出、重要データの破壊、改竄等により何らかの問題が生じた場合には、当社が損害賠償責任等を負う可能性や顧客からの信用を失うことにより取引関係が悪化する可能性があり、その場合は当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

④ 訴訟等について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)

当社では、本書提出日現在において業績に影響を及ぼす訴訟等は生じておりません。しかしながら、今後何らかの事情によって当社に関連する訴訟等が発生する可能性は否定できず、かかる事態となった場合、その経過又は結果によっては、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。訴訟等への発展を未然に防止するため、コンプライアンス・リスク委員会においてリスク管理に必要な情報の共有化を図り、コンプライアンスに関する取り組みを推進するほか、コンプライアンス違反の事例が生じた場合に迅速な対応、事実関係の調査、再発防止策の立案等を行うこととしております。

 

(5) 事業運営体制に関するリスクについて
① 小規模組織であることについて(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中)

当社は2023年6月30日現在、従業員85名と小規模な組織であり、業務執行体制もこれに応じたものとなっております。当社は今後の事業拡大に応じて従業員の育成、人員の採用を行うとともに業務執行体制の充実を図っていく方針でありますが、これらの施策が適時適切に進行しなかった場合には当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

② 人材の確保と育成について(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中)

当社は今後更なる成長を成し遂げていくため、優秀な人材の確保と育成を重要課題の1つであると位置付けております。当社は優秀な人材の採用を進めるべく採用手段の拡充等の採用施策を講じておりますが、これらの要員を十分に採用できない場合や、採用後の育成が十分に進まなかった場合、あるいは在職中の従業員が退職する等した場合には、受注するプロジェクトの開発に制約が発生することや、受注したプロジェクトの品質・利益率の低下を招き、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

③ 特定人物への依存と筆頭株主との関係性等について(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中)

当社の代表取締役社長である曽我部完は、当社の創業者であり、設立以来当社の経営方針や事業戦略の立案やその遂行において重要な役割を担っております。当社は特定の人物に依存しない体制を構築するべく、他の役員や従業員への情報共有や権限の委譲によって同氏に過度に依存しない組織体制の整備を進めておりますが、何らかの理由により同氏の当社における業務遂行が困難になった場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、同氏の資産管理会社である株式会社Weは当社の筆頭株主であるほか、同氏が過去に代表取締役(2021年9月退任)であった株式会社清長の全株式を保有しております。同社は物流アウトソーシング事業及び物流コンサルティング事業を営んでおりますが、当社の事業との関連性はありません。そのため、これらの会社と当社との間で関連当事者取引の発生は想定しておりませんが、取引が発生する場合には、関連当事者取引管理規程に従って管理することにより、統制を図ってまいります。当社は関連当事者取引管理規程において、原則として関連当事者取引を行わないことを方針として明記しつつ、例外的に関連当事者取引を開始する場合には取締役会(本書提出日現在において独立社外取締役2名を含む。)の承認を得た上で実施し、実施について取締役会に報告することとしております。

④ 内部管理体制について(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中)

当社は、今後の事業運営及び業容拡大に対応するため、内部管理体制について一層の充実を図る必要があると認識しており、今後、事業規模の拡大に合わせて、システムの導入及び人員の拡充により内部管理体制も充実・強化させていく方針であります。しかしながら、事業規模に応じた内部管理体制の整備に遅れが生じた場合は、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) その他のリスクについて
① システムトラブルについて(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)

当社の事業には、PCやコンピュータシステム並びにこれらを結ぶ通信ネットワークを利用するサービスが存在しております。そのため、これらにトラブルが発生した場合には、業務遂行に障害が生じます。当社では、システムトラブルを回避するために、サーバ負荷の分散、サーバリソース監視、定期バックアップの実施等の手段を講じることでトラブルの防止及び回避に努めております。しかしながら、自然災害や事故等により予期せぬトラブルが発生した場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社が利用しているクラウドサーバの稼働にトラブルが生じた場合、当社が提供するサービスの安定稼働に支障が生じ、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

② 海外展開について(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中)

当社はこれまで国内を中心に事業展開をしてまいりましたが、社会インフラの業務オペレーションの多くは世界共通であり、インダストリークラウドを強みとして今後は海外における事業展開も検討してまいります。海外展開におきましては、為替変動、進出国の経済動向、政情不安、法規制の変更等多岐にわたるリスクが存在し、リスクが顕在化した場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社はこれらのリスクを最小限にすべく、現地専門家の起用等を含め、十分な対策を講じた上で事業展開を進めていく方針であります。

 

③ 配当政策について(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中)

当社は、株主に対する利益還元を重要な経営課題と認識しており、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況を勘案し、利益還元政策を決定していく方針であります。しかしながら、当社は、成長過程にあり、現時点では事業の効率化と事業拡大のための投資等に充当し、なお一層の事業拡大を目指すことが株主に対する最大の利益還元に繋がると考えております。将来的には、内部留保の充実状況及び企業を取り巻く事業環境を勘案し、利益還元を行うことを検討してまいりますが、現時点において配当実施の可能性及びその実施時期等については未定であります。

④ 新株予約権の行使による株式価値の希薄化について(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中)

当社は、企業価値向上に対する役員及び従業員等の意欲向上を目的として時価発行新株予約権信託を導入しており、会社法の規定に基づく新株予約権を当社の役員及び従業員等に付与することが可能となっております。本書提出日現在、新株予約権による潜在株式数は597,000株であり、当社発行済株式総数の4,684,200株に対する潜在株式比率は12.7%に相当しております。これらの新株予約権の行使が行われた場合には、当社の株式価値が希薄化する可能性があります。

⑤ M&Aによる影響について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:大)

当社は、事業拡大を加速する有効な手段の1つとして当社に関連する事業のM&A戦略を検討していく方針であります。M&A実施に関しては、対象企業の財務・法務・事業等について事前にデューデリジェンスを行い、十分にリスクを吟味した上で決定いたしますが、買収後に偶発債務の発生や未認識債務の判明等、事前の調査で把握できなかった問題が生じた場合、また事業の展開等が計画どおりに進まない場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

⑥ 資金使途について(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中)

当社株式上場時の公募増資による調達資金の使途については、主に持続的な成長の実現に向けたプロダクト開発等の研究開発費、事業拡大に向けた優秀な人材の採用費及び人件費、販路拡大に向けた広告宣伝費等に充当する予定であります。しかしながら、急速に変化する経営環境へ柔軟に対応していくため、投資による期待どおりの効果があげられなくなる可能性や、場合によっては資金使途の変更が生ずる可能性があります。この場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

⑦ 関連会社が保有するメガソーラーに関する災害リスクについて(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影度:小)

関連会社(H&Gソーラー合同会社)が福岡県にメガソーラー施設を1か所保有しております。同施設が災害等の不測の事態により被害を受け又は周辺住民に被害を与えた場合、関連会社の業績に影響が生じ、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。このような不測の事態に備え、火災保険・賠償責任保険に加入しております。

⑧ 大規模な自然災害等について(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中)

当社は、有事に備えた危機管理体制の整備に努め対策を講じておりますが、台風、地震、津波等の自然災害が想定を大きく上回る規模で発生した場合、当社又は当社の取引先の事業活動に影響を及ぼし、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

2 【主要な設備の状況】

 

 

 

 

 

 

 

 2023年6月30日現在

事業所名
(所在地)

セグメントの名称

設備の内容

帳簿価額(千円)

従業員数
(名)

建物
附属設備

機械及び
装置

工具、器具及び備品

ソフトウエア

ソフトウエア仮勘定

合計

本社

(東京都港区)

AI開発事業

本社機能

3,611

324

5,743

130,640

140,320

85

(10)

 

(注) 1.現在休止中の主要な設備はありません。

2.従業員数欄の(外書)は、臨時従業員(アルバイト、人材会社からの派遣社員)の年間平均雇用人員数(各月末時点の臨時従業員数の年間合計を12で除したもの)であります。

3.上記の他、他の者から賃借している設備の内容は下記のとおりであります。

事業所名
(所在地)

セグメントの名称

設備の内容

年間賃借料
(千円)

本社

( 東京都港区 )

AI開発事業

本社ビル

38,188

 

 

① 【株式の総数】

種類

発行可能株式総数(株)

普通株式

14,544,000

14,544,000

 

 

① 【ストックオプション制度の内容】
第1回新株予約権

当社の代表取締役社長である曽我部完は、当社及び当社の子会社・関連会社(以下「当社等」という。)の取締役、監査役、従業員及び顧問(以下「役職員等」という。)に対する中長期的な企業価値向上へのインセンティブの付与を目的として、2019年4月25日開催の臨時株主総会決議に基づき、2019年4月25日付で寺島敬臣を受託者として時価発行新株予約権信託を設定しており、当社は、受託者寺島敬臣に対して、会社法に基づき2019年4月26日に第1回新株予約権を発行しております。

本信託(第1回新株予約権)は、当社等の役職員等に対して、将来の功績に応じて、受託者寺島敬臣に付与した第1回新株予約権199,000個を分配するというものであり、既存の新株予約権を用いたインセンティブ・プランと異なり、当社等の役職員等に対して、将来の功績評価を基に、将来時点でインセンティブの分配の多寡を決定することを可能とし、より一層個人の努力に報いることができるようにするとともに、将来採用された当社等の役職員等に対しても、関与時期によって過度に差が生じることなく同様の基準に従って新株予約権の分配を可能とするものであります。第1回新株予約権の分配を受けた者は、当該第1回新株予約権の発行要項及び取扱いに関する契約の内容に従って、当該新株予約権を行使することができます。

本信託(第1回新株予約権)は5つの契約(A01からA05まで)により構成され、概要は次のとおりであります。

 

名称

時価発行新株予約権信託

委託者

曽我部 完

受託者

寺島 敬臣

受益者

受益者適格要件を満たす者

信託契約日(信託期間開始日)

2019年4月25日

信託の種類と新株予約権数

(A01、A02)各52,000個

(A03)68,000個

(A04)19,000個

(A05)8,000個

信託期間満了日

(A01)(A02)(A03)(A04)(A05)本新株予約権の引き渡しと同時に受益者の受益権は消滅するものとし、本信託は目的を達成したものとして直ちに終了する。

なお、新株予約権の交付対象者は以下の日に指定される。但し、営業日でないときは翌営業日とする。

(A01)当社株式が東京証券取引所グロース市場(若しくはこれに代わる金融商品取引所)に上場した日から6か月が経過した日の正午

(A02)当社株式が東京証券取引所グロース市場(若しくはこれに代わる金融商品取引所)に上場した日から2年6か月が経過した日、又は当社株式が東京証券取引所の本則市場(若しくはこれに代わる金融商品取引所の市場)への指定替えが行われた日のいずれか早い日

(A03)当社株式が東京証券取引所グロース市場(若しくはこれに代わる金融商品取引所)に上場した日から4年6か月が経過した日、又は当社株式が東京証券取引所の本則市場(若しくはこれに代わる金融商品取引所の市場)への指定替えが行われた日から2年が経過した日のいずれか早い日

(A04)当社株式が東京証券取引所グロース市場(若しくはこれに代わる金融商品取引所の市場)に上場した日から6か月が経過する日

(A05)当社株式が東京証券取引所グロース市場(若しくはこれに代わる金融商品取引所の市場)に上場した日から6か月が経過する日

信託の目的

本信託(第1回新株予約権)は、当社役職員等のうち、当社に対して将来的に貢献が期待される者に対して、第1回新株予約権を交付することを目的とする。

(A01):第1回新株予約権52,000個

(A02):第1回新株予約権52,000個

(A03):第1回新株予約権68,000個

(A04):第1回新株予約権19,000個

(A05):第1回新株予約権 8,000個

受益者適格要件

本信託契約の定めに従い、信託期間満了日時点の当社等の役職員等を受益者として指定された者を受益者とし、本新株予約権の分配数量を確定する。

なお、A01~A03にかかる分配のための具体的な基準は、当社が別途定める新株予約権交付ガイドラインに規定されている。新株予約権交付ガイドラインとは、信託期間満了日に本新株予約権を交付する当社等の役職員等の範囲と数量を決定するために当社が定めた準則であり、当社は新株予約権交付ガイドラインに従って当社の役職員等の業績を評価し、社外役員が過半数以上を占める評価委員会の決定により、本新株予約権の分配を行うものとする。

 

 

 

第1回 新株予約権の概要は次のとおりであります。

決議年月日

2019年4月25日

付与対象者の区分及び人数(名)

外部協力者 1(注)2

新株予約権の数(個)※

199,000(注)3

新株予約権の目的となる

株式の種類、内容及び数(株)※

普通株式 597,000 (注)3、9

新株予約権の行使時の払込金額(円)※

128 (注)4、9

新株予約権の行使期間※

自 2019年4月26日
至 2029年4月25日

新株予約権の行使により株式を発行する場合の株式の発行価格及び資本組入額(円)※

発行価格   131

資本組入額   66 (注)4、5、9

新株予約権の行使の条件※

(注)6

新株予約権の譲渡に関する事項※

新株予約権を譲渡するときは、当社取締役会の決議による承認を要するものとする。

組織再編成行為に伴う

新株予約権の交付に関する事項※

(注)8

 

※当事業年度の末日(2023年6月30日)における内容を記載しております。提出日の前月末現在(2023年8月31日)において、記載すべき内容が当事業年度の末日における内容から変更がないため、提出日の前月末現在に係る記載を省略しております。

 

(注) 1.本新株予約権は、新株予約権1個につき8.12円で有償発行しております。

2.本新株予約権は、寺島敬臣を受託者とする信託に割当てられ、当社による受益者の指定時に、当該受益者に交付されます。

3.新株予約権1個につき目的となる株式数は3株であります。ただし、当社が株式分割、株式併合を行う場合は、次の算式により付与株式数を調整、調整の結果生じる1株未満の端数は、これを切り捨てるものとする。

 

  調整後付与株式数 = 調整前付与株式数 × 分割・併合の比率

 

4.新株予約権発行後、当社が株式分割、株式併合を行う場合は、次の算式により払込金額を調整し、調整により生ずる1円未満の端数は切り上げる。

 

 

調整後行使価額

調整前行使価額

×

分割・併合の比率

 

 

    また、時価を下回る価額で新株式の発行又は自己株式の処分を行う場合は、次の算式により払込金額を調整し、調整により生ずる1円未満の端数は切り上げる。

 

 


調整後行使価額



調整前行使価額


×

既発行株式数

新株発行(処分)株式数×1株当たり払込金額

新規発行前の1株当たり時価

既発行株式数+新株発行(処分)株式数

 

 

5.新株予約権の行使により株式を発行する場合において増加する資本金の額は、会社計算規則第17条第1項に従い算出される資本金等増加限度額の2分の1の金額とし、計算の結果1円未満の端数が生じる場合は、その端数を切り上げるものとする。増加する資本準備金の額は、資本金等増加限度額より増加する資本金の額を減じた額とする。

 

6.新株予約権の主な行使の条件

① 本新株予約権の割当を受けた者(以下、「受託者」という。)は、本新株予約権を行使することができず、かつ、第1回新株予約権発行要領に別段の定めがある場合を除き、受託者より本新株予約権の付与を受けた者(以下、「本新株予約権者」という。)のみが本新株予約権を行使できることとする。

② 本新株予約権者は、本新株予約権の割当日から行使期間の満了日までにおいて次に掲げる各事由が生じた場合には、残存するすべての本新株予約権を行使することができないものとする。

 

 (a) 382,003円(ただし、上記4.において定められた行使価額同様に適切に調整されるものとする)を下回る価格を対価とする当社普通株式の発行等が行われたとき(ただし、払込金額が会社法第199条第3項・同第200条第2項に定める「特に有利な金額である場合」及び普通株式の株価とは異なると認められる価格である場合並びに当該株式の発行等が株主割当てによる場合等を除く。)。

 (b) 382,003円(ただし、上記4.において定められた行使価額同様に適切に調整されるものとする)を下回る価格を行使価額とする新株予約権の発行が行われたとき(ただし、当該行使価額が当該新株予約権の発行時点における当社普通株式の株価と異なる価格に設定されて発行された場合を除く。)。

 (c) 本新株予約権の目的である当社普通株式が日本国内のいずれの金融商品取引所にも上場されていない場合、382,003円(ただし、上記4.において定められた行使価額同様に適切に調整されるものとする)を下回る価格を対価とする売買その他の取引が行われたとき(ただし、資本政策目的等により当該取引時点における株価よりも著しく低いと認められる価格で取引が行われた場合を除く。)。

 (d) 本新株予約権の目的である当社普通株式が日本国内のいずれかの金融商品取引所に上場された場合、上場日以降、当該金融商品取引所における当社普通株式の普通取引の終値が382,003円(ただし、上記4.において定められた行使価額同様に適切に調整されるものとする)を下回る価格となったとき。

③ 本新株予約権者は、本新株予約権を行使する時点で、当社等の役職員等であることを要する。ただし、任期満了による退任、定年退職、その他正当な理由があると当社取締役会が認めた場合は、この限りではない。

④ 本新株予約権者の相続人による本新株予約権の行使は認めない。

⑤ 本新株予約権の行使によって、当社の発行済株式総数が当該時点における発行可能株式総数を超過することとなるときは、当該本新株予約権の行使を行うことはできない。

⑥ 本新株予約権1個未満の行使を行うことはできない。

 

7.新株予約権の取得に関する事項

① 当社が消滅会社となる合併契約、当社が分割会社となる会社分割についての分割契約若しくは分割計画、又は当社が完全子会社となる株式交換契約若しくは株式移転計画について株主総会の承認(株主総会の承認を要しない場合には取締役会決議)がなされた場合は、当社は、当社取締役会が別途定める日の到来をもって、本新株予約権の全部を無償で取得することができる。

② 本新株予約権者が権利行使をする前に、上記6.に定める規定により本新株予約権の行使ができなくなった場合は、当社は新株予約権を無償で取得することができる。

③ 当社は相続の対象とならなかった本新株予約権を無償で取得することができるものとし、会社法第274条第3項に基づく本新株予約権者に対する通知は、本新株予約権者の法定相続人のうち当社が適切と判断する者に対して行えば足りるものとする。但し、法令の解釈によりかかる通知が不要とされる場合には、通知を省略して本新株予約権を無償で取得することができるものとする。

 

8.組織再編行為の際の新株予約権の取扱い

  当社が、合併(当社が合併により消滅する場合に限る。)、吸収分割、新設分割、株式交換又は株式移転(以上を総称して以下、「組織再編行為」という。)を行う場合において、組織再編行為の効力発生日に新株予約権者に対し、それぞれの場合につき、会社法第236条第1項第8号イからホまでに掲げる株式会社(以下、「再編対象会社」という。)の新株予約権を次の条件に基づきそれぞれ交付することとする。ただし、次の条件に沿って再編対象会社の新株予約権を交付する旨を、吸収合併契約、新設合併契約、吸収分割契約、新設分割計画、株式交換契約又は株式移転計画において定めた場合に限るものとする。

① 交付する再編対象会社の新株予約権の数

  新株予約権者が保有する新株予約権の数と同一の数をそれぞれ交付する。

② 新株予約権の目的である再編対象会社の株式の種類

  再編対象会社の普通株式とする。

③ 新株予約権の目的である再編対象会社の株式の数

  組織再編行為の条件を勘案の上、上記3.に準じて決定する。

④ 新株予約権の行使に際して出資される財産の価額

  交付される各新株予約権の行使に際して出資される財産の価額は、組織再編行為の条件等を勘案の上、上記4.で定められる行使価額を調整して得られる再編後行使価額に、上記③に従って決定される当該新株予約権の目的である再編対象会社の株式の数を乗じた額とする。

⑤ 新株予約権を行使することができる期間

  新株予約権を行使することができる期間の初日と組織再編行為の効力発生日のうち、いずれか遅い日から新株予約権を行使することができる期間の末日までとする。

⑥ 譲渡による新株予約権の取得の制限

  譲渡による取得の制限については、再編対象会社の取締役会の承認を要するものとする。

⑦ その他新株予約権の行使の条件

第1回新株予約権発行要領に準じて決定する。

⑧ 新株予約権の取得事由及び条件

  第1回新株予約権発行要領に準じて決定する。

⑨ その他の条件については、再編対象会社の条件に準じて決定する。

 

9.2023年3月23日開催の取締役会決議により、2023年4月15日付で普通株式1株につき3,000株の割合で株式分割を行っております。これにより、「新株予約権の目的となる株式の種類、内容及び数」、「新株予約権の行使時の払込金額」、「新株予約権の行使により株式を発行する場合の株式の発行価格及び資本組入額」が調整されております。

 

② 【ライツプランの内容】

該当事項はありません。

 

 

(5) 【所有者別状況】

 

 

 

 

 

 

 

  2023年6月30日現在

区分

株式の状況(1単元の株式数 100株)

単元未満
株式の状況
(株)

政府及び
地方公共
団体

金融機関

金融商品
取引業者

その他の
法人

外国法人等

個人

その他

個人以外

個人

株主数
(人)

4

4

所有株式数
(単元)

36,360

36,360

所有株式数
の割合(%)

100.0

100.0

 

 

 

(6) 【大株主の状況】

2023年6月30日現在

氏名又は名称

住所

所有株式数
(株)

発行済株式
(自己株式を
除く。)の
総数に対する
所有株式数
の割合(%)

株式会社We(注)2

東京都港区港南二丁目5番3号

2,880,000

79.20

三井物産株式会社

東京都千代田区大手町一丁目2番1号

552,000

15.18

丸紅株式会社

東京都千代田区大手町一丁目4番2号

102,000

2.81

伊藤忠商事株式会社

東京都港区北青山二丁目5番1号

102,000

2.81

3,636,000

100.00

 

(注) 1.発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合は、小数点以下第3位を四捨五入しております。

     2.株式会社Weは、当社代表取締役社長である曽我部完がその株式を直接的に100%保有する資産管理会社であります。

 

① 【貸借対照表】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:千円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前事業年度

(2022年6月30日)

当事業年度

(2023年6月30日)

資産の部

 

 

 

流動資産

 

 

 

 

現金及び預金

618,463

671,809

 

 

売掛金

195,644

481,155

 

 

契約資産

180,272

92,643

 

 

仕掛品

437

 

 

前払費用

18,113

28,491

 

 

その他

5,502

3,195

 

 

流動資産合計

1,018,434

1,277,296

 

固定資産

 

 

 

 

有形固定資産

 

 

 

 

 

建物附属設備(純額)

4,172

3,611

 

 

 

機械及び装置(純額)

486

324

 

 

 

工具、器具及び備品(純額)

8,452

5,743

 

 

 

有形固定資産合計

※1 13,112

※1 9,680

 

 

無形固定資産

 

 

 

 

 

ソフトウエア

66,485

130,640

 

 

 

ソフトウエア仮勘定

76,141

 

 

 

無形固定資産合計

142,627

130,640

 

 

投資その他の資産

 

 

 

 

 

出資金

10

10

 

 

 

関係会社出資金

35,100

35,100

 

 

 

関係会社長期貸付金

33,200

33,200

 

 

 

長期前払費用

412

2,613

 

 

 

繰延税金資産

36,644

65,366

 

 

 

その他

23,396

22,208

 

 

 

投資その他の資産合計

128,762

158,497

 

 

固定資産合計

284,502

298,818

 

資産合計

1,302,936

1,576,114

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:千円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前事業年度

(2022年6月30日)

当事業年度

(2023年6月30日)

負債の部

 

 

 

流動負債

 

 

 

 

買掛金

7,965

3,154

 

 

1年内返済予定の長期借入金

60,100

62,870

 

 

未払金

28,903

27,696

 

 

未払費用

91,319

118,533

 

 

未払法人税等

2,290

2,290

 

 

契約負債

1,624

66,310

 

 

前受金

143

 

 

預り金

6,386

8,520

 

 

その他

31,858

48,733

 

 

流動負債合計

230,591

338,107

 

固定負債

 

 

 

 

長期借入金

134,500

71,630

 

 

固定負債合計

134,500

71,630

 

負債合計

365,091

409,737

純資産の部

 

 

 

株主資本

 

 

 

 

資本金

100,000

100,000

 

 

資本剰余金

 

 

 

 

 

資本準備金

706,200

706,200

 

 

 

その他資本剰余金

688,300

688,300

 

 

 

資本剰余金合計

1,394,500

1,394,500

 

 

利益剰余金

 

 

 

 

 

利益準備金

3,369

3,369

 

 

 

その他利益剰余金

 

 

 

 

 

 

繰越利益剰余金

561,639

333,107

 

 

 

利益剰余金合計

558,270

329,738

 

 

株主資本合計

936,229

1,164,761

 

新株予約権

1,615

1,615

 

純資産合計

937,844

1,166,377

負債純資産合計

1,302,936

1,576,114

 

 

② 【損益計算書】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:千円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前事業年度

(自 2021年7月1日

 至 2022年6月30日)

当事業年度

(自 2022年7月1日

 至 2023年6月30日)

売上高

※1 910,399

※1 1,353,869

売上原価

249,753

397,287

売上総利益

660,646

956,581

販売費及び一般管理費

※2 589,530

※2 747,942

営業利益

71,115

208,639

営業外収益

 

 

 

受取利息

※4 500

※4 499

 

補助金収入

121

 

受取保険料

226

844

 

物品売却益

※4 968

258

 

講演料等収入

307

85

 

その他

29

3

 

営業外収益合計

2,153

1,691

営業外費用

 

 

 

支払利息

107

77

 

上場関連費用

6,016

 

補修費用

5,511

101

 

営業外費用合計

5,618

6,195

経常利益

67,651

204,135

特別利益

 

 

 

関係会社清算益

※5 10,715

 

特別利益合計

10,715

特別損失

 

 

 

固定資産除却損

※6 2,035

 

特別損失合計

2,035

税引前当期純利益

78,366

202,099

法人税、住民税及び事業税

2,290

2,290

法人税等調整額

15,890

28,722

法人税等合計

13,600

26,432

当期純利益

91,967

228,532